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2012年4月のリリース予定

25『トータルテンボス 漫才ライブ「漫遊記」

2012年度が始まったというのに、リリースされるお笑いDVDは一枚だけ。お笑いブーム終了の影響か、それとも震災の余波がお笑い界にも届いたのか。分からないけれど、とりあえず一枚のみということで、なにやら寂しい。……とか思っちゃうお笑いバカな人は、『さまぁ~ず×さまぁ~ずDVD-BOX 【12+13+特典DISC】』とか『クイズ☆タレント名鑑 史上最大ガチ相撲トーナメント 2011 春場所×秋場所』とか、買えばいいと思うよ。……あと、「このお笑いDVDがスゴかった!2011」は、もうしばらくお待ちを!

この他のリリースについてはこちらをご参考
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落語家うだうだ生年月日表

突然だが、落語家の生年月日が気になったので、調べてみた。

まずは「笑点」のレギュラー陣。

桂歌丸(1936年8月14日)
林家木久扇(1937年10月19日)
三遊亭好楽(1946年8月6日)
三遊亭小遊三(1947年3月2日)
三遊亭圓楽(1950年2月8日)
春風亭昇太(1959年12月9日)
林家たい平(1964年12月6日)


落語に登場する御隠居を具現化したような歌丸師匠と、飄々とした与太郎キャラでお馴染みの木久扇師匠が、実はさほど年齢が離れていないことに少し驚く。そして、後に続く面々が、そんな二人より十年・二十年も若いことに、やはり少し驚く。圓楽~昇太~たい平ラインに至っては、同世代が一人もいない。

次に、創作話芸アソシエーションこと「SWA」のメンバー。

春風亭昇太(1959年12月9日)
三遊亭白鳥(1963年5月21日)
柳家喬太郎(1963年11月30日)
林家彦いち(1969年7月3日)


「笑点」メンバーでは若手に位置していた昇太師匠が、こちらでは最年長に。それにしても、喬太郎師匠が昇太師匠・白鳥師匠よりも年下だということ(あと、たい平師匠の一つ上ということにも)に、驚きを隠せない。いいかげんちょっと老け過ぎだ。彦いち師匠がたい平師匠よりも若いというのも、ちょっとだけ意外。たい平師匠が基本的に童顔なんだろうなあ。

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ハライチ『イチマル』(1,200字)

イチマル [DVD]イチマル [DVD]
(2011/12/21)
ハライチ

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ボケに対してツッコミを入れずに乗り続ける“ノリボケ漫才”で人気を博した漫才師、ハライチによる漫才DVD第三弾。第一弾『ハライチ』、第二弾『ウラハラ』、共に鑑賞している筈なのだが、内容を殆ど思い出せない。悪い印象は残っていないので、きっと面白かったのだろう。ただ、記憶にも残っていない。もしかしたら、僕がどこかしらかのタイミングで記憶を喪失している可能性も否定できないが、他者とのコミュニケーションに支障が生じたこともなければ、身体にチップを埋め込まれた跡もないし、頭に覚えのないコード番号が明記されているということもない。恐らく、単純に忘れてしまったのだろう。そもそも、彼らの漫才は、記憶に残りにくい。“ノリボケ漫才”という手法は、提示されたテーマを掘り下げず、ひたすら言葉遊びのボケとそれに乗り(※ボケを咀嚼して自己流に表現する。いわゆる“ノリツッコミ”の“ノリ”)続けるものだ。それ故に、展開が掴みにくく、結果、記憶にも残りにくい……と、自分に都合良く分析してみたが、単なる健忘症である可能性も否めない。病院行こうかな。

本作には“ノリボケ漫才”を含めた六本の漫才が収録されている。ノリボケ漫才は相変わらず面白く、それでいてやはり記憶に残らない。察するに、僕はそろそろノリボケ漫才のフォーマットに飽き始めているようだ。考えてもみれば、このノリボケ漫才というスタイルは、岩井のボケに澤部が無理矢理に乗っかる様が笑いに繋がっていることが多く、捉え方によっては澤部のリアクション芸を楽しんでいるともいえる。つまり、澤部のキャラクターに飽きが生じると、また漫才にも飽きてくるという……悪い循環だ。そんな状況を知ってか知らずか、本作ではノリボケ漫才のフォーマットに捉われない漫才も演じられている。『お化け屋敷』と『遺書』の二本だ。どちらも、テンポはノリボケ漫才のそれに似ているのだが、内容はきちんとオーソドックスな漫才として成立している。ノリボケ漫才ではスルーされがちだった岩井のボケも、ちゃんと面白い。特に『遺書』は、遺書を書いてきたという設定もさることながら、全体的に薄暗いボケが散りばめられていて、それまであまり見たことのなかった岩井のダウナーな部分を楽しむことが出来た。

だが、それらの漫才以上に強烈な印象を残したのが、幕間に収録されているVTR。それらのVTRには、二人が様々な場所でレポートを行っている姿が映し出されている。一見すると、テレビ番組のワンコーナーに見えなくもないくらい、リアルなレポートだ。ところが、そのレポートの最中、ちょっとした事件が発生して……実に後味の悪いオチへと着地する。これがもう、たまらなく後味が悪い。あまりの後味の悪さから、思わず詳細を確認したら、企画・構成を岩井が担当しているとのこと。……漫才以上に岩井のダウナーな部分が剥き出しになっている!


