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九年目の本気

流れ星 単独ライブ 「力作」 [DVD]流れ星 単独ライブ 「力作」 [DVD]
(2009/12/23)
流れ星

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「爆笑オンエアバトル」では無傷の二十連勝を記録、「M-1グランプリ」では五度の準決勝進出を果たしている実力派にも関わらず、王道の逆を行く漫才スタイルを貫き続けている流れ星。昨年末には単独ライブDVD『岐阜浪漫』をリリースしているが、現在は「爆笑オンエアバトル」「エンタの味方!」「爆笑レッドカーペット」などの番組から離れてしまい……もはや、単独ライブの映像化は難しいだろうと勝手に決め付けていたのだが、まさかまさかの第三回単独ライブ『力作』のリリースが決定。前作もなかなかに傑作だったので、今回も期待したい。

・その他のラインナップ
1009『テディです!【実況解説:鳥居みゆき】
1021『こまつのミュージックファイター in NY
1021『ジャージマン』(出演:水野美紀、設楽統、玉置孝匡)
1120『快楽亭ブラック 不発弾

戦う漫才師

■NON STYLEがM-1参戦を表明(お笑いナタリー)

NON STYLEの二人が「M-1グランプリ2009」に参戦することを表明した、とのこと。

爆笑オンエアバトル NON STYLE』にて、彼らがM-1グランプリ2009出場を匂わせる発言をしている姿を見ていたので、特に驚きはない。が、それでも、そのことを明確に表明したことに対し、少なからず興奮している自分もいる。何故なら、勿論それが彼らの単なる口から出任せでしかない可能性が否定できなかったということもあるが、それよりも、そうなった方が絶対に面白くなるだろうと強く期待していたからだ。昨年大会の優勝コンビが今年も参戦するなんて、史上初という話題性を除いても、かなり面白い状況である。既にスポーツ紙などで取り上げられていることからも分かるように、今年の大会を大いに盛り上げてくれることだろう。

ところで、過去にM-1グランプリの覇者となったコンビが、再び大会に臨むという事例自体は、今回が初めてというわけではない。「M-1グランプリ2006」にて、2003年の覇者であるフットボールアワーが参戦し、決勝戦に進出したのが史上初である。だが、優勝から三年後に行われた大会に参戦したフットボールアワーと、優勝の翌年に参戦を表明したNON STYLEとでは、気合の入りようが違う。

三年という期間は、フットボールアワーがM-1で優勝したことによって生じた熱気を冷ますに、十分な期間だ。彼らが王者だったという事実は過去の出来事として昇華され、再び彼らがM-1に参戦するということは、ただ純粋に「王者の帰還」という記号としての意味のみを含んでいた。だからこそ彼らは、最終的に2006年の覇者になることは出来なかった。いや、覇者になろうとはしなかった。普段よりも雑で粗い漫才を披露し、当時の優勝候補であったチュートリアルにその席を譲ったのである。

しかし今回、優勝の翌年にM-1参戦を表明したNON STYLEの行為は、単なる「王者の帰還」ではない。何故ならば、彼らが優勝したという事実は未だ過去になっていないからだ。彼らは王者であるには違いないが、王者として認識されきれていないのである。そんな彼らの挑戦は、「王者の帰還」などという生温いものではない。その姿は、頂点を極めておきながらも、その席に居座ることに満足することが出来ず、あえて戦場へと戻って行く「戦士の復帰」そのものだ。ストリートで戦い続けてきた彼らにとって、頂点は単なる頂点でしかなかったのである。

昨年、M-1の決勝戦に進出した漫才師の多くは、今大会でも決勝戦にコマを進めることだろう。そして、決勝戦に向けて自らのネタを研ぎ澄まし、よりハイクオリティなものへと進展させているに違いない。そこに飛び込んでいくということは、きっと彼らも、彼らなりに策を練っているに違いない。漫才師として頂点に辿り着いて以後も、漫才師として戦い続けるコンビ、NON STYLE。彼らに待っているのは栄光か、それとも屈辱か。どちらに辿り着いたとしても、きっと彼らに後悔の念は生まれない。

戦え、漫才師。その喉が朽ち果てるまで。

『GARAGE SALE HAND!!2008 城組と暁組』

GARAGE SALE HAND!!2008 城組と暁組 [DVD]GARAGE SALE HAND!!2008 城組と暁組 [DVD]
(2008/11/12)
ガレッジセールててててベイビーズ

