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大切なお知らせ

いつもお世話になっております。

菅家しのぶです。

突然ではございますが、本日2015年12月31日をもってこの「逢魔時の視聴覚室」は更新を停止することとなりました。

はっきりとした理由はございません。

ただ、以前よりブログに対するモチベーションの低下を感じており、それが文章というカタチで表れるようになってしまったことが、今回の決断に至った主な原因であるように思います。

本来の文章というものは、より自由であるべきなのです。義務的に書かれるだけの文章などという不自由なものはあるべきではないのです。……とまでは申しませんが、そういった文章を私自身が求めていないのは確かです。

「逢魔時の視聴覚室」を開設して六年半になります。

飽きっぽい自分としては、長持ちした方だと思っております。

これまでご愛顧いただきまして、誠に有難うございました。

では、続きはこちらで……。

菅家しのぶ
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無題。

『キングオブコント』という賞レースが支持されていた理由の一つに、「準決勝戦で敗退した芸人たちが決勝戦の審査員を務めていた」という点がある。決勝進出者と同じ時代を生き、同じ時代で笑いを創作する者たちが、その敗者としての味わう苦汁を噛み締めながら、それでも評価せざるを得ない者たちだけがコントの王になれるのだ。逆にいえば、コントの王たちは、若手芸人たちからの推薦状を背負っているということでもある。笑いのプロフェッショナルたちによって、「今、この人たちのコントが、間違いなく面白い」と太鼓判を押されているわけだ。だからこそ、王者は笑わせなくてはならない。同胞たちの信頼を裏切らないためにも。

それを踏まえて言うけど、なにやってんだよホントによ!!! テメェふざけんんじゃねえぞ!!! テメェが痴漢で捕まった時に心配しまくって、それでも信用して、それこそ芸人仲間たちと一緒に現場復帰を待ってよ!!! それでコンビでの活動が再開されて、またテレビでネタやってる姿を目にするようになって、遂には『キングオブコント2010』で優勝しちゃってよ!!! 「どん底から這い上がってきたよ! 才能ある芸人はちゃんと評価されるんだよ!」って、大ファンってわけでもないのに喜んだよ!!! それがテメェ、制服盗んで逮捕たぁ、どういうつもりだ!!!!! あの日、若手芸人たちがテメェのコントを評価して、実際にそれで多くの人が笑って、それだけのことをやらかしておいて、なんだ!!! なんなんだ!!! ああああああああああああああああああ!!!!!! バカじゃねえのかマジで!!!!!!

この怒りを吹っ飛ばすくらいの笑い、後でちゃんと返してくれよ。頼むよ。心配なんだよ。

きけ たけはるのこえ

浪曲師として知られる国本武春氏が亡くなった。



55歳だったそうだ。冗談じゃない。幼いころから現在に至るまで、脳味噌に唸り声を刻み込むだけ刻み込んで、そのままいなくなってしまうなんて、とんだ藝惜しみじゃございませんか……。

解散。

解散ラッシュが続いている。

まず12月14日に、マセキ芸能社所属のお笑いコンビ・ツィンテルと浜口浜村が、事務所主催のライブで解散を発表。ツィンテルは俳優としての経験を下地としたコンビ。これといった芸風を持たないコンビだったが、海外へ旅立とうとしている女性への告白を渋っている友人を彼女が行く国に関する料理名を会話に交えながら説得するコント『旅立つ君へ』は妙に記憶に残っている。下らなくてバカバカしいネタだったなあ。

浜口浜村のネタはそれまで観たことがなかったのだが、解散の発表後、Twitterでフォローしている方からオススメの漫才を教えてもらった。あからさまに偽りのプロフィールでキャラを立てようとする二人が、自分たちが嘘をついていたこと、本当は彼らが“浜口浜村”ですらなかったことを告白する『自己紹介』と、浜村が自らのストーカー気質を告白するのだが、そのストーカー相手が自分自身だということが発覚、浜村は完全に自らを見失ってしまう『ストーカー』。どうしても大衆芸能として分かりやすくシンプルな内容になってしまいがちな漫才という手法で、とことんディープでマイノリティな笑いを追求する姿勢に衝撃を受けた。そして、ここまで面白いネタをやっておきながら、ライブ界隈でしか話題になっていなかった現状に驚いた。

続いて、12月19日、人力舎所属のお笑いコンビ・ザンゼンジが事務所のホームページで解散を発表。若手芸人の登龍門『オンバト+』で高い評価を獲得し、個人的には『キングオブコント』の決勝戦に進出できるレベルのコントをやっているように感じていたコンビだったので、ここの解散には本当にビックリした。『声変わり』『付き人』など、奇妙で不思議なコントがとても面白かったのだが……。コンビとしての限界を感じただけで、これからも二人は芸人としての活動を継続するということなので、今後の活躍に期待したい。

