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24時間戦えますか?

ゲームセンターCX 24 ~課長はレミングスを救う 2009夏~ [DVD]ゲームセンターCX 24 ~課長はレミングスを救う 2009夏~ [DVD]
(2010/08/27)
有野晋哉(よゐこ)

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皆さんは、「レミングス」を御存知ですか? これは、イギリスで生まれたパズルゲームのタイトルです。レミング(タビネズミ)の生態をモチーフとしたゲームで、タイトルもこれに由来します。……以上、Wikipediaより。このゲームを、日本テレビの24時間テレビの真裏で、24時間かけて攻略しようとした男がいます。彼の名は、有野晋哉。今作には、有野晋哉が24時間戦い抜いた様が収録されているとのことです。その収録ディスク枚数、実に五枚!(本編三枚+特典一枚+おまけCD一枚) この作品を通して、どこよりも暑かったインドア派の夏を体験するのも、面白いかもしれません。……って、発売日が夏だよ!
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2010年4月の購入予定

07『プレミアステージ2009
07『コサジ一杯の鳥の中身』(脚本:川島邦裕)

学生や公務員の人たちが一年の終わりを感じる三月が過ぎていき、新たなる芽吹きの季節である四月がやってくるわけですが、お笑いDVDのリリース量は何故だか閑古鳥な雰囲気。年度末の三月に出せるだけ出しておきながら、どうして四月になるとこんなに大人しくなってしまうのでしょうかね。まあ、四月のリリース作品の大半に、それほど僕が興味を抱いていないというだけの話なんですが。テレビ好きなら、『くりぃむナントカ VOL.グー』『くりぃむナントカ VOL.チョキ』『くりぃむナントカ VOL.パー』や『電波少年 BEST OF BEST 雷波もね!』あたりに手をつけるとは思いますが。電波少年あたりは、僕もちょっと悩みます。比較的、そういう世代なので。まあ、でも、こんな感じでしょう。たぶん。

『ハライチ』

ハライチ「ハライチ」 [DVD]ハライチ「ハライチ」 [DVD]
(2010/02/24)
ハライチ(岩井 勇気・澤部 佑)

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M-1グランプリは“漫才”を救った大会だという意見がある。M-1グランプリが誕生したことによって、それまで単に古臭い演芸という認識でしか扱われることのなかった漫才は、一つのエンターテイメントとして再評価されるようになった、というものだ。確かに、M-1の大会実行委員長でもある島田紳助のインタビューを顧みると、彼は「漫才に恩返しがしたい」という旨の発言をしている。これは即ち、漫才というジャンルが改めて受け入れられるように努力したい、という意味であるといえるだろう。そして、彼の思惑通り、当時に比べて漫才が受け入れられやすい世の中になったように思う。まだまだ漫才をテレビで観られる機会は少ないものの、それでも以前に比べて、漫才師がテレビバラエティに出演する機会は圧倒的に増えているのは事実だ。

但し、M-1グランプリが漫才にもたらしたものは、決して功のみに限らない。光のあるところに必ず影が生まれるように、M-1グランプリもまた、漫才に功と罪をもたらしてきたのである。M-1グランプリが漫才にもたらした罪、それは「M-1グランプリで評価されない漫才は漫才に非ず」という認識を、業界内に広めたことである。M-1グランプリは、一般的には、単純に「漫才の頂点を決定する大会」というイメージが浸透している。が、実は、M-1グランプリにはもう一つ、大きなテーマが存在していることを、皆さんは御存知だろうか。そのテーマとは、「準決勝に進めない漫才師は辞めた方がいい」というものである。これはM-1が提唱していることではない。大会実行委員長である島田紳助が、M-1を始めた理由として公言したものだ。この言葉が意味していることは、要するに「才能の無い芸人に対して引導を渡すためにM-1は存在している」ということである。この発言は、一見すると非常に正当な意見であるように感じられる。が、これはあくまでも、M-1グランプリにおける予選の審査が真っ当であるということ、或いは、M-1グランプリの審査が絶対であるということが前提でなければ成立しない発言だ。つまり、M-1グランプリは「漫才の頂点を決定する」と同時に、「才能の無い漫才師を篩にかける」という機能を担っていたということになる。

しかし、これは考えてみると、とてもおかしいことなのではないだろうか。何故なら、M-1グランプリは全国規模の巨大なお笑い賞レースであることには違いないが、賞レースである以上、そこには確固たる審査傾向が存在する筈だからである。審査傾向があるということは、「M-1で評価されやすい漫才」と「M-1で評価されにくい漫才」に二分されるということだ。即ち、それは「M-1では評価されないが、M-1以外の場所であれば存分に評価される漫才」が生じる可能性を示唆している。漫才を救うために生まれた筈のM-1グランプリが、新しい漫才の可能性を狭めてしまっているかもしれないのだ。

そんな現状に対し、M-1グランプリ自身が一つの危機感を示した大会が、2008年大会だった。敗者復活戦を勝ち上がってきたサンドウィッチマンの優勝で幕を閉じた2007年大会の翌年に行われたこの大会は、これまでM-1決勝の常連と言われてきた漫才師たちを排除し、ナイツ、U字工事、モンスターエンジンなど、新しいスタイルの漫才師たちを決勝戦に進出させるという、新たなる時代を感じさせられる大会だった。これを機に、M-1グランプリは大きく変化を遂げる筈だった……が、あまりにもオーソドックスに堅すぎるメンバーだったためなのか、敗者復活戦を勝ち上がってきた変化球型漫才師のオードリーが大爆発してしまい、二年連続で敗者復活戦の覇者が最終決戦に進出してしまうという、予選の審査員としては悲劇ともいえる結果を生んでしまう。

