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『雨ン中の、らくだ』(立川志らく)

雨ン中の、らくだ雨ン中の、らくだ
(2009/02/19)
立川志らく

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笑って、泣かずに、驚いた。立川談春『赤めだか』も相当な名著であったが、本書はそれ以上の名著と言えるかもしれない。いや、文章としては『赤めだか』の方が、幾分か上だ。エッセイとしても、あちらの方が仕上がっている。しかし。しかしだ。談志という落語家についての分析は、こちらの方が段違いに上だ。半端じゃない。これが正解なのかどうかは分からないが、どれほどの愛を持って談志の落語を観てきたのか、嫌という程に伝わってくる。とある人物が書いた『赤めだか』の感想文を読んだ人が、「立川流ってカルトだよな」という旨のコメントを残していたことがあったが、カルト的という意味では本書の方がずっと上だ。それが良いのかどうかは、知らない。

本書は全十八章で構成されている。各章では志らくが落語家として成長していく様が、エッセイとして綴られている。この辺りは『赤めだか』と同じ。ただ『赤めだか』と根本的に違うのが、各章の終わりで談志の古典落語についての解説がなされているという点。この解説が、実に分かりやすい。談志と他の落語家の違いについて述べるだけではなく、どうして談志がそのように演目を演るのかという意図もしっかりと解説されており、古典落語に詳しくない人間でも納得の出来る文章になっているのだ。いよいよカルト的だが、どっかの大手宗教団体の書籍よりはずっと面白いので、気にしない。

もちろん、エッセイ本として読んでも、ちゃんと面白い。この辺は『赤めだか』と重複しているシーンもあるので、平行して読むと面白いかもしれない。例えば『赤めだか』には、談春を含む前座たちが築地の河岸で働いている最中、志らくが立川流に入門するシーンがあるが、本書にはこれを志らく目線で見たシーンが描写されている。両方を合わせて読むと、双方の見解の違いが面白い。一部、ここで取り上げてみよう。まず、『赤めだか』から。

「お、お、おはようございます」
 第一声から志らくはオドオドしていた。
「おはよう。僕は談春。よろしくね」
「志らくです。よろしくお願いします」
「早速だけど、築地行き断ったんだって」
「はい」
「どうして」
「私は河岸に行くために落語家になったわけじゃありませんから」
 血が逆流した。
「でも、師匠に行かなきゃ破門だって云われたんだろう。それも断ったんだ」
「だって破門も嫌ですから」
「いい度胸だな」
「私は、自分のしたくないことは、絶対にしたくないんです。師匠はわかってくれました」
 僕は自分の全てが否定されたような気がした。


続いて、本書より。まずは、談志が河岸に修行へ出かけた前座たちについて語るシーンがあるので、そこから見ていただきたい。

「いいか、あいつらはな、築地に行けと言ったら本当に行っちまったんだ。まあ、行くのはいい。でも帰ってこようとしないんだ。誰の弟子になったんだ? 俺の弟子だろ。河岸の仕事が終わったら俺のところに来るがいいんだ。来やがらねぇ。ということは、河岸のほうが快適ということなんだ。あいつらをだな、ベトナムに連れて行って置いてきたとするか、半年で皆ベトコンになっちまうぞ」


 この談志の言葉を受けて、志らくは絶対に築地へと行かないのだと心に決める。しかし、前座としての仕事は失敗ばかり。あまりの失敗っぷりに嫌気が差したのか、最初は評価していた談志も、遂に志らくを築地へと向かわせることを決意し、その旨を伝える。しかし、築地には絶対に行きたくなかった志らくは、その築地行きを断る。その時の心境を、志らくは次の様に語っている。

 師匠に逆らうなんてこの世界ではありえないことです。師匠の言うことは絶対というのが不文律。でも、師匠の「師弟は絶対ではない。ケースバイケースだ」という言葉を思い出しました。築地に行きたくないし、破門も嫌なのだから、ここはどんなことがあってもくらいつかないといけない。私は必死でした。


この志らくの判断は正しかった。談志は志らくを許し、笑いながら「お前だけ築地に行かせなかったのだから、その分ちゃんとやらないと俺がエコひいきしたことになるからな。」という言葉を残したのだった。

この件以外にも、本書では『赤めだか』では語られなかったことが、数多く語られている。二つ目昇進の日のこと、朝寝坊のらくと談春と志らくで結成した立川ボーイズのこと、それがきっかけで落語家を廃業してしまった朝寝坊のらくのこと。物語の流れ上、カットされていた場面が面白いくらいに補正されている。流石は隠れタイトル『青めだか』!

『赤めだか』の興奮冷めやらぬ人たちに捧げられたと言えなくもない、『雨ン中の、らくだ』は落語本ブームのカンフル剤だ! さて、次の担い手は誰かな。談四楼はブームとは違うところを歩いているし、志の輔というのも違う。ブームに乗りそびれた談幸はとりあえず置いといて、ここは福岡吉本所属の経験がある談慶か、ネットスターでお馴染み談笑か……って、立川流とは限らないか。次の落語家本ブームを繋いでいくのは、落語界の皆さんと寄席に集まる皆さん、そして書籍を購入する……あなたたちでーす!