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ガレッジセールの主演舞台を観る。レンタルで。

舞台は架空の王国「ライディーン」。この小さな国では、力こそが正義であると信じられており、それ故に彼らは世界各国に戦いを挑み続けていた。しかし、この国の次の支配者である王子は、他国で教育を受けたために、平和を信じる青年だった。この国を変えようと考えていた王子は、この国で最も身分の低い男と友だちになろうと思い、国では使用を禁止されている機械を与える。が、その結果、男はスパイと間違えられて投獄されることに……。

一方、とあるジャズバー「暁」では、バイトの青年がマスターにサックスの演奏を聴かせていた。マスターに演奏を認められ、バーの雇われミュージシャンになるためだ。しかし、マスターはなかなか認めてくれない。でも、それは青年の成長を温かく見守ろうという、マスターの心遣いによるものだった。ところがある日、青年は一日だけクビにするとマスターに告げられる。果して、マスターは何を考えているのか? そして、その日には何があるというのだろうか?

舞台の脚本・演出を担当しているのは、吉本興業所属のお笑いトリオ「インパクト」に所属していた放送作家、石原健次。『エンタの神様』『SMAP×SMAP』『ナニコレ珍百景』などの番組を担当している。出演はガレッジセールの他に、森三中大島、あべこうじ、倉科カナなど。また、シークレットゲストとして、ココリコの田中直樹が出演している。

ガレッジセールの単独ライブみたいなものを期待していたので、こういった本格的舞台だと知ったときは、はっきり言って肩すかしを食らったような気持ちになった。が、実際に鑑賞してみると、これがなかなか面白い。ガレッジセール自身による脚本ではないため、彼らならではのテンポの良いバカな笑いは薄かったが、いわゆるコメディの舞台としてはなかなか完成されていて、純粋に楽しむことが出来た。芸人のネタを愛する僕ではあるけど、こういうのもたまには良い。うん。ただ、「役不足」の意味を完全に間違えてたのは……うーん。

それにしても、こういう沢山の若手芸人が出演する舞台でも、あべこうじは目立つなあ。あの通りの良い声は、かなり目立つ。漫談家としては完全に停滞してしまっている印象があるけど、やっぱ売れてほしいなあ、あべちゃん。

オードリー商法

オードリーのオールナイトニッポン [DVD]オードリーのオールナイトニッポン [DVD]
(2010/01/08)
オードリー(春日)オードリー(若林)

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“オードリー”という名前の付いている商品ならば、どんなにダメな製品でも売れてしまいそうな、昨今のオードリー旋風。春日という強烈なキャラクターと、そのキャラクターを活かした若林のツッコミが合わさり、なかなか良い化学反応を起こしているようだ。個人的には、そんなにツボじゃないんだけどね。そんなオードリーの新商品は、オールナイトニッポン初回放送時の内容を収録したDVD。……まあ、ラジオ収録を映像で見られるというのは、面白いのかもしれない。

オードリーの小声トークオードリーの小声トーク
(2009/10/21)
オードリー

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ラジオ初期のトークライブをまとめた本も出るらしい。売れてるなあ。

お知らせ

今日から、地元でお祭りが始まります。
成人男性の僕も、言うまでもなく参加しなくてはなりません。

というわけで、今日からちょっとの間、更新が止まります。
止まると言っても、二日三日程度のことだとは思いますけれども。
まあ、そういうわけなので、宜しくお願いいたします。かしこ。

『水木しげる 超1000ページ下』

水木しげる 超1000ページ(下) (studio voice comics)水木しげる 超1000ページ(下) (studio voice comics)
(2009/09/12)
水木しげる

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先日、『手塚治虫 極めつき1000ページ』というものが発売されたらしい。タイトルに“1000ページ”と掲げてあることからも分かるように、『赤塚不二夫 裏1000ページ』『水木しげる 超1000ページ』と同じレーベルからの発売……なのかと思いきや、これがまったく違うレーベルからの出版らしい。とはいえ、企画が完全に被ったということはないだろうから、恐らく二匹目のドジョウを掬おうという魂胆なのだろう。ちなみに、この『手塚治虫 極めつき1000ページ』は、上・下巻に分けられることなく、一冊にまとめて出版されているらしい。分厚そうなので、枕に最適かもしれない。

