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立川志の輔『志の輔らくごBOX』

志の輔 らくごBOX志の輔 らくごBOX
(2003/04/23)
立川志の輔きたろう

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平成二十二年十月三十一日。特に何か用事があるというわけではないが、何処かへ出かけてみようという衝動に駆られて、車を出す。過日より近付いていると予報されていた台風の影響で、天候は決して芳しくない。が、バスや電車、ましては徒歩でもなく、自動車での移動であるために無関係であると考え、躊躇することなく出発した。

しかし、旅のお供を何も用意しないままに家を出ることは流石に不安だったので、先日より借りていた立川志の輔『志の輔らくごBOX』を積んだ。五枚組の特大BOXで、買えば税抜10,000円という高価な代物だが、レンタルならば一週間300円で済む。はっきり言って、お得だ。あまりにお得だったので、借りる際に思わず「本当に300円でいいんですか?」と店員に尋ねてしまった。無論、店員は苦笑いを浮かべて、「大丈夫ですよ」と応えた。それで思わず、こちらも江戸っ子調に「有難ぇなあ、オイ!」と店員の肩をしたたかに叩いた……というようなことはなかったが、そのような気持ちにはなった。思っていた以上に、世の中はこちらに都合良く出来ているらしい。本当に、有難い話である。

収録されている落語は全部で九本。古典落語が六本、創作落語が三本。一枚目・二枚目あたりに収録されている噺は軽快だが、それから少しずつ重厚な噺へとステップアップしていく構成が、実に考えられている。最後に収録されている『帯久』は、最初に「面白くない噺」と紹介しておきながら、終盤のゾゾゾッとくる畳み掛けに心拍数が急上昇、まったく落語に殺されるかと思った。確かに、付録の解説にもあったが「暗い」「長い」「憎い」の三大つまらな要素が詰まった噺ではあったが、非常に面白かった。

ただ、個人的に面白かったのは、二枚目に収録されている『だくだく』『踊るファックス』の二本。『だくだく』は、金が無くて家財を買うことが出来ない男が、隣に住む先生に頼んで紙を張った壁に家財の絵を描いてもらったのだが、そこへ近視の泥棒が入り込み……という古典落語。このシチュエーションだけでもかなり笑えるが、その後の更にナンセンスな展開にただただ爆笑。演目の由来となっているくだりがカットされていた点は残念だったが、しかし面白かった。『踊るファックス』は、清水義範氏の小説『ファックス大乱戦』を元に作られた新作落語。ある薬屋のところへ間違いファックスが送られてきたのだが、その内容が「死んでやる」という物騒なモノ。そこで「送り先間違ってますよ。死ぬのはやめたほうがいいですよ」と返信したところ、ややこしいことに……という噺。薬屋の親父がだんだんと崩壊していく様が、とにかく笑える。うっかり感情的に、瞬間的に崩壊してしまうというのは、割とよくある話で……そういうリアリティがたまらなく面白かった。

五枚目が終わる頃、僕の車も自宅に帰還した。何処へも行かなかったわけではないが、今日のドライブはまるで、落語のCDを聴くために行ったようなものだった。外は土砂降り、国道は渋滞、ところどころで接触事故もあった模様。無事に帰ってこられたこと、それから落語を最後まで聴けたことに安心しつつ、次は何のCDを借りようかと考える僕であった。誰にしようか……すわっ。


・収録落語
・DISC-1
『バスストップ』(24分24秒/2000年10月31日 浜松フォルテホール)
『猫の皿』(30分49秒/2002年4月19日 横浜にぎわい座)
・DISC-2
『だくだく』(26分28秒/2000年1月6日 サントリーホール小ホール)
『踊るファックス』(32分36秒/2001年11月22日 渋谷PARCO劇場)
・DISC-3
『猿後家』(21分52秒/2002年8月29日 福岡エルガーラホール大ホール)
『ねずみ』(44分22秒/2002年8月22日 新宿安田生命ホール)
・DISC-4
『みどりの窓口』(25分38秒/2002年1月12日 サントリーホール小ホール)
『御神酒徳利』(33分14秒/1998年12月19日 神奈川県民ホール小ホール)
・DISC-5
『帯久』(56分08秒/2000年11月30日 大阪リサイタルホール)
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『JARUJARU IN LONDON』

JARUJARU IN LONDON [DVD]JARUJARU IN LONDON [DVD]
(2010/09/29)
ジャルジャル

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今をときめく若手コント師のジャルジャルが、イギリスの都市ロンドンでライブを行ったという。ロンドン。僕には縁のない街だ。ビートルズの音楽は大好きだし、シャーロック・ホームズのドラマも大好きだけれど、これから先の人生においても、僕がロンドンと関わりを持つことはないだろう。まあ、ひょっとしたら、どうなるか分からないが。人生、一寸先は闇である。目測通りに進むとは限らない。

それにしても、どうしてジャルジャルはロンドンでライブを行ったのだろう。ロンドンに思い入れがあるのだろうか。なんでも後藤はビートルズのファンらしいから、ひょっとしたらそうなのかもしれない。ただ、思い入れのある場所だからといって、わざわざそこでライブをやろうという発想にはならない筈だ。では、何故。特典映像に収録されている記者会見によると、彼らはロンドンでもファンを獲得することを目的として、今回のライブを行ったという。……なにやら、釈然としない。それならば、エンターテイメントの本場というイメージがあるアメリカでやった方が、ロンドンよりも幾らか良かったのではないか。無論、勝手な言い分である。

さて、本編を見ると、イギリス人の観客を相手に、慣れないロンドンの舞台でコントを披露する二人の姿を観ることが出来る。当然だが。二人が演じているコントのうち半分は、既に『ジャルジャルの戯』(※ジャルジャルの代表的なコントを収録したシリーズ。全三巻)で披露されたネタで、残りの半分は、『サイン長い奴』『着信あり』『くしゃみとゲップとあくび』など、初めてDVD化されたネタである。なかなかいいバランスだが、鑑賞後は深く物足りなさを覚えた。きっと、全体のネタの傾向のためだろう。

今作で披露されているコントの多くは、『ハンドイートマン』『柔道』『手押し車』などのシンプルでアクション性の強いネタだ。おそらく、ロンドンでの公演を意識して、そういった類いのネタを選択したのだろう。だが、その結果、コントライブとしては些か偏った構成となってしまった。言葉の通じない観客を相手にしている以上、それは仕方がないことなのかもしれない。ただ、それならば、落語の海外公演の様に、字幕を表示する装置を使えばいいのではないか、という気もする。……実はこのライブ、イギリス人の観客を収容しておきながら、ジャルジャルのセリフは全て日本語、その言葉にまったく解説がなされないという、なんとも不親切な演出を取っているのである。エンターテイメントの送り手として、この対応はどうなのだろうか。

