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『ラバーガールソロライブ メキシカンキャッシュボーイ』

ラバーガールソロライブ メキシカンキャッシュボーイラバーガールソロライブ メキシカンキャッシュボーイ
(2008/09/24)
ラバーガール

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 ラバーガールは評価されすぎなんじゃないかな、と思うことがある。確かに彼等は面白い。大水の理不尽かつ不条理なボケと、飛永の極めて小まめなツッコミが作り出す空間は、他の芸人には作り出せないだろう独特の微妙さを生み出し、非常に異質だ。

 ところが、ラバーガールのコントには致命的な欠点がある。その欠点とは、コントのテンションが往々にして低いということだ。もちろん、テンションが低いコントが悪いわけではない。よゐこやおぎやはぎの様に、低いテンションのコントで成功している例は決して少なくない。

 但し、それらの前例は、低いテンションの中で独自の個性的な色を出しているのに対し、ラバーガールがコントの中で出している色は、どうも薄い。彼等ならではのスタイルが、明確に表示されていない、とでも言うべきだろうか。

 もちろん、現状のままであっても、彼等はそれなりに支持され続けるだろう。だが、それではダメなのだ。彼等のスタイルには、更に高みを望めるだけの可能性が感じられる。その意味で、今の彼等をあまり高く評価すべきではない、と僕は思うのだ。だから僕は、支持者は彼等に対し、もっと欲するべきだと考えるわけである。

 今作には、ラバーガールにとって三度目の単独ライブである、『メキシカンキャッシュボーイ』の様子を収録されている。“二度あることは三度ある”“三度目の正直”“仏の顔も三度”などの言葉からも分かるように、三という数字の持つ意味は決して単純ではない。三は一つの着地点であり、新たなる出発点であり、これからの方向性を定めるタイミングでもある。つまり今作は、今後の彼等の芸風を明確にするための、一つの指針と言える……のかもしれない。

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うわっ

前にオンエアバトルの感想で「ナベアツに似てるために、ちょっとネタを優しい目でもって観てしまった」と書いた“お先にどうぞ”の山下サトシが、ナベアツのそっくりさんとしてものまね番組に出てる! な、なんか知らんが頑張れ!

『文藝別冊 追悼 赤塚不二夫総特集』

赤塚不二夫 (KAWADE夢ムック 文藝別冊) (KAWADE夢ムック 文藝別冊)赤塚不二夫 (KAWADE夢ムック 文藝別冊) (KAWADE夢ムック 文藝別冊)
(2008/08/22)
不明

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 赤塚不二夫の死後、今は無い彼の背中を追いかけている。別に、ギャグの探求者としての彼を崇めようとしているとか、そういった真剣な話ではない。ただ単に、興味を持っただけの話だ。おかげで、今の僕はミーハー的に赤塚を追いかけている。とりあえず、傑作選を収録した文庫本を、なりふり構わず買い漁っている。今もamazonで注文したそれを待ち続けているのだが……なかなか来ない。在庫が足りていないのだろう、おそらく。

 赤塚の死が報道された日から程なくして、赤塚関連の書籍がバカ売れするようになった。つい先日まで在庫のあった傑作選は、あっという間に在庫無しになった。僕みたいなミーハーたちが、あっちこっちから湧いてきたわけだ。同属嫌悪という言葉を思い出す。「俺が買うんだから、お前ら買うな!」という、所ジョージ的精神である。もっと、赤塚が知りたい。節操が無いこと、この上無いが、そんなことを考えていたわけである。

 そんな折、書店で本書を発見した。赤塚の愛娘である赤塚りえ子、フジオ・プロ(高井研一郎・古谷三敏・北見けんいち・土田よしこ)の面々、タモリや村上隆など、赤塚不二夫に関わりのある人たちに対するインタビューを収録している本書は、僕の赤塚熱に油を注ぐのには十二分すぎるほどの内容で、今では竹書房から発売されている『文庫版 おそ松くん』全巻を買い揃えるかどうかを思考している始末である。

