スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ベタの強みにゃ適わない『コクリコ坂から』

【映画パンフレット】 『コクリコ坂から』 出演(声):長澤まさみ.岡田准一.竹下景子.石田ゆり子.風吹ジュン/スタジオジブリ【映画パンフレット】 『コクリコ坂から』 出演(声):長澤まさみ.岡田准一.竹下景子.石田ゆり子.風吹ジュン/スタジオジブリ
()
Livraison

商品詳細を見る

映画『コクリコ坂から』を観た。

先に書いておくが、僕は宮崎吾朗監督による前作『ゲド戦記』を、あまり評価していない。とはいえ、吾朗監督が“御大”と名高い宮崎駿の息子であることに複雑な感情を抱いて躍起になって批判しているような烏合の衆の様に、完全に否定しているというわけでもない。少なくとも、『ゲド戦記』にはアニメ映画を作ってやろうという熱意は感じられた。まあ、熱意だけではなんともならないと言われればそれまでだが。しかし、その熱意が今回の『コクリコ坂から』では上手く作用されていたような気もする。

『コクリコ坂から』、結論からいうと好きな映画である。オーソドックスを通り越して、ひたすらにベタなドラマを見せつけられている様な展開ではあるが、それが実に楽しい。否、これは正しいと表現するべきかもしれない。変に捻った展開を加えてやろうなどという意識はなく、ただただ丁寧にベタの世界観を構築している。やたらと音楽を使いたがっている点は気になったが、それでも使い方は決して間違っていない。登場人物もいちいち魅力的で良い。贅沢を言えば、もう少しコクリコ荘の住人たちがストーリーに関わってくれば嬉しかったが。それにしても、カルチェラタンは素晴らしかった!あれだけで飯が三杯食えるぞ。

ジブリとしては久しぶりの青春恋愛映画、未見の人は観に行くべきである。
スポンサーサイト

2011年8月の購入予定

03『LLR単独ライブ『ふざけてるようですが真剣です。』
17『COWCOW CONTE LIVE 4
31『パンサーDVD PANTHER Vol.1

「オンバト+」チャンピオン大会も終わった八月、DVDのリリース情報を更新する前に感想文を書くべきなのではないかと思いながらも、ついつい簡単に出来ることを先に片付けておこうという欲に呑まれてしまう。イケナイネ。それで、八月の予定なのだが、またこれが七月と同様に少ない。しかも、また全組が吉本所属というバランスの悪さ。コンテンツリーグとか、仕事しなさいよ。

ちなみに、『きらきらアフロ 2010-2011』もリリースされる模様。僕は買わないけど。

素晴らしきイリュージョニスト

以前、このブログでも紹介した二本のアニメ映画『イリュージョニスト』と『ファンタスティック Mr.FOX』がDVD・BD化されるとのこと。嬉しいなあ。ここでは書かなかったけれど、実はどちらも映画館で鑑賞して、非常に素晴らしい内容だったので、ソフト化されたら是非にでも購入しようと思っていたので、今年中のリリースは本当に嬉しい。ふふふ、思わず笑みもこぼれたぞ。

ソフト化に当たって、簡単な感想などを書いておこう。

イリュージョニスト [Blu-ray]イリュージョニスト [Blu-ray]
(2011/10/08)
不明

商品詳細を見る

『イリュージョニスト』は、『ベルヴィル・ランデブー』を手掛けたシルヴァン・ショメ監督によるアニメ映画。『ベルヴィル……』は極端かつ過剰に描かれたグロテスクなキャラクターたちが冒険活劇を繰り広げる娯楽映画だったけれど、『イリュージョニスト』は極めて静かで大人向けの映画だった。でも、決して退屈な話ではない。老手品師と、彼を魔法使いだと信じている少女の奇妙な物語は、優しさと切なさと哀愁に満ちている。

ファンタスティックMr.FOX [Blu-ray]ファンタスティックMr.FOX [Blu-ray]
(2011/11/02)
ジョージ・クルーニー、メリル・ストリープ 他

商品詳細を見る

『ファンタスティック Mr.FOX』は、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』『ダージリン急行』などの実写映画を手掛けてきたウェル・アンダーソン監督による初めてのアニメ映画。これまで映画の中で家族について描いてきたウェス・アンダーソン監督だが、今作においてもその方針は変わらず。家族に「ファンタスティック!(素晴らしい!)」と言われたいがために奮闘し、色んな失敗をやらかしてしまうお父さんキツネの姿は、面白くって理不尽。だけれど、なんだかとっても可愛らしい。やたらポップなBGMも素晴らしく、ついうっかりサントラCDまで買ってしまった。ストップモーションならではの独特の動きも必見。

所詮、歴史は繰り返されるらしい。

澄江堂主人 前篇 (ビームコミックス)澄江堂主人 前篇 (ビームコミックス)
(2010/11/25)
山川 直人

商品詳細を見る

現在、「月刊コミックビーム」誌上にて連載中の漫画『澄江堂主人』に、とても興味深い現象が起こっている。

同連載は、小説家として知られている芥川龍之介を主人公とした、いわば伝記漫画だ。
但し、彼らはそのまま小説家としてではなく、漫画家として描かれている。
そのまま伝記漫画として表現するのは些かユーモアが足りないだろうという、作者・山川直人の遊び心によるものだろう。

