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『笑芸人 しょの世界 プロも使えるネタノート』(高田文夫)

笑芸人 しょの世界 プロも使えるネタノート (双葉新書)笑芸人 しょの世界 プロも使えるネタノート (双葉新書)
(2010/11/17)
高田 文夫

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放送作家であり、「ビートたけしのオールナイトニッポン」の構成作家としても知られている演芸プロデューサー、高田文夫先生(“しぇんしぇー”と読む)が『EX大衆』に連載していたコラムを集めた新書本。堀井憲一郎、吉川潮あたりが新書本を出版した時もそれなりに驚いたものだが、高田先生が新書を出す日が来るとは思わなかった。……まあ、どうしてそう思ったのか、その理由はないのだけれど。

本書に収められているのは、全て芸能に関する小噺。それ以上でも、以下でもない。時に批判的、過激、毒の要素を多分に含むこともあるが、基本的には何も考えずに笑えるような他愛のないものばかり。新書本としては珍しく、何かを学習できるような内容ではない。どちらかというと、四コマ漫画の単行本に近いか。適当なところまで読んで、適当なところで止めることができる。全身の力を抜いて、ただゲラゲラと笑う。それが本書だ。

それにしても、この力の抜け加減はなんなのだろうか。文章を書こうとして書けるコラムではない。とはいえ、喋り言葉をそのままコラムにしているだけでもない。これまでに培ってきた文章家としての能と、“立川藤志楼”という名で高座に上がることもある芸人としての才が、上手い具合に混合しているようなコラムである。真偽の程が定かではないネタも、また絶妙。「私は差別と黒人が一番嫌いだ」という有名なジョークが、実は先代の円楽師匠によるもの……というネタは、完全に事実だと思いこまされてしまった(藤志楼として高座でネタにしていた、とTwitterで教えてもらった。ただ、実はもっと以前から存在しているジョークなのかもしれない)。

漫才師、コント師、喜劇役者に関する小噺が多く取り上げられているが、中でも面白かったのは落語家に関する小ネタ。本書では、先代の三遊亭円楽、林家木久扇(&二代目林家木久蔵)、立川談志(&談春・志らく)などの落語家たちがネタにされているが、その中でもやはり印象的なのは笑福亭鶴瓶に関する話。テレビにおいても、その芸人としての立派な芸歴に対し、よゐこ有野やオセロ松嶋などの若手芸人たちから軽率に扱われるという独特のポジションをキープし続けている鶴瓶師だが、その裏では更に濃密なキャラクターを発揮しているようだ。

最後に、本書で最も面白かった鶴瓶師に関するエピソードを、そのまま抜粋して今回の感想文を終了したいと思う。こういう話が好きな人なら、本書は間違いなく必見!

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最近観た映画の感想など

かずら [DVD]かずら [DVD]
(2010/06/16)
三村マサカズ、大竹一樹 他

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頭が薄いことを気にしているサラリーマン森山茂(三村マサカズ)が、東京への出張を機に怪しいカツラ店「大和田カツラ」(店主の大和田を大竹一樹)で作ったカツラを被って生きていこうと心に決めるコメディ映画。カツラを被っている人たちならではの苦悩をコミカルに描いていて、なかなか面白い。森山を中心としたストーリーが展開する一方で、ちょこちょことカツラ愛用者たちの体験談を挟み込む演出も、斬新といえば斬新。ただ、終盤の展開はあまりにも陳腐。作り手の「こうすれば感動するんでしょ?」というニヤケた表情が見える、なんとも残念なエンディングを迎えていた。途中までは良かったんだけれどなあ……。

ホッタラケの島 ~遥と魔法の鏡~ ファミリー・エディション [DVD]ホッタラケの島 ~遥と魔法の鏡~ ファミリー・エディション [DVD]
(2010/02/26)
綾瀬はるか、沢城みゆき 他

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人間がほったらかしにしたものを盗んで生活を送る者たちの世界へ、幼い頃に今は亡き母から受け取った大切な手鏡を見つけるため、女子高生の遥が奮闘するフルCGアニメ。異世界へ探し物を見つけに人間がやってくるストーリーや、“ホッタラケの島”の造形を見ていると、なんとなく『とつぜん!ネコの国 バニパルウィット』(なかむらたかし監督)を彷彿とさせられた。影響を受けたのだろうか。脚本に乙一が関わっていると聞いていたために、やたらとハードルを上げてしまっての鑑賞だったが、それなりに楽しく見られた。ホッタラケの住民たちが何者なのかは分からないままだったのが、些か引っ掛かったが。ところで、遥の服装はどうにかならなかったのだろうか。ミニスカでパンチラしまくっていたぞ。短パンでも履かせておけば良かったんじゃないか?