それはともかくとして、下巻の話をする。以下、収録作品。

『惑星』『霊獣マッサライ』『地相眼』『がんばり入道』『吸血鬼』『血太郎奇談』『魔界の椅子』『アンコールワットの娘』『べとべとさん』『テレビくん』『大鴉』『メキシコ奇行』『フランスの妖怪城』『ロンドン軍縮会議』『ごきぶり』『レーモン河畔』『マカンダル』『迷宮入り』


上巻に比べると、やや大人向けの作品が増えたように思う。特に序盤の『惑星』『がんばり入道』の二作品は、水木氏の当時の状況を反映しているかのような作品で、実に味わい深かった。また、近年の水木氏がライフワークとしている、奇人たちの伝記マンガも二本収録しているのが、なかなかに良い(『フランスの妖怪城』『マカンダル』)。

なお、今作にもアニメ版「ゲゲゲの鬼太郎」のエピソードとして取り上げられた作品が、一本だけ収録されている。『地相眼』がそれだ。アニメでもかなり哀愁漂う作品になっていたが、原作の漫画はより哀愁の強い展開になっている。なにせ、こちらにはゲゲゲの鬼太郎もビビビのねずみ男も登場しないのである。つまり、名キャラクターが登場しないというだけなのだが、それだけでも随分と印象が変わる。こっちは暗い。かなり暗い。

個人的に気に入ったのは、『レーモン河畔』。南海で平穏な暮らしをしていたホセ一家が、ラバウルでの戦闘に巻き込まれるも、どうにか生還するに至るまでを描いた物語だ。この作品の中で、ホセ一家の娘二人が日本兵の慰安婦とされかけるシーンがある。結果、二人は慰安婦となることなく解放されるのだが、この慰安婦にならずに至る展開が実に人間臭くて面白かった。結果的に美談となっているが、その過程は決して美談ではないのである。それが、実に良かった。

ちなみに、本書を読了してから数日後、僕がamazonで『手塚治虫 極みつき1000ページ』を注文したのは、特に言わなくてもいい事実である。……『鉄腕アトムセレクション』も、ちょっと気になっていたりする。うーん。

『水木しげる 超1000ページ上』

水木しげる 超1000ページ(上) (studio voice comics)水木しげる 超1000ページ(上) (studio voice comics)
(2009/09/12)
水木しげる

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赤塚不二夫の訃報を巧みに取り入れただけの企画だと思われた『赤塚不二夫 裏1000ページ』。ところが、なんと此度、この“1000ページ”シリーズの続編が出版されてしまった。タイトルは『水木しげる 超1000ページ』。妖怪漫画家として著名な水木しげるの作品を1000ページ分、取り上げている本である。幼少期より水木作品を愛読している僕としては、とてもじゃないが見逃せない。……でも、ちょっと高いので、とりあえず上巻だけ買ってみた。上巻を買ったら、まず間違いなく下巻も買うんだけどね。コレクター魂が震えるので。

収録作品は、以下の通り。

『ぽけっとまん』『宇宙虫』『妖怪花』『マンモスフラワー』『キンドコング』『屁道』『不思議な手帖』『さなぎ』『怪骨』『机』『突撃!悪魔くん』『コケカキイキイ外伝2 魔女上陸』『君、富たもうことなかれ』『なまけ武蔵』『浮気会社』『打出の小槌』『終末株式会社』『ドブ川に死す』『東真一郎名義「ゴシップなど」』


基本的には短編の寄せ集めだが、『妖怪花(ゲゲゲの鬼太郎)』『屁道(河童の三平)』などのように、連載作品からの一編を取り上げたものもある。が、何故だかそこに水木氏の代表作の一つである「悪魔くん」の名前がない。いや、名前自体はあるのだが、これは「悪魔くん」のエピソードではなく、「悪魔くん」が誕生するに至るまでを描いたエッセイのようなものだ。「悪魔くん」という作品から一編を取り上げたものではない。この寄せ集めにそぐわないと判断されたのだろうか。

しかし、こうして見ると、なかなか色々な作品が収められている。水木氏お得意の怪奇作品もあれば、宇宙をテーマにしたSFもの、ビンボー時代に思いついただろう時事批判ものなど、実にバリエーションが豊富だ。時代を先取りしている話もある。例えば、『不思議な手帖』という作品。冴えない男が偶然拾った手帖を使って、次々と人を殺していく……という話なのだが、これはまさに「DEATH NOTE」の先駆けともいえる作。この発想を膨らませていけば、もしかしたら水木氏が「DEATH NOTE」を描いていたかも……って、流石にそれはないだろうけど。

