スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『笑う全日空寄席3』

笑う全日空寄席 3笑う全日空寄席 3
(2010/12/15)
林家たい平、三遊亭圓歌 他

商品詳細を見る

落語初心者にオススメの落語家といえば、立川志の輔であるとされている。少なくとも、そう口にしている落語関係者は多い。そして事実、志の輔の落語は初心者向けだ。志の輔落語は細かい言い立てが少ないから言葉を理解しやすいし、ストーリーも現代風に分かりやすく噛み砕かれている。それ故にクセがない点は否めないが、それもまた彼の落語が初心者向けであることの証明だといえるだろう。僕も初めて音源で耳にしたのは、志の輔の落語だった。

では、落語初心者にオススメのCD音源は、一体どの作品か。落語会や独演会に行くほどではないけれど、落語というものを体験してみたいという人は少なくない筈だ。そんな落語初心者中の初心者が、最初に耳にするのに適した作品は何か。様々な意見があるだろうが、僕は個人的に『笑う全日空寄席』シリーズをお薦めしたい。このシリーズは、飛行機の中で楽しめる寄席演芸チャンネル「全日空寄席」の音源をCD化したもので、これまでに三作品がリリースされている。飛行機の中で放送されていて誰の耳にも届く状態になっているためなのか、このシリーズに収録されている音源はいずれも余計な知識を要しないネタばかり。つまり、誰が聴いても楽しめる仕様になっているのである。素晴らしい。値段も一枚二千円と、実にリーズナブルだ。

このシリーズの中でもオススメしたいのが、第三弾である今作。その理由は、音源が収録されている落語家三人のうち二人が「笑点」メンバーとして知られている林家たい平三遊亭小遊三だからだ。別に、有名な落語家がイイ落語をするというわけではないが、リスナーが知っている落語家の方がイメージしやすいのは違いない。そして勿論、この二人の落語はイイ。たい平が演じる『不動坊』は、とにかく明るく朗らかで元気いっぱい。未亡人の嫁さんを貰うことになってはしゃいでいる主人公と、そんな主人公に嫉妬してどうにか別れさせてやろうと画策する仲間たちの若さ(と書いて“バカさ”と読む)が上手く表現できている。小遊三演じる『船徳』は、江戸の気風漂う一品。世間知らず・苦労知らずの若旦那もイイが、その若旦那を迎え入れる船頭仲間がたまらなくイイ。キレ味バツグンの喋りと乱暴だが親しみのある言葉に、江戸っ子の風が吹きすさんでいる……すさんじゃダメか。

そんな二人の落語を中継ぎしているのが、三遊亭圓歌。かつて自作落語『授業中』で人気を集め、落語協会の会長を務めていたこともある圓歌師匠が聴かせるのは、『昭和の名人たち』という漫談だ。芸能生活65年の間に見つめてきた落語会の動向を、コミカルかつ壮大に語り上げている。昔の落語家に詳しくないと分かりにくい部分もあるかもしれないが、ところどころのクスグリが上手い効果となって笑える。オチも素晴らしい!

落語に興味があるけれど、どれから手を出してみたらいいのか分からないという方、騙されたと思って聴いてみて頂きたい。きっと、騙されたと思うから……というのは冗談。自信を持ってオススメします!(以上、敬称略)


・本編
林家たい平『不動坊』(2000年3月・鈴本演芸場)
三遊亭圓歌『昭和の名人たち』(1998年11月・広島全日空ホテル※当時)
三遊亭小遊三『船徳』(2001年10月・お江戸日本橋亭)
スポンサーサイト

「オンバト+」五月二十八日放送感想文

ななめ45°【501kb】
今期四勝目。長年追い続けてきた容疑者を取り調べる刑事と部下。駅員アイドルのライブ、電器屋の三角関係など、あるシチュエーションに別のシチュエーションを置き換えたコントを得意とする彼らだが、今回は長年追い続けてきた容疑者と刑事の関係を芸能人スターとファンの関係に置き換えている。犯罪者というデリケートなテーマを取り扱っているにも関わらず、この上なく軽快で面白い。最初から最後まで同じテーマによる笑いだけで突っ走った、力強い一本といえるだろう。シンプルの勝利。

かまいたち【497kb】
今期四勝目。女子クラスメートの机が荒らされているので、放課後見張っていると男子クラスメートがやってきて、彼女の机からリコーダーを取り出し……。一見すると、山内がリコーダーやピアニカで曲を上手く演奏している様に見えるが、実は演奏していないという捻くれた演出が地味に良い。演奏の後に拍手が来ることを見越して、この演出を取っている。実にイヤらしい。だが、そこがいい。肝心の内容はそこそこ。時折挟み込まれるツッコミはたまに笑えたが、大笑いということもなく。終盤で離れ業(と同時にネタバレ)を披露したときのインパクトを残したまま、どうにかネタを終わらせられた点は評価できる。

ジューシーズ【365kb】
今期四勝目。週末の忙しい居酒屋を、失敗ばかりのバイト二人だけで回すことに。アホなバイト二人が失敗し続ける様を見せるという形式は、「はねトび」で昔やってたモノボケの大喜利企画を彷彿とさせられる。ただ、あれは様々なスタイルの芸人たちがボケるから面白いわけで、たった二人でそれを再現するというのは無理な話。事実、数字的には失敗してしまった。そもそも合計キロバトル数がイマイチだった彼ら、早々に大会を諦めてしまったのかもしれない。

ダブルネーム【449kb】
初オンエア。紹介コメントがボビーってどうなんだ。東方神起「どうして君を好きになってしまったんだろう」に載せて、様々なシチュエーションのモノマネを披露する。ものまね特番で披露している様なモノマネ芸を、そのまま「オンバト+」のステージで再現した様な印象。面白いんだけど、なんだか違和感が残った。まあ、面白かったから、何の問題もないんだけれどね。ところで「サザンオールスター」じゃなくて「サザンオールスターズ」……って、細かいな。