……ツマンナイ落とし方をしてしまった。反省。
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『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』

Mr.ビーン カンヌで大迷惑?! [DVD]Mr.ビーン カンヌで大迷惑?! [DVD]
(2008/07/09)
ローワン・アトキンソンエマ・ドゥ・コーヌ

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面白い。いやいや、今更僕がMr.ビーンのことを「面白い」なんて言ったところで、だからどうだという話になるだけだ。だって、Mr.ビーンが面白いことなんて、誰もが知っていることだろうから。いや、でもMr.ビーンがブームになったのって、もう随分と昔のことの様な気がする。ひょっとしたら、Mr.ビーンを知らないという人も少なくないのではないだろうか。これはいけない。あんなに面白いキャラクターのことを知らないなんて、どれだけ人生を損していると言うのだろう。だから、とりあえずMr.ビーンについての話をしてから、本編の話をすることにする。ここまでにMr.ビーンって何回書いた?(答え:六回)

Mr.ビーンとは、イギリス生まれの喜劇役者ローワン・アトキンソンが主演を務めるコメディドラマのタイトルであり、そのドラマの主人公の名前でもある。常に同じ服装で様々な場所へ出向く中年男ビーンが、本能のままに行動して周囲の人々に迷惑をかけたり自爆したりする姿が人気を集め、1997年には映画版まで公開された。しかしこの映画版は、あまり満足の出来るものではなかった。オーソドックスなコメディ映画としてはよく出来てはいたが、その面白さはドラマにおけるMr.ビーンのそれとは全く異なるものだったからだ。それから、およそ十年。すっかりブームが忘れ去られてしまった今になって、Mr.ビーンは再び映画になって帰ってきた。原作のエッセンスをたっぷりと詰め込んで。

前作と今作の最大の違いは、Mr.ビーンがドラマにどれほど参加しているか、という点にある。前作においてMr.ビーンは、アメリカのとある家庭へとホームステイの形で入り込み、そこで起こっている家族問題を解決するという役割を担っていた。余所者が悪しき現状を改善するという、王道パターンである。しかし、今作においてMr.ビーンは、周りの人間をハプニングに巻き込みながらビデオカメラを回し続けるだけだ。自分のせいで迷子になった子供を親元に届けるという目的はあるが、その子供とも途中で逸れてしまい、結局は一人で自分勝手に動き回る。その姿が、実にMr.ビーン。ちゃんと、Mr.ビーンになっている。素晴らしいネ。ところどころで入り込む電話ネタも、ちょこっとブラックなユーモアが含まれていて楽しい。

そして、衝撃のエンディング。ただ親元に子供を届けたというだけではない、様々な偶然が重なって出来上がった、感動のエンディングがそこにはある。日本のお笑いでも頻繁に使用される手法ではあるが、まさかMr.ビーンという作品の締めくくりにこれが使われることになるとは、思いもよらなかった。いや、Mr.ビーンというキャラクターの面白さを引き出すためには、こういうエンディングであって然るべきだったと言えるのかもしれない。一言、面白かった!

余談。相変わらず大団円オチに弱いなあ、僕。

ザ・談志

「修行とは矛盾に耐えることだ」
 名言です。
 ある弟子が「師匠の言うことは絶対でござんすよね。師匠が黒と言ったら白でも黒になるんですよね」と言うと、談志は「そんな馬鹿なことがあるか。じゃあ、俺がお前のかみさんとヤラせろと言ったらどうする。駄目だと言うだろ。ほれみやがれ。師匠は絶対じゃないんだ。ケースバイケースだ」。物凄い師匠です。

(立川志らく『雨ン中の、らくだ』より抜粋)

以前も書いたけれど、僕は落語自体よりも落語家というプロフェッショナルに興味があるという、ちょっと変わった男である。中でも立川談志率いる立川流は、家元自身も然ることながら、それぞれの弟子にも変り種が多く、眺めていて飽きない。ウソである。ただ単に、立川流についての資料が比較的手に入りやすい(高田文夫とか吉川潮とか)ので、詳しいというだけだ。ちなみに僕は、日曜の朝に徳光和夫と江川卓がやっている激論コーナーが好きだという理由で、巨人ファンを自称していたという実績がある。だからなんだ。

でも、ただ内情に詳しいというだけでは、好きになることは出来ない。事実、巨人ファンもすぐに止めてしまった。僕が立川流に引かれるのには、確固たる理由がある。僕は立川談志という怪人に心惹かれているのだ。その“心惹かれる”要因の一つとも言える台詞が、立川志らくの本にあった。理屈としては正しいのだし、説得力もあるのだけれど、それにしたって物凄い例えである。こういう物凄いライムが楽しめるから、立川流観察は止められない。

落語は観に行かないけれど(行けよ!)。

『モエヤン まるだしヤッホー! ~タイツからヘアー~』

モエヤン First DVD まるだしヤッホー!~タイツからヘアー~モエヤン First DVD まるだしヤッホー!~タイツからヘアー~
(2009/02/20)
モエヤン