そういった経緯を経たためか、その更に翌年に行われたM-1グランプリ2009は、決勝に進出を果たした漫才師八組のうち、六組が過去に決勝進出を経験したことがある漫才師という、徹底的に守りに入った大会になってしまった。新しい風を吹くどころか、新しい風を閉ざした大会になってしまったのである。そんな中、僅かながらに吹いた新しい風が、初の決勝進出となったパンクブーブーとハライチである。特に、ハライチの存在感は大きかった。漫才とは何か、漫才とはどうあるべきか、そんな堅苦しい理論が飛び交うM-1グランプリにおいて、彼らは純粋に「漫才とは面白いものだ」ということを提唱してみせていた。

ハライチの漫才は、いたってシンプルだ。ボケ役である岩井勇気が提示する話題を元に生み出される様々なボケワードに対して、ツッコミ役である澤部佑が漫才を終える瞬間までひたすらにノリ続ける(ボケをツッコまずに付き合い続ける)。これだけである。ただ、澤部のノリには、多分にアドリブが組み込まれているために、彼らの漫才は、漫才において重要なポイントの一つである「即興感」に満ちている。その場で生み出される喋り、その場で生み出される動き、その場で生み出されるやりとり……そんな「その場」な空気こそ、ハライチの漫才の楽しさであり、面白さだ。ちなみに、この彼らのスタイルは“ノリボケ漫才”というらしい。……そのままだ。

今作『ハライチ』には、そんなハライチの漫才が七本収録されている。幾つかのネタはテレビでも披露されたものだが、一つのシチュエーションを与えたまま澤部を放置し続ける『イイコト。』や、岩井が思いついたという発明品を次々に発表していく読み物漫才『発明。』、岩井のボケと澤部のノリが30分も続く『お風呂。』など、テレビではなかなか見られないスタイルの漫才も披露されている。特典映像には、ハライチの二人が故郷である原市を巡る「ハライチぃ散歩」を収録。漫才と同じ空気感で各地を巡る二人のやりとりは、まったりとしていてなかなか楽しい。澤部のキャラクターは、よくさまぁ~ずの三村に似ているといわれているが、そういえばこの特典映像には、ちょっとモヤモヤさまぁ~ずの様な雰囲気もあった。ボケをひとまず受け入れるというスタイルも、すぐにはツッコミに入らない三村のスタイルと類似している。所属している事務所は違うが、強い影響を受けているのかもしれない。

このDVDにおいて最も注目すべき点は、30分間ノリボケ漫才『お風呂。』に副音声解説を収録した特典映像だろう。この特典映像では、岩井のボケに対して徹底的にノリまくる澤部の姿を、澤部自身が解説している。それは言ってみれば、自らのノリを自らで解体しているということだ。その解体作業の模様は、テキスト化してブログに上げてしまいたいレベルの内容だったのだが、ここで晒すのは彼らにとってあまり良いこととは言えないので、自粛することにする。実際にDVDを購入して、見ていただきたい。それだけの価値はある。

M-1グランプリに新たなる風を吹き込んだハライチ。彼らの存在は、M-1グランプリに限らず、これからのお笑い界が新たなる時代を迎える予感を匂わせてすらいる。それを予感ではなく、実際のモノにするためにも、今年のハライチには二年連続での決勝進出を期待したい。いや、恐らくは、当人たちもそのつもりなのだろう。新たなる漫才の時代を切り開く彼らの未来に、栄光あれ。


・本編(65分)
「仙台。」「ペット。」「イイコト。」「ヒーロー戦隊。」「発明。」「お風呂。」「???」

・特典映像(35分)※幕間映像として収録
「ハライチぃ散歩」
・音声特典:解説「お風呂。」

出るみたいです

爆笑オンエアバトル 我が家 [DVD]爆笑オンエアバトル 我が家 [DVD]
(2010/06/23)
不明

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三月にリリースされるという前情報が流れていた『爆笑オンエアバトル 我が家』の発売情報が発表されていたので、ちょっとご紹介。我が家が「爆笑オンエアバトル」に始めて出場したのは、2005年6月のこと。同時に初オンエアも果たした。当時のキロバトル数は289kbだったが、その後は安定した数字を稼ぎ続け、2007年にはチャンピオン大会に初出場。その後、大会には三年連続で出場している。

三月にリリースされた四作品(超新塾、キングオブコメディ、東京03、パンクブーブー)には、番組で披露されたネタが全て収録されているので、この『爆笑オンエアバトル 我が家』も同様の措置が取られているのではないか、と思われる。……久しぶりに自動車教習のコント、観たいなあ。谷田部さんのキャラが好きだった。

・その他のリリース情報
0526『サンドウィッチマンのエンタねた VOL.3 エンタの神様ベストセレクション
0526『サンドウィッチマンのエンタねた VOL.4 エンタの神様ベストセレクション

『兵動・小藪 おしゃべり一本勝負 其の弐』

兵動・小籔のおしゃべり一本勝負 其の弐 [DVD]兵動・小籔のおしゃべり一本勝負 其の弐 [DVD]
(2010/02/24)
兵動大樹小籔千豊

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本当に面白い話というのは、何度聞いても面白いものである。……とかなんとかいうコンセプトで、以前「人志松本のすべらない話」では、過去に放送したエピソードを、再び演者に語らせるという特別企画が放送されたことがあった。確かに、そこで放されていたエピソードの数々は、笑えた。面白かった。ニヤニヤさせられた。ただ、それはエピソードの面白さから生じた笑いというより、以前に話したエピソードをもう一度話さなくてはならないという気恥ずかしさに悶える、芸人自身の姿がおかしかっただけだった様な気もする。