ザ・ゴールデンゴールデン【445kb】
今期五勝目。料理を終えてシェフに挨拶。徹底的に理不尽な対応で迫られているにも関わらず、常に落ち着いた口調で状況にツッコミを入れ続ける吉勝演じる料理評論家(モデルは恐らく中尾彬)が、たまらなく面白い。その無感情ともいえる対応が故に、まともな人間が一人もステージに存在しないという一種シュールなステージが展開していたといえるのかもしれない。……ちょっと大袈裟。しかし冷静になって考えてみると、ボケの一つ一つは極めてオーソドックス。見せかたで技あり一本を決めたか。

・今回のオフエア
321kb:ニレンジャー(716票)
297kb:チャーミング(256票)
261kb:三日月マンハッタン(372票)
209kb:八福亭(332票)
121kb:ミスマッチグルメ(221票)

今期四勝目を狙ったニレンジャーが連敗。フォーマットが固まっているだけに、一度落ちると地味に厳しい。以下、年の差を思わせるチャーミング、独特な設定の漫才を演じていた三日月マンハッタン、オールドタイプの男女コンビ八福亭、今期二度目のオフエアとなったミスマッチグルメと続く。ミスマッチグルメは本放送終了後、コンビの解散を発表。……このオフエアが解散の原因なのだろうか。【+1】結果は、ニレンジャーの圧勝となった。

吉田たち【+1】
双子で結成された漫才コンビ。早く結婚したいという兄のために、弟が親族代表の結婚式スピーチを始める。母親の身体から出てきたときの思い出を語り始めたり、兄の嫁と何かあったり、薄暗い印象のネタがちょこちょこと。家族であることを上手く利用した内容ではあったが、如何せんボリューム不足で物足りない。もうちょっと内容が充実させることが出来たら、もっとずっと面白くなりそうな感はある。次に期待。

・次回
オテンキ
ザ・アンモナイト
GAG少年楽団(3勝)
笑撃戦隊
タイムマシーン3号(2勝)
たいよう
弾丸ジャッキー(1勝)
天狗(3勝)
花香芳秋(1勝)
ヒカリゴケ(3勝)

今期四勝目狙いが三組、三勝目狙いが一組という布陣。いずれもチャンピオン大会出場を狙っての挑戦なのだろうが、それぞれ微妙な位置なので難しいかもしれない。かろうじて手が届きそうなGAG少年楽団は、ここで高記録を狙いたいところだが。後ろから、タイムマシーン3号に噛みつかれるかもしれないぞ。その他、チャンピオン大会とは関係ないだろう芸人が、何故か今回は多く出場している。ナベプロは笑撃戦隊より先にハライチを出すべきだったと思うのだが……。

2011年6月の購入予定

0622『兵動大樹のおしゃべり大好き。5
0623『チーモンチョーチュニ

八月のお盆シーズンに向けて、様々なDVDリリースの計画が進んでいるだろう六月は、実際のリリース傾向を見ると非常に大人しい。その中でも個人的に興味のある作品は、この二作のみだった。とはいえ、決して見逃せない二作である。特に、『兵動大樹のおしゃべり大好き。』は、必見の一枚といっても過言ではないだろう。大樹兵動のすべらない話300分に、後藤ひろひととの副音声対談も!あと、個人的には、NHKで放送されたドラマ『TAROの塔』も注目。高いけど……欲しい。

テレビ関係では、『ロケみつ』『人志松本のすべらない話 夢のオールスター戦 歴代MVP全員集合スペシャル』『板尾ロマン』などのDVDもリリースされる模様。

「オンバト+」五月二十一日放送感想文

ゆったり感【485kb】
今期四勝目。学生時代の友達は大事だという話から、フラれた男が友人になぐさめられるコントへ。今期は「あいうえお作文」のネタで連勝していた彼らだったが、今回は言葉遊びとクドさを強調したボケが活き活きした漫才コントで挑戦。誰もが理解できるオーソドックススタイルだが、頭をペチンと叩くツッコミがやけに印象的で、かつてのタカアンドトシを彷彿とさせられた。ネタの内容も何処となく似ていたような。ここに来てのシフトチェンジは、今後オンエア戦線にどのような影響を及ぼすのだろうか。

タイムマシーン3号【501kb】
今期二勝目。エレベーターの中に閉じ込められたまったくの他人同士が、会話を重ねることで少しずつお互いのことを知り始めていく。「爆笑オンエアバトル」初出場以来のコントでオンエア。一応、コントであるが、会話のテンポはまさしく漫才のそれ。ただ、コントじゃないと成立しない設定ではある。一見普通の人が実は○○の人……という驚きの笑いを重ねに重ねただけのネタだが、驚きの内容があまりにも予想外で考える前に笑ってしまう。冷静になって考えてみれば矛盾まみれなのだが、そんなことはどうでも良くなってしまうくらいに下らない。これ、作ってるとき、楽しかっただろうなー。

カブトムシ【501kb】
今期三勝目。不良が学生にぶつかってカツアゲをしようとするが、その相手がブッ飛んでいる。頭にカバンを引っ掛けて「早ぇ!こうしたら早ぇ!」と言いながら歩く、ケツポケにハダカのパンを突っ込む、お金を用意しろと言われて別のヤツをカツアゲする等、細かいながらも全てが“バカ学生”という設定に繋がっていくボケが、なかなかに清々しい。シチュエーションコントにこだわっていた頃のエレキコミックを彷彿とさせられた。その他、特筆する様なことはないのだが、妙に満足感の残るネタだった。笑いの度合いでいうと先のタイムマシーン3号の方が笑えるのだが、キングオブコントで評価されるのはこっちのタイプだろうな。今後も期待。

オキシジェン【321kb】
初オンエア。「名探偵タナカ」のストーリーを考える。漫才に入る前の、田中が青山剛昌のいとこだというくだりが完全に不要。本来、ネタに入る前の、最も自然に進行しなくてはならない部分に、どうしてそんな余計な情報を入れるのか。いや、入れるのは構わないのだが、その処理が下手すぎる。結構な話題なのだから、もっと客席の「お~!」を待つ余裕があっても良かったのでは。……余程、客の食い付きが悪かったのか? 肝心のネタは程々にスカシが活きていて、面白いといえば面白い。ただ、演出面に難があり、本来のボケの良さを活かし切れていない場面が、幾つか見受けられた。伸びしろはあるんじゃないかと思うが、果たしてどうなるか。

