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『桜の季節 ~卒業~』

桜の季節~卒業~[DVD]桜の季節~卒業~[DVD]
(2010/06/09)


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桜から増田倫子が卒業した。今後は芸人としてではなく、ダンサーとして活動するらしい。正直言って、あまり感慨深いものは感じない。これがもし、他のコンビだったとしたら、もう少し悲しい気持ちになったのかもしれないが、どうもそういう感情が湧き上がらないのである。まあ、コンビとしての活動期間が三年にも満たなかったことを考えると、それも仕方のないことなのかもしれない。ただ、逆に言えば、たったそれだけの期間で、彼女たちは現在のポジションまで上り詰めたということでもある。そもそもお笑い芸人志望者ではなかった二人には、それは決して容易なことではなかった筈だ。……と、そういうドラマを勝手に妄想してみると、幾らか気持ちも盛り上がってくるのだが、考えてもみれば、無理やり盛り上げようとすること自体がおかしいのかもしれない。

『桜の季節 ~卒業~』は、2009年12月10日に行われた「桜の季節 ~増田倫子卒業公演~」の様子を中心に収録した作品だ。前作がそうだったように、コントにエヴァ漫才にトークに歌とバラエティに富んだ内容なのだが、このライブで増田が卒業してしまうという事実が念頭にあるためか、その演目の一つ一つを意味深に捉えてしまう。事実、コントは増田のキャラクターを重視した内容のネタが主だったし(増田がアイドルについて講義する『アイドル養成所』は色んな意味で必見)、通常なら稲垣のアスカ声真似のみで構成される筈の『エヴァ漫才』は途中からダンス漫才へとシフトチェンジしており、増田の存在をクローズアップした内容にはなっていた。その構成は、桜から増田が去ってしまうという事実と、そのことを稲垣が惜しみながらも祝いながら見送ろうとしている事実を、確かに物語っていた。

それ故に、ライブ映像と殆ど同じ容量を用いて収録している「卒業旅行」が、単なるアイドルのプロモーションビデオのようになっていたのは、なんとなく残念だった。無論、桜のそういった側面を見たいという人も、世間には決して少なくないことは分かっている。それらの需要があるからこそ、こうして供給されるのが世の常だ。コンビとしての最後の姿を収めることにも、意義はあるだろう。ただ、感動的なエンディングを迎えたライブ映像を観終えた後で、こういうのほほんとした旅行の映像を流されると……なんとなく冷めてしまう。増田倫子の最後を飾る作品として、もうちょっと最後まで徹底してもらいたかった。特典映像の「寝起きの季節」「入浴の季節」も、何か違った。そういうのは別に求めていない。観たけど。

お笑いコンビとしての桜が注目されるようになったきっかけは、間違いなく『エヴァ漫才』という彼女たち特有の芸だった。だが、彼女たちが売れるようになったのは、そのビジュアル面によるところが大きかったのではないか。オタクにウケやすいタイプの芸風に対し、女性芸人にはあまり見られないタイプの可愛らしい顔立ちというギャップが、彼女たちの存在を実在以上に膨らませていたのではないか。……と、最後の最後によからぬことを考えてしまった。宜しくない。


・本編(125分)
■「桜の季節 ~増田倫子卒業公演~」
「おわりの始まり」「なにわ突撃隊」「ダンス」「アイドル養成所」「エヴァ漫才」「トークコーナー」「♪桜のテーマ」「アンコール♪スイーツ乙女でばっち来い!」「おつかれさま」

■「卒業旅行」

・特典映像(8分)
「寝起きの季節」「入浴の季節」
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職員室はいとおかし

U-1グランプリ CASE03『職員室』 [DVD]U-1グランプリ CASE03『職員室』 [DVD]
(2010/09/15)
マギー六角慎司

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元ジョビジョバリーダーのマギーと“The3名様”の演出として知られている福田雄一によるワンシチュエーションコントユニット“U-1グランプリ”の舞台が三度目のDVD化を決定した。出演は主催の二名に加えて、野波麻帆、山西惇、ムロツヨシ、六角慎司、植木夏十。過去に「取調室」「厨房」を舞台とした公演を行ってきたU-1グランプリが、今回の舞台に選んだのは「職員室」。ここで彼らがどんな笑いを見せつけているのか、期待したい。