個人的に気に入ったのは、『なまけ武蔵』という作品。剣豪として知られている宮本武蔵が、実は剣豪としての生き方に疑問を感じていたのだが、世間の期待に抗うのも悪いと思い、剣豪としての姿を演じていた……という水木サンの分析を元に描いた漫画講談である。世間の期待を気にして……と書くと、なんだか武蔵がダメな人間であったかのように感じられるかもしれないが、実際は逆で、この作品は武蔵を異常に神格化している大衆を冷静に分析したものなのである。とはいえ、そんな大衆を否定しているわけでもなく、これが、なんだか立川談志が言うところの「人の業の肯定」であるように見えて、実に興味深かった。非常に短い作品だが、是非読んでいただきたい。

なお、本書を読了後、僕がすぐさま近所の書店で下巻を買ってきたのは、言うまでもない。かしこ。

バカと視聴者についての考察

 たしかに現代は、ものを知らないということが、得難い才能となるような時代なのかもしれなかった。競争社会だとか成果主義とか自己責任とか、スキルを上げろとか、がんばった人が報われるとか、たえまなしにやいやいいわれ、人はすばしこく、才気爆発であることを求められたのだった。バカであることは許されず、そうであることを悟られると負け組とかになったので、油断なく、利口なふりをしなければならなかったのだ。
 そうやってくたくたになって、テレビをつけると、そこには彼らがいたのだ。天真爛漫にものを知らず、ぼんやりと鷹揚で、彼らはとんちんかんなことばかりいっていたのだった。おバカタレントのバカっぷりは、いっそさわやかといってよかった。
 それは利口でありつづけなければならない現代人にとって一種のユートピアの様に見えたのかもしれなかった。ああ、オレも、あんなふうにバカだったらなあとあこがれをもって、そのバカのユートピアを眺めたのかもしれなかった。
 (略)
 ところで、おバカタレントたちは、ボーカルグループを結成したりして、さらに人気を高めることになった。大晦日の「NHK紅白歌合戦」にも出演したが、そこまでいくと、バカの範囲を逸脱したという気がしなくもなかった。バカも利口も、程を知らないといけないのではあるまいか。

(「おバカタレント」/いしいひさいち・峯正澄『大問題 ’09』より抜粋)

僕にとっての原点

(仮)志村けんのだいじょうぶだぁ Vol.1 [DVD](仮)志村けんのだいじょうぶだぁ Vol.1 [DVD]
(2009/12/16)
志村けん

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(仮)志村けんのだいじょうぶだぁ Vol.2 [DVD](仮)志村けんのだいじょうぶだぁ Vol.2 [DVD]
(2010/01/06)
志村けん

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志村けんを観て、笑うことがなくなってしまった。子どもの頃、ビデオに録画して何度も見返していた筈の『バカ殿様』も、今では目もくれなくなってしまった。僕が年を取ってしまったために感受性が失われてしまったとか、そういうこともあるのかもしれない。が、それだけが原因ではない。多くの天才たちがそうであったように、日本の爆笑王と呼ばれた志村けんもまた、年老いてしまったからだ。志村の全盛期を知っている人間にとって、今の志村を見るのはあまりにも辛い。

此度、そんな志村の全盛とも言える時期の番組『志村けんのだいじょうぶだぁ』がDVD化されることが発表された。ポニーキャニオンのサイトによると、12月リリース予定のDVDは『変なおじさんBOX』として、翌年1月リリース予定のDVDは『ひとみばあさんBOX』としてリリースされるそうだ。「今こそ最高である」ということを信条としてきた僕だが、これには流石に心を揺さぶられている。番組誕生から二十年以上が経過した今、当時の笑いを感じてノスタルジーに浸るのも、悪くはないかもしれない。ただ、年末リリースというのが、地味に痛い。他にも色々と出るからなあ、年末は……。

『ズーランダー』

ズーランダー スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]ズーランダー スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
(2007/11/22)
ベン・スティラーオーウェン・ウイルソン