そして12月22日、人力舎所属のお笑いコンビ・S×Lが事務所のホームページで解散を発表。こちらも『オンバト+』で高く評価されていたコンビである。但し、クセの強いコントで注目を集めたザンゼンジに対し、S×Lはとことんキャラクターの魅力を揺るぎないフォーマットを作り込んだ手堅い漫才を演じていたコンビだったので、ここの解散にはいよいよ驚いた。こう短いペースで驚かされると心臓に悪い……。キリッとしているようで実は相当なかっこつけたがりな酒井啓太と一見すると愚鈍だが隙あらば酒井の立場をグイッと追い込んでいくしょうへいのやりとりは安定感があって、とても面白かったのだが……。

「続けていれば売れていた」とは断言できない。ただ、惜しい。無責任に、そう言うしかない。

「アメリカザリガニ独演会 @新宿角座」(2015年11月11日)

漫才「柳原にアテレコ」
VTR「オープニング」
漫才「結婚式とお葬式の違い」
漫才「アニメソング」
VTR「ネット界で活躍の方々から応援の「アメザリ!」コール」
漫才「ドライブスルー(+ニコ生アンケート)」
漫才「ドライブスルー(テンション2倍漫才バージョン)」
漫才「アイドル平井」
漫才「新婚旅行でのホテル選び」
漫才「金魚・あだ名・お正月」(観客から募集したお題で即興漫才)
漫才「モンハン・宝くじ・入れ歯」(ニコ生コメントで募集したお題で即興漫才)
漫才「子どもに本を読み聞かせ・アンパンマン」
 エンディングトーク
VTR「今までアメザリを支えてくれた方々からの「アメザリ!」コール」


今年の11月11日にニコ生で配信されたアメリカザリガニの独演会をタイムシフト予約していたのだが、間もなく観賞期限が切れるということだったので、遅ればせながら拝見した。独演会ということもあってか二人はとてもリラックスした状態で漫才に臨んでおり、『爆笑オンエアバトル』や『M-1グランプリ』でネタをやっていた頃に比べて、良くも悪くもユルーくなってしまったように感じられた。当時のオーソドックスで大衆向けな漫才は何処へ行ったのか、芸風もちょっとつオタク寄りになっていて、その程の良いヌルさに居心地の良さを感じる一方で、あの頃のキリリとしたアメザリはもういなくなってしまったのだなあと寂しくなったりもして。それにしても、この漫才の密度はなんなのか。漫才ライブの合間で映像を流すのだろうと思っていたのだが、ほぼ休みなく、ひたすらにセンターマイクを挟んで喋りつづけていた。途中、ニコ生アンケートで漫才のスタイルを変えてみたり、観客やニコ生コメントからお題を募集して即興漫才に挑んだり、企画としての趣が強い漫才も演じていたが、それにしても、なんというスタミナだろうか。40過ぎとは思えない……。

印象に残っているのは、「柳原の父親の葬式に平井が学生服でやってきたことを明かされる」「柳原が『となりのトトロ』の名シーンをダイジェストでお送り」「テンション2倍で臨んだ『ドライブスルー』の平井が店を閉店しようとシャッターを下ろすくだりで柳原がそれを阻止」「何故か異常にアイドルに詳しい柳原」「ヤマトとエヴァと銀河鉄道が合体したみたいなアンパンマンワールド」。なんだかんだで、非常に満足できるラインナップだった。もう、しばらく単独ライブのDVDをリリースしていないけど、もうそういうソフトは発売しないのかなあ。

