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このお笑いDVDがスゴかった! 2008

最近、ネット上で「面白くない芸人が増えている」などというコメントを見かけることがあります。まあ、そういう意見もあるでしょう。ただ、悲しいことに、それなりに多くのネットユーザーが、そういった意見を持っているんですね。面白い芸人さんは、世の中に沢山いるのに。その視界を狭めて、面白い芸人さんが見えなくなってしまっている人たちが、芸人さんに対して否定的になるという、この不条理。

今やお笑いは、自動的に流されてくるものではありません。今の時代、自分たちが好ましいと思えるようなお笑いは、自らの力で探し出さなくてはいけません。そんな時代の中で、いつまでテレビに頼っているのか! 民衆よ、アンテナを捨てよ! DVDを買うのだ! ……いや、流石にそこまではいきませんが。

この2008年。くすぶりかけていたお笑いブームは、見事に息を吹き返しました。「爆笑レッドカーペット」「あらびき団」に代表されるショートネタブームによって、様々な若手芸人たちのネタをおつまみできる現行のスタイルは、まさにライブDVDのためのシステムと言っても過言ではありません。そうです! 今や時代は、お笑いDVD全盛期! 出せば売れる時代なんです! 結果、この2008年に僕が購入したお笑いDVDの本数は、過去最高の百五本!(新作のみ) バカじゃなかろうか!

今回、その百五本の中から、個人的にオススメしたい作品を十本ばかり選出し、ランキング形式で御紹介したいと思った次第です。毎年やってるアレです。ぶっちゃけた話、長いです。長いですが、今年最後の記事ですので、我慢して読んで頂きたく存じます。苦行かよ!

まずは、10位より参ります。どうぞ!

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ライブミランカ『ウッチャンナンチャントークライブ2007~立ち話』

ライブミランカ ウッチャンナンチャントークライブ2007~立ち話 [DVD]ライブミランカ ウッチャンナンチャントークライブ2007~立ち話 [DVD]
(2008/12/26)
ウッチャンナンチャン

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昨年より販売が開始されました、ミランカトークライブシリーズ。さまぁ~ずを発端に、アンタッチャブル、おぎやはぎ、よゐこ、バナナマン、スピードワゴン、ドランクドラゴンといった豪華なラインナップに、心を躍らせた方も少なくないのではないでしょうか。そんなミランカトークライブシリーズのラストを飾ったのは、ウッチャンナンチャンのお二人。当時、バラエティで共演することが少なくなっていた二人が、久しぶりに顔を合わせております。

前半は、トークテーマの無い状態での、だらだらとしたフリートークが続きます。かつての人気番組「ウンナンの気分は上々」を楽しく拝見していた方には、懐かしく感じられるのではないでしょうか。ウッチャンがナンチャンの出演する刑事ドラマを見たという話など、他愛の無いトークが展開されています。親友の様に近しくも、コンビとして程ほどの距離を保っている二人の姿は、改めて彼らがコンビだということを認識させてくれましたね。

一方で、二人のトークに年齢を感じさせられる場面も、しばしば。例えば、ゴルフの4スタンスの話題で盛り上がっている二人の姿は、実にフツーのオッサンでした(ゴルフをやっている人自体はオッサンじゃないんですけど、ゴルフの理屈を語っている人って異常にオッサン臭くないですか。日曜日の昼頃に、ごろんと横になりながらテレビを観ているような……)。でも、ちゃんと面白い。なんていうか、間が良いんですよねえ。会話のテンポが良いと言いますか。あと意外だったのが、二人が今アニメの夢中だという……ナンチャンの『攻殻機動隊』は分からなくもないんですが、ウッチャンがハマッているという作品は本当に意外でした。「それ!?」「今更!?」の二重の驚き。何にハマッているのかは、実際に観ていただきたいと思います。ハイ。

後半は、ウッチャンナンチャンの周囲の人たち(キャイ~ン、よゐこ、バナナマン、さまぁ~ず、ふかわりょう、出川哲朗)による質問VTRを見ながら、トークを展開します。各自、それぞれに味わい深い質問をしていました。その中でも興味深かったのが、よゐこの“相方に対して許せるラインは?”という質問。これに対して、二人して「隣同士で運転は出来ないな」と回答。“隣同士”という点がダメな様です。映画館でもダメ。ナンチャン曰く「泣いてるところを見られたくない」。余談ですが、バナナマンの質問VTRは『ハンブン東京』観賞後だと、なお楽しいです(笑)

最後に披露された「ウッチャンナンチャンのショートコント」も含めて、全体的に温かみのあるトークライブでした。メチャクチャ面白いってわけではないんですけど、日曜日の午後になんとなく観たくなるような、居心地の良さがありました。良いですよね。ギスギスしてなくて。ウッチャンナンチャンが好きな方は、躊躇せずに観るべき作品だと思います。ハイ。

ところで、特典映像で「M-1観た?」「観たよ、まだ全部観てないけど」「サンドウィッチマン…」という話をしているウッチャンナンチャンの二人を見て、異常にテンションが上がってしまったのは、僕だけなのでしょうか。そうですよねえ、ウッチャンナンチャンの二人も観てるんですよねえ……。


・本編(125分)
「オープニング」「トークライブ」「キャイ~ンからの質問」「よゐこからの質問」「バナナマンからの質問」「さまぁ~ずからの質問」「ふかわりょうからの質問」「出川哲朗からの質問」「ウッチャン書き下ろし初出しショートコント」「エンディングトーク」