ちなみに、同ユニットには過去に平成ノブシコブシ(CASE01「取調室」)とキャラメルクラッチ上地春奈(CASE02「厨房」)が参加している。お笑い芸人に興味がある人は、チェックしてみるのもいいかもしれない。

・その他のリリース
0723『島田秀平オススメ!開運パワースポット巡り
0723『快楽亭ブラック 埋蔵金
0804『スジナシ 其ノ十
0818『1ばんふくらむスクラム
0818『オードリー春日のカスカスTV おまけに若林 煙、3つです!編
0818『オードリー春日のカスカスTV おまけに若林 公私混同じゃないですか編
0820『鳥居ようちえん 入園編
0820『鳥居ようちえん 卒園編
0901『トゥルルさまぁ~ず Vol.1
0901『トゥルルさまぁ~ず Vol.2
0901『バカヂカラ (3)
0901『バカヂカラ (4)
0901『バカヂカラ (5)
1002『アンタッチャブル山崎の『実録 現役サラリーマン言い訳大全』Vol.1
1002『アンタッチャブル山崎の『実録 現役サラリーマン言い訳大全』Vol.2
1020『逃走中7~run for money~【江戸編】
1103『逃走中8~run for money~【王国編】

2010年7月の購入予定

02『板尾創路の脱獄王
07『エルダーソルジャーズ』(出演:内村光良、さまぁ~ず、キャイ~ンなど)
14『西野亮廣独演会
14『東京ダイナマイト グレートダイナマイトフロムヘル
14『キュートン風呂
16『日常にひそむ数理曲線 DVD-Book』(制作:佐藤雅彦+ユーフラテス/ナレーション:太田光)
21『麒麟川島単独ライブ 雨降る夜~the Best~
21『漫才ライブ アフロの森のおふざけモンキー
21『ハマカーンネタベスト「カードボード、ウォレット&スリー・ボクサーパンツ」
21『どきどきキャンプベストネタライブ「サスロ」
28『ウーマンラッシュアワード2010
28『見たら必ず行きたくなる 笑い飯哲夫のお寺案内DVD~修学旅行でなかなか行けないお寺・奈良編~
28『バナナマン傑作選ライブ DVD-BOX Punch Kick Chop

お盆シーズンが近づいてくると、どういうわけだかDVDのリリース量が多くなる。困ったね。いや、別に困ることはないのだけど。注目はキングコング西野トークライブ、吉本移籍後初のDVD作品をリリースする東京ダイナマイト、麒麟川島単独ベストライブ、ハマカーン・どきどきキャンプのベストライブ、笑い飯哲夫のお寺紹介DVD……って、これまた多い。切り捨てられる作品が、まあ少ない少ない。『論論ブーツ 上』『論論ブーツ 下』も泣く泣く切った。見どころまみれに七月、やたらと熱いのは太陽のせいだけではあるまい。

ジャルジャルがやってきた!ヤァ!ヤァ!ヤァ!

ジャルジャル in LONDON(仮) [DVD]ジャルジャル in LONDON(仮) [DVD]
(2010/09/29)
ジャルジャル

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baseよしもとの超人気若手コント師ジャルジャルが、イギリスはロンドンで行った単独ライブを収録。披露されているコントには、既に『ジャルジャルの戯』シリーズで収録されたネタから、テレビでは披露されたがDVDには収録されていないネタまで様々。個人的には、体力の疲労が半端ではないという『手押し車』が収録されているのが気になるところ。副音声にロンドンでのロケコントも収録される模様。通常の単独ライブとは一風変わったライブを、皆で堪能しよう。