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ショートネタブーム全盛の今日。若手芸人たちに求められていたのは、その面白さよりも個性的な芸風であった。若手芸人の誰もが印象に残るフレーズ、キャラクター、スタイルを追い求めていた。そんな時代の中、とある女性コンビが注目を集め始めた。彼女たちの名は、モエヤンだ。

モエヤンの芸風は、とにかく変わっていた。まず、その衣装。彼女たちはネタを披露するとき、往々にして、それぞれ赤色と青色の全身タイツを身につけていた。女性が全身タイツを身につけるということは、そのボディラインが露わになるということである。これはお笑いの世界において、決して良い演出とは言えない。女性芸人には、その性的な部分を少しでも匂わせてしまうと、笑いが起こりにくくなってしまう傾向があるからだ。

しかし、モエヤンのネタにはそういう性的な雰囲気が、まったく感じられなかった。その理由は、恐らく彼女たちの全身タイツという衣装が醸し出す性的な雰囲気が滲み出るより先に、“モエヤン”というコンビのキャラクター化が成立したためではないかと思われる。お笑いの世界には、たびたびキャラクター化した芸人が登場する。過去の例を見ても、赤ジャージと青ジャージの音楽コンビとして知られているテツandトモ、パーティスーツに身を包んでジョークを連発するダンディ坂野、貴族を自称する髭男爵など、その数は決して少なくない。モエヤンも、そのグループの中に上手く滑り込んだわけである。

そんなモエヤンが此度、初の単独DVDをリリースした。タイトルは『まるだしヤッホー! ~タイツからヘアー~』。三流アダルト雑誌のキャッチコピーみたいなタイトルだが、既にキャラクターが確立されている彼女たちのこと。下手なことをして、大怪我をするような失敗はしない。だから大丈夫だろうと思っていた。

甘かった。まさか、ここまで派手に大失敗してくれるとは、思ってもみなかった。一応、値段があまりにも安かったので、それなりに酷い内容になるかもしれないとは予想していたのだが、その予想をあっさりと飛び越えてしまうほどに、酷い内容だった。

まず、何が酷いって、ネタが酷かった。先にも書いたように、モエヤンは既に「全身タイツの女性二人組」というキャラクターが成立しているので、それだけをイジるだけの内容だったとしても、そこそこ見られたものにはなっていた筈なのだ。

なのに、今作で彼女たちがしていることと言えば、やれ相方に変な化粧をするだけのコントだの、やれ男のパンツをずり下ろして「ノーパンヤッホー!」だの、やれエキストラ出演している人たちにもずく酢を飲ませて苦しめるだの(注:自分たちは飲まない)、何がしたいのか分からないことばかりをやっている。本当にこれを面白いと思ってやっているのか、ひたすら疑問符が頭に浮かぶ映像がだだ漏れるだけの時間が続いた。

ネタ以外の部分も酷かった。ネタ中にでっかい字幕を流したり、派手なBGMを加えたり、カメラワークが五月蝿かったりで、もうシッチャカメッチャカ。幕間に挿入されたトークも、話術が無いからキャンキャン五月蝿いわ、下ネタばっかり披露するわ、どうしようもない内容。これが“笑魂”シリーズよりも高値で売られてるってんだから、笑うしかない。全てを見終わった後は、なんだか知らないが背中が痛くなってきた。これは単に猫背だからか。うーん。

“全身タイツに身を包んだ二人組”という特異なキャラクターを演じることで、このショートネタブームの時流に乗ることに成功したモエヤン。しかし、彼女たち自身は、どうしてこのブームに乗ることが出来たのかを、あまり理解していなかったようだ。もし理解していたら、こんなにムチャクチャな作品を世に送り出していなかっただろう。というか、理解していなくても出すな!


・本編(48分)
「オープニング」『ルージュさん』『男のバカヤロウ』「Talk1」『ノーパンヤッホー』「ロケ(巣鴨歩き)」『チョリチョリシスターズ1』「ロケ(池辺を探せ)」『Quizもずく酢ヤッホー』『チョリチョリシスターズ2』「ロケ(トイレ)」『ノーズラヤッホー』「Talk2」『コリア★リズム』「ロケ(あらかわ遊園)」『ぶっかけ占い師』「Talk3」『わっしょい毛だらけヘア音頭』

今日の『爆笑レッドカーペット』

キングオブコメディが通常のコントで出演。もう「みたいな~!?」は必要無いな。アンガールズはバレーボールコント。野球部コントの焼き直しかと思ったが、ただひたすらにぐだぐだなだけのコントで、何故だか一安心。ビタミンSの仲良し兄妹漫才、ショートだから面白いけど通常漫才だとどうか。髭男爵は迷走。だが、それすらも何故か愛らしい。狩野英孝・マシンガンズは安定しているけど、ちょい地味。天津木村は酷い。ただただ、酷い。

初出演はスーパーマラドーナ・火災報知器・ヒカリゴケの三組。ブサメンだという点だけで走り抜けたヒカリゴケ、芸人なのにリストラされたサラリーマンという変なキャラクターを開発したスーパーマラドーナ、それぞれインパクトはあったが、中でも強烈だったのは火災報知器。まあ、昔からやってるネタなんだけど。