げげが往く。

水木しげるが亡くなった。

子どもの頃の僕にとって、水木氏はヒーローのような存在だった。

小学一年生の時の文集の将来の夢の項には「妖怪博士」と書いた。

珍奇で愉快な妖怪が好きだった。

そんな妖怪たちを愛して止まない水木氏が好きだった。

鬼太郎が、悪魔くんが、河童の三平が、好きだった。

小学校の中学年くらいの時に、僕ら家族は旅行で水木しげるロードに立ち寄った。

でも、妖怪たちの銅像にコーフンしたことくらいしか、記憶に残っていない。

僕が再び水木しげるロードに踏み込んだのは、大学を卒業して、少し後になってから。

年甲斐も無く、ぬりかべのぬいぐるみを買って、今でも枕元に置いている。

そして今日、訃報が伝えられた。

Twitterでは「水木氏があの世に出かけた」というようなツイートが飛び交っている。

「そう言われるところが氏の人間性を物語っている」というツイートも目にした。

僕も最初は、そういうツイートをしていた。

でも、ダメだ。

僕はまだ、水木しげるがいなくなってしまった、この世界を受け入れがたい。



水木氏が教えてくれたのは、妖怪のことばかりではない。



『錬金術』という短編がある(ちくま文庫『ねずみ男の冒険』所収)。

ねずみ男扮する「丹角先生」から錬金術を教わった一家が、

その方法で石や瓦を金に変えようと奮闘するのだが、

なかなか金にならない。

この状況に疑問を抱いた息子の三太は、丹角の元を訪れて問う。

「錬金術からはいつまでたっても金は出なかったじゃないか」

すると、彼はこう言ってのける。

「錬金術は金を得ることではなく」

「そのことによって金では得られない希望を得ることにあるんだ」

「人生はそれでいいんだ……」

「この世の中にこれは価値だと声を大にして叫ぶに値することがあるかね」

「すべてまやかしじゃないか」



水木氏は、水木作品は、人生を教えてくれた。

今生では叶わなかったが、来世ではきっとお会いしたく存じます。

では、また。

「新語・流行語大賞」2015ノミネートの件。

年に一度、『現代用語の基礎知識』が選出している、新語・流行語大賞の2015年版にノミネートしている言葉が発表された。既に各方面で言われているが、ちょっと政治に対する批判的な意味合いが込められた言葉に偏っていて、ノンポリを気取っている私でも少し違和感を覚えた。それも、【I am not ABE】だの、【アベ政治を許さない】だの、【自民党、感じ悪いよね】だの、なにやら言い回しに品と遊び心がない。いや、考えてもみれば、大衆の間で流行した言葉を取り上げているのだから、品が無くて当然というものだが(上品なモノなんて大衆に流行るわけがない)……それにしても、もうちょっと、ねえ。

我等が芸人関連の言葉も幾つかノミネートされている。8.6秒バズーカーのネタ【ラッスンゴレライ】、クマムシの漫才の中で歌われている楽曲【あったかいんだからぁ】、芥川賞を受賞した又吉直樹(ピース)の小説【火花】、とにかく明るい安村のネタの決め台詞【安心してください、穿いてますよ。】などなど。その他、芸能関連では【ドラゲナイ】【福山ロス(ましゃロス)】【まいにち、修造!】などの言葉が候補に挙がった。個人的には、様々な不安が取り巻いていた印象のある2015年を、あえて反戦歌でもある【ドラゲナイ】で締めくくるのが良いのではないかと思うのだが……昨年の新語・流行語大賞が、【集団的自衛権】【ダメよ~ダメダメ】の二語を年間大賞に選ぶことで、芸人のギャグを姑息に利用して社会風刺をしてやった感を出していたことを思うと、そんな感傷的な対応には期待できないだろう。

そんなことを考えながらTwitterを眺めていると、こんなツイートが目に飛び込んできた。


当人はあくまで冗談のつもりでツイートしたのだろうが、確かに今年を表しているという意味では、【WHYJAPANESE PEOPLE!?】は的確なんじゃないか。何がどうしてそう感じたのかはスコーンと忘れてしまったが(その辺は年末に爆笑問題やナイツの漫才で確認するから良いのだ。ははははは)、今年はそういう気持ちになった回数が例年に比べて非常に多かったような気がするのである。……つい先日、ハロウィンの報道を目にしたところだったからかな。まあ、それに加えて、今年は海外に暮らす日本人・日本にやってきた外国人の構図を描いたバラエティ番組が非常に多くて、その意味でも厚切りジェイソンのこの言葉はノミネートされても良かったのではないかと思った、という話。

『笑ってコラえて!』が見せる大人の余裕と技術

夕食時、とりあえずテレビの電源を入れたものの、これといって見たい番組を決めていなかったので適当にザッピングしていると、『所さんの笑ってコラえて!』スペシャルが放送されていたので、これを視聴する。企画は「日本列島 ダーツの旅」。スペシャルだからなのか、今回は所さん自身がダーツの旅に赴き、現地の人たちと話をしたり、現地の施設を見学したりしていた。とはいえ、そこはやっぱりマイペースで知られる所さんなので、単なる地方ロケでは終わらない。地元の人たちの接待に対してこっそり毒を吐いたり、地元のお祭りをレポートする仕事をサボッて居酒屋に逃げ込んだりと、タレントとしてのポテンシャル(?)を如何無く発揮した楽しいロケを展開していた。