・本編(58分)
「ケイジ」「お化け屋敷」「コック」「~したて」「サブタイトル」「デート」「遺書」

・特典映像(39分)
「隠れ名店レポートクラブ」「頂戴!お宝ハンティング!」「Gメン24」「都道府県 絶品グルメを探せ!」

『ドキュメンタリーオブヒロシ ~空白の1500日~』(1,200字)

ドキュメンタリー オブ ヒロシ~空白の1500日~ [DVD]ドキュメンタリー オブ ヒロシ~空白の1500日~ [DVD]
(2011/11/23)
ヒロシ

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お笑いブームが一つの絶頂期を迎えようとしていた2004年、『ガラスの部屋』をBGMに物憂げな表情を浮かべながら、短い言葉で自らの悲哀を語る男が現れた。男はテレビに出演すると、すぐさま番組のレギュラーコーナーを獲得。自らの面白さを必死に主張する他の若手芸人とは違い、ただただ哀しみに暮れ続ける男の姿は、番組の作り手たちに新鮮に見えたのかもしれない。それは視聴者も同様だったようで、気が付けば男は人気者となっていた。その言葉を収めた書籍は30万部を突破し、パフォーマンスのBGMを収めたCDもリリース。まさに、時代の寵児だった。ところが、ブームの盛り上がりも一区切りついた頃、男の姿はテレビからほぼ完全に消えていた。まるで、そんな男など、初めから存在していなかったかのように……。本作は、そんな孤高のピン芸人、ヒロシがお笑いブーム絶頂期から現在に至るまでの姿を追ったドキュメンタリーである。

便宜上、本作ではカメラがヒロシを追い続けているかのように書いたが、実際は逆だ。黄色い声援を背中で受けながら、肩で風を切るブーム絶頂期のヒロシは、確かにカメラに追われていた。しかし、ブームが過ぎ去って、ヒロシに需要が感じられなくなった頃、立場は逆転。取材班はヒロシに微塵の興味も抱かなくなり、逆にヒロシはちょっとでもメディアに触れていたいがために取材班へ食い下がる。どうにかして実家を取材するまでこぎつけるも、諸般の事情により中止。それでも、ヒロシはまだまだ諦めようとせず、自らの生活を撮影した映像を送りつけたり、ライブに招いてウケている姿を撮影させようとしたり、サーフィンが出来ると嘯いてみたり。しかし、それらの行動も全て、裏目に出てしまう。やがてヒロシは、怪しい商売を始め、妙な宗教へと足を踏み入れ、自宅を捨てて河川敷に住居を構えるようになる。……そこには、かつて一世を風靡したピン芸人が、ゆっくりと止め処なく堕ちていく姿が映し出されている。それなのに、何故だろう。ヒロシはあの頃よりもずっと哀しく、そして面白い……。

ここからは真面目に感想を書こう。お察しの方もいるだろうが、本作はフェイクドキュメンタリーである。つまり、ここに収められているヒロシの姿は、全てウソだということだ。芸人を主役としたフェイクドキュメンタリーというと、本作と同じ年にリリースされた鳥居みゆきおかもとまりのDVDが思い出されるが、本作はそれらに比べて格段にクオリティが上がっている。ヒロシに対してあまりにも無礼なスタッフの言動には些か違和感を覚えたが、リアルとフィクションのバランスはそれなりに良い。個人的には、車で九州に向かおうとする場面が実に良かった。幕間にはヒロシのネタも収録されており、なかなか見応えのある一品だ。是非、この感じで、次はムーディ勝山のフェイクドキュメンタリーをお願いしたい。フェイクじゃなくても成立しそうだが。


・本編(87分)

「オンバト+」三月二十四日放送感想文

バイきんぐ【461kb/1,162票】※視聴者投票3位
七戦五勝、今期三勝目。前年度の連敗はどこへやら、三回連続でトップ通過とはならなかったが、見事にチャンピオン大会出場権を獲得した。今回のコントは、真夜中に自作の歌を熱唱している男に文句を言いに来た隣人が実はその曲のファンで、しかし男はミュージシャン志望者ではなく単なるニートだった……という、非常にややこしいシチュエーションのもの。捻りのある設定のコントを得意とする彼らだが、今回のネタは流石に捻り過ぎた感が否めない。「夜中にハーモニカを吹いたら隣人が来るんだよ!」「お前の歌声を聴いてたら、訳もなく涙が止まらない夜がある!」「俺の部屋はテメエの唄声を間近で聴くことが出来るアリーナ席だからな!」など、印象的なツッコミが前半に出てしまったのも、後半の印象を弱くした要因か。オチも弱め。とはいえ、安定したクオリティのボケとツッコミで、この複雑な展開を崩すことなく演じ切ることが出来る力量は流石。

キャプテン渡辺【501kb/2,170票】※会場審査1位・視聴者投票1位
九戦八勝、今期四勝目。チャンピオン大会出場を賭けた最終戦で、まさかの自己最高記録を更新。だが、チャンピオン大会出場には届かず。視聴者投票でも1位を記録したが、タイムマシーン3号と同数ポイントということで視聴者投票の票数で争うことになり、敗退。惜しくもチャンピオン大会出場を逃した。今回、キャプテンが披露したのは、お馴染みのクズ漫談。但し、いつものクズあるあるではなく、今回は大金を手に入れたクズ(もといキャプテン本人)の話を展開している。察しのいい人は気付いていると思うが、「R-1ぐらんぷり2012」決勝戦でも披露したアレである。R-1ではスベりにスベったネタだが、既にクズっぷりが浸透していることもあってか、オンバトではもうバカみたいにウケる。「我は神なり!」「愚かなる勤め人の友人」「恐らく宗教の話」「僕がまだ人間だった頃」などのキラーワードもきちんとハマった。ただ、やはりこのネタは、キャプテンがクズ漫談の芸人であることを前提とすることが出来るステージでなければ、ウケるのは難しそうだ。R-1の客が去年のキャプテンのことさえ覚えていれば……いや、普通は覚えてると思うけど……ぶつぶつ。

ムートン【501kb/826票】※会場審査1位
四戦三勝、今期三勝目。うしろシティ、さらば青春の光に続くように松竹芸能からやってきたコント師、ムートン。今期の松竹芸能はこの三組が中心になって出場していたが、よもや彼らだけがチャンピオン大会出場権を獲得することになろうとは。これだから「オンバト+」は読めない。今回のコントは、物件を見ている最中、そこでどんな恋愛を繰り広げるのか妄想してしまう客と、それを見せつけられる不動産屋というもの。彼らの初オンエアネタを彷彿とさせるシチュエーションに、どんな進化が見られるのかと期待していたら、あっという間にネタが終了。思わず時間を確認すると、およそ三分。短い。どこかに大幅なカットが入ったのか、それとも実際にこの長さだったのか。どちらにしても、これでオーバー500といわれても……ちょっと困る。視聴者投票の結果が芳しくないのも、当然というものだ。ただ、終盤の「うん、八ヶ月だって!」から「不動産屋さん!」にかけての流れで大ウケしていたので、それがキロバトルに響いたのではないかと推察される。しかし……もうちょっと観たかったな。