レッドカーペット賞は、R-1ぐらんぷり2009決勝進出者でもあるサイクロンZ。カムバックで大いに賞賛されていたこともあって、納得の結果。個人的には、火災報知器もありうると思ったが……もうしばらく、御辛抱。

『神罰』(田中圭一)

神罰―田中圭一最低漫画全集 (Cue comics)神罰―田中圭一最低漫画全集 (Cue comics)
(2002/08)
田中 圭一

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手塚治虫・本宮ひろ志らのパロディ絵でお馴染みな田中圭一による、短編作品集。タイトルの通り、低レベルな下ネタだったり、あまりにも強引なオチだったり、かなりサイテー……というか、ムチャクチャな短編漫画が揃っている。しかも、その殆どが手塚治虫タッチで描かれているんだから、色々とたまらない。こういう漫画を素知らぬ顔して購入するようになって、初めてオトナになったと言えるのかもしれない。ンなわけねーか。

それにしても酷いなあ。感想を書くためにちょっと読み返しているのだけれど、セックス中にくす玉を引いて「よっ、日本一!」とか言う未亡人とか、一歩間違えると産んでしまう妊娠相撲とか。極めつけは、勃起した男性器のカタチをした青年の学園ギャグ漫画「局部くん」。これが素晴らしいくらいに酷い。最初は“局部くん”という特異なキャラクターが中心になった話だった筈なのに、だんだん“二子山桃代・豆代姉妹”だの、“陰部ちゃん”だの、“伝堂ちゃん”だの、次から次へと卑猥なキャラクターたちが登場するように。ああ、酷い。そりゃ表紙裏にブッ○オフのイラストも入るよ!

個人的には表紙裏のオマケ漫画が衝撃だった。そのギャルゲー、ちょっとやってみたい。

『聖☆おにいさん1・2』(中村光)

聖☆おにいさん 1 (1) (モーニングKC)聖☆おにいさん 1 (1) (モーニングKC)
(2008/01/23)
中村 光

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聖☆おにいさん (2) (モーニングKC)聖☆おにいさん (2) (モーニングKC)
(2008/07/23)
中村 光

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あまり良くない意味で一時話題になっていた『聖☆おにいさん』を読んだ。ブッダとイエスが休暇の為に現代日本へ舞い降りて、六畳一間のアパートで生活するという設定から分かるように、目覚めた人“ブッダ”と、神の子“イエス”をパロったギャグが基調となった作品だ。序盤では、そのビジュアルをネタにしたギャグが多かったように思うが(主にブッダの髪型)、回を増すごとに、それぞれの元エピソードをネタにしたギャグが増えている傾向にある模様。近日、発売が予定されている三巻では、果たしてどのような事態に発展しているのか、期待したいところ。

それにしても、フツーに面白いなコレ。例えば吉田戦車や榎本俊二みたいな完全創作型ギャグ漫画ほどのインパクトは無いんだけれど、先にも書いたようにパロディものだから、そのギャグ漫画としてのハードルが低くて、世界に入りやすいのが良い。元ネタを知らなかったとしても、それなりに楽しめるシンプルなギャグなんかもあったりして(個人的にブッダが医者に○の○で語りかけるシーンは、何度見ても笑ってしまう)、ちゃんと配慮されているのが嬉しい。

とはいえ、あんまり長続きするタイプの漫画ではないよなあ、これは。やっぱりパロディが基本になっているから、元ネタでギャグに使えそうなのはだんだんと削られていくわけだし。とはいえ、同じギャグばっかり続けていくと、飽きられるし。引き際を誤ると、残念なエンディングを迎えてしまうかもしれない。ここぞというタイミングで、スパッと終わってほしいネ。……どういう終わり方をするのか、さっぱり想像できないけれど。

『兵動大樹のおしゃべり大好き。2』

兵動大樹のおしゃべり大好き。2 [DVD]兵動大樹のおしゃべり大好き。2 [DVD]
(2009/02/18)
兵動大樹

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兵動大樹が面白い。たぶん、ここ最近になって面白くなってきたわけではなく、以前から面白かったのだろう。でも、彼が芸人として全国的になってきたのは、ここ数年のことである。遅い。遅すぎる。間も無く四十路を迎える彼を、吉本興業は今まで大阪に隠し続けてきたわけだ。ケチめ。どうしてもっと早く出さなかった。……などと言うつもりはない。彼が大阪で密かに芸人としての手腕を磨いてきたからこそ、こうして今、彼の面白い話芸を堪能することが出来るようになったのだろうから。ありがとう、吉本興業。恩は着ないけど。

それはそうとして、『兵動大樹のおしゃべり大好き。vol.2』である。2008年1月から9月までに行われたトークライブから、面白い話だけを抜粋した傑作選だ。以前から書いていることだが、トークライブにカットを入れることを僕は好まない。トークライブというのは、そのライブ全体の空気を楽しんでこそだという自論があるからだ。トークライブ行ったことないけど。