 それにしても、本書は物凄いボリュームだった。先に書いたインタビュー記事の他に、竹熊健太郎・みなもと太郎・春日武彦らによる赤塚論文や、丸谷才一・長嶋侑・山本精一らによるエッセイ、石野卓球×宇川直宏対談……更に赤塚不二夫の激レアギャグ漫画(伝説の初ギャグ作品『ナマちゃん』が!)まで収録している。総256ページ、全てが赤塚作品に対する愛情で埋め尽くされていて、まさに“アンコが出るよ”状態。

 その中でも印象的だったのが、赤塚りえ子が語る“赤塚夫妻”(前妻、登茂子)についてのエピソード。なんとなく、僕の中には“破天荒な赤塚、淑女な妻”というイメージがあったのだが、実は妻の登茂子の方が赤塚以上にスゴかったらしい。曰く「私が学校から帰ってくると、母親が鏡を立てて「チャラチャーチャーチャーチャッ」って踊ってた」そうだ。なかなか凄い家庭環境である。

 あと、赤塚不二夫の作品がアシスタントらと分業して作られていたということも、本書で初めて知った。いや、高井研一郎が赤塚キャラを数多く生み出していたという話は知っていたのだけれど……赤塚・長谷(邦夫)・古谷によるアイデア会議が行われていたこと、赤塚は原稿にコマ割りと当たりを入れるだけで、後の作業はアシスタントに任せていたことは、まったく知らなかった(読んで忘れているだけかもしれない)。

 本書のおかげで、いくらか赤塚の背中に近づけた気がする。気がするだけで、まったく近づいていないのかもしれないけれど。いや、たぶん近づけていないな。やっぱり作品を読まなくちゃなあ……早く来い来い、傑作選!

 追伸。某巨大掲示板で、当ブログで書いた赤塚関連の記事に対し、「知ったかぶり」と書かれたかたへ。もしも本文をお読みになられましたら、どの記事の、どの箇所が「知ったかぶり」であったのかをお聞きしたいので、是非、ご一報ください。どの辺が知ったかぶりに見えるのか、気になって夜通し眠っているのだ。

『くじら スター☆伝説』

くじら スター☆伝説くじら スター☆伝説
(2008/09/19)
くじら

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 そもそも、彼は異端だった。「とんねるずのみなさんのおかげでした」中の一コーナーとして開始された「細かすぎて伝わらないものまね選手権」。このコーナーには、ただでさえ伝わりづらいものまねを披露する芸人ばかりが揃っていた筈なのだが、その中においても、彼は完全に異端だった。

 多くの出場者が、著名人の微妙な仕草を真似ていた初期の大会において、彼はまったく独創的なスタイルのものまねを開発した。そのものまねとは、世間ではまったく知られていない、ちょっと特殊な世界のスターをものまねする、というものだった。ちなみに、その当時に披露されたものまねは、『ビリヤードスターメドレー』。このものまねをきっかけに、彼は同コーナーの常連として活躍するようになるのである。彼の名は“ゆうえんち くじら”。後にコンビを解散し、ピン芸人“くじら”となる男である。

 今作は、そんなくじらが「細かすぎて伝わらないものまね選手権」で披露してきたものまねを含む、全23シリーズのものまねを収録している。

 正直なところ、僕は今作に対してそれほど期待していなかった。確かに、くじらのものまねは独創的で面白い。が、その笑いの多くは、ものまねを披露する前にくじらが口にするスターたちのキャッチコピーによるものだったし、そもそも、そのものまね自体も、「細かすぎて伝わらないものまね選手権」における関根勤の様な案内人がいないと、それほど面白くならないと考えていたからだ。

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九月二十五日放送 感想文

パップコーン『コント:誘拐』(481kb)
無傷の六連勝。二度目のトップ合格。超新塾以来の常連五人組ユニットとなってきている彼ら。ネタもだんだんとクオリティが上がっているようで、今回のコントはアンジャッシュ的なスレ違いを巧みに利用したコントになっていた。特にピザ屋の遊ばせかたが上手かったなあ。