どうも今作は、「ロンドンで公演を行う」こと自体が目的で、それさえ出来れば後は特に何も考えていないようなところがあった。はっきり言ってしまうと、彼らの所属事務所が「ウチの芸人はロンドンで単独公演をやった」という結果を残したくて、無理やりやらせたような印象を残したのである。もしも、彼らが本気でロンドンのファンを増やそうと考えていたのだとしたら、これから先のことも視野に入れた内容にする筈だ。その割には……どうも……。

ジャルジャルのコントライブDVDを観るのであれば、今作よりも圧倒的に『ジャルジャルの戯』をオススメしたい。今作でもネタを堪能することは出来るが、バリエーションという意味ではまったくもって宜しくない。ただ、ロンドンの観光名所ではしゃぎまわる二人の姿は、なかなか和やかで楽しげではあった。そういう一面が見たい人には、向いているかもしれない。


・本編(94分)
「ハンドイートマン」「ゲロ吐く言うて屁こく奴」「サイン長い奴」「水泳部部活紹介」「着信あり」「デッサン」「柔道」「理解不能者 ~野球部入部~」「手押し車」「ジェンガ」「ストリップ」「くしゃみとゲップとあくび」「JARUJARU IN LONDON 完全密着ドキュメント」「AIRLINE」

・特典映像(41分)
「ジャルジャルのロンドン観光」
「ジャルジャル VS ロンドンの人々」
「シチュエーションコント「監督と助監督」「写真撮影」「サイン長い奴」「タツヤとジョージ」」

・副音声
「JARUJARU LIVE IN LONDON 解説」

2010年11月の購入予定

04『JUNK 爆笑問題カーボーイDVD
04『JUNK バナナマンのバナナムーンGOLD DVD
10『根斗百烈拳2』(ハイキングウォーキング)
10『ウッチャンナンチャントークライブ2009
24『狂宴封鎖的世界「再生」』(鳥居みゆき)
24『お初~見取り図・ガスマスクガールのネタ8本 打ち上げ映像もあるんだって!?~

リリース数は少ないながらも、漫才・コント・ピン芸・トークと全体のバランスが絶妙な十一月。中でも注目は、前作からおよそ二年ぶりのリリースとなるウッチャンナンチャンのトークライブDVD。「2008年のトークはどうなったんだ?」と言いたい気持ちもあるけれど、それはとりあえず置いておいて、今はウンナンのトークライブがDVD化されることに喜びを覚えたいと思う。あと、地味にハイキングウォーキングの単独が楽しみ。前作が個人的に好きだったので、今回も期待。

『ラストベストロッチ2』

ラストベストロッチ2ラストベストロッチ2
(2010/09/22)
ロッチ

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「キングオブコント2009」および「キングオブコント2010」のファイナルステージに進出した実力派コント師、ロッチ。そのコントは常に、どうしようもない人間の情けなさを浮き彫りにしてきた。尊厳を保ちながらも、欲望に逆らうことの出来ない人間の、どうしようもない情けなさをコミカルに描き出す。それがロッチのコント観だ。

そういう意味では、ロッチのコント観はキングオブコント2009覇者である東京03のコント観に通じているといえるだろう。どちらも、人間の本質的な部分が生み出す情けなさを、コントで表現しているからだ。但し、両者には明確な違いがある。東京03はその情けなさが生み出される状況を主に掘り下げているが、ロッチはそれを表面的な所に留めて表現している。……と、このように書くと、ロッチのコントは東京03のコントに劣っていると言っているように聞こえるかもしれないが、それは違う。ロッチには、東京03が持っていない武器がある。それは、情けなさの似合うキャラクターの創作能力だ。ロッチは人間の情けなさをコントのテーマとしてではなく、キャラクターの個性として表現しているのである。

だからなのか、ロッチのコントには印象的なキャラクターが少なくない。「こんにちは根岸」「釣りのおっさん」「十文字アキラ」等のように、「爆笑レッドシアター」の定番となったキャラクターもいる。彼らはいずれも実に情けなく、十把一絡げのコントキャラクターには出せない人間の生臭さを醸し出していた。彼らは今作『ラストベストロッチ2』にも登場し、その情けない姿を見事に笑いへと昇華している。

『ラストベストロッチ2』は、2009年8月にリリースされた『ラストベストロッチ』の続編的なニュアンスの作品だ。どうでもいいが、“ラスト”なのに“2”をリリースしているあたりに、某有名ロールプレイングゲームを思い出さずにいられないのは僕だけなのだろうか。そのうち、『ラストベストロッチ ビフォアクライシス』とか、『ラストベストロッチ アドベントチルドレン』とか、『ラストベストロッチ 不思議のダンジョン』などがリリースされるかもしれない。……無論、冗談だ。

一応“ベスト”と冠しているだけのことはあって、収録されているコントの殆どはテレビで見覚えのあるネタだった。合コンに行きたくてボツの仕事を強引にアリな方向へと持っていこうとする『中ノ森先生』、大なわとびの二人目がなかなか入ってこない『大なわとび』、久しぶりに同級生からかかってきた電話をなかなか代わってもらえない『電話代わって』などは、「爆笑レッドシアター」で観た記憶がある。なお、「キングオブコント2010」決勝でも披露された『睡眠術』も収録されている。まだちょっと未完成だけど。

その中でも、個人的に最も印象に残ったコントが『大雨』だ。コンビニへと買い物へ出かけたコカドが、台風が近づいて大雨が降り注いでいる最中、野球場の前で傘を差して試合が始まる時を待ち続けている中岡を発見する……というネタである。このコントにおいて中岡は、いわゆる“ちょっと足りないヤツ”を演じている。ちょっと考えれば、大雨降り注ぐ状況下で試合が行われるわけがないと分かりそうなのに、それが分からない、そういうヤツを演じている。それを「アホ」と一言で切り捨ててしまってもいいのだが、僕はそこに妙なノスタルジーを覚えた。思えば小学生だった頃は、そういう人間が身近に存在していた。ちゃんと喋れないヤツ、言うことを聞かないヤツ、妄想の世界の中に生きているヤツ……『大雨』で中岡が演じているソイツは、まさに彼らであった。

思えば、ロッチのコントには、子どもっぽさを感じさせられる要素があちらこちらに散りばめられている。先にタイトルを挙げた『大なわとび』もそうだし、カンチョウした当人が大怪我を負ってしまう『カンチョウ』や、体育館の倉庫で「屁こいたやろ?」と言い合いになる『屁こいたやろ』(そのまま!)もそう。もしかしたら、ロッチが人間の情けない姿をあくまで表面的にコント化しているのは、それが大人を見つめている子どもの視点によるものだからなのかもしれない……と、思わなくもない。こじつけみたいだが。

前作の『ラストベストロッチ』から、およそ一年。当時に比べると、ネタの出来不出来の差が少なくなっており、コント師としての成長を確かに感じた。ただ、やっぱり長いネタが出来ない点が引っかかる。今作を見ても、本編55分に対してネタ数13本(ボーナスコント含む)と、コント一本に対する平均時間がかなり短い。もう少し、長めのコントが出来るようになれば、更にコント師として飛躍するのではないかと思うのだが……。


