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孤独(を描くのが上手)な男

 今朝の「めざましテレビ」の芸能ニュースで、市川準監督の訃報が伝えられていた。なんとなく若い人だというイメージを持っていたが、御年59歳だったそうだ。意外と高齢である。恐らく僕の中で、“市川崑=高齢、市川準=若い”という公式が出来ていたために、このズレが生じてしまったのだろう。

 市川準監督の作品といえば、兎にも角にも『トニー滝谷』が印象に残っている。孤独に生きてきた男、トニー滝谷に起こる幸福と悲劇の物語を、短い時間の中で、とても丁寧に描いていた作品だった。僕は村上春樹原作という部分に釣られて鑑賞したのだが、この映画で市川準という人物の名前が頭に刻み込まれてしまった。それほどに強烈な映画だったのだ。

 あと市川監督の作品といえば、『トキワ荘の青春』を思い出す。漫画愛読者の多くが知っているだろう“トキワ荘”の漫画家たちの、静かで熱い青春を描いた作品だ。この作品では、石ノ森章太郎、藤子不二雄、赤塚不二夫……といった強烈な面々を陰ながら支えていた寺田ヒロオにスポットライトを当てている。天才たちを見つめる視線の切なさが画面全体に滲み出るような演出に、とても胸を締め付けられた記憶がある(余談だが、この作品は現在もDVD化されていないらしい。言い方は悪いが、氏の死をきっかけに、DVD化の話を進めてもらいたいものである)。

 だから、そのニュースで市川準監督が『竜馬の妻とその夫と愛人』を手がけたことを知ったときは、心底驚いた。正直言って、映画版『竜馬の妻とその夫と愛人』は、個人的に駄作だと感じていたからだ。時代劇の割に小奇麗だし、コメディなのに切ない空気が漂っているし、話のテンポも良くなかったし……思うに、市川監督作品の空気と、三谷幸喜のドライなコメディ世界の相性が良くなかったのだろう。ちなみに、後で舞台版『竜馬の妻とその夫と愛人』を鑑賞したが、これはなかなかに面白かった。

 市川準氏の訃報のニュースの後で、現在活躍している映画監督三名(北野武、蜷川幸雄、マキノ雅彦)の新作に関係するニュースが取り上げられていた。なんとなく、報道の無神経さを感じると同時に、そこに市川監督がいないことの切なさを、それほどファンではない身でありながら図々しくも感じた僕なのであった。

『シティボーイズの灰とダイヤモンド ~新老人の集い~』

シティボーイズの「灰とダイヤモンド」 ~新老人の集い~シティボーイズの「灰とダイヤモンド」 ~新老人の集い~
(2008/09/17)
シティボーイズ大竹まこと

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 シティボーイズを観る。シティボーイズのコントを観るんじゃなくて、シティボーイズを観る。何も演じていない、彼らの素の姿を観る。まあ、元々シティボーイズのコントは、三人それぞれの素の顔を反映していることが多いので、それほど特別なものだという印象は受けないけれど。それでも、なんだかんだで、彼らの素の顔を映像作品として残したということは、なかなか凄いことだと言えるのではないか、と思わなくもない。

 今作は、シティボーイズの三人が事前に書いた日記を、客の前で披露するだけのライブの様子を収録している。なんとも変わったライブだ。しかし、最も変わっているのは、言うまでもなく出演メンバー自身である。特にきたろうの奇人ぶりは凄まじく、オープニングから「過去なんかどうでも良い」と言い出している。なんだ、そのライブ自体を完全否定する発言は。一方、シティボーイズの変人担当、斉木しげるも相変わらずのマイウェイぶりを発揮。日記を読むライブだと言っているにも関わらず、自分が日記を読む番になると、いきなり自分が愛する歌手について語り始め、更にスタッフを利用して音楽まで流し始める。物凄いKYっぷりである。

 そんな二人に囲まれている大竹まことは、ひたすらツッコミ役に徹していた。大竹氏もかなりの奇人なのだが、今回は奇人ぶりをそれほど発揮出来ず。やや残念。ただ、日記の記述にちょくちょく遊びの部分が見られたので、なんだかんだで満足した気もする。「肝臓が腫れているのが、指で腹を触って分かった。もちろんウソである」という文章の流れなんか、なかなか粋で良かったなあ。

