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見ざる聞かざる、でも言う

「子供たちのために作ったのに…」 宮崎監督、「ポニョ」試写での子供らの反応に落胆(痛いニュース)

 ここまで叩かれているのを見ると、たぶん興行成績的には成功するだろうなあ……と思っていたら、本当に成功していたらしい。今朝の「めざましテレビ」で『劇場版ポケットモンスター』を抑え、今週の映画興行成績では一位だったと紹介されていた。今の調子だと『千と千尋の神隠し』を抜くのではないか、というところまで行っているらしい。

 その一方で、最近のコピペブログにおける「ポニョ叩き」は妙な盛り上がりを見せている。個人的に巡回しているブログの三分の一ほどが『ポニョ』関連の記事を掲載している程だから、異常と言っても差し支えないだろう。その中に、『ポニョ』を褒めた記事は皆無である。結果、それがまるで現代人にとって当然の反応であるかのように錯覚させられる。たまったもんじゃない。(追記:ここで挙げた数字はテキトーぶっこいているが、一部コピペブログに「ポニョ」叩きの流れが出来てきているのは事実。痛いニュースなんか、既に三件も「ポニョ」関連の記事を上げている。流石だ)。

 それにしても腹立たしいのは、そういったネガティブな意見よりも、まるで自らが子どもを知っているかのように語っている、傲慢で厚顔無恥な人々だ。宮崎は子どもを知らない、子どもというのはこういうものなのだよ、などと説法を垂れている。仮にも『パンダコパンダ』『未来少年コナン』『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』などの作品で、過去に子どもの心を鷲掴み続けてきた作家に対して言える批判ではない。こういうのを「釈迦に説法」と言うのかもしれない。少なくとも、言っている人間は釈迦ではない。

『ナウシカ』『ラピュタ』の第二作を作れ、などという輩にも呆れる。作家だって生き物だ。まだ四十台だった頃の作品と同じ路線の作品を、六十過ぎの人間が作れるわけがないことなど、推測して当然ではないか。それとも、あくまで理想だとでも言うのだろうか。なら、ややこしいから黙っていれば良い。それこそ、チラシの裏だ。

 いつの時代も、作品は批評とともにあった。しかし、今ほど作品を観ない批評家が多い時代は、きっと存在しなかっただろう。そういった連中は、淀川長治にでも呪い殺されれば良い。なんでも生前、淀川氏はそういった連中に対して「あんた、殺しますよ」と言い放っていたらしいから……。

 面白くない客が増えた。いや、客ですら無いが。増えたというのも、間違っているのかも知れん。単に、それまで見えなくなったものが、見えやすくなったというだけで。嫌な時代だ。賞賛は見えづらいのに、批判はやたらと大きく見える。どっちにしても、面白くないことに変わりはない……。

落語家兼小説家

シャレのち曇り (ランダムハウス講談社文庫 た) (ランダムハウス講談社文庫 た 5-1)シャレのち曇り (ランダムハウス講談社文庫 た) (ランダムハウス講談社文庫 た 5-1)
(2008/07/10)
立川 談四楼

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 立川一門の文章家、立川談四楼の傑作小説『シャレのち曇り』がランダムハウス講談社にて文庫化。追って八月には『師匠!』を文庫化する予定。近年、吉川潮の芸人小説を文庫化していたレーベルなので、その関係からの出版なのかもしれない。この調子で、埋もれている演芸関係の書籍がどんどん文庫化されてくれれば良いのだが……難しいかな、なかなか。

『赤めだか』(立川談春)

赤めだか赤めだか
(2008/04/11)
立川 談春

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 芸人という仕事の地位は、上がっていると言われている。お笑いの専門学校が出来てから、お笑い芸人になるために越えなくてはならないハードルも下がった。そこら辺の陽気な兄ちゃんが、気楽に芸人を目指せる時代。それが良いことなのかどうかは、分からない。僕は容易に今を評価できるほど冷静ではないし、過去を賞賛するほど懐古主義者でもない。

