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「笑神降臨2011」第五回:Wコロン

ストイックに笑いを追求し続けているバラエティ番組「笑神降臨」、折り返しとなる第五回の出演者はWコロン。ナイツ・ロケット団とともに浅草の演芸場を背負って立つ若手漫才師だ。世間ではねづっちの「なぞかけ芸人」ぶりが知られているけれど、今回は果たして?

■漫才1(二人で旅行・カーナビ)
■なぞかけ叩き売り
■漫才2(使えるなぞかけの伝授)
■漫才3(顔文字)


全部で四本のネタが披露されているが、うち三本は「なぞかけ」関連のネタという構成を取っている。ある意味、清々しい。特に今回、ネタ下ろしとして披露した漫才2の出来は、なかなか良かった。正直、ねづっちの「なぞかけ」芸には食傷気味で、好きな人には申し訳ないけれど少しうんざりしていたんだけれど、この「日常で使えるなぞかけ」を提示するシステムは、自らの「なぞかけ」芸が単なる遊び以外の何物でもないものであることを改めて表明した、自己批判的な内容になっていて実に新鮮味があった……って、大袈裟だなどうも。

しかし一方で、どうにかならんかったのかと言わざるを得ないのが、唯一の「脱なぞかけ」ネタだった『顔文字』。2ちゃんねるからの引用であることを最後にバラす展開であるとはいえ、「トリビアの泉」などでも取り上げられた名作顔文字を堂々と使ってしまっていることに、どうしても好感を持てないのである。なんだか、「最後にバラすんだから別にいいでしょ」と無理矢理言いくるめられている様な、そんな不快感がある。このネタは『浅草三銃士』でも披露されていて、やっぱりそんな不快感を覚えたんだけれど、よもやここでも披露されることになろうとは。

次回の出演は鳥居みゆき。……神っていうか堕天使サタン?
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「笑神降臨2011」第四回:松村邦洋

世相に流されないお笑いファンに捧げられたバラエティ番組「笑神降臨」。第四回となる今回の出演者は、モノマネ芸人としてデビューするも愛嬌のあるデブキャラとしてのイメージが強い松村邦洋。しかし、モノマネ芸人として確固たる実力の持ち主であり、ライブでの評判はすこぶる高い。今回の放送では、その実力を垣間見せることが出来るのか。

 ◆インターミッション「監督が語る、松村3連戦敗退の弁」
■第1戦「はい!」
 ◆インターミッション「監督が語る、松村3連戦敗退の弁」
■第2戦「織田信長のオールナイトニッポン(ビートたけし風)」
 ◆インターミッション「監督が語る、松村3連戦敗退の弁」
■第3戦「ものまねプロジェクトX」


「はい!」の放送中、観客のリアクションが少し薄いのではないかとTwitterで話題になっていたけれど、改めて見ると仕方がない気がする。なにせ、ストイック。殆ど補足説明を加えず、ひたすら「はい!」の言い方だけで似せる。はっきり言って、僕も完全に置いて行かれた。ビートたけし三連発には笑ったけれど。あと、俳優さんで畳みかけるところを勢いで押し切ろうという、なんともいえない姑息さ加減も良かった(笑)

全体の構成を見ると、だんだんと分かりやすくなっていったような印象がある。ストイックな「はい!」、趣味に走った「織田信長のオールナイトニッポン」、分からない人にも分かりやすい人生史「ものまねプロジェクトX」と。普通、逆なんじゃないかという気がするのだけれど、内容を考えると、これが正しいという不思議なバランス。恐らく、基本的に不器用なんだろう。それでも、不器用なりに紆余曲折を経て、ここまで辿り着いたのだ。そのことを思うと、「ものまねプロジェクトX」は涙無しには見られない。泣き笑い。松村邦洋、その芸は人間も含めて面白い。

次回の出演は“Wコロン”。放送済。

「小枝のらくご」(松山・8月28日)

愛媛県松山市で行われた「小枝のらくご」を観に行ってきた。

今回の会場となったビビットホールは、テレビ愛媛が化しているホールだ。だから、なんとなく、さん太ホール(岡山での東京03単独公演が行われた会場。高級感溢れる雰囲気が特徴的)の様な場所を想像していたんだけれど、実際は小さなライブハウスに似ていた。客席もごく当たり前の椅子を並列させているだけで、なんだか文化祭のライブステージを彷彿とさせた。それはなんだか、とてもチープにも感じられたのだけれど、一方で、演者の動きや言葉をより近くに感じることが出来る空間作りにもなっていた。

最初に登場したのは、来年に桂文枝を襲名する桂三枝師匠の12番目の弟子に当たるという桂三四郎さん。2004年に入門、落語家としてはまだまだ芸歴が浅いという話だったけれども、べしゃりが達者で面白かった。フットボールアワーの後藤さんとピースの綾部さんを足して二で割った様な顔をしていて、なかなか華もある。いずれテレビに出てきて、活躍しそうな気が。演じたネタは『時うどん』。時を尋ねるふりをして精算を誤魔化す『時そば』の原型となったネタだ。兄貴と弟分のやり取りが少しばかりサディスティックで、上方落語ならではの朗らかな感じが薄まってしまっているのがちと寂しい。まだまだ発展途上、今後の展開に期待したい。

続いて登場したのは、同じく三枝師匠の弟子である桂三金さん。非常にボリュームある方で、見た目のインパクトがなかなか。ご自身では「船場吉兆の女将さん似」と言っていたが、個人的には松村邦洋か笑福亭鶴瓶かといった印象。ネタは新作落語『デブのお肉に恋してる』。デブネタを用いたギャグの連続で面白かったが、似たようなやり取りが繰り返されるところに物足りなさも。新作落語の更なる追求を!