・その他のリリース
0728『ウーマンラッシュアワード2010
0825『さまぁ~ず×さまぁ~ず 6
0825『さまぁ~ず×さまぁ~ず 7
0825『さまぁ~ず×さまぁ~ず DVD-BOX (6・7)【完全生産限定版
0826『リアクションの殿堂 ~遺作~
0915『エレキコミック第19回発表会『中2のアプリ』

『オンバト+』六月十八日放送感想文

しんのすけとシャン『漫才:店長にお願い』(361kb)
店長にバイトの給料を上げてくださいとお願いする。しんのすけの口調に変化が。以前に比べて、フニャッとした喋りになっていた。個性をつけようとしたのだろうが、逆に違和感を覚える。肝心のネタは、快調な滑り出しを見せるも、終盤のじわっと間をおいて笑わせるくだりでサディスティックなボケをしてしまったため、最終的に微妙な空気になってしまった。演じる側だけではなく、その内容にも変化をつけようともがいていることが分かる。

ジューシーズ『コント:社長室で』(437kb)
社長に呼ばれたので社長室に行くと、そこには社長と社長のお孫さんが……。普通のやりとりをしている二人と、そのやりとりから離れている自由な立場にある一人の姿を描くという、かなりオーソドックスなシチュエーションのコント。二人の話の内容と、残された一人の行動がリンクするという小賢しい仕掛けも含めて、とてつもなくベタで新しさが見えない。それ故に安心感があるとも言えるが、もう少し爆発する要素が欲しかった。

エレファントジョン『漫才:怖い話』(485kb)
怖い話をしようとする加藤と、その話を受けて勝手なことを話し続ける森枝。純粋なボケツッコミの漫才を見せていた二人が、ここにきて大幅にモデルチェンジ。片方が一方的に喋り続け、その横でもう片方が話の内容にああだこうだと口を入れるスタイルは、なんとなくナイツの「ヤホー漫才」を彷彿とさせる。が、決してフォロワーにはなっておらず、エレファントジョンの漫才として成立していた。ただ、現行のスタイルでは、ボケが流されやすくなってしまうところが難点。更なる改良が必要だろう。

フラミンゴ『コント:イケメン』(437kb)
喫茶店で吉田が辻本のことをイケメンだと言い張り、それでウェイターの竹森が辻本の顔に興味を持ち始める。ラーメンズチルドレンの一組であるフラミンゴには、いつもそのコント設定の独自性を楽しませてもらっているのだが、今回はとことんシンプルに見せる。辻本をイケメンだと言い張る吉田に一般の二人が巻き込まれていく構図が実に面白かったが、あまりにも話の流れに忠実になり過ぎている感が。マジメなのは悪いことではないのだが、このトリオにはどうも破壊が足りない。

カブトムシ『コント:万引き犯』(409kb)
コンビニで捕まってしまった万引き犯が、その罪を少しでも軽くするためにバイト作業を手伝おうとする。その設定以外に何かを加えることなく、しかし決して飽きさせない構成が素晴らしい。やたらと細かい部分にまで注目したバイト店員模写の上手さが、コントの面白さをバツグンに引きたてている。次回にも期待。

・今回のオフエア組
ノンスモーキン(341kb/1,163票)
モンスターエンジン(313kb/1,845票)
カオポイント(281kb/151票)
さらば青春の光(269kb/508票)
たんぽぽ(237kb/509票)

『爆笑オンエアバトル』時代には全勝していたノンスモーキンが苦汁を飲む。二年連続M-1ファイナリストのモンスターエンジンは、『爆笑オンエアバトル』時代の挑戦も含めて五戦全敗中。さらば青春の光に投票。結果、モンスターエンジンが+1に決定!