 ただ、昔の芸人のほうが、その厳しい修行環境が非現実的であるためか、非常に面白いとは思う。最近の芸人の修行時代は、どうも所帯染みているから。……と、こういうことを書くと、実に無責任に思われるかもしれない。いや、実際に無責任だ。そもそも、本気で芸人を目指している人間の苦悩を楽しむだなんて、とても下品な行為でもある。それでも、面白いほうが面白いに決まってる。

 立川談春が、落語家を志してから二ツ目になり、真打昇進に至るまでのプロセスを描いたエッセイ『赤めだか』。これは、とても面白い本だった。ただ“面白かった”のではない。“とても面白かった”のだ。あまりに面白かったので、月曜日に購入したのに、水曜日には読み終わっていた。……他人には理解できないことかもしれないが、僕が本を読む速さを考慮すると、このスピードは尋常ではない。朝のちょっとした時間に読み、仕事の休憩時間に読み、家に帰ってからも読み……ひたすら読み続けた。とにかく、それほどに面白かったのだ。

 ……褒めすぎたか。でも、ウソはひとつもついていない。『赤めだか』は間違いなく面白かったし、三日で読み終わったことも、読み漁ったことも事実だ。とはいえ、あまりに褒めすぎてもアレなので、そろそろ本編に触れていきたいと思う。うーん。

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だって禁断の愛

 およそ一ヶ月前。僕は中島みゆきに恋をしていた。その凛とした佇まいに惚れこんだ。しかし、彼女と僕の間には、年齢という壁があった。もっと色んな壁もあったが、最大の原因は年齢だ。決して、収入だの高嶺の花だのいう壁は見えない。見たこともない。ちなみにライブアルバムは買ったよ。

 しかし此度、僕は新しい恋に目覚めたのである。彼女の名は、元ちとせ。彼女はまさに、奄美大島に咲く一輪のハイビスカス……奄美大島にハイビスカスが咲くのかどうかは知らないが。とにかく、惚れたのである。うん。

 ……と、ここで疑問に思う人もいることだろう。「元ちとせって、そんなに可愛かったっけ?」と。いやいや、確かに僕もかつてはそう思っていた人間だった。「元さんは歌が上手いけど、顔がなあ……」などと、下らないことを思っていた人間だったのだ。死ね! あの頃の自分、一刻も早く死ね!(自殺じゃねーか)

 ところが、先週発売された福耳の新曲『DANCE BABY DANCE』のPVの元さんが、すっげえ可愛いのよ。映像に編集がちょくちょく入っていたのかもしれないけれど、ンなこたぁ知ったこっちゃねえ。杏子もスガも山崎も払いのけ、俺も行きたいエクスタシー。なんつって。

 とにかく見て。可愛いから。少なくとも、俺は可愛いと思った。久しぶりに篠原ともえ見たとき以来の衝撃だったよ、ホント。

 どうでも良いけど、福耳増えすぎだろ。

「ザ・ドリームマッチ08 真夏の若手芸人祭り!!」雑感

 TBSのやることだから、どうせつまらないだろうとタカを括っていたんだが、まあ、そこそこに面白かった。ダウンタウンの二人もすっかり若手の扱い方に慣れてきたようで、フィーリングカップルの時の松ちゃんの軽快なボケが印象に残っている。なんとなく安心できるな。

 今回は若手芸人によるユニット全組がコントに挑戦。まあ、構成やら何やらをマジメに考えなくちゃならない漫才より、ある程度の設定さえあれば、そこそこ無茶できるコントの方が、都合は良いよな。コント好きとしても、その辺はちょっと嬉しかったり。

1.藤森&吉田「窓」
藤森演じる女性が、窓の向こうに住んでいる男性(吉田)と妙なコミュニケーションをとっていくコント。別に藤森じゃなくても出来るネタだったな(笑) ただ、あのオープニングは藤森じゃないと出来なかった気もするが。殆ど吉田のボケありきのネタになっていた。まあ、仕方ないか。一発目としては、無難で宜しい。

