2011年5月の購入予定

0518『第11回東京03単独ライブ「正論、異論、口論。」
0525『世界鳥居紀(奇)行 IN タイ
0525『ユリオカ超特Q -Q展-

怒涛の様に過ぎていった年度末・年度初が終わって、すっかり落ち着いてしまったDVDリリース。中でも、お笑い芸人のライブDVDとなると、これが非常に少ない。個人的に気になった作品が三つとただでさえ少ないのに、ライブDVDとなると更に一枚減って二つとなる始末。しかし、この二つというのが嬉しい。一つはキングオブコント、東京03による最新単独ライブを収めた作。既に新しい単独ライブの情報が流れている彼ら、ファンとしてはその前にチェックをしておきたいところ。もう一つはユリオカ超特Qによる単独ライブを収めた作。ユリQがDVDをリリースするのは、六年前に出した『らっしゃい!ベイベー』以来。オーソドックスな漫談世界を堪能したいところ。残る一本は鳥居みゆきの海外レポート。……だ、大丈夫なのかっ?

「オンバト+」四月二十三日放送感想文

ラバーガール【501kb】
今期四勝目。偶然にも誕生日が同じだったバイト仲間同士が、バイトの休憩室でプレゼントを交換し合う。単独ライブ『さよならインドの空に』で披露されたコントだが、内容は少なからず改変されている。元ネタはけっこうダーク。メリハリが甘い内容ながら高く評価されたのは、そこに漂っている限りなく平和な雰囲気のためだろうか。しかし、以前のフォーマットを崩してから、なんだか妙なコントを作るコンビになってきたぞ。

かりんとう【497kb】
初オンエア。休みの日に自宅でくつろいでいる独身の中年男性の家へ、知らない若者が「娘さんをください!」とやってくる。一見すると狂気的なのだが、ところどころで不条理なギャグを盛り込んでいるところや、ベタなオチへと向かっていくところが、実に吉本興業の芸人っぽい。……というか、実際にそうなんだけど。コブクロのくだりで上手く空気を作って、そのままオチまで強引に引っ張り込んだ。ちょっと捻ったオチが、ユルッとしていて好き。

タイムマシーン3号【521kb】
「爆笑オンエアバトル」では史上最多タイの20連勝を記録している彼らだが、「オンバト+」では初オンエア扱いに。朝食にはパンを食べるという山本と、朝食には御飯を食べるという関が口論を始める。彼らの漫才にしては早口で、笑っているうちに次のギャグが来てしまって、落ち着いて笑えなかった。とはいえ、それだけボケの密度が上がって、妙に満足感は残るという。彼らにとって自信作なのだとは思うが、ちょっとストイックさが見え過ぎている気がする。

うしろシティ【473kb】
初オンエア。目立ちたがり屋と引っ込み思案が同じ日に転校して来た。目立ちたがり屋はクラスの注目を自分に集めたいのだが、引っ込み思案は目立ちたくない。そこで二人は事前に打ち合わせをして、クラスの注目を目立ちたがり屋に集中させようとするのだが……。打ち合わせの中、どんどん明らかになっていく引っ込み思案の目立ち要素の芋づるっぷりがたまらない。また、目立つ要素が斜め上過ぎて、こちらの期待を裏切らない。周囲でたびたび話題に上がっていた彼らだが、なるほど確かに面白い。今度の活躍にも期待したいところ。

ウエストランド【413kb】
初オンエア。爆笑問題の事務所、タイタン所属らしい。アイドルをスカウトするスカウトマンをやってみようとするのだが、アイドル役の井口がアイドルに向いていないのでやりたくない。妙に華のあるコンビだが、漫才師としての腕は甘い。やり取りに隙が多く、アマチュアっぽささえ漂っている。ただ、ボケの内容は、なかなか面白い。不意に反応してしまうワードが飛び出してくる。今後、成長することで、化ける可能性もあるか。

・今回のオフエア
和牛(357kb)
トミドコロ(345kb)
ガリベンズ(313kb)
ラブレターズ(229kb)
クロヤギ(129kb)

オンエア経験のある和牛・トミドコロ・ラブレターズが揃ってオフエア。和牛は喋りも安定していて、オンエアの波に乗れそうな気がしていたのだが。トミドコロ、今回は韓国で「だるまさんが転んだ」か。ガリベンズのネタが相当気になったのだが、どんなネタだったんだろう。多分、あのアフロは井上陽水……だったのか?

・次回
アナログタロウ
囲碁将棋
オレンジサンセット
キャプテン渡辺
ケチン・ダ・コチン
さらば青春の光
瞬間メタル
トレンディエンジェル
風藤松原
ブルーセレブ

今期は三勝するも低いキロバトルを記録していた風藤松原と、高キロバトルで連勝中のキャプテン渡辺の動向に目が行きがちだが、何気にオンエア経験者がこの二組だけという点にも御注目。つまり、次回の「オンバト+」では、最低でも三組の芸人が初オンエアを飾れるということだ。果たして、その芸人とは誰なのか。知名度はあるのにオンエアされないアナログタロウか、実力は高く評価されているのに今一つオンエアされない囲碁将棋か。或いは、「爆笑オンエアバトル」でのオンエア経験がある瞬間メタルか……どうなるか分からない次回は、五月七日放送予定とのこと。見逃すな。

「THE MANZAI」に思うコト

「THE MANZAI」という大会が開催されるらしい。

「THE MANZAI」といえば、かつて1980年代に漫才ブームを巻き起こしたセンセーショナルな番組として知られているが、これはそれとは別モノだそう。なんでも、最も面白い漫才師を決定するために行われる大会なのだという。審査委員長を務めるのは、当時の漫才ブームで注目を集めた島田紳助。大会は先に予選を行い、“認定漫才師”に選ばれた50組が全国5会場で行われる全国サーキットに登場、12月にテレビで生放送される決勝大会で優勝者を決めるという。