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以前からちょこちょこお世話になっている「行かない旅」さんから勧められた映画、『ズーランダー』を観る。2001年製作のアメリカ映画で、監督はベン・スティラー。代表作は『リアリティ・バイツ』『ケーブル・ガイ』『トロピック・サンダー 史上最低の作戦』など。どちらかというと、コメディ俳優としての方が有名かもしれない。出演している作品は、『メリーに首ったけ』『スタスキー&ハッチ』『ナイトミュージアム』など。いずれの作品においても、ベンは主演を務めている。凄いネ。今作においても、ベンは主人公のデレク・ズーランダーを演じている。

デレク・ズーランダーは男性ファッションモデル界のトップスター。男性モデルの第一人者として最前線に立ち続けていた彼だったが、ある年のモデル・オブ・ザ・イヤーでライバルのハンセルに敗れてしまう。落ち込んでいるズーランダーを三人のモデル仲間たちが励まそうとするが、その三人が全員ガソリンスタンドの爆発事故によって死亡。いよいよ落ち込んでいくズーランダー。モデルを辞めて、実家に帰ってみたものの、炭鉱で働いている父親や兄弟たちに鼻つまみ者扱いを受ける。いよいよ、どうしようもなくなるズーランダーは、再びモデルとして復帰することに。ところが、彼のモデル復帰の陰には、思わぬ陰謀が蠢いていたのである。

結論から言うと、面白い映画だった。面白かったんだけど、後で何が面白かったかと聞かれると、ちょっと答えに詰まる。たぶん、観ているときに、まったく頭を使わなかったからだろう。そう、この映画は何も考えずに笑えるのだ。それはつまり、視覚的な笑いがやたらと散りばめられていた、ということ。分かりやすくて、かつかなりアホなギャグが多かったということでもある。ちなみに、僕がこの映画で最初に爆笑したのは、モデル・オブ・ザ・イヤーの授賞式でのズーランダーを紹介するVTRだ。このVTRの中で、ズーランダーが「カレンダーは僕の色々な表情を見せてくれる」みたいなことをナレーションで語ってるんだけど、そこに映し出されている映像は、金太郎アメみたいに同じ表情のズーランダーばかりが掲載されているカレンダー。見せてないじゃん! 色んな表情を見せてないじゃん! この「同じ表情」ボケは、実は終盤でも披露されるのだけど、そこでも爆笑したなあ。

あ、爆笑したといえば、モデル仲間三人がガソリンスタンドで爆死するシーンも、かなり笑った。人が死ぬシーンで笑うなんて不謹慎に感じられるかもしれないけれど、でもあれは笑うしかない。だって、その場のノリでガソリンかけあって、タバコを吸おうとして爆死するんだもん。自殺じゃん! 自らで市を選んでるじゃん! この爆死した三人の姿も、終盤で再登場することになる。こっちはギャグじゃなくて、割と良い感じの扱われ方。でも、たぶんギャグだよなあ、あれ。

ギャグ中心の映画ではあったけど、その基本は海外のサスペンス映画のストーリーなので、話の筋は割りとしっかりとしていた印象がある。ズーランダーを洗脳するシーンとか、陰の事情を知っている謎の人物の登場とか。まあ、この辺のシーンは多分、他の映画のパロディなんだろうけど。元ネタが殆ど分からなかったから、フツーに楽しんでしまった。あ、でも一つだけパロディだってことが分かるシーンがあったな。2001年宇宙の旅! 元の映画は観たことないけど、あれは分かりやすかった。

これから先の人生で、そう何度も観たいと思えるようなタイプの映画ではなかったけれど、なんとなく忘れた頃に思い出して、レンタルビデオで借りてきて、時間があるときに再生してニヤッとするのには、なんとも都合の良い映画だった。主人公のズーランダーはアホだけど愚直なところもあるので、ちょっと人生の壁に突き当たってしまったときなんかに見るのも、良いかもしれない。うん。