2.日村&中田「アシカショー」
オーソドックスな展開に、ちょくちょく中田色が出ていたのが印象的。でも、ちゃんと日村も生かそうとするところが、腕だよね。イラストネタに突入してからの畳みかけが良かった(おじさんがガケから落ちるところは最高!)けれど、途中のマジックショーは要らなかった気が。スベったときの保険だったのかな。

3.河本&後藤「万引き」
次長課長のスタイルとフットボールアワーのスタイルが、それなりにかみ合っていたコントだった。河本濃度が高いけれど、100%河本じゃなかったところが面白かったよな。ただ、ネタ前でも触れられていたけれど、こういう完成度の高さは別に求めていないんだよね。化学反応という意味では、ここは一番弱かった。

4.矢作&岩尾「ビーチバレー」
今回のユニットでは、最もナンセンス度が高いユニットだと思っていただけに、こういうネタで勝負してきたのは、なにやら意外だった。これって、ちょっとだけだけどビーチバレー批判が入っている気が……矢作の差し金か? 途中からの岩尾に対するダメ出しっぷりが面白かったけれど、なんだか無理に矢作式ツッコミを繰り出そうとしていた感も。

5.しずちゃん&陣内「キャバクラ」
陣内のいつものコントの小道具として、しずちゃんがいるって感じ。いや、ちょくちょくしずちゃんならではのボケが見られたけれど(非常口のタトゥーとか)、ネタの流れは完全に陣内智則ワールドだったなあ。もう、明転時の陣内のセリフで、完全に陣内ワールドが出来上がってた。終盤の泣かせ展開も含めて、流れは完全に陣内だったなあ。

6.小木&山里「リード」
どっちが作ったのか分からないコント。山ちゃんなのかなあ、やっぱり。いや、小木の活かし方を妙に理解しているというか、妙に出来上がった感じがあったな。ただ、今思い出してみると、今回のネタの中で最も印象に残っていない(笑) それだけナンセンスだった、ということなのだろう。あ、あと山ちゃんはやっぱりツッコミが上手いね。

7.井上&エド「副担任に告白」
今回、最も妙なコントを繰り出していたコンビ。なんだろうなあ。どっちが考えたんだろうなあ。ジェネレーションギャップネタ、スカシネタ、顔芸と実にバラエティに富んだ内容。このコントだけ、もう一回くらい観たいと思ってしまったな。うーん。下らないコントに弱いんだ。というか、エドさんは良いね。「グー」を封印して、本当に良かった。

8.設楽&小杉「競馬場にて」
普段のバナナマンのコントの相方を、日村から小杉に替えただけ。いやいや、それでもかなり完成度の高いコントだったなあ。一応、三時間で作ったネタということだけど、単独で見られるほどのクオリティになっていたと思うな。小杉もオリジナリティの高いツッコミをバンバン繰り出していたし。この番組で一番“職人芸”みたいなコントをやっていたユニットだったと思う。うん。良かった。

 エンディングでは、松ちゃんが禁断のモナ・二岡ネタを。あれ? そういうボケをやる人だったっけ? いや、別に良いんだけれど、松ちゃんが嫌っている人で、そういうボケをやっている人がいたような(邪推)

『所さんの世田谷ベース2 DVD-BOX』

所さんの世田谷ベースII DVD-BOX所さんの世田谷ベースII DVD-BOX
(2008/07/16)
所ジョージ清水圭

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所ジョージが、朋友である清水圭に対して延々と趣味の話を続けるだけの番組『所さんの世田谷ベース』のDVD-BOX第二弾が発売された。前作が2007年12月の発売だったので、およそ七ヶ月の期間を空けての発売ということになる。ちなみに、放送が開始されたのは2007年4月から。そんな短期間でDVD化されているということを考えると、かなりの人気を博しているようだ。なんだか某『ゲームセンターCX』を思い出すネ。

さてさて、満を持しての第二弾だが、やっていることは殆ど変わらない。ロケ地は相変わらず所ジョージの事務所だし、備品は全て所の私物だし、出演者は相変わらず所と清水だけだ。でも、しっかりと面白い。