察しの良い人、或いはそれほど察しの良くない人でも、既に気付いているんじゃないかと思うが、これは要するに「M-1グランプリ」の後継に当たる企画の様だ。いや、考えてもみると、ルールは異なるが、全国規模の漫才大会でしかも審査委員長には島田紳助となると、誰だってそういう結論に至るだろう。ただ、現時点では、「THE MANZAI」がM-1を後継する大会だという発表はなされていない。まあ、そもそもの放送局が違うので(「M-1」は朝日放送、「THE MANZAI」はフジテレビ)、恐らく明確な発表が行われることはないだろう。

そして、この件を見ていて、ふとM-1グランプリの終了を発表した際の吉本興業による声明を思い出した。「この大会を通じて、漫才がすみずみまで広まった。10年の節目をもって発展的解消することが次につながる」。これは即ち、「THE MANZAI」が単なる「M-1グランプリ」の後継的大会ではなく、その次の段階へ向かうための大会だということを示唆しているのではないだろうか。

思えば「M-1グランプリ」は、斬新なフォーマットの漫才師を強く評価していた記憶がある。当時の僕はそれを単なる話題作りとして捉えていたが、もしかしたらあれは漫才という手法の幅広さを視聴者に知ってもらうためだったのではないだろうか。そして今、確かに僕らは漫才の多様な可能性を知っている。「THE MANZAI」は選抜された漫才師50組で全国5会場を回るというが、これはもしかしたら予選の体を成した漫才興行なのではないだろうか。即ち、テレビで漫才の多様性を知ってもらった次の段階として、今度はナマの漫才を楽しんでもらうための大規模なライブツアーの名目として、または宣伝として、この「THE MANZAI」が作られたのではないだろうか。

かつて、紳助は“漫才への恩返し”という意味合いで、「M-1グランプリ」を開催したと語っていた。そして、それはM-1の終了とともに達成されたものだと思われた。しかし、先の様に思案してみると、どうも彼の漫才への恩返しはまだ終わっていないように思える。これは漫才を日常へ返すための戦いなのだ。「漫才をもう一度!」というシュプレヒコールはまだ、止まりそうにない。

『友達100人できるかな』(とよ田みのる)

友達100人できるかな(1) (アフタヌーンKC)友達100人できるかな(1) (アフタヌーンKC)
(2009/08/21)
とよ田 みのる

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友達100人できるかな(5) (アフタヌーンKC)友達100人できるかな(5) (アフタヌーンKC)
(2011/04/22)
とよ田 みのる

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『友達100人できるかな』最終巻を読み終えた。

『友達100人できるかな』は、月刊アフタヌーン誌上で連載されていた漫画だ。小学校教諭の柏直行が、地球を侵攻するためにやってきた宇宙人たちによってアトランダムに選ばれた地球代表として、“地球に愛が存在する”ことを立証するため友達を100人作らなくてはならないというミッションを与えられる。もしも立証できなければ、地球は滅亡。友達を100人作るために直行は、そのミッションに最も有利な時代として、彼が小学生だった1980年代にタイムスリップする。宇宙人の侵攻、タイムスリップという要素が実にSF的だが、直行が自力で友達を増やそうと奮闘する姿は学園ドラマの趣を強く見せている。

“友達を100人作る”という明確な目標が提示されている今作は、かねてより“何処まで友達を作るエピソードを作者が作ることが出来るのか”という点が注目されていた。というのも、今作において友達が出来るペースが、一つのエピソードに対して一人であることが殆どだったためだ。もし、そのペースで連載を続けていたとしたら、100人の友達が出来るまでにおよそ100回分のエピソードを要することになる。これを単純に計算すると、連載期間は100ヶ月(8年超)、単行本に換算すると全20巻を越えてしまう。これは決して不可能ではないだろうが、一話完結という形式を考えると、難しいと言わざるを得ない。そして事実、連載は全26話をもって終了した。

ストーリーに変化が生じたのは、第18話(単行本4巻)。それまで丁寧に一人ずつ友達を作ってきた直行に、クラスメート“道明寺さくら”に扮している監視者の宇宙人が、友達を作るために彼が装着しているカウンタに新しい機能が加えられたと説明する。それまで、友達を作るためには、「友達になる人物をカウンタにセットする→お互いに対する想い(愛の力)が可視化される→それぞれの想いが満たされれば友達成立」という行程を踏んでいた。ところが、その新しい機能を使うと、複数の人間と一度に友達関係になることが可能になる、と彼女は解説する。無論、世の中に都合のいい話はそうそう転がっておらず、この機能もまた大きな短所を持ち合せているのだが……それについては省略する。注目すべきは、この新機能によって、一エピソードに対して複数の友達を作ることが可能になったという点だ。それまでも、一エピソードの中で結果的に複数の友達を作ったことはあった。だが、こうして明確に複数の友達を作る機能が搭載された事実からは、今作の今後の方針を作者なりに思案していたという推測を禁じ得ない。しかし、結果として、この機能は初登場の回を含めて二度しか使用されなかった。

そうして迎えた最終巻は、これまでと同様に熱情的に友達を作っていくエピソードを含みながらも、それまであまり強調されることのなかったSF的なエピソードをメインに進行していく。最終回に至るまでのスピーディーかつダイナミックな展開は、まさに“怒涛”の一言に尽きる。恐らく、このエンディングは、作者が連載を終了する際に用意しておいたネタなのだろう。非常に『友達100人できるかな』らしい終わり方で、なかなか満足のいく読後感を味わえた。