スマイル『漫才:真剣白刃取りゲーム』(365kb)
五連勝。全体的にそこそこ盛り上がっていた印象があったけれど、キロバトルは伸びず。個人的には結構好きなネタだったんだけどなあ。よしたかさんの家族は皆似てるとか、ベタだけどかなり笑ったもんね。「あなたなら母の八連覇を止められるかもしれない」なんか、爆笑。たぶん、終盤のダブル真剣白刃取りで、客のハートを掴みきれなかったことが原因だと思う。うーん。仕方ないかも。

ピース『コント:パイロットのおじさん』(381kb)
三連勝。かなり独創的なコントをやっている印象のあるコンビだけれど、何気に300kb以下を叩いたことはないんだな。たぶん、綾部さんの声量のおかげだな。今回のコントは、ヒザの角度、会津若松、バックポケットが無いジーンズ……と、やたらスパーッとハマるギャグが炸裂するナンセンスコントで、思いっ切り笑った。これまでに観たピースのコントの中で、一番振り切れたコントだったと思う。こういうのにも、もっとボールが入るべきだな。

さくらんぼブービー『ショートコント』(381kb)
二連勝。ダブルブッキングみたいに、年に一度だけ出場するようにしたのだろうか。昨年11月以来の挑戦、オンエアとなった。どうでも良いけど、鍛冶さんとよしたかさんはちょっと似ている気がするなあ。ラーメンズの『モーフィング』を髣髴とさせる導入から、ナンセンスなショートコントの畳みかけ。うーん。このコンビ、着実に進化してるぞ!

上々軍団『漫才:モテるためのデート』(441kb)
六連勝。パーフェクト達成以後、着実にオンエアを獲得している彼ら。初挑戦の頃はつまらない漫才師だと思っていたけれど、だんだんと彼ら独自のボケを開発できるようになってきている。こちらも着実に進化しているなあ。ヤカンのくだりなんか、ちょっと感動したなあ。ただ、ネタ時間がちょっと短かった気が。カットされたのかな。

・オフエア組
LLR(345kb)
サワー沢口(337kb)
のろし(333kb)
カオポイント(261kb)
ダムダムおじさん(237kb)

思えば、全体的にカオス的人気を誇っている芸人ばかりがオンエアされていた気がする今回。そもそも、収録の一発目がさくらんぼブービーだったらしいからなあ……。結果、コント師として注目されつつあったカオポイント、松竹の若手漫才師として奮闘中ののろしが見事に潰される結果に。カオス、恐るべし。

・オンバトヒーローズ:インスタントジョンソン

・次回
アルコ&ピース、学天即(初)、GAG少年楽団、男子、超新塾、トップリード、ブロードキャスト、ぼれろ、三日月シュガー、恋愛小説家

オンバト次世代組が揃った印象……またか。トリオコント師として注目されつつあるGAG少年楽団、じんわりと個性的なスタイルが評価されてきているトップリード、松竹芸能の妙ちくりんコント師恋愛小説家に期待してみようかしらん。

「タモリのボキャブラ天国大復活スペシャル」感想

 アニマル梯団、パイレーツなどのコンビを復活させているのに、今でも活動中のアンジャッシュ・アンタッチャブル・ペナルティといった中堅組がいなかったのは、過去(人気キャブラー)と現在(ショートネタブームからの若手芸人)を融合するという意図からのものなのかな。個人的には野性爆弾とかも見たかったけど。

 若手芸人たちのニューカマーネタでは、サンドウィッチマンとイワイガワ、あと東京03が秀逸だった。それ以外の若手芸人たちの多くは、自分たちのスタイルを露骨に主張している人たちが多くて、ちょっとだけウンザリした(ザ・たっちは良かったが)。最終的に優勝したのが、ボキャブラ放送当時に井川さんが作ったというネタだったという事実が、それを証明している。別に芸人さんのネタが見たいんじゃなくて、当時のボキャブラのノリが欲しいんだよねえ。なだぎ武なんか説教モノだろ、あれは。ああいう悪フザケは、あんまり求められていなかった気が。