・本編(55分)
「こんにちは根岸(街角編)」「やってまうヤツ」「中ノ森先生」「大なわとび」「カンチョウ」「モノマネ番組への道」「催眠術」「電話代わって」「大雨」「大阪のおっさん」「屁こいたやろ」「十文字アキラ(不動産屋)」「ボーナスコント」

・特典映像(24分)
「こんにちは根岸 VS 大阪のおっさん」「モノマネ番組への道 撮影VTR」「ジャケット撮影メイキング」

『オンバト+』十月二十二日放送感想文

朝倉小松崎『漫才:怖い話』(421kb)
今期二勝目。相方の怖い話に合わせて、怖いBGMを加える。ただ単にギターでメロディを演奏するだけではなく、コンビニの入店音やマクドナルドのポテトが揚がった音などを見事に再現しているところはギタリストとしての腕を感じたが、肝心のネタのテンポが絶妙に悪い。ツッコミの間も悪かったし、ボケのタイミングもなんだか変だった。「相方のトークにBGMを加える」という手法に慣れていないだけなのかもしれない。今後、改善されるべきだろう。

Gたかし『モノマネ紙芝居』(421kb)
「ガッツ売りの少女」など、童話パロディ紙芝居をモノマネ混じりで。全ての紙芝居が猪木の登場によって破壊されていく様は妙に爽快だが、モノマネの殆どが使い古されたネタなのに対し、内容はとてもオーソドックスで、意外性という意味では些か弱かった。先日オンエアされた花香芳秋が披露した中田カウスのモノマネの様に、ちょっと変化球のネタを仕込んでいれば些か印象も変わったのではないかと思うのだが(高田延彦の登場はちょっと意外だったか?)。更なる展開に期待。

ラバーガール『コント:猫カフェ』(473kb)
今期二勝目。「キングオブコント2010」決勝でも披露された傑作。猫カフェに入った客が、店員の行動に翻弄されていく。当時観て、単独ライブDVDでも観たネタなので、特に新しさを感じることはなく。ただ、ぼんやりと眺めていた。ラジコン猫の登場後に店員が現れるとき、頭にラジコンっぽい帽子を被ってくるところが地味に好き。

ジューシーズ『漫才:悪口の誤魔化しかた』(469kb)
今期二勝目。バイト仲間と店長の悪口を言っているところに店長がやってきたとき、どう誤魔化せばいいのかを教える。トリオ漫才としてはお馴染みの、二人のボケが一人のツッコミを翻弄するスタイル。ただ、二人のボケのうちどちらが大ボケでどちらが中ボケなのか、明確に区別されていなかったことが、少なからず新しく見えた。まだまだネタが完成されていない感は否めないが、これから更に面白くなりそうな予感。次回に期待。

天狗『漫才:チャット』(481kb)
今期二勝目。パソコンが普及している時代は男女の出会いが違うという話から、チャットで出会う男女の姿をコントで。何かがどうも面白いってことはないんだけれど、なんか面白い。多分、見た目の影響が大きいのだろう。ボケ自体は割とオーソドックスで、きちんと小まめに笑わせていた印象。個人的には、終盤のしりとりのくだりがなかなか。爆発力という意味ではまだまだ弱いが、技術はある。今後の展開次第では、常連として活躍していくことも出来そう。ただ、もう一捻り欲しいかなあ。

のろし『漫才:カラオケデート』(497kb)
今期二勝目。カラオケデートの時に盛り上げたい。既存の有名曲に合わせて相方をイジるという、個人的にはまったく興味のないスタイルの漫才でゲンナリ。そういうネタを否定するわけではないけれど、このスタイルは今後の展開を感じさせられないから、どうも好きになれない。TM.Revolutionのくだりで盛り上がって、そのままネタが終わったから高記録になったみたいだけれど、こういうネタはあんまり評価しない方が……まあ、別にいいんだけれど。

・今回のオフエア
スパローズ(353kb/899票)
天津(321kb/1,192票)
キャプテン渡辺(277kb/583票)
ホタテーズ(161kb/315票)

15年目でまったく売れない漫才を披露したスパローズ、エロ要素もオタク要素もない漫才を披露した天津、マニアックなあるあるネタで勝負に出たキャプテン渡辺、見せかたがなってないが妙に惹きつけられるモノがあるホタテーズ、それぞれ漠然とオフエア。とりあえず、R-1ぐらんぷり2010で話題になったキャプテン渡辺に投票。結果、天津のネタがオンエアされることに。うーん、無難。

・オンバト+:Wエンジン『素直になれないコント』
母親参観日にやってきた義母に対して、素直になれない息子のコント。……コントか? 寸劇という意味では確かにコントなんだけど。途中まではまあまあ面白かったけれど、息子が義母に本当の気持ちを打ち明けるタイミングがあまりにも雑で、それが最後まで引っかかった。もう少し、いい流れで見せられそうな気がするのだが……。

・次回
三拍子
スピードワゴン
流れ星
パックンマックン
ペナルティ
ますだおかだ

次回は『オンバト+プレミアム』。『爆笑オンエアバトル』に所縁ある芸人たちが、ネタやゲームでバトルを繰り広げる。ペナルティとますだおかだは、どうやらこの番組のレギュラーらしい。ちなみに、スピードワゴンとパックンマックンも二度目の出演となる。仕事がないのか。またグダグダな内容になるんだろうなあ。

第十回東京03単独公演『自分、自分、自分。』

第10回東京03単独ライブ「自分、自分、自分。」第10回東京03単独ライブ「自分、自分、自分。」
(2010/09/22)
東京03

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「キングオブコント2009」覇者として知られているお笑いトリオ、東京03。彼らのことを深く知らない人は、きっと彼らをテレビでは結果の残せないダメ芸人だと認識していのだろう。そして、それは確かに彼らの一面ではある。但し、彼らのコントは、テレビでの活躍ぶりを差し引いてもお釣りが出る。コント師としての東京03は、日本人の鏡である。鑑ではない。鏡だ。日本人という民族の性質を切り取り、それを笑えるコントへと昇華させてしまう、ある種の鏡である。無論、日本人を皮肉ったジョークというのは世界中に散在しているのだろうが、彼らの客は日本人である。そこが、彼らの恐ろしい所だ。

そんな彼らのコント観は、最新DVD『東京03第十回単独公演「自分、自分、自分。」』においても健在だ。相変わらず、日本人の持つ機微で矮小で卑怯な性質を見事に笑いへと昇華している。ただ、今作でのそれらの切り取り方は、以前よりもずっとえぐいものになっていたように感じた。

これまで東京03は、弱者の視点によるコントを主に演じてきた。営業先で媚びたことを叱られてしまって逆ギレ、身体の悪いところを知りたいけど知りたくなくて駄々をこねる、友達に泥棒に入られているけれどその事実を認めたくない……そんな日本人特有の「弱者のやりきれなさ」こそが、彼らの最大の武器だった。しかし今回のライブにおいて、東京03は「弱者を装った存在」に切り込んだ。会社での失敗を落ち込んでいるフリをして同僚に奢らせるサラリーマンや、自分の失敗を謝罪せずに誤魔化して反省したフリを決め込む友人などを、笑える存在として徹底的にコント化したのである。これらのコントで「弱者を装った存在」は、純粋に悪として描かれている。