主人公が芥川龍之介であるということは、同作の舞台となっているのは大正昭和である。
つまり、今から何十年も昔に起こった出来事を描いているということだ。
ところが、ここ最近の連載において、本作は今の時代(つまり2011年現在)の状況と多分に類似している点を見せ始めている。

月刊コミックビーム 2011年2月号 [雑誌]月刊コミックビーム 2011年2月号 [雑誌]
(2011/01/12)
不明

商品詳細を見る

例えば、「月刊コミックビーム」2011年2月号に掲載されている第十四話「安寧秩序」を見てみよう。
ちなみに「安寧秩序」とは、社会の秩序が平穏に保たれていることを意味する四字熟語だ。

「安寧秩序」は、漫画出版社に内務省の人間が乗り込んでくる場面から始まる。

内務省「コミック尾異夢四月号の発売頒布を禁止する!!」
ナレーション「この数年前から出版物に対する検閲処分の厳しさが増していた。「安寧秩序ヲ妨害シ又ハ風俗ヲ壊乱スル」とされた出版物は発売頒布を禁止され印刷原版まで差し押さえられた」
内務省「書店や取次に回っているものもただちに回収提出すること」
編集「そんな…しどい…」」


同時期、現在日本でも同様の問題が起きていた。“東京都青少年の健全な育成に関する条例の改正”である。
東京都が青少年に悪影響を及ぼすと判断した不健全作品の販売を規制する(大意)ことを目的とした同改正は、その基準の曖昧さが各所で物議を醸していた。

菊地寛「たしかに大日本帝国憲法でも第二九条で言論の自由が認められてるよ。でもそれは条件付きの自由で…その条件を規定しているのが出版法と新聞法って法律なんだが…安寧秩序、風俗壊乱…なにがいけないのか基準があいまいでわからないんだよ」
芥川「法律はあいまいに作って気に入らないものを処分する…今も昔も権力の常套手段さ」


これと似たような状況が、昭和にも起きていたのである。
無論、ここでのやり取りは、作者である山川の創作に過ぎない。しかし、それと似たような状況があったことは事実である。
曖昧であやふやな基準にして、自分に都合の悪い表現や俗悪と言われる表現を規制する。
芥川の「今の昔も…」のくだりは、なんともいえない皮肉だ。

コミックビーム 2011年 08月号 [雑誌]コミックビーム 2011年 08月号 [雑誌]
(2011/07/12)
不明

商品詳細を見る

そして、現時点での最新号である8月号でも、現在とシンクロする状況が起きている。
掲載されているのは第二十話「震災四年」。タイトルでも分かるように、テーマとなっているのは震災だ。

ナレーション「大正十二年(一九二三年)九月一日午前十一時五十八分。東京・横浜を中心にした関東一円をマグニチュード七・九の巨大地震が直撃した。地震と津波、火災などで死者九万一三四四人、行方不明一万三二七五人、震災者三一四万八二〇五人、家屋の被害は六九万四六二一戸にのぼった」

ナレーション「地震の直後から根も葉もないさまざまなデマが人々のあいだを飛びかった」
人々の声「富士山が爆発したって」「三日以内にもっとでかい地震が…」「首相暗殺?」「いや自殺…」
ナレーション「なかでも朝鮮人が放火などして暴れまわっているというデマはまたたくまに拡がり、恐怖心から各地で自警団が組織された。その自警団によって罪のない多くの朝鮮人が殺害されたことは、震災のもうひとつの大きな悲劇であった」


本作は東日本大震災を意識して描かれていると考えて間違いないだろう。
悲痛な震災と不謹慎なデマは、まさに今回の震災直後にも多く見られた現象である。

ある日の夜、自警団として駆り出された夜のことを、芥川は「侏儒の言葉」という作品に書いている
(以下、原著ではなく、作品内のテキストを引用)

もし幸福と云ふことを苦痛の少ないことのみとすれば、蟻は我々より幸福であらう。蟻は破産や失恋のために自殺をする患はない…が、我々と同じやうに楽しい希望を持ち得るであらうか? 自然は唯冷然と我々の苦痛を眺めてゐる。我々と蟻と大差のないことだけは確かである。だとすれば、人間らしい感情の全部は一層大切にしなければならぬ。我々は互に憐まなければならぬ。況や殺戮を喜ぶなどは…


時代は変われど、人は変わらない。
だからなのだろうか、芥川のこの言葉は今も変わらず響いてくる。

女を見る女、女を見せたがる女。

柳原可奈子 初単独ライブ「見せたがり女」 [DVD]柳原可奈子 初単独ライブ「見せたがり女」 [DVD]
(2011/09/21)
柳原可奈子

商品詳細を見る

柳原可奈子の初単独ライブがDVD化されるとのこと。彼女名義によるDVDがリリースされること自体が、確か初めてだったような気がする。柳原可奈子といえば、ネタのクオリティが評価されていたタイプの芸人。それが今まで、一度も作品を残してこなかった。それはつまり、これが彼女にとって満を持した作品だということを意味している……のかもしれない。そもそも、女性のピン芸人がライブDVDをリリースすること自体、どういうわけだか稀だ。近年は鳥居みゆきくらいじゃないか。どんな内容に仕上がっているのか、今から楽しみである。

・その他のリリース情報
0921『エレキコミック第20回発表会『NaNoNi』
0921『バカリズムライブ 番外編 「バカリズムV」
0921『TKOゴールデン劇場 ~松竹芸能 新宿角座 柿落し公演~
1004『ニコニコキングオブコメディ 冗談にもほどがある!