ただ、一点だけ、納得のいかないところがある。この『友達100人できるかな』、もう一冊分くらいエピソードを溜めてから、最終回を迎えたほうが良かったのではないだろうか。どんなに作者が綿密なエンディングを用意していたとしても、最終巻で一気に最終回まで突っ走ってしまうというのは、どう考えても乱暴過ぎる。その前の巻あたりで最終回を匂わせるエピソードを散りばめてから、最終巻で怒涛の展開を見せたほうが、作品としてより良い結果を招いていたと思うのだが。……月刊連載作品に対して、このようなことを言うべきではないのかもしれない。だが、最終巻を読んでいて、その点に些か引っ掛かってしまったのだから仕方ない。あとがきによると、作者自身もこの結果にあまり満足していない様子だ。編集サイドが英断してくれたらなあ……と、無責任なことを思ったりして。

(以下、ちょっとネタばれ)

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GAG少年楽団『スクランブル交差点』

スクランブル交差点 [DVD]スクランブル交差点 [DVD]
(2011/03/23)
GAG少年楽団

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 誰もいない放課後の教室に、一人の男子生徒(宮戸)がやってくる。
 辺りに誰もいないことを確認した彼は、手に持っていた手紙をある机の中に忍びこませる。手紙はラブレター、机は彼が想いを寄せる中田さんの席だ。
「大好きな中田さんへ、この思い届きますように!」
 そこへ、クラスメイトの坂本がやってくる。現場を見られたくない宮戸は、思わず教卓の影に身を隠し、坂本の様子を伺う。
 一旦、自分の席に座った坂本は、再び立ち上がって中田の席に歩み寄る。そして、軽く机に触れ、ニヤリと笑う。更に、中田の席の周りをぐるぐると回り始め、おもむろに「中田!」と叫ぶ。
「もしかして、坂本君も中田さんのこと好きなんかなあ?」
 すると、今度は担任がやってくる。宮戸と同様、現場を見られたくない坂本は、傍にあったロッカーへとその身を隠す。
「誰もおらへんかー?」
 そう言いながら教室に入ってきた担任は、辺りに誰もいないことを確認すると、「中田ァ!好きやァ!」と、中田の席に思いをぶつける。
「オレは生徒を好きになってしまったダメな教師や……」
 そうつぶやいた途端に、担任はなんと中田が席に着いている設定で独り、授業を始める。
「次の英文を訳しなさい。えー、次は……中田。ん?お前、問題聞いてなかったんか、ドジやーっ!中田ァ、ホンマにィ……」
 しばらくその様子を眺めていた宮戸だが、妄想の世界で中田に接近しようとする担任の態度に少しずつ腹を立て始める。そして思わず、感情を露わに担任に飛びかかろうとするのだが、その直前に坂本がロッカーから飛び出してしまう。
 突然の坂本の登場に慌てふためく担任は、なんとかその場を誤魔化そうとする。
ところが次の瞬間、坂本は、
「中田はもっとドジな子でしょーっ!」
と叫び、先の担任と同様、中田への妄想を膨らまし始めるのであった。



 大阪NSC27期生の坂本純一・宮戸洋行・福井俊太郎の三名によって結成されたお笑いトリオ、GAG少年楽団。僕が初めて目にした彼らのコントが、この『放課後』だった。
 一見するとこのコント、中田への妄想を暴走させている坂本と担任が徹底的にボケ役で、それを第三者として見ている宮戸が冷静なツッコミ役であるかのように見える。確かに、中盤までは、その通りに話が進んでいく。ところが終盤、このコントはとんでもない展開を迎え、どんでん返しのオチへと急転直下の動きを見せる。恐らく、何も知らずにこのコントを観た人は皆、その予想外の展開に驚き、思わず呆気にとられてしまうことだろう。
少なくとも、僕はそうなった。そして、このコントのことが、頭から離れなくなってしまった。まるでトラウマの様に。
 先に記した中盤までの展開を見てもらえば分かると思うが、この内容であれば、ここからどんでん返しのオチにする必要はない。この状況を覆すことなく、最後までバカバカしい展開にすることだって可能だった筈だ。むしろ、件のオチを用意することで、観客に悪い印象を与えてしまう危険も否めない。
 ところが、彼らはそうしなかった。そして、そうしなかったからこそ、少なくとも僕のの記憶にこのコントの存在が深く刻み込まれることになった。きっと、数多くの人が、僕と同じ体験をしただろう。彼らは危険を顧みず、こうすることが正しいと思ったことを恐れることなく実践し、そして成功させたのである。
ネタに対して余程の自信と覚悟が無ければ、出来ることではない。



『スクランブル交差点』は、そんなGAG少年楽団にとって初めての単独作品だ。
 彼らの様なよしもと所属の若手芸人が単独作品をリリースする場合、作品のためにいわゆる“DVD収録用ベストライブ”を行い、その模様を収めることが多い。しかし、今作は単独ライブを収録した、れっきとしたオリジナル作品だ。ベストで終わらせるのではなく、今後もリリースを重ねていくぞ、ということなのだろうか。だとすれば、非常に嬉しいのだが。
 本編には七本のオリジナルコントを収録。更に、特典映像として、GAG少年楽団各メンバーがオススメするコントを一本ずつ収録している。下手な企画映像をダラダラと流すのではなく、ネタのみで構成したことに、コント師としての堂々とした態度を感じずにはいられない。ちなみに、先で取り上げた『放課後』は、今作の特典映像に宮戸のオススメコントとして収録されている。

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速報

まだ確定ではありませんが、この夏に行われる予定の「オンバト+」第一回チャンピオン大会が行われるまで、戦いは継続というカタチを取ることになったそうです。即ち、先日決定されたかに見えたチャンピオン大会出場メンバー十二組が、また入れ替わる可能性があるということ。……アルコ&ピース、ザ・ゴールデンゴールデン、天狗あたりは戦々恐々としていますね、たぶん。どうなりますことやら?