・オンバト+:囲碁将棋『息子の名前』
息子の名前をつける。言葉遊びの要素が強い漫才で、多くのお笑いフリークに注目されていることがよく分かる完成度の高さ。ただ、不思議と漫才ならではの臨場感が感じられない。なんというか、テキスト化された原稿を二人が読み合っている様な、机上の漫才という印象を受けた。完成度の高いネタを生み出す作家力の高さに対し、そのネタを面白く演じきる演技力が足りていない、ということなのかもしれない。

・次回
えんにち
THE GEESE
GAG少年楽団
ニッケルバック
パンダユナイテッド
ピーマンズスタンダード
ブラジルマン
ボーイフレンド
ランチランチ
ロケット団

『爆笑オンエアバトル』時代には十戦全勝を記録したえんにち、勝ち負けが激しいがコント師としての評価は高いTHE GEESE、お笑いフリークの評判が著しく悪いランチランチなどのメンツが揃う中、まさかのロケット団がおよそ四年ぶりの出場。オンエアされれば、約五年半ぶりのオンエアとなるが、果たして。

読まずとも笑え!

このところ、雑誌でお笑い系DVDを特集した記事を見るたび、反射的に「どうして自分がこの企画にかかわっていないんだろう?」と思い悩むようになっている。実に自意識が強くて、いけない。いけないのだが、なにせ反射的にそう悩んでしまっているので、山本リンダばりにどうにも止まらない。熱湯に触れてしまった瞬間の手の如く、こちらが記事自体に感想を抱く前に悩んでしまっている。実に厄介。人間性から教育し直さなければ、この癖は直らないだろう。ダメだっ。

それを踏まえた上で書くのだが、AERA Mook『読んでから笑え!』に掲載されているお笑いDVDの紹介記事“もっと観て、笑って。”が、非常に良くなかった。はっきり言って、「これなら自分の方が良いチョイスが出来るんじゃないか?」という、これまで以上に傲慢な感想を抱いてしまった。というのも、この記事の紹介文に“テレビもいいけど、DVDも”とテレビでは見られない笑いをDVDでは堪能できることを示唆した言葉が書かれているにも関わらず、紹介しているDVDに、某人志松本だとか、某ガキの使いだとか、某M-1グランプリだとか、テレビで放送された番組をDVD化した作品が幾つも紹介されていたためである。これは良くない。むしろ、遺憾である。

そこで今回、『読んでから笑え!』で紹介されている全十二作のお笑い系DVD作品を勝手に入れ替えて、「これが本当の“もっと観て、笑って。”だ!」と宣言してしまうことにした。無論、勝手に入れ替えるのだから、少しばかり自慰的なチョイスになってしまうかもしれないが、出来るかぎり自らの嗜好に偏ることのないチョイスを心がけるつもりである。

なお、以下の四作品は、“もっと観て、笑って。”で紹介されていたDVDの中で、これは別に入れ替える必要がないと判断した作品である。よって、これらを除いた全八作品を、以降で紹介したいと思う。

 ・『ハライチ
 ・『2010年度版 漫才 爆笑問題のツーショット ~2009年総決算~
 ・『バカリズムライブ「キックオフ!」
 ・『しんぼる』(松本人志監督作品)

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『マンガホニャララ』(ブルボン小林)

マンガホニャララマンガホニャララ
(2010/05/27)
ブルボン小林

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このところ、気になっている人物がいる。ブルボン小林だ。なんとも珍妙な名前だが、しかし確固たる実力者である。その正体は、芥川賞作家の長嶋有だ(代表作:『ジャージの二人』)。うーん、凄い。権威だとかなんとかいう言葉に弱い僕は、とにかく頭が上がらない。向こうは筆者でこちらは読者なのだから、もうちょっと偉そうにしてもいいんだろうけど。でも、平身低頭。なんでもブルボン小林というのは、長嶋氏がコラムなどを書くときに使用するペンネームなのだそう。

『マンガホニャララ』は、ブルボンが手掛けてきた漫画関連の小文をまとめたコラム本だ。掲載されていた雑誌は様々だが、とにかく漫画のことばかりが語られている。とはいえ、その内容は決して専門的ではないし、尚且つオタク的でもない。切り口も丁寧で、未読の作品について書かれた文章も、ごく当たり前に楽しむことが出来る。ブルボンの著作はいずれもそういう傾向があり、以前に出版されたゲームコラム本『ゲームホニャララ』も似たようなタイプの内容だった。これもいい本だったなあ。