しかし、これは考えてみると、実におかしい。というのも、そもそもお笑い芸人というのは、同じネタを何度もテレビで披露するのは当たり前のことで、それが舞台上となると、もう数え切れないほどに同じ漫才・コント・漫談を披露しているに違いないからだ。同じネタを何度も披露することは平気なのに、同じエピソードトークを何度も披露することは気恥ずかしいというのは、なんだか矛盾しているような気がしないでもない。まあ、彼らにとってのエピソードトークは本芸ではないので、そういった気恥ずかしさが生まれてしまうというだけなのかもしれないけれど。

勿論、その番組の企画自体が、そもそも気恥ずかしがっている芸人たちの姿を、面白おかしく映し出そうという特別な内容だったとも考えられる。が、それはそれで、果たしてどうなのかという気もする。この「人志松本のすべらない話」は、極端な言い方をすると“芸人のエピソードトークに全乗っかり”した番組だ。芸人の話術に頼り切った番組が、果たして話術をきっかけに生み出される気恥ずかしさを扱った特別番組を作っちゃっていいのだろうか、という疑問は残る。この番組は話術を肯定しているのか、それとも実は話術を否定しているのか。それとも単に、“面白ければなんでもいいじゃない”というフジテレビ的精神の証明に過ぎないのか。

矢野・兵動のボケ担当でソロのトークライブも展開している“兵動大樹”と、吉本新喜劇の最年少座長“小藪千豊”の二人が、お互いにエピソードトークを展開したり、お互いが日頃から考えていることを話してみたりするトーク番組『兵動・小藪 おしゃべり一本勝負』。「人志松本のすべらない話」のスピンオフ番組として、現在もフジテレビTWOにて月に一度放送されているこの番組には、トークしか存在しない。時に観客からのアンケートに応えてみたり、時にエピソードトーク用のカードを引いたりすることもあるが、それらは全て二人のフリートークを生み出すための、「ごきげんよう」的な要素に過ぎない。徹底的に、二人きりのトークに絞られているストイックさが、実にたまらない。

キャストがこの二人というのも、正解だった。基本的には大人な視点で状況を語りあげるスタイルの兵動と、徹底的に主観的に物事を語ろうとする小藪の二人が生み出すトークは、時に互いと共鳴し合い、時に互いと反発し合う。そんな二人のやりとりは、「すべらない話」とカギカッコされたものではない。タイトルの通り、この番組は兵動大樹と小藪千豊のおしゃべり一本勝負、なのである。笑える・笑えないを超越した、徹底した“おしゃべり”がここにはある。

今作『兵動・小藪 おしゃべり一本勝負 其の弐』には、そんな二人の徹底的おしゃべりが収録されている。そのおしゃべりは、花火に感動する人たちが理解できない話や、年末のジャニーズカウントダウンライブを観に行った話、こうして小藪と一緒にトーク番組をしていることについて相方の矢野はどう考えているのか話に、肉が食べられないことを聞かれることが鬱陶しくて仕方がない話など、前作以上に濃厚だ。恐らく今後も、二人の濃厚なトークが展開していくことだろう。“其の六”あたりで、そろそろ胃もたれを起こしてしまうかもしれない。おしゃべり胃もたれ。幸せなんだか、不幸せなんだか。


・本編(114分)
第3回放送(2009年6月)分と第4回放送(2009年7月)分を収録。

・特典映像(30分)
未放送トークを収録。

ロッチ単独ライブ『ロッチラリズム』

ロッチ 単独ライブ 「ロッチラリズム」 [DVD]ロッチ 単独ライブ 「ロッチラリズム」 [DVD]
(2010/02/24)
ロッチ

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はんにゃ、フルーツポンチ、柳原加奈子といったフレッシュな面々が名を連ねている「爆笑レッドシアター」のレギュラーメンバーにおいて、ロッチの存在は異様だ。若手芸人ならではの新鮮味もなければ、芸人としてのポテンシャルが高いわけでもない。そんな彼らは、なにやら違和感にも似たオーラを身にまといながら、番組でネタを繰り広げている。

とはいえ、ロッチが実力者であるということは、疑いようのない事実だ。そのことは、彼らが他の“フレッシュな”爆笑レッドシアターのレギュラーメンバーであるしずる・ジャルジャルとともに、日本一のコントを決定する「キングオブコント2009」決勝の舞台に進出している事実が証明している。結果は八組中六位と、あまり褒められたものではなかったが。

そんなロッチのコントの面白さを説明するのは、あまり容易なことではない。というのも、彼らのコントは、その表面的な部分で行われていることはとてもシンプルなのだが、それが笑いに繋がっている理由について考えてみると、これがなかなかに興味深いからだ。

彼らが「キングオブコント2009」で披露したネタに、『巨乳かメガネか』というコントがある。このネタは、喫茶店で働いている二人の男性(うち一人は店長)が、ウェイトレスのバイトとして誰を採用するか、履歴書を見ながら考えるという内容だ。店が提示している労働条件に適しているのは、明らかにメガネの女の子の方なのだが、二人が気になっているのは、巨乳の女の子だ。このコントにおいて、彼女は一貫して「巨乳の子」と呼ばれている。おそらく、余程の巨乳なのだろう。

二人は、出来ることならば、巨乳の子を採用したいと考えている。しかし、ここで何の理由も無く巨乳の子を採用するのは、なんだか体裁が悪い。そこで二人は、お互いの欲望を隠しながら、巨乳の子を採用する理由を必死に模索し始める。そんな二人の情けなさが、このコントでは笑いに繋がっている。

この『巨乳かメガネか』に限らず、彼らのコントには、とかく情けない人たちが登場してきた。砂漠で遭難中にウンコを踏みつけてしまう旅行者、釣りの素人に指南しようとするも全てが裏目に出てしまうベテラン釣り師、まったく知られていないのに他人に声をかけられたらついその気になってしまうエキストラ俳優……そんな彼らの、情けない行動が醸し出す味わい深い哀愁と、妙なリアリティから生じる共感。これこそ、ロッチの唯一無二の個性であり、彼らが「爆笑レッドシアター」のレギュラーになることが出来た要因だったのではないかと、僕は思うのである。