でも、この『兵動大樹のおしゃべり大好き。』に関しては、そんなことがどうでも良くなる。兵動大樹という芸人のべしゃりが聞けるだけで、もうそれだけで良いという気持ちになっているからだ。ああ、ライブに一度も行ったことのないワタクシめが、僅かながらも兵動閣下のべしゃりを聞かせていただけるなんて! ……って、それは流石にオーバーだけれども。でも、兵動さん(何故か彼には“さん”を付けたくなる)のトークが3,150円で聞けるというのは、実に有難い。嬉しい。

僕がこんなに兵動さんに陶酔しているのは、もう単純に、前作『兵動大樹のおしゃべり大好き。vol.1』が素晴らしい内容だったからだ。日常の出来事を、誰を傷つけることもなく、でもコミカルに語るという……非常に完成されたトークは、一度観れば病みつきになること間違いなし(おだてすぎですか! すいません!)。それの第二弾が出たってんだから、観ないわけがないのである。

その第二弾は、第一弾よりも収録時間が長かった。前作の収録時間が83分(本編のみ)だったのに対し、今作の収録時間は約20分増量の104分。熱い。しかし、話の本数は14本から10本に減少。これはつまり、前作と比較して1本1本のトーク時間が、ぐっと長くなったことを意味する。単純に計算すると、前作では1本につき約6分だったものが、1本につき約10分になったことになる。話の時間が長くなれば、それだけ話の濃度も上がってくる。つまり、今作における兵動さんのトークは、テレビで見かけるものとは勿論、前作とも比べ物にならないほど、こってりと濃厚なものへと変化を遂げているということである。いよいよ熱い。

とはいえ、トークテーマはこれまでと変わらない。芸人として、一庶民として、父親として兵動さんが経験したことを、じっくりと語り上げている。例えば、軽い事故を起こして緊急病院に運び込まれたときに、その病院先で奇妙な対応を受けることになった『ヒョウドウ先生』。100円均一ショップで起きた、とある事件によって兵動さんが大混乱に陥る『100円均一でリアル脳トレ』。子供の頃、ヒーローショーを見に行ったときに体験した、バカバカしくてちょっと哀しい『おばあとサイン会』。面白いんだけど妙に人間臭いトークが、なんだかちょっと温かい。そうそう、こういう感じなんだよなあ、兵動さんのトークって。

その中でも強烈だったのが、『米山』という話。兵動さんと林家染弥によるトークライブを企画した米山という若手女性社員が、その企画を成功させるために奔走する話。かなり熱くて、どうしようもないほどに青臭くて、フツーだと笑えないようなシチュエーションなんだけど、ところどころでしっかりと笑わせてくれている。……兵動さんの手腕を、改めて感じさせられた話だった。

でも、それ以上に印象に残ったのが、特典映像に収録されていた『電器屋 高橋』。兵動さんが引っ越しをしようという当日、同期にあたる漫才コンビ“へびいちご”の片割れ、高橋智が手伝いにやってきて、華麗な技術でエアコンを外していったという話と、高橋が実際にエアコンを外す様子映したロケ映像をセットで収録している。なんというバカ特典! 最終的に、ちょっとした感動も、家族のほのぼの話も、テレビ局での失敗も吹っ飛ばして、全て“電器屋”高橋に持って行かれてしまった。お、おそるべし高橋……。


・本編(104分)
『えべっさん』『ショーパン』『ヒョウドウ先生』『米山』『新幹線の200円おじさん』『プール作り』『100円均一でリアル脳トレ』『沈んだろか!』『フードコートでミラクル』『おばあとサイン会』

・特典映像(21分)
『電器屋 高橋』

発売情報 ~フラットな気持ちで~

ラーメンズ第6回公演『FLAT』 [DVD]ラーメンズ第6回公演『FLAT』 [DVD]
(2009/05/08)
ラーメンズ

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先日、ラーメンズ第5回公演『home』がDVD化するということで、ちょっとばかり話題になりましたが。今度は、更に『FLAT』のDVD化が決定。2009年に突入して、やたらと盛り上がりを見せているラーメンズのメディアミックス。この調子で、第7回公演『news』および『news-NEWS』のDVD化もお願いしたいところだが……どうなるかな。ちなみに、爆笑オンエアバトルで披露された「アレグレット」「棒」「プーチンとマーチン」などのコントが収録されています(「棒」はオフエアだったけど)。

2009年3月の購入予定

11『モンスターエンジンDVD』◎
13『チハラトーク#-1』△
13『チハラトーク#-2』△
13『チハラトーク#-3』△
18『ラーメンズ第5回公演『home』』◎
18『パペットマペット活動10周年記念ライブ「牛蛙祭り」』○
25『カンニング竹山単独ライブ 「放送禁止」』○
25『シティボーイズミックス PRESENTS オペレッタ ロータスとピエーレ』◎
31『爆笑オンエアバトル タカアンドトシ』◎
31『爆笑オンエアバトル NON STYLE』◎


予算云々の関係か、色々なものが吐き出されていく年度末。今年も例外ではなく、『探偵!ナイトスクープ』『内村プロデュース』『サラリーマンNeo』『アメトーーク』『あらびき団』などの番組DVDが、立て続けにリリースされる予定だ。テレビっ子にはたまらない月になるだろう。その中でも強烈だったのが、爆笑オンエアバトル公式DVDのリリースだ。およそ四年ぶりとなる同番組からのDVDリリース。期待を持たずにはいられない。

一方で、VHSでのみ市販されていたラーメンズの第5回公演『home』がDVDとなってリリースされたり、パペットマペットの10周年記念ライブ『牛蛙祭り』がDVD化されたり、カンニング竹山による単独ライブがDVD化されたりと、ちょっと特別な意味を持った作品が大量リリース! 今月も懐に隙間風が!