かもめんたる【385kb】
今期四勝目。道に倒れていた黒マントの男が急に立ち上がって、「私はバンパイアだ」と言って登山家の前に立ち塞がる。前回、かもめんたるは山で妖精に遭遇するコントを演じていたが、今回のネタもそれに似ている。ていうか、山が好きなのか。フィクションとしては有り得なくもないキャラクターのバンパイアと、それを異常な程の客観性で眺める登山家のやりとりがたまらなくおかしい。オチも秀逸。なるほど、そうなるのかと思わず膝を打ってしまった。数字は伸びなかったが、非常に満足。来期が楽しみだ。

・今回のオフエア
301kb:ねじ(338票)
277kb:バイきんぐ(229票)
249kb:ドドん(631票)
229kb:吉田たち(766票)
201kb:ラヴドライブ(394票)

方言ネタのねじ、ネタの導入部分だけで興味を引こうとして失敗したバイきんぐ、コンビの特徴性だけで興味津々のドドん、面白くなりそうなのになれないハーフのコンビラヴドライブを抑え、双子の漫才コンビ吉田たちが+1を獲得。ちなみに僕はドドんに投票した。住職が気になった人が少なくなかったようで、意外と健闘した模様。

ビーフケーキ【+1】
後ろ手に繋がった二人のシリアスな空気からの種明かしが不発して、そのまま盛り上がることなく終わってしまったという印象。恐らく、コントというよりも芝居の様な雰囲気で、笑うに笑えなかったのではないだろうか。事実、ボケらしいボケも見受けられず(強いて挙げれば「気配がする!」くらいか)、笑わせたいのか世界観を見せたいのか分かりにくかった。いや、やろうとしていることは分かるんだけど、それが笑いに繋がっていなかったというべきか。更なる開拓が必要か。

・次回
かまいたち(3勝)
ザ・ゴールデンゴールデン(4勝)
ジューシーズ(3勝)
ダブルネーム
チャーミング
ななめ45°(3勝)
ニレンジャー(3勝)
八福亭
三日月マンハッタン
ミスマッチグルメ

かまいたち、ジューシーズ、ななめ45°、ニレンジャーと、今期三勝を記録していた芸人たちの出場が目立つ。それぞれチャンピオン大会を狙っているのだろう。が、ニレンジャーはちょっと厳しい気がするぞ(キロバトル的な意味で)。また、既に四勝目を上げているザ・ゴールデンゴールデンが、合計キロバトルを上げるために五勝目を目指している点も気になる。一方で、モノマネ芸のコンビとして知られるダブルネームが、何故かこのタイミングでオンバト初挑戦。今期はHEY!たくちゃん、花香芳秋、Gたかしといったモノマネ芸人たちがオンエア戦線に名乗りを上げているが、ダブルネームも彼らに続くことが出来るか?

「爆笑バトルライブツアー2011 in岡山」に行ってきた。

先日、五月二十二日、お笑いライブ鑑賞のために岡山へと出向いた。

「爆笑バトルライブツアー2011 in岡山」。なにやら某史上最も過酷なバラエティ番組を髣髴とさせるタイトルだが、恐らくは偶然なのだろう。なにせ、出演者はバケツを持っていなかったし、司会進行役のアナウンサーも登場しなかった。ただ、何処に“バトル”の要素が含まれているのかは、些か疑問ではあったが。……もしかしたら、僕の見えないところで火花が飛び交っていたのかもしれない。

ライブ会場となったのは、岡山市民会館である。岡山駅から歩いて十五分か二十分といったところに建っていて、その間にはバスや市電もある。となると、これはやはり電車で行くべきだろうという結論に至った。いや、このところドライブが趣味になりつつあったので、香川の自宅から自動車で瀬戸大橋を抜けるのも悪くはないと思ったのだが、如何せんこの市民会館には駐車場が無いとのことで、そのような場所に行くのに自動車は不便であろうと判断したのである。

駅から市民会館までの中途半端に長い道を進んでいると、だんだんと人だかりが出来てきたことに気がついた。最初は、近くの繁華街から溢れ出てきた人々の群れだと思っていたのだが、どうやら違う。というのも、その沢山の人だかりが、僕が向かうべき方向に進むにつれて、どんどん大きくなっていったからだ。気付けばガードレール内の歩道を埋め尽くすほどの人波の中。なんと、これら全ての人々が、これから始まるお笑いライブを観ようと駆け付けたのである。バカじゃなかろうか、と同じバカが考えてもみたり。これでは市民会館の中に入るのも難しいだろうなあ……と思ったが、それは完全に杞憂であった。何故ならば、今回のライブは完全指定席のため、必要な人数以上の人間がホール内に入ってくることは有り得ないためだ。事実、堂々と列に並び、悠々と入場することが出来た。余裕綽々である。市民会館の入口からホールまで、ほんの数歩といったところ。とっとと席につこうとも思ったのだが、物販コーナーがあることに気付き、ついついそちらに目が奪われた。そこでは本日の出演者たちのDVDと、サンドウィッチマンお手製の“東北魂”Tシャツが販売されていた。何か買ってみようかと思うも、大半のDVDは既に購入済なので止める(流石だね小生)。

ホール内は、これまた人で溢れ返っていた。やはり知名度のある芸人たちが出演するライブとなると、集客数も並みのものではなくなるようだ。自分の席を確認すると、一階最後尾であることに気付く。それも、端っこの席だ。確かにチケットを購入したのは販売からしばらくしてからだったが、ここまで酷い場所になるとは。切ない気持ちで椅子に座ろうとすると、尻に手すりがグイッと食い込んできた。狭い。椅子が狭いぞ。踏んだり蹴ったりだ、まったく。椅子に座って開演を待っていると、諸注意を伝えるアナウンスが流れ始める。よーく聞いてみると、出演者であるサンドウィッチマン伊達の声であることに気がついた。「携帯電話の電源はお切りになった上で……捨ててください」など、ちょこちょこと細かい笑いを放り込んでくる。