風藤松原【381kb/1,197票】※視聴者投票2位
八戦全勝、今期四勝目。450kb台の微妙な連勝が続いた、今期の風藤松原。ここで合計キロバトルの増量を狙いに来たが、まさかまさかの今期最低キロバトルを記録。しかし、なんだかんだで、「オンバト+」になってからのオフエアはゼロ。その芸は安定期に突入しているといってもいいだろう。今回は漫才コントで、風藤が司会を務めるトーク番組に、松原演じるアイドルが出演するというもの。トーク番組という設定のネタにも関わらず、後半は何故かクイズが畳みかけられていくというシチュエーション無視の展開に。この急展開についていけず、置いてけぼりを食らった観客も少なくないのでは。但し、「13日の金曜日はイオンお客様感謝デー」「カモシカのような足の匂い」「ラッコは石を使って何を割る→校舎の窓ガラス」「イカが攻撃されたとき何を出す?→小銭」など、ボケのセンスは相変わらず素晴らしいものがある。ただ、センスが先行し過ぎて、それを見せるためのフォーマットがどんどん雑になっている。面白いのに……勿体無い。

GAG少年楽団【365kb/942票】
七戦全勝、今期三勝目。一勝目が441kb、二勝目が521kbと、少しずつキロバトルを向上していたGAG少年楽団。バイきんぐに続いて、チャンピオン大会出場の可能性を持ったユニットだったのだが、ここでまさかの急ブレーキ。ムートンに追い抜かれ、チャンピオン大会出場の権利を逃してしまった。彼らは昨年度もボール一個差でチャンピオン大会に出場ならずという苦汁を味わっていたが、まさか今年度も出場できないとは。来年度こそはチャンピオン大会出場なるか、もとい、そもそも番組に出場することは出来るのか? 今回のネタは、勉強を受け持っている男子学生の部屋に「友達」としてやってきたのが女子で、これは彼女なのではないか……と疑いの目を向ける家庭教師のコント。自己最低記録を更新しているネタにも関わらず、これが非常に面白い。部屋にやってきた女子の言動が、いわゆるカップルのあるあるネタとなっていて、それが家庭教師の発言ではっきりと明確になっていく。その流れが実にたまらない。「ええ~?」の言い方もいいなあ。これがどうして自己最低記録を……男女の様子があまりにも生々しかったからだろうか。それにしても、これでチャンピオン大会出場を逃したというのは、あまりにも手痛い。

・今回のオフエア
309kb:GUMシロップ
301kb:巨匠
297kb:ななめ45°
265kb:100W
129kb:パンダスティックランマー

なんと、第一回チャンピオン大会で好成績を残したななめ45°が、第二回チャンピオン大会出場を賭けた本戦で「オンバト+」初のオフエア。比較的安定した連勝を記録していた彼らだけに、いったいどんなネタを演じてしまったのかが気になるところ。それ以外のメンバーは全員初挑戦者。……そもそも、この時期に無理矢理出場することはないんじゃないか、と思うのだが……。

・次回(第二回チャンピオン大会)
1位:井下好井
2位:タイムマシーン3号
3位:バイきんぐ
4位:ラバーガール
5位:ソーセージ
6位:span!
7位:ムートン
8位:ザ・ゴールデンゴールデン(※繰り上がり出場)
初代チャンピオン:トップリード

次回はいよいよ第二回チャンピオン大会。漫才師が三組、コント師が六組と前大会と同様にコント寄りの大会になるようだ。ちなみに、タイムマシーン3号、ラバーガール、ザ・ゴールデンゴールデン、そして現チャンピオンのトップリードの四組が二年連続でチャンピオン大会に進出を果たしている。経験が物を言うのか、それとも新しい勢力が活躍を見せるのか。どう転んでもおかしくない第二回チャンピオン大会は、3月31日午後10時55分からスタート! ……ビミョーな時間帯だな!

「関根&優香の笑う春休み2012」マトメ

今回はMC二人と出演芸人とのフリートークは無し。
放送時間が一時間しかないので、ネタ優先でカットしたのだろうか。
……どっかの大会とは大違いだね!(イヤミ)

平成ノブシコブシ『漫才』
以前は吉村がボケを担当していた筈だが、気が付けば完全に立場が逆転。エキセントリックな徳井がボケで、破天荒な筈の吉村がツッコミに転じるという不可思議な状況に。今や、間違いなく破天荒なのは徳井である。肝心の漫才は、「お化けを信じる?信じない?」の話から、「実は平成ノブシコブシはお化けとの九人組だった」という予想外の展開へ。二人のキャラクターを活かした漫才ではあったが、全体的に詰めが甘い。ただ、その詰めの甘さによって生じる、あのなんともいえない空気こそが、平成ノブシコブシの味であるようにも思う。

キングオブコメディ『ジョパネットたかはし』
通販番組のパロディ。真面目に番組を進行しようとする高橋と、一般人とは少し違った感性をダイレクトにぶつけてくる今野のぶつかり合いが、たまらなく面白い。少なくともこのネタに関しては、今野は落語の与太郎に似ている。単なるバカじゃないんだよなあ。さりげなく高橋のツッコミも上手いんだけど、今野の言動を困りながらも誤魔化す姿の方に注目が集まっているため、印象に残らない。ある意味、才能の無駄遣いといえる。オチは彼ららしく、捻くれている。

Hi-Hi『漫才』
「THE MANZAI 2011」での活躍以降、絶好調でパスタを巻き続けている漫才師。人間が捻くれている私としては、どっかしらに粗があるのではないかと探してしまう。で、実際に粗はある。彼らの漫才には、テーマがない。どんなネタでも、とにかく上田が岩崎を翻弄し続けるだけで、観ている間は笑えるのだが、観終わったら殆どネタが記憶に残らない。延々と漫才コントに突入しないアンタッチャブルの様だ。それを否定するつもりはない、ましてや漫才に非ずなどとは考えもしないが、いずれ息切れしそうな芸風ではある。後輩芸人のオードリーの様に、早々に漫才をしなくても大丈夫な立ち位置を陣取ることが出来ればいいのだが。「オールナイトニッポン0」での健闘を祈る。