二月十九日放送 感想文

タイムマシーン3号『漫才:結婚式』(517kb)
このところのタイムマシーン3号の漫才には、二つのパターンがある。一つは、これまでのタイムマシーン3号と同様、一つのシチュエーションの中でボケを入れまくる漫才。もう一つは、ボケの関が独創的な状況に追い込まれている様を見せる、おそらくM-1仕様の漫才。今回は前者の方で、安定感のある内容になっていた。ただ、あの展開なら「長澤まさみとの結婚式」という設定は、あまり必要無かったような気も。

ななめ45°『コント:マザコン教師』(517kb)
この頃は「爆笑レッドカーペット」でも披露することが多い、ななめ45°の新しい鉄板ネタ。ショートバージョンよりも間や展開を大切にしていることもあってか、しっかりと笑える内容になっていたのが嬉しい。無駄に二面性を使い分けている教師が、なんともおかしかった。

えんにち『漫才:戦隊ヒーロー』(457kb)
アイパー滝沢のキャラクターが確立しているおかげなのか、初っ端からブラック度の強いボケが飛び出したにも関わらず、しっかりとウケていたのが凄い。というか、このコンビが今でも無傷の連勝を続けているということが、なによりも凄い気がしないでもないが(笑) このところのマンネリ感も無く、しっかりと面白い漫才だった。

アームストロング『コント:給湯室』(445kb)
シチュエーションが違うだけで、ボケの質は殆ど同じという脅威のコント。使い回し感は否めなかったが、それでもちゃんと面白かったのは、それだけ強いシチュエーションだということだろうか。もう一回くらいは、使い回しても大丈夫かもしれない。ソツなく笑えた。

パップコーン『コント:騙されやすい男』(465kb)
すっかり五人組コント師としてのポジションを確立させた感がある彼ら。まったくバラバラであるように見えたものが、だんだんと繋がりを見せていく展開が、相変わらず下らなくも美しい。今回は「セバスチャンだよ!」「お前は兄さんだよラドクリフ!」の展開にヤラれた。あれは下らなかったなー。

・オフエア組
プラスマイナス(405kb)
エルシャラカーニ(393kb)
鬼ヶ島(313kb)
原田16才(277kb)
ヒヨシンガシ(217kb)

八連勝中だったプラスマイナスが連勝ストップ。昨年度のチャンピオン大会では、決勝の舞台で史上最低キロバトルをたたき出してしまった彼ら。今年度のチャンピオン大会では、そのリベンジが期待されていたが、残念。

・オンバトヒーローズ:タカアンドトシ

・次回
ゴーギャン職人(初)、サジタリ(初)、スマイル、セーフティ番頭、超新塾、チョップリン、Wエンジン、トップリード、ぼれろ、ラフ・コントロール

今期最後の通常収録。超新塾、ぼれろ、ラフ・コントロール、Wエンジンの四組が四勝目狙い。また、トップリード、チョップリン、スマイルの三組が五勝目狙い。堂々とチャンピオン大会を望む者、ギリギリでもチャンピオン大会に出場したいと望む者、それぞれのぶつかり合いがどういう結果を残すのか。楽しみ楽しみ。

『エレ片コントライブ コントの人2』

エレ片コントライブ~コントの人2~ [DVD]エレ片コントライブ~コントの人2~ [DVD]
(2009/02/18)
エレ片

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二度目もやっぱり、バカだった。関東屈指のコント職人“エレキコミック”と、アーティスティックでシュールなコントを構築するコント集団ラーメンズの怪人担当“片桐仁”によるバカユニット「エレ片」が行った単独コントライブ『エレ片コントライブ コントの人2』がDVDとしてリリースされた。第一弾においても、そのバカさを全力で表現していた彼らによる二度目のコントライブ公演は、やはりバカバカしい内容になっていた。

そもそも、お笑いにおける“バカ”とは何なのか。全ての芸人はバカをやっているのではないのか。そんな疑問を感じる人も少なくないのではないかと思われる。ここで明確にしておくが、全ての芸人がやっているのは、バカではなく“ボケ”である。バカとは、ボケの中でもナンセンス性が強く、それていて質の軽いものを示す。かなり練りこまれているのだけれど、その練りこみを観客に感じさせないタイプの笑い。それが、バカだ。