そして三人目、本公演の主役である桂小枝師匠が遂に登場。「桂小枝でございます。実は私……落語家だったんでございます!」というマクラから、『悋気の独楽』へ。なかなか家に帰ってこない旦那が実は妾の家に入り浸っているを知り、嫉妬する女将さんの姿を描いたネタだ。このネタは春風亭昇太師匠が演じているバージョンを聴いたことがあるけれど、主に描いている場面がまったく違っていて驚いた。昇太師匠は「妾の家に行く旦那に付き添う無邪気な小僧」を主に描いているのに対し、小枝師匠は「旦那の不貞に怒りながら使用人に愚痴る女将さん」を主に描いていた。調べてみると、どうも小枝師匠のやり方が一般的らしい。個人的には昇太師匠の方が場面転換が多くて好きだったり。

中入りを挟んで、ゲストのレイザーラモンRGが登場。冒頭でちょっと上手いことを言ったかと思うと、いつもの『歌舞伎あるある』、そして愛媛県出身ということで御当地ネタ『宇和島あるある』を披露(テーマは観客から募集)。更に口三味線(?)で『F1のテーマ』と女子十二楽坊のアレを演奏。満足げな表情を浮かべながら、出番を終えていた。落語会というアウェーの空間でありながら、自らの世界を存分に発揮していたRG。流石の一言である。

RG終演後、何事もなかったかのように小枝師匠が再び登場する。ネタは『小倉船』。その内容は、船で移動している最中、うっかり運んでいる大金を川の中へ落っことしてしまい、慌てて水中に潜って金を取りに行く……というもの。SFのようなファンタジーのような不思議な展開が非常に魅力的ではあったのだけれど、ちょっと状況が分かりにくかった。特に終盤、河豚腸長安とのやり取りのくだりが、どうも分からなかった。まあ、芝居がかった落語を目の当たりにしたのはこれが初めてだったので(音源で耳にしたことがある)、単にそういう動きの見せかたに慣れていなかっただけなのかもしれないけれど。それにしても、小枝師匠の落語が思っていた以上にきちんとしていたので、ちょっと驚いてしまった。というのも、以前に読んだ吉川潮氏の著書『突飛な芸人伝』には、小枝師匠の落語は非常にイロモノとしての趣が強かったと書かれていたからだ。しかし今回、小枝師匠が披露したネタは、いずれもきちんとした古典落語。それはそれで別に問題はないんだけれど、しかしあまりにも堅過ぎた気もする。もっと小枝師匠らしい、壊れた感じのネタを一本くらいやっても良かったんじゃないかなあ……と。

とはいえ、滅多に見られない上方落語を堪能出来て、実に満足のいく公演だった。次も行こう。

「キングオブコント2011」決勝進出メンバー決定!

1.トップリード(太田)【初】
2.TKO(松竹)【三】
3.ロバート(よしもと)【二】
4.ラブレターズ(Ash&D)【初】
5.2700(よしもと)【二】
6.モンスターエンジン(よしもと)【二】
7.鬼ヶ島(人力舎)【初】
8.インパルス(よしもと)【二】



車内の冷房を利かせ過ぎてしまったのか、体調を崩してしまった会社からの帰り道。どうにも我慢できなくなって立ち寄ったドラッグストアのトイレで、便座に座りこみながらなんとなしに携帯電話を開いてみると、「キングオブコント2011」決勝戦のメンバーが決定していた。期待していたエレキコミックやダイノジの名前がないことは残念だが、なかなか面白いメンツになったのではないかと思う。トイレの中で、しみじみと頷いた。

帰宅して、改めてメンバーを確認してみると、八組中五組が決勝進出経験のあるユニットであることに気がついた。それでも新鮮味を感じてしまうのは、全体に漂う華の無さが故だろうか。少なくとも“ジャルジャル”“ピース”“しずる”の三組から、一組だけでも今回の決勝戦に進出していれば、まるで空気は違っていたのではないかと思う。もとい、そうなるだろうと思っていた。テレビショーとしても、この三組が入っている方が盛り上がるというものだ。それでも、そこを外したということは……いわゆるところのガチンコな選出が行われたと考えて然るべきだろう(そもそも準決勝に進出している時点でスタジオ出演は決定しているので、視聴率的な問題は薄いという見方も出来る。もし、それが狙ったものであったとしたら、KOCなかなかの策士だ)。

それにしても、見どころの多いメンバーではないか。

トップリードは先日「オンバト+」の初代チャンピオンとなった勢いがある。一番手という順番は初戦において不利かもしれないが、東京03の例を思うと逃げ切る可能性も否めない。TKOは三度目の決勝進出。前大会で披露したコント『モロゾフ後藤』で全てを出しきったかに見えたが、まさか今年も決勝戦に名乗りを上げるとは。恐らく、とんでもない勝負ネタを仕込んできたのだろう。ロバートは第一回大会以来の決勝進出。当時は高評価を得るも大会のルールによって予選敗退、苦渋を味わう結果となった。今回はそのリベンジに燃えているに違いない。ラブレターズはTHE GEESEや夙川アトムの属する事務所Ash&Dからの刺客。関東ナンセンスの帝国、シティボーイズの誇りにかけて結果を出したい。