所ジョージのタレントとしての自由さを徹底的に開放し過ぎた非バラエティ的空間と、それをどうにかバラエティな空間に引き戻そうとしつつも、所のペースから逃れられない清水のやりとりは、前作と変わらず、とても良い感じ。清水も慣れてきたのか、所をイラッとさせる瞬間がちょっと減った気がする(考えてもみれば、出演者がイラッとくる瞬間が分かるバラエティ番組って凄いよなあ)。

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ダメ読書

 読まなくちゃいけない本が、どんどん溜まっている。溜まっているという自覚があるのに、買ってしまうからだ。ダメだね。人として。昔、まだ高校に通っていた頃に、休み時間に本なんか読んでいたりすると、教師が感心したりしていたけれど、確実に頭が良くないからね。単に活字中毒なだからね。

 今、枕元に読まなくちゃならない本を積み上げているんだけれど、もうね、まったく進まない。中身は面白いって分かってるのに、全く進まない。もう、本当にダメ。ただの買い物依存症みたいになっちゃってる。いや、読もうって意欲はあるんだけどね。ただ、読書の時間が無い。そういう時間には、DVDとか観ちゃってる。『所さんの世田谷ベース2』とか観ちゃってる。或いは、ニコニコ動画とか観ちゃったりしてね。ダメダメだ。

 せっかくだから紹介してみるか。まず一段目。……うん、二段積んでるんだね。ダメだなー。一番下に『お笑い芸人になる方法』(西条昇)。結構前に買った本なんだけどね。次に『大喜利猿 優勝』(小林賢太郎・升野英知)。とっとと読んでしまえる本ほど、なかなか読み進まない。それから『BESTっス!』(ゲッツ板谷)、『象の消滅』(村上春樹)、『2999年のゲームキッズ』(渡辺浩弐)、『大学の話をしましょうか』(森博嗣)、『ライムスター宇多丸のマブ論!』……ラインナップ無茶苦茶だな。で、今日買ってきた『赤めだか』(立川談春)ね。……うん、また増えたんだ。ダメだねー。

 二段目に行ってみよう。『笑いの方程式』(井山弘幸)、『立喰師列伝』(押井守)、『よゐこの芸能日記』、『大正テレビ寄席の芸人たち』(山下武)、『discord』(鹿野淳)、『漫画ノート』(いしかわじゅん)、『イママン』(本谷有希子)……そして『爆笑問題集』。積んでるなあ。積みまくってるなあ。分厚い本ばっかりだぁ。

 で、パソコンの傍らにも読書中の『淀川長治の映画人生』(岡田喜一郎)に、『シェーの時代』(泉麻人)と『マンガの深読み、大人読み』(夏目房之介)なんかも置いてあったりしてー……ずぶずぶ。

七月十七日放送 感想文

ギャロップ『漫才:隕石を破壊する』(501kb)
自分が犠牲になろうとする男のコントもさることながら、ロケットに飛び乗るシーンのショートコントが、たまらなく面白かった。構成の上手さが目立つネタだったような。最終的に二人で出発する展開なんか、かなり笑ったな。キャラクターは地味だけれど、漫才師としての技術力は確実に上がっている模様。

ハマカーン『漫才:屋台をやりたい』(437kb)
やっぱり、ちょっと頂点は過ぎてしまった感があるなあ。安心感のあるボケもあったけれど、ちょくちょく冒険心が勝って、スベってしまっているボケが幾らか見られた。作家としての個性を出そうとして、失敗してしまっているかのような。結果、余計にアンタッチャブル臭くなってたな。

イワイガワ『コント:親父がコントに挑戦』(469kb)
ボケの面白さよりも、コントの展開自体の面白さが印象に残っている。古典的なギャグばっかりの、いわゆる古臭さをパロッたコント。面白かったといえば面白かったけれど、爆笑するほどではなかったなあ。でも、満足感はバツグン。分かってる感じだ。

しんのすけとシャン『漫才:銀行強盗』(473kb)
若さを感じる漫才。やっぱりね、若手の漫才師にはこういうネタをやってもらいたいよなあ……という類いのネタ。特にツッコミの言葉の雑さは今の彼らだから出来ることだな、という印象。いやあ、若いって良いことだよなあ。一方で「マジメな銀行員」という設定を大事にしていたところに、芸人としての主張を感じた。