恐怖の配役チェンジ

ウォレスとグルミット ベーカリー街の悪夢 [DVD]ウォレスとグルミット ベーカリー街の悪夢 [DVD]
(2009/11/27)
不明

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日本でも有名な傑作クレイメーションシリーズ『ウォレスとグルミット』の最新作が、遂にDVD化。本来はイギリスで2008年12月にテレビ放映されたものを、ジブリによって2009年夏に劇場で上映された今作。過去の作品を全てチェックしている人間としては、実に見逃せない……のだが、どうも不安要素が一つ。なんと今回、長年に渡ってウォレスの声を演じていた萩本欽一氏が降板し、新しく津川雅彦氏を新ウォレスとして迎えたとのこと。うーん……どうだろう。あと、特典映像には、過去に単独DVDとしてリリースされた『ウォレスとグルミットのおすすめ生活』が収録されるとのこと。そんなことするなら、最初っから単品でリリースするなっての。ま、それは別に良いんだけどね。『王と鳥』でも同じようなことやってたし。とりあえず、このシリーズはとにかく演出が素晴らしいので、そこんところに今回も期待したいと思う。

第一回「サンドウィッチマン」雑感

『引っ越し』
おじさんマークの引越センター。初っ端から富澤の言葉遊びボケが光る。「服を脱げ?」「人殺しのシーズン?」。いつも片方だけ軍手を落としてしまう富澤。「あれお前だったの!?」。さりげなくあるあるネタを盛り込んで、ちょっと展開に一捻り。「Here we go!で行く」。なんで英語(笑)腰を痛めて本格的に寝ようとする富澤。サンドウィッチマンらしさが冴え渡る。

『メガネ屋』
珍しくノーメガネな伊達。ちょっと三村っぽい。憧れていくにつれて、顔つきも近くなってきた? 来店と同時にメガネを勧めてくる富澤。「お客様のお眼鏡に適うと思いますよ」。伊達、面倒臭いと一刀両断。サンドのネタとしては珍しく、小道具がやたらと多い。グラサンをかけた伊達に「よく揉み合いになりますよ」。相変わらず、言葉遊びに長けている。新品のメガネはハリガネとサランラップ(笑) 小道具ボケが続く。ちょっとダレてるか。視力検査。輪っかを「便座」と表現する富澤。「もっと死力を尽くしてください」……やっぱり面倒臭い。二万円丁度と思ったら三千円のお釣りが。漫才のボケがさりげなく入ってきたな。「今日から俺もメガネデビューだな」「お客さんの場合、メガネデブですね」。まさかのダジャレオチ。遊び心溢れたコント。

『哀川調』
Vシネ俳優の哀川調と、新しいマネージャーのコント。低い声のマネージャー富澤。「覚えづらいときは高橋って呼んでください」。モノスゴイ急カーブなボケ。マネージャーの前は泥棒をしていた富澤。「泥棒の経験を活かして頑張ります」。前二作に比べて、富澤のボケがとてつもなく自由。逆に、伊達のツッコミをクローズアップしているネタと言えるのかもしれない。何故か哀川調にテレビの仕事ではなくバイトをさせようとするマネージャー富澤。その後も自由奔放なボケを繰り返す富澤。ちょくちょく、三村ツッコミみたいなツッコミを吐き出す伊達。それを誤魔化すためのキャラクターなのかな。それとも、結果的に三村ツッコミみたいになっただけなのかな。「のんきか。みやすのんきか」で、観客シーン。でも、こういうボケが実にサンドウィッチマンらしい。

『葬儀社』
パラダイス葬儀社。父親が危篤状態にある伊達。「ここ二三日がヤマらしいんだよ」「親父さん、ヤマアラシなんですか」。言葉遊び再び。亡くなったら色々と分からないので、話を聞きに来た。富澤「予約ですか?」。「キャンセルの無いようにお願いしますね」「親父が元気になったら、お前の葬式にしてやるよ」。コースは三種類。百万円コース、一千万円コース、十万円コース。一千万のコースだと、六本木ヒルズで親父さんを一流シェフが焼く。「いただいちゃう感じ?」。ちょこちょこブラックなボケが。十万円だと、移動は電車。「アメ横の帰りか!」。百万円のコースで。「ポイントカードはありますか?」。葬儀一回で一ポイント、一年間有効。十ポイントで葬儀一回無料、坊さん百人。「気持ち悪ィ!」。サンドウィッチマンの持ち味を見せつつ、じんわりとブラックさを漂わせた怪作。

次回はロバート

『爆笑トライアウト』十月四日放送感想文

ペパーミントの風に吹かれて(ワタナベ)
新幹線に乗って東京に買い物に行く男が、特に知り合いでもない人に見送られるコント。シチュエーションはありきたりだし、ボケはずっとシュールな雰囲気のまま投げっぱなしだし。地に足がつかないまま、だらだらと終わってしまっただけという印象。最近のナベプロには珍しく、かなりダメなネタだったなー。