ロッチ『言わへんやつ』
中岡、少し太ったか? あれやこれやと相手のことは聞いてくるくせに、自分のこととなるとまったく話そうとしないやつ。身近にいそうな気質のやつを煮詰めたような中岡のキャラクターで見せる前半から、そいつに翻弄されるあまりにムチャクチャな行動に出るコカドで見せる後半の流れが自然で上手い。ただ、ロッチの良さを引き出したネタではない。正直、ロッチじゃなくても、それなりに成立するのではないかと思う。そういう意味では、物足りない。

モンスターエンジン『漫才』
街で喧嘩をしている不良をボクシングにスカウト。コント・ショートコントに比べて、モンスターエンジンの漫才はあんまり面白くない印象があったのだが、このネタは面白かった! ボクシングにスカウトするシチュエーションを何度も繰り返すクドさで引き込まれ、続く「リピートアフターミー!」で完全にノックアウト。更に「スポンジいっぱいつけるから!」で、半死半生状態に。危うく真っ白に燃え尽きるところだったぜ……。

柳原可奈子『カフェ店員』
自然食品系のカフェで働く店員。おっとりとしていて、変な色気があって、さりげなくしかしストレートに自己主張する様が、実にリアル。「古民家風ひよこ豆のカレー」「天然酵母パンの北欧風プレート」などの料理名も素晴らしくリアル。たぶん、柳原自身がこういう人がいるカフェにうっかり入って、苦笑いを浮かべたりしたんだろうなあ……と想像せざるを得ない。オチの哀しげな表情に至るまで、芸レベルの模写という意味で完璧。

笑い飯『漫才』
ぶかぶかパンツ。鳥人やサンタウロスよりも、笑い飯の発想力を如何なく発揮した漫才だと思う。「なんで壊死ガマンできんねん!」「ギューギューなってひょうたんみたいになんで!」などのワードセンスも素敵。

バカリズム『選手宣誓』
そういえば、ピン芸人が選手宣誓を取り入れたネタをやっているところを、あまり観たことがない。皆が知っていて、しかも一人でやることに違和感のないシチュエーションなのに、どうしてやっている人が少ないんだろう。難しいのか。一瞬、下ネタに寄ろうとして、しかしそこからどんどんナンセンスに流れていく構成が素晴らしい。あと、これは単なる推測に過ぎないが、バカリズムは選手宣誓的なアレが嫌いなんだと思う。

スリムクラブ『漫才』
クイズミリオネア。ミリオネアに出たいという内間が実際にコントを始めると司会者になってしまうという雑さが、とてもM-1・THE MANZAIファイナリストとは思えない。それでも、それが許されてしまう空気が、彼らには常に漂っている。沖縄出身だということも大きいのだろうが、なにより真栄田が内間をとことん信用(溺愛?)していることが伝わってくるからだろう。今回、内間が漫才を終わらせるタイミングを間違えてしまうというハプニングが起こっていたが、これも真栄田の策略なのではないかとちょっと疑っている。内間が困ってる顔が観たかっただけじゃないのか?

ジャルジャル『コント』
ヒマ過ぎて変なリズムを刻み続ける男。同じことを何度も何度も繰り返すジャルジャルのお得意スタイルにアレンジを加え、なんとも珍妙な世界を構築していた。もうちょっと掘り下げていけば、更に面白くなりそうな予感。

2700『D-51のサビ大好きマジシャン』
予想通りのことをそのまま。下らな過ぎて面白い。

サンドウィッチマン『漫才』
ファンレター。段落ごとに繰り出されるバリエーション豊富なボケ、それに対する的確なツッコミはとにかく骨太。

・MCのコメント

優香「私、サンドウィッチマンさん。やっぱりもう一回観たいですねー!」
関根勤「僕はモンスターエンジンの『あしたのジョー』っぽいのが好きでした。くだらねぇ……(笑) あと2700が、全然意味がなくて良かった!」

LLR単独ライブ『ふざけているようですが真剣です。』(1,200字)

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(2011/08/03)
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あらびきな芸人がパフォーマンスを披露するコンセプトでありながら、だんだんとスタッフのあらびき編集が過剰になっていくという、ある種「エンタの神様」的な変換を見せていたにも関わらず、バラエティ番組愛好家に高く評価されていた番組「あらびき団」。その第一回放送において、ふとっちょ☆カウボーイ、ハリウッドザコシショウ、すっちーらとともに、何故か漫才を披露していたコンビ、それがLLRである。当時の私は、その第一回放送を偶然にも目撃してしまったのだが、こってりとした個性を剥き出しにした芸人たちの中において、彼らはゴマに含まれるという『セサミン』に対して異常なこだわりを見せるという、他の芸人たちに引けを取らないほどのアクの強い漫才を演じていた。そのため、LLRといえばセサミンの漫才をしていたコンビとして、私の中に強く印象に残っている。

本作には、そんなLLRが2011年4月に行った単独ライブ「これからもがんばっていきまっしょい」で披露された漫才・コントが収録されている。単独ライブという名義ではあるものの、先の『セサミン』などの既存ネタも収録されており、むしろベストネタライブとしての趣が強い。『セサミン』以外の漫才は殆ど初見だったのだが、彼らは基本的に最初のボケを軸にネタを展開していくことが多いようだ。例えば、最初の漫才『大豆』では、福田が好きだという好きな料理の中に大豆が含まれていると「だいずき!」と口にしてしまうという、実に他愛のないボケが序盤で提示されている。ところが、そのうちに大豆が含まれているのか含まれていないのかが曖昧な料理が登場、「だいずき!」などという純然たるダジャレの設定を守らなくてはならない福田は、その下らない設定によって少しずつ追い込まれていく。この行程が、実に面白い。