お先にどうぞ『漫才:仕事(ファーストフード・ビアガーデン)』(457kb)
元ジャンファンカ。前のオンエアは二年前か……。とにかく、ボケの山下が世界のナベアツに見えて仕方ない。おかげで、どんなボケをやっても「世界のナベアツ」のボケに見えてしまい、妙に好意的に観てしまった。ダメだな、こりゃ。漫才としては、そこそこだったと思う。少なくとも、悪いネタではなかった。むー。

・オフエア組
風藤松原(433kb)
5GAP(413kb)
いとうあさこ(393kb)
UNDER POINT(305kb)
Yes-man(101kb)

今年度に入ってオフエアになってしまった風藤松原、まさかの連敗。これが、あの長い連敗のきっかけになろうとは……みたいにならなければ良いが。5GAPは初オフエア。初挑戦以後、最高キロバトルを更新できずにいるあたりに不安が。負け犬芸人いとうあさこ、そろそろ売れない芸人の哀愁が漂ってきた。というか、あのマニア受けしそうなレオタードは何だったんだ?

・オンバトヒーローズ:バナナマン

・次回
あどばるーん、佐久間一行、GAG少年楽団、タリキ(初)、東京03、流れ星
ビーフケーキ、響、名刀長塚、ルネ(初)

流れ星が番組最多タイ記録である18連勝をかけ、勝負!

「サックス」の反芻。

汚されたサックス(笑現の理由)
 例えば、笑いを取るために何かを壊すと言う行為は、一方で視聴者を引かせる危険性を孕んでいる。つまり、当たっても大きいが、外れても大きいということだ。だから、何かを壊すという演出は、慎重に行われる必要がある。確実に笑えるようにしなくてはならない。そして、先週の『めちゃイケ』は、見事に失敗してしまったわけである。

 武田真治のサックスが破壊された放送から、早一週間が経過した。僕の中での怒りは、くだんの記事を掲載したことで随分と昇華されたが、世間の怒りはまだまだ収まりきれていないようで、未だに記事に対する反響は少なくない。……それだけ、強烈な事件だったということだろうか。試しに「めちゃイケ サックス」でGoogle検索をかけると、かなりの数の関連記事が見受けられた。その多くが批判的で、かつ怒りに満ちた記事だった。「抗議のメールを送った」というコメントも少なくなかった。

 今にして反芻するに、あの「サックス破壊」だけでは、ここまで盛り上がらなかったのではないか、と思う。じゃあ、どうして盛り上がったのか。その原因は……「武田の涙を放送したこと」だったのではないだろうか。

 サックスを破壊すること自体は、まだ不謹慎の域を出ないのだ。元来、バラエティ番組は何かを壊すことで笑いにしてきた。今回は、たまたまその矛先が“サックス”になっただけとも、言えなくもない。それで視聴者の怒りを買ってしまったのであれば、それはまだ「演出不足」で片付けられるのではないか、と。それこそ、車を壊したり、ジーパンを引きちぎったりすることだって笑いになるわけだから。それを笑えないようにしてしまったのは、「演出不足」以外の何物でもない。

 ただ、そのサックスを所有していたという武田真治が泣いている場面を映し、笑いにしようとしたこと。これが良くなかった。こういう笑いで最も重要なのは、「どれだけドライな場を演出できるか」というところにある。そういう行為を許される雰囲気にして、上手く笑いに繋げなくてはならない。でも、武田の涙はドライの反対、ウェットな演出だ。ここで武田が笑い飛ばしてでもいれば、まだ救われていた。しかし、武田は泣いてしまった。演技か真実かは分からないが、泣いた場面を放送して、笑いにしようとしてしまった。

 僕は、それこそ「現在の『めちゃイケ』が異常である」ということの確固たる証明なのではないか、と思うのだ。だって、冷静に考えてみれば、サックスを壊したことが笑えると思ったことよりも、武田が泣いた場面が笑えると思ったことの方が、よっぽど異常じゃないか? いや、勿論、そういう嘲りの笑いだって有り得ないわけではないけれど、それをゴールデンタイムでやってしまっているところに、疑問を覚える。