この本が面白いのは、こちらが思ってもみなかった視点で漫画を語っているというところ。普通に漫画を読んでいるだけだと気付かなかっただろう部分を、ブルボンは丁寧に切り取ってテキスト化している。その切り方も様々で、ある時は具体的な主人公を用いない『オバタリアン』の“キャラ”について書き、またある時は渡辺ペコのしっかりした“漫画表現”について書き、またまたある時は古本屋でブロック売りされている『3×3EYES』の“需要”について書いている。ここまで色々な視点を持っていながら、どのコラムも安定して面白いというんだからオソロシイ。

個人的に興味深かったのは、『ドラえもん』における“スネ夫”の必然性について書いたコラム。以下、本文より抜粋。

 スネ夫の繰り出す過剰な自慢こそが、『ドラえもん』の物語を推進させる。しずかへのアピールやジャイアンの暴力などの要素だけでは、早晩一本調子な展開になってしまっていただろう。22世紀の物質文明を象徴する「ひみつ道具」の登場の多くは、彼の自慢がなければポケットから出てこないし、比較もできない(=輝かない)。


このコラムだけでも結構グッときたのだが、この後に続けて書かれた「スネ夫のスゴい自慢」について書かれたコラムは、更にグッときた。

 なべても連載後期、コミックス42巻でみせた「とつぜんサッポロラーメンが食べたいといいだして」金曜の夕方に飛行機で札幌に向かい、秋の北海道を「レンタカーで気ままにドライブ」し、日曜の夜に帰ってきた。
 これは長きにわたるスネ夫自慢の、一つの到達点といっていい。


一見すると、いつもスネ夫がやっている自慢と大差無いような気がするが、ブルボンはこの自慢についてこう解説する。

 ここでスネ夫が自慢しているのは「旅行」や「食べ物」のようで、そうではない。ぶらっと気の向くままいってきたという「余裕」自慢なのだ! これは、豊かな物質を自慢することが必ずしも心を豊かにするとは限らない(なんだそれ)という、一皮も二皮も(骨皮も)剥けた自慢といえる。作中でジャイアンは、自分たちもおいしいラーメンを食べようとのび太をけしかけるのだが、彼はこの自慢をはきちがえている。


ジャイアンと同様、僕も完全にはきちがえていた。スネ夫、恐るべし。……こういう感じの内容に興味のある方は、是非。ニンニン。

『DJやついいちろう①』

DJやついいちろう?DJやついいちろう①
(2009/06/26)
DJやついいちろう喜納昌吉&チャンプルーズ

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J-POPは終わった、などと偉そうに語ってみせる人たちがいるわけだが、そこに僕は疑問を覚える。「○○は終わった」なんて言われているものの多くが、「一時代が終わった」に過ぎないことを知っているからだ。落語だって、漫才だって、とっくの昔に終わったと言われていたが、今でもごく当たり前に披露されているし、そこそこに注目もされている。終わったと言われるものに限って、意外とシブとかったりするのである。エレキコミックのやついいちろうがリリースしたミックスCD『DJやついいちろう①』は、J-POPがどんなに面白いものだったのかを全力で伝えようとしている作品だ。誰もが知っている名曲から、あまり知られていない名曲まで、飾ることなく楽しげに聴かせてくれる。お笑い芸人が手掛けたイロモノCDだと思って敬遠している人も多いのではないかと思うが、それは非常に勿体ない。堅苦しいことは考えずに、日本人誰しもの血中に響いているJ-POPの鼓動を再認識できる傑作だ。(以上、音楽雑誌風に)

『This is かまいたち』

This is かまいたち [DVD]This is かまいたち [DVD]
(2010/05/26)
かまいたち

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平仮名で書かれている“かまいたち”の文字を見ていると、なんとなく90年代を代表するサウンドノベルゲーム「かまいたちの夜」を彷彿とする。ただ、おそらく彼らの名前はそこに端を発したものではないらしい。そもそも、かつて彼らの名前は平仮名ではなく漢字で“鎌鼬”と書いていた。ところが、この名前では覚えてもらいにくいと考慮した末に、現在の平仮名表記になったそうだ。個人的には、平仮名表記であろうと漢字表記であろうと、さほど変わりはしない気がする(むしろ漢字表記の方が、彼らのイメージに近かったように思う)。まあ、そういった細かい点も配慮しなくてはならない厳しさが、芸人の世界にはあるということなのだろう。