だが、考えてもみてもらいたい。これら「弱者を装った存在」としての一面を、僕らも少なからず持っているのではないか。本当に落ち込んでいる時に優しい言葉をかけられて打算的になることや、自分に都合の悪いところを上手く誤魔化してしまおうと計略的になることを、誰もが経験しているのではないか。その意味では、今作において東京03は、より日本人の生々しい部分を切り取るようになったと言えるのかもしれない(ちなみに副音声によると、前者のコントは飯塚の実体験、後者のコントは豊本自身をモデルに作られたそうだ)。

ただ、個人的に最も印象に残っているネタは、それらの傾向にあるコントではない。そのコントとは、今作のオープニングで披露された『クレーム』だ。ファミレスのオーダーが通っていないことに腹を立てた飯塚が、店員の角田にクレームを入れていると、そこに店長の豊本がやってきて、角田をクビにしてしまうコントなのだが、その後の展開があまりにも不条理というかシュールな雰囲気を漂わせており、ちょっと東京03らしくない印象を与えられたのである。どちらかというと、初期のアルファルファを感じさせられるコントだった。そういえば今作では、豊本がかつてのウザキャラをイメージさせるコントが何本か披露されている。東京03としてのコントが確立された今、かつての方法を試みる余裕が出てきたのかもしれない。

このライブを観に行った人力舎の芸人たちは口々に賛辞を述べていたと聞くが、確かにそれだけのことはあったように思う。『スモール』以降の公演としては最高の出来だった、といえるだろう。だが、まだだ。今回、更に深い日本人の本質をえぐりとった東京03は、次の公演で更に凄いものを見せてくれるような、そんな気がしてならない。これは単なる的外れな妄想なのか、それとも……。次の公演『正論、異論、口論。』に期待したい。次こそきっと、彼らのベストとなるに違いない。


・本編(114分)
「キャスト紹介「ピアノ曲『自分、自分、自分。』」」「クレーム」「主題歌「見てたじゃん」」「落ち込む同僚」「落ち込んだフリ専門学校」「自虐」「自虐VTR」「遭難」「THEギャクター01のテーマ」「恩師」「まったく覚えてない高校校歌」「誕生日」「物販(THEギャクター01のグッズ宣伝のテーマ)」「カクピーの結婚」「エンディング「石のようには転がれない」」

・特典映像(25分)
「自虐(another ver.)」「遭難(another ver.)」

キングオブコメディ第6回単独ライブ『葉桜』

キングオブコメディ単独ライブ Vol.6 「葉桜」キングオブコメディ単独ライブ Vol.6 「葉桜」
(2010/09/22)
キングオブコメディ

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日本一のコントを決定する「キングオブコント2010」が今年も無事に行われ、そして終了した。決勝戦の放送前は、こつこつとライブ活動を続けてきた東京03が優勝するという、賞レースとしてはあまりにもドラマチックな結果となった2009年大会ほどの盛り上がりを見せることはないだろうと予想していたが、これ意外に見どころの多い大会だった。昨年以上にコント師としての技量を見せたしずる、コント師の腕を如何無く見せつけて2008年大会のリベンジを果たしたTKO、ライブ中心で活動する実力派にも関わらず見事に散ったエレキコミック……盛り上がりという点においては2009年大会に及ばなかったが、翌2011年大会に対して少なからず期待を寄せざるを得ない、実りある大会だった。

それにしても驚いたのは、彼らが優勝者したことである。彼らが実力者であること、また彼らのネタが時代に不変的に過激で面白いことを考慮すると、その優勝は間違いなく妥当だ。事実、決勝戦で彼らが披露したコントは他のコンビに比べて理想的に面白く、決勝進出者の中では最も“優勝”に相応しい存在だった。ただ、彼らが優勝者、“キングオブコント”になったと言われると、どうしても違和感を覚えてしまう。何故ならば、彼らの名前はキングオブコメディ。キングを名乗っているコンビが、本当にキングになってしまうだなんて……まあ、こちらの勝手な言い分でしかないで、どうでもいい話ではあるのだが。

今作は、キングオブコメディが2010年4月に行った単独ライブ、「葉桜」を収録した作品だ。キングオブコントの決勝からおよそ五ヶ月前に行われた単独ライブだが、決勝で披露されたコントは一本も演じられていない。全て新ネタ、いずれもテレビでは披露したことのないだろうネタばかりだ。とはいえ、幾つかのネタは過去のネタを発展させたように見えた。

例えば『ホームラン』。これは野球選手の高橋が試合でホームランを打った日、終了後に頭に包帯を巻いたファンの今野に言い寄られるというネタで、彼らが「爆笑レッドカーペット」で披露していた『高橋とファン』のネタを発展させたもの。個人的に印象的だったのは、特典映像として収録されている『就職祝い』。就職が決まった高橋のお祝いに今野が夕飯を奢ってやろうとするのだが、様々な理由によってどんどん断られていくネタだ。高橋の性格が偏っているキャラクターが、何処となく前回の単独ライブ『誤解』で披露されたコント『出張』を彷彿とさせた。キングオブコメディといえば今野の強烈なキャラクターが中心になっているイメージが強いが、実は高橋をボケ役に回したコントの方が味がある。こういうスタイルの彼らも、もうちょっと世間に認められてくれると嬉しいのだが。ちなみに、このコントの高橋のキャラクターには、実はモデルが存在しているという。そのモデルはとある若手芸人なのだが……それが誰なのかは、副音声で確認してもらいたい。

ただ、今作では舞台で披露されているコントよりも、幕間に収録されている映像の方が面白かったように思う。今野が“世界はじめてさん”となって、「ザリガニのハサミで鼻毛を切る」「ポップコーンを手を使わずに食べる」など、世界で初めてのことに挑戦する『世界はじめてさん2010』、高橋が俳優になりきってただ退屈な散歩をするだけだと思いきや最後に大どんでん返しが待っていた『高橋のぶらりひとりさんぽ』、滑舌が悪いことで知られている高橋の発声を音声認識ソフトで確認する『高橋のカツゼツを検証してみよう2010』。いずれも実に下らなく、可笑しかった。これらの映像から察するに、キングオブコメディは芸人としての演技だけではなく、テレビ芸人としての才能もあるようだ。今後、如何無く発揮してもらいたい。

彼らのコント師としての才能とタレントとしての技術を確認できる今作。本編が些かボリューム不足な点と、コント『映画館』がちょっと冗長になってしまっている点は否めないが、テレビなどでキングオブコメディの存在を認識している人ならば、きっと楽しむことが出来るだろう。ただ、やっぱりボリューム不足の感は否めない。ライブ本編をDVD本編と特典映像に分けているためだろう。ひとまとめにしておけば、もう少し満足感の得られるボリュームを感じられることだっただろう。むう。