 ひょっとしたら、『めちゃイケ』は未だに「バラエティ番組の最若手!」みたいなノリでやっているつもりなのではないだろうか。だから、ああいうノリでも、まだ許されると思っているのではないか? だとしたら、とんだ勘違いだ。今の『めちゃイケ』は、もはや「若気の至り」では片付けられないほどの番組になってしまっている。もう12年もやってるんだから、そのくらい自覚すべきだ。ゴールデンタイムで放送できること・できないことの判断だって、自主的に出来るはずだ。それが出来なくなったという意味で、今の『めちゃイケ』は腐っていると言わざるを得ない。

 ただ、今回の件について、「これで笑える人の気が知れない」とコメントしている人たちには、同意できない。表現する側はその表現次第で批判されるべきだが、受け入れる側が批判される言われはない。いつぞやのスパルタ教育の時にも書いたような気がするが、「これを笑える」と思う人がいる以上、「これは笑える」と思う人がいるのは、当然のことなのだ。大勢の人に不快感を与えた『めちゃイケ』のやったこと自体は攻められるべきだが、それを楽しんだ人を否定する必要は微塵もないだろう。

『妄想挌闘家 関根勤の妄想力 東へ』

関根勤の妄想力 東へ関根勤の妄想力 東へ
(2008/07/16)
関根 勤

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最近、いわゆる“タレント”と呼ばれている人たちが、よくDVDを発売している。特に高田純次・ルー大柴の二人が再評価されるようになって以後、その傾向が顕著に表れている。ただ、昔はそういうDVDって、もうちょっと趣味方面というか、タレントの私的な一面を見せる作品が多かった気がするのだけれど、このところはテレビ芸を改めて収録しているようなところがある。ダダ漏らしだったテレビ芸を、DVDという風呂に溜め込んでいる感じか。

それでちょっと面白いのが、タレントのテレビ芸がDVDに収録されるとき、往々にしてテレビ以上の濃度になってしまうというか。そもそも、テレビなんて出来るかぎり大衆向けのものを放送しているわけだから、元々が薄いのであって。それをDVDに収録すれば、少なからず濃厚なものになってしまうのは、至極当然と言えるのかもしれない。若手芸人のDVDが“進化”を求められるのなら、タレントのDVDは“深化”を求められていると言えるのかも。

で、関根勤だ。関根もまた、テレビ芸が高く評価されている芸人だ。特に番組でさりげなく披露しているモノマネに対する評価が高く、それらを収録した『カマキリ伝説』シリーズも何本か発売されている。そんなに似ているわけではないのだけれど、なんか笑っちゃう。視点が良いんだろうな、たぶん。ただ、近年の関根勤は、モノマネ師というイメージが希薄だ。どっちかというと、ちょっとヘンテコなことを考えている人というか、妄言的なことを漏らす人として見られている。本作『妄想挌闘家 関根勤の妄想力 東へ』は、そんな関根の妄言……というか、妄想を収録した作品になっている。

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『EARTH』

アース プレミアム・エディション(2枚組)アース プレミアム・エディション(2枚組)
(2008/06/27)
地球

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 一昨日、『EARTH』という映画を観た。地球の美しい自然を映像として収録した……という感じの映画作品らしい。詳細はよく分からないが、リビングで家族が観ていたので、一緒に観賞した。

「NHKか何かで放送された映像の使い回しがある」という批判もあるらしいが、それを知らない僕は大いに楽しめた。象の群集が水を求めて砂漠を彷徨ったり、渡り鳥の群れが風に押し流されそうになったり、ああ、とっても自然的。特に巨大なサメがアザラシを一飲みするシーンは、背筋がゾクゾクした。圧巻。やっぱり海は良いね。

 そういう映像を堪能して、さあ終わるというところで、急にナレーションが「地球温暖化が進み……」という類いの話を始める。おいおい、そういう映画だったのか。なんだか不意を突かれたようで、苛立ちが募ってくる。で、また、これまでの大自然の映像を使って、「彼らは地球温暖化によって、死の道を辿っている」的なことを語り始めたりするわけだ。うわー。