ダーツの旅を見ている間に夕飯を終えてしまったが、久しぶりの『笑コラ』が面白かったので、そのまま視聴を続行。続く企画は「スゴ~イ地味な人なくしては、スゴ~イ派手な事なしの旅」。ド派手な業界を陰で支えている人たちを特集するコーナーだ。今回のテーマは“映画の予告編制作”。映画の予告編を専門に制作している会社へと赴き、その特殊な業種ならではのエピソードを色々と伺っていた。来春公開予定の映画『ちはやふる』の特報が作られる行程も追っていて、とても惹かれた。プロデューサーの注文にしっかりと答えつつ、自分のセンスもちゃんと出して、作品の魅力を引き出していく……ブログという媒体でちょぼちょぼレビューを書いている身としては、なにやら(一方的に)通じるモノが。うーん、頑張らないといけない。

この後も、日テレ新人アナに密着する「1年たったらこうなりましたの旅」、妖怪に扮した千原ジュニア(結婚発表前)が幼稚園児たちに結婚について相談する「パワーアップ!幼稚園の旅」、“輸送技術界のノーベル賞”ことエルマー・A・スペリー賞を受賞した日本人・山口琢磨氏を取材した「ノーベル賞じゃないけどノーベル賞くらいスゴイ賞を取った日本人の旅」、マイケル富岡と武田修宏の二人が横浜の町を終電から始発まで飲みまくる「朝までハシゴの旅」など、面白いコーナーばかりが続いた。特に「1年たったらこうなりましたの旅」は、普段は見られない“高校生クイズの問題読みに苦心するアナウンサー”の姿が映し出されていて、非常に興味深かった。アナウンサーはただ原稿を読むだけの仕事ではないのだ。あと、妙に感心したのが、「パワーアップ!幼稚園の旅」でジュニア扮する妖怪に子どもが自分の好きな人の名前を皆には内緒で告白したシーン。この名前に対して、番組が音声処理を施していたのである。これには驚いた。子どもの言うことだから……と雑に処理しない真摯な態度を感じた(これまでがどうだったのかは知らない)。

クセのある演出、底意地の悪い視点、そういったものを取っ払ったうえで楽しませてくれる『笑ってコラえて!』は、いわば大人の余裕と技術を感じさせるバラエティ番組なんだなあ、と改めて感心させられた。もちろん、『水曜日のダウンタウン』や『ゴッドタン』も大好きだけど、恐らく所ジョージの引退とともに終了するだろうこの番組の大切さもまた、同時に噛み締めていかなくてはならないと思った次第である。自分が中年といえる年齢になったとき、こういった番組はまだ残っているのだろうか。その頃には、もう私はテレビバラエティのメインターゲット層から外されてしまっているのかもしれないなあ……。

『ENGEIグランドスラム』(第3回・2015年9月27日)

【2】ますだおかだ『高齢化社会(略語、ゲーセン、葬式用語を変えていく)』
キャイ~ン『環境問題・宇宙旅行』
【2】ロバート『書道家 竜海雲』
【2】ナイツ『好きなアイドル』
【2】COWCOW『アイアンメイシン』
【2】流れ星『ちゅうえいの出自・ヤンキー同士の友達のなりかた』
麒麟『出産の立ち合い・お米顔・はじめてのおつかい』
【2】バカリズム『知恵と戦略』
【2】テツandトモ『なんでだろう(岡村隆史とコラボ)』
【2】フットボールアワー『温泉旅行(カレーチャーハン)』
【2】チュートリアル『南の島のメイ』
アンジャッシュ『彼氏と高齢の彼氏が鉢合わせ』
【2】トレンディエンジェル『ダイエットしたい(ボクササイズ・サイザップ)』
インパルス『かくしごと』
スピードワゴン『井戸田潤が話す良い話を修正する(稲川淳二)』
レイザーラモン『格闘技とプロレスの違い・プロレスのデート』
【2】どぶろっく『君への思いを歌に(二人で)』
【皆勤】東京03『そういう人』
ハライチ『必殺技』
ロザン『外国人を道案内・外国人と回転寿司』
【2】千鳥『大悟の友達(1万円泥棒・屁・庭の松の木)』
【2】日本エレキテル連合『黄金夫婦』
【皆勤】爆笑問題『時事漫才(堀北真希の結婚・鮫・安保法案可決)』
今くるよ 中川家『今いくよ・くるよ・くるよ』