 レジェンド組では、爆笑問題とネプチューンが頭一つ抜き出てた。文化人気取りみたいな評価を食らうことの多い彼らだけど、今回の番組で分かった。まだまだ彼らは現役だ! それ以外では、アリtoキリギリス・つぶやきシロー・Take2・モリマンが印象的。皆、現役って感じがしたよなあ。

「ボキャブラ天国」という番組の復活祭でありながら、番組としては決して後ろ向きではなかったことは評価したい。ただ、ニューカマー組がもうちょっと「ボキャブラ天国」という番組に真正面から取り組んでいなかったことが、残念。こっちが見たいのは無難な笑いじゃなくて、お祭り状態の空気から匂ってくる楽しさなんだから。あそこで持ちネタを持ってくるのは、得意分野云々じゃなしに、単なる逃げ。本当に、なだぎ武は説教モ(しつこい)

 説教以前のコンビも何組か……。

誰よりもハチの巣を愛す

「オールスター感謝祭」終了後、なんとなくチャンネルをコロコロ替えていると、妙な番組にブチ当たった。番組のタイトルは『殺人スズメバチ包囲網激走ハンター最強SP』。文字通り、スズメバチを捕獲する人々の姿をリポートした、ドキュメンタリー番組だった。スズメバチオンリーの番組に、果たして需要があるのか。謎である。

 なにはともかく、これといって他に見る番組も無かったので、なんとなしに視聴を続けてみたら(需要があったネ)、そこに大人しそうな老人の姿が映し出された。「老人はスズメバチの巣を使って、様々なアートを作っているのだ」という風に、番組では紹介されていた。スズメバチアート? なんともカオスな響きだ。現地には山本晋也カントクが出向いていた。

 次の瞬間、画面に映し出される数々のスズメバチアート! なんと、老人はスズメバチの巣をくっつけて、「天狗の鼻」「白鳥」「富士山」などの造形物を作り出していたのである。そのスズメバチアートのサイズは、ギネスにも登録されているのだという。……アートとしては認められているんだろうか。

 更に驚いたのが、なんと、それらスズメバチの巣は、全て老人自身が直接回収しているのだという。その様子もカメラに映し出されていたのだが、その手法がなかなか面白かった。まず昼間、スズメバチの巣を箱で囲う。その箱には蓋がついていて、昼間のうちはその蓋を開けておく。やがて、夜が来る。ハチたちが巣に戻っているのを確認し、その蓋を閉じる。……こうして、ハチとハチの巣を綺麗に回収するのだそうだ。見た感じ、これらの行為は老人一人によって行われていた。巧みだなあ。

 家に持ち帰ったハチの巣は、老人が作りたい形に並べられていた。その時に作っていたのは“番傘”。渋い。なんでも、ハチの巣を並べておくだけで、後はハチたちが互いの巣を勝手にくっつけてくれるのだそうだ。そして、ハチたちが巣立ちの時を迎えたとき、このアートは完成するらしい。……あれ? 殺さないの? 逃がしちゃうの?

 老人は語った。「今後の目標は、ギネス記録を更新するようなアートを作ること」。そこで「ほとんどビョーキ!」と言わなかったカントクは寛大だな、なんてことを思った。

オールスター感謝祭にて

結果発表でクドカンの名前を見つけてビックリする。その後で、松井天斗(元カンカラ)の名前を見つけ、更にビックリする。カンカラとして出てるところを見たかったッス……。

『スカートさん』と『カスミ伝△』

スカートさん (ビームコミックス文庫)スカートさん (ビームコミックス文庫)
(2008/09/20)
吉田 戦車

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 帯に書かれていた“ちょっぴりHな4コマ漫画”というキャッチフレーズに心惹かれたんだけれど、思ったよりも下関係のネタは少ない。女性をテーマにした作品は多い気がするけれど、Hというほどではない。乳首丸出しの人とかいるけど。個人的に大爆笑だったのは、四七ページのやつ。微動だり……微動だりか!