2009年10月に行われたロッチの単独ライブを収録した今作においても、彼らは様々な情けない人たちを演じている。友人の真剣な話を聞こうとしているのだが、それよりも口に放り込んだアツアツのタコ焼きが気になって仕方がない『ハフハフ』。どうにかして修行に女の子を参加させたい坊主二人の必死な姿を描いた『ボウズ』。ゴリラの飼育係からパンダの飼育係になったことで調子に乗っている後輩を見る先輩飼育係の哀愁漂う『猿渡』。市井の人たちが繰り広げる情けないシチュエーションが生み出す笑いが、そこには変わらず存在していた。

ただ、今回のライブで披露されているコントは、以前に比べてフィクション性が強まってきたようで、ところどころに違和感の様なものも感じさせていた。例えば、前作「ラストベストロッチ」に収録されている『砂漠』の続編的コント『インパラ』において、インパラが亡くなったことを異常に強く受けとめる中岡の姿は、コミカルだが流石に無理があるように思えた。情けなさが生み出す笑いのバリエーションを広げるのは決して悪いことではないが、その工程で無理を感じさせるのは、あまり良いことではないだろう。

今後、ロッチはその笑いの幅を広げるとともに、それを自然に見せる構成力を身につける必要があるだろう。そして恐らく、彼らにはそれを身につけられる程の余白があるのではないだろうか。今年のキングオブコントで、彼らがどのような結果を残すのか。期待、期待。


・本編(71分)
「オープニングコント」「インパラ」「ハフハフ」「学園祭」「ボウズ」「猿渡」「ユーモアスクール」「元カノが…」「無の境地」

・特典映像(13分)
「ロッチの知名度調査in巣鴨」「中岡のひとりごと」「中岡柔道優勝」「コカドのこだわり」「ロッチグッズCM」

第9回 東京03単独ライブ『いらいら』

第9回東京03単独ライブ「いらいら」 [DVD]第9回東京03単独ライブ「いらいら」 [DVD]
(2010/02/19)
東京03

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キングオブコント2009覇者、東京03が2009年5月に行った単独ライブを収録。キングオブコントの決勝戦があったのはこの年の9月なので、今作は事実上、優勝直前に行われた単独ライブを収録していることになる。実際の大会で披露されたコントは、このライブでのネタではなく、もっと以前のネタだったのだが。

東京03のコントといえば、やたらと喧嘩腰になる展開が多く、それ故に内容が安直であると思われがちだ。実際のところ、彼らがキングオブコントで優勝を収めた当時も、ただキレているだけのコントがどうして評価されているのか理解できない、などというネット上での批判も幾つか見られた。確かに、彼らのコントは安直でストレートだ。序盤で提示された設定が大きく展開することなく、最後のオチまで引っ張られ続けることが、非常に多い。

例えば、今作で披露されているコントに『人間ドック』というものがある。このコントは、人間ドックにやってきた飯塚と角田のうち、角田が検査をぐずる場面から始まる。この状況は、オチに至る場面に突入するまで、決して動くことはない。角田はひたすら検査をぐずり続けるし、飯塚はそんな角田のことが理解できないままだ。しかし、そんな二人のやりとりは、単なる平行線を辿らない。

角田は当初、「検査で身体の悪い部分が見つかったら嫌だ!」と叫ぶ。それを受けて、飯塚は「悪い部分を見つけるために検査するんじゃん」と応える。先にも書いたが、この二人のスタンスは、オチに至るまで決して変わることはない。しかし、角田はこの自身の考えをより強固なものにするために、飯塚に対して具体的な例え話を始める。角田は、検査を受けた後で、医者に「高いですねぇ!」と言われることが恐いという。

角田「高いですねぇ!とか言われるぞ」
飯塚「何がだよ!」
角田「数値だよ!数値!」
飯塚「何の数値だよ!」
角田「「一般の成人男性は100なんですが、あなたは8,000あります」」
飯塚「だから何の数値だよ!」
角田「「8,000!」」
飯塚「いや、何が8,000なの!?」


ここからしばらく、話は角田がいうところの“100が8,000”にシフトチェンジする。飯塚は角田の自論を否定しつつも、角田が提唱する“100が8,000”の話に完全に飲み込まれていく。つまり、ここで二人の話は、冒頭とまったく同じテーマであるにもかかわらず、冒頭とはまったく違った話にすり替わってしまっているのだ。こういう見せ方が、東京03は尋常じゃなく巧い。

なお、この“100が8,000”の話は、あまりにも美しすぎる着地を決めることになる。“100が8,000”の話に飲み込まれている飯塚は、角田に対し「だったら8,000を100に戻せばいいじゃん」と提案する。それでもぐずる角田に、飯塚は次の様に続ける。

飯塚「ちゃんと治療すれば、8,000は100になるよ。ねぇ先生、ちゃんと治療すれば8,000も100に下がりますよね?」
豊本「何がですか?」
飯塚「……何がですか?」


医者を演じている豊本が「何がですか?」と言った瞬間、二人のやりとりはまったくの妄想でしかないということがはっきりと突き付けられる。この結末のキレ味たるや! その後も、角田がようやく検査を受けようとするも、結果が出るのは三週間後だと聞かされて「話変わってくるわー」と再びぐずり始めたり、一人で検査を受けようとする飯塚を角田が無理やり引き止めたり。二人の状況は変わらないものの、その状況を飽きさせない様々な変化が、このコントの中では繰り広げられているのだ。つまり、東京03のコントは、その構成が巧みなのである。