サマーウォーズ [DVD]サマーウォーズ [DVD]
(2010/03/03)
神木隆之介、桜庭 ななみ 他

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インターネット上に“オズ”と呼ばれる壮大な仮想世界が存在している世界を舞台に、“数学オリンピック代表にあと一歩のところで届かなかった高校生”小磯健二が、“校内のアイドル的存在”篠原夏希に頼まれて訪れた彼女の実家で、世界に関わる大事件に巻き込まれてしまうアニメーション映画。監督が『時をかける少女』を大ヒットさせた細田守だということもあってか、両極端な意見が多く認められたように思うが、個人的には傑作と断じて問題無い。夏の描写、キャラクターたちの個性、ネット世界の緊張感など、色々な点において惹きつけられた。ただ、仮想世界での問題が人類存続の危機へと繋がっていく展開には、ちょっと置いてけぼりを食らったような気も。いきなり核がどーこー言われても……ねえ?(一応、フリはあったけれど)

『ウッチャンナンチャントークライブ2009 ~立ち話~』

ウッチャンナンチャントークライブ2009~立ち話~ [DVD]ウッチャンナンチャントークライブ2009~立ち話~ [DVD]
(2010/11/10)
ウッチャンナンチャン

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2003年9月26日。とある一本の番組が、静かに息を引き取った。金曜日の午後11時から放送されていた同番組は、日々の生活に疲れ切っていたサラリーマンや主婦たちの心を安らかに包み込むかの如く、無意味で緩い内容のロケーションを展開していた。その番組の名は「ウンナンの気分は上々。」。ダウンタウン・とんねるず等とともに“お笑い第三世代”として高い人気を集めたお笑いコンビ、ウッチャンナンチャンが自然体でロケに臨む姿を映した同番組は、放送が開始されてからおよそ七年間に渡り、高い人気と確固たる視聴率を獲得し続けてきた。そして、放送が終了した現在に至っても、番組を支持する声は少なくない。

「ウンナンの気分は上々。」が放送されていた当時、ウッチャンナンチャンは一つの絶頂期を迎えていた。ある時は司会者としてソツのない進行をこなし、ある時は身体を張った企画に率先して参加し、ある時は番組の企画でCDをリリースしてヒットさせる、そんな時期だった。“社交ダンス部”“未来日記”“30人31脚”など、印象に深く残っている企画も少なくない。ただ、それらの企画の多くは、あくまでも“一番組の企画”として印象に残っているだけで、ウッチャンナンチャンじゃなくてはいけなかった企画というわけではなかったように思う。事実、“社交ダンス部”はほぼナンチャンの独壇場だったし、“未来日記”“30人31脚”に至ってはロケーション映像をウンナンの二人がスタジオで眺めているだけだ。当時の彼らについて、お笑い評論家の西条昇氏は次の様に語っている。「企画を番組の主役にして、自分たちはコメディ・リリーフのように要所要所で軽く笑わせるスタイル」

それらの活動の中にありながら、「ウンナンの気分は上々。」は非常に彼らの特色が表れた番組だった。司会として一つ上の立場から物事を言うこともなければ、コントのキャラクターを演じるでもない。まさに素の状態の彼らが、そこにはあった。それは番組内で放送されるロケーション映像によるところも大きかったが、なにより彼ら二人だけのフリートークの存在が大きかった。お互いの趣味や近況について語り合う二人の姿は、どんな企画よりもシンプルですっぴんだった。

『ウッチャンナンチャントークライブ2009 ~立ち話~』は、「ウンナンの気分は上々。」で二人が見せていた素のウンナントークが堪能できる作品だ。彼らのトークライブがDVD化されるのは、2008年にリリースされた『ウッチャンナンチャントークライブ2007 ~立ち話~』以来、二年ぶりのこと。今回収録されているのは、2009年12月26・27日に二日連続で行われたフリートークライブ。なんと、殆ど編集されることなく、二日の様子をガッツリと二枚に分けて収録している。とてつもない気合の入り様だ。

そんな作り手たちの気合に対して、収録されているウッチャンナンチャンのトークは徹底的に等身大。前回のトークライブで行われた書き納めの検証に始まり、ウッチャンが「爆笑レッドシアター」の打ち上げで飲み過ぎて記憶が無くなった話、ナンチャンが家族で目撃した駅のホームのギタリストの話、ナンチャンが面倒なタクシー運転手に遭遇した話など、何の脈絡も無く、ただただ自由に話が繰り出されていた。ただ、ライブの四ヶ月前にウッチャンの実娘が誕生したためか、話の内容は夫婦と子どもの話に偏っている。なかなか興味深い話が聞けたが、中でも印象的なのが、ウッチャンが子どもの人気に嫉妬したという話。芸人として正しいスタンスだと思う。また、今作では、二人による即興コントも披露。最初に設定を提示してそれを継続しようとするナンチャン、キャラクターで強引に押し切ろうとするウッチャン、即興ながらそれぞれのスタンスの違いが垣間見られる、興味深い一幕だった。

そんなウッチャンナンチャンのトークライブが、2010年の今年も行われるという。なんでも今年は三日連続で行われるそうで、一日目には“南原企画”と題してナンチャンと天野ひろゆき(キャイ~ン)が、二日目には“内村企画”と題してウッチャンと山崎弘也(アンタッチャブル)が、なにかしらかの企画を行うらしい(具体的な内容は未発表)。そして三日目に、ウッチャンナンチャンによるトークライブ“立ち話”が行われる、とのこと。……次回作は三枚組になるのだろうか。


・本編
DISC1(119分+特典映像 4分:トークライブ舞台裏)
DISC2(115分+特典映像14分:トークライブ2008~立ち話~)
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

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