・特典映像(11分)
「ウッチャンナンチャントークライブ~舞台裏」

『江頭2:50のピーピーピーするぞ! 逆修正バージョン ~ノークレーム・ノーリターン~』

江頭2:50のピーピーピーするぞ!2 逆修正バージョン~ノークレーム・ノーリターン~ [DVD]江頭2:50のピーピーピーするぞ!2 逆修正バージョン~ノークレーム・ノーリターン~ [DVD]
(2008/12/26)
江頭2:50早川亜希

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あの伝説的ネット番組が、再びDVD化。『江頭2:50のピーピーピーするぞ!2 逆修正バージョン~ノークレーム・ノーリターン~』発売。ということで、第二弾が発売されました。いやー、いつか第二弾が出る日が来るとは思っていたんですけども、まさか今年中に出るとは思いませんでしたね。

それにしても、サブタイトルが素晴らしいですね。第一弾の“始末書覚悟の逆修正バージョン”もなかなかでしたが、今回は“ノークレーム・ノーリターン”ですからね。クレーム無きところに、見返りなし! という……素晴らしい覚悟を感じさせられます。ちなみに今回は、2007年1月~6月までの配信を中心に収録しています。

正直なところ、前作はイマイチに感じたんですね。当時の感想文でも書いてますけど、とにかく「心男女」のコーナーがイマイチだなあ、と。うん。下ネタは嫌いじゃないんですけど、微妙に求めているモノと違っているなっていう感じが、ちょっとあったんですね。それに比べると、今回はちょっとこなれてきたというか。編集もだいぶスマートになったと思いますね。まあ、相変わらず「心男女」での早川嬢の悲鳴&ホイッスルはキツかったですけどね。目の前で四十路の男が、性器剥き出しにしちゃうんだから、仕方ないンですかねえ。

もちろん、今回も伝説トークはしっかりと健在。睡眠薬とレモンサワーを3リットルほど飲んで、寝て起きたら立ちくらみがして、顔面から床に倒れてしまい、前歯を追った状態で営業に向かったという話や、大川興業社長から貰った400円を資本金に、競艇で賭けたらとんでもない金額になった話、2002年のワールドカップでトルコを応援したら、対日本戦時に日本人サポーターに「江頭殺せ!」と言われたという話など、過激でアブないトークの連発! 単なるトラブルメーカーではなくて、何故かトラブルに巻き込まれてしまったパターンもあるっていうのが、面白かったですね。

あと今回は、番組企画で「早稲田大学で江頭2:50の好感度調査」を行っている様子が収録されています。珍しくバラエティらしい企画ですが、なかなか衝撃的な結果が出てます。なんていうかですね、頭の良い女性はやっぱり良いですね。男の良さを分かってます。そういう企画にエガちゃんが巻き込まれている姿は、なんだか面白かったですねえ。

で、あと、僕の好きなコーナーなんですけど、映画批評コーナー「エィガ一刀両断」。今回も素晴らしかったです。エガちゃんは映画評論の眼も素晴らしいですけど、それ以上に、その映画の素敵な部分を掬い上げて再現する能力がズバ抜けて高いですね。今回、『鉄コン筋クリート』『世界最速のインディアン』『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』の三作品についての評論が収録されていますが、いやー……どの映画も観たくなりましたね。いや、『鉄コン~』は既に観たんですけど、また観たくなりました。蒼井優が演じるクロの再現が素晴らしすぎる! エガちゃんが蒼井優のトーンを再現できるって、絵的にも声的にも、とにかく凄い!

第一弾の粗雑さは、もう見る影も無く。凄い、ちゃんとした構成と、ちゃんとした編集がされてて、良い内容になってましたね。第一弾でイマイチに感じた人も、これを観たら、納得できるんじゃないかと思います。いやー、良かったです。


・本編(約126分)
「新春!!2007年の抱負!!」「エガちゃん、本格バレエに挑戦!?」「あの名物男ふたたび」「心男女「将来○○な男性と付き合うべき?」「エガちゃんのホワイトデー」「真夜中の大惨事」「アンチ江頭へ怒りの制裁」「競艇場に神は降りるか!?」「エガちゃん吼える」「心男女「パチンコがやめられない!」「日韓ワールド杯観戦記」「心男女「お酒に強くなりたい!」「エガちゃんはお好き?」「女子高生に大暴走!」「あのカリスマ経営者に物申す!!」「カップルにトンデモおねだり」
・エィガ一刀両断
『鉄コン筋クリート』『世界最速のインディアン』『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』

三拍子単独ライブ『Soul Mate』

単独ライブ 「Soul Mate」 [DVD]単独ライブ 「Soul Mate」 [DVD]
(2008/12/24)
三拍子

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最後です。ようやく、最後です。一日で六本のDVDレビューという、思った以上に面倒臭い作業が、ようやく終わります。誰に頼まれたわけでもないのに。誰かに命令されたわけでもないのに。それが終わったからって、何かが変わるというわけでもないのに。この年の瀬、貴重な一日を利用して、成人男性がお笑いDVDレビューを書いているという、この異様な光景。如何でしょうか。聞かれても困りますか。うん。何はともあれ、最後です。

師走のサンミュージック祭第六幕、三拍子単独ライブ『Soul Mate』。小島よしお、髭男爵、飛石連休、ぼれろ、さくらんぼブービーと続いた今回のレビュー。最後の最後で、三拍子ですよ。間違いなく、面白いコンビではありますが、どうして最後が彼らなのでしょうか。製造番号の順番に書いているので、一応、このサンミュージック祭のどんじりということには間違いないと思うのですが、えー……なんか地味ですね。好きなコンビなんですけども。

今作には、2008年6月に行われた三拍子単独ライブ「Soul Mate」の様子が完全収録されています。完全収録という響きに、なんとなく感動してしまうのは僕だけでしょうか。完パケですよ、完パケ。完全パッケージ化ですよ。なんだか素敵ですね。ちなみに、ライブの構成はぼれろと同様で、オープニングとエンディングで漫才を披露し、その間でコントや企画をするというものになっています。