この他にも、家で飼っている豚が「豚を飼っていることが恥ずかしいの?」と福田に詰め寄るという話がどんどんヘンテコな方向へと膨らんでいく『豚』、与えられた単語からストーリーを作るという福田がゴリラを主人公にドラマチックな物語を展開する『記憶術』、福田の身体の中に封印されている悪霊が伊藤に漫才をやろうと持ちかける『悪霊』など、最初に提示した設定がじわじわと利いてくるネタばかり。一方のコントは、漫才ほど捻りはなく、むしろオーソドックス。しかし、本編の最後に披露されている長編コント『青春群像劇 最終章』は、売れ残り芸人が売れっ子に、売れっ子芸人が売れ残りになっているパラレルワールドに伊藤が迷い込むという、とてつもなく内輪向けでかつ悪意を感じる内容で、妙に印象に残っている。

特典映像には、祖父の故郷であるスイスに行きたいという伊藤の資金を集めるために、福田が平和島のボートレースで勝負に出るロケ企画と、伊藤のルーツを辿るドキュメンタリーを収録。特典映像の収録という名目の元、本気で賭け事に興じる福田の姿が実にダメダメで良い。


・本編(91分)
「漫才1:大豆」「漫才2:セサミン」「漫才3:豚」「コント:いいやつ」「漫才4:バレーボール」「伊藤ピンネタ」「漫才5:記憶術」「福田ピンネタ」「漫才6:怖い話」「コント:ナンの精」「漫才7:悪霊」「コント:青春群像劇 最終章」

・特典映像(58分)
・副音声
「楽屋裏での芸人の感想」

しずる『POWER×POWER DVD』(850字)

しずる POWER×POWER DVDしずる POWER×POWER DVD
(2011/12/14)
しずる

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仁王立ちで遠くを眺めている村上と、座りこんで俯いている池田。村上は、嬉しそうに遠くの景色を眺めている。「やっぱり温泉にして正解だったなあ……」。二人は友人同士で、この日は温泉旅行にやって来たのだ。ところが、そんな村上に対して、池田は表情を曇らせたままだ。思わず、村上も「せっかくの旅行だぞ、お前」と、池田のことを嗜める。しかし、その後の池田の発言で、事態は一変する。二人はじゃんけんで温泉旅行とスキー旅行のどちらに行くかを賭け、池田が勝利したために、温泉旅行へとやってきた。それなのに……「お前、なんでスキーウェアで来んの!?」。

その後も生々しい嫌がらせが繰り広げられるコント、『勝った友達×負けた友達』で幕を開ける本作。その後も、志願者の心の声に何者かが侵入する『面接官×志願者』、“だるまさんがころんだ”に合わせて中年男性の転落人生を描く『子供×おじさん』、写真を応募して獲得した賞金をかけて心理戦が繰り広げられる『撮った友達×応募した友達』など、実に多種多様なネタが展開されているのだが、そこには常に独特の緊張感が張り詰めている。まるで、「爆笑レッドシアター」等の番組で彼らのことを知った、生半可なファンたちを篩にかけているかのようだ。

何故、しずるのコントには緊張感があるのか。その原因は、彼らのコントの根底に、人間を冷笑する姿が見え隠れしているためだろう。それ故か、彼らのコントを見ていると、やはり愚かな人間を描いていたバナナマンを彷彿とさせる。しかし、世に出始めた時点で、既に圧倒的な世界観を持っていたバナナマンに対して、しずるの世界はまだまだ未熟だ。本作に収められているのは、いわばその途中経過といえるだろう。いずれ貴重な記録として、懐古される日も来るかもしれない。

なお、特典映像には、池田による草津・軽井沢ツアーの模様が収録されている。同期の芸人たちを案内しながら、各所で手痛い目にあっていく池田の姿は、早くもイジられキャラとして圧倒的な存在感を放つバナナマン日村の後継者を思わせた。


・本編(74分)
「勝った友達×負けた友達」「友達×友達」「面接官×志願者」「男×男」「子供×おじさん」「撮った友達×応募した友達」「プロ×新人」「男×ヤツ」「先輩×後輩」

・特典映像(70分)
「池田一真PRESENTS!草津・軽井沢ツアー!ツアー!!」
「トレーナー×ボクサー」
「池田 vs 4台のカメラ」

・副音声
「池田・母と村上・母による本編副音声を収録!2人の母がしずるを語る!!」

「R-1ぐらんぷり2012」をボヤく。

【注意】今回の記事は私的感情に任せて書いたものなので、人を不快にする可能性があります。

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「オンバト+」三月十七日放送感想文

タイムマシーン3号【505kb/1,974票】※会場審査1位・視聴者投票1位
七戦全勝、今期三勝目。今期も圧倒的な実力を見せつけて、チャンピオン大会出場が確定。今度こそトップリードを下し、チャンピオンの座に収まることは出来るのか。今回のネタは、関が打ち合わせをサボって某有名遊園地に行ったのではないかと疑われる漫才。単独ライブ『ひまわり畑でつかまえて』で演じていたコントを改変したネタなので、しゃべくり漫才スタイルなのに、全体的にコントっぽい。関が宇宙人なのではないかという疑惑が浮上する展開も、漫才としてはかなりの強引なのに、話術と勢いで一気にまくし立てた。うん、面白い。

うしろシティ【485kb/1,437票】※視聴者投票3位
五戦全勝、今期三勝目。今回のオンエアで、前回の低キロバトルが相殺されたために、チャンピオン大会出場までギリギリというところまで食らいついたうしろシティ。あとは運に身を任せるだけだが……果たして。そんな彼らの今回のネタは、友人同士の別れを描いたコント。東京へと旅立つ友人に話すことを、前日から台本にして考えてくる……という、共感は出来るんだけどもなんだかヘンテコな世界観がたまらなく愛おしい。台本と記憶にズレが生じていたり、相手の台詞も決めているところなども、世界観を崩さない程度のくすぐりになっていて、実にいい。やっぱりこのコンビ、素晴らしい。

THE GEESE【361kb/1,535票】※視聴者投票2位
七戦全勝、今期三勝目。今期は決して好調とはいえない状態での連勝が続いたが、どういうわけか視聴者投票では高い評価を得ているTHE GEESE。思わず組織票を疑ってしまうが、そんなわけはないだろうしなあ……。しかし今回、視聴者投票1位の座をタイムマシーン3号に奪われてしまったため、彼らのチャンピオン大会出場は不可能に。来期の活躍に期待したい。今回のネタは勿論コントで『美容室』。頭の上に色んなものをのっけた客が美容室にやってくるというコントで、なんだかよゐこの『たくあん』を彷彿と。あと、Twitterで「このネタ、オンバトでやってなかった?」との情報が。……もしかして、彼ら自身も忘れてたのか?