再考・大久保佳代子劇団『村娘』

大久保佳代子劇団 「村娘」 [DVD]大久保佳代子劇団 「村娘」 [DVD]
(2011/02/23)
大久保佳代子、光浦靖子 他

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このところの自分はどうも、物事を理屈で考えなくてはならないと思っているきらいがある。無論、評論ブログを謳っている以上、それは間違った考えではない。だが最近は、評論ブログを更新しているという自覚が強くなりすぎたため、理屈で考え過ぎてしまっている傾向が見られるようになってきた。これは良くない。過ぎたるは及ばざるが如しという言葉もあるように、何事も過剰になれば塩梅が悪くなる。いや、それもまた面白いと考える人もいるだろうが、書いている自分がこれを宜しくないと思っているのだから、しょうがない。

先日、くどくどと下らないことに容量を多く使った『村娘』のレビューもまた、そういった状態で書いたものだ。このテキストを書いていた時分、僕はこの芝居の本分を理屈で探ろうとしてしまい、結果、なんともつまらない内容に留まってしまった。果ては、この作品を見ていて思ったこと・感じたことなどは二の次三の次へと追いやって、程々に体裁の取れた内容で終わらせるという、適当で粗雑な扱いをした。本文に入る前に、あれだけパッケージ裏の解説に文句をつけたくせに、この様な態度である。これは許されるべきではない。あらゆる評論系ブログに申し訳が立たない、腑抜けの行為である。

そこで此度、改めて件の作品、即ち『村娘』について考えたいと思った次第である。

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大久保佳代子劇団『村娘』

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(2011/02/23)
大久保佳代子、光浦靖子 他

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書き出しからこのようなことを書くのは失礼に当たるのかもしれないが、どうしても書いておかなくてはならないことのように思うので、いきなり書かせてもらう。要するに駄目出しをするわけだが、これは別に本編がどうこうという話ではない。むしろ、本編とはまったく……とも言い切れないのだが……無関係な話だ。だから、これから書く文章については、読み飛ばしてもらっても構わない。つまり、読んでもらっても構わない。どちらでもいい。なんなら、読まなくてもいい。読んでもらうにこしたことはないが。

今作のパッケージ裏を見てもらいたい。大抵の場合において、お笑いDVDのパッケージ裏には、おおよその詳細が書かれている。例えば、このライブがいつどこで行われたものなのか、またその内容は大体どのようなものなのか……というようなことが、書かれているものだ。今作のパッケージ裏もまた然り。この舞台がいつ、何処で収録されたものなのか、またキャスト、特典映像や副音声の存在について書かれている。そのことについては、何の問題もない。だが、今作がどの様な内容なのか、そのおおよそのストーリーについて殆ど触れられていない点が、頂けない。

“大久保佳代子劇団”名義でリリースされていることからも分かるように、今作に収録されているのはお芝居である。幕開けから幕引きまで、一つのストーリーに沿って、登場人物たちが動き回っている。そのストーリーについて、どうして触れていないのか。これがコントライブならば、まだ分からなくもない。複数のコントが演じられているライブには、当然のことながらストーリーが存在しない。その概要を書こうとしても、薄ぼんやりとしたイメージにまとまってしまうのがオチだ。でも、これはお芝居である。書けなかったということはない筈だ。

もしかしたら、ネタバレを防ぐために書かなかったのかもしれない。そういう了見ならば、まだ幾らか理解できる。だが、それを考慮しても、ストーリーに全く触れないというのはどうか。出演者だけでも魅力は伝わるということなのかもしれない。確かに、オアシズの二人は勿論、キングオブコメディの高橋健一や、ブサイク女性コンビとして人気上昇中のたんぽぽ、大人計画の宮崎吐夢など、かなり興味の惹かれる面々が揃っている。だが、それでもやっぱり、ストーリーに触れていないのはどうか、という気持ちは収まらない。

どうして僕がここまでストーリーの説明にこだわっているのか、気になる方もいるだろう。実は、今作を購入するに当たり、どういう内容なのか事前に少しは知っておきたかったので調べていたのだが、公式の情報(※パッケージ裏と同じことが書かれている)からストーリーがまったく理解できなかったからだ。公式に発表されていた情報は“「ブスと卑屈はイコールなのよ!」娘なりに村を救おうとしたのです”という、あまりにも漠然としたフレーズのみ。この状況を見て、これは些か購買者に不親切なのではないかと思った次第である。否、明確に不親切だ。どれほど出演者が豪華でも、ストーリーとの相性はあるわけで。そこをきちんと確認したいのに出来ないという状況を、不親切と言わずして何を不親切と言おうものか!

……軽く書く予定だったのだが、思っていたよりも長い苦言になってしまった。以下、本編に触れていく。

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「オンバト+」第一回チャンピオン大会出場者決定

えんにち
THE GEESE
トップリード
ゆったり感
ハライチ
かまいたち
GAG少年楽団
ななめ45°
アームストロング
天狗
ザ・ゴールデンゴールデン
アルコ&ピース

(※年間ランキング順)

「オンバト+」第一回チャンピオン大会のメンバーが決定した。なんとも味わい深いメンバーである。THE GEESE、トップリード、GAG少年楽団などのコント職人から、ゆったり感、ハライチ、天狗などの将来が有望な漫才師まで。次世代のお笑い芸人を担う番組と呼ぶに相応しい、見事な顔ぶれである。しかし、そのトップがえんにちというのは、なんだか面白いなあ(※ド失礼です)。

ちなみに、チャンピオン大会は夏ごろに開催される予定とのこと。思えば、「爆笑オンエアバトル」の第一回チャンピオン大会も、夏に開催された。今回、その初代チャンピオンとなるのは、果たして誰なのか。漫才師が勝つのか、それともコント師がキメるのか。或いは、ピン芸人が出てくるか(※いません)。泣いても笑っても第一回、悔いの残らない大会になりますように……!