このようなバカを武器としたコントは、元来エレキコミックが持ち味としているもので、「エレ片」はそんなエレキの世界観に片桐がお邪魔するというスタンスで行われている。そりゃ、ラーメンズの全てのコントを書いているのは相方の小林賢太郎なのだから、片桐はそうするしかない。ただ、「エレ片」における二組の方程式は、決して<エレキコミック+片桐仁>という単純なものではない。少なくとも前作では、<エレキコミック×片桐仁>という化学反応が成立していたコントが少なくなかった(『リアル湯けむり殺人事件』とか、『パワーベルト』とか)。

ただ、今回の公演では、そんなバカの化学反応が幾らか弱まってしまっていた。というよりも、全体的に<エレキコミック×片桐仁>というコントが少なく、むしろ単純に<エレキコミック+片桐仁>という方程式で片付いてしまったコントが多かったように思う。

例えば『自動車教習所』というコントがある。教官のやついが、マジメに人工呼吸の教習を受けようとしない今立に、思い出話を披露するというコントだ。片桐は、その思い出話に登場する女の子を、バカバカしく演じている。つまり、このコントには、エレキコミックと片桐はそれぞれ独立した立場で出演しており、三人が同時に絡み合うことはない。やついがちょっと変わった人物を演じ、片桐と今立がその人物について陰口を叩く『つまんないいやつ』『出山』もまた、同様。三人はきちんと絡み合わない。絡み合っているコントもあるにはあるが、『雑』『ヤレる』はエレキコミックの世界にそのまま片桐が参加しているだけだし、『ABC』は前作における『さくらの薗』と同じ路線の焼き直しコントだ。それでも、一定のクオリティを保っているというのは、彼らのバカコント師としての実力が為せる業だと言えるだろう(褒め言葉ではないなあ、コレは……)。

あらゆる映画のパート2は、パート1を越えられないのが当たり前だとされている。今回の『エレ片コントライブ コントの人2』もまた、前作を越えられなかったパート2ものだと言えるだろう(まあ、エレ片によるライブDVDは、今回で五作品目になるのだが)。せめて、『リアル湯けむり殺人事件』ほどのコントがあれば、もう少し印象も変わったと思うのだが。あと、特典として副音声がついていれば、もうちょっと……次回作には期待させていただきたいたいところ。

特典映像には、エレ片の三人が赤坂駅からTBSラジオ収録スタジオまでの道案内を、べろべろの状態で行うという「赤坂泥酔散歩」が収録されている。道端に落ちているゴムでゆーとぴあをやってみたり、街中でエレキの二人が「ブスしかいねーなー!」と叫んでみたり、片桐が収録中に何度も小便に行ったり、単なる酔っ払いの同行がぐだぐだと繰り広げられている。タチが悪いぜ!


・本編(95分)
「オープニング」『Big Father』『自動車教習所』『雑』『つまんないいやつ』『ヤレる』『出山』『ABC』「エンディング」

・特典映像(12分)
「赤坂泥酔散歩」

親亀転ぶ

前田隣が亡くなったそうだ。吉川潮だったか高田文夫だったかは忘れたが、誰かが頻繁にエッセイで取り上げていたということだけは覚えている。かなりの高齢なのに、今でもライブで活動しているという話を聞いていたが……昨年、脳梗塞を起こして倒れていたらしい。関東お笑い界の偉人に、合掌。

『俺はまだ本気出してないだけ1』(青野春秋)

俺はまだ本気出してないだけ 1 (1) (IKKI COMICS)俺はまだ本気出してないだけ 1 (1) (IKKI COMICS)
(2007/10/30)
青野 春秋

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 先日、広島は紙屋町にある「とらのあな」に行ってきたんですよ。「とらのあな」。ほら、あの黄色いド派手な看板が印象的な、オタクと呼ばれる人たちが愛用する、あの書店ですよ。本以外にも色々なモノを売っていますが、とりあえず書店ということになっていますよ。そこに、後輩たちと一緒に行ったわけです、ええ。
「とらのあな」紙屋町店は三階建てになっておりまして、一階が通常コミック売り場、二階が同人ショップ、三階がアダルトコミック・ノベルス売り場なんですね。で、僕たちは一階でたむろしていたわけです。僕はアダルトな二階や三階にも行きたかったんですけど、やっぱり先輩ですから、そこは性欲を権威欲で抑えて。後輩たちと、やれ『それでも町は廻ってる』だ、やれ『ユリア100式』だ、やれ『百舌谷さん逆上する』だ、言っていました。
 で、とある後輩がですね。本棚から、ある漫画の単行本を取りまして、それを眺めていたんですけども。ふっと、僕の方を見まして。言うんですね。「これ、先輩に似てませんか?」と。横にいた、もう一人の後輩がそれを見まして、やはり「あ、似てますねぇ」と言ったわけです。「あー、まあ似てるかなあ」と、その時は思ったんですが、後で鏡をまじまじと眺めてみると、「あ、似てるわ」という結論に至ったわけです。はい。