 そういうコミカルなトークが多かった今作だけれど、ライブ終盤できたろう氏が語った「お笑いの芸人で年食ってるのはカッコ悪いな」という話は、なかなか興味深かった。この話のニュアンスを文章化するのは難しそうなので書かないが、年を重ねた彼らだからこそ出来る話だったと思う。最終的に、斉木氏に話をブッ潰されていたのには、やっぱり笑ってしまったけれど。

 そんなこんなで、なかなか充実した内容だった。ただ、カットしている部分があっちこっちに見られたのが、ちょっと納得できずにいる。WOWOWでの放送時はタイムスケジュール上、カットは必要不可欠だったのかもしれないけれど、DVDはもっと時間的に余裕があるんだから、もっとカットシーンを減らすことは出来たんじゃないかなあ。せめて、一時間半くらいは欲しかったなあ。うん。


・本編(約65分)
・特典映像(約5分)

九月十八日放送 感想文

ランチランチ『漫才:デートプラン』(513kb)
ボケは面白いと思うんだけどなあ。テンポも良いし。ただ、どうもツッコミイジリに逃げちゃってるところが、気になって仕方ない。海ちゃんはイジリがいのある人だとは思うけれど……おかげで、芸が軽率になってしまっている感が。それも芸風といえば、芸風なんだろうけど。でも、かめはめ波からの魔貫光殺法は笑った。あれは上手かった。

Wエンジン『コント:友達の彼女』(445kb)
コンビ名が“宴人”だった頃からやっている「モテない男がカンチガイしてしまう」コント。ドリカムの歌詞に合わせて、僅かな二人の時間がフィードバックする演出はニヤッとしたけれど、これといって笑えるものでもなく。彼ら、あっちこっちでこのネタをやってるから、もうちょっと飽きちゃったんだよなあ。今後もしばらく同じパターンで来るんだろうけど、そこまで惹きつけられるネタではないよなあ。急がず、じっくりと新作を作り続けたほうが良いと思うんだけど……うーん。

Bコース『漫才:時代劇』(509kb)
ボケのバリエーションが増えたなあ。以前はオカマキャラばっかりやってた感があったけれど、今回はサラリーマンネタがあったり、なんだかカオスなボケが羅列されていたり。確かにオーバー500を取るネタだなあ……という印象は残った。ただ、基本的にはこれまでのBコースと大して変わらない。ダメではないけど、やっぱり食傷な感は否めない。

アイデンティティ『漫才:推理マンガ』(505kb)
面白い。ネタは分かりやすかったし、堅実に笑いを取っていたし。若手芸人らしい、エネルギッシュなやりとりも良かった。彼らくらいの芸人が見せるネタとしては、及第点の出来だったと思う。あとは、ここから如何にして自己流の芸を見出すことが出来るかどうか、だろうなあ。いや、その前にオンバトの常連になれるかどうかが大事か。頑張ってもらいたいなあ。

なすなかにし『漫才:ゴットキング』(341kb)
漫才師としての技量を持て余した漫才ぶりに、ニヤニヤ。面白かったんだけどなあ。ボケの数が少なかったから、その辺りで低めに見積もられてしまったのかもしれない。こういうジックリと時間を取る漫才、嫌いじゃないんですけどねえ。

・オフエア組
モンスターエンジン(321kb)
セーフティ番頭(285kb)
オーノ泰広(229kb)
弾丸ジャッキー(197kb)
蝉しぐれクラシック(121kb)

神々コントが好評なモンスターエンジン。本業の漫才は、なかなか評価されない(賞レースで優勝した経験もあるんだけどねえ)。前回、妙に完成度の高いネタでオンエアされたセーフティ番頭、今回はオフエアで。実は300kb以下を叩き出したことのなかった弾丸ジャッキー、遂に自己最低キロバトルを記録。