それからまたしばらくして、ホール内にブルース・ブラザーズの曲が流れ始めた。そして、ゆっくりと幕が上がり始める。どうやらライブの始まりであった。

続きを読む

『イッセー尾形のひとり芝居「わたしの大手町」2010』


一人芝居といえばイッセー尾形である。いつの頃からそう言われるようになったのかは知らないが、とにかくそういうことになっている。そして確かに、一人芝居といえばイッセー尾形なのである。イッセー以外にも一人芝居を持ち芸とした芸能人がいないわけではないのだろうが、如何せん他に誰も思いつかない(友近や劇団ひとりは“一人コント”だよなあ)。もはや、一人芝居というジャンルは、イッセーの専売特許になってしまっていると言っても過言ではないのかもしれない。

このような状況に至った原因は恐らく、イッセーが“一人芝居”以外の点において特筆すべき要素をなんら持ち合わせていなかったためだろう。他の芸能人に比べて、イッセーはとても器用と呼べるタイプではない。トーク番組に出演しても何処となく場違いな雰囲気を醸し出しているし、ドラマや演劇でも目立った活躍を見せるタイプではない。バラエティ番組もまた、言わずもがな。これら他の舞台で活躍することが出来ないから、唯一無二ともいえる特技である“一人芝居”が過剰にクローズアップされたのだ。日の丸弁当を想像してもらうと分かりやすいかもしれない。白飯の中にポツンと存在している梅干しは、他に何もないからこそ目立つ。それどころか、日の丸弁当という名称の中心になることさえ出来る。有難い話だね、どうも。とはいえ、日の丸弁当にとっての梅干しがバカに出来ないように、イッセーの一人芝居だって決してバカには出来ない。三十年近く一人芝居を続けてきたイッセーのステージは、今や他に類を見ない完全オリジナルの空間を生み出している。

『イッセー尾形のひとり芝居「わたしの大手町2010」』は、2010年7月に行われたイッセー尾形のステージを収録した作品だ。2009年から、イッセーはローソン限定で自身の公演を収録したDVDをリリースし続けていて、今作はその第三弾に当たる。本作でテーマとなっているのは、オフィス街で働くサラリーマンやOLたち。まったく違った場所でそれぞれの作業に励んでいる人たちの姿を、イッセーが哀愁と慈愛を持って演じている。

イッセー尾形の一人芝居が評価されている要因の一つが、“リアリティ”だ。イッセーが演じる芝居に登場する人物たちは、いずれも現実に存在し得るリアリティで包まれている。そもそもイッセーは、特定の人物特有の行動を再現することで、注目を集めるようになった芸人だ。例えば、初期の演目『英語教師』では、教師ならではの言動を半ばオーバーに演じることで、笑いを生み出していた。柳原可奈子演じる『ショップ店員』などは、その系譜にあるといえるだろう。本作においても、そのリアリティは健在。中でも、受付を担当している若手社員が仲間同士で群れながら、真面目と不真面目の間を左右する『式典』は、まさしく今の時代を切り取った傑作だった。

しかしイッセーの真骨頂は、単なる“リアリティ”ではない。その神髄は、これまでに培ってきた“リアリティ”を下地とした、“自由奔放”なステージにある。本作でいうところの『琵琶』がそれだ。家に帰ってきた中年女性が趣味の琵琶に興じる……という、ただそれだけの内容なのだが、正直なところイッセーが琵琶を弾きたいだけという趣が強い演目である。途中、ベンチャーズのデンデケデケデケを琵琶で再現しようとしたのには、なかなか驚かされた。そういえば以前、チェロで源平合戦を語っていたこともあった。もはややりたい放題である。なのに、その様子が妙におかしい、面白い。その理由は、きっと誰もがそんな自由奔放な時間、空間というものを日常の中に築いているからなのだろう。誰に見せるためでもない、ただ自分の為だけに過ごす時間、空間。だから、僕らは『琵琶』に妙な共感を覚え、親近感を覚え、自然に笑えてくる。「ああ、そういうことをしてしまう時間って、あるよね……」と。

イッセー尾形の梅干しは年重ねるごとに風味を増し、今や人の舌の限界まで染み渡る味。これはもはや、日本人の脅威である。


・本編(100分)
「宴会部長」「式典」「喫煙OL」「停電ホテル」「キャッチコピー 旅行パンフ編」「ヘイ!タクシー」「琵琶」

シティボーイズミックスpresents『10月突然大豆のごとく』

シティボーイズミックス presents 10月突然大豆のごとく [DVD]シティボーイズミックス presents 10月突然大豆のごとく [DVD]
(2011/03/23)
シティボーイズ、中村有志 他

商品詳細を見る

「芸人の芸は年を重ねるごとに成熟していくものである」という認識を持っている。この認識自体に、何も疑うべき点はない。どの様な芸であろうと舞台で演じられている限り、それは成熟し続けていく。但し、成熟することで、必ずしも素晴らしい芸に辿り着けるとは限らない。重要なのは、向かうべき方向である。これが正しく、また明確に定まっていなければ、如何に芸を成熟させたとしても良い結果には至らない……かもしれない。それはそれで、また別の方向性を見出す可能性もあるから、一概に否定はできない。結局のところ、全ては運次第なところがある。月並みな言い方だが、とにかく成熟に向かって走り続けていれば、上手くいけば素晴らしい芸を掴む可能性を得るということなのだろう。継続は力なり、と誰かが言っていたような気もする。

1979年に結成し、今でも定期的にコントライブを開催し続けているお笑いトリオ、シティボーイズは成熟から逃げ続けている奇特な芸人だ。演じるコントは一貫してナンセンス、即ち無意味な笑いにこだわり続けているが、その内容は年とともに変化している。その変化を維持するためか、ライブには毎年まったく趣向の違ったゲストが迎えられ、演出家も何年かに一度のペースで交代させられる。「観た後に何も残らない、残さない」を方針としている彼らのステージは、まるでティッシュペーパーの様に使い捨てられ、翌年には似ても似つかない新たなステージが構築されていく。その挑戦的なスタンスが故に、当たり外れもなかなかに大きかったりするのだが。