2700はロバートと同様、第一回大会以来の決勝進出。しかし、彼らはロバートと違い、第一回大会で圧倒的敗北を期していた。あれから四年、彼らは彼らなりのスタイルを確立し、今では堂々と客を笑わせるパフォーマーに成長した。今回の決勝進出はキングオブコントへの恩返し、そして見事にリベンジを果たすことは出来るのか。モンスターエンジンは09年大会以来の決勝進出。大阪を中心に活動するコント師は少なくないが、ことキングオブコントにおいては結果を残せていないことが多い。昨年大会に至っては、在関西芸人からの決勝進出組が皆無という無残な結果に終わった。大阪で売れて東京進出という流れがあることを考慮しても、この状況は決して妥当とはいえない。大阪のプライドを一身に背負い、東京コントに牙を剥く。鬼ヶ島は09年大会覇者の東京03、10年大会覇者のキングオブコメディと同じ人力舎に所属しているが、その芸風はまったくの異端。今大会における台風の目となるか。インパルスは09年大会以来の決勝進出。当時は、一回戦で厳しい点数を叩き出したために二回戦で高得点を出す(二回戦の点数だけなら、サンドウィッチマンを上回っていた)も優勝に手が届かなかったという、なんともいえない惜敗となった。今度こそ優勝を……。

何がどうなるか分からない「キングオブコント2011」。新参の三組が勢いに乗って優勝するのか、それとも大会の空気を知る五組がその経験を活かして念願の優勝をもぎ取るか。どういう結果になろうとも、きっとそこには笑顔が待っている筈だ。決勝戦の模様は、9月23日に生放送される模様。

皆で21世紀最先端のコントを見届けよう。

『M-1グランプリ the FINAL PREMIUM COLLECTION 2001-2010』

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(2011/03/09)
V.A.

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島田紳助、不祥事により引退。

近年稀に見る、衝撃的なニュースだったのではないだろうか。少なくとも、僕にはそう見えた。……もちろん、どういうわけだか今年に入ってから立て続けに伝えられている数々の訃報と比べてみれば、その衝撃の大きさは段違いではあるのだが。しかし、多くの視聴者に少なくない反感を受けていたとはいえ、数々のバラエティ番組で司会をこなしていた彼が、こういう形で芸能界から姿を消すことになるだなんて、果たして誰が予想できただろうか。それも、こんなに突然、何の前触れもなく。

本件について、何の疑問も抱くことなく、ただ純粋に彼がテレビから消えてしまうことを喜んでいる人も少なくないらしい。まあ、はっきり言って、その感情は分からなくもない。近年のバラエティ番組における紳助氏の所業はともかくとして、売れていない芸能人を世間に知られるスターに仕立て上げた功績を自慢するかのような彼の言動には、僕も少なからず腹立たしいと感じていた。とはいえ、この件を心の底から称賛するという気持ちにはなれず、かといって彼に同情しようなどという気持ちにもなれず、ただぼんやりと佇んでいるだけの状態に陥っている。もし、僕が村上春樹だったとしたら、この釈然としない気持ちを抱えたまま、行きずりの女性とベッドに入っていることだろう。やれやれ。

ひとまず、この気持ちを紛らわせるために、日常ではあまり口にすることのないビールでも飲みながら、これ以後の文章を書いていくことにする。……おい、参ったね、しゃっくりが出そうだよ……ムッ……。

島田紳助といえば、僕と同世代の人にとっては「嗚呼!バラ色の珍生!!」における徳光和夫の隣で感動している人というイメージがあるのではないだろうか。少なくとも、僕にとっての彼はそういうイメージである。ただ、僕はくだんの番組を殆ど一度も見たことがない。それでもそういうイメージが強く残っているのには、理由がある。ものまね芸人のコージー冨田が、この番組で感情のこもっていない言い回しをしている彼のモノマネを得意としていたからだ。

実のところをいうと、僕は近年の鬱陶しいほど自己を主張し始めた島田紳助以前の彼に対しては、殆ど何の印象も持っていなかった。もちろん、彼が出演している番組を見たことはあったし、なにより僕が漫才の最高傑作と崇めて止まない中田ダイマル・ラケットの漫才を初めて観た番組の司会が彼だった(余談だけれど、中田ダイマル・ラケットの漫才は一度観ておいたほうが良いと思う。あれを観た直後じゃ、どんな漫才も観られない)。それでもまったく記憶に残っていないのだから、不思議なものだ。この状況は、M-1グランプリが開催されてからも、それほど変わらなかった。今になって思うに、当時の紳助氏は自己を消し続けていたのではないだろうかと思う。少なくとも、全国区の番組では。

そんな島田紳助の最大の功績といえば、やはりM-1グランプリの大会委員長になったことだろう。もし、彼が大会委員長になっていなければ、あのそうそうたる審査員を集めることは出来なかっただろう。そして、あの審査員がいなければ、M-1グランプリはここまで多くの人たちに見つめられる大会には成り得なかっただろう。全ては島田紳助の存在あって……とまで書くのは大仰だが、M-1において彼の存在が重大だったことはだれにも否定できない事実である。