・オンバトヒーローズ:北陽

・次回
LLR、カオポイント、さくらんぼブービー、サワー沢口、上々軍団、スマイル、ダムダムおじさん(初)、のろし、パップコーン、ピース

未来のオンバト常連組候補、一堂集結と言ったところか。エレキコミック傘下のカオポイント、サンミュージックの狂人さくらんぼブービー、普段はどういうネタをやってるのか分からないサワー沢口に期待。……というか、何気にさくらんぼブービーは五年前から挑戦し続けているんだなあ。長い。

『立川志らく シネマ落語 E.T.』

立川志らくシネマ落語 E.T.立川志らくシネマ落語 E.T.
(2008/09/17)
立川志らく

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 立川志らく、といえば『赤めだか』(著:立川談春)に書かれていたエピソードを思い出す。簡単に説明すると、こんな話だ。師匠がそれを黒といえば、それが例え白だったとしても弟子は黒と言わなくてはならない。そんな落語の世界において、若き志らくは家元である談志の言いつけを拒否した。そこで談志が「クビだ」と言うと、志らくは「クビも嫌だ」と続ける。じゃあ仕方ない……と、談志は志らくを弟子として迎えた……ということらしい。なかなかとんでもない人間だが、そんな志らくを受け入れてしまう談志も相当にオカシイ。

 本作には、そんな「とんでもない落語家」立川志らくの落語が二本収録されている。一本は古典落語『子別れ』、もう一本は志らく師匠独自の落語スタイル“シネマ落語”による一本『E.T.』だ。“シネマ落語”とは、昔の名作洋画の舞台を江戸時代に置き換え、新しい落語として成立させたものだ。映画愛好家で、自身も映画監督を経験したことのある志らく師匠ならではのスタイルだと言えるだろう。

 一本目が『子別れ』。落語をちょっとでも齧ったことのある人間なら一度は聴いたことがあるだろう、名作中の名作だ。僕は聴いたことが無かったけど(おい)。熊五郎という、腕は立つが酒グセの悪い大工が、子どもとの再会をきっかけに、かつての妻と復縁する……という噺である。オチ間際で発せられる言葉から、『子は鎹』という噺として語られることも多い。

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泣けるマンガ

感動できる漫画教えて!……「死」「記憶」抜きで(アルファルファモザイク)

 最近の作品(漫画・アニメ・実写問わず)って、安直に「死」だの「記憶」だので涙を誘おうとしている感があるんだけれど、あれは一体なんなんだろうなあ。とりあえず殺しとけ、とりあえず記憶を消せ、みたいなイメージがある。……なんか『MIB』みたいですが。あれは泣く映画じゃないけど。あ、でもラストシーンは結構泣けるかな? そうでもないか?

 まあ、泣ける手法として「死」「記憶」っていうのは、昔からあるんだよね。それこそ、腐るほどある。ただ、最近のそれ系の作品は、「死」「記憶」以上のドラマが無いイメージがある。そこだけが売りになってしまって、それ以外にイチオシしているものがないというか……これは作品が劣化しているのか、広報の質が落ちているのか、どっちが原因なのかは分からないけれど。でも、イメージが定着してしまっている時点で、ダメだってことだよなあ。

 感動……なのかどうかは分からないけれど、とりあえず泣ける漫画といえば、僕は『男おいどん』の最終回を思い出す。『男おいどん』は、とにかく主人公の大山昇太が輝かしい未来だけを信じて、日々の辛さを凌いでいく日常を描いている、そんな漫画なんだけど、まさか、ああいう終わり方になるとは思ってもみなかった。なんだろう。絶望的ではないけれど、希望的でもないんだよなあ。とにかく、消失感だけが残る。胸にぽっかり穴が空いてしまう感じ。そんな作品って、『男おいどん』だけなんじゃないかしらん。他にどういうのがあるのか知らないけれど。
男おいどん (6) (講談社漫画文庫)男おいどん (6) (講談社漫画文庫)
(1996/12)
松本 零士

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 最後にどうでも良いことなんだけれど、こういう質問をする人の気持ちって、どうもよく分からない。いや、答えるけどね。漫画読みとしては一応、嬉々として答えるけどね。でもさ、やっぱり最初っから「これは感動できるよ」と教えられた漫画を読んで、本当に感動できるのかね? ……とか、思っちゃいますよ。少なくとも僕は、そういう作品は自分で探してみようと思うし。……というか、感動できる作品を意識的に探したことなんて、一度も無いけれどね。本屋に行って、面白そうな本を見つけて、テキトーに買って帰るタイプですよ、僕は。