あどばるーん(ソーレアリア)
漫才。青森県の言葉は、ちょっとフランス語に似ているというネタ。はっきり言うと、『爆笑レッドカーペット』でロケット団が披露している山形県漫才の方程式を、そのまま取り入れただけ。フランス語っぽい青森弁の発音がたまらなくリアルだったのは、かなり良かったんだけどねえ。腕はある。

ビッグタスク(ニュースタッフエージェンシー)
定食屋のコント。序盤でツッコミが思いっきり噛みまくってしまい、そのイヤな空気が最後まで続いて、観客にハマらなかった感。ネタ自体は個人的に好みだった。「A定食はおはぎと冷ややっこ」というセンス、かなり好き。もうちょっとネタを練り上げていけば、面白いものが作れるようになるのではないかと思う。今後に期待。

たんぽぽ(ホリプロ)
ピンでも活動している二人。高校生コント。基本的にビジュアルを批判するボケが続いているだけなんだけれど、例えがいちいち面白い。テンポも良いなあ。「白いトウガラシがぁー!」には思わずニヤリ。でも、あんまりボール入れたいネタではなかったなあ。もうちょっと、こう……突き刺さるものが。

エハラマサヒロ(東京吉本)
R-1二位。テレビでこのところイチオシの『めっちゃ鬱陶しい進学塾の先生』コント。喋りの抑揚、テンションの上がり下がりが某有名司会者を彷彿とさせ、それがエハラなりの彼に対する批判なのではないかと思い、ついつい苦笑い。たぶん、そういう目で見るネタではないんだろうけど。面白かった。

うえはまだ(SMA)
漫才。ボケの人の雰囲気が、我が家の谷田部さんっぽい。ファミレスでのクレーム処理。「お口にチャック」「ついてる?」。普通の会話の中に、さりげなくボケが入り込んでくる。そこそこ面白い漫才が出来ていたけれど、ちょくちょく集中力が途切れる感じのつまんないくだりを押し込んでいるために、なんだか中途半端な感じに。練り直し。

プリンセス金魚(松竹芸能)
二度目。漫才。子どものお守り。お守りをしている子どもが、ちょくちょく大人っぽい表情を見せたり、子どもならではの純粋さを感じさせられないことを言ったりするというネタ。まあ、よくあるシチュエーションだけど、これをなかなか上手く料理していたな。松竹芸能の若手特有の安定感ある漫才を披露していたが、もう一捻りほしかったかも。

青春ダーツ(マセキ芸能社)
仲の良さそうな友だち同士の会話。なんとなく鬼ヶ島のコントを彷彿とさせるが、完成度はちょっと低い。自由なことをやり続けるだけという感じ。嫌いじゃないけど、これではボールが入らないだろうなあ。ちなみに、普段のネタは漫才らしい。……なんでコントをやった?

ガリガリガリクソン(大阪吉本)
ニート漫談。ダジャレネタを披露した後で、自虐的なボケをかますというお馴染みのスタイル。「フー(口笛)、火傷するぜぇ?」は面白かったなー。オチもオンバト仕様で、個人的にはそこそこ面白かったけど、思ってたよりも爆発しなかった感。今回に限らず、最近のガリガリ氏のネタはちょっと不安定になってきてる気がする。気のせいだろうか。

キャラメルマシーン(WAHAHA本舗)
二度目。マジックを披露する人と、そのマジックをジャマする人。基本的な流れは前回と同様だが、ちょこちょこ変化があって、前回と同じくらいに笑えた。斬新ではないし、現代的でもないんだけれど、尋常じゃないくらいに安定感がある芸。本戦に出場したら、意外と大爆発してしまうかもしれない。そういえば、マギー審司もオンバト初挑戦時はオーバー500だったっけ。

以下、結果。

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『サンドウィッチマンのエンタねた Vol.1』発言集

サンドウィッチマンのエンタねた Vol.1 エンタの神様ベストセレクション [DVD]サンドウィッチマンのエンタねた Vol.1 エンタの神様ベストセレクション [DVD]
(2008/09/19)
サンドウィッチマン