M-1グランプリの終了を機にリリースされた『M-1グランプリ the FINAL COLLECTION 2001-2010』は、結果として島田紳助の置き土産となってしまった様だ。本作はM-1グランプリの一資料として、また記念品としての立ち位置にある作品だが、その一方で島田紳助が本大会にどのように関わってきたのかが間接的に(時に直接的に)伝わってくる内容にもなっている。中でも分かりやすいのが、歴代チャンピオンのネタ前に挟み込まれる紳助による各年の総評だ。ここで語られているのは、テレビ視聴者向けではない“島田紳助”という漫才師の視点で切り出したM-1グランプリの肝だ。特に、自身が審査員として参加していない2004年大会における南海キャンディーズへのコメントは、なかなか目を見張るものがあった。

これから先、どうなってしまうのかは分からない。が、とりあえず芸能界から引退することを発表してしまった以上、今後島田紳助を観る機会は失われてしまうのだろう。それによって、テレビから不快感は幾らか解消されるのかもしれない。だが、果たして、その状況は継続されるものなのだろうか。“白川の清き流れに魚棲みかねて 元の濁りの田沼恋しき”という言葉もある。いずれ僕らも、彼のことを……。


・本編DISC-1(137分)
「歴代チャンピオン漫才 & 島田紳助撮り下ろしインタビュー」
「歴代チャンピオンのM-1初挑戦映像 初-1グランプリ」

・本編DISC-2(158分)
「M-1 10年物語」
「島田紳助・松本人志が絶賛!そのネタとは…?」(決勝ネタの一部を収録)
「M-1グランプリの申し子・笑い飯」(M-1で披露した全漫才を収録!)
「M-1グランプリ秘宝館」

2011年9月の購入予定

07『アンジャッシュ単独公演 「五月晴れ」
07『男子はだまってなさいよ!7 天才バカボン』(出演:松尾スズキ、釈由美子、荒川良々など)
07『NON STYLE TALK 2011 Vol.1
07『JUNGLE BEST POCKET』(ジャングルポケット)
14『パウダー、吸盤、モッツァレラ!』(ジューシーズ)
14『笑い飯「ご飯」~漫才コンプリート~
21『柳原可奈子 初単独ライブ「見せたがり女」
21『エレキコミック第20回発表会『NaNoNi』
28『百式2010』(2丁拳銃)

キングオブコントが開催されるからなのか、芸人さんのDVDがたくさんリリースされる九月。アンジャッシュ、ジャングルポケット、ジューシーズ、エレキコミックが現在準決勝に進出している……って、なんだか微妙なメンバーだな。いや、みんな実力派だけど、なんかこう……ねえ?

一方、これまで単独名義でDVDを出してそうで出していなかった柳原可奈子と笑い飯のDVDが、今回初めてリリースされる。どちらも実力派として名高いので、ここは楽しみにしたいところ。特に柳原可奈子は、その才能の片鱗ばかりがテレビで披露されている感があって、いつかその全貌を確認したいと思っていたので、本当に楽しみ。わくわくするなあ。

ちなみに、九月はこれらの作品以外にも、『99 LIVE BOX』『が~まるちょば サイレントコメディー JAPAN TOUR 2010』『TKOゴールデン劇場 ~松竹芸能 新宿角座 柿落し公演~』などがリリースされる予定。あ、そういえば『バカリズムV』は発売延期になったっぽいです。うーん。

『グレイテストホーム ~我が家ベスト~』

グレイテストホーム~我が家ベスト~ [DVD]グレイテストホーム~我が家ベスト~ [DVD]
(2011/04/06)
我が家

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ロッチ、ハライチとともに次世代のワタナベエンターテインメントを担う存在として期待されているお笑いトリオ“我が家”が結成されたのは、2003年のこと。杉山と谷田部によるお笑いコンビ“ルーキーズ”に、俳優志望の坪倉が加入するカタチで結成された。ちなみに、ユニット名である我が家は、トリオを結成した居酒屋の名前に由来している。

我が家が注目されるようになった大きな要因として、彼ら独自のスタイル“ローテーション漫才”が高く評価されたことが挙げられる。コンビによる漫才とは違い、トリオの漫才はどうしても三人の関係性が複雑になってしまいがちで、それ故に「これぞトリオの漫才!」と言い切れるようなフォーマットが生まれにくい。そんな状況下で我が家が編み出した“ローテーション漫才”は、三人のうち二人がボケ役とツッコミ役を担当し、ボケとツッコミの応酬ごとに三人の立場がくるくる入れ替わるというものだった。正直なところ、ネタ自体に新鮮味は感じられなかったものの、その印象的な入れ替わりスタイルときっちり笑いの数を稼げるコンスタントさが、評価に繋がったのではないかと思われる。良くいえば、安心して笑える。悪くいえば、ただただ無難。

本作『グレイテストホーム ~我が家ベスト~』は、そんな我が家のベストネタを新撮して収録したDVDである。彼らが出演していたコント番組「爆笑レッドシアター」で披露していたコントを中心に収録しているようで、見覚えのあるネタが幾つか見られた。また、特典映像には、杉山の休養中に作られた谷田部と坪倉のコンビネタ『穴に落ちたヤツ』も収録。我が家は以前に「爆笑オンエアバトル」出演時のネタを収録したベストDVD『爆笑オンエアバトル 我が家』をリリースしているが、今作はそれ以後の彼らがどういうネタを作ってきたのかが分かる、まさに近年ベストと呼ぶに相応しい内容だ。本当に我が家のことが好きだという人には、いい作品だろう。

ただ、がっつりとコントを観たいという人には、あまり向いていない。というのも、本編に収録されているコントの多くは、その演じている時間がことごとく短いからだ。ショートネタブームの影響もあるのだろうが、それ故に世界観を掘り下げていくようなタイプのコントがなく、ただただ表面的な笑いが繰り広げられていくのみで、些か味気なく感じられた。思えば、我が家のコントには、彼らならではの方針があまり見られない印象がある。我が家だからこそ見せることの出来る世界観の構築が、今後の彼らが目指すべき方針といえるのかもしれない。……って、前にも同じようなことを書いた記憶があるのだが……デジャヴか?