 そんなに皆、感情を具体的に刺激したいのかしらん。分からんなあ。

『関根・優香の笑う秋祭り』雑感

・アンタッチャブル『息子が万引き』
・麒麟『最後の晩餐』
・柳原可奈子『OLのランチ』

 バラエティでの活躍と比例して漫才師としての技術も上がっているアンタッチャブル、古いネタだけども山崎さんのテキトーなベシャリに磨きがかかっており、最高。特に導入部分の強引さは素晴らしい。ああいう入り方が出来るのは、アンタッチャブルだけだな。
 今年のM-1には気合が入っているだろう麒麟は、川島さんと田村さんのコミュニケーションを重視したネタ。光明、見えた!……かも? 柳原可奈子は女性のイヤーな部分を抽出した一人コント。柳原さんって、本来なら女性に嫌われるタイプの芸風だよなー。「ファッションショップの店員」という女性ウケするネタが、良い隠れ蓑になってる。しかし、この人の終着点ってどこなんだろう?


・バナナマン『はやきこと風の如く』
・サンドウィッチマン『友人代表スピーチ』
・キングオブコメディ『レンタルビデオ店』

 バナナマン、恐らくは単独で披露されたコントを。某コントの改変版だな。日村さんの一人シャベリで成立しているかのように見えるけれど、横に設楽さんがいるっていうのが大事なんだよなあ。面白かった。サンドウィッチマンは面白いんだけど、なんだか物足りない。このネタって、ちょっと伊達さんが大人しいんだよなあ。アンタッチャブルの後のせいか、それが余計に感じられた。
 キングオブコメディは、最近イチオシの喫茶店コント……じゃなくて、レンタルビデオ店。初っ端、高橋さんが延滞料金の客を接客している導入場面から、ちょっとグッとくる。そこに普通客じゃなくて、延滞料金の客を持ってくるのがキンコメ。捻くれてるんだなあ。高橋さんのツッコミが冴え渡った、全盛期を髣髴とさせるコントで良かった。やっぱりキンコメは良いなあ。好きだ。「金で解決する!」


・有名人が集まるホストクラブ「ニューラビット」
山本高広『織田裕二』『浜田雅功』『軽部アナ』『E.T.』
小庭康正(ぼれろ)『松岡修造』
やす(ずん)『篠原信一』
森田拓馬『谷原章介』+小出真保(麦芽)『優香』
松村邦洋『堺雅人』『星野仙一』『貴乃花親方』

 バラエティに出ずっぱりの山本高広、このところ新ネタをあっちこっちに出してきているけれど、正味の話、織田裕二ほど似ているネタが無い気が。ホリと比較しちゃってるのかもしれないなあ。でも、E.T.のモノマネ芸は好き。ぼれろ小庭は松岡修造。似てるなー。

 ずんのやす! は、柔道家の篠原信一モノマネ。どういう人なのかは知らないけれど、たぶんこういう人なんだろうなあ……とイメージさせるほどの手腕。浅井企画は凄いのがいるなあ。森田・小出ペアは擬似『王様のブランチ』を。悲しい顔の谷原章介が面白すぎる。モノマネ枠のトリは松村邦洋。流石は本格派、星野監督は本当にソックリだった!


・おぎやはぎ『目指せオリンピック』
・よゐこ『ともだち』

 おぎやはぎの漫才。理詰めする矢作さんと、その理屈をどんどん無視していく小木さんのやりとりが、実に和ミングー。というか、導入部分の二人のやり取りだけで満足してしまったいる自分がいるなあ(笑) どうも甘くてイカン。よゐこは「20世紀少年」をテーマにしたコント。シュールでナンセンスな雰囲気で誤魔化しつつ、思いっきり漫画の実写化についてバッサリ批判しまくっていたのには笑った。何気に毒っぽいよなあ、よゐこって。そういえば前にも、ウッチャンの不倫騒動をコントのネタにしていたことがあったっけ。ああ恐ろしい。どうでも良いけど、有野さんの“ともだち”はタッパがあって、本当に恐そうだなー。