……しかし、松竹と人力はゼロか……なんだか寂しいなあ……。

四月十六日放送感想文

THE GEESE『コント』(505kb)
今期三勝目。テレパシーが使える美容師の店に、テレパシーが使える客がやってくる。彼らが「オンバト+」に持ってきているネタは、今のところ全て単独ライブ「ALTEMATE GREEN」で披露されたものばかり。しかも、いずれのネタも高キロバトル。当該ライブが如何にクオリティの高い内容だったのかが、よく分かる結果。チャンピオン大会ではどんなネタを披露するのだろう。肝心の内容は、テレパシーが使えるという設定を絶妙に利用したシチュエーションコント。テレパシーが使える、という設定がイイ深みに。

勝又『コント』(405kb)
今季四勝目。近距離で「十回クイズ」「山手線ゲーム」などの遊びに興じる。彼らがこのフォーマットで「オンバト+」の舞台に挑むのは、これで二度目。その時と同じキロバトルでオンエアされた。……安定感があるな。ボケとツッコミがあやふやなスタイルながら、誰もが理解できる分かりやすい下らなさがたまらない。一辺倒な展開にならず、色々な流れを自然に盛り込んでいるさりげなさもいい。来期に期待。

キャプテン渡辺『漫談』(433kb)
今期二勝目。深夜の居酒屋あるある。何処となく機械的な口調と、自らの実体験を上手くあるあるネタとして昇華するスタイルが、すっかり板についている。内容も相変わらず面白いのだが、この面白さは彼の“売れない芸人”という現状があるからこそのモノの様な気もしないでもない。もし、彼がこのまま売れない芸人として年を取り続けることになれば、こういったネタは出来なくなっていくだろう……って、余計なお世話だな! むしろ、こういったネタが出来なくなった彼が新しく見つける芸風の方が気になるぞ。来期の「オンバト+」にも出場する予定らしいので、今後の活躍に期待。

フラミンゴ『コント』(413kb)
東京へと向かう新幹線の搭乗口、野球部のライバル同士が別れの時を涙で迎えるのだが……。感動の瞬間を心地良いタイミングで終わらせたいのに、肝心の電車がなかなか発車されない……というシチュエーションは、なかなかオーソドックス。そこから更に一捻りあるかと思っていたのだが、特に大きな展開もなく。ラーメンズのフォロワーとしてシャープな笑いを作り続けている彼らにしては、些か当たり前のコントになってしまっていたような。チャンピオン大会がかかった一戦、ここは「フリ○○」シリーズで攻めるべきだったような気も。いや、好きだけどね。

かもめんたる『コント』(353kb)
人間関係や仕事のことで行き詰った男が故郷の山を歩いていると、目の前に妖精を名乗る男が現れる。妖精というファンタジーな存在に対して、冷静に大人な対処を取り続けるギャップがたまらなく面白い。終盤、妖精と戦う展開になって流れが失速してしまったが、それまでの展開だけならもっと高く評価されたのでは。でも、あの終盤の生々しさこそ、彼らの個性だからなあ……。

・今回のオフエア組
上々軍団(349kb)
しんのすけとシャン(317kb)
囲碁将棋(293kb)
やさしい雨(249kb)
カブトムシ(121kb)

漫才がどんどんオーソドックスになっている上々軍団、自らのスタイルを模索し続けるしんのすけとシャン、笑いどころがまったくウケていなかった囲碁将棋、珍妙な設定に興味が惹かれたやさしい雨、ブラックな空気を感じさせられたカブトムシ。それぞれ、今後の活動に期待できる面々が、いずれもオフエアに。来期の活躍に期待したい。

・次回(第二期スタート)
ウエストランド
うしろシティ
ガリベンズ
かりんとう
クロヤギ
タイムマシーン3号
トミドコロ
ラバーガール
ラブレターズ
和牛

2011年度初戦は、オンエア経験のない若手たちでひしめき合う。「爆笑オンエアバトル」時代に挑戦してオフエアになったうしろシティ、太田プロの女性コンビクロヤギなど、気になる芸人も少なくない。そんななか、まさかのタイムマシーン3号参戦!「爆笑オンエアバトル」時代に築き上げた二十連勝記録を、「オンバト+」でも打ち立てるつもりなのだろうか。チャンピオン経験は無いが、思わず“王者の帰還”と言ってしまいたくなるこの状況。果たして結果は?

パペットマペットライブ act.2『井の中の蛙の胃の中の牛』

パペットマペットライブact.2 井の中の蛙の胃の中の牛 [DVD]パペットマペットライブact.2 井の中の蛙の胃の中の牛 [DVD]
(2011/03/16)
パペットマペット

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日本の演芸史上初にして唯一の“うしとカエルのお笑いコンビ”パペットマペットの姿をテレビで見かけなくなってから、もう随分と経ったように思う。なにせ、最後に彼らの姿を目撃したのがいつだったかまったく思い出せないのだから、これはもうとても以前ということだ。……とはいえ、この状況は別に悲観すべきものではない。何故なら、パペットマペットがそもそもテレビバラエティ向きの芸人ではないということは、誰の目から見ても明らかだったからだ。うしはいい。カエルもいい。ただ、その後ろにいる覆面の……あ、なんでもないです。そうだね、中の人なんていないね。

とにかく、すっかりテレビへの露出が少なくなってしまったパペットマペット。「爆笑レッドカーペット」を中心としたお笑いブームの波に乗ることもなく、彼らの存在はすっかり過去のモノへとなってしまった……と、思っていた最中、パペットマペットの最新単独ライブがDVD化されるという話が飛び込んできた。驚くべき事態である……という表現は、彼らを愛するファンの人に申し訳ないが、それが素直な感想だったのだから仕方ない。……というのも、彼らの様に、率直に言ってイロモノと呼ばれるタイプの芸人の多くは、DVDをリリースしても一枚こっきりで終わってしまうことが多かったからだ。ところが、パペットマペットのライブがDVD化されるのは、今作で四度目。もはや、ラーメンズやザ・プラン9などと肩を並べる、れっきとしたライブDVD芸人である。凄いぞ。