『ENGEIグランドスラム』の第3回放送を観終わった。以前よりも既存のネタ番組としての趣が強くなっていて、些かスペシャル感が薄れてしまった気もするが、とはいえ安心して楽しめた。勿論、演者たちの実力によるところが大きいのだが、青を基調とした落ち着きのある舞台美術に演者と程々の距離感を保ったナインティナインのMC、そして親しみやすいコメントを残してくれる松岡茉優のアシストも忘れてはならない。回転寿司を思わせる仕掛けによってファーストフード的に芸人を消費させられる『爆笑レッドカーペット』を制作していたフジテレビが制作したとは思えない(この前に放送された『ツギクルもん』は『レカペ』のシステムをそのまま採用していたが)、とても良い雰囲気の番組であったように思う。

ここからは演者について。まず、漫才。既に番組への出演経験があった漫才師たちは、それぞれ非常に良い仕事をしていた。増田のシンプルかつ濃厚な毒に岡田の何事にも屈しないアイアンハートなツッコミがワクチンとして見事に作用したますだおかだ、小細工無しの言い間違いスタイルで時代と共に変遷するアイドルたちの姿を描写したナイツ、若手のフレッシュ感を漂わせながらバカバカしさと下らなさに身を投じた流れ星・トレンディエンジェル、大悟の世界観だけではなくノブの超個性的なツッコミが冴え渡った千鳥、そして「安保法案」という今後を左右する重大な事案に対して時代の寵児たちを織り交ぜながら切り込んだ爆笑問題……とりわけフットボールアワーの漫才には感服した。後藤のツッコミスキルの向上に岩尾のボケがちゃんと対応している。後半での「カレーチャーハン」というワードセンスだけで押し切る様は、文字通り圧巻だった。

対する初出演組では、スピードワゴン、レイザーラモン、ハライチが印象的。スピードワゴンは、『アメトーーク』での特集をきっかけに小沢の存在感が明らかに強くなってきた。以前は、相方の井戸田潤をイジることで自分自身に注目が集まらないようにしていたのに、今では実に堂々と相方をイジっている。ちゃんと漫才の芯になっている。そのため、井戸田もより動きやすくなっていたように感じられた。稲川淳二のくだり、たまらなかったなあ。レイザーラモンは自らの武器を見つけたように感じた。ただただ楽しい漫才師から、楽しくて面白い漫才師への階段を駆け上がっていく、その途上なのだろう。これからが楽しみだ。ハライチはこれまでと同じ。同じだけど面白い。恐らく、実際は澤部の表現力も岩井のワードセンスも向上しているのだろうが、そう感じさせない。これまでと変わらないと感じさせる。それこそがハライチの恐ろしいところなのである。関係者各位、注意せよ。

一方のコント勢は、あまり目立った印象を受けない。アンジャッシュ、インパルス、ロバートと、職人気質のしっかりとしたネタを見せてくれる芸人が揃っていたからだろうか。とてつもなく古いコント『南の島のメイ』を披露したチュートリアルは、その意味では衝撃的だったといえるのかもしれない。それだけ思い入れの強いコントなのか、それとも単に徳井が女装をしたいだけなのか……。

その中でも、東京03と日本エレキテル連合は凄かった。東京03が演じたコントは、初対面で転んでしまった女性を「そういう人」としか見れなくなってしまう悲劇を描いた『そういう人』。過去、テレビでは比較的分かりやすいコントを演じてきた彼ら。『ENGEIグランドスラム』でも、家族に起こった問題に関する話し合いの場が気付けばキャバクラへの強い思い入れを語る場へと変貌を遂げる『家族会議』、オフィスで上司と部下が密会している現場に立ち入ってしまった男が立ち回りを間違える『終業後』と、日常的な風景が明らかに異質な状態へと変わってしまう様子を分かりやすく描いていた。だが、『そういう人』は違う。東京03の『そういう人』は、初対面で転んでしまった女性の姿が目に焼き付いてしまって、笑いをこらえることが出来なくなってしまった不条理を描いている。でも、その状況自体は、現実離れしたものではない。つまり、そこで生じている不条理に共感を覚えてもらわなければ、このコントはそもそも成立しない。それ故に、大衆に支持されなくてはならない運命を背負っているテレビでは、なかなかかけることが難しい……と、思われた。しかし、この番組は、そんなビミョーな前提を必要とするコントを、ノーカットで放送してみせたのである。ことによると、今回の放送は東京03にとって、一つのエポックメイキングといえるのではないだろうか。……いや、流石に言い過ぎか。日本エレキテル連合は内職的な作業をしている夫婦の姿を描写したコント『黄金夫婦』を披露。他のコントに比べると彼女たちの武器であるメイクが薄く、シチュエーションも日常的だ。だが、それ故に、夫婦の置かれている状況というか、何処にも抜けられない日常のサイクルに突入してしまっている様が浮き彫りになっていて、とてもおぞましい。仕事に対して細かくて口うるさい妻と、仕事に対して大雑把で妻の口を封じるための口先だけのことしか言えない夫のどうしようもない日常。この光景は何処かに存在している。実におぞましい。でも、そのどうしようもない感じが、とてつもなく面白い。