“かまいたち”は、大阪NSC26期生の濱家隆一と山内健司によって、2004年に結成された。同期には藤崎マーケット、天竺鼠、ビタミンSなどがいる。テレビに出演し始めた頃の彼らは、山内のアジア系外国人めいた顔つきを利用して、謎の韓国人「チャン・ドン・ゴン・ゲン」というキャラクターを中心としたコントを売り出していたが、その後は漫才を中心にネタを磨いている。M-1グランプリには結成当初から出場しており、2005年以降は全て準決勝進出を果たしている。現在は少年少女、ヒカリゴケらとともに『1ばんスクラム!!』にレギュラー出演中だ。そんな彼らが、初めての単独映像作品をリリースした。タイトルは『This is かまいたち』。マイケル・ジャクソンのあの映画から着想を得たような、あまりにも安直なタイトルが安っぽくて実にいい。収録されているのは、十本のコントだという。……漫才は収録されていないらしい。個人的に、かまいたちは漫才師だというイメージが強いのだが。舞台ではコントを中心に活動している、ということなのだろうか。

しかし、今作に収録されているコントを見てみると、なんだかちょっと物足りなさを感じた。もう少し濃い口の笑いが欲しくなる味とでもいうのだろうか。透明になる薬を手に入れた学生が、クラスメートの女子の前ではしゃぎ回る『透明人間』。濱家の思わぬ経歴が紹介されていく『来賓紹介』。陰惨な殺人現場に残された被害者の奇妙な遺体をめぐる『殺人現場』。それぞれ実に面白かったのだが、「かまいたちならではの笑い」を明確に提示したコントは披露されていなかった。独創性というほどでもないし、王道というほどでもない。まさに中途半端。では、これらのコントをかまいたち以外の芸人が演じたとしても同質の笑いが得られるのかというと、それはそれで疑問を感じる。そこに「かまいたちならではの笑い」は感じられなかったが、しかし「かまいたちじゃなければ生み出せない空気」は確かに存在していた様に思えたからだ。

例えば『宝くじ』というコントがある。内容を書き出してみよう。<何もすることが無く、退屈な二人。そこで濱家が、お互いにお金を出し合って購入した宝くじを確認しよう、と山内に提案する。くじ券を二つに分けて、それぞれ確認する二人。と、そこで山内が10万円当たっていることに気付く。喜ぶ二人。ところが山内は、「宝くじを二つに分けたじゃないか」と言って、賞金を分け合おうとしない。うなだれる濱家。ところが、再び宝くじを確認してみると、濱家が1000万円当てていることが発覚。喜ぶ濱家と、驚愕する山内。気付けば山内は、その場にあった果物ナイフで濱家のことを刺し殺していた。しかし次の瞬間、時間が逆流して宝くじを確認する前の状態に戻っている。驚く山内を尻目に、濱家は再び宝くじを確認することを提案するのだが……。>多少の違いはあれど、タイムスリップして過去をやり直すことが出来るという設定は、金に目がくらんだ山内がその後も何度も濱家を刺し殺してしまうというパターンも含め、コントでは頻繁に用いられるオーソドックスなものだ。ところがこのコントも、やはりかまいたちならではの独特の雰囲気に包まれている。

その理由は恐らく、かまいたちのボケ役・山内の演者としての独特の佇まいにある。山内の演技は、純粋にボケ役を演じているときでも、ボケ役を演じていないときでも、常に妖しい。気が狂っているとまではいかないが、まるでこの世の住民ではないかのような、そんな危険な怪しさを彼は身に纏っているのだ。それ故に、上記のコント『宝くじ』で山内が演じている人物も、単なる“金に汚い男”とは違った“金に異常に執着心のある狂気的な男”へと変貌を遂げる。……と、そう考えてみると、彼らが“かまいたち”という妖怪の名前をコンビ名としていることは、実に正しいといえるだろう。そういえば濱家は、ねずみ男に似ている気がする(ド失礼)。