あ、あと個人的に特典映像の「絆を深める原点回帰ツアー」が、けっこう楽しくて良かった。ウケ狙いじゃない芸人さんのロケーション映像は基本、ぬるーい面白さが延々と漂っていて好きだったりする。うーん、良かったなあ。


・本編(51分)
「傷心旅行」「不動産」「ローテーション漫才」「引越しのエンターテイメント」「梅田モモ」「ダンプ杉山」「花嫁の父」「やめろって言ってるだろ」「Dr.ホシ」「キャビンアテンダント」「杉新太郎」「万引きGメン」「ハプニング集」

・特典映像(32分)
「穴に落ちたヤツ」「絆を深める原点回帰ツアー」「3文字寝言ゲーム」

『林家たい平落語集 たい平のはじめの一歩』

林家たい平落語集 たい平のはじめの一歩林家たい平落語集 たい平のはじめの一歩
(2009/04/22)
林家たい平

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「笑点」でおなじみ、林家たい平が落語初心者向けにリリースした一枚。通常、落語CDに収録されているネタは二本~三本くらいが主だが、本作に収録されているネタはなんと八本! 多いにも程がある。……まあ、そのうちの四本は小咄みたいなものなので、入っているネタは実質四本と考えていい。それでも多いんだけどね。

収録されているネタは『牛ほめ』『狸の札』『寿限無』と、いわゆる前座噺が主。前座噺というのは、落語家が入門して間もない頃に教えてもらう、いわば教則本のようなネタのこと。これらのネタを演って、落語の基礎を学ぶわけだ。だからといって、あなどってはいけない。実は前座噺こそ、演って客を笑わせるのは難しいと言われている。ストーリー性のある大ネタの様に誤魔化すことも出来ないし、なにより流れを多くの人に知られているからだ。

でも、たい平師匠は、そんな前座噺でこれでもかと笑わせてくれる。中でも印象的なのが『狸の札』。子供にイジメられていたところを助けてもらった子ダヌキが恩返しにやってきて、借金取りに支払う銭に化けるという噺だ。もちろん笑えるんだけど、それだけじゃなくて。子ダヌキが可愛らしくてねえ……。健気とは違うけど、とにもかくにも愛くるしい。終盤、借金取りに連れて行かれた子ダヌキ(の化けた札)を心配する場面なんか、ちょっと本郷みつるのアニメ映画かと思ったぞ。……いや、流石にそれはウソだけど。トリを飾る『転失気』もイイ。あーっ、くっだらねえなあ!

歌詞カード……ならぬブックレットを開くと、たい平師匠がどうしてこれらのネタを初心者向けに選んだのか、きちんと解説されている。こういう細かい配慮もステキ。明確に初心者向けの一枚、だけど落語好きが聴いても楽しめるんじゃないかと。良作。

「キングオブコント2011」準決勝進出メンバー決定だそうで。

「キングオブコント2011」の準決勝進出メンバーが決定したという。知らず知らずのうちに、そういうことになってしまった。……どうも、こういう考え方をしたくはないのだが、あの大規模な震災以後、僕の中で色んなモノに対する思考が停止してしまっている気がしてならない。何か、心が空っぽになってしまっているような。平穏な西日本で生活している僕の様な人間が、このような影響を受けていることがなにやら情けない。

それでも時間は過ぎていく。だからこそ、こうして「キングオブコント2011」準決勝進出メンバーも決定した。なんでもかんでも、とにかく時間は過ぎていくのである。その過ぎ行く時間に置いて行かれないように、時間の流れを見逃さないように……というわけでもないのだが、とにかく「キングオブコント2011」準決勝進出メンバーについてまとめておこうと思う。うーん。

・決勝進出経験アリ
インパルス、エレキコミック、ザ・ギース、しずる、ジャルジャル、天竺鼠、2700、TKO、ピース、モンスターエンジン、ラバーガール、ロッチ、ロバート


歴代優勝者(バッファロー吾郎、東京03、キングオブコメディ)、及び2008・2009準優勝者(バナナマン・サンドウィッチマン)を除いた全ての決勝進出者が参加している。残念ながらチョコレートプラネットは二回戦で敗退となったが、それ以外のメンバーはこうして準決勝に顔を揃える結果となった。個人的にはエレキコミックのリベンジに期待を寄せているが、果たして。