クレオパトラ【445kb/1,262票】
初挑戦初オンエア。チャンピオン大会目前の最中、まさかの新鋭現る。幼馴染同士によるコンビで、東京吉本に所属しているという。ちなみに、アナウンサー紹介の時に「クールダウンはしてられない」というコメントがあったが、これは彼らの前のコンビ名とのこと。うーん、上手く取り入れたな。今回のネタは漫才で、青春ドラマのワンシーンを再現しようとしているのに、逐一ジャマされ、それにノリツッコミを食らわせるというスタイル。大きな笑いはなかったものの、ちょこちょこと張られたフリがいい感じにボケとして再利用されていく様は、なんとも心地いい。洗練されれば、凄いことになるかも。

閃光花火【285kb/588票】
初挑戦初オンエア。300を下回っているにも関わらずオンエアという、ちょっと珍しい記録が誕生。少なくとも、「オンバト+」になってからは、初めてのことだ。運が良いのか、むしろ悪いのか。サンミュージック所属のコンビ。そのネタは、頭を叩かれると妙な癖が発動してしまって、ろくに漫才が進められない……という異色ネタ。この不可思議な世界観にハマってしまえるかどうかが、鍵になっているように思う。そこにどれだけの説得力を持たせられるか。ひとまず、次のネタを観てみたいコンビではある。

・今回のオフエア
257kb:アイロンヘッド
233kb:ウエストランド
197kb:や団
137kb:ぐりんぴーす
125kb:ヒデヨシ

高キロバトルでのオンエアが続いていたや団とヒデヨシが、揃って100kb台でオフエアという無念の敗退。一体、何をやらかしたのだろうか。低空飛行でのオンエアが続いていたウエストランドも、ここでオフエアに。極端に落ちたわけではないので、客層次第で上がったり下がったりするタイプなのかもしれない。

・次回
【初】GUMシロップ
キャプテン渡辺(3)
【初】巨匠
GAG少年楽団(2)
ななめ45°(2)
バイきんぐ(2)
【初】パンダスティックランマー
【初】100W
風藤松原(3)
ムートン(2)

今期最終回。高キロバトルでの連勝が続いているバイきんぐとGAG少年楽団、まだまだチャンスがあるムートン、ちょっと微妙なななめ45°がチャンピオン大会に向けて最後のオンエアを奪い合う。その一方で、既に今期三勝を決めているキャプテン渡辺と風藤松原が、合計キロバトル数を伸ばすために再戦。残り三枠を勝ち取るのは、果たしてどの芸人なのか!?

インパルス単独ライブ『地下室』(850字)

インパルス単独ライブ「地下室」 [DVD]インパルス単独ライブ「地下室」 [DVD]
(2011/11/23)
インパルス

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スプーン一本で掘り続けてきた穴から明日にも脱獄を図ろうとしていた男が、その前日に出所を伝えられてしまい、逆に困惑する。その絶妙さ。銀行強盗が入ることを事前に調べ上げて銀行内に潜入していた私服警官が、その私服のダサさを指摘されてからというもの、何処がダサいのかが気になって行動に移れない。その絶妙さ。ある町工場に面接を受けに来た男が、自分のやりたい仕事を見つけるために転々としてきた職歴が凄過ぎて、面接をする側が恐縮してしまう。その、絶妙さ。

ゼロ年代を席巻したお笑いブームの一角を担ったバラエティ番組「エンタの神様」において、アンジャッシュ・陣内智則・ドランクドラゴンらとともに番組の顔としてコントを作り続けてきたコンビ、インパルス。板倉が演じる不気味で不可解なキャラクターと、それに対して骨太で力強いツッコミを入れる堤下の陰陽分かれたバランスが高く評価され、人気を博していた。しかし今、彼らのコントは単なるキャラクターコントの領域から、更に深みへと潜り込んでいる。

その深みとは、人間の愚かさ……即ち“業”だ。階段を使って真正面から牢獄を出るよりも、長年に渡ってスプーンで掘り進んだ穴から出たいという業。自らの仕事を務めるよりも、指摘された服装をどうにかして改良したいという業。堂々と面接を行おうと息巻いていたにも関わらず、その相手があまりにも凄い人物だったために、逆に自らの仕事を貶めてしまうという業。インパルスは、そんな人間の業といわれる部分をコントの中枢にすることで、以前よりもずっと生々しくて面白いシチュエーションを完成させている。

前作『村雨 ~むらさめ~』がかなり酷い内容だったので、鑑賞前から本作に対して不安を覚えていたのだが、完全に杞憂だった。どのコントも完成度が高く、素晴らしい出来栄えだ。最後の長尺コント『地下室~デスゲーム~』は少しダレた感もあったが、これも決して悪くはない。ショートネタブーム以前からコントを作り続けてきた、コント職人としてのインパルスの本領発揮。傑作である。


・本編(123分)
「地下室~牢獄~」「オープニングVTR」「私服警官」「遊ぼうっていうと…1」「AMAEBI」「遊ぼうっていうと…2」「地下室~拷問~」「堤下ブサイクパーツランキング」「居たい場所、居るべき場所」「復讐」「地下室~デスゲーム~」

・特典映像(2分)
「オフショット映像を収録」

『陣内智則ワールドツアーin韓国 NETAJIN』(850字)