これは彼らの他のコントにも、同様に言えることだ。女性に送ったメールがなかなか返ってこずにやきもきしてしまう『返信メール』も、会社の同僚を連れて帰宅したら何故かそこには学生時代の友人がいた『友人の家』も、豊本演じる女性が飯塚演じるヤクザ風の男を注意する場面から巻き起こる事件を描いた『初デート』も、全てその構成の巧さによって成立している。勿論、三人の演技力や、一つ一つのボケの強烈さがあって成立しているのだが。

現在、東京03は第10回単独ライブ『自分、自分、自分。』を行っている。このライブは、2009年の夏に行ったベストライブ以来の全国公演で、芸人たちの間ではかなりの完成度であると早くも評判だ。個人的に、東京03の現時点でのベストな単独は、第7回単独ライブ『スモール』なのだが、それ以上の完成された笑いが、そこでは披露されているのだろうか。今から、楽しみだ。

ちなみに今作では、完成されたコントとともに、これまた完成された幕間映像が収録されているのだが、こちらはあまりにも自己主張が強すぎて、些か幕間映像としてのキャパシティを越えてしまっている感が否めなかった。幕間映像は、あくまでもコントとコントの繋ぎなので、あまり気合を入れ過ぎて作られても、ちょっと困る。ここはもう少し、調整しても良いのではないだろうか。……テーマソングの完成度は高いんだけどね、前回同様。


・本編(97分)
「キャスト紹介「ピアノソナタいらいら」」「BAR」「主題歌「あつかい知らずの悲劇」」「返信メール」「怒っていいのかな?」「人間ドック」「100が8000になった時の対処の仕方」「友人の家」「フレンド」「あの話」「メール見ろや」「初デート」「修学旅行」「エンディングテーマ「WHAT IRRITATING」」

大きな桜の木の下で

桜の卒業の季節(仮)[DVD]桜の卒業の季節(仮)[DVD]
(2010/06/09)


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まさかの二枚目である。昨年リリースされた『ようこそ桜の季節へ』が、最初で最後の単独作品になると思われていた“桜”だが、ここにきてまさかの第二弾DVDをリリースする様だ。流石、吉本興業。しゃぶれるところまでしゃぶりつくしてやろうという腹か。……まあ、そりゃ去年リリースしたDVDが、あんだけ売れたら出すよなあ(注釈:昨年、このブログで紹介したDVDの中で、最も売れたのは『ようこそ桜の季節へ』でした)。しかし、これはまたレビュアー泣かせな展開。多分、前作のDVDを紹介するときに、「これが最初で最後のDVDになる」って紹介した人って、沢山いたと思う。実際問題、このブログでもそういう風に紹介した。……それが、まさかこういう展開になるとはなあ……。

収録内容は現時点で未発表。ただ、仮タイトルに「卒業」の二文字が含まれているので、恐らくメンバーだった増田倫子の卒業公演の様子が収録されるのではないか、と思われる。ネットに上がっているレポートによると、漫才・コント・トーク・歌が披露されたとのこと。……どれくらいカットされるんだろうなあ(遠い目) ちなみに、今作がリリースされる一週間前に、桜・稲垣が出演しているロケ番組のDVD『ロケみつ ~ロケ×ロケ×ロケ~ 桜・稲垣早希 関西縦断ブログ旅 1 トラの巻』『ロケみつ ~ロケ×ロケ×ロケ~ 桜・稲垣早希 関西縦断ブログ旅 2 パンダの巻』がリリースされる模様。ああ、凄い商売っ気だ。

かまいたちの寄席

This is かまいたち(仮) [DVD]This is かまいたち(仮) [DVD]
(2010/05/26)
かまいたち

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鎌鼬というコンビがいる。麒麟だの、千鳥だの、天竺鼠だの、このところ漢字だけの渋いコンビ名が増えているが、妖怪の名前をコンビ名にした漫才師というのは、史上初かもしれない。いや、まあ、探してみたら、意外といるのかもしれないが。塗壁とか、一反木綿とか。ただ、今“鎌鼬”は“かまいたち”に名前を直したらしい。なんだか残念。絶対、元の名前の方がカッコイイのに。

そんなかまいたちが、初めてのDVDをリリースするという。先日、DVD収録ライブが行われたらしいので、恐らくそこで撮影されたものが収録されるのだろう。どうもbaseよしもとの芸人は、きちんとパッケージされたイベントじゃないとDVD化してくれないようだ。出してくれるだけでも御の字とはいえ、単独ライブの危険性を楽しんでいる身としては、些か物足りなさも……無難がイイってわけじゃないもんな。

まあ、DVDを出してくれるだけでも有難いという話。まだテレビではそれほど見られない、かまいたちワールドを皆で体験しよう。

・その他のリリース予定
0428『志らく第一集「無精床」「明烏」「らくだ」
0428『志らく第二集「短命」「黄金餅」「妾馬」
0519『兵動大樹のおしゃべり大好き。4
0526『やりすぎコージーDVD BOX 12
0526『やりすぎコージーDVD 23 爆笑やりすぎゲーム王~やりすぎコージーVSアメトーーク~(仮)
0526『やりすぎコージーDVD 24 ツッコミ7(仮)
0526『きらきらアフロ 2009
0528『江頭2:50のピーピーピーするぞ!5 またもや懲りずに逆修正バージョン
0604『談志大全 (上) DVD-BOX 立川談志 古典落語ライブ 2001~2007

所ジョージ!『コケコッコゥ!! ~七色の声色~』

コケコッコゥ~七色の声色~コケコッコゥ~七色の声色~
(2010/03/03)
所ジョージ!!