 ああ、満足。

なんていうかねえ

 コントの良し悪しは置いといて、とにかく太田さんが可愛くて仕方ねぇなあ(笑) コント会議中、ボケなのか天然なのかも分からない発言を繰り返す太田さんは、もう自由過ぎるほどに自由で、なんというか……可愛いとしか言いようがなかった。43歳とは思えん。

 そんな太田さんが会議中、やたらと絡んでいた宮迫さん。あまりの絡みっぷりに「全っ然オモロないからな!」と言われていたけれど、宮迫さんがそれを言うとイマイチ笑いになりきらないなあ。宮迫さんはナルシストなところが強すぎるからかなあ。ちょっと自己主張が強いというか、ツッコミの後に弱冠の「どや!」感が……。でも、太田さんは宮迫さん大好きみたい。フクザツな関係だなー。

 先にちょっと触れたけど、コント自体のクオリティは決して高くなかった。でも、こういう肩の力の抜けきったお祭り騒ぎみたいなの、期待していたところはあるよなあ。だからなのか、なんだかんだで楽しかったな。……ところで、山下さんはコントに出ていたんだろうか。コント会議の方ではちょくちょく見かけたんだけどなあ……。

発売情報 ~ちょっと追加~

1210『License Vol.Zepp Enjoy!! 2008』(ライセンス)
1210『サンドウィッチマンライブ2008 新宿与太郎行進曲』

 吉本興業の二枚目コンビ、ライセンスが五年ぶりにソロDVDをリリース。前作がロングセラーを記録している(女性人気が物凄いらしい)ので、次回作もすぐさま発売されると思っていたんだけどなあ。吉本的にそれほど推されていないのかしら。

 そんなライセンスと同じ日に単独ライブDVDを発売するのが、サンドウィッチマン。奇しくもM-1グランプリ2006敗者復活戦勝者と、M-1グランプリ2007敗者復活戦勝者がぶつかり合うわけです。凄い! ……というほどではないか? 考えてみれば、間逆の二組だなー。

うへぁ

『爆笑レッドカーペット』の放送期間が、半年ほど延長になったらしい。半年か。どうなんだろう。番組としての勢いは、放送開始当時と比べて明らかに落ちているし、出演芸人の顔ぶれも中途半端に不安定になってきているし、なにより審査員がどんどん番宣みたいになってきているし。正直なところ、この半年の延長は番組の老醜を晒すだけにしかならない気がするのだけれど。うーん。

 でも、何の考えも無しに延長を決めるわけがないだろうから、ここは何かしらかの思案があると考えるべきなんだろう……か? 分からないよなあ。そもそも、何の考えも無しに急遽始まった番組だったからなあ。ひょっとしたら、このお祭り気分を徹底的に楽しもうって魂胆なのかもしれない。というか、正月にまたレッドカーペットで時間を潰そうってハラだったりして。……ありうる!

 そんな重大発表があった、今日の『爆笑レッドカーペット』。文化系ホストみたいになっていた磁石、じっくりと時間をかけて一発ギャグを披露したガリットチュウ、パロディ芸を極めようとするあまりに迷路に入り込んでしまった感が否めないこまつ、もたいまさこと片桐はいりのコンビに見えてきた少年少女(まさかの中笑)、ネタが一向に切れる気配が無いクールポコ、『爆笑ピンクカーペット』から緩やかに流れてきたらしい姫ちゃん(なんとなく納得の中笑)が印象的。……そこはキャバ嬢の姫ちゃんに改変しても良かったんじゃないか、ものいい

 審査員席に「違うか」を微妙に流行らせたものいい・短い時間で下らない世界を上手に表現したロッチのどちらかがレッドカーペット賞だろうなあ……と思っていたら、見事にものいいが受賞。おめ。

 次回、再び三時間スペシャル! コラボ祭か……。

『コイツ』

千原兄弟コントライブ「15弱」千原兄弟コントライブ「15弱」
(2007/01/17)
千原兄弟

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『コイツ』と呼ばれる人というのは、どういうタイプの人間なのか。少なくとも、目上の人に使われる言葉ではない。どっちかというと目下の、それも、なにかしらの圧倒的な差が見られる人間に対して使われることの多い言葉だ。ただ、まったくの他人に対して使われる言葉ではない。そこには何かしらの“関係”が存在する。例えば、親と子だったり、教師と生徒だったり、飼い主とペットだったり……。