2008年の三拍子といいますと、「爆笑オンエアバトル」第10回チャンピオン大会で総合二位に輝いたという芳しい結果がある一方で、「M-1グランプリ2008」にて三回戦敗退となってしまうという芳しくない結果を思い出します。良いんだか悪いんだか、よく分かりません。ただ、今作で披露されている漫才は、決して悪い出来では無かったように思いました。特に最後の『予告編』は、前フリをバカバカしく利用した漫才になっていて、チャンピオン大会で彼らが披露した漫才を髣髴しましたね。あれよりは、だいぶユルーい内容でしたが。一方、幕間映像では「生活百科事典 ~正しい離婚届の書き方~」「久保入院」の様な、彼らのプライベートを利用したものや、「全日本異種格闘技選手権」「ショート一言 部」の様に大喜利色の強いものなど、バリエーション豊か。安定感があります。

そんな中、妙に不安定な世界観を構築しているネタが、『米』です。既にテレビでも何度か披露されているネタなので、御存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。この漫才では、本来ならばツッコミ役の久保さんが米を片手にボケまくり、本来ならばボケ役の高倉さんがそんな久保さんにツッコミまくるというスタイルを取っています。一見、それは単独ライブ仕様の漫才という風に見えますが、何気にちゃんとした作りになっていて、フツーに面白いです。まあ、だからテレビで披露しているんでしょうけど。それで良いのか。ちなみに、この『米』は前後に「久保が似合うもの」「久保 ライスの旅」という幕間映像を挟んで、披露されています。このネタのためだけに、映像が二本! どんだけ推してんだ。

前作『三寸の楔』もなかなかに安定感のあるライブでしたが、今回もホントーに安定感がありましたね。まず、外しません。ただ、外さないが故の、爆発力の無さというのは気にならなくもないですが。もっと……ねえ。売れれば良いんですけどねえ。「爆笑レッドカーペット」とかに出してもらえたら良いんですけどねえ。正統派が売れにくい御時世ですからねえ……はあ(無駄にシンミリ)。


・本編(78分)
『ファイティングソックス』「オープニング」『解散』「生活百科事典 ~正しい離婚届の書き方~」『お供』「全日本異種格闘技選手権」『お天気中継』「久保が似合うもの」『米』「久保 ライスの旅」『靴屋』「ショート一言 部」『ぐだぐだマン』「久保入院」『予告編』「エンドロール」

『ギガンティック』(さくらんぼブービー)

単独ライブ 「ギガンティック」 [DVD]単独ライブ 「ギガンティック」 [DVD]
(2008/12/24)
さくらんぼブービー

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海パン一丁で何もかもを投げ出してしまう一言ネタが人気の小島よしお。真っ白なパジャマ姿で歪んだ人間模様を描く鳥居みゆき。世間一般で、サンミュージック所属の狂気的な芸人さんといえば、この二人が二強であるように思われているかもしれません。しかし、この二人を凌ぐほどに狂気的な笑いを生み出しているコンビが、サンミュージックという事務所に所属していることを、皆さんは御存知でしょうか。

彼らの名前は、さくらんぼブービー。様々なスタイルのショートコントが生み出されていた、いわばショートコント黎明期とも言える時期に、果てしなくエネルギッシュでマッドな笑いを生み出していた、このコンビ。お笑いブームの波に乗ることは出来ませんでしたが、その異常とも言えるほどに独創的なスタイルは、テレビ番組に殆ど出演しなくなった今でも、カルト的な人気を得ています。

師走のサンミュージック祭第五幕、さくらんぼブービー単独ライブ『ギガンティック』。彼らの本分であるナンセンスで過激なショートコントが、舞台上で、または映像として、繰り広げられています。なお、特典映像には2007年に行われた単独ライブ『キャロリ~ナ』の様子が収録。一粒で二度美味しい、とはまさにこのこと。

再生すると、いきなり奇妙な映像が流れ始めます。早朝を思わせる青白さで包まれた、人気の無い街の道路で、びったんびったんと音を立てて跳ねている、一匹の魚。それはまるで、町田康文学の世界。そこへ、能面と般若面をそれぞれ顔につけたさくらんぼブービーが登場。いよいよ町田康です。

そんな奇妙なVTRの後で、ライブ映像が始まります。元来、ショートコントを本分としている彼らですが、今回のDVDはなんと、全編ショートコントです。江戸むらさきの単独DVDみたいに、シチュエーションコントなんか全く入れず、ただただショートコントの乱打乱打。この粗雑感が、いかにも彼ららしいですね。果てしなく混沌としたショートコント世界は、どれも独創的かつ破壊的です。渋谷が乱れているから、渋谷を食い尽くす……って、どういうコントだ(『渋谷』)。

本編後半からは、VTRショートコントが続きます。閉ボタンを押しても扉が閉じない『エレベーター』、ひたすら恐怖におののき続ける『バッティングセンター』、ティッシュじゃないものが配られる『ティッシュ配り』、サイコロで全ての行動が決められてしまう『寝るメシゲーム風呂トイレ木村』、なんだかとっても情けない『エリザベスカーラー』など、狂気でバカなショート映像乱れ打ち。たまらんものがありますね。なんとなく、今年2月に発売された『野爆 DVD in DVD』(野性爆弾)のことを思い出しました。あれもライブ映像とVTRをくっつけた構成になっていましたね、確か。