リズム勢もいい仕事をしていた。『なんでだろう』の最中に謎のマジックを披露したテツandトモ(岡村隆史とのコラボも素晴らしかった!)、これまでとはまったく違った手法でいつも通りに下品なことをやってのけたどぶろっく、ライブで何度も何度もかけている定番ネタをきちんとパッケージして楽しませてくれたCOWCOW。リズム芸はアクセントとして有用だ。唯一のピン芸人だったバカリズムも良かった……けれど、もうちょっとピンの枠を広げてほしいなあとも。テツandトモが有りなのだから、例えばダンディ坂野とか、長井秀和とか、陣内智則とか、はなわとか……。ゼロ年代にブームを巻き起こした芸人たちのことも、どうぞ呼んでいただきたい。先日、歌ネタ王になった中山功太もいいぞ。個人的には佐久間一行を一番にオススメしたいところなのだが……。

……と、ここまでああだこうだと述べてきたが、今回の主役はやはり今くるよと中川家のコラボ漫才だろう。実に素晴らしかった。何がどう素晴らしかったというのではない、ただただ素晴らしかった。あまりに素晴らしくて、少し目頭が熱くなってしまった。今いくよが亡くなって四ヶ月の間に、ここまでしっかりとモノマネを仕上げてきた中川家と、その気持ちに全力で応える今くるよの姿が、もう……。いやいや、こんなことで感傷的になるようでは、まだまだお笑い数寄者としての覚悟が足りない。とはいえ、いいものを観させてもらった。

次回の放送は未定。だが、既に第2回『ENGEIトライアウト』が収録されているので、きっと第4回も放送されるのだろう。ちなみに、第2回『ENGEIトライアウト』の出演者は、アルコ&ピース、銀シャリ、三四郎、しずる、プラスマイナス、U字工事の六組。『THE MANZAI 2012』『キングオブコント2013』ファイナリストのアルコ&ピースはストレートで出演しても良かったような気もするが……。何か基準のようなものがあるのかもしれない。厳しいな。

『ENGEIグランドスラム』(第2回・2015年7月12日)

タカアンドトシ『ひとり○○・○○ドン・タカがツッコミ』
チュートリアル『怖い話』
ますだおかだ『色んな名前を横文字に・USJっぽいATM』
テツandトモ『パフォーマンス+なんでだろう』
COWCOW『ギャップのある男・誕生日を祝う・やまびこ』
流れ星『昔話に出てくるキャラクターの格闘ゲーム』
【2回目】NON STYLE『不良を注意する熱血教師のコントが始まらない』
シソンヌ『不動産屋』
トレンディエンジェル『歌が上手くなりたい』
ハマカーン『乗馬と競馬・ホットヨガ・足裏マッサージ』
バイきんぐ『前の部屋主』
【2回目】笑い飯『パンツぶかぶか』
千鳥『刑事ドラマの殉職シーンの顔の演技』
柳原可奈子『バブルな女』
おぎやはぎ『夢か現実か分からない話』
【2回目】博多華丸・大吉『リズムネタがやってみたい・子どもを寝かしつける』
渡辺直美『和製ビヨンセ』
海原やすよ ともこ『大阪人は声がデカい』
【2回目】東京03『終業後』
【2回目】矢野・兵動『漫才』
桂三度『色んな話を最短バージョンで』
中川家『タクシーの運転手』
【2回目】爆笑問題『猿の名前・五輪問題・車載カメラ』


間もなく第3弾が放送されるので、なんとなく見逃していた前回の放送をチェック。チュートリアルがM-1でやっていたスタイルではない漫才をやっていたり、ますだおかだが上手いことを言い続ける最中に岡田をスベらせる鉄板のくだりを久しぶりに目の当たりにしたり、テツandトモが営業でやっているくだりの(恐らく)全てをこなしていたり、博多華丸・大吉がオンバトで頻繁にかけていた博多の親子コントをやっていたり、なかなかにたまらなかった。笑い飯が『パンツぶかぶか』やっていたのも良かったなあ。一般的に知られたダブルボケダブルツッコミのスタイルから、ちょっと離れた感じで。しゃべくり漫才としてキャラクターがまとまってきたハマカーン、逆に従来のスタイルからどんどん自由になっているおぎやはぎも非常に良かった。