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(2011/11/30)
陣内智則

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ジャルジャルがイギリスでコントライブを行ったのは、2010年6月のことだった。ライブの開催が報じられた当時、私はジャルジャルの不可思議な芸風が世界でどのように反応されるのかが非常に楽しみにしていたが、実際にその模様を収録したDVDを観ると、動きによる表現に偏った内容になっており、些か残念に感じた記憶がある(その後、彼らが改めてロンドンでライブを行った際には、字幕を配備して原語の壁を少しでも薄めようとと試みていたが)。それから一年後の2011年6月。ジャルジャルに続いて、陣内智則が海外でのコントライブを開催した。舞台は韓国。近くて遠い日本の隣国において、陣内の笑いは通用するのか。

結論からいうと、通用する。何故ならば、陣内のコントは主に映像で見せるもの、つまり視覚に訴える笑いだからだ。それは、ジャルジャルが初のロンドン公演で、動きを重視したコントを多く演じていたことと無関係ではない。それを認識できる程度の差はあるだろうが、それは日本も同じだ。また、陣内のネタに、自己表現としての側面が薄かったのも大きい。バッティングセンター、防犯カメラ、テレビゲーム、卒業式……そこに映し出される日常的な風景で展開される、ベタでオーソドックスな笑い。想像の余地を与えないド直球の映像ボケは、だからこそ、その核となる部分を包み隠さず観客にぶつける。故に、陣内の笑いは、国境を越えるのだ。

本作には、陣内がその芸人としての手腕を如何なく奮っている姿が収録されている。時に自らが韓国語を用いて、時に韓国語の字幕を用いて、そのコントを現地の人々へと伝えようとしている陣内の姿は、テレビで「浮気したからや!」と叫ぶ姿からは想像できない、れっきとしたコント師の姿であった。……後に、観客の多くは日本から来たと発覚するのだけども。惜しむらくは、韓国公演の様子は本編の半分だけで、残り半分は日本での凱旋ライブでの様子を収録している点。そこは全編、韓国公演にしてもらいたかった。だが、陣内のベストコントを堪能できる、純粋に面白い一作である。


・本編(88分)
「オープニング」
韓国公演:「韓国語講座」「バッティングセンター」「オウム」「防犯カメラ」「ゲームセンター」「羊が一匹…」
日本凱旋ライブ:「卒業式」「どこまでもいっしょ」「物売り屋さん」「ユニットコント「劇団チューリップ」ヒーローショー(ゲスト:すっちー、ジャングルポケット)」
「エンディング」

・特典映像(22分)
「陣内が行く韓国ぶらり旅」「ガン・ジファン×陣内智則スペシャルトーク」

「あたご劇場」で映画を観た話。

高知県へと映画を観に行く。

「どうしてわざわざ高知まで映画を観に行くのか」「香川には映画館が無いのか」という疑問の声もあると思う。勿論、香川にも映画館はあるのだが……細かく説明すると面倒臭いので省略する。とにかく諸般の事情があって、某月某日、私は高知の映画館へと映画を観に出掛けた次第である。

さて、高知の映画館といっても、何処の映画館であるか即座に察する読者は少ないであろう。どうせ、大手の有名映画館、例えばワーナーや東宝シネマだと予想する人が多いのではないかと思う。では、発表しよう。その日、私が訪れた映画館の名は、“あたご劇場”である。……皆が何を思ったのか、私には手に取る様に分かる。「何処だよ?」と思ったのであろう。私も、初めてくだんの映画館について聞いたときに、そう思った。「何処だよ?」と。

“あたご劇場”は、高知市愛宕町にある映画館である。映画館といっても、その規模は大変に小さい。近年、映画館といえば、先に名を挙げた大手の映画館の様に、複数のスクリーンで複数の映画が上映されているのが当たり前となっているが、ここにはスクリーンが一つしかない。よって、上映される映画も、また一つだけである。それどころか、一定期間、ずっと同じ映画を流している。それで客が入るのか。採算は取れているのか。詳しいところは分からないが、とにかくそこで上映される映画を観なくてはならないのである。どうしても観なくてはならないというわけではないが、観に行くのである。それが、正解なのである。

高知までは自宅近郊から高速道路を一時間ばかり。過去に二度訪れているので(一度は観光、もう一度は桂文珍独演会)、道にもすっかり慣れている。高知インターを降りて、目の前に家電店のコジマが見える交差点を右に曲がり、それから真っ直ぐ進むと高知イオンが見えてくる。時計を確認すると、上映の予定時刻まで一時間半ばかり。まだ余裕があるので、フラッと立ち寄る。中のタワーレコードで三遊亭圓丈師匠のCDを購入。あと一枚で、圓丈師匠のCDは全て購入したことになる。さほど、ファンというわけでもないのだが。

高知イオンの前を通る道、これが国道44号線だ。ここを西に進むと、国道16号線と交差する場所に出る。これを右に曲がり、進むと大河ドラマにも出てきたという久万川が見えてくる。この上に架かる橋を通ると、そこが愛宕町だ。この辺りには詳しくないので、適当な有料駐車場に車を停める。40分100円で上限600円という価格設定がなかなかに良心的だ。ここから南にゆっくり歩いていくと、同設定の有料駐車場が幾つも目に入った。どうやら、この辺りの有料駐車場は、そういう設定で統一されているらしい。それらを横目に真っ直ぐ歩いていくと、左手にくだんの病院が見えてくる。病院のある交差点の、更に次の交差点を左に進むと、右手に「あたご劇場」の看板が。思っていたよりも、ずっと小さい。田舎の駄菓子屋を思わせる佇まいだが、正面から見ると、それは間違いなく映画館であった。近日、『宇宙人ポール』を上映するという。……なんだか意外なチョイスだ。

場所を確認したところで、改めて時刻を確認する。上映一時間前。まだまだ時間があるので、更に南下する。橋を渡り、高校の横を抜けると、賑やかな商店街へと出る。しばらく散策したい気分になったが、生憎時間がない。と、ここで、昼食を取っていなかったことに気が付いた。何か飲食店はないかとネットで調べてみると、近くに“製麺所 蔵木”というつけ麺屋があるというので、そこへ行ってみる。表の戸を開けると、正午をとっくに過ぎていたにも関わらず、店内は客で賑わっていた。つけ麺(大盛り)を注文し、食す。美味い。大食家の私としては、もう少しばかり量が欲しいところではあったが、まあ満足といった味であった。食後、時刻を見ると、上映15分前。慌てて、劇場へと引き戻す。