 別に環境保護の話を真っ向から否定するつもりはないのだ。けれど、それはそういうメッセージを念頭に置いた作品でやるべきで、純粋に自然の凄さを楽しんでいる観客に不意打ちでやるのは間違っているだろう。パフォーマンスで客を集めてから商品を売りさばく“がまの油売り”と同じじゃないか。おかげで、最後の最後で一気に胡散臭くなった。

 そもそも、「地球温暖化防止」というメッセージを語る上で、多くの人々が実感していないだろう「環境の悪化」を映像として提示し、お涙頂戴的に人々の感情へと訴えかけるという手法は、もう古いのではないだろうか。今の時代、誰だって「地球温暖化に対する危機感」というのは、少なからず持っているだろうし。もしも「地球温暖化防止」について訴えた映像を作りたいのなら、とりあえず信頼できるデータの提示と日常生活で使える確かなエコの紹介が必要なのではないかなあ、と思う。映画としては退屈かもしれないが。

 ところで、僕はこの映画を途中(チーターのあたり)から鑑賞したのだけれど、この「地球温暖化防止」についてのメッセージは、冒頭で語られていたのだろうか。だとしたら、僕のツッコミはちょっとばかり無粋なのかもしれない。ただ、「出演:地球」はやっぱりどうかと思うぜ?

ヒットチャートをかけぬけろ

崖の上のポニョ崖の上のポニョ
(2007/12/05)
藤岡藤巻と大橋のぞみ大橋のぞみ

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 久しぶりにオリコンのサイトを見たら、デイリーランキングで『崖の上のポニョ』が二位にランクインしているのを見つけ、大いに吹いた。いや、確かに耳に残るメロディと歌詞なのは認めるけれど、まさか十二月発売のシングルが、ここにきて二位に入るとは。というか、過去データを見ると、最高順位百位って書いてるぞ! どんだけ売れてなかったんだ!

DANCE BABY DANCE/夏はこれからだ!(初回限定盤)DANCE BABY DANCE/夏はこれからだ!(初回限定盤)
(2008/07/16)
福耳Augusta All Stars

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 あと、何年かぶりに発売された福耳の新曲『DANCE BABY DANCE/夏はこれからだ!』が五位にランクインしていて、なんだかシミジミとしてしまった。昔、ベスト盤を酷評していたことを、なんとなく思い出した。あれはどっちかというと、オムニバスアルバムだよなあ。COILの『カウンセリング&メンテナンス』ばっかり聴いてたっけ。なんだかんだで、良いアルバムだったのかもしれない。

『東京リラックス』(大田垣晴子)

〔セイコ文庫〕東京リラックス (MF文庫 10-6)〔セイコ文庫〕東京リラックス (MF文庫 10-6)
(2008/07/02)
大田垣晴子

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 最近、大田垣晴子の本が、やたらと文庫化されている。

 文庫化自体は以前からあった。2003年2月に『サンサル1』『サンサル2』『わたくし的読書』が文庫化されているし、それ以後も『花のような人』(2003年10月)や『オトナのアソビ』『もっとオトナのアソビ』(2007年1月)が文庫化されている。

 ただ、今年はそのスパンがちょっと早い。2月には『くいしんぼマニュアル』『こんな生活』が二冊同時に文庫化されたのに、7月に『オトコとオンナの深い穴』『こんな生活(新装版)』が二冊同時に文庫化されている。先に挙げた文庫化の流れを比べると、明らかに早い。学生時代、なんとなく『サンサル』を読んで以来、大田垣本を読み漁り続けている自分としては、ちょっと哀しい。何故ならば、文庫化されている本の幾つかを既に持っているから。他の著書も続けて文庫化されるなんて、思ってもみなかったからなあ。

 しかし、文庫化されることで良いことも起きる。「まだ未購入だった大田垣本を容易に手に入れられる!」というコレクション的なコトも大きいのだけど、大田垣本が手軽なサイズになったコトが嬉しい。大田垣本って、基本的にデカいからね。文庫化されて、持ち運びがとっても便利に!