第3弾は2015年9月26日放送。インパルス、キャイ~ン、麒麟、スピードワゴン、ハライチ、レイザーラモン、ロザンらが登場するとのこと。ちなみにレイザーラモンは事前番組『ENGEIトライアウト』からの勝ち上がり組。ウエストランド、エレファントジョン、学天即、磁石、ニューヨークらを抑え、番組出演権利をもぎ取った。楽しみだなあ。

なんだったんだ『ミレニアムズ』。

今週の火曜日、Twitterで『ミレニアムズ』の終了を知った。

『ミレニアムズ』とは、2000年にデビューしたお笑い芸人たちによるバラエティ番組である。出演者は、オードリー、ナイツ、ウーマンラッシュアワー、流れ星、山里亮太(南海キャンディーズ)。それぞれ単独で番組を抱えている実力派の人気芸人たちが集結しているとあって、番組開始のニュースはかなりの注目を集めていたように記憶している。事実、その期待値の高さもあってか、開始当初は土曜23時10分からの全国放送枠でオンエアされていた。しかし、それからわずか半年で月曜24時55分のローカル枠へと降格。とはいえ、いずれ全国ネットに戻ってくるだろうと思っていたのだが、そのままリベンジの機会が与えられることなく終了となってしまった。

『ヨルタモリ』『そうだ旅(どっか)に行こう。』『笑神様は突然に…』『オモクリ監督』『有田チルドレン』など、それなりに注目を集めていた番組が相次いで終了している今。話題性・注目度という意味では圧倒的に低かっただろう『ミレニアムズ』が終了するのも、致し方の無いことなのかもしれない。とはいえ、もうちょっと見守る余地を与えても良かったのではないか、という気もしないでもない。

確かに、一時期は深夜枠とは思えないようなぬるい企画で間を埋めていたが(某番組をパロった大喜利コーナー「傷点」が『ロンハー』を思わせる恋愛ドキュメントコーナーになったときは引っくり返りそうになった)、ここ最近は春日率いるマッチョ軍団がロケに繰り出す「マチョぶら」、ゲストに中野聡子(日本エレキテル連合)や柳原可奈子を迎えてこじらせ持論を展開させた「ミレニアムズ講座」、若林と中川とちゅうえいがラップユニットを結成し様々な事物をディスっていく「DAIVA SQUAD」などなど、それぞれの企画がだんだんと面白くなり始めていた。……よくよく思い返してみると、オードリー関連の企画ばかりだ(別にファンというわけではない)。また、中川パラダイスがその秘められた暴力性を開花させ、他では見られない狂気を垣間見せるようになったのも、とても魅力的に感じられた(ゲストに来たテリー伊藤の顔を舐め始めた時は、歴史が動いたかと思った)。それが良い方向だったのか悪い方向だったのかは分からないが、少なくとも『ミレニアムズ』という枠組みの中でひっそりと何かが芽生えそうになっていたのである。

ただ、『ミレニアムズ』という番組そのものが惜しいかというと、そうでもない。正直、(先に挙げたものも含め)企画という意味では新しさを感じさせるものはなかったし、それぞれの出演者の個性を掘り返すにしても何周も遅れている感じで、あんまり面白くはなかった。いや、バラエティ的に未知数だったウーマンラッシュアワーと流れ星のことをもっと早くに掘り下げようとしていれば……何か違う結果が見えていたかもしれない。まあ、全ては結果論に過ぎないのだが。

ところで、番組は次回で最終回を迎えるらしいのだが、その前の回で最終回が予告されていなかったように見えたのだが、これはどういうことなのだろうか。今年の4月に番組が全国放送枠からローカル枠へと移動した際にも、そのことが番組内で予告されていなかったのだが、全ての告知はインターネット上でのみ。何のためのテレビなんだ。もしや意図的にやっているのだろうか。どういう意味があるのかは知らないが、そういう視聴者に対して不誠実な態度を取っているところが、もう色々とダメだったのかもしれない。芸人にも幾らかの責任はあるだろうが……。

いったい、なんだったんだ? 『ミレニアムズ』。

今年の『27時間テレビ』で記憶に残っているシーンを箇条書き。

読んで字のごとし。

ちなみに、本文で言及していない「ホンキーマン本気のダイエット」「FNSちびっ子ホンキーダンス選手権」「めざましテレビ」「とんねるずの女気じゃんけん」「中居&矢部 本気のスポーツチャレンジ」「サザエさん」は、うっかり寝ていて見逃した。

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芸人解散年表(2015~2005)



というわけで、過去十年間の芸人解散年表をまとめてみた。

ただ、自力で情報を探して回ったので、間違っているところがあるかもしれません。
間違いを見つけられましたら、教えていただけると幸いです。

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いいかげんブルーなレイになってくれ

このブログでは、過去に二度ほどブルーレイの販売形態に対して苦言を呈してきた。

■ブルーなレイにしておくれ(2012年2月25日)
■ますますブルーなレイにさせてくれ(2012年10月26日)