最近観た映画の話

オーメン [Blu-ray]オーメン [Blu-ray]
(2010/07/02)
グレゴリー・ペック、リー・レミック 他

商品詳細を見る

悪魔の少年ダミアンの周辺にいる人たちが死んじゃうアレ。昨今のホラー映画は驚かすことを目的としている感があるけれど、今作は驚かすことよりも「如何に面白く人を殺すか」ということに着目していて、実に悪趣味で良い。特に第一の犠牲者である乳母の死に様は、怖くて強烈。カメラマンの死は映像効果としては面白いかもしれないけれど、そこまで惹きつけられなかったな。

バットマン [Blu-ray]バットマン [Blu-ray]
(2010/04/21)
マイケル・キートン、ジャック・ニコルソン 他

商品詳細を見る

コウモリ男のアレ。もっとコミカルで楽しく、それでいて恐ろしいイメージがあったけれど、想像していたほどではなかったような。期待し過ぎて失敗しちゃったパターンのヤツかもしれない。映画としては面白くて、バットマンがジョーカーを生み出してしまう数奇な運命っぷりがたまらなかった。あと、ジョーカーが悪の仲間たちと会議するシーンも好き。あの、握手した相手が、ちょっとアレんなっちゃうところがネ。要するにジョーカーが好きなのかな。でも、日本語版の声優がデーモン小暮なのはどーなんだ。見た目だけだろ。

スパイダーマンTM [DVD]スパイダーマンTM [DVD]
(2004/06/23)
トビー・マグワイア、ウィレム・デフォー 他

商品詳細を見る

クモの力を手に入れた青年がまったく別ん所から発生した怪人と戦うアレ。かなり久しぶりに観たけれど、こんなに面白い映画だったかしらん。当時は話題性に乗っかる形で観たから、ちゃんと映画として観てみようという意識が足りなかったのかもしれない。『バットマン』とは逆のパターンだな。スパイダーマン及び怪人が誕生するまでの流れを丁寧かつスリリングに描いていて、実にたまらなかった。そりゃヒットするわな。

アイアンマン [Blu-ray]アイアンマン [Blu-ray]
(2010/05/26)
ジェフ・ブリッジス、グウィネス・パルトロウ 他

商品詳細を見る

武器商人だったけれど色々あって改心、ついでに最強のスーツまで作っちゃったアレ。いわゆるアメコミヒーローものの映画としては珍しく、主人公の暗い側面が殆ど描かれていないのが実に健やか。ま、一応武器を作ったり売ったりしていたっていう過去もあるんだけれど、それもあっけらかんと反省して、撤廃を宣言するってのが気持ちいい。あと、スーツが作られるまでの行程が、これまた丁寧かつスリリングに描かれているのがたまらんね。こういうスカッとするタイプのヒーロー映画があってもいい。……いや、ここにあるんだけれども。

「fan*fun」に寄稿しました。

かなり今更な話題ですが、「fan*fun」というお笑い雑誌に寄稿しました。

「fan*fun ファンによるファンのためのお笑い雑誌 創刊特大号」
「fan*fun ファンによるファンのためのお笑い雑誌 vol.2」

「fan*fun」はお笑いファンの人たちによって作られた電子書籍で、見ての通り“ファンによるファンのためのお笑い雑誌”を謳っております。その様なところに、僕の様なお笑い雑食主義者が寄稿しても良いものかと思ったりもしたのですが、遠慮よりも好奇心の方が勝ってしまい、参加する方向へとまとまってしまったという次第です。

読むためにはお金を払わなくてはならないので、無理にはオススメ致しません。実は、個人的にも、それほど納得のいく文章を送ることが出来ておりません。過去二回とも、どうにかこうにかひり出して書き上げたテキストを送っております。どうも、参加したいという気持ちが強すぎて、何かを書きたいという気持ちを抑え込んでしまっている感が。次で第三弾、そろそろ慣れ始めないといけないんですけどね。

ちなみに、これまでの二回で僕は“佐久間一行”と“GAG少年楽団”について書かせていただきました。はっきり言って、どちらも特別好きだというわけではないのですが、その芸に好意を持っていて、かつ今後の活躍に期待している二組ではあります。そんな立場から書かせていただいておりますので、本当に好きな人には満足できない内容になっているかもしれません。その時は……まあ、こんなもんだろうと思っていただければ、これ幸いです。

ところで、「fan*fun」の次号のテーマは“漫才”とのこと。勿論、次もコラムを寄稿させていただく予定なのですが、過去二回と同様に難産の様相を呈しております。果たして、〆切までに形になるのかどうか……。どうなるかは分かりませんが、また掲載されることが決まり次第、ブログで報告していこうと思います。よろしくね。