2010年10月に行われた公演を収録した「シティボーイズミックスPresents『10月突然大豆のごとく』」もまた、彼らの決して熟そうとしないコントを堪能できる一品だ。今回の公演にはラバーガールとTHE GEESEの若手コンビ二組が、ゲストとして出演している。若手芸人がシティボーイズのライブにゲストとして招かれるのは、『だめな人の前をメザシを持って移動中』(2004)に出演したチョップリン以来、六年ぶりのこと。作家には、演出の細川徹とシティボーイズ、中村有志に加えて、ふじきみつ彦と向田邦彦の二人が参加している。ふじきは『そこで黄金のキッス』(2009)に続き、二度目の参加となる。

若手の二組が参加していることもあってか、今回の公演は例年以上に現代の笑いに寄っていた印象を受けた。例えば、きたろう演じる中年男が病院で医者に脳内の記憶フォルダを整理してもらう『脳内ハードディスク』や、大竹演じる男が訪れた説教することを目的としたバーの様子を描いたシチュエーションコント『叱りバー』、日常の中でとあるシチュエーションに陥った二人の様子を語り上げるコロス(劇の背景や要約を伝える役割)の大袈裟な演技がたまらない『コロス』などは、今の時代を生きる若手芸人たちが演じても違和感がないほど、現代的なセンスに溢れていた。

結成三十年目を迎え、すっかり大御所の風体を成してきた彼らに対し、何処となく古臭いイメージを持っている人も少なくないのではないかと思う。確かに、彼らが若手と呼ばれていた時代は遥か昔のことで、また彼ら自身もすっかり老人と呼ぶに相応しい年齢だ。しかし、そのコント観は決して時代から離れることなく、徹底して今を見つめている。“ナンセンスの王国”シティボーイズ。その牙城は未だに崩される気配も見せず、若手コント師の前に君臨し続けている。若手負けるな。


・本編(約116分)
「十月突然」「脳内ハードディスク」「丘の上の小さな家」「重厚な人たち」「年上女房」「叱りバー」「さておきクラブ」「コロス」「アフリカに行く船」「BONUS TRACK」

・特典映像(約9分)
幕間未公開映像:「大竹まこと」「きたろう」「斉木しげる」

「オンバト+」五月十四日放送感想文

アームストロング【481kb】
今期四勝目。女子バレー部のやり取り。彼らが通常回でコントを演じるのは、かなり久しぶり。個人的に、彼らのネタはやっぱりコントが好きだな。いわゆる女子スポーツの試合で目にするようなやり取り、行動、会話などを徹底的にバカにした感じがたまらなく毒っぽい。それでいて、明確にボケであることが分かる部分を残し、きちんと笑いを獲得している。雰囲気で見せ、ネタで見せ。堅実の一言。

THE GEESE【401kb】
今期四勝目。全てのやり取りを逆に表現する。タクシーの乗車時における“あるあるネタ”を全て逆に表現してみせるという、ただそれだけのコント。逆にすることで生じる違和感が笑いになっているわけだが、ところどころで観客の意識がついていけない場面があって、少し気になった。特に終盤のゴチャっとしてしまうくだり、もうちょっと上手く見せることが出来そうな気がするんだけれども、どうだろう。「生きろ!」はシンプルに笑えた。

コア【389kb】
今期二勝目。梶本さんは何度見てもFUJIWARAのフジモンに見える。ま、だからなんだって話なのだが。二人がこれから目標とすべき漫才は“うまい”“早い”“安い”牛丼屋であるという話から、あらゆる話題を牛丼屋へ繋げていく。最初はあまり観客にも食いつかれていなかったが、だんだんとネタが盛り上がってきて、このまま最後まで突っ走っていけるか……というところでネタが飛ぶというハプニング発生。危うく致命傷になりかけたが、それをきっかけにお互いを責めるスタイルの漫才にシフトチェンジするという上手い切り替えを見せた。やはり腕はある。……しかし、ネタが飛ぶまでがきちんと面白かったので、なにやら勿体無い。

ジグザグジギー【489kb】
初オンエア。オークションで二億。「オークションに参加するたびに二億円で阻まれる」というシチュエーションもさることながら、構成が抜群に上手い。オチはとてもオーソドックスだったが、それまでの流れで見せていたからこそ、この評価なのだろう。ただ、ボケの数が限りなく少なく、また展開が一直線だったため、これは偶然の結果なのではないかという不安もある。次回に期待。

エレファントジョン【461kb】
今期四勝目。一人暮らしをしたい。加藤の話に森枝がテキトーな相槌を打つスタイルの漫才で、なんとなくオードリーを彷彿とさせるが……って、これ前に書いたか。前回と同様、今回も中盤で加藤と森枝の役割が入れ替わろうとして入れ替われない、という構成を取っている。ただ、前回は本当に入れ替われない様だけが面白かった記憶があるが、今回は後半も森枝のボケがきちんとハマッていた感がある。ちょっとずつ、しかし確実に進化を遂げている模様。コンビ結成七年目、いよいよ熟成の時は近い。

・今回のオフエア
345kb:ビーフケーキ(654票)
341kb:あかつ(581票)
313kb:響(473票)
285kb:モエヤン(501票)
269kb:ジャウー(114票)

昨年八月にオーバー500を記録した響が苦渋のオフエア。面白くなかったわけではないのだろうが、勢いが失われてしまったということだろうか。視聴者投票でも振るわない結果となった。相撲形態模写で知られるあかつは、会場審査も視聴者投票もそれなりに。派手なステージで彼がネタを演じる姿は、ちょっと見たかった気がするぞ。ジャウーは視聴者投票の動画、何言ってるのか分からなかった。カツ舌をどうにかせねば。投票の結果、ビーフケーキ(大阪吉本)のネタがオンエア決定。

トレンディエンジェル【+1】
二人がどちらもハゲているという特徴を持つコンビ、トレンディエンジェルの漫才。格闘技の特訓をする。ハゲネタが印象的だが、そのネタの内容はかなりオーソドックス。安定した話術で繰り広げられるハゲを絡めた言葉遊びは、新しさがないものの安心感があっていい。若々しさは皆無だが。息は長そうだ。

・次回
オキシジェン
カブトムシ(2勝)
かもめんたる(3勝)
タイムマシーン3号(1勝)
ドドん
ねじ
バイきんぐ(2勝)
ゆったり感(3勝)
吉田たち
ラヴドライブ

こうして見ると、チャンピオン大会を寸前で逃していた筈の芸人たちも続々と参戦し始めてきた感がある。特にカブトムシとバイきんぐは、順調に高キロバトルを記録していたにも関わらず、惜しくも三勝目を飾ることが出来なかった不運のコンビ。思わぬチャンスをものにして、チャンピオン大会に滑り込みたいところ。一方、四月に参戦したタイムマシーン3号が再び登場。そして既に、三度目の挑戦が決定しているという。完全に初代チャンピオンを狙っている……果たして。

駆け抜けろ!怪盗少女!!