「爆笑オンエアバトル」「笑いの金メダル」などの番組で、さくらんぼブービーに対してなにかしらかのシンパシーを覚えた人なら、まず楽しめる内容になっているのではないでしょうか。少なくとも、前作『さくらんぼディスコ』(今となっては、なんだかPerfumeの曲を髣髴とさせるタイトルですね)よりは、良い出来だったのではないかと思います。九年もよく続けたもんだー。


・本編(約62分)
ライブ:『トンボ』『スーパーボール』『キャッチホン』『達人対達人』『髪型』『暴走族』『友だち』『イス取りゲーム』『散歩』『地雷』『ビリヤード』など全二十本
映像:「エレベーター」「バッティングセンター」「ティッシュ配り」「目覚まし」「鍛冶くんどこだ?」「寝るメシゲーム風呂トイレ木村」「アメリカンドッグ」「打ち合わせ」「ブラックジャック」など全二十一本

・特典映像(23分)
『キャロリ~ナ』で披露されたライブ・映像混合のショートコント全十六本を収録

『ぼれろ初単独ライブ』

ぼれろ初単独ライブ [DVD]ぼれろ初単独ライブ [DVD]
(2008/12/24)
ぼれろ

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以前、当ブログで「サンミュージックはぼれろを売り出している」という旨のコメントを頂いたのですが、それって事実なんでしょうか。いや、別に疑問があるわけではないんですけど、なんとなく……時期尚早な気がするというか。もうちょっと、芸自体を磨かせてから売り出したほうが良かったんじゃないのかな、と。そういう風に思うわけですが、どうでしょうか。どうでしょうか、と言われても。

師走のサンミュージック祭第四幕、『ぼれろ初単独ライブ』。尋常じゃないくらいシンプルなタイトルですね。これ、実際のライブタイトルは「ビギナーズ♪♪ラック」っていうんですけど、このタイトルが、以前に笑魂シリーズとして発売したDVDのタイトルと被っているため、こういうシンプルなタイトルになったのではないかと思われます。計画性が無いですね。

ライブ構成も非常にシンプルです。オープニングとエンディングで漫才を一本ずつ披露して、その間にコントや企画を見せていく、という。吉本興業所属の芸人さんがよくやっている構成ですね。非常に安定感がある。

内容については、まあ……ちょこちょこ。僕自身が、ぼれろというコンビにそれほど期待していないというか、もうちょっと足りないところが多いように思っていますので。彼らの本分である漫才も然ることながら、単独ライブ用のコント・企画に至るまで、全体的にイマイチ感の強い内容ではありましたが、まあ、こんなもんだろうといったところでしょう。良くも悪くも、想定範囲内といいますか。

ただ、『ゲームショー』というコントはちょっと面白かったですね。ぼれろの二人が、某PS3と某Wiiに扮して、お互いのことをグチグチと言い合うコントなんですけども。現代的というか、時代性というか。偶然なんでしょうけど、物凄く“今”を感じさせたコントでしたね。内容は、やや稚拙なんですけども。オチが良かったですね、オチが。

完成度としては、前作『ビギナーズ♪♪ラック』の方が高かったように思いますね。まあ、単独ライブですから。多少はブレがあるほうが、良いでしょう。ただ、今はこれで良いでしょうけど、これからどうなるかですよ。問題は。ここから彼らが、どういう伸び方をしていくのか。それに期待して、見守っていきたいと思いますね(何故に上から目線?)。


・本編(約53分)
『漫才「ファン」』「シュウゾウちゃれんじ」『コント「初めての総理大臣」』「ギネスに挑戦1」『コント「日本舞踊」』「ギネスに挑戦2」『コント「ゲームショー」』「ギネスに挑戦3」『生ギネスに挑戦!!』「食わず嫌い王決定戦 みたいな」『漫才「占い」』

・特典映像(14分)
「ギネスに挑戦!!」

飛石連休 第3回単独ライブ『帯に短しタスキに飛石』

単独ライブ 「帯に短しタスキに飛石」 [DVD]単独ライブ 「帯に短しタスキに飛石」 [DVD]
(2008/12/24)
飛石連休

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サンミュージックGETに所属している芸人さんといえば、ブッチャーブラザーズを筆頭に、ダンディ坂野、ど~よ、小島よしお、髭男爵、鳥居みゆき、さくらんぼブービーなど、個性的な芸人さんが多く所属している印象の強いのではないでしょうか。しかし一方で、地味でオーソドックスなスタイルの芸人さんも、少なからず所属していたりもするんですね。

そんな“地味でオーソドックスなスタイルの芸人さん”の最右翼と言えるコンビが、飛石連休です。お笑いブームが盛り上がり始める前に全盛期を迎え、その後もブームに乗ることなく、粛々とその活動を続けていた彼らですが。なんと此度、単独ライブDVDをリリースすることになりました。まあ、あくまで師走のサンミュージック祭第三幕としてですが。飛石連休第3回単独ライブ『帯に短しタスキに飛石』。ジャケットに単独ライブのナンバーが刻まれているところに、今後のやる気を感じますね。

飛石連休といえば、岩見さんのフワッとしたボケと、藤井さんのズバッとしたツッコミの活きた漫才が魅力のコンビですが、今回のライブでは、そういったスタイルの漫才は二本目の『四字熟語』のみ。それ以外のネタは殆ど、自分たちが楽しんでいるだけとしか思えないほどに、我が道を突き進んでいるネタばかりです。売れていない芸人であるということを逆手に取った、マイワールド全開のネタたち。なかなか、たまりません。

そのマイワールドっぷりが最も吐き出されたコントが、『自家製レッドカーペット』です。どういうネタなのかと申しますと、あまりにもお笑いブームの波に乗ることが出来ない二人が、なんと自分たちでレッドカーペットを作って、某番組に出演しているという体でショートネタを披露するというものなんですね。で、幾つかのネタを、既に某番組出演経験のある鳥居みゆき・髭男爵・小島よしおに提供してもらうという。もはや、自分たちの力で売れる気がありません。清々しいですね。ちなみに、藤井さんがR-1の予選で落ちたというピンネタも披露されていますが……なかなか、アレです。何がアレなのかは、僕の口からは言えません。