 このコントに登場する二人の関係は、老刑事(千原ジュニア)と若手刑事(千原せいじ)だ。年上に対して敬意を表する、という思想が絶対では無いものになってしまった昨今だが、この若手刑事は老刑事のことを深く慕っているようだ。若手刑事は、それ相応の何かを、老刑事から得たということなのだろう。老刑事はパソコンを前に、頭を抱えている。押収物リストのデータをパソコンに打ち込まなくてはならないのだが、慣れないキーボード操作に手間取っているのだ。家には娘の夫が買ってくれたというパソコンがあるにはあるが、たまに調べ物をする程度で、殆どホコリを被っているよ、と愚痴りながら、淡々とキーボートを叩いている。その様子を見かねた若手刑事は、老刑事からリストを取り上げ、それを読み上げる。そうすることで、老刑事の負担を少しでも軽くしようということなのだろう。

 こうして、若手刑事が押収物リストを読み上げ、老刑事がそれをパソコンに打ち込むという一連の流れが生まれる。この流れが今後、非常に重要な役割を果たすことになるのだが、もちろん、観客は気付いていない。ちなみに、この時点で笑いは殆ど生まれていない。つまり、ここまではあくまでも下ごしらえであり、ここからが本番だ、ということである。

(以下、ネタバレ注意)

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メモ訂正

 アンジャッシュ児嶋一哉ソロライブ『タンピン』の発売予定日が間違っていました。12月26日ではなく、正しくは11月26日とのことです。つまり、狩野英孝・バカリズム・山本高広らのDVDと同じ日に発売されるという……ピン芸人祭りだっ!

内向的に『はっぴいえんど』を語る

はっぴいえんどはっぴいえんど
(2002/09/11)
はっぴいえんど

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 はっぴいえんどのファーストアルバム『はっぴいえんど』(通称:ゆでめん)を先日、購入しまして、時間に余裕があるときなどに聴いているのですが、なんというか、その、なんともいえない憂鬱と言いますか、鬱屈とした感情に苛まれているわけでありまして、実にその、落ち着きません。

 はっぴいえんど、といえば私、てっきり皆『風街ろまん』の様な、とても爽やかな、一昔前の想像上の下町に吹き抜ける一陣の風の様な、そういう類いのものだと思い込んでいたのですが、いやはや、こうもどろっとした感触の音楽を奏でるバンドとは知らなかったので、困惑に次ぐ困惑、不安に次ぐ不安を重ねているのであります。

 この時代の音楽は知っているつもりで、私、はっぴいえんど以外にも、はちみつぱいなども聴いておりまして、知ったかぶりを決め込んでいたのでございますが、これはこう、私の想像の範疇を突き抜け、否、突き刺し、内臓に張り巡らされた毛細血管の一つ一つを解説されているような、そんな不安と驚愕に踊らされ、実に無知蒙昧、無礼千万。

 はっぴいえんどトリビュートで既に耳にしていた筈の楽曲たちは、姿を変えて、僕の心を不安不安。どうしてこうも不安なの、と、問いかけるように歌詞を眺めれば、それらは全て、ぐさりと突き刺す力強いメッセージが書かれている。そのメッセージの鋭さが、アレンジでより強調される、ということなんですね、きっと。

 例えば『春よこい』の主人公は、一人の正月の寂しさに「何処で間違えたのか」と後悔、だけどすぐに「だけど全てを賭けた 今は唯やってみよう」と語っているし、『しんしんしん』の主人公は、「都市に降る雪なんか 汚れて当り前」という言葉に対して「そんな馬鹿な 誰が汚した」と訴えるし、『はっぴいえんど』は「しあわせなんて何を持ってるかじゃない 何を欲しがるかだぜ」と語っている。