突然だが、ここ数日の間、まるで悪夢の様に、頭の中でももいろクローバー(以下、ももクロ)の『行くぜっ!怪盗少女』が流れ続けている。しかも困ったことに、僕はこの曲を少なからず気に入っている。いや、気に入っているからこそ、頭の中に流れ続けているのかもしれない。どちらが先でどちらが後か、ニワトリが先かタマゴが先か、そんなことはそれほど重要な点ではない。問題なのは、これまでの人生でアイドルオタクにはほぼ無縁だった僕が、初めてアイドルのアルバムを購入してしまいそうになっているという現状だ。まいったね、どうも。

『行くぜっ!怪盗少女』は、ももクロのメジャーデビューシングル曲らしい。モーニング娘。の『モーニングコーヒー』、AKB48の『会いたかった』などの例を見ても分かるように、アイドルのデビューシングルは普通のミュージシャンによるデビューシングルとは些か意味合いが違う。アイドルのデビューシングルは、インディーズ時代に応援してくれたファンに対する声明であり、またメジャーという舞台に立つことで初めて見てくれる新しいファンたちへのお披露目でもある。ももクロの『行くぜっ!怪盗少女』もまた、言うまでも無く特別な楽曲だ。『行くぜっ!怪盗少女』の歌詞は、ももクロのスタンスを物語っている。<制服脱ぎ捨て華麗に変身!>し、<マイクを片手に今日も飛び回る>。その目的は<笑顔と歌声で世界を照らし出>すこと。<ナイスなミュージックに乗せて><あなたのそのハートいただきますっ>。こうして見ると実に簡潔だが、これらのメッセージはまるで<ももいろマシンガン>でブッ放す様に乱打されている。これにより、一瞬一瞬は漠然としているのに、総体的にメッセージ性を感じさせられる内容になっているのである。……我ながら、わざわざ分析する様なことでもない気がするな。

この『行くぜっ!怪盗少女』を作詞・作曲したのは、前山田健一という人物。「ニコニコ動画」に出入りしている人にとっては、“ヒャダイン”という呼び名の方が分かりやすいかもしれない。最近はテレビアニメ『日常』のテーマソングを歌って、チャートにランクインしたりもしているらしい。ポップなアレンジと遊び心溢れる歌詞に定評のある彼がこの曲を作ったと考えると、実に打倒に思える。作品でネット上の支持を得られる人間は強い!

果たして今後、僕はももクロオタクになってしまうのか。飽きやすい性格上、そういうことにはならない気がするのだが、なりそうな可能性もあるのでどうも不安である。いや、別に不安がる必要はない……と思うのだが。どうも、アニメであれ、アイドルであれ、オタクと呼ばれている人たちは選民意識の様なものがあるイメージが強くて、取っ付き辛い様な気がするのである。まあ、どうにかなるだろう。付かず離れずのんべんだらりと、ももクロの今後を見守りたい所存。うむ。頑張れ。

『サンドウィッチマンライブ2010 新宿与太郎音頭』

サンドウィッチマン ライブ2010~新宿与太郎音頭~ [DVD]サンドウィッチマン ライブ2010~新宿与太郎音頭~ [DVD]
(2011/02/25)
サンドウィッチマン

商品詳細を見る

M-1グランプリ2007で敗者復活からの優勝という快挙を成し遂げたお笑いコンビ、サンドウィッチマン。ここ数年のお笑いをリードし続ける吉本興業に有利な状況が続いていた同大会において、彼らの優勝はあまりにも大きな事件であった。いや、もし彼らが登場していなければ、M-1はもっと早々に終わっていたのかもしれない。なにせ、彼らがいなかった場合、M-1グランプリ2007最終決戦のメンバーは、キングコング、トータルテンボス、ハリセンボンになっていたのだから。キングコングとトータルテンボスはともかく、ハリセンボンは幾らなんでも力不足だろ。

そんなこともあって、サンドウィッチマンはM-1において非常に重大な存在となったのだが、それ故に、彼らには今でもM-1のイメージがまとわりついている。少なくとも自分には、サンドウィッチマンという名前に“M-1グランプリ2007で敗者復活から奇跡の優勝を果たした”という見えない枕詞がうっすら見えて仕方ない。無論、彼らが面白いコンビであることは明白で、それはキングオブコント2009で東京03と優勝を争った事実が証明している。しかし、それでも、彼らにはM-1チャンピオンのイメージが残っているのだから、どうにも困ったものだ。むしろ、彼らがM-1優勝後も一貫して“面白いコンビ”であり続けているからこそ、このイメージが払拭されないのかもしれない。ここ数年における、ますだおかだ、フットボールアワー、アンタッチャブル、ブラックマヨネーズなどの、歴代M-1チャンプたちの活躍ぶりを見ると、どうもそう思えてくる。彼らの様に、サンドウィッチマンにも一度は第一線から潜伏する必要があるのだろう。いや、今の彼らが第一線にいるのかどうかは、ちょっとよく分からないが。