一方、幕間映像もなかなか飛ばしてました。前作でも登場していた、岩見さんの「呪怨くん」が再登場したり、藤井さんが嫌いなモノに挑戦したりする映像は想定範囲内だったんですが……いやー。「二人旅999」は卑怯ですよ。他のネタや幕間映像は忘れても、これだけは忘れないんじゃないかってほどに、強烈なインパクトでした。なんていうか……適材適所ですよね。うん。

飛石連休というコンビに対する僕の認識は、先にも書きましたが、“地味でオーソドックスなスタイルの芸人さん”でした。しかし、今回のライブで彼らは、とてもオーソドックスとは言えないほど、自己世界に埋没した芸風のネタを作り出していました。当人にとってそれが良いというのであれば、それでも良いんでしょうけれど……なんか、凄いコトになってきましたねえ。間も無く結成十周年を迎える彼らですが、本当に、どうなっていくんでしょうか。うーん。謎。

(あえて、例のハプニングにはノータッチ!)


・本編(96分)
『漫才1(ダンス)』『漫才2(四字熟語)』「呪怨くん 街角編」『メーテル』「二人旅999」『漫才3(ボケとツッコミを入れ替え「天使と悪魔」)』「好き嫌いはダメよ」『自家製レッドカーペット』「呪怨くん どっきり編」『漫才4(だるまさんが転んだ)』「呪怨くん おまけ」

・特典映像(4分)
「大フライングをVTR検証」

髭男爵 単独舞踏会『ボンジュール ~お姉さんのロンドン留学の話がなくなってもいいのかい!?~』

髭男爵 単独舞踏会「ボンジュール~お姉さんのロンドン留学の話がなくなってもいいのかい!?~」 [DVD]髭男爵 単独舞踏会「ボンジュール~お姉さんのロンドン留学の話がなくなってもいいのかい!?~」 [DVD]
(2008/12/24)
髭男爵

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髭男爵です。髭を生やした男爵様と、その召使のコンビです。どう考えてもフィクションな存在なのですが、平然とバラエティ番組に受け入れられているという不思議。変に完成されていないところが良かったのかもしれませんね。「ルネッサーンス!」「○○やないか~い!」といったフレーズの汎用性も高いですし。来年も、彼らは確実に生き残っていくことでしょう。恐ろしいことですね。

そんな髭男爵が、二度目となる単独ライブを行いました。師走のサンミュージック祭第二幕『髭男爵単独舞踏会 ボンジュール お姉さんのロンドン留学の話がなくなってもいいのかい!?』ですね。無駄にタイトルが長いです。「ボンジュール」なのに、「ロンドン留学」なんですよ。凄いですね。まったくの余談ですが、「ボンジュール」でグーグル検索すると、神戸の泡風呂が一番上に出てきます。恐るべし、エロ大国日本。

今回の単独ライブ、かなり気合が入っているようで。センターマイクには蔦が絡まり、床にはペルシャ絨毯を敷き、背景には赤いカーテンとムンク『叫び』を模した二人の似顔絵。渋いです。激渋です。一瞬、シティボーイズのライブが始まったのかと思いました。若手芸人のライブとは思えない、なんだか落ち着いた空間が非常に心地良いです。アダルトな笑いが好ましい冬の季節に、こういう空間作りはなんだか好感触です。なんだか御宅探訪みたいですが。

肝心の内容は、いかにも髭男爵といったところでしょうか。オープニングの貴族漫才『バケーション』は言うまでもなく。単独舞踏会なのに、アタフタとしているひぐちくんが味わい深いです。ワイングラスをサーベルに持ち替えた『怪傑ゾロ漫才』は、モニター画面を利用した変化球漫才。個人的にバカバカしくて好きでした。というか、男爵は意外とサーベルが似合わないですね。それから、ひぐちくんが作ったという『セクシーオリンピック』。まさかのネタが、まさかのダブり!(「エンタの味方!」公式DVDに収録済)。今年、髭男爵のDVDは三枚リリースされていますが、今作が最も髭男爵の持ち味を堪能できる作品だと言えるでしょう。ちょくちょく挟み込まれたエキストラ外国人による「ショートコメディ」も、なかなか良い味を出していました。

ただ、残念だったのが「ひぐちくんオーディション」というコーナー。最近ちょっと天狗になってきているひぐちくんの代わりを探そうという企画で、サンミュージック社長やダンディ坂野が参加している内輪向けっぷりが楽しいんですが、如何せん、時間の都合故か、急ぎ足で展開されていたんですね。それがもう、とにかく勿体無くて。もっとじっくりやっていたら、もっと面白かったと思うんですよねえ。ああー、ホントに勿体無い。

でも、その点だけを除けば、かなり出来の良い公演だったと言えるのではないかと思います。ネタ解説の副音声も、なかなか面白かったですし。ただ、タイムスケジュールですよ。とにもかくにも。もっと、じっくりと時間をかけてネタを披露できる状態であったのならば、もっと良い作品に仕上がっていましたよ、これは。時間という概念がなあ(これ、誰が言ってたボケだっけ)。うーん。


・本編(84分)
『バケーション』『ショートコメディ「ロバーツとキャロライン」』『本』『怪傑ゾロ漫才』『ショートコメディ「パン泥棒」』『セクシーオリンピック』「VTR:天狗なひぐちくん」『ひぐちくんオーディション』『ショートコメディ「借金」』『キツネ狩り』『民衆の声漫才』