カスミ伝△ (ビームコミックス文庫)カスミ伝△ (ビームコミックス文庫)
(2008/09/20)
唐沢 なをき

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 唐沢なをきの実験漫画第三弾。表紙のカスミがかーいいなー。過去、「カラーシール付漫画」「赤黒漫画」「双六漫画」「ゲームブック漫画」などで読者を翻弄してきた唐沢だが、今回は「顔文字漫画」「フェナキスチスコープ付き漫画」「透かし漫画」「袋綴じ漫画」などを収録。実験というより、もはや悪ふざけだな。かつて似たようなことを赤塚不二夫がやっていたらしいけど、ネタ被りとかないんだろうか。知らん。

 本棚にビームコミックス文庫がじわっと溜まっている、今日この頃。

『LIVE!清水ミチコのお楽しみ会“リップサービス”』

LIVE!清水ミチコのお楽しみ会“リップサービス”LIVE!清水ミチコのお楽しみ会“リップサービス”
(2008/09/17)
清水ミチコ

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 清水ミチコのライブを観た。言うまでもないが、実際に観に行ったわけではない。ライブDVDが発売されたので、それを購入したのである。いちいち説明するのも面倒臭いが、たまに「ライブに実際に行ったわけでもないのに、偉そうに語るなよ」などと言うバカがいるので、こういうことを書いてみた。そういうことを言いたくなる気持ちは分かりますが、それはそれでDVDに失礼だということを分かっていないんでしょうね。バカだから。映像媒体をバカにするな!

 ……ただ、今回の作品に限っては、ライブを直に観に行ったほうが得だったんじゃないだろうか、とは思った。なんでかっていうと、まあ、単刀直入に言うと……とにかくカットが多いから! 『オープニングの歌』は強制的に早送りにされるし、『LIP SURVUCE』は一部カットされているし(これは同名のCDアルバムを聴けば良いのかもしれない)。その他、具体的には挙げないけれど、カットされているだろうことが予測できるシーンが多く観られた。多分、モノマネの対象となっている人の許可が下りなかったのだろう。或いは、ネタが過激すぎたか。それらカットされた場面を知るためには、ライブに行くしかない。現地主義者の勝利である。無念。

 とはいえ、今作が清水ミチコの本芸を堪能するに足らない作品なのかというと、そんなこともなく。テレビで見かけることのある清水さんの芸よりも、ちょっとだけディープな芸を楽しむことの出来る内容ではあった。まあ、ぶっちゃけた話、元は取れる。ちょっと高い気はするけど。4,500円。4,500円か。4,500円ねえ。うーん……高いよなあ。面白いんだけど、高いよなあ。

 芸は間違いなく面白いんだよ。フランス語の某曲で親子の会話を繰り広げる『イエル・ケ・クク』とか、某有名シンガーソングライターの楽曲を勝手に作るという無礼千万な『リキュールの恋人』とか、ピアノの演奏までも当人に似せてしまうという極上芸っぷりを見せつけている『みっちゃんみちみち ~いもむしごろごろ』とか。単なるモノマネ芸とはちょっと違う、妙な悪意を感じさせられる芸のオンパレード。

 その悪意が頂点に達したような曲が『MY BLACK EYES』『A SONG FOR ME』。前者は、某有名女優の歌唱力をテーマにした楽曲。歌詞の内容も然ることながら、ちょっと歌唱力をアレな感じにして歌っているところが、素晴らしく悪意に満ちていた。わざとアレな感じにしてしまっているところが、実に悪意。後者は、某有名チャリティ番組を意識して作られた楽曲。まあ、とにかく……凄い。ストレートに受け入れると、ただ単に我が道を行ってるだけの様に聴こえるんだけれど、その楽曲が醸し出すチャリティ感(偽善的な感じ?)が凄くて……そこに尋常じゃない悪意を感じるんだな。その悪意が、清水ミチコの(平気でYUKIやCharaや宇多田やUAを歌い上げてしまえるほどの)とてつもない歌唱力で歌われるわけだから、たまらない。