・本編(73分)
【A-SIDE】「オープニング」「違和感」「ホームラン」「犬の糞」「映画館」「エンディング」「鯉」
【B-SIDE】「世界はじめてさん2010」「高橋のぶらりひとりさんぽ」「世界はじめてさん2010 Part2」「高橋のカツゼツを検証してみよう2010」「高橋のカツゼツを検証してみよう Part2」

・特典映像(32分)
「ジョパネットたかはし」「就職祝い」「その後の『世界はじめてさん』」「学級会(2005年 第3回単独ライブより)」

『オンバト+』十月十五日放送感想文

フラミンゴ『コント:女疑惑』(509kb)
今期二勝目。幼馴染の友人を女なのではないかと疑い出した二人が、実際に当人を問い詰める。尾崎豊の歌で始まる唐突さや、女疑惑を向ける証拠の弱さは否めないが、いざ問い詰める作業が始まると、その辺りの細かいことがどうでも良くなった。テンポの良さと演技力の確かさで、後半を一気に駆け抜けていった印象。二人が辻本に惚れてしまうくだりは、ちょっと『おぼっちゃまくん』を思い出した(補:茶魔が女になってライバルの金持ちに惚れられる話があったのだ)。

えんにち『漫才:喫茶店』(497kb)
今期二勝目。喫茶店でバイトを始めるアイパー滝沢が本当に接客業が出来るのか、コントで検証する。ガラの悪いキャラクターがすっかり定着しているアイパーだが、どうしてここまで安定して面白いのか。キャラクターを演じるタイプの漫才師としては、かなり長持ちしている方なのでは。前半はいつものえんにちスタイル、後半はテンポと動きでダイナミックに。この構成もなかなか上手い。

ブロードキャスト『漫才:子どもの相手・温泉』(421kb)
今期二勝目。そろそろ子どもが欲しいという房野に、子どもの相手は難しいという吉村。試しにコントでやってみる。ここの漫才はいつも、観ているときはそこそこ面白く感じられるんだけど、観終わったら記憶に残らないんだよね。ある意味、理想的ではある。シチュエーションとかあんまり関係無く、とにかくボケを詰め込むスタイルだからだろうな。でも、以前はもうちょっと印象に残る何かをしようとしていた筈だけれど。諦めたのかしらん。

バイきんぐ『コント:コンビニ強盗』(485kb)
コンビニに強盗がやってきた。ところが、そこに強盗が入ったのは、今日二回目のことで……。結成十五年目で初めて「オンバト」に挑戦、そして初オンエアという。珍しいなあ、こういうの。本日二度目の強盗がやってきたという状況に不貞腐れているバイトが、いい塩梅に狂っていていい。ところどころ雑なんだけど、基本軸がしっかりしてたから気にならず。最初から最後まで面白かった。演技力の無さも、このネタではプラスに働いたかな。次回のオンエアにも期待!

エレファントジョン『漫才:マナーを守れない人』(389kb)
今期二勝目。加藤が話す「マナーを守れない人」についての話を、妙な相槌で応えるガッテン森枝の漫才。前回のネタもそうだけれど、やっぱりナイツっぽい。その時は「ボケが流されやすい」と書いたけど、今回のネタはボケが全体の流れを切っていて、ちょっと落ち着かなかった。このスタイル、自分たちのモノに出来れば強そうだけれど、なかなか難しいシロモノかもしれない。

・今回のオフエア
どぶろっく(385kb/697票)
Wエンジン(377kb/801票)
アナログタロウ(281kb/556票)
劇団イワサキマキオ(269kb/657票)
浦添ウィンドゥ(205kb/214票)

微妙に知名度のある名前が並ぶ。いつものスタイルとはちょっと違うタイプのネタで勝負に出たWエンジン、逆にお馴染みのネタで挑戦してきたアナログタロウ、独自のコント観で今回も挑んできたらしい劇団イワサキマキオ(現かもめんたる)など、気になるところも多かった。最終的にどぶろっくに投票したが、結果はWエンジン。泣けるネタらしい。

・オンバト+:パンサー『メダル』
陸上で金メダルを獲った二人に対して、卑屈な態度を取る銅メダル。メダルを使ったモノボケに次ぐモノボケに、終始ニヤニヤ。ただ、「金メダルが銅メダルをイジる」という構図がどうもネガティブで、心から楽しみにくい。それでも終盤、ちょっと感動路線の流れがあったけど、結局陰鬱な感じのオチに。あの部分を直していれば、もっとボールが入ったんじゃないかなあ。

・次回
朝倉小松崎
キャプテン渡辺
Gたかし
ジューシーズ
スパローズ
天狗
天津
のろし
ホタテーズ
ラバーガール

朝倉小松崎、ジューシーズ、天狗、のろし、ラバーガールが二勝目を狙う。注目は、R-1ぐらんぷり2010準決勝のステージを大いに沸かせたと評判のキャプテン渡辺、R-1ぐらんぷり2010決勝のステージでモノマネ芸を披露したGたかし、レッドカーペットからの出戻り組天津。個人的には、天狗がちょっと気になる。

バカたちの饗宴

エレ片コントライブ ~コントの人4~ [DVD]エレ片コントライブ ~コントの人4~ [DVD]
(2010/12/15)
エレキコミック片桐仁

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キングオブコント2010決勝で八位になっちったエレキコミックと、キングオブコント事実上の最下位(出場してないから)コント師ラーメンズの片桐仁によるユニット「エレ片」によるコントライブ「コントの人」第四弾がDVD化されることが決定した。これまでユニットとは思えないほどに一体感のあるコントを見せつけてきたエレ片、今回のライブでもきっとサイコーに面白いネタを見せつけてくれるに違いない。……なお、あの『シトラスラベンダー』の第二弾も収録されているとか、なんとか……。

・その他のリリース
1201『たけし・さんまの有名人の集まる店

『東京ポッド許可局』を読んだ

東京ポッド許可局 ~文系芸人が行間を、裏を、未来を読む~東京ポッド許可局 ~文系芸人が行間を、裏を、未来を読む~
(2010/09/24)
マキタスポーツプチ鹿島

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『東京ポッド許可局』が見つからない。そういう場所があるのではない。本のタイトルである。近隣の書店を虱潰しに探したのだが、何処の店にも置かれていない。まるで、そんな本など存在しないかのようだ。そう、実は『東京ポッド許可局』などという本などは出版されておらず、ネット上に名前だけが存在している都市伝説の様なものだったのだ……などということはなく、ちょっと都会の方に足を伸ばしてみたら、ごく当たり前の書店で発見することが出来た。有無を言わずに購入、ササッと読み終えた。