・音声特典
髭男爵・マネージャー・構成作家・エルシャラカーニしろうによる全編副音声コメンタリー

サンミュージック祭

今日中に「師走のサンミュージック祭」を片付けます。出来れば、PPPとウンナントークライブのレビューも片付けたいですが、それはどうなるか分かりません。とにかく、2008年のレビューは2008年のうちに終わらせないと……ぎゅーぎゅー。なお、書き上げるスピード重視のため、個人的に書きやすい敬語調のレビューが続きます。あい。

単独ライブ『小島よしおのカチョマンテ』

単独ライブ「小島よしおのカチョマンテ」 [DVD]単独ライブ「小島よしおのカチョマンテ」 [DVD]
(2008/12/24)
小島よしお

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いや、生き残ってますね。なんだか最近は、安定感さえ覚えます。テレビに出始めた頃は、確実に一発屋になるだろうと思われていた彼ですが、気付けばまだまだ居なくなりそうにありません。2007年の24時間テレビで話題になった、ダチョウ倶楽部との事件が、彼の存在を単なる一発屋で終わらせようとしていないような、そういう印象を受けているのですが、どうでしょうか。

そんなわけで、今回は師走のサンミュージック祭第一幕、小島よしお単独ライブ『小島よしおのカチョマンテ』を取り上げるわけですが。いや、凄いですね。そういったモノとは無縁だと思っていたのですが。あの小島さんが、まさかまさかの単独ライブですよ。何をやるんでしょうか。もとい、何が出来るんでしょうか。どういう感じになるのかは想像できるんですけれど、どういうことをやるのかが想像できません。そういう意味では、非常に期待していた作品だったわけですが。実際に観てみると、これがなかなかカオスな内容になっていましたよ。

ただネタ自体は、割と普通なんですよ。「そんなの関係ねぇ!」を疑問系のスタイルに置き換えた『ワカンネエ』、最近テレビでもイチオシでやっているらしい『コジマリオネット』、あらゆる状況を最終的に納得してしまうショートコント『だろうね』……など、かなりオーソドックスに走っているというか。意外と、ちゃんとしているというんでしょうか。失礼ながら。むしろ、カオスなのは幕間映像の方で。

まず、最初の幕間映像ですが、タイトルが「アイドル小島」。既に怪しい匂いが立ち込めていますね。アイドル小島さんのプロモーション映像なのですが、あの濃い顔・軟体な筋肉バディでアイドルっぽいことを言っているわけですから、とてつもなく不気味な絵になってしまってます。今回はこういう映像が妙に多かったですね。小島さんが実際に見た夢を再現した「小島の夢」とか、小島さんが困ったときに駆けつける人たちの姿を描いた「小島よしお&ヘルプ隊」とか。

そんなカオスな66分を提供している今作ですが、最もカオスなのは、その値段といえるのかもしれません。今回のサンミュージック祭に発売された六作品の中で、実は今作は最も高いんです(税抜3,333円。髭男爵が税抜3,000円。それ以外は税抜2,940円)。髭男爵なんか、副音声まで入れてるのに……。このライブの何処に、どんなお金がかかったのか。謎です。カオスです。不可解です。とりあえず、衣装代はかかっていない筈ですが。

ちなみに、今作にはおまけとしてフォトギャラリーも収録されています。透明感のある風景の中、海パン姿で様々なポーズを決める小島さん。何がしたいのかというよりも、誰を目的としているのでしょうか。二丁目?


・本編(約65分)
『コジマキトカゲ物語』「オープニング」『ワカンネエ』「アイドル小島」『たてぶえを吹きたい…』『公開ベンチプレス』「小島よしおの初体験」『小島よしお 5番勝負 負けたらキャッシュバック』「小島の夢」『コジマリオネット』「小島よしお&ヘルプ隊」『即効ギャグマシーン』「リアル早朝ドッキリ」『だろうね』「熱狂的ファン」『そんなの関係ねえ』

・特典映像(約2分)
「LIVE終了後」

『15周年記念単独ライブ ますだおかだ寄席』

ますだおかだ寄席~15周年記念単独ライブ~ [DVD]ますだおかだ寄席~15周年記念単独ライブ~ [DVD]
(2008/12/24)
ますだおかだ

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この2008年、ますだおかだの二人がコンビ結成十五周年を迎えたのだそうです。凄いですね。別に、解散するだろうとか、そういうことを考えていたわけではないんですけれども。こうして無事に結成十五年を迎えたということには、なんだか感慨深いモノを感じずにはいられません。いや、そんなに思い入れがあるコンビというわけではないんですけれど。

そんなますだおかだの二人が、コンビ結成十五周年を記念した単独ライブ公演を行いました。以前、中川家の二人がコンビ結成十周年を記念したイベント「兄弟喧嘩」を行ったことを思い出します。なんとなくですけど、この二組は表裏一体というイメージがあります。プロフェッショナルの中川家、アマチュアリズムのますだおかだ、みたいな。他のM-1チャンピオンと比べて、この二組には、妙な繋がりを感じてしまうんですね。

さて、肝心の単独ライブですが。テーマは“寄席”です。ますだおかだの二人が、持ち芸である「漫才」だけではなく、某番組の出演芸人を真似してみた「エンタ芸」や、岡田さんが某有名漫談師に扮してネタを繰り広げる「漫談」など、様々なスタイルの演芸に挑戦しています。まあ、どのネタも、やってることは基本的に同じなんですが。兎にも角にも、岡田さんの家事情が出てくる出てくる。ある意味、衝撃ですよ。M-1グランプリ2002での優勝以後、ますだおかだの漫才はどうも、岡田さんイジリに流れやすくなってしまっている印象を受けます。面白いから良いんですけど、なんだか将来が不安になりますね。先細りしていくような。