とはいえ、パペットマペットがライブでやっていることは、彼らがテレビで見せてきた、例えば「爆笑オンエアバトル」のステージで披露してきたショートコントの類いと大して変わらない。実際、最新作である『パペットマペットライブ act.2 井の中の蛙の胃の中の牛』で披露されたコントには、過去に何度か目撃したことのあるボケが幾つか見受けられた。つまり、そこに新しさは殆ど見られない。うしはうしらしく、カエルはカエルらしく、素朴に自らの個性を主張した笑いを生み出しているだけだ。それなのに、彼らのライブはこうしてDVD化される程に、確固たる人気を集めている。

そんな彼らの状況を見て、ふと僕は吉本新喜劇を思い出した。吉本新喜劇のステージといえば、お馴染みのキャラクターがお馴染みのギャグを携えてお馴染みの笑いを提供することで、人気を博している。そこには新しさはない。だが、その一方で、下手な誤魔化しや言い逃れもない。それぞれがそれぞれの個性を誇らしげに掲げ、舞台に臨んでいる。パペットマペットもまた同様だ。彼らのステージにも、誤魔化しの笑いなど存在しない。その実直ともいえるスタンスが認められているからこそ、旬が過ぎた今でも、彼らのネタを支持する人間が今もまだ数多く存在しているのかもしれない。

ところで、『パペットマペットライブ act.2 井の中の蛙の胃の中の牛』の収録時間は、非常に短い。昨今、お笑いDVDの収録時間は増幅の傾向にあり、今や二時間を越えた作品が当たり前になりつつあるが、今作の収録時間はなんと68分しかない。この情報はリリース前から公開されており、個人的にも少し不安があった。こんなにも短い収録時間で、きちんと満足できるのだろうか、と。しかし、それは杞憂に過ぎなかった。この一見すると短い時間の中、彼らは自らの笑いをふんだんに見せつけてくれた。つまり、この68分という時間が、最適なのである。無駄な映像を追加して収録時間を水増ししようなどという考えは、彼らにはない。これでいい、これでいいのだ。


・本編(68分)
「辞書」「オープニング」「マナー教室」「裏切り者」「カエル隊長の嫌いなところリスト」「落語(寿限無)」「流出動画」「神の力」「うしくん救出作戦」「声が変わる薬」「路上詩人」「エンディング」「特典映像:犬の散歩」「特典映像:ショートコント」

前作はかなり売れたそうです。

チーモンチョーチュー2(仮) [DVD]チーモンチョーチュー2(仮) [DVD]
(2011/06/23)
チーモンチョーチュウ

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チーモンチョーチュウの新作DVD『チーモンチョーチュー2』が6月23日にリリースされる。同作は昨年6月にリリースされた『チーモンチョーチュー』の第二弾に当たり、今年3月に行われた収録用ライブの模様が収められている。M-1グランプリでは六年連続で準決勝に進出した彼らの、ユルッと笑えるネタの数々を堪能しよう。お馴染みの三文字ゲームもあるよ!

・その他のリリース予定
0625『人志松本のすべらない話 夢のオールスター戦 歴代MVP全員集合スペシャル
0629『板尾ロマン Vol.1』(チーモンチョーチュウ、スリムクラブ、ジューシーズ、御茶ノ水男子)
0708『江頭2:50のがんばれ!エガちゃんピン2
0713『板尾ロマン Vol.2』(チーモンチョーチュウ、スリムクラブ、ジューシーズ、御茶ノ水男子)
0713『ダイナマイト関西2010 first』(若林正恭、真栄田賢、秋山竜次、大久保佳代子ほか)
0713『ダイナマイト関西2010 second』(サンドウィッチマン、池田一真、博多大吉、マッスル坂井ほか)

『SWAのDVD -古典アフター-』

SWAのDVD2SWAのDVD2
(2011/03/09)
SWA(林家彦いち 三遊亭白鳥 春風亭昇太 柳家喬太郎)

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落語は、古くから伝えられている“古典落語”と呼ばれているものと、今の時代を生きている落語家がイチから作り上げている“創作落語”と呼ばれているもの、この二種類に分けることが出来る。『饅頭こわい』『時そば』など、一般的に落語と呼ばれているのは基本的に“古典落語”だ。とはいえ、どんなモノにでも発端があるように、“古典落語”と呼ばれているものも、かつては“創作落語”だった。幾千もの“創作落語”のうち、名作と呼ばれたものだけが“古典落語”として生き残っている、と考えれば分かりやすい。では、“古典落語”は全てまったく同じ内容なのかというと、そうではない。時代の変化、或いは演者の違いによって、その展開が大きく違ってくるということも多い。

“創作落語”を広めるために旗揚げされたSWA(創作話芸アソシエーション)による公演『古典アフター』は、その名の通り「古典落語のその後を創作する」というコンセプトの落語会だ。“古典落語”の中でも有名な『松竹梅』『厩火事』『愛宕山』といった落語のその後を、SWAの面々が個性豊かに創り上げている。ちなみに、SWAのメンバーは、春風亭昇太・三遊亭白鳥・林家彦いち・柳家喬太郎の四名だが、白鳥師匠はスケジュールの都合で古典のその後を創ることが出来ず、自らの持ちネタである創作落語『かわうそ島の花嫁さん』を披露している。それ自体は別にいいのだが、ならどうして企画にそぐわない落語を一本目に持ってきたのかという疑問が少し。……厄介モノは先に片付けてしまえ、という魂胆だろうか(余計な勘繰り)。