 だから、入り口としては良いと思うんだよね。清水ミチコという芸人のことを知るための。ただ、入り口の割には値段が高いという……ネックだよなあ、そこが。内容はイマイチ(中途半端に収録されている副音声が、イマイチ感を強調)、芸は極上、値段は高め。ある意味、とってもバランスの悪い作品だったかもしれない。む。

・本編(85分)
『タイトル』『会場でのマナー』『オープニングの歌~MC』『私のフォーク・メドレー』『目マン』『アンケート紹介』『LIP SURVICE』『イエル・ケ・クク』『CM』『MY BLACK EYES』『リキュールの恋人』『ロシア賛辞』『みっちゃんみちみち ~いもむしごろごろ』『プカプカ』『スピッツ作曲法』『歌姫メドレー』『A SONG FOR ME』『エンディング』
・特典:副音声(『オープニング』『私のフォーク・メドレー』のみ)

『大金星』(黒田硫黄)

大金星 (アフタヌーンKC)大金星 (アフタヌーンKC)
(2008/09/22)
黒田 硫黄

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 黒田硫黄の短編集が出た。僕の記憶が正しければ、今作は黒田にとって三冊目の短編集になる……と思う。不安なので、本棚を探ってみた。第一弾が『大王』(1999)で、第二弾が『黒船』(2001)。どちらもイースト・プレスから発売されている。でも、今回は講談社からの発売。アフタヌーンで連載されている『あたらしい朝』を受けての発売なんだろう。たぶん。

 収録されているのは、全部で七作品。アフタヌーンに掲載されていた作品もあるけれど、ほぼ全てが違う雑誌に掲載されていた作品。ヤングマガジンアッパーズとか、コミック・キューとか、エソラとか。最後のは漫画雑誌じゃなかったような。一度、mixiの黒田硫黄コミュで「黒田先生の新作が出た!」とか、話題になっていた記憶がある。

 そのエソラに掲載された作品『多田博士』と、2005年にアフタヌーンで短期連載されていた『ミシ』を除いた五作品は、全て2002年~2003年に描かれたものらしい。この時期、黒田は彼にとって代表作とも言える二作品『茄子』(2000年~2002年)と『セクシーボイスアンドロボ』(2000年~2003年)を連載している。ある意味、最も黒田がキャッチーな作風だった時期に、描かれていた作品が収録されていると言って良いんじゃないかしらん。

 ただ、作品の傾向は『大王』『黒船』の頃と、大して変わっていないような気がする。例えば「居酒屋武装条例」という作品の持つ独特のテンションと薄暗さは、「あさがお」(『大王』所収。よしもとよしとも原作)を髣髴とさせるし、「ねこねこ救助隊」なんか、もろに「二人のシリーズ」(『黒船』所収)だし。漫画に対するスタンスは、殆ど変わっていない感がある。揺るがないねェ。

 個人的には「ミシ」が印象的。日常をブッ壊してしまうほどの迫力を持つ“ミシ”という生命体の存在感と、それらが去ってしまった後の、なんともいえない燃え尽き感がたまらない。ちょっと「象夏」(『大王』所収)を髣髴とさせるけど、その破壊力は比じゃない。こういう、祭りの後の様な作品って、なんとなく好きだ。

 今、黒田が連載中の『あたらしい朝』(2006年~)は個人的にちょっとハマっていないけれど、この短編集はなかなか良かった。

2008年10月の購入予定

08『Live Stand 08』
15『関根勤の妄想力 西へ』
22『U字工事 北関東ナンバーワン!』
22『ジャルジャルの戯(あじゃら)1』
22「みうらじゅん&リリー・フランキーの期待されても困るんですよ」
29『髭男爵inエンタの味方! 爆笑ネタ10連発』
29『三拍子inエンタの味方! 爆笑ネタ10連発』
29『マシンガンズinエンタの味方! 爆笑ネタ10連発』
30『世界のナベアツDVD ナベアツのオモロー』
31『爆笑問題のツーショット 20周年アニバーサリーエディション』
31『ゴー☆ジャス ファンタ☆スティックworld』