 そんな力強いメッセージたちが、ひ弱で生意気な僕の心を、まるで殺し屋のライフルの様に、正確に撃ち抜いてしまうから、僕はとっても不安になって、そして、それから、どうしようもなく憂鬱にしてしまうのかもしれないのだ。だからそう、僕はこのアルバムの電源を切って、すぐさま泉谷しげるの『青春の曲がり角』でも聴くべきなんだろうけれど、ここで引き下がるのも格好悪いと、まだプレーヤーからはっぴいえんどが聴こえてくるんです。

「ねえ 君は ほんとうに しあわせなの」
はっぴ「いいえ」んど
はっぴ「いいえ」んど
はっぴ「いいえ」んど
(『続はっぴーいいえーんど』より)

『$10 LIVE ~ベストコントヒッツ!?~』

$10 LIVE~ベストコントヒッツ!?$10 LIVE~ベストコントヒッツ!?
(2008/09/10)
$10

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面白いけれど、なんか地味。そういう第一印象を与える芸人さんは、往々にして全国区の人気を獲得することは出来ません。その芸人さんならではの味、スタイル、インパクトが無ければ、彼らは「そこそこ面白いけれど地味な芸人」という印象のまま、他の芸人たちとともに埋没していくだけです。ずぶずぶ。

僕にとって、$10というコンビは、まさにそういう地味なイメージの強いコンビでした。着実に笑いを取ることは出来るけれど、胸倉をグッと掴むほどの引き込まれる芸ではない。だから、後に彼らが「「爆笑オンエアバトル」初挑戦でオーバー500を記録した」という話を聞いたときには、かなり意外に感じました。当時、初挑戦でオーバー500を記録していたコンビたち(インパルス、パンクブーブー等)に比べて、そこまで芸の強みが感じられなかったので。そして彼らは、そのままこれといった強烈な印象を残すことなく、全国区のテレビから消えていきました。

ところが今年、何の前触れもなく$10がベストコントDVDを発売することが決定しました。どうして、このタイミングなのかはよく分かりませんが、ひょっとしたら「キングオブコント2008」での活躍を見越しての発売だったのかもしれません。……と思っていたのですが、どうも今年でコンビ結成15年目になるのだそうです。ああ、なるほど。ちなみに$10は今年「$10 LIVE ~マンザイ・ヒッツ!?~」というライブも行っています。ひょっとしたら今年は$10の年となるのかもしれません。地味に。

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九月十一日放送 感想文

チョップリン『コント:喫茶店』(453kb)
六連勝。独自のスタイルを持った芸人は、そのスタイルが認知されると本当に強いですね。特にチョップリンの場合、ちょっと引かれるボケをしても、それがスタイルとして受け入れられている感があります。強いなあ。今回は喫茶店コント。なんとなく天竺鼠が以前にやっていたネタと被りますが、ネタのナンセンスの度合いが格段に違いますね。「自画像→バラを口に咥える」「ヒザの水を持ってくる→動きが軽快になる」という流れの、この上ないバカバカしさ! 久々にグッときました。早く単独ライブがDVDにならないかなあ。

パパロア『コント:叩いて被ってジャンケンポン』(389kb)
初オンエア。すっかりオフエア組の常連になっていたけれど、遂にオンエアの運びとなりました。Hi-Hiやスパローズ、ダブルブッキングがオンエアされた日のことを、なんとなく思い出しますね。継続は力なり。「叩いて被ってジャンケンポンが分からない二人」のコント。なんとなくジャルジャルのコントを思い出しますが、微妙に違うあたりが良い味出してました。飛び出すフレーズがいちいち爆発していた印象がありましたが、キロバトルはそれほど伸びず。これは400行っても良かったと思うんですが……次回に期待。

朝倉小松崎『漫才:兄弟で買い物』(445kb)
二連勝。エレキギターを用いた漫才師としての認知度を、しっかりと上げているみたいです。前回と同様、今回もゲーム・CM・バラエティで使われている音楽を再現したギター演奏を使った、コミカルな漫才でした。今期はこのスタイルで乗り切ることが出来そうです。ただ、今のスタイルのままだと、かつての福田哲平と大して変わらないのではないか、という気もします。ここから更に、どういう味をつけていくか。楽しみですねえ。