ただ、一本目の漫才は、別の意味で衝撃的でしたね。「徳永英明が芸人のネタをカバーしたら?」という話題から、「色んな人たちが芸人のネタを真似する」という話へと展開する漫才だったのですが、もう目を見張るほどの数のギャグを、パクってます。あくまでネタの一環として見せているので、パクッている感じにはなっていないのですが、けっこう驚愕します。僕はなんとなくですが、芋洗坂係長の『BAD』を思い出しました。こういう漫才を堂々とこなしてしまえるところが、ますだおかだの漫才がアマチュアリズムと言われる所以ですよね。

そんなユルッとした内容に不安を覚えたのでしょうか、特典映像には「単独ライブ 漫才しろ!ますだおかだ」で披露された漫才の一部が収録されています。この漫才、僕はてっきりWOWOWで放送された、他の人が書いた台本をますだおかだの二人が演じるライブのことだと思っていたんですが(「漫才しろ!ますだおかだ~あの人が台本書きました~」のこと)、どうも2006年に行われた単独ライブを収録しているようです。うーん、ちょっと残念。でも、かなりエネルギッシュで骨太な漫才だったので、とても満足。久しぶりに、ますだおかだのガッチリとした漫才を観たような気がします。

ちなみに、幕間映像では増田さんと岡田さんへのインタビューが収録されています。増田さんのどことなくプロレス的シリアスに満ちた発言と、岡田さんのちょくちょく素で空回っている姿が堪能できます。いつもなら、岡田さんの空回りっぷりが印象に残るところなのですが、今回は増田さんのやたらとカッコ良い発言の方が印象に残っています。その中に、キーワードだけを見て答える「ますだおかだに一問一答」というインタビューがあるんですが、これが実に良い! “M-1”を「抜き打ちテスト」、“お笑いブーム”を「興味無し」、“ますだおかだ”を「最後に残った、二人だけになった学園祭実行委員」と答える増田さん。カッコ良すぎです。むー。


・本編(56分)
『漫才 ますだおかだ 其の壱(芸人のギャグを真似る)』『エンタ芸 増岡マーケット』『漫談 綾小路おかまろ』『漫才 ますだおかだ 其の弐(娘の作文)』他インタビュー映像

・特典映像(29分)
単独ライブ「漫才しろ!ますだおかだ」(明治安田生命ホール/2006年11月17日)
『漫才「岡田はセコい」』『漫才「ミッキー」』『漫才「自転車通行法」』『3分間ノリつっこみ漫才』『二世漫才 ~増田ほのか&岡田ゆい~』『漫才「プロ野球2006」』

ぐだぐだ慕情

更新のためのネタはあるのに、文章がノッてこないというビミョーな感じのテンションでお送りしております。せっかくのサンミュージック祭り(サンミュージック所属の芸人六組が単独ライブDVDを同時リリース)だというのに、どうにもこうにも落ち着かない。うーん。たぶん、休みボケだな。ナンシー関の本を読み返してみたりしてます。末期か。

『NON STYLEにて』を振り返る

NON STYLEにて [DVD]NON STYLEにて [DVD]
(2008/02/13)
NON STYLE

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先日放送されたM-1グランプリ2008について、あちらこちらで様々な評論がなされている。あまり有名ではない大学をそこそこの成績で卒業している自分としては、よく分からない話も多い。例えば、サンキュータツオを中心とした「手数論」も、そのうちの一つ。面白い視点ではあると思うけど、なんだかしっくりといかない。だからといって、NON STYLEの漫才を無闇に持ち上げて「サブカル的笑いの時代は終わった!」みたいなことを言う人にも同意したくないけど。そんな時代があったとは。

今作は、今年の2月に発売された、NON STYLEにとって初めての単独DVD作品だ。2007年8月に東京で行われたイベント、「東京にて」の様子を収録している。なお、このイベントは大阪・名古屋でも行われており、東京でのイベントはその締めくくりであった。

M-1グランプリ2008でのNON STYLEは、石田がボケるたびに繰り出していた“自戒ボケ”が注目されていたが、今作では、まだそのスタイルの漫才は見出されておらず、以前よりネタのテーマになっていた“井上のイキり”が前面に出された内容になっている。とはいえ、それまでの“井上のイキり”をイジり倒すだけの漫才とは違い、随所に石田のオーソドックスなボケが詰め込まれており、漫才師として一歩前進しているように感じさせられる内容ではあった。

それにしても。NON STYLEの漫才を観るたびに思うのだが、彼らの漫才はこう……掴み所がない。石田のボケには爆笑するし、井上のイキりにも苦笑するんだけれど、後で思い出し笑いをするような引きが、彼らの漫才には無い。その理由について、前述のサンキュータツオ氏は“圧倒的な「軽さ」”と表現している。確かに、そうかもしれない。分かりやすさに徹底した言葉選び、とてつもなく激しい動作を用いたボケは、老若男女に伝わりやすい一方で、かなり軽い。お笑いがスキマ産業化している昨今において、NON STYLEの様なオーソドックスな笑いを生み出すタイプの漫才師が台頭してきたというのは、考えてもみれば、不思議なことなのかもしれない。

以前、僕はNON STYLEを、彼らと同様にオーソドックスな言葉や激しい動きで笑いを取る漫才師である中川家と比較して、「NON STYLEが真正面から中川家と戦っても勝つことは出来ない。だから彼らは、井上のイキりを武器にした」と書いた。しかし此度、彼らはイキりネタを殆ど封印し、新たなスタイルを見出すことにより、M-1グランプリで優勝を果たした。それが意味することが何なのかは、僕には分からない。ただ、老若男女に受け入れられる以上のスタイルを彼らが見出し、それで審査員たちを納得させることに成功した、ということだけは言えるのではないかと思う。一休みたいだな。