 この九月から十二月まで、尋常じゃない発売予定ラッシュが続いていますが、十月のラインナップはその一つの山と言えるかもしれません。いよいよ金欠病が悪化しておりますが、もうしばらく、お笑い熱は続きそうな感じです。……いよいよ、アフィリエイトに手を出してみようかしら。メンド臭そうだからやらなかったけど。

 上旬はそうでもないんだけど、下旬が凄い十月。U字工事の単独ライブに、ジャルジャルのDVD収録ライブ。「エンタの味方!」からの三組に、世界のナベアツ・爆笑問題・ゴー☆ジャスと……なんだかもう、波状攻撃を食らっているかのようであります。退避命令を!(誰に聞いているんだ)

 個人的な注目は、第一弾の出来がなかなかだった『関根勤の妄想力 西へ』、初めての単独ライブDVDをリリースすることになるU字工事、何を収録するつもりなのかよく分からない世界のナベアツの三組。……いや、ジャルジャルも気になるなあ。CDがセットになるらしいし。楽しみだなあ。

『死者の学園祭』と『Mr.インクレディブル』

 借りた。観た。

死者の学園祭 限定プレミアムBOX死者の学園祭 限定プレミアムBOX
(2001/03/09)
深田恭子加藤雅也

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 巷では駄作と名高い本作だが、序盤の、篠原哲雄監督(『月とキャベツ』『昭和歌謡大全集』などの映画を監督)ならではの張り詰めた空間が、たまらなく好きだった。もうちょっと冷ややかな空気にしても良かった気もするけれど、まあ及第点。……どうも最強の駄作『笑う大天使』を基準に考えているせいか、ちょっと甘めに観てしまう。ホント、コメディエンヌとしては脂が乗りまくっていた上野樹里を主演にしておきながら、どうしてあんなクソ作品にしてしまったのか……(ブツブツ)

Mr.インクレディブルMr.インクレディブル
(2006/06/16)
クレイグ・T・ネルソンホリー・ハンター

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 初見時、イラスティガールことヘレン・パーの艶かしい身体つきに欲情したものだけれど、今、改めて観賞しても、やっぱり欲情した(笑) なんか、独特のイヤらしさがあるんだよね。ミラージュもそうだけど。なんだろうなあ。足フェチなのかなあ(ミラージュの足はなかなかスゴかった)。作品自体は、ピクサーらしく遊び心とリスペクトに満ちていて、しっかりと面白かった。ピクサーは『トイ・ストーリー』以後、作品としてのクオリティを全く落としていない。末恐ろしいなあ……って、そういえばまだ『カーズ』と『レミーのおいしいレストラン』を観ていなかった。観ねば。

「笑いがいちばん」を見る

 NON STYLE、ストリーク、昭和のいるこいるの三組が出演。NON STYLEは「もしも」の漫才。時代劇ネタから入り、エレベーターに閉じ込められたネタへの流れは、ちょっと粗雑に感じた。ストリークは「オレオレ詐欺」「チャット」をテーマにした野球漫才。野球ボケはパターン化しているものの、たまに見る分には楽しくて良い。

 若手二組の漫才の後は、昭和のいるこいるの師匠である獅子てんや・瀬戸わんやの漫才を。瀬戸わんやが岡山の祖母の家に孝行に行く、という一貫したテーマでの漫才。この時代の漫才は、テンポ良く笑わせるというよりも、じんわりと笑える空気を構築する傾向が強いが、てんやわんやの漫才も同様。今の時代とは少し合わないが、存分に楽しめた。今の時代、こういう漫才を復古するのも面白いかもしれないよ、若手漫才師諸君(エラソー)。

 てんやわんや師匠について、司会二人と三組でトーク。相変わらず正蔵師匠の司会は拙い。むしろ、しょこたんの方が弁が立っている気が。片岡鶴太郎のギャグ「ピーピーピーヨコちゃん……」の元ネタがてんやわんや師匠だということを知って驚くNON STYLEとストリークが印象的。あと、“昭和のいるこいる”というコンビ名の由来が「昭和を乗り越える」だというのは、ちょっと意外だった。今の芸風は、むしろ昭和を振り返るって感じだもんナ。