 それで、その単行本というのが、これなんですけどね。いやー……複雑ですよ。まずタイトルが、既に後ろ向きなのが凄いですよね。『俺はまだ本気出してないだけ』。言い訳としか聞こえないようなことを、ここまで堂々とタイトルにしてしまった本が、過去に存在したでしょうか。いえ、僕は知りません!
 実際に本を開いてみると、内容もなかなか厳しい。生まれてきてから40年、係長にまで上り詰めた中年男“シズオ”が、ある日突然「自分を探す」ために会社を辞め、フリーターをしながら漫画家を目指す。……どうですか。厳しいでしょ? 探すなら、もっと早めに探せよって気がしませんか?
 ただ面白いのが、シズオが単なるニートやフリーターではなく、ある程度、サラリーマンとしてキャリアを積み重ねてきた大人だという点。その安定しているが退屈な日常から抜け出し、裸一貫で人生をやり直す! これは熱い! でも、40歳! 遅い!
 そして恐いのが、シズオがやろうとしていることに対し、読んでいるこちらも、ちょっとだけ同意してしまっているところ。分かるんだよなあ。この日常から、思い切って飛び出して、自分の夢を探してみる。やってみたい。でも、この日常は壊せない。そんな「脱サラ願望」を持った人たちの思いを、この漫画はカタチにして描いています。思ったよりも背負ってるモノが大きいぞ!

 もしも僕が40歳を過ぎて仕事を辞めたとしたら、この漫画の影響が少なからずあると思います。なので、その時は皆さん、どうぞ「リアルシズオだ!」とお呼び下さい。それまでブログを続けているかも分からないし、それまで今の当ブログ読者が僕に付き合ってくれているかどうかも分かりませんし。分からないことばっかり。
 でも、僕が40歳になるのって、あと16年なんですよね。思ったよりも、遠くない未来なんですよ……って、ああ! 今の調子だと、40歳になった頃に鈴子ちゃんみたいな可愛らしい娘が出来ないじゃないか! 孤独は嫌だ! 誰か、嫁に! 嫁になってくれ!(血迷うな)

寒い憂鬱の果てに

 今の気持ちが憂鬱なのは、果たして何が原因なのか。振り返ってみれば、その憂鬱を構築するために必要であろう状況が、次から次へと思い返される。
 まず昨日、ちょっとした仕事の失敗があった。かなりだらしない失敗で、普通ならば大説教を食らうところなのだが、職場の叱ることが上手くない先輩は「まあ、良いよ」の一言で片付けてくれたので、一安心といえば一安心なのだけれど、そんな状況にしてしまった自分の不甲斐無さが情けなく、憂鬱に片足を突っ込んだ状態になった。
 その日の夕方。会社帰りの車の中、目の前に左へと方向指示器を点滅させた車を目前に見据えたので、その手前で止まっていると、実はその車は駐車中で、僕はその後ろでボンヤリと停車してしまったという情けなさ。というか、ハザードたけよ! 紛らわしいよ、バカ!
 で、今日。色々な用事を片付けた後の帰り道、なんとなしに立ち寄った本屋で買い物を済ませ、家に帰って見てみれば、その買った漫画が既に持っているヤツだった。……もうね、ボッコボコだよ。返品できないものかとも思ってみたけれど、それ以前にレシート持ってないし。死ね! いつもはレシートを貰って帰るくせに、こんなときに限ってレシートを捨てて帰った一時間前の俺、死ね!(注:そこまで酷いことをしたわけではない)

 ……という、一連のくっだらない憂鬱について書いてみたのだけれど、いざ客観的に見てみると、「こんなことで憂鬱になるの?」と思わなくもなく。たぶん、この話を知人たちにしたところで、「それがどうしたのよ?」と思われるのだろう。
 でも、その瞬間瞬間に、僕は確実に憂鬱だったわけで。それを同意してもらいたいなあ、とも思ったわけで。そういう甘え状態の時に、自分の憂鬱な話をして「お前の憂鬱なんて、大したことないよ」とか言う人を、僕はどうかと思ったりする。……何の話だ。
 ちなみに、その本屋では最新の『クイック・ジャパン82』を買っても来たんだけれど、なんでも次号の特集は“シティボーイズ”なんだそうな。……どうして俺が呼ばれないんだ!(これは単なる僻み) 実力不足か! 実績不足か! 何も言い返せねえ! チッキショウ!(ザブングル加藤っぽく突っ伏す)

 そんな憂鬱な感情を、とりあえず所ジョージの復刻盤で癒すことにした。『LIVE 追跡』。ほのぼのとしているのに、物凄く毒っぽいMCがたまらない。聴いているうちに、憂鬱がとってもどうでも宜しい気持ちになってくるのが、とても良い。観客はハイテンションだし、演奏はくっちゃくちゃだし。とことん余裕、とことん自由。これがホントの自由空間。つまらん。
 こういう音楽を聴いていると、ひたすらに憂鬱になっていることの下らなさ、生きていることのバカバカしさ、マジメに考えて煮詰まっちゃうことのアホらしさを感じてしまい、もう何も考える気が無くなってしまいますな。ああ、楽しければ良いんだ。人生は。倒置法。ふへへへへ。これからは、もう何も考えずに生きていくぞ! お笑い評論なんか知ったこっちゃねー!

                                               終わり

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プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

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