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所ジョージの音楽を聴くようになって、気付けばもう十年が経過している。年月とは常に移ろいやすく、あっという間に流れていくものではあるが、それにしたって時間の経過が速い。それだけ薄ぼんやりとした人生を送っているということなのか、それとも誰もがこの程度の速度で人生を過ごしているということなのか……と、考え始めればキリがない。そうこうしている間にも、時間はどんどん流れていく。文字通り、刻一刻と。

中学生の時分に、僕は所ジョージの音楽と出会った。今はもう潰れてしまった中古のCDショップで、偶然手に取った所ジョージのシングル盤が、僕の心をガッチリと掴み、今でも放そうとしない。当時はまだマキシシングルが主流ではなかったから、当然8センチのシングル盤だ。その後、所さんはどういうわけか売れるわけのない二枚組シングルベストをリリースし、そのシングル盤も必要なくなったわけだけど、実物は今でも我が家にある。多分。売った覚えはないし、捨てた覚えもないので、きっと何処かにあるのだろう。探そうという気はさらさらないが。

その辺のどーたらこーたらは、とりあえず置いておこう。とにかく言っておきたいことは、僕は今でも所さんの音楽を愛して止まないし、これからもきっと彼の音楽を愛し続けていくことだろう、ということだ。彼が入れ歯を嵌めて、フガフガと歌っているCDをリリースしたとしても、僕はきっとそれを買うに違いない。懐に余裕さえあれば。

そんな所ジョージが、先日新しいアルバムをリリースした。その名も『コケコッコゥ!! ~七色の声色~』。なんともケッタイなタイトルだ。調べてみたところによると、このアルバムでは、所ジョージが七色の声色を駆使し、色々な楽曲を歌っているのだそうだ。……ケッタイにも程がある雰囲気を感じなくもない。また、聞いたところによると、あの伝説的雑誌『FAMOSO』の音楽版だと吹聴しているのだとか、なんとか。アルバムのジャケットを見ると、確かに『FAMOSO』の編集長であるビートたけし氏の写真が。どうやら、フザけた作品になっていることは、間違いないようだ。

で、実際に聴いてみたら、本当にフザけた作品になっていたので、ちょっと全曲レビューしてみることにした。所ジョージのアルバムを全曲レビューしたところで、誰が得をするのか。ただ、それに費やした労力と時間が無駄になって、僕が一人損をするだけなのではないか。……などと懸念したりもしちゃったのだが、某ネット販売サイトで今作について随分と薄甘ーく書いた感想文を読んで、気が変わった。ちゃんとレビューしてやろう、と。……なんで上から目線なんだ。

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イワイガワ単独ライブ『オイルショック』

イワイガワ単独ライブ『オイルショック』 [DVD]イワイガワ単独ライブ『オイルショック』 [DVD]
(2010/02/17)
イワイガワ

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イワイガワのコントの強みは、他の芸人に真似が出来ないという点にある。いや、厳密に言うならば、岩井ジョニ男というキャラクターにしか出来ないというべきだろう。この男、単なるスーツの似合うチョビ髭の中年男性というイメージがあるが、そのキャラクターの真髄はより深淵にある。

通常、人間というのは、年齢を重ねるごとに、その人生の重みが全身から染み出してくるものだ。だから、年を取った人間の言葉というのは、それが正しいか正しくないかは関係なく、妙な説得力を持つ。それは芸の世界においても同様。しかし岩井は、そのビジュアルの通り、実年齢もそれなりに重ねられているということは間違いないのが、その年齢に見合った重みが、彼にはまったく感じられない。彼の存在はとにかく軽い。風が吹けば飛んでいくかの如く。

ただ、その軽さは、元来より岩井が持ち合わせていたものではない。事実、「爆笑オンエアバトル」に出演し始めた頃の岩井には、年相応の重みが感じられた(ちなみにイワイガワが同番組で初めてオンエアされたコントは、岩井が司会の音楽番組に井川が出演するというもの。当時の岩井はチョビ髭も生やしておらず、一見すると、ごく普通のダンディな中年だった)。しかし、イワイガワのコント台本がだんだんとナンセンスになっていくにつれ、岩井のキャラクターは軽くなっていく。つまり、岩井ジョニ男という中年のキャラクターは、イワイガワのコントとともに培われていったのである。

見た目は中年、しかし内面は軽率で自由奔放。そんな岩井ジョニ男のキャラクターは、イワイガワのコントには無くてはならない重要な存在だった。彼らが2009年11月に行った単独ライブ『オイルショック』の様子を収めた今作では、そんなイワイガワの本領が止め処無く発揮されている。酔っ払った日雇い労働者、息子にビデオレターを送る父親、徹底的に空気の読めないレポーター……岩井ジョニ男が演じる様々なキャラクターと、彼らに翻弄され続ける井川修司のギャップが生み出す、ナンセンスな笑いの数々は、まさにイワイガワにしか作りだすことの出来ない世界だった。

ただ一方で、岩井ジョニ男というキャラクターが邪魔になっているのではないか、と感じさせられるコントも見受けられた。そのコントとは、二人がヒーローショーに出演する予定のグリーンとイエローに扮し、楽屋裏で雑談を繰り広げる様子を描いたコント『COLOR』だ。ナンセンスな会話の面白さと、ところどころに散りばめられた伏線の美しさが印象的なこのコントにおいて、岩井のキャラクターは不必要な存在となっている。はっきり言ってしまうと、邪魔になっているのだ。恐らく、このコントに関しては、二人ともキャラクターの薄い芸人に演じさせた方が、ずっと面白く感じられるだろう。

イワイガワのコントにおいて、“岩井ジョニ男”というキャラクターは必要不可欠である。それはここ数年、彼らにとってプラスの方向に働いていた。しかし、この『COLOR』の様な、イワイガワのスタイルとは少し離れた方向性のコントの場合、それは圧倒的マイナスに働いてしまう。今後、ひょっとしたら、“岩井ジョニ男”というキャラクターは、イワイガワのコントにとって大きな障害になりうるのかもしれない。