我が家『コント:写真のモデル』(421kb)
四連勝。コントの設定は、以前にオンエアされた『ラーメン屋』のそれと同じで「上司の坪倉×部下の谷田部+第三者の杉山」というシチュエーション。ただ『ラーメン屋』の時よりも、杉山さんのデブイジリが前面に押されている感がありました。ボケのクオリティも、当時のそれより上がっているような。それでもキロバトルがこの感じだということは、そろそろ観客が杉山さんイジリに飽きてきているということなのかもしれません。

スーパーマラドーナ『漫才:20Q』(409kb)
初オンエア。初登場から二連敗……と考えると短く感じますが、初挑戦から二年ほど経過しているんですね。長かった。ネタは「20Q」というゲームをやるという漫才(ちなみに「20Q」とは、「相手が思い浮かべているものを、20個の質問をして的中させる」というゲーム)。ただゲームの中で的外れなボケを展開するだけでなく、途中から「鳥」にこだわるというボケを念頭に置くようになったことで、流れが放散せず、まとまった内容になっていましたね。こういうスパイスの付け足しが大事だということが、よく分かる漫才でした。

・オフエア組
侍PANG(385kb)
ヒデヨシ(317kb)
チョコレートプラネット(273kb)
あきげん(269kb)
中央塗装(165kb)

初挑戦の侍PANGはボール一個でオフエア。そういえば最近、六組同時オンエアを見ていない気がするなあ。前回オンエアのチョコレートプラネット、今回はオフエア。キングオブコントでは決勝に上がったけれど、こちらではまだまだ。「コンバット2」出演中のあきげんは六連敗。初挑戦以後、オンエアに殆ど掠っていないのか……。

・オンバトヒーローズ:ハリガネロック

・次回
アイデンティティ、オーノ泰広(初)、セーフティ番頭、蝉しぐれクラシック(初)、Wエンジン、弾丸ジャッキー、なすなかにし、Bコース、モンスターエンジン、ランチランチ

なんだか地味なメンバーが揃っている回。ただ、さりげなく元ハレルヤのオーノ泰広が参戦していたり、「惚れてまうやろー!」というギャグ(?)が好評のWエンジン、近年「神々の遊び」コントが注目されているモンスターエンジンなどが出演しており、見逃せない……かも。個人的には、なすなかにしに頑張ってもらいたいところ。

『5ミニッツ・パフォーマンス 関根勤カマキリ伝説 クドい!』

5ミニッツ・パフォーマンス 関根勤カマキリ伝説 クドい!5ミニッツ・パフォーマンス 関根勤カマキリ伝説 クドい!
(2008/04/25)
関根勤

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 皆さんは、関根勤という人物について、どのような印象をお持ちですか? テレビでの姿だけを知っている人なら、おそらく関根さんに対して「ちょっと変なところがある気の良いオジサン」というイメージを持っているのではないでしょうか。テレビでの関根さんは、モノマネや妄想ネタをちょくちょく披露するだけの、ゲラなオジサンに徹することが多いですから。

 思えば、テレビにおける関根さんは“善人”というイメージが、非常に強いです。1974年デビュー、明石家さんまやビートたけしよりも早くからテレビに出演しているにもかかわらず、氏が芸人として批判されることが殆ど無いことからも、その善人ぶりが伝わりますね。自己主張はしないけど、存在感は滲み出ている。まさに「テレビ芸人」と呼ぶに相応しい存在。それが、関根さんという芸人なんですね。

 ただ、それ故に関根勤という芸人は、他の芸人に比べて軽率に扱われている感も否めません。どんな芸能人とも絡めるほどの柔軟性と、どんなバラエティ番組においてもそれなりに結果を残すほどの手腕を兼ね備えている人物にも関わらず、関根さんは一流と呼ばれている芸人と比較して、明らかに過小評価されています。2ちゃんねるで“関根勤”を検索すると、「糞つまんない」「なんでいるの?」というタイトルの板が出てくることからも、その程が伺えます(しかも、どっちの板も過去ログに行っちゃってるし)。

 今作は、そんな関根さんの根っこの部分を取り出して調理した、五分間のコントを放送するCS番組『関根勤5ミニッツ・パフォーマンス』を収録したDVD作品です。この作品を観れば、関根さんの真の姿を見ることが出来る……のかもしれません。

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プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

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