先にも書いた様に、『東京ポッド許可局』という場所は存在しない。だが、『東京ポッド許可局』は存在する。ポッドキャストで配信されているWEBラジオのことだ。お送りしているのは、“文系お笑い芸人”を自称する三人のポッド局員たち。「心根模写一代男」マキタスポーツ、「ガムなんていらないよ、夏」プチ鹿島、「芸人、アニオタ、ときどき講師」サンキュータツオ、以上だ。本書は、過去に『東京ポッド許可局』で配信されたやりとりをテキスト化し、更に“注釈芸人”プチ鹿島による注釈、三人のコラムを加えて収録した一冊である。また、おまけとして、三人のトークを録り下ろしたCDも付いている。余談だが、このCDは本を読むのにちょっと邪魔だった。巻末ではなく巻頭に付けるべきだったと思うのだが……むう。

本書において、ポッド局員の面々は実に様々なトークを展開している。時に「すべらない話」を東西のお笑い観の違いという観点から解体し、時に矢沢=たけし・長渕=鶴太郎と仮定し両者の差異を分析し、時に泣けることを自称する映画を「排泄映画」とカテゴリ付けする。いずれも非常に興味深い話ばかりだ。お笑いフリークの間で少なからず話題となった「手数論」の回も収録されている。当時、この考えに興味を持った人には、本書にのみ収録されているタツオ局員によるコラム「手数論その後」も是非読んでもらいたい。M-1グランプリ2009がしっくりこなかった僕は、このコラムを読むことで憑る物が落ちたかのようなスッキリした気分になれた。……別に除霊効果があるわけではない。

中でも興味深かったのは、鹿島局員の話に端を発する「おすそわけガム論」だ。食後の時にガムを配ることが出来ない鹿島局員は、屈託なくガムを配ることの出来る人に憧れるという。「どうしてこの人は相手が自分のことを受け入れてくれるはず、と思って自分のものを屈託なく配れるんだろう?」と思うのだそうだ。僕もやはり、ガムは配れないタイプだ。まあ、そもそも僕にはガムを持ち歩くという習慣がないのだが、もしあったとしても配ることはないだろう。一度だけ、なんとなしにアメを配ってみたことがあったが。あの時は「断られても、まあ別にいーや」みたいな気持ちだったな、そういえば。

その後、話は「お土産を貰う瞬間は気を遣う」「吉本やジャニーズの脚力は凄い」などの話を経て、田舎論に突入する。ここのくだりが、広島の大学から地元へとトンボ帰りし、地元で生活する人たちとのコミュニケーションを余儀なくされた自分の経験と見事に合致していて、目から鱗がポロポロと落ちた。以下、引用する。

鹿島「じいちゃんの家に行くと、必ず「バナナ食べな」なんて言われて。いや、バナナいらないんだよ(笑)。食わないでいると、帰るときに持たされちゃったりして(笑)。【略】」
マキタ「もらって嬉しくない人がいるはずないと信じているんだ。ある種の宗教だよね」
鹿島「中学生の頃、じいちゃんの家に行くと、必ずサイダーを出されていたんだよ。俺、別に炭酸とか好きじゃないんだけど、「はい、サイダー」って(笑)。【略】行くたびに条件反射のように出てくるから、それを美味しそうに飲む、ということを繰り返すんだよ。それに疲れちゃってさ」
タツオ「儀礼的になっちゃんてるんだ」
マキタ「田舎の人って、一度決まったことはなかなか動かせないんだよな。俺もミカン好きなキャラだったもん」
【略】
マキタ「でも、田舎のほうはびっくりするぐらい固定されてるよ?」
鹿島「「あの人は○○の人」とキャラ付けされてるね」
マキタ「そうじゃないと、回らないんだろうな。鹿島局員は田舎ではバナナの子なの?」
鹿島「バナナとリンゴの子。【略】」


世の中には、生きていく上で知っておかなくてはならないことと、知らなくても特に問題のないことの二つがある。そして本書は、間違いなく後者に当たる。読んだところで、「何の意味もない!何の意味もない!」と小島よしおが更新する行為と同じくらい、知らなくてもいいことを知るだけだ。だが、やってはいけないことをあえてやってみせる“悪性のエンターテイメント”の様に、本書は魅力的だ。知らなくてもいいこと、必要のないことほど、面白い。だから本書は、間違いなく面白い。オススメです!(余:『シネマハスラー』と一緒に買いました)

ラバーガールソロライブ『キャット』

ラバーガール ソロライブ「キャット」ラバーガール ソロライブ「キャット」
(2010/09/22)
ラバーガール

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今作は人力舎の若手コント師、ラバーガールによる五度目のソロライブを収録したものだ。“若手コント師”という呼び名がすっかり板についているが、実は彼ら、来年の2011年には結成十年目を迎える。とどのつまり、人力舎では彼ら以降のコント師が育っていないということなのだろう。このところ注目されつつあるエレファントジョンや鬼ヶ島は、芸歴でいうと彼らよりも先輩に当たるので、除外される。今でこそ「コントの人力舎」と呼ばれているが、いつの日か他事務所にこの名誉をかっぱらわれてしまう可能性も否めない。後輩芸人、精進したまえよ。

そんなこんなで、人力舎の人気若手コント師としてとりあえず奮闘せざるを得ないラバーガールだが、今作を見たかぎりでは、そのコント師としての実力は着実に上がっているようだ。まあ、これは前回のソロライブ「さよならインドの空に」の時にも感じたことなのだが。ここ数年、彼らは良い意味で肩の力が抜けたコントを演じられるようになってきたように思う。以前の彼らは些かマジメ過ぎた。今もちょっとマジメ過ぎるところがあるが……それ以前の彼らは、今よりもずっと肩に力が入っていた。

初期のラバーガールは、今のようにボケとツッコミがはっきりと明確なコントではなく、ボケとツッコミがきちんと分別されていないコントを演じていた。さっきまでボケ役だと思われた人物が、今度はツッコミ役になり、しかし再びボケ役になる……といった具合のコントだ。これがまあ、実に退屈だった。面白くなりそうな雰囲気はあったのだが、結局はグダグダでどうしようもない不定形なコントでしかなかったのである。しかしその後、彼らは飛永が進行役・大水が解説役を演じる「進行と解説」フォーマットという、自らの笑いを提示するために最も適した形を発掘する。この「進行と解説」フォーマットの発掘は、彼らのコントをこれまでよりもずっとクオリティの高いネタへと進化させた。

その後、ラバーガールは「進行と解説」フォーマットを使用し、様々なコントを生み出してきた。それらのコントによって、ラバーガールの評価を格段に向上させた。しかし、いつも同じパターンでは、どうしても飽きが生じてしまう。その時、彼らは気付いた。「進行と解説」フォーマットは、進行役の飛永が解説役の大水によるボケを受け入れつつも引き離すという、独特の距離感が持ち味となっているが、これと同じ状況になるのであれば、「進行と解説」フォーマットをシチュエーションコントに置き換えることが出来るということに。彼らの目論見は見事に的中する。ラバーガールは「進行と解説」フォーマットと同様のクオリティを、シチュエーションコントでも維持することができることを証明したのである。彼らのコントから力が抜けてきた原因は分からないが、そのうちの一つはコレだろうと勝手に推測している。確認が取れないので、結局は推測レベルに留まるのだが。