というわけで(どういうわけだ)、トップバッターは三遊亭白鳥の『かわうそ島の花嫁さん』である。演目からは想像もつかないだろうが、これは古典『大工調べ』を土台にした創作だ。元となっている落語は、大工の親方が与太郎に仕事を持ってくるのだが、仕事に必要な道具箱を大家に持っていかれてしまったというので、どうにかして返してもらおうと頼みに行くのだが、職人気質の粗雑な口調で逆に大家を怒らせてしまい、話がこじれてしまう……という内容。白鳥はその舞台を小さな島に置き換え、また登場人物も漁師の親方、中国人ヤン、ロシア人ママの三人に置き換えて展開した。……相変わらず、どうにもこうにもブッ飛んでいるな(※絶賛してます)。

続く柳家喬太郎は、結婚式での口上をテーマにした『松竹梅』のその後を描いた『本当は怖い松竹梅』を披露。式を失敗った梅さんが、式の後で行方不明に。皆で探し回っていると、今度は結婚式の花婿が刺される事件が発生してしまう。それら二つの事件の関係性を、御隠居が推理する……という、ミステリー色の強い作品だ。絶妙な語り口が特徴的な喬太郎師匠ならではの、本格的な内容に仕上がっている。手に汗握りながら楽しめる傑作といえるだろう。林家彦いちは、夫が本当に自分のことを愛しているのか気になる妻が、旦那の教えに従い、夫が最も大切にしている茶碗を壊す『厩火事』のその後を描いた『厩大火事』を語り上げる。茶碗を壊された夫がその仕返しに、旦那が本当にお前たちを信用しているかどうかを試す方法があると店の者に吹き込む、という内容になっている。何か一つのことが発端となって、まるでドミノ倒しの様にどったんばったんと大事になっていく様が、実にパワフルだ。それでいて、オチはとってもナンセンス。今作に収録されている落語の中では、最も従来の古典落語に近い雰囲気の一本といえるのではないだろうか。

トリを担当するのは、SWAのリーダーである春風亭昇太。演目は、旦那が遊びと称して谷に投げ込んだ小判を、幇間が無理やり取って帰ってくる『愛宕山』のその後を描いた『本当に怖い愛宕山』。『愛宕山』のオチで、谷に小判を忘れてきてしまった幇間が、再び小判を取るために谷へ飛び込む。そこで旦那に縄を下ろしてくれと頼むが、どうも様子がおかしい。実は、旦那は銭のためにヨイショする幇間のことが嫌いで、過去に何人もの幇間がこの谷に捨てられ、狼のエサとなってきたのだ。この谷には商売の神様がいて、小判は賽銭、幇間は生贄となった。それだけを告げて立ち去った旦那。果たして幇間の運命や如何に。昇太師匠ならではの明るさと下らなさ、そしてそこはかとなく漂う哀愁がたまらない。創作落語の今を担う師匠の本領が発揮された一本といえるだろう。

さて、この『古典アフター』。当然のことながら、元となる古典落語について知っていないと、些か楽しみにくい。一応、高座前に昇太・喬太郎の“SWA落語研究会”による元ネタ解説が行われているので、知らなくてもそれなりには楽しめるが、それでも完全に楽しむことは出来ない。そういう意味ではハードルの高い作品といえるのかもしれないが、知っていれば間違いなく面白い。なんなら、今作を見るためだけに、先に元ネタの落語を聴いておくのも悪くないかもしれない。本編で他の古典落語の小ネタを放り込んでいる人もいるし、こういうきっかけで落語に触れてみるのもいいのではないだろうか。(ちなみに、喬太郎『松竹梅』と昇太『愛宕山』はそれぞれ当人による落語がCD化されているので、チェックしてみてもいいかもしれない。TSUTAYAにも割と置かれているし)

ところで、SWAは2011年12月に予定されている公演を最後に、活動休止することを宣言している。“創作落語”という共通した目的を持っていながら、それぞれまったく違った味わいのある落語を演じ続けてきた四人だからこそ、行うことが出来ただろう名公演の数々。それらが今後、見られなくなってしまうというのは、実に勿体無い。とにかく、まだソフト化されていないSWAの公演を、なんらかの形で残してもらいたいところ……。


・本編(138分)
SWA落語研究会 その1
三遊亭白鳥『かわうそ島の花嫁さん-大工調べ改作-』
柳家喬太郎『本当は怖い松竹梅-松竹梅その後-』
SWA落語研究会 その2
林家彦いち『厩大火事-厩火事その後-』
春風亭昇太『本当に怖い愛宕山-愛宕山その後-』
お・ま・け

“平熱のお笑いコンビ”おぎやはぎによる、朋友バナナマンへの熱いメッセージ

現在絶賛発売中の「Quick Japanvol.92」では、バナナマンが特集を組まれている。
クイック・ジャパン94クイック・ジャパン94
(2011/02/11)
バナナマン、おぎやはぎ 他

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“無敵のふたり”というキャッチコピーで取り上げた同特集は、バナナマン二人に対する24,000文字インタビュー「バナナマンという道の上」を始めとして、日村と同居生活を送っていたこともある升野英知(バカリズム)や設楽が運転手を務めていた渡辺正行による「バナナマンへの証言」、“三人目のバナナマン”として名高い構成作家オークラが共に歩んできたバナナマンの歴史を振り返る「バナナマンのネタとコントとテレビと僕」など、なかなかに充実した内容となっている。

ただ個人的に物足りないのは、コント師としてのバナナマンに関するテキストが少ないこと。オークラが当時を振り返る行程の中で、少しだけコント師としてのバナナマンについても触れているけれど、彼らの足跡を振り返るに当たり、この程度の証言では物足りない。以前、シティボーイズを特集したとき(※vol.83)の様に、第三者によるライブDVDレビューがあっても良かったのではないだろうか(ちなみに、シティボーイズのライブDVDレビューは鈴木工氏が担当している)。