しかし、先日リリースされた『サンドウィッチマン単独ライブ2010 ~新宿与太郎音頭~』を見て、いよいよサンドウィッチマンが潜伏する機会は失われてしまったなと確信してしまった。というのも、ここ数年の彼らは、単独ライブを重ねるたびに、非常にゆっくりとしながらも確実に面白くなってきているからだ。M-1優勝後、以前のブラックな要素を含む笑いを抑えるようになった彼らはまさに片方の翼をもがれたカモメと化していたのだが、今ではそのことを忘れさせるほどにエンターテイメント寄りの(しかしちょっとアウトロー臭さも残した)笑いを生み出せるようになったようだ。今回のDVD、これまでで一番面白かったんじゃないか。どれが特に面白いということがなく、全体的に満遍無く面白かった。

特典映像も充実している。同じ事務所に所属する芸人たちの名前を記憶する「若手芸人の名前を覚えよう!」、某ドキュメンタリー番組に感銘を受けた伊達が脚本無しでパロディ化した「サーズ・デイ 戦力外通告 草野球からメジャーへ挑戦する男」、以前からサンドウィッチマンのコントに登場していた有名人のパロディキャラについて当人に伺ってみる「哀川翔vs哀川鳥 奇跡の対談」など、こちらも捨てるところがない。これだけ面白いことをしているのに、だからこそ突き抜けられないというのも不思議な話だ。むしろ、この状態こそが、彼らにとって最適であるのかもしれない。下手に突き抜けようとせず、この高水準を保ち続けていくことが、彼らには合っているのだろう。


・本編(75分)
「オープニング」「漫才-万引き-」「薬局」「クレーム処理」「職安」「村に住む男」「哀川鳥」「携帯ショップ」「漫才-弔辞-」「エンドロール」

・特典映像(50分)
「若手芸人の名前を覚えよう!」「サーズ・デイ 戦力外通告 草野球からメジャーへ挑戦する男」「ラジオ」「哀川翔vs哀川鳥 奇跡の対談」「ハプニング」

「オンバト+」五月七日放送感想文

囲碁将棋【457kb】
念願の初オンエア。医者のシチュエーションコントを始めるべく、「オレ医者やるからお前患者やれよ」という定番のやりとりをするのだが……。いわゆる漫才の定番に至るまでの流れを、斜に構えた立ち位置から皮肉混じりに壊していくスタイルの漫才。M-1グランプリ2010ではパンクブーブーに次いで評価されたらしい彼ら、実に納得である。喋りも以前に+1で観たときよりこなれていて、漫才師らしさが出てきた感。ボケとツッコミがコロコロ入れ替わる様も自然。ただ、序盤の「やる気スイッチ」のくだりは、正直いらなかったような気が。

ケチン・ダ・コチン【477kb】
初出場で初オンエア。「いーけないんだ!」を弾き語りで。ネタにギターの弾き語りを持ちこむスタイルは、なんとなく朝倉小松崎を彷彿とさせる。ただ、エレキギターでゲームの効果音や有名ドラマのBGMを再現するスタイルの朝倉小松崎とは違い、彼らは「いーけないんだ!」という茶化しを自己流にアレンジするというスタイルで、そういう意味では差別化しているといえる。ネタは「面白い!」というより「凄い!」の方が印象として勝っていて、まともに評価できる段階ではない。ただ、定番ネタがないと続けていくのは厳しい音曲スタイルで、彼らがどこまで『オンバト+』に食らいついてくるのかは、気になる。

風藤松原【417kb】
今期四勝目。川柳の五・七・五の最後の五の部分を考える。「シンデレラ・十二時過ぎたら・キャバクラ嬢」の様に、最後の句の部分をオチに使うという大喜利漫才。一つ一つのくだりは面白いのだが、如何せん統一感が無く、全体的に散漫な印象を受けた。ある意味、一本目の囲碁将棋とは対極にあるスタイルといえるのかもしれない。思えば、そもそもはバラード漫才(「やだね~」のアレ)で注目を集めた彼ら。当時とは違った形で原点回帰を狙っているのかもしれない。

さらば青春の光【421kb】
こちらも念願の初オンエア。ファミレスでコーヒーをこぼされた客が怒って、店員に「船長呼んで来い!」とクレームをつける。シチュエーションのシンプルな不条理さもたまらないが、いちいち客が店員の前掛けやネクタイを没収していくナンセンスさもたまらない。そこからの展開はオーソドックスだが、先の不条理とナンセンスがじわじわと効いて、まるで勢いを失わない。前回のうしろシティもそうだが、どうも松竹芸能のコント師が勢いを増してきている感がある。二組ともに注目していきたい。

キャプテン渡辺【457kb】
今期三勝目。「モグラ芸人」あるある。初っ端から「僕はR-1グランプリの決勝に行ったのに、余裕でモグラのままだよ!実に意外なことだったよ!」という自虐ネタで、グッと心を掴まれる。相変わらず漫談家としては洗練されておらず、ネタの内容もところどころモヤッとしているけれど、どうも笑わずにいられない。彼自身もモグラ芸人で、やぶれかぶれに突き進んでいる様に見えるためだろうか。なにやら、毒舌芸で出始めた頃の有吉弘行を思い出す。このハングリー精神を維持したまま、彼は何処まで突っ切ることが出来るのだろう。……って、前も同じ様なことを書いた気がするな。それにしてもモグラ芸人、業が深い……。

・今回のオフエア組
409kb:トレンディエンジェル(936票)
321kb:ブルーセレブ(182票)
309kb:アナログタロウ(420票)
269kb:瞬間メタル(228票)
177kb:オレンジサンセット(298票)

コンビともにハゲという見た目を活かした漫才を演じるトレンディエンジェル、80年代歌番組の曲紹介ネタを得意とするアナログタロウ、男らしさをアピールする瞬間メタルなど、地味に名前が知られている芸人が並ぶ。個人的にはブルーセレブのネタが無難に面白そうな印象を受けたのだが、トレンディエンジェルが+1に。当たらんなあ。

・次回
アームストロング(3勝)
あかつ
エレファントジョン(3勝)
コア(1勝)
THE GEESE(3勝)
ジグザグジギー
ジャウー
ビーフケーキ
響(1勝)
モエヤン