なお、今作の本編には十本のコントとは別に、山内が様々な罰ゲームを受けてリアクションを取る「山内罰相撲」と、濱家が手ごねハンバーグの作りかたを材料の仕入れからレクチャーする「濱家クッキング」が収録されている。どちらも爆笑とまではいかないが、じんわりと笑える映像作品となっているので、是非、堪能してもらいたい(というか、コント十本の収録時間より、この映像二本の収録時間の方が長いという……うーん)。


・本編(142分)
■厳選コント全10本
「ショップ」「透明人間」「~ありまして」「怖い話」「来賓紹介」「山之内先輩」「殺人現場」「宝くじ」「CDショップ」「ゲーム」
■山内ロケ企画「山内罰相撲」
■濱家ロケ企画「濱家クッキング」

・特典映像(19分)
■「山内罰相撲 禁じ手」

2010年6月「トータルテンボス」

漫才『ペットショップ』
ペットショップの店員に憧れている大村のために、ペットショップ店員のコントを。トータルテンボスの漫才といえば大村の高い言語センスから生み出されるボケのイメージが強かったが、このネタではそれが鳴りを潜め、代わりにちょっとブラックな匂いの漂うボケが拡散されている。ブラックな要素に逃げたのか。後半はお馴染みの藤田イジリ。これも別に否定するつもりはないが、いつも似たようなイジリ方をするために少し飽きた。こういう言い方はしたくはないが、やや手抜きの感あり。

幕間「トータルテンボスのオンエアされない若手芸人たち…」
『爆笑オンエアバトル』史上初の三連覇を成し遂げたトータルテンボスによる、同番組のオフエア芸人パロディ映像。様々なコスプレ衣装で登場する二人の姿は、かつて様々なコスプレ衣装で勝者コメントを残していたダイノジの姿を彷彿とさせた。

コント『医者』
診察にやってきた藤田を診る大村医者コント。医者のコントといえばブラックユーモアな展開を迎えるものだが、このネタもそういったオーソドックスな流れを汲んでいる。ただ、「元旦に言うと」「最初はグサッとする」「単なる風邪なんですけども~」など、ちょこちょこと大村の言語センスが活かされているボケが組み込まれている点が、小さく個性を主張していた。ただ、その個性はあまりにも小さく、彼らじゃなければ出来ないネタではなかった。それにしても、このところの彼らはブラックな笑いに興味があるのだろうか。以前の彼らにもそういう笑いはあったが、あまり向いているようには思えなかったのだが。

コント『避難訓練』
避難訓練後、生活指導の大村先生がやる気の無かった生徒たちに檄を飛ばす。彼らの名作漫才の一つ『ホテル』を焼き直したネタ。後半、実際に火災が発生する展開などは、元ネタとまったく同じ。前半に出てきたボケが後半に活かされる構成も、非常に似ている。避難中に守らなくてはならない“わさび=「わめかない、騒がない、微動だりしない」”などの印象的なフレーズも見られたが、焼き直しの域を出ることは出来ず。

幕間「トータルテンボスのオンエアされない若手芸人たち…」
先の映像の続き。多人数ユニット、双子、某有名コンビのパクリコンビなど、妙にリアリティある芸人たちの姿で登場。特に、ビール片手に「アール・ヌーヴォー!」と叫ぶコンビが出てきたのには爆笑した。こういうバカなことをきちんとやれるところも、トータルテンボスの良さだ。ちなみに、現在『爆笑オンエアバトル』では敗者コメントを放送していない。そのことを知った上でのパロディ、なのだろうか。