とにかく、今のラバーガールは程々に力が抜けた、しかしマジメなコントを作れるようになった。今作でも、彼らのいい塩梅のコントが華麗に披露されている。二人が某有名ミュージカルっぽいダンスを披露するオープニングコント『キャット』、大水が奇妙な客を演じて店員役の飛永を翻弄するコント『自分への誕生日プレゼントを買いに来たヤツ』、飛永演じる男が大水の経営する別れさせ屋に依頼を持ち込むロングコント『別れさせ屋』など、マジメにバカなコントが目白押し。中でも、キングオブコント2010決勝でも披露されたシチュエーションコント『猫カフェ』の出来は、やはり秀逸。効果音や小道具もバツグンの効果をもたらした、非常に出来のいいコントだった。ちなみに、個人的にはキングオブコント2010で披露されたバージョンの方が、出来が良かったように思う。ヒマがあれば、見比べてもらいたい。

これまでにリリースされたラバーガールのソロライブDVDの中でも、今作は最も素晴らしい作品だ。ただ、それはあくまでも現時点においての話でしかない。彼らはまだまだ面白くなることが出来る。いや、面白くならなくてはならない。キングオブコメディや東京03という先輩に負けず劣らない才能が、彼らの中にも眠っている。この考えに派何の根拠もない。単なる予感である。だが、彼らがそうなってくれることに、僕は多大に期待したい。どうにかこの期待に応えてもらいたいものだが……果たして。

最後に余談。実はラバーガールは、前回のソロライブ『さよならインドの空に』から、かつてのボケとツッコミがきちんと分かれていないコントをこっそりと復活させている。今作でいうところの『再会』がそれだ。相変わらず出来は良くないが、あの頃のコントと比べると、幾らか笑えるネタにはなっていた。ここに彼らの更なる進化のヒントが隠されている気がしないでもない……こともない。


・本編(66分)
「キャット」「オープニング」「自分への誕生日プレゼントを買いに来たヤツ」「猫カフェ」「汚いヤツ」「作家」「再会」「別れさせ屋」「エンディング」

・特典映像(18分)
「Yahoo!知恵袋に聞いてみた」「本当にあった怖い話」「飛永 利き酒に挑戦」

・副音声
ラバーガールによる全編のネタ解説

バナナは砕けない

DIAMOND SNAP [DVD]DIAMOND SNAP [DVD]
(2010/12/15)
バナナマン

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バナナマンが2010年8月に行った単独ライブ「DIAMOND SNAP」のDVD化が決定した。バナナマンの単独ライブがDVD化されるのは、昨年12月にリリースされた「wonder moon」以来、およそ一年ぶりのこと。前作ではファンタジックな世界観を舞台で表現していた彼ら、今作では一体どのような世界観の笑いを表現しているのか。そのDVDで体感してもらいたい。

『中央モノローグ線』(小坂俊史)

中央モノローグ線 (バンブー・コミックス)中央モノローグ線 (バンブー・コミックス)
(2009/10/17)
小坂俊史

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JR中央線沿いの街で生活する女性たちの日常を描いた四コマ漫画。描かれているネタのほぼ全てが彼女たちのモノローグで構成されていて、四コマ漫画というよりはそれぞれのキャラクター達によるエッセイという印象。小坂俊史氏の四コマ漫画を読んだのは今回がほぼ初めてだったのだけど、ここまで面白いとは思わなかった。ただ、ここでいう面白いっていうのは、いわゆる笑えるという意味の面白さではなく。彼女たちのモノローグの生々しさ、流れていく日々から脱したいというある種の必死さ、それらに伴う哀愁、そういう意味での面白さ。こういう面白さを匂わせる四コマ漫画は見たことがなかったので、、ちょっと衝撃を受けてしまった。オススメです。

『オンバト+』十月八日放送感想文

ハライチ『漫才:旅行に行きたい』(485kb)
今期二勝目。「青い空」「流れる雲」などの旅行先を思わせるフレーズが、どんどんボケへと変貌を遂げる。“旅行先の状況”を思わせるボケから、だんだんと破綻していく展開で、まさにハライチのノリボケフォーマットに沿った漫才。中盤、何故か格闘技のルールっぽいボケが入るのも、構成として上手い。ただ、このパターンはもう頭打ちの様な気が。ここからどう崩していくか、そこが気になるところ。

弾丸ジャッキー『ショートコント』(473kb)
体操選手と自衛隊のショートコント。やっていることはいつもと同じだが、彼らの様にスタイルが明確だと地方ではウケやすいのだろう(今回は北海道収録)。ただ、携帯電話を擬人化するコマーシャルをパロったネタは、なかなか新しかった。以前から思っていたことだけど、このコンビはもうちょっと自衛隊の部分を引き延ばしても良いような気がする。それじゃダメなのかなー。

アームストロング『漫才』(469kb)
「ちゃんとアルプス一万尺ができない」というしゃべくり漫才から、「鮭の夫婦」「鶏の親子」を演じる芝居(非漫才コント)へ。「アルプス一万尺」のくだりはいつものアームストロングらしい、ちょっとサディスティックな流れ。後半の芝居パートは、一つ絶対にウケるボケに向かってきちんとした芝居を演じるという、フリとオチがきちんとしたショートコント。それぞれ出来は良かったが、小さいネタを細切れにして出されたような味気無さも感じた。もうちょっとボリュームが欲しいなあ。

花香芳秋『モノマネ:オードリー若林の相方』(441kb)
オードリーの若林が春日に替わる相方を探す。ピン芸のモノマネ師がオンエアされるのは、くじら以来か? コンビならダークホースっていうのもいたけど。「武田鉄矢に品の無いことを言わせる」というベタなボケが飛び込んできたときはどうなるかと思ったが、その後の中田カウスにしてやられた。あそこまでカウス師匠をバカバカしくイジられる人って、あんまいないんじゃないだろうか。

あどばるーん『漫才:青森弁で早口言葉』(489kb)
北国出身のコンビ、ここで初オンエア。有名な早口言葉を青森弁で言うたびに拍手が起こるという、完全にホームの空気でネタ披露。そりゃオンエアにもなるよなって話。一方、本来のボケ部分があんまりウケていないという、なんとも残念な状態に苦笑い。これをきっかけにオンエア戦線に躍り出る可能性も否めないが、果たして。

・今回のオフエア
パンサー(389kb/1,705票)
スーパーマラドーナ(381kb/1,474票)
トップリード(317kb/561票)
名刀長塚(245kb/318票)
カジ(185kb/244票)

今期二度目のオンエアを目指して挑戦したパンサー、スーパーマラドーナ、トップリードが軒並みオフエア。これだから地方収録はどうなるか分からない。特にトップリードは、「爆笑オンエアバトル」時代から八連勝中、前回のオンエアでは初のオーバー500を記録していたこともあって、非常に意外な結果に。視聴者投票の結果、六位のパンサーが順当に+1決定。

・オンバト+:平成ノブシコブシ『漫才』
これまでボケを演じていた吉村がツッコミ(?)となって、一方的に「鶴の恩返し」を始める徳井のボケを破天荒にツッコんでいく。漫才コントが始まったかと思ったら、中盤はボヤキ漫才になるという奇妙な構成に唖然。二人の立場があやふやで、談志師匠の言葉を借りるなら「型崩れ」になってしまっていた。内容以前の問題なので、改めて作り直してきてもらいたい。話はそれから。

・次回
アナログタロウ
裏添ウィンドゥ
エレファントジョン
えんにち
劇団イワサキマキオ
Wエンジン
どぶろっく
バイきんぐ
フラミンゴ
ブロードキャスト

地味な様な個性的な様な、よく分からない面々。エレファントジョン、えんにち、劇団イワサキマキオ、フラミンゴ、ブロードキャストが今期二勝目を狙う。注目は、R-1ぐらんぷり2010サバイバルステージに進出したアナログタロウと、「爆笑レッドカーペット」出戻組のWエンジン。誰がどうなるか分からない今回、果たしてその結果は?