今後、イワイガワはどのように変化していくのか。注目していきたい。


・本編(約84分)
「開演」「OIL SHOCK」「オープニング」「HERO」「LETTER」「RELAX」「SHORT SHORT(「生」「伝説」「告白」)」「COLOR」「SHOCK」「OIL SHOCK'S」「エンディング」「SONG ~「イワイガワのブルース」~(マキタスポーツ作詞・作曲)」

・特典映像(約25分)
「ROAD TO ONSEN」「緊急発表会見」

『爆笑オンエアバトル』視聴者投票一位バトル感想文

スーパーマラドーナ『漫才:エレベーターでの気まずい瞬間』
同じマンションの人と偶然エレベーターで乗り合わせたときの、あの気まずい瞬間を乗り切るための方法を思案する漫才。同じようなシチュエーションを何度も繰り返すスタイルのネタだが、途中で役割を交代したり、犬が乗り合わせてくるというありえない状況にしたり、飽きない構成にしていたところは好感が持てる、が、それも含めて、あまりにオーソドックスすぎた。ある意味、一番手としての役目を果たしたといえるが、やや物足りず。

『漫才:同窓会』
同窓会に呼ばれたときの予行練習をする漫才。同窓会に参加しているクラスのマドンナ“ミツコ”を押し出したキャラクターネタだが、同時に“響”というコンビの現状を客観的に取り入れたネタでもある。「あの人(長友)はピン芸人」という自虐的なボケには笑ったが、どうもこういう設定は「芸人としての現状を客観的に理解していますよ」と表明されているようで、あまり好きではない。それはともかくとして、最後の最後に放たれた、響のギャグ「どうもすいませんでしたっ」が、モノの見事にスベったのには驚いた。言うタイミングは完璧だったと思うのだが……消費されているが故の悲劇と考えるべきか。

ダブルブッキング『コント:本題とは違うところが気になる話』
立ち話をしているサラリーマン二人のうち、一人(川元さん)の繰り出す話の節々に、気になってしまう要素があって落ち着いて聞いていられない……というコント。近年、ダブルブッキングがイチオシにしているネタで、今年度もこのスタイルで視聴者投票一位を獲得した。一応、コントとしての体裁を保っているため、ところどころコントの礎となる話題が挟み込まれていたが、正直言ってそれらは邪魔でしかなく、ただ純粋に漫才として披露した方が良かったのではないかと思う。途中で役割を交代するという飽きさせない演出も取っていたが、そもそもの地盤となるべき前半部分がイマイチだったために、あまり効果を発揮せず。ただ、「うまく流れを掴めていれば、きっと大爆笑が起きていたんだろうなあ……」と思える箇所もあった。もうちょっと場の空気が違っていれば、大爆発していたのかもしれない。

アルコ&ピース『コント:自殺の説得』
コントに使われるシチュエーションの定番中の定番、自殺をしようとする人とそれを説得しようとする人のコント。今回は、説得しようとする人が、上手い説得の言葉を吐き出すことが出来ずに、ネガティブな言葉を漏らし続けた結果、逆に自殺しようとしている人に励まされるという展開。あるまったく違った状況下にある二人が、話をしているうちに、その立場が入れ替わってしまうというのは、これまたコントに使われがちなトリックの一つ。つまり、このコントは、コントというジャンルでは定番とされているシチュエーションを、やはりコントというジャンルでは定番とされているトリックを使って、成立させているのである。それでも、このコントがそれなりに面白いのは、二人の演技力と構成力によるものなのだろうが……それだけでは、物足りない。

アームストロング『漫才:ビールかけ』
野球の優勝でやるビールかけをやってみたい。スーパーマラドーナの漫才と同様に、同じようなシチュエーションを何度も繰り返すスタイルのネタだが、そのネタとネタの間のやりとりを展開させることで、やはり飽きないようにしている(勿論、ネタの内容もちょっとずつ変えている)。そういう展開の仕方は他のコンビがやっていない独創的なものなので、それなりに評価は出来る。が、それはつまり、肝心のネタの内容がイマイチだから、保険でやっていると捉えることも出来るわけで。以前にも書いたが、このコンビは自然体の会話で展開するコントがバツグンに上手いので、そちらをどんどん伸ばしていってもらいたいのだが……漫才は漫才で、いずれ開花することもあるのだろうか。

パンクブーブー『漫才:隣人トラブル』
黒瀬さんの家に苦情を言いに来た隣人とのトラブル対処法。お察しの通り、M-1グランプリ2009でパンクブーブーを優勝に導いた漫才である(厳密に言うと「最終決戦に導いた」だが)。ここまでのコンビとは違い、最初から最後までキッチリと枠に収まった力強い漫才コントなのだが、基本的にやりとりが平行線を辿ってしまっているため、やや無理やりに長く繋げたという印象が残る。ここはあえて長くせずに、先のスーパーマラドーナやアームストロングの様に、細切れにした方が効果的だったのではないだろうか。というか、そもそもM-1の決勝で披露した漫才を選んだこと自体、チョイスミスだったのではないか。

ラバーガール『コント:彼女』
大水の彼女の話。ところどころに飛び出すボケや奇妙なフレーズは、確かにラバーガールのそれなのだが、基本的な本筋が不明瞭なために、ただただだらだらと会話が続いているだけだという感覚に陥る。勝ちを狙いに来たというよりは、オンエアされることを前提に、今やりたいネタをやりに来ただけという印象が残ったのだが、果たして真相や如何に。今回、ここは勝ちを狙いに行けば、普通にチャンピオン大会に臨める位置にいただけに、このネタのチョイスはとにかく残念だった。来年でラストくらいじゃないかと思うんだけれども……。