あの人が喜びそうな言い方をするのであれば、NON STYLEは個性的な笑いが渦巻く時代の中、あえてその個性を抑えることで、逆にオーソドックスな漫才を生み出すという個性を提示したと言えるのかもしれない。しかし、その芸人としての個性の弱さが、如何せん気にかかる。一応、井上はイキりキャラとしての個性があるが、それも石田のツッコミが無いと成立しない。一方の石田は身体の弱さをネタにしているらしいが、漫才でこれだけ動き回っているのに、身体が弱いもへったくれもない。そういえば、審査員の上沼恵美子が「フリートークは苦手」と語っていたが……。

2006年に「新人演芸大賞」を受賞し、2007年に「爆笑オンエアバトル」チャンピオンとなり、2008年に「M-1グランプリ」のチャンピオンとなったNON STYLE。年を追うごとに、その評価は全国的なものへと変わっている。はっきり言って、現行の漫才師の中で最も勢いのあるコンビだと言えるだろう。そんな彼らは、これからきっとタレントとしての能力も査定されていくことになる。その時、彼らはどのような評価を受けることになるのだろうか。


・本編(82分)
「オープニング」『漫才:待ち合わせ』『漫才:迷子』『コント:カーナビ』『漫才:野球』『ショートコント』『漫才:いじめ』『コント:探偵』『漫才:格好いい女性の振り方』

・特典映像(30分)
「Day of the legendプロモーションビデオ」
「Day of the legendプロモーションビデオ メイキング」

『猥褻犯』(快楽亭ブラック)

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(2008/12/19)
快楽亭ブラック

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土曜日の朝から、快楽亭ブラックを観る。なんとも言えない。なんだろうね、この違和感は。こういう時間帯に観るような芸人じゃないんですけどね。でも、他に観る時間も無いので、観る。部屋の外から、近所のスーパーマーケットを訪れる人たちの、談笑している姿が目に浮かぶかのような声が聞こえてくる。そっちが談笑なら、こっちはブラックだ! バカヤロー! ……って、別に怒ることではないのだけれど。

しかし、アレだ。相変わらず酷い。今更だが、こういう落語がDVDとして世間にフツーに公開されているってのは、トンデモない時代だな。うーん。でも、以前に比べると、ちょっと毒素が弱まっている気がする。流石に、一年で五枚もDVDをリリースしちゃったから、勢いも一つか二つばかり落ちちゃったのかもしれない。特に、英国コメディ好きとしては、皇室ネタが無くなってしまったのが、実に惜しい。

とはいえ、下ネタ落語の方はなかなかの出来映え。出所したばかりの任侠に生きる男が、イメクラでタイ人女とムエタイプレイを試みる『人性劇場』も、何故か聖水プレイが流行っている藩の藩主が屋敷内での聖水プレイを禁止しちゃうっていう、どっかの「禁酒番屋」みたいな『聖水番屋』も、下ネタパロディ落語の秀作で、実に面白かった。こういう噺を作らせたら、やっぱり上手いよなあ。

また今回は、あの山田洋次が脚本を書いたという『まむし』という噺が収録されていて、これが実に味わい深かった。笑いどころは少ないンだけど、ブサイクな男が美人な女を妻にして、喜んではいたけれど、毎晩毎晩の営みで身体が痩せ細っていくなんて筋書きが、実に、情けなくて良かった。ヤリたくない。けど、ヤリたい。その衝動が止まらない。こういうのを、談志師が言うところの“人の業の肯定”というヤツなんでしょうかね。うーん。

さっきまで十一時だったのに、気づけば午後一時前に。すっかり腹も減ってきたので、そろそろDVDの再生を止めて、昼食を取りに行こうかな、などと思っていた矢先、テレビ画面では聖水の代わりに黄金を食らってしまった侍の姿を、ブラック師が懸命に演じていた。うーん。食欲が失せてしまったぞ。ダイエットに良いね、なんてバカ。


・本編(84分)
『山田洋次作 まむし』『人性劇場』『聖水番屋』

・特典映像(24分)
スペシャル対談「浅野靖典「競馬談義」前篇」

発売情報 ~パート2~

0218『兵動大樹のおしゃべり大好き。2
0225『かわしまんざいたむらいぶ』(麒麟)
0225『ジャルジャルの戯 2
0301『50周年!吉本新喜劇「ギャグ100連発」
0311『モンスターエンジンDVD
0311『ベントラー・ベントラー・ベントラー』(Piper)
0311『王立新喜劇「コーポからほり303」
0313『チハラトーク#-1』(千原兄弟)
0313『チハラトーク#-2』(千原兄弟)
0313『チハラトーク#-3』(千原兄弟)


個人的にかなりツボだった兵動大樹トークライブとジャルジャルコントライブの第二弾がDVD化。想像していたよりも早いな。というか、このシリーズって、第何弾まで出すつもりなんだろう。『チハラトーク』は第三弾の発売が予定されているけれど。その『チハラトーク』、三月にも何か出るそうで。面白いのかしら。

それから、2008年に行われた麒麟の漫才ライブもDVD化。M-1グランプリに対して、かなり気合が入っていたんだろうなあ。そのM-1グランプリで決勝戦に勝ちあがったモンスターエンジンのネタもDVD化。時期的に、漫才よりも『神々の遊び』を軸にした内容になっているのではないか、と妄想。同じ日に、後藤ひろひとが参加しているユニットPiperの舞台公演DVDと、同氏による新喜劇公演DVDが発売。面白いのかな。面白ければ良いなあ。
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

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