今期四勝目を狙うコンビが三組。しかし、こつこつと安定して数字を積み上げてきたアームストロング、チャンピオン大会まで手が届くか届かないかの場所でもがくエレファントジョン、オンエアされればほぼチャンピオン大会出場確定のTHE GEESEと、それぞれ状況はまったく違っている。一方、初出場組を見ると、相撲形態模写芸で知られるあかつと、全身タイツで「ヤッホー!」モエヤンの名前が。お笑いブームの終わりを改めて実感。

『風の谷のナウシカ』Twitter実況まとめ

風の谷のナウシカ [Blu-ray]風の谷のナウシカ [Blu-ray]
(2010/07/14)
不明

商品詳細を見る

先日、満を持して購入したブルーレイレコーダーを試したくなって、借りてきた『風の谷のナウシカ』を観てます。ナウシカがオウムの抜け殻にセラミック刀を突くシーンはヤンデレとしか言いようがない。時代の先を行くなあ、駿氏は。
posted at 20:49:34

※以下、ネタバレが続きます。

続きを読む

柳家喬太郎『すみれ荘201号 / 夜の慣用句』

キング落語名人寄席 すみれ荘201号室/夜の慣用句キング落語名人寄席 すみれ荘201号室/夜の慣用句
(2001/08/01)
柳家喬太郎、田中ふゆ 他

商品詳細を見る

先日、「三遊亭圓歌の演芸図鑑」という番組にて、柳家喬太郎が『夜の慣用句』を披露していた。

『夜の慣用句』というのは喬太郎自身が手掛けた新作落語で、若い社員の飲み会に空気を読まない部長が無理やりに参加して、場を白けさせていく様をコミカルに描いている。演目の『夜の慣用句』というのは、この部長が慣用句に詳しく、それをひけらかすかのように“座右の銘”を聞いて回るところからきている。日曜日の早朝に放送している「三遊亭圓歌の演芸図鑑」で夜の居酒屋・キャバクラを舞台としたネタをどうして演じたのか、些か理解に苦しまなくもないが、時代性を感じることなく笑い飛ばせるネタという意味では絶妙な選択といえるのかもしれない。

この『夜の慣用句』と、同じく師が手掛けた新作落語『すみれ荘201号』を収録したCDが、2001年にリリースされている。『すみれ荘~』は、東京で同棲しているカップルの女が地元でお見合いすることに端を発した、師匠御得意の男女ネタだ。些か感情的な女性の描写、その女性に戸惑いながら都合のいい意見をする男性の描写、それぞれ巧みである。加えて、この『すみれ荘~』は、これまた師匠御得意の落語マニアネタも盛り込まれている。ある意味、師の真骨頂ともいえる一本で、せっかくなので聴いてもらえれば。

ちなみに、『すみれ荘201号』は『喬太郎落語秘宝館4』、『夜の慣用句』は『喬太郎落語秘宝館5』にも、それぞれ収録されている。ネタの内容は殆ど同じだが、収録されている時期が違うので、聴き比べてみるのも楽しいかもしれない。……最後にお詫び。以前、このブログで『喬太郎落語秘宝館1』のことを“喬太郎師匠による初の落語CD”という風に取り上げたが、こちらの方が先らしい。謹んでお詫びするけど、別に誰かに迷惑をかけたわけでもないだろう、などと随分なことも思ったりして。

……ところで、「笑神降臨」でもやってた『午後の保健室』はまだCDになんないの?


・本編
『すみれ荘201号』(32分27秒)
『夜の慣用句』(21分26秒)
 ※2001年1月13日、浅草・木馬亭にて収録

戦う漫才師

VS [DVD]VS [DVD]
(2011/07/06)
オリエンタルラジオ

商品詳細を見る

オリエンタルラジオの二人が2010年7月に行った全国漫才ツアーから、最終の東京公演を収録。オリエンタルラジオの二人が漫才ライブをDVD化するのは、2008年『才』・2010年『我』に続いて三度目のことになる。これまで彼らがDVD化してきたのは全てノンストップ漫才ライブだったが、今回は個別の漫才を収録した通常の漫才ライブの形式を取っている。かなりバラエティに富んだ内容になっているらしいので、今から楽しみ。

・その他のリリース予定
0706『宮川大輔×ケンドーコバヤシ あんぎゃー ~新潟ぶらりで旅トーク~
0713『ダイナマイト関西2010 third
0713『ダイナマイト関西2010 fourth
0803『LLR単独DVD
0831『パンサーDVD
0907『ジャングルポケットDVD

日曜日の記録

午前8時半、やはり汗まみれで目が覚める。

なかなか頭が働こうとしてくれないので、カプセル内に備え付けられているテレビを見る。通常の民放とは別に映画チャンネルというのがあったので、それに替えてみると、松田優作と薬師丸ひろ子が出ている映画が流れている。どうやら『探偵物語』の様だ。独特の雰囲気が実に日本映画的で良い。今度、レンタルで借りてみようと思う。改めてチャンネルを変えると、NHK教育で『クインテット』を放送している。ドヴォルザークの『家路』を演奏していた。名曲である。

ようやく覚醒し始めてきたので、カプセルから出る。とりあえず後輩のJ氏と合流しようと、彼のカプセルを覗き込むのだが、姿が見えない。何処へ消えたのだろうか。カプセルの中には、彼の服とケータイ電話が。思わずミステリー小説の様な展開を想像してしまい、なにやら落ち着かない。レストランフロアに探しに行ってみるが、いない。それでしばらくあっちこっちを探してみると、少し外れたところにあるマッサージチェアーに腰かけているのを見つける。こちらをハラハラさせておきながら、実に能天気である。

無事に合流したところで、改めてレストランフロアで朝食を取ることにする。宿泊客は350円払えばバイキングを食べられるということなので、そうする。おにぎり二個、食パン一枚、辛めの野菜炒めにウィンナーを五本ばかり食す。350円という値段の割には、なかなか美味かった。食後、J氏がトイレに入るが、トイレットペーパーが切れているという事態に陥るも、ウォシュレット機能のおかげで乗り切る。そういえばウォシュレットって、そういう機能だったな。

午後9時45分、出発。

続きを読む

プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

検索フォーム
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
月別アーカイブ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。