インパルス単独ライブ『村雨~むらさめ~』

インパルス単独ライブ「村雨~むらさめ~」[DVD]インパルス単独ライブ「村雨~むらさめ~」[DVD]
(2010/09/22)
インパルス

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先に断っておくが、僕は決してアンチ・インパルスなわけではない。インパルスのコントは、彼らが「爆笑オンエアバトル」で初めてオンエアを獲得した時から鑑賞し続けているが、それから一度も嫌いになったことはない。むしろ、好きだ。「キングオブコント2009」決勝で総合四位だったことに、ちょっと納得していないくらいには、好きだ。もうちょっと一本目のネタの点数が高くても良かったんじゃないかな、とか未だに思っている(八組中六位だった)。要するに、ファンというほどではないけれど、割とその芸風を支持している、というポジションだと思ってくれればいい。そのことを踏まえて書くが、今回のインパルス単独ライブ『村雨~むらさめ~』……実に良くなかった

まあ、そもそも期待し過ぎていた、ということはあるのかもしれない。コンビとしては四年ぶりとなる単独ライブ、しかも全てオリジナルコントという情報に、少なからず興奮していたことも確かだ。だが、それは無理というもの。何故ならば、このライブが行われたのは、彼らが「キングオブコント2009」決勝の舞台で四位という微妙な結果に終わってしまった、そのおよそ半年後の2010年5月だからだ。来る「キングオブコント2010」に向けて、さぞ気合の入った新作コントが観られるものだと期待しない方がおかしいというものではないだろうか。……などと書くと、「まあ、素晴らしいとまではいかなくても、インパルスほどの実力者なのだから、決して酷いコントを見せるようなことはないだろう」と考える人もいるだろう。僕もそう思っていた。そして、確かに酷くはなかった。酷くは。

とりあえず、僕が今作を鑑賞した時の状況を、文章で再現してみよう。まず、今作を手にして、DVDプレーヤーに挿入する。テレビからそこそこ離れた定位置に座り、メニュー画面が表示されるのを待つ。しばらくすると、雨に打たれているインパルスの二人の姿が背景にあるメニュー画面になるので、「本編再生」を選択する。すると、テレビには、何の前フリもなく、オープニングコントが映し出される。

コントのタイトルは『コンビニ強盗』。板倉が務めるコンビニに、堤下扮するストッキングを被った強盗が押し入ってくるという、定番のシチュエーションコントだ。「キングオブコント2009」決勝のステージで優勝者の東京03が演じていたコントと同じシチュエーションであることに、こちらは興奮を隠せない。板倉は堤下に素直にお金を渡すが、堤下が帰ろうとするたびに板倉はストッキングをグイッと引っ張って呼び止める。インパルスのコントでは定番の、板倉が堤下をおちょくるタイプのネタだ。

しかし、これはあくまでもオープニングコント。決して長々と演じられるものではない。そこで、テキトーなところでオチが来るに違いないと思い、だらだらとやりとりを眺めていたのだが……いっこうに終わる気配がない。二人のやりとりは延々と続き、気付けば、このコントが終わるまでに10分が経過していた。今作の本編時間が約100分であることを考慮すると、オープニングコントに全体の十分の一の時間が費やされたことになる。これは流石に長いしダレる! しかもやっていることは、ずっと強盗のストッキングいじり! これでは、本編が始まる前に集中力が切れてしまう! というか、実際に切れてしまった。

そしてまた、こういうタイプのコントがひたすら続く。雨の中、聞き込みをしている刑事が、とある老人にビショビショにされてしまう『雨宿り』。とある科学者にあるお願いにやってきた女性のやりとりを描いた『科学者の誇り』。放送室に立てこもった二人の学生が、学校に対する文句を喧伝しようとするのだが……『大人たちへ』。いずれも確かにインパルスならではの味わいがあるコントなのだが、とにかく長くてグダグダしている。ただ長いだけならいい。むしろ、単独ライブで披露されるようなコントは、テレビや他所のライブのように時間が制限されることもないので、長くなって然るべきだろう。でも、展開がグダグダしてはいけない。当然のことだが。

唯一、自身が務めるレストランに有名な女性タレントがやってきたことで舞い上がったコックが、急にデキる男をアピールし始める『ランチタイム』、これは本当に面白かった。デキる男に見られたいコックの態度が次から次へと変化を遂げていく展開が、とにかく素晴らしい。まあ、他が良くないから、これがやたらと良く見えているだけなのかもしれないが。……いや! 面白かった。このネタに関しては、本当に面白かった。オーソドックスなインパルスのコントというような印象を与えられた。……このレベルのコントが作れるのに、どうして他のコントはああもグダグダだったのかなあ。

ただ、それでも最後のコントが良ければ、まだ納得できたと思う。「終わり良ければ全て良し」という言葉もあるわけだし。ところが……うん。逃走する殺人犯がテーマになったブラック要素の強く、いかにもインパルスらしい設定でありながら、途中から完全にグダグダになってしまうし、全体のコントを総括するという構成も雑だし(というか、この構成を成立するために全体がガタガタになっちゃっている)、壁にペンキを塗ったり貼りつけたりする展開もまったく効果的じゃない。はっきり言って、下手に構成を凝ったものにせずに、普通にネタだけやってる単独ライブにしたほうが、よっぽど不満の残らない内容になっていたのではないかと。

「キングオブコント2009」決勝に進出したことからも分かるように、インパルスが現在の日本において有数のコント師であることは間違いない。だからこそ、今作の出来は非常に残念だった。先に書いた様に、期待し過ぎていたというのもあるんだけれど、それにしてもちょっと……うーん。


・本編(100分)
「コンビニ強盗」「雨宿り」「科学者の誇り」「ランチタイム」「妖刀村雨」「大人たちへ」「SEVEN」

・特典映像(37分)
「謎の生き物を追え!!「ドキュメント!ニッポンの闇~森からの使者~」完全版」「インパルスによる「場内アナウンス」舞台裏」「ツツミシタ楽屋に出没!」「ツツミシタの生態」
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

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https://twitter.com/Sugaya03

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