 VTR後は昭和のいるこいるの漫才。のいる師匠が若者についてのグチを言って、こいる師匠がそれをテキトーにかわす、お馴染みのスタイル。途中からテーマが放置され、どんどん会話の展開だけが浮き彫りになっていくあたり、流石はベテランといったところか。ストリークが老齢化すると、こういう漫才になっていくのかもしれない。楽しみだなあ。

 ああ、面白かった。

『モンティ・パイソン ライブ アット・ザ・ハリウッド・ボウル』

モンティ・パイソン ライブ・アット・ザ・ハリウッド・ボウルモンティ・パイソン ライブ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル
(2008/06/25)
・グレアム・チャップマン ?ジョン・クリーズ ?エリック・アイドル ?テリー・ジョーンズ ?マイケル・ペイリン ?テリー・ギリアム

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 ニコニコ動画とかでモンティ・パイソンの映像を観るたびに、イギリス人はシニカルな笑いが得意だなあ……と思うことがあるんだけれど、別にそういうわけじゃないんだよね。ただ単に、そのネタを大衆が受け入れられるかどうかの違いなんだよね。イギリス人は受け入れられるけど、日本人は受け入れられない。それだけの話。

 例えば、イギリス皇室をテーマにしたコントがあるんだけれど、これと似たようなことを、日本の皇室に置き換えてやってみても、たぶん笑いにはならない。思想の押し付けというか、プロパガンダ的なものだと思ってしまうから。そういう意味では、イギリスのコメディの方が、日本のコメディよりも笑いの幅は広いと言えるのかもしれない。メシは不味いがコメディは潤った国、イギリス。羨ましいような、羨ましくないような。

 ただ、だからといって、モンティ・パイソンが希有なコメディユニットであったことは、言うまでもないことだけど。彼らの場合、そこがイギリスであろうと、日本であろうと、正統に評価されていたんじゃないかな。だって、彼らの笑いの根底にあるのは“ナンセンス”だから。社会批評も毒舌も飛び越えた、どうしようもないくらいに無意味さ。それがしっかりと根っこの役割を果たしているから、モンティ・パイソンは面白い!

 ハリウッドの野外ステージ“ハリウッド・ボウル”で行われたライブの模様を収録した今作は、モンティ・パイソンのナンセンスさを知るには十二分過ぎるものだった。

 メンバー四人による下ネタの大合唱に始まる今作。その内容の酷さに頭を抱えたくなるが、続けざまに披露される一人レスリングで、完全に頭を抱える。なんだ、これは。なんなんだ、これは。考えている暇なんか、微塵もない。ミケランジェロは「最後の晩餐」に二十八人の使徒を描くし、男たちは真剣にバカ歩きの開発に取り組んでいるし、チョコレート会社はカエル入りのチョコレートを意味無く発売するし……どこまで行っても意味が無い笑いが、次から次へと押し寄せてくる。これはもう、ナンセンスすら越えて、カオスなシュールに突入している気がするな。

 日本でも、彼らレベルのクオリティを保ったコントを、観れないことはない。バナナマンとおぎやはぎの『epoch conte square』とか、ザ・プラン9とか、シティボーイズとか。でも、ここまでドライにナンセンスを極めているコントは、他に無いんじゃないだろうか。奇しくも来年、結成四十周年を迎えるモンティ・パイソン。彼らの笑いは、今の潔癖な時代にこそ必要なものなのかもしれない、なんつったりなんかしちゃったりなんかしたもんだったりして。

・本編(約80分)
『シット・オン・マイ・フェイス』『アラブ人の歌』『ブルース』『ゲイの裁判官』『ウィゾ・チョコレート株式会社』『アホウドリ』『貧乏は幸せ』『討論教室』『旅行代理店』『イタズラの形式』『赤ずきんちゃん』『ランバージャック・ソング』
・特典映像:予告編集
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

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