そういう意味では、この特集はちょっと味気ないモノになってしまっているといえるかもしれない。特に、近年のバナナマンについての供述が多く、彼らがテレビに頻繁に出るようになる前のことについて、あまりにも触れられていない。本来、Quick Japanという雑誌が最も注目すべきは、そういったメジャーになる前の側面だと思うのだが。「テレビ・オブ・ザ・イヤー」なんてヌルい企画に誌面を割かないで、こっちに全力を注いでおけばこんなことには……。

なにやら愚痴がこぼれまくってしまったが、まったく読むべきテキストがないというわけではない。自身によるインタビュー、周囲の供述、それぞれきちんと面白かった。とりわけ、以前から付き合いがあり、昔も今も共演する機会が多いおぎやはぎによるコメントは、読んでいて少しばかり胸が熱くなった。

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『オンバト+』四月九日放送感想文

とろサーモン『漫才』(465kb)
久保田が金正日の息子に似ているというバツグンのツカミから、万引きGメンのコントへ。……このネタ、けっこう前に観た記憶があるけれど、オンバトでやったことなかったっけ。久保田のボソボソとした喋り方がたまらなく面白い。「ありがとうございまーす」からの「ア・ハッピー・ニューイヤー」には笑った。冷静になってみると、口調以外は特に目立ったボケがないのにな。気付けば、満遍無く笑っていたような。

エレファントジョン『漫才』(485kb)
加藤の「同級生が殆ど結婚している」という話から、理想の結婚像について。加藤の話に対して森枝がボケを盛り込み続けるというスタイルがすっかり定着した感。ここに到達するまでに、どれだけの時間がかかったか。中盤から、加藤が森枝のマネをして、森枝の話にボケを盛り込もうとするが、全て受け入れられていく展開には笑った。ただ、こういう構成の笑いを盛り込まないと、まだこのスタイルは厳しいということなのか、とも思ったり。あと、どうでもいいけど、森枝さんが微妙にタイムマシーン3号関さんと似てきた気がする。

ジューシーズ『コント』(417kb)
部屋で漫才の練習を始めるコンビ、タッチ&ゴー。そこへ、片方の相方を名乗る男がやってきて、修羅場の展開へ。一時期、ジューシーズがテレビに登場するときは、いつもこのネタを演じていた記憶がある。鉄板ネタなのだろう。実際、面白い。デブキャラ芸人のダブルミートという芸名が、なかなかたまらない。ただ、ネタの流れから、なんとなしにななめ45°を彷彿と。修羅場ネタといえばななめ45°、みたいになっちゃったなあ。

風藤松原『漫才』(397kb)
松原による自己紹介。自己紹介のテンプレートにボケを載せるだけという、彼らにしては珍しいくらいに型にハマったスタイルの漫才。ワードの可笑しさだけで勝負しようというストロングスタイルは評価したいが、どうにもこうにもネタの線が細すぎる。せめて、松原を風藤が面接するというような漫才コントのスタイルを取っていれば、もうちょっと印象が変わった様な気が。しっかし、記憶に残らないネタだったなあ……。

ザ・ゴールデンゴールデン『コント』(413kb)
大阪からやってきた転校生。北沢の理不尽な女子高生キャラが、すっかり定着している感。しかし、今回はそれを出すことで、いつもとは違うタイプのコントを素早く観客に受け入れさせるという策士っぷり。毎度のことながら、クレバーなトリオである。肝心のネタは、大阪に対するイメージをバカにしたもの。笑いの本場とされている大阪に敵意を向けるスタイルで、面白いといえば面白いし、面白くないといえば面白くない。北沢のキャラがあったから、どうにか面白くはなっているけれども。もうちょっと捻りが欲しかったかもしれない。

・オフエア
バイきんぐ(349kb)
ヒカリゴケ(265kb)
ニレンジャー(197kb)
藤崎マーケット(161kb)
朝倉小松崎(141kb)

チャンピオン大会を前に激戦化し始めたためか、全体的に低めのキロバトルが並ぶ(※オンバト審査はハイレベルな戦いになると低キロバトルが連なる傾向にある)。特に下位三組の低さは異常。番組で取り上げられていた場面は面白かったのだが、実際はどうだったのだろう。個人的に、ニレンジャーに期待していたのだが。うむ。

・+1:ゴールドラッシュ『漫才』
少年漫画でありがちな、主人公とクラス委員長の女子によるやりとりの茶番から、お多大の男らしさを称える漫才へ。オープニングのやり取りの時点で客がドン引きしているにも関わらず、その後もマニアックなネタで攻めるというストイックさがたまらない。そして一つ一つのボケは面白いのに、総崩れしてしまう無常な結果に。ああ、勿体無い。しかし、何が勿体無いって、このネタがこうしてオンエアされてしまったことだ。練り直して挑戦できないぞ、ああ、勿体無い。

・次回
囲碁将棋
勝又
カブトムシ
かもめんたる
キャプテン渡辺
THE GEESE
上々軍団
しんのすけとシャン
フラミンゴ
やさしい雨

次回の『オンバト+』は、今期最後の通常回。囲碁将棋とキャプテン渡辺を除いた八組が、それぞれチャンピオン大会を目指して戦う。オンエアされればほぼチャンピオン大会出場が確定であるTHE GEESEは、ここできちんと勝利を収めることが出来るのか。或いは、他の芸人たちが、彼らを抑えることが出来るのか。どうなってもおかしくない終盤の戦いの結果は? そして、チャンピオン大会はいつ開催されるのか?

……ところで、先日の収録にタイムマシーン3号が出場したらしいぞ。
プロフィール

菅家志乃歩

Author:菅家志乃歩
コントが好きな人。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

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