・準決勝進出経験アリ
アームストロング、アイロンヘッド、アルコ&ピース、アンジャッシュ、犬の心、インスタントジョンソン、鬼ヶ島、学天即、かまいたち、銀シャリ、グランジ、ザ・ゴールデンゴールデン、ザ・プラン9、ザブングル、さらば青春の光、GAG少年楽団、シャカ、ジャングルポケット、ジューシーズ、スリムクラブ、ずん、ソーセージ、ダイノジ、チョップリン、どきどきキャンプ、トップリード、ドレッドノート、ななめ45°、ニブンノゴ!、バイきんぐ、ハイキングウォーキング、フラミンゴ、平成ノブシコブシ、我が家


大会も四度目となると、なんとなく準決勝敗退の常連が定まってきたようなところがある。つまり、大きな笑いを起こせばいつでも決勝に行ける筈なのに、それが掴めない。いつも通りが正しいのか、思い切った決断が正しいのか、二つの一つ運命の分かれ道! ……ところで、調べたところによると、鬼ヶ島が四年連続で準決勝進出らしい。意外だなあ(良くも悪くも)。今年こそは決勝に行ける……か?

・初の準決勝進出
阿佐ヶ谷姉妹、アストロNエース、うしろシティ、オテンキ、がっつきたいか、ガリットチュウ、ケチン・ダ・コチン、ザ・フライ、ジグザグジギー、セルライトスパ、大黒天、ツィンテル、ニッチェ、パンサー、ピテカントロプス、5GAP、ブロードキャスト、ゆうきたけし、夜ふかしの会、ライス、ラブレターズ


意外な名前に知らない名前、色んな芸人たちが名前を連ねている。うしろシティやパンサーあたりは、もっと評価されて然るべきポジションだと思っていたのだが、今回が初の準決勝進出とのこと。うーむ、意外だ。個人的にはマセキに移籍したニッチェが気になる。女性コンビにしては珍しく、芯の入ったパワフルコントを見せてくれるコンビなんだよね。久しぶりに観たいなあ……。

マイペース出産道『40歳!妊娠日記』

40歳!妊娠日記40歳!妊娠日記
(2011/04)
大田垣 晴子

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画文家として高く評価されている大田垣晴子が、40歳を迎えて初めての出産を経験するまでの出来事を綴ったルポルタージュの様な本。……出産云々よりもまず、結婚していたということに驚いた。本によると、40を手前に迎えた2008年に年下の男性と結婚した、とのこと。確かに、僕は熱心なオータガキファンではないのだが、こういった大きな出来事があったことをまるで知らなかったのはなんだかアレだ。

オータガキさんの本といえば、柔らかいイラストと朴訥な文章が印象的である。それらの作品は、いずれも絶賛するほどではないのだけれど、なんとなく身近なところに置いておきたい親しみの様な感情を引き出してくれる。本棚の手に取りやすいところにいつでも入れていて、ふと思い立った時に読んでみる感じ。しかし、本書で描かれている文章・イラストからは、その辺に置いてあるメモ帳に書き殴ったかのような粗雑な印象を受けた。なんだろなーっと思って、よく読んでみると、本書はオータガキさんが実際に使っている日記の内容をまとめたものなのだという。そりゃ、雑になっても仕方なし。

それにしても、オータガキさんは妊娠してもマイペースを貫いていて、なんだか凄い。例えば、オータガキさんはお腹が大きくなってきても、マタニティウェアを買わない。たった数週間のことで、わざわざ服を買う必要はないだろうという考えなのである。では、どうしていたのかというと、妊娠中期までは着物、後期はワンピース・ブラウスなどのありもので済ませていたそうだ。但し、「妊婦用ジーンズは使える!」とのこと。ふむふむ。

高齢で初めての出産を迎える人には勿論のこと、純粋に初産の人でも興味深く読める本ではないかと思う。ま、僕にはまだ関係のない話なんですけどね(←独身貴族)。

ちなみに、オータガキさんの本では『くいしんぼマニュアル』がオススメ。ちょっと短くて物足りないかもしれないけれど、だからこそ導入に相応しい。

ノロケはネタに勝る。『中国嫁日記 一』

中国嫁日記 一中国嫁日記 一
(2011/08/12)
井上 純一

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20代の中国人女性を嫁にもらった40代のオタクが綴った、四コマ漫画形式のエッセイコミック。奥さんの知らないところでコソコソと更新していたブログ(現在は公認)をコミック化した作品で、アクセス数はかなりのモノだと聞いている。まあ、絵はキャッチーで可愛らしいし、登場人物たちのキャラクターは立っているし、四コマごとにきちんとオチがあるし、そりゃ人気も出て当然といったところか。ちなみに僕は、紹介しているコピペサイトで知りました。そういう時代だ。

過去ログに全て目を通していることもあってか、四コマ部分についてはそれほど思うところなし。売り文句の一つである奥さんのコメントも、奥さんのファン向けって感じだし……いるのかしら、やっぱり。現在進行形で更新されているブログを書籍化しているので、「それより最新のネタを見せてくれ!」という欲求の方が強いのだろう。あ、あと、作者が“中国嫁日記”という作品に慣れてきたというのもあるのかもしれない。今の方が作品としてはキレがあるもんね。個人的には、東日本大震災における怒涛の展開を(不謹慎と言われるかもしれないが)楽しみにしていたのだが、残念ながら今回は未収録。次巻に期待しよう。

期待していた二人の馴れ初めマンガについては……うーん。好きな人は好きなんだろうけれど、僕はちょっとキレイにまとめ過ぎじゃないかなーっと思った。いや、良いんだけどね。そりゃまあ、二人の愛が頑なだからこそ、こういう作品が誕生したわけだからさ。それにしたって、ここまでノロケたっぷりなエンディングにしなくても……ねえ(←独身のヒガミ少々)。

ところで今回、過去のネタの数々を読み返してみて、一番面白かったのは旅行に出掛けたエピソードだった。やっぱり一つのイベントで長々と構成されていると、全体に統一感が生まれて実に宜しい。というわけで、今後の二人にはどんどん旅行に行ってもらって、どんどんネタをこしらえてもらいたいと思う。そして行く行くは出産、妊娠、育児へと……夢は膨らむばかりだなっ!