「THE MANZAI2011」認定漫才師50組のまとめ

2011年に日本で最も面白い漫才師を決する「THE MANZAI2011」における、“本戦サーキット”へと出場できる50組の認定漫才師が決定した。これまで、このブログではあまり「THE MANZAI」について触れてはいなかったが、それなりに大きな話題としてお笑い通の間で盛り上がっているようなので、ちょっと触れておくことにした。ちなみに、その認定漫才師50組というのは、以下の面々である。

・「THE MANZAI2011」認定漫才師50組
アメリカザリガニ、アルコ&ピース、囲碁将棋、ウーマンラッシュアワー、エルシャラカーニ、学天即、キングコング、銀シャリ、グランジ、ザ・パンチ、さらば青春の光、磁石、ジャルジャル、シャンプーハット、スーパーマラドーナ、スパローズ、スリムクラブ、ダイノジ、チキチキジョニー、千鳥、テンダラー、東京ダイナマイト、トータルテンボス、土佐駒、ドレッドノート、トレンディエンジェル、ナイツ、流れ星、南海キャンディーズ、2700、ニレンジャー、Hi-Hi、博多華丸・大吉、バッドボーイズ、ハマカーン、ハライチ、はりけ~んず、パンクブーブー、ビタミンS、風藤松原、プリマ旦那、平成ノブシコブシ、POISON GIRL BAND、ぽ~くちょっぷ、マヂカルラブリー、メッセンジャー、U字工事、夕凪ロマネコンティ、吉田たち、我が家


“結成年不問”という点が大きく話題となった「THE MANZAI2011」だが、こうして決定した面々を見てみると、なんだか「M-1グランプリ」(01年~10年)と大して変わらないのではないか、という印象を受ける。特に“千鳥”“東京ダイナマイト”“POISON GIRL BAND”あたりの名前を見ると、そう思わずにはいられない。“エルシャラカーニ”“スパローズ”“ニレンジャー”などの名前もあるが、この辺りはM-1における髭男爵枠(会場を盛り上げる役割を担う芸人の意。独自の活躍を見せるも、決勝進出にはカスリもしないことも多い)に見えて仕方ない。……まあ、まだ第一回大会なのだから、先駆者であるM-1グランプリの胸を借りようということなのだろう。今後に期待したい。

ただ、個人的にどうも引っ掛かって仕方がないのは、開催当初は全国で行われる予定だった“本戦サーキット”が、東京・大阪・京都でしか行われないという点だ。なるほど、つまり大会開催者にとって全国というのは東京・大阪・京都のことなのか、フーン……と、そんなワケがない。開催前にあれだけ大風呂敷を広げておきながら、蓋を開けてみればコレかと。呆れて物も言えない。いや、まだ何か発表があるらしいので、決めつけられはしない。もしかしたら、更に会場が追加される可能性だってある。しかし、もしもこのままだったとしたら……いくら第一回大会だからとはいえ、些か否定的な目で見たくもなるというものだ。

ちなみに、以下は本戦サーキットへの出場を惜しくも逃した、いわゆる敗者の主な顔ぶれをまとめた表である。

・主な予選敗退組
アームストロング、アイデンティティ、アジアン、アップダウン、イワイガワ、インポッシブル、エリートヤンキー、エレファントジョン、LLR、えんにち、オジンオズボーン、COWCOW、ガスマスクガール、カナリア、かまいたち、ギャロップ、麒麟、コマンダンテ、三拍子、ジャングルポケット、しんのすけとシャン、ストリーク、スマイル、ダイアン、タイムマシーン3号、田畑藤本、チーモンチョーチュウ、超新塾、つばさ・きよし、天竺鼠、天狗、天津、Dr.ハインリッヒ、飛石連休、とろサーモン、2丁拳銃、ハイキングウォーキング、×-GUN、ハリガネロック、ビーグル38、Bコース、藤崎マーケット、プラスマイナス、プリンセス金魚、ブロードキャスト、マシンガンズ、見取り図、もっこすファイヤー、モンスターエンジン、ゆったり感、りあるキッズ、ロケット団、ロザン、ロシアンモンキー、レイザーラモン、和牛


出場者の数が多いのだから、敗者の質も高くなるのは当然なのだが、それにしても豪華な面々である。アジアン、麒麟、ダイアン、タイムマシーン3号、2丁拳銃、ハリガネロック、モンスターエンジン、りあるキッズなど、M-1グランプリの決勝戦に進出したことがある漫才師らの名前もある。個人的に期待していたCOWCOW、ストリーク、飛石連休、三拍子、マシンガンズも、ここに名を連ねている。実に残念である。しかし、第一回大会と第二回大会とでは、大きく審査方針が変更されることも少なくない。なにやら口惜しい気もするが、来年の活躍を楽しみにしておこう。(漫才の出来が悪かったのだろうという話は、ひとまず置いておく)

続きを読む

「オンバト+」七月九日放送感想文とおまけ

タイムマシーン3号【461kb】
今期四勝目。前三回はオーバー500を記録していたが、ここで少し勢いが衰えてしまったか。とはいえ、平均キロバトルはオーバー500と高数値を記録している。ネタは『食後にコーヒーかお茶か』。『パンか米か』『カラオケデートかボウリングデートか』に続く、二人が自論をぶつけ合うスタイルの漫才で、相変わらず面白い。「喪服です!」は笑ったなあ……。このスタイルになってから、タイムマシーン3号もようやく一つ上の段階に上がった気がする。今回のオンエアでチャンピオン大会出場は確定となったが、果たして?