漫才『探偵』
探偵に憧れている大村のために、探偵事務所のコントを。浮気調査から殺人事件へと発展していく流れが、とてもドラマチック。謎解きもお笑い的にフザケるのではなく、きちんとした謎解きを見せる。漫才の中でやるには少しばかり難しい内容だった気もするが、しかし細かい笑いをググッと盛り込んだ秀作だった。ただ、こういうタイプのネタは、漫才よりもコントで見たかったような気もする。雰囲気が、かつて彼らが『爆笑オンエアバトル』チャンピオン大会で披露していた空き巣のネタに似ていたように思えたので、余計に。

次回は「スピードワゴン」。

JINRUIの蘇生

松本ハウス復活第一弾ネタライブ「JINRUIの誕生」 [DVD]松本ハウス復活第一弾ネタライブ「JINRUIの誕生」 [DVD]
(2010/09/01)
JINRUI

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今度こそ、出るらしい。かつて松本ハウスという名前で活動、『ボキャブラ天国』で一世を風靡した男たちが“JINRUI”と名を変えて帰ってきた。勿論、企画などではない。完全なる復活だ。そのことはライブタイトルを見ても分かる。『JINRUIの誕生』。松本ハウスという名前を捨て、新しくJINRUIとして生まれ変わったというわけだ。今作には、彼らの復活ネタライブの様子が収録されているという。現代に蘇ったJINRUIは、果たして時代の流れに勝利することが出来るのか。括目せよ!

・その他のリリース
0811『1週間にけつッ!!
0811『COWCOW CONTE LIVE 3
0811『芸能界鉄道研究会~鉄研~第2弾(仮)
0825『やりすぎコージーDVD BOX 15 やりすぎ開運伝説 パワースポットSP&坂本龍馬 都市伝説(仮)/しゃべりすぎコージー&肉糞亭一門ライブ(仮)
0825『やりすぎコージーDVD 29 やりすぎ開運伝説 パワースポットSP&坂本龍馬 都市伝説(仮)
0825『やりすぎコージーDVD 30 しゃべりすぎコージー&肉糞亭一門ライブ(仮)
0825『モンスターエンジントーク(仮)
0825『コントスタイル ジンジャーエールはない!(仮)』(ザ・プラン9)
0827『タンバリン芸人 ゴンゾー
0915『ニブンノゴ!DVD(仮)

『潜在異色 ~人気芸人が初めて見せるヒミツの出し物~ vol.3』

潜在異色 vol.3潜在異色 vol.3
(2010/05/28)
山里亮太(南海キャンディーズ)田中卓志(アンガールズ)

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・出演
山里亮太、鈴木拓、田村亮、有野晋哉、若林正恭、田中卓志、伊達みきお、春日俊彰、板倉俊之、鳥居みゆき、富澤たけし、山本博(特典のみ)(出演順)

・内容
第九回放送(2010年3月13日)~第十一回放送(3月27日)までの本編を収録

・収録時間(本編:約86分+特典映像:約120分)

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『潜在異色 ~人気芸人が初めて見せるヒミツの出し物~ vol.2』

潜在異色 vol.2潜在異色 vol.2
(2010/05/28)
山里亮太(南海キャンディーズ)田中卓志(アンガールズ)

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・出演
鳥居みゆき、伊達みきお、鈴木拓、山里亮太、若林正恭、田中卓志、山本博、有野晋哉、板倉俊之(出演順)

・内容
第五回放送(2010年2月13日)~第八回放送(3月6日)までの本編を収録

・収録時間(本編:約86分+特典映像:約108分)

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『潜在異色 ~人気芸人が初めて見せるヒミツの出し物~ vol.1』

潜在異色 vol.1潜在異色 vol.1
(2010/05/28)
山里亮太(南海キャンディーズ)田中卓志(アンガールズ)

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・出演
山里亮太、若林正恭、田中卓志、鳥居みゆき、伊達みきお、春日俊彰、田村亮、山本博、板倉俊之、鈴木拓(特典映像のみ)、有野晋哉(特典映像のみ)

・内容
第一回放送(2010年1月16日)~第四回放送(2月6日)までの本編を収録

・収録時間(本編:約89分+特典映像:約86分)

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プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

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