上映5分前に劇場へと到着。受付で前売り券をもぎってもらう。受付にいたのは、かなりの高齢とお見受けする老婆だ。もはや商売ではなく、趣味で映画館をやっているというような雰囲気を漂わせている。勿論、実際はどうだか知らないが。戸を開けると、数人の男女が立っている。いずれも中年といった様相だ。どうやらそこは待合所で、そこにる人たちは、私と同様に映画を観にやってきた観客らしい。シアターから音が漏れている。台詞がはっきりと聞こえてくるくらいの音漏れだ。勿論、一日に同じ映画を三度放映するところなので、これから観る映画の台詞である。はっきりいうと、ネタバレだ。それでホントにいいのかしらん。他の観客と同様に、待合所で時間を潰す。ふと足元を見ると、雑誌が入っているダンボールが。ご自由にお取り下さい、とある。よく見ると、それはキネマ旬報で、しかもかなり古いもののようだ。表紙にブルース・リーの写真があり、横に表記された年号は1970年台……これは価値があるのではないか? ご自由にお持ち帰りしてもいいのか? あれこれと考えていたら、先の映画が終了。シアターから複数の客が出てきたので、入れ替わる様に中へと入る。百人ばかり入れそうな客席があるので、後ろから四列目くらいの席を陣取る。一般の映画館よりは狭いのだろうが、入ってくる客は先程の待合所の複数名のみなので、空席ばかりだ。雰囲気はいいのに、なんとも惜しい。

後日上映される予定の映画の予告が複数流れ、目的の映画がゆっくりと始まった。

幕末太陽傳 デジタル修復版 Blu-ray プレミアム・エディション幕末太陽傳 デジタル修復版 Blu-ray プレミアム・エディション
(2012/06/02)
フランキー堺、南田洋子 他

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『幕末太陽傳』は、江戸末期という動乱の時代を舞台とした、時代劇だ。主人公の佐平次は病の療養のために品川の遊郭へと仲間と繰り込み、そのまま居残り(いわば店の人質)してしまう。ところが、これがじっとしていない。こそこそと花魁たちや客の世話をするばかりか、店で起こった数々の揉め事を解決してしまい、気付けば店から欠かせない存在になってしまう。古い映画(1957年公開!)のデジタルリマスター版ということで、理解できない個所も多いのではないかと不安だったのだが、いざ観てみると、これがとにかく面白かった。『居残り佐平次』『品川心中』『三枚起請』などの古典落語をモチーフとしていたことも、理解しやすかった要因かもしれない。

役者も素晴らしい。フランキー堺という人物の演技は本作が初見だったのだが、実に華があって魅力的であった。単なる三枚目の様でいて、二枚目の雰囲気もある。素晴らしいの一言だ。若き日の石原裕次郎、これも目を惹いた。演技の点では頼りなかったが、華という意味では圧倒的。華といえば、若旦那を演じた梅野泰靖、若い衆を演じた岡田真澄も凄かった。『品川心中』の主役で間抜けな貸本屋の金造を演じているのは、小沢昭一。今の顔つきからは考えられない軽妙さだ。やり手のおくまを演じるのは菅井きん。この頃から既に老人のオーラを放っている。それぞれの魅力が如何なく発揮されていて、私は久しぶりに邦画の迫力というものを真正面から食らった気がした。ノックアウト、である。

鑑賞後、素晴らしい映画を観て、清々しい気持ちになっていた私は、この気持ちが損なわれないうちに帰宅しようと、すぐさま有料駐車場へと駆け込んだ。指示通りに機械を操作すると、500円と表示される。小銭を持ち合わせていなかったので、1,000円を投入する。カラーンとお釣り口から聞こえてくる。手を入れると、100円。……100円? 400円足りないではないか。改めてお釣り口を確認するが、何も入っていない。そりゃそうだ。カラーンと一枚だけ落ちた音しか聞こえなかった。慌てて色々なボタンを押してみるが、何も反応しない。車を確認すると、確かに盗難防止板は下りている。でも、400円がない。足りない。ぼったくりか。このまま放置しておくと、またあの板は上がってくるのではないか。それじゃあなおのことぼったくりだ。ええい、しょうがない……と、車を出してしまう。清々しい気持ちが一転、400円のぼったくり。哀しい。たかが400円で落ち込んでいる自分のみみっちさが、とにかく哀しい。しかし、あの映画館はしみじみと良かった。また機会があれば、行きたいものである。

以下、『居残り佐平次』の音源。
落語名人会 2落語名人会 2
(1993/12/01)
古今亭志ん朝

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落語CDムック立川談志 3 (Bamboo Mook)落語CDムック立川談志 3 (Bamboo Mook)
(2011/02/15)
不明

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ハイキングウォーキング単独ライブ『根斗百烈拳3』(850字)

ハイキングウォーキング 単独ライブ 根斗百烈拳3 [DVD]ハイキングウォーキング 単独ライブ 根斗百烈拳3 [DVD]
(2011/11/23)
ハイキングウォーキング

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ハイキングウォーキングのコントライブを収録したDVDシリーズ第三弾。その名の通り、100本とまではいかないが、単独ライブとしてはかなり多い19本ものコントが乱発されている……というと、なにやらショートネタブームを引き摺っているかのように聞こえるかもしれないが、そうではない。本編で披露されているコントには、瞬間的に終わってしまうショートネタもあるにはあるが、一方で終始きちんと組み立てられている長尺ネタもある。そこには、異様な姿で宴会芸を必ず失敗するショートネタ『Mr.スズキックスのスーパーイリュージョン』の面影など微塵もない。……あれはあれで面白かったけれど。

ネタのバリエーションも豊富だ。ドリフコントを再利用した『ボウリング場のスタッフにやたらとつっこむうっとうしい客』の様にオーソドックスなシチュエーションコントがあると思えば、ただただ「DJケーオーリー!」と叫びたいだけの