アルコ&ピース【485kb】
今期四勝目。今回のオンエアで、「爆笑オンエアバトル」時代から通じて自己最高キロバトルを更新。2011年に突入してからは、「オンバト+」で漫才のフォーマットをネタに取り入れるようになった彼ら。今回のネタは、漫才師が用いることの多い『天使と悪魔』というテーマを自己流にアレンジしている。全体として見たら面白いんだけれど、ボケの一つ一つが長いからか、ネタ時間に対してちょっと物足りなさを覚える。展開ももう一捻りあれば、もっと面白くなったような気が。ただ、何処となく漫才をバカにしているようなスタイルは、攻撃的で良いと思う。どんどんやってもらいたい。

キャプテン渡辺【465kb】
今期四勝目。クズあるある漫談でコンスタントにオンエアを重ねてきた彼だが、チャンピオン大会にはあと一歩のところで及ばず。ボーダーとなったザ・ゴールデンゴールデンとボール六個差。実に惜しかった。数少ないピン芸人としての活躍、期待していたんだけどな。ネタは、お馴染みのクズ漫談。今回は「バイトの面接」に関するエピソードを披露している。クズっぷりは相変わらずだが、テーマが具体的に絞られたことで随分と観易くなった様に思う。以前はもっと混沌としていたような。バイトの日程を決めるくだりは最高! 「我々は、難色を示し続けているんだよ!」。

ジンカーズ【453kb】
今期二勝目。バスを待っている最中、かつての同級生にそっくりだという男に絡まれ続けるコント。「馬場にそっくりだ~!」と自覚しているにも関わらず、まるで実際の同級生に遭遇したようなテンションで対応してくる理不尽さが、妙に面白い。「そんなにそっくりなのに来ないの?」という理屈が、どうして彼の中で成立しているんだろう? そういう不条理さから来る面白さが、全体を通してじんわりと浸透していった様に思う。個人的には、カブトムシのコントを思い出した。今時のナンセンスコントって、そういう感じなのね。

スパイク【485kb】
初オンエア。「オンバト+」史上、初めてオンエアされた女性コンビとして記録しておきたい。ちなみに、「爆笑オンエアバトル」を含むと、女性コンビがオンエアされるのは2009年11月にオンエアされたニッチェ以来の模様。少年少女とかモエヤンとか、挑戦してもオンエアはされなかったからなあ……。ネタは、海外の学園ドラマに出てくる恋する主人公をやってみる、という漫才。言葉選びや二人のやり取りが、実に等身大の女性漫才師という感じがして初々しい……と思っていたら、後半の展開で大笑い。くっだらない。でも、それがいい。コンビ歴二年、今後の展開に期待したい。

・今回のオフエア組
361kb:ガスマスクガール
321kb:テンゲン
289kb:フラミンゴ
253kb:ザクマシンガン山田
177kb:世界少年

大阪のコント師ガスマスクガール、ボディビルネタで「爆笑レッドカーペット」を湧かせたテンゲンなど、初出場の芸人が敗退していった中、チャンピオン大会を目前にして敗れ去ったフラミンゴの名前が印象的。「爆笑オンエアバトル」第11回チャンピオン大会では、セミファイナルでオーバー1000を記録していた彼ら。今回、その再来に期待していたのだが……残念。また、昨年七月にコンビを解散したばかりのザクマシンガン山田の名前も印象的。漫談ネタなのだろうか?(なお、今回は+1投票無し)

ブーブートレイン【+1】
ファミリーレストランを訪れた大柄な体格のお客に、オーダーの確認に行く。以前、「爆笑レッドシアター」で披露していたネタと同じネタ。店員役の人の小芝居が引っ掛かる。淡々とした方がボケが伝わりやすい。そのボケも、たまにこちらの想像力が故に嫌悪感を覚えるようなものがあって、そこに改善の余地があるように思えた。たまに……といえば、言葉の間違い(自分がオーダーを受けたわけじゃないのに「耳を疑った」は可笑しい。「目を疑った」だろう)だとか、明らかにもっと活かせるボケ(「当店のポイントカード」は、もっと上手く使える筈だ!)なども見られ、105kbという結果には納得せざるを得ない。ただ、今回は急遽の出場だったとのことなので、仕方ないといえば仕方ないのだが。

以下、「オンバト+」第一回チャンピオン大会出場者のまとめ。

続きを読む

第十一回東京03単独公演『正論、異論、口論。』

第11回東京03単独公演 「正論、異論、口論。」 [DVD]第11回東京03単独公演 「正論、異論、口論。」 [DVD]
(2011/05/18)
東京03

商品詳細を見る

東京03の最新公演を観に行く直前、東京03の去年の公演『正論、異論、口論。』のDVDを観た。前回の公演を観ずに最新の公演を観るのは、なんだか片手落ちになっている気がしたからである。で、実際に観て、それから最新の公演を観て、そして今、副音声込みの本編を観ているわけだが……どうも、古臭く見えて仕方がない。たかが去年の公演なのだが、それがすっかり過去のモノになってしまっている。それだけ、現時点における最新の公演『燥ぐ、騙る、暴く。』が素晴らしい内容だったから、ということなのだろう。では、本作が面白くないのかというと、そんなことはない。少なくとも初見時には、第十回単独公演『自分、自分、自分。』から更に面白くなったと確信していた。

東京03のコントといえば、一般の生活を送る上で見過ごしがちな小さなストレスを徹底的に掘り下げて、そのちょっとした不条理を日の元に曝け出す様が笑いになっていることが多い。例えば、本作の二本目に収録されている『お礼させて下さい』などは、その典型例だ。その内容は、仕事を成功させた男(角田)がそれを手伝ってくれた先輩(飯塚)と後輩(豊本)にすぐさまお礼の場を設けようとするのだが、二人とも用事があるので今日は行くことが出来ないと言われ、思わず本音がこぼれてしまう……というもの。その後、どうにか言い訳をしようとして壊れていく角田の様は、まさに生々しき人間の真の姿を捉えているといえるだろう。ちなみに、副音声によると、この『お礼させて下さい』にはモデルがいるとのこと。それが誰なのかは、是非DVDで確認して頂きたい。

この他にも、マニュアル対応し続けるコンビニのバイト店員にイライラが止まらない『融通』、友人に紹介してもらった女性が巻き起こしたハプニングが思わぬ事態を招く『そういう人』、上司の趣味で作ったものを受け取り続ける後輩たちの姿を描いた『課長の趣味』など、人間性が浮き彫りになったコントが今回も盛り沢山だ。中でも、同棲生活一日目に彼女が友人に告白するという大事件が勃発する『入居日』の追い込まれ感は、必見である。

その一方で、本作ではこれまでの東京03のコントではあまり観られなかったような、一風変わったコントも見られた。『ゴンとのお別れ』が、それである。その内容は、亡くなったペットの埋葬に行ったら、担当者がおじいちゃんだった……という、非常にオーソドックスなコントの様相を呈している。角田演じるおじいちゃんの演技があまりにもリアルで、実に面白かった。副音声によると、このコントは角田の実体験を基にして作られたのだという。……コント的なリアル、とでもいうのだろうか。

この『ゴンとのお別れ』に見られるような“コント的な笑い”が、次の公演『燥ぐ、騙る、暴く。』では少し増幅していた点を、今となっては興味深く感じている。というのも、その公演で僕が非常にコント的だと感じたネタも、実は角田が発端となって作られたネタだったからだ(パンフレット参考)。これまで、飯塚先導の元、リアルなシチュエーションのコントを作り続けてきた彼らだが、今後はそういうコント的なコントもだんだんと増えていくのかもしれない。その鍵を握っているのは、もしかしたら角田なのかもしれない。なにはともあれ、今後の更なる進化に注目だ。


・本編(120分)
「キャスト紹介 ピアノ曲「正論、異論、口論。」」「融通」「オープニング曲「雷電口論」」「お礼させて下さい」「フセイジツ 戯言の流出」「そういう人」「第3回そういう人大会・大会要項」「課長の趣味」「つくりかけのきりんくん」「入居日」「ナットクデキナイアニメ」「ゴンとのお別れ」「プロモーション 商品の告知」「それぞれの災難」「エンディング曲「異口同音」」

・特典
メンバー三人(+α)による副音声

第十二回東京03単独公演『燥ぐ、驕る、暴く。』を観に行ってきた。

七月十日、第十二回東京03単独公演『燥ぐ、驕る、暴く。』を観に行く。

コント師の単独ライブを観に行くのは、2009年5月に高松で行われたラーメンズ第十七回公演『Tower』以来である。しかし、今回の会場は高松ではなく、岡山にあるさん太ホールという場所だ。高松の様に、容易に行ける場所ではない。……とは言うものの、つい三日前に別件で行っているのだが。あの時は、なんだかんだあって帰宅が午前一時という悲劇的な結果に至ったが、今回は同じ轍を踏まない様にしなくては。

開演時刻は午後五時半だったのだが、僕はその三時間半前の午後二時に岡山駅に到着した。“さん太ホール”という場所が不確かだったため、少し早めに到着しておこうという配慮によるものだったのだが、些か早すぎた様だ。ひとまず、三日前に訪れたときには、時間の関係上行くことが出来なかったラーメン屋「一風堂」へと向かう。岡山駅から桃太郎大通りへと向かっていると、左手に見えてくる店だ。ここは五月に行われた『爆笑バトルライブツアー』を鑑賞しに出掛けた際にふと立ち寄った店なのだが、博多の豚骨風味が実に美味であった。そのことが印象に残っており、今回の来訪に至ったのである。「本当に美味なのかどうかは、一度食べただけでは分からない」というのが僕の持論なのだが、今回もきちんと美味かった。店を出る際に、スクラッチ券を頂く。削ると三等。次回、来店の際には、無料で餃子を貰えるらしい。……次の来店まで、覚えているのだろうか。

食後、腹ごなしに闊歩しながら、岡山のタワーレコードに向かう。こういう時でも、意識は落語のCDである。ぶらぶらと眺めていると、“3,000円以上購入するとカードが貰える”というコピーが書かれたポスターを発見。しかし、落語のCDは基本的に2,000円台なので、これだけではカードが貰えない。それがなにやらシャクだったので、何か別のCDも買うことに。色々と考えあぐねた結果、以前から気になっていたandymoriのアルバムを購入する。フルアルバム、なのに2,200円。宜しい。ちなみに、落語のCDは柳家小三治『お茶汲み』を購入した。朝日名人会シリーズが地道に増えている……。

岡山のタワーレコードがある岡山OPAを正面から出て左手に進むと、今回の会場となっているさん太ホールに辿り着く。これが実に大きい。これまでに見たことがある建物の中で、一番大きいのではないかという程に大きい。後で調べてみたところによると、その建物はさん太ホールではなく、ホールと隣接する山陽新聞本社らしい。……儲かってるんだなあ、新聞社って。この時点で、時刻は午後四時半。会場まで三十分程あるので、ぶらぶらと辺りを散策する。ちょっと裏通りを歩いてみると、あちらこちらにアジア系のマッサージ店が。……新聞社の人が利用していたりするのだろうか。

開場までぶらぶらしていようと思ったのだが、あまりに日差しが強いので、すぐさま会場へと舞い戻る。とはいえ、することがない。ふと見ると、会場の脇になにやら店がある。勢いで飛び込んでみると、ケーキ屋さんであった。男一人、場違い感が尋常ではないが、入ってしまったのは仕方がない。サマーティラミスとアイスショコラを注文、堪能する。なかなか美味かった。「ニニキネ」という店らしい。ぼんやりとスイーツを堪能していると、表の方が騒がしい。見ると、開演十分前だというのに、東京03を観に来ただろう人たちが列を成している。列が出来ていると、なにやら急いで並ばなくてはならないと思ってしまうが、そこは心を落ち着かせて、最後までじっくりとスイーツを味わう。滅多に味わうことのない甘み、じっくりじっくり舌に溶かさなくては。食べ終わったところで店を出て、そそくさと最後尾に並んだ。五分ほどで開場、会場入りとなった。

ホール入り口手前に、お馴染みの物販が。これまでに東京03がリリースして来たDVDや、公演用に作られたTシャツ、タオル、ボールペンなどが売られている。暑い最中なので、タオルが欲しいような気もしたのだが、うっかり日用品にしてしまいかねないものは勿体無い様な気がしたので、ライブのパンフレットとサントラCDを購入する。……ライブを観る前にパンフレットとサントラCDって、どうなんだろうか……? グッズが入った袋を片手にホールへ。さん太ホールの席はゆったりしていていい感じ。市民会館も文化会館も椅子が狭いのに……新聞社め。しかし、おかげでゆったりと開演を待つことが出来た。

午後五時半、開演。大竹マネージャーが演奏するピアノ曲が流れ始める。カッコイイ!

……さて。今回のライブは全国公演で、八月末まで行われる予定なのでまだネタバレは出来ない。というか、ネタの順番をまるで覚えていない(笑い過ぎてタカが外れてしまったため)ので、そもそも書けないという状態である。ネタのタイトルなどは、ライブ会場で手に入れたパンフレットに書かれていたのだが、これも順番通りではない。そこで、非常に漠然とした感想を書かせていただく。が、それすらも望ましくないという人は、以下の文章を読まない方がいいだろう。

続きを読む

七夕の夜に「柳家花緑独演会」に行ってきた。

七月七日木曜日。七夕の夕刻、僕は一人で岡山へと向かう列車に乗っていた。そこで行われる「柳家花緑独演会」を鑑賞するためである。ただ、僕は別段、柳家花緑のことを好いているわけではない。それでも、瀬戸内海を挟んでいるとはいえ、隣県で落語会が行われるというのであれば、やはりこれは鑑賞に出向くべきであろうというと、そういう結論に至ったが故の行動であった。しかし、幾ら隣県とはいえ、決して近くはない。仕事場を途中で抜け出し、宇多津駅から坂出駅へ、坂出駅から岡山駅行きの列車に乗り換えるという行程を経て、結局一時間ばかりかかってしまった。会場となった岡山市民文化ホールまでは、路面電車で向かった。やはり路面電車は、ちょっとした移動にはこの上なく便利である。

会場に到着、チケットをもぎってもらって中に入ると、早速物販コーナーを発見する。ここ最近、僕にとっての落語会の目的が物販になってしまっている気がするのだが、気のせいということにしておく。物販コーナーでは、花緑手ぬぐいを始めとして、これまでにリリースしてきた本・CD・DVDが陳列されていた。それらを購入すると、独演会終了後に行われる予定のサイン会に参加できるという。僕としては、朝日名人会シリーズの一枚である『柳家花緑1』を入手したかったのだが、残念なことにそこでは売られていなかったので、以前に購入を惜しんだ新書本『落語家はなぜ噺を忘れないのか』を購入する。支払いを済ませると、物販スペースの脇に通される。そこには長机が置かれており、その上には大量のふせんと使い捨て用の鉛筆が。どうやら、独演会後のサイン会を迅速に済ませるために、このふせんに名前を書いて購入物に貼りつけておかなくてはならないらしい。なにやら工場の流し作業風景を彷彿としながら、ふせんに自分の名前を書いた。

物販前の通路を抜けたところにある階段を上がって、ホールの中に入る。すると、そこには沢山の人がいた。ほぼ満員といった様相で、二月に同じ場所で行われた立川志らく独演会は一体なんだったんだと思いもしたが、それだけ花緑の知名度が凄いということなのだろうと納得することにした(後で知ったのだが、花緑は年に一度岡山で独演会を行っているらしい。恐らくお馴染みの客も多いのだろう)。開演予定時刻まで残り時間十分といったところで、自分の指定席に座る。……が、なかなか始まらない。落語会となると、どうもこの待ち時間が落ち着かない。会場内に時計を設置してあれば、こんな気持ちにならずに済むのだが、それを望むのは贅沢だろうか。

続きを読む

『U字工事の北関東オンリーワン』

U字工事の北関東オンリーワン [DVD]U字工事の北関東オンリーワン [DVD]
(2011/04/22)
U字工事

商品詳細を見る

“キャラ芸人”と呼ばれている人たちがいる。独自のキャラクターに扮し、ネタを披露する芸人たちのことだ。彼らはそれぞれ、そのキャラクターに適した独特のスタイルを築いてきたスキマ産業的な芸人であり、その笑いは他に類を見ない。……そう考えると、彼らはもうちょっと評価されるべき対象の様な気もするのだが、どうも“キャラ芸人”という言葉は、あまりポジティブな意味で使われていない。

その原因は、彼らの芸人としての脆弱さにある。彼らは自らのキャラクターのために作られたスタイルの中では無敵と言っても過言ではないが、一度そこから追い出されると、まるで借りてきた猫の様に大人しくなってしまう。というのも、彼らのキャラクターは基本的に彼ら自身によって作られた台本の上でのみ成立するもので、突然のアドリブなどに上手く対応するための策が練られていないことが多いからだ。キャラクターを超越した変人である春日俊彰(オードリー)や、強烈過ぎて他者をも世界観に巻き込んでいく鳥居みゆきの様な例は、実に稀であるといえるだろう。

で、U字工事だ。彼らは栃木県出身の漫才師である。以前は、その栃木訛りを利用して、田舎を舞台とした漫才コントを主に演じていたが、益子扮する“栃木に対して異常な愛情を持つ男”が中心となったしゃべくり漫才が評価されてからは、栃木愛に満ちたコンビとして知られるようになっていった。2008年にはM-1グランプリの決勝戦へと進出を果たし、総合で9組中5位というまずまずの結果を残した。どっからどう見ても純然たる漫才師であるU字工事だが、栃木という枠の中で輝いている彼らもまた、 “キャラ芸人”としての側面を兼ね備えている。いずれ、その枠から脱却しなくてはならない日も来るだろうが、それは果たしていつのことなのか?

本作『U字工事の北関東オンリーワン』のトリを飾っている漫才『栃木愛』では、彼ら自身がそのことについて言及している。

福田「これからもね、40年50年と、栃木ネタで、漫才を続けていきたいなあって思うべ」
益子「ちょっと待てよ。いや、40年50年は分かるよ? 栃木ネタは続かねえぜ、40年50年も」
福田「どういうことだ?」
益子「10年ちょっとで息切れしてんのに、もうネタねえべ!」
福田「息切れとか言うな、単独ライブで!」
【略】
益子「あーあ、ビジネス栃木を演じるのはもう疲れた~」


ちなみにこの後、実は益子は福田の栃木愛を確認するために、栃木のことをくさしていたという流れになる。要するに、いつもと同じ流れなのだが……これが相変わらず面白い。益子の顔を栃木に例えてみたり、正月にはハワイに行きたいという福田の言葉を受けて「都会ンフルエンザ」などという造語を持ち出したり、ワイキキビーチは空想上の世界だと断言したり。……これらのネタは、もしかしたら彼らが栃木ネタを決して捨てないということの表明なのかもしれない。

もう一つ、キャラ芸人と呼ばれている人たちがあまり評価されていない理由に、そのキャラクターが徹底していないという点が挙げられる。先にも書いた様に、彼らのキャラクターは脆弱だ。他者がその世界観に介入すると、それだけで世界観が崩壊してしまうことも少なくない。それでも、自らの世界観を守り続け、ネタを深化し続ける芸人はいる。U字工事にとっての栃木もまた、その路線を進むことが出来るのだろうか? なかなかに修羅の道だと思うのだが……。

ところで本作だが、前作と同様に単独ライブDVDとしては些か弱い。漫才のクオリティは高いのだが、単独用に作られただろうコントがあまりにも弱すぎる。とはいえ、光明は見えた。「アメトーーク」でも話題となった町工場芸人であることに注目したコント『喫茶ファクトリー』や、演芸場でネタを披露していそうな中年夫婦漫才師を演じたコント『ゆう子こう次』などは、今後の展開に期待が持てそうなネタだったように思う。ただ、普通のコントをやると、本当に……うん。


・本編(73分)
「オープニングナレーション」「オープニングコント」「オープニングVTR」「漫才(東京生活)」「喫茶ファクトリー」「ゆう子こう次」「ストロベリー泥棒」「とちぎテレビ漫才」「花嫁の父の計画」「漫才(栃木愛)」「エンドロール」

・特典映像(62分)
「MEN’S NO-GYO」「MEN’S KO-GYO」「福田薫の漫画道場」「ミニドキュメント“ごめんね~ごめんね~”の生みの親、バイトの後輩・植木くんに会いに行こう in町工場」
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

検索フォーム
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
月別アーカイブ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。