 今回、とりあえず『東京リラックス(新装版)』を買ってみた。『CREA』という雑誌で連載されていた画文を収載している。『CREA』が女性向け雑誌と言うこともあってか、取り上げられているテーマの多くがエステ・マッサージ関係。おかげでちょっと中身に入りづらかったけれど、なんだか「女性の世界」を覗き見(非ピーピングトム的な意味で)しているようで、ちょっと楽しかったりした。

 個人的に面白かったのは「43.女将に学ぶ! 旅館のココロ」という回。文字通り、旅館の女将さんに密着取材をしているのだけれど、これがなかなか面白い。客の見えない場所で、一体どのようなことをしているのかが詳細に記されており、これはこれで覗き見しているようで、楽しかった。あと、女将さんの「これからは自由な独自の形態で旅館をプロデュースすべきでしょう」というコメントには、ちょっとシビれたかな。どっかのドラマの“伝統と格式”だけを守っている旅館とは大違いだ(フィクションにツッコミを入れるのは野暮ですかね?)。

 この文庫化の流れは、今後も続いていくのだろうか。うーん。だとしたら、次は何が文庫化されるかなあ。

あーそびーましょー

紺野さんと遊ぼう ウフフ紺野さんと遊ぼう ウフフ
(2008/09/26)
吉高由里子沢村一樹

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 日本最強の女子高生、紺野美雪の活躍が見られる『紺野さんと遊ぼう』が、遂にDVDにナリマスヨ。嬉しいデスネ。日本中の女子高校生ファンの皆さん、大喜びです。紺野さんが手を使わないでスイカの種を取ったり、ナワトビでヌンチャクをやったり、哺乳瓶をヌンッしちゃったりする姿を、皆さんで観賞しましょうネ。あー、俺も紺野さんと遊びてぇー!
紺野さんと遊ぼう ニヤリ紺野さんと遊ぼう ニヤリ
(2008/09/26)
沢村一樹吉高由里子

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 二枚同時発売。

ハングリー・おデブちゃん

東京ダイナマイト・ハチミツ二郎がオフィス北野を退社(ココアフェス)
 日本で最もモテるデブ芸人ことハチミツ次郎が、自身が所属するオフィス北野を退社したという話を聞いた。東京ダイナマイトとしての活動はどうするつもりなのかと調べてみると、どうやら相方の松田大輔も追って退社する予定らしい。とどのつまり、東京ダイナマイト自体がフリーになるということの様だ。

 この話を知った当初はただ驚いたが、落ち着いて考えてみれば、当然の結果だったのかもしれない。なにせ、彼らは「オフィス北野所属」だということばかりが注目されたコンビだったから。M-1グランプリで決勝戦に上がって以後、彼らは「東京ダイナマイト=ビートの遺伝子」と言われ続けていた。でも、実際のところはそうでもない。ツービートの様な社会派ネタは殆どやらない。どっちかというと、ピリッと辛めの不変的なギャグが得意なコンビだ。似ている部分はあるかもしれない。でも、決して「遺伝子」は引き継いでいない。その辺りのズレが、彼らを揺り動かしたんじゃないかなあ。

 ちなみに、ハチミツは会見でオフィス北野のことを「若手が育たない環境」と批判したらしい。確かに、オフィス北野の若手と言われても、東京ダイナマイトの他にピンとくる芸人は少ない。赤P-MANとほたるゲンジくらいか。……まあ、色々とあるんだろう。

 しかし、この東京ダイナマイトの独立宣言は、今後の活動を考えての上なのだろうか。今年は他に「磁石」というコンビが事務所を退社して、後にホリプロコムへと移籍していたけれど。彼らも磁石と同様、他に移ることが分かっている上で、こういう宣言をしたのだろうか。うーん。クレバーな彼らのことだから、考えていそうな気がするなあ。……だとすると、次の事務所は何処だろう。彼らみたいにアクの強い芸人を受け入れられる事務所……吉本か?
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

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