単純にブルーレイ単体でリリースすればいいところを、あえてDVDやブルーレイ(3D)とセット販売にして、ちょっとでも小銭を稼ごうという販売者の姿勢に対し純然たる怒りをぶつけたこれらの記事は、大した反響は得られなかったものの、コレクターとしての意思の表明として、絶対にすべきことであったと今でも思っている。そして、もう二度と、このような哀しい出来事は起こらないようにと、心から願ったのであった。いや、マジで。

ところが、ちょっとややこしい案件が出てきた。

『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』という映画がある。世界中で愛されているキャラクター・ムーミンたちが、彼らが暮らしているムーミン谷を飛び出し、リヴィエラ旅行へと繰り出す姿を描いたアニメーションである。私は本作を映画館で鑑賞したのだが、皮肉と風刺と面倒臭い感情がシンプルに描かれていて、非常に面白かった。日本語版の声優陣がテレビアニメ『楽しいムーミン一家』と同じメンツだったことにも感動した。こういう有名なアニメーション作品には声優改変がつきものなのに、そこを従来のままに押し通した裏方さんたちの活躍には、感謝しかない。有名人枠として呼ばれたさまぁ~ずと木村カエラの声にもさほど違和感がなく(というか、さまぁ~ずに関しては声を当てているキャラクターが当人にしか見えない!)、本当に、心の底から素晴らしい映画だったと断言できる。だから、ソフト化される際には、必ずブルーレイを購入しようと思っていた。

で、先日、その詳細が発表されたのだが……。


↑DVD(豪華版)


↑DVD(通常版)


↑ブルーレイ(通常版)

一見すると、何も問題がないように見える。しかし、大きな問題があるのである。その問題とは……ブルーレイには豪華版が存在しないのである!(2015年6月22日現在) 公式サイトによると、DVD(豪華版)には本編の他に特典映像としてメイキング、スタッフインタビュー、プレミア試写会舞台挨拶などが収録されているらしい。しかし、DVD(通常版)とブルーレイ(通常版)の特典映像には、予告&TVスポット集しか収録されていないらしいのである。

『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』に感動した身としては、メイキングやスタッフインタビューは観たい。でも、それを観るためには、DVD版を買わないといけない。しかし、思い入れのある作品だからこそ、高画質・高音質であるブルーレイで手元に置いておきたい。ならば、両方買うか……となると、流石に予算的に都合が悪いし、なにより理不尽で納得できない。選択肢すら存在しないって、どういうことだ!!!

まあ、これから仕様が変更されるのかもしれないけれど、本当にどうなってんだろうな、コレ。

『ツイ4』新人賞の応募作について感想を書いてみた。

『ツイ4』が炎上している。

『ツイ4』とは、星海社のウェブサイト“最前線”によって、Twitterで四コマ漫画を配信しているアカウントのことだ。現在も複数の作品が一日に一度のペースで配信され続けている。単行本化されている作品もあり、『女の友情と筋肉』(KANA)、『ノヒマンガ』(ボン)、『強くてカッコイイ女子は好きですか?』(川村一真)などの作品が好評を博しているらしい。個人的には『じょしよん』(なるあすく)がお気に入りだ。ベタなのに無秩序な世界観を女子高生で強引に包み込んでしまう、昨今の萌え傾向の最終地点の様な作品である。

炎上のきっかけとなったのは、『ツイ4』アカウント上で公開された新人賞の座談会である。ネット上で募集された各作品に対する編集者たちの毒舌コメントが、多くのTwitterユーザーたちの逆鱗に触れたのだ。正直、私個人としては「そこまで怒るような内容かしらん」と思ったのだが、まだまだ素人に毛も生えていないような新人に対するコメントとしては、あまり適切な内容ではなかったのかもしれない。

ところで、ちょっと気になったことがある。大半のTwitterユーザーたちのコメントは、座談会での感想に向けられたものだったのだが、肝心の応募された四コマ漫画に対するコメントがあまり見受けられなかったのである。毒舌に腹が立つ気持ちは分かるが、せっかく作品が見られる状態になっているのに、一般の読者である我々が感想を送らないというのも妙な話である。編集者が得意げにこき下ろしている作品の良いところを我々が拾い上げ、彼らの前に叩きつけようじゃないか! ……なんて、そこまでちゃんとした意志を抱いているわけではないが。

というわけで、応募作品を読んでいて、思ったことを書いてみた。

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プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

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