唐沢なをきのチョロビリマンガ『チョロ恐』

チョロ恐 (リュウコミックス)チョロ恐 (リュウコミックス)
(2011/08/11)
唐沢 なをき

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ギャグマンガ家、唐沢なをきが耳にしたちょっと怖い話をコミカライズした作品。まあ、怖い話といっても、本当にいわゆる怖い話の時もあれば、「それって別に怖くないよね?」というような話もあって、なんだか統一感がない。ちょっと不思議なエピソード集といえばいいのだろうか。

他所からネタを拾ってくるというシステムはとり・みきの『とりったー』を彷彿とさせるが、作品としてのクオリティははっきり言って雲泥の差。Twitterの不条理かつ無秩序なつぶやきを一つの作品にまとめている『とりったー』に対し、本作は漠然とした怖い話をただただ並べているだけの感が強く、作品としての統一感という意味では明らかに劣っている。……念のために書いておくが、僕は唐沢作品を好きな方の人間である。これまでも、『カスミ伝』や『電脳なをさん』、『まんが極道』などの作品をニヤニヤしたりポカーンとしたりしながら堪能してきた。そんな僕がこう思ったのだから……というのは、なにやら言い訳がましいか。

作品に不満を覚えた原因として、あまりにも短すぎるという点があることは否定できない。本作『チョロ恐』は、『とりったー』と同じ雑誌で連載されていた作品だ。つまり、この作品もまた、これ一冊で終わってしまった(かもしれない)のである。今後の展開があるというのであれば、この内容でも納得できたかもしれない。でも、終わりだからなあ。終わってしまったからなあ。……まあ、それでもやっぱり、この一冊ではちょっと満足出来ないことには違いないのだけれど。うむ。

ただ、個人的には5チョロがそこそこ面白かった。オチが下らなくて良い。

落語つまみ食い!

このところの当ブログは落語に関する話題ばかりで、以前から楽しんで読んでくれている人たちには申し訳ないという気持ちがある。無論、落語が面白いものだからこそ、こうして話題にしているのだが、だからといってそればっかりでは、なにやら当ブログが「落語ファン倶楽部」の回し者と思われてしまいかねない。そこで今回は、なんと……落語の話題である。相変わらずで申し訳ない。

で、今回はリリース情報なのだが、なんでも“新潮社落語倶楽部シリーズ”なるCDが発売されるらしい。……いきなりの疑問で失礼だが、新潮社ってそこまで落語に力を入れている出版社だったのか。知らなかった。まさかの出版社の名前を冠したシリーズ、一体そこにどういう事情があるのやら。中の人にしか分からないことなので、あんまり深くは考えない。それよりもこのシリーズ、メンツが実に宜しい。以下、並べてみよう。

新潮社落語倶楽部シリーズ1 柳家喬太郎
新潮社落語倶楽部シリーズ2 三遊亭白鳥
新潮社落語倶楽部シリーズ3 柳家花緑
新潮社落語倶楽部シリーズ4 瀧川鯉昇
新潮社落語倶楽部シリーズ5 春風亭一朝
新潮社落語倶楽部シリーズ6 五街道雲助

現役落語家の中でもかなり選りすぐられたメンバーである、と思う。個人的には喬太郎・白鳥・花緑の三名だけで十分なのに、そこへ鯉昇・一朝・雲助ときているんだから、もうアンコはみ出しちゃうよ!と、なにやら意味のわからないことを考えてしまうほどのメンバーである(どういうメンバーだよ)。10月19日発売である。値段が安いのもイイ。2,000円あたりで現役落語家のネタが聴けるって、嬉しいよねえ。まあ、『笑う全日空寄席』っていう前例はあるけど。そういれば、こっちの新作はもう出ないのかしら。コロムビアさーんっ!

あ、そういえば『新宿亭砥寄席』についても書いておこう。こちらは二人の落語家のネタが一本ずつ収録されている構成になっていて、ちょっと軽い部分も否めないけれど、試食的な意味ではなかなか興味深い作品になっている。あと、こっちも値段が2,000円弱と非常に安いのがイイ。以下、並べてみよう。

新宿亭砥寄席 その壱』(瀧川鯉昇・三遊亭王楽)
新宿亭砥寄席 その弐』(五街道雲助・古今亭菊之丞)
新宿亭砥寄席 その参』(三遊亭白鳥・春風亭傳枝)

先の新潮社落語倶楽部シリーズと三人カブっている点に御注目。やっぱり世間から注目される芸人さんっていうのは、決まっているんだろうね。こちらは9月7日リリース予定。もうしばらくお待ちください。

「笑神降臨2011」第三回:NON STYLE

笑いの神たちが珠玉のネタを披露するバラエティ番組「笑神降臨」。第三回のゲストは、ストリートから漫才師の頂点に辿り着いた天才NON STYLE。天才という言い回しは極端かもしれないが、数々のお笑い賞レースを勝利し続けてきた彼らの実績を考慮すると、どうもそういう言い方になってしまう。無論、僕にとってはキングコングもオリエンタルラジオも同様に天才であります。あげぽよ~!