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レンタルビデオで『サンドウィッチマンのエンタねた vol.1』が旧作扱いになっていたので、借りてくる。タイトルで分かるように、サンドウィッチマンの二人が『エンタの神様』で披露していたコントを収録したベスト集だ。そういえば先日、サンドウィッチマンと同様に『エンタの神様』を主戦場にしている東京03がキングオブコントの覇者になったけど、彼らもまた『エンタねた』DVDをリリースしたりするのだろうか。……ちょっと期待したい。

収録されているネタは全部で七本。彼らが2005年5月に番組で初めて披露したコント『ピザ屋』から、2006年11月に披露したコント『街頭インタビュー』までを収録している。奇しくも、M-1グランプリ2007で披露した二本のネタが、今作のオープニングとエンディングに座しているわけだが、やはり意図してのことなのだろうか。ちなみに、レンタル版には収録されていないが、特典映像には「エンタの神様」総合演出の五味一男とサンドウィッチマンが対談している様子を収録しているらしい。見てみたいような、見てみたくないような。

当時の彼らによる、まだまだ未完成なネタの数々を堪能するのも良いが、やはり今作の見どころはネタとネタの間に収録されている、サンドウィッチマンによるコメントだろう。当時の自分たちが置かれていた状況、心境を明け透けに語っているのだが、とにかくやたら興味深かった。サンドウィッチマンがM-1で優勝を果たして以後、彼らの自伝本『敗者復活』を取り上げていたブログは幾つかあったが、このコメントを取り上げていたブログが皆無だったように思うので、今回これをまとめてみることにした。タイミング的にはかなりの後出しになるが……まあ、良いじゃない。

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『ドレキグラム'08』

ドレキグラム’08 [DVD]ドレキグラム’08 [DVD]
(2008/11/05)
フットボールアワー

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近所のレンタルショップで、フットボールアワーのコントライブDVD『ドレキグラム'08』が旧作扱いになっていたので、借りてきた。収録されているコントは全部で九本。うち三本は一本目の連結となっているので、実質のオリジナルコントは六本だと考えていいだろう。そのうち一本は「爆笑レッドカーペット」で、うち二本は「笑・神・降・臨」で観たことのあるネタだった。おそらく今年、フットボールアワーがテレビで披露したコントの多くは、このライブで披露されたものなのだろう。

フットボールアワーといえば、M-1グランプリ2003での優勝のみに限らず、さまざまなお笑い賞レースを漫才で勝ち取っていることから、世間では漫才師としてのイメージが強いのではないかと思われる。が、彼らが元々持ち芸としていたのは、漫才ではなくコントだった。まだフットボールアワーの存在が世間に知られていなかった頃のネタを観たことがあるが、その時の彼らはコントを披露していた。家具屋に叩き具合の良い机を買いに来た刑事のコントで、そのなんともいえない無意味さが妙に印象に残っている。笑えたかというと、そうでもなかったが。

その無意味な笑いは、今でも彼らの基軸となっているらしい。今作『ドレキグラム'08』でも、彼らの無意味なコントが披露されている。面白いマンガを描こうとするも奇妙な展開へと転がってってしまう『あかとんぼ先生』、おっさんの股間を覗きたい人たちによって作られた行列を追う『行列』、「名字の通り、鳥を越えたい」という鳥越さんがバンジージャンプに挑戦し続ける『バンジージャンプ』など、後には何も残さないようなナンセンスコントが連発されていた。

ただ、やはり漫才師としての活動が長かったためなのだろうか、コントとしては些か物足りなさの残るものが多かった。「おっさんの股間を見るために行列が出来ている」「バンジージャンプを飛べずに何日もそこで生活をする」など、かなり面白い設定が提示されているにもかかわらず、それを遊ばせられていないのである。笑いの方向性は少し違うが、今のTHE GEESEと同じ状況に陥っていると言えるのかもしれない。

漫才師として頂点に立ったフットボールアワーだが、コント師としてはまだまだ進化するだけの余白が残っている。ここらで一つ、キングオブコントにでも参戦し、コント師として兜の緒を締めなおしてもらいたいところだけれど、どうだろう。過去二度の大会には、いずれも参戦していないみたいだから、もう我が道を突き進み続けるつもりなのかもしれない。うーん。もったいない。


・本編(91分)
『人魚』『演歌の花道』『その後』『あかとんぼ先生』『行列』『またその後』『ストリートライブ』『またまたその後』『バンジージャンプ』

※レンタル版なので特典は無し
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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