マシンガンズ『漫才:Yahoo!知恵袋』
「Yahoo!知恵袋」に書かれているマシンガンズに関する質問と回答を、次から次へとボヤきまくる漫才。そもそもボヤキというのは、観客が納得できる“怒りのあるあるネタ”としての趣が強いスタイルだが、今回のマシンガンズのネタは、そのボヤキの対象を自らで探り当ててきたようなところがあり、他のネタに比べて、やや入り込みにくく感じた。構成も些か粗雑で、漫才半ばで急に肯定的な意見を取り上げ、その後すぐ再びボヤきへと移る流れはちょっとどうかと思った。こちらもパンクブーブーと同様、無理に一本にまとめてしまったような。複数の話題を一つにまとめた方が、流れがスッキリしたんじゃないだろうか。

ブロードキャスト『漫才:お年寄りを助ける』
容体が急変したお年寄りを助ける。容体が急変したお年寄りを発見するシーンから、救急車を呼ぶシーン、病院へと搬入するシーンへと展開する漫才で、これは今回のオンエアでは唯一のスタイル。話が展開するから飽きないし、ボケのバリエーションも豊富だったし、分かりやすくて面白いネタだった。ただ序盤、ブラックなボケが幾つも放出されたため、ちょっと重たい空気を引きずってしまっていたことは否めない。「救急車から担架を下ろす→短歌を読んでいる人が降りてくる」というボケは、ベタながら笑えたが。

以下、結果。

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『板尾創路の脱獄王』を淀川長治風に語ってみた


この映画はですね、色々な芸人さんが出てくるんです。オープニングでは木村祐一さんと千原せいじさん、その後も宮迫博之さんやオール巨人さんみたいに、誰もが知っているような芸人さんがたっくさん出演しているの。でも、全っ然気にならない。それだけ世界が出来上がっているってことだよね。

『板尾創路の脱獄王』。タイトルだけ見ると、いかにも捻くれたことをしそうだけど、これがまったく違うんですね。タイトルの通り、本当に脱獄王って呼ばれている人の姿を、ただただ追いかけてる映画。タイトルの古めかしいイメージの通り、本当に古臭さが滲んだ話なの。

板尾さんが演じている主人公、鈴木雅之は無銭飲食で捕まっちゃった。無銭飲食なんて、大した罪じゃないんだけれど、でも拘置所で二度も脱獄しちゃったから、刑務所の看守たちには目をつけられていたわけ。で、実際に、入獄した部屋に収監されてすぐ、脱獄しちゃう。その時、鈴木を収監したのが、國村準さんが演じる金村。鈴木はすぐに捕まっちゃうんだけれど、金村はそのことに疑問を抱くんだね。というのも、鈴木が取り押さえられた場所というのが、線路のすぐ側なの。あざやかに脱獄していたのに、すぐに捕まっちゃうような目立つ場所を逃げていたわけ。そこが変だな、おかしいなって思うんだな。

鈴木はその後も、何度も脱獄し続けます。刑務所の場所もどんどん変えられていくんだけれど、何処に行っても抜け出しちゃう。そのうち、脱獄の罪がどんどん積み重なっちゃって、とうとう監獄島っていうところに送られてしまいます。この監獄島というところ、物凄く恐いところなの。一度入ったら、もう二度と出られないようなところ。戸籍も消されて、法律的には死んだことにされちゃう。そんなところに、鈴木は送られることになっちゃった。一方で、金村は出世して、法務省に行ってたんだけれど、鈴木が監獄島に流されると聞いて、いてもたってもいられなくなっちゃう。それで、鈴木のことを、監獄島まで送りに行くんです。でも、そこでまた鈴木は、脱獄してしまいます。

この映画は、とにかくオチありき。あのオチを見せるためだけに、それ以外の全ての要素が準備されています。じゃあ、そのオチが凄く独創的なのかというと、そうじゃない。映画を観ている人なら、きっとこういう展開になるんだろうなあ、と思えるオチが待っています。でも、それが許せるほどに、きちんとした作りになっているんですね。先にも書いたけれど、この映画は本当に「脱獄王」のことを描いた映画なの。鈴木という人物が、どうやって刑務所から脱獄するのか、その様子がエンターテイメントとしてちゃんと描かれている。ただ脱獄して、また捕まってっていう風に、流そうとしない。そこをちゃんとしているから、オチが活きるんだね。

でも、そのオチについて、文句を言う人もいると思う。実際、僕が映画館の入り口で、チケットを買おうと並んでいると、目の前のカップルが話してた。「『板尾創路の脱獄王』って面白そうじゃね?」「つまんなかったよ」って。女の方が。それも仕方ないと思う。でも、これまで丁寧に丁寧に積み上げてきた積木を、最後の最後で一気に崩しちゃうその豪快さ、僕は評価したいと思います。

(ただ、劇中いきなり中村雅俊の『ふれあい』を、板尾創路さん自身が歌い始めるという演出は、流石にどうかと思いましたが……この映画には一応、いくつかのユーモアが含まれていましたが、どれもこれも苦笑せざるをえないレベルのギャグばかりでした。でも、それも含めて、板尾さんらしいんですけどね)

戦う(着ぐるみ)アナウンサー再臨

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みずしな孝之の代表作の一つ『戦え!アナウンサー』が、コミックビームにて復刊されることがわかりました。同作は1997年から2003年まで「ヤングアニマル」誌上にて連載され、実在するテレビ局やアナウンサーを題材にしたことで話題となりました。みずしな作品としては、『幕張サボテンキャンパス』と同様に、高く支持された作品でしたが、単行本はここ数年で手に入りづらくなっており、長らく文庫化・復刊化が望まれていました。僕に。

同日には、みずしな氏の最長連載作品『いい電子』の10巻も発売される予定とのこと。2月に『妄想トリビュート』も発売されており、今年は過去に例を見ないみずしなイヤーになるのかもしれません。次は『チクチワワ』ですね!(やめとけ)
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

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https://twitter.com/Sugaya03

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