■コント『Bar』
 ◆お客さんの感想◆
■コント『同棲』
 ◆お客さんの感想◆
■コント『夜間診療』
 ◆お客さんの感想◆
■漫才『時代劇』


NON STYLEのネタといえば漫才という印象が強いが、今回の放送はコントを中心に構成されている。で、こうして確認すると、やっぱりコントよりも漫才の方が出来が良い。これは、彼らのネタに対するベクトルが、そこで生み出される“笑い”に偏り過ぎているためだろう。というのも、漫才は笑いの追求を目的としているのに対し、コントは笑いとは別に芝居としての満足感も求められているからだ……というのは単なる私見。

そんな彼らのネタでは、よく井上のウザいキャラクターがピックアップされている。彼らが「爆笑オンエアバトル」に出場していた頃などは、よく井上が“イキりキャラ”としてイジられていたが、今ではそれが更にヒートアップしている様に感じる。ただ、このところは、そのウザさが特にウザさを求めていない場面でも滲み出ているきらいがあって、少しやり過ぎじゃなかろうかという気もしている。真面目に演技をしようとしているのが、どういうわけか物凄くウザい。これは当人としては意図的なことなのかどうか、実に気になるところ……というほどの話ではないけれども。どーなんだろうね、うん。

ところで、NON STYLEのネタには、たまに井上とはまったく関係無いところで、ちょっとウザいオーラを発しているネタがあるような気がするんだけれど、そう感じるのは僕だけだろうか。ネタの世界観というか、ドラマチックな見せかたというか、どうもそういうところで「ウザイな……」と感じてしまうことがたまにあるのだ。あの原因はなんなんだろう。未解決。

次回の出演は“松村邦洋”。8月19日放送予定。

『三遊亭小遊三・爆笑落語集』

若い小遊三・爆笑落語集若い小遊三・爆笑落語集
(2010/06/23)
三遊亭小遊三

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三遊亭小遊三の落語が好きだ。

口にするのは簡単だけれど、その良さを説明するのは難しい。これが漫才やコントであれば、それらは基本的に各芸人ごとにネタが違っているからその内容も含めて批評することが出来るけれども、いわゆる古典落語は基本的な展開が決まっているために、各個人の良さを説明するとなると、非常に細かい話になってしまうからだ。でも、その細かい部分が、それぞれの個性として出ているわけだからややこしい。

で、三遊亭小遊三。小遊三師匠といえば、「笑点」ではドロボーキャラと勘違い伊達男キャラ、それからちょっと乱暴で汚いことなんかも平気で口にするようなポジションで大喜利を展開している。そして、そのキャラクターが、落語においても活用されているという印象。つまり、乱暴で口汚い……って、別に暴力的ってわけじゃない。簡単に言うと、江戸っ子口調がバツグンに上手い。いや、上手いっていうか、身体の芯まで江戸っ子が沁み込んでいるかのような……もはや成っていると言っても過言ではない。生まれは山梨らしいけど。ハキハキとした口調もまた、そんな江戸っ子職人気質に拍車をかけている。実際の江戸っ子なんて知らないけれど、きっとこういうものなんだろうなあ……と思わせること、確実だ。

そんな師匠の口調が最も活きる落語は何かと考えると……いや、考えなくても答えは出ている。2010年6月にリリースされた『若い小遊三・爆笑落語集』に収められている一本、『浮世床』だ。髪結床(床屋)に集まった若い連中が、ただただ無駄話を繰り広げているだけのネタで、落語を知らない人が聴いたら思わず面食らうかもしれない。なにせ、ストーリーらしいストーリーがまるでないのだから、しょうがない。しかも、小遊三師匠の場合、原本のオチとなっているくだりをカットしているので、本当に単なる無駄話を繰り広げているだけ。だが、こういう落語の方が難しい。ストーリー性がある落語なら、その粗筋を追うだけでも楽しめるけれど、『浮世床』はストーリーらしいストーリーがないので、本当に演者の腕がないと厳しいことになる。

小遊三師匠の『浮世床』は、乱暴な口調で盛り上がっている若者たちのガヤガヤしている様子が目に浮かんできて、実に楽しい、面白い。中でも個人的に好きなのが、仲間の一人が読んでいる本を朗読して聴かせるくだり。俺は立て板に水だから聞き逃すなと言っておきながら、実際に読ませてみると漢字も平仮名もへったくれもない。日本語かどうかも分からない単なる奇声が繰り出されてきて、思わず飛び出た言葉が「横板に餅」……ああ、くだらない。

ちなみに、これ以外のネタでは、どんどん深みにハマッていく泥棒の様がたまらなく可笑しい『置泥』、状況に振り回されている八五郎が活き活きとした『崇徳院』、真相が明らかになっていくにつれて笑いが大きくなっていく『金は廻る』が面白かった。BOXだけじゃなくて、一応一枚ずつでも売られているけれど、個人的にはBOXでの購入をオススメしたい。「笑点」の小遊三師匠をイメージして聴いたら、間違いなくツボにハマる……と、思いますよ。
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

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https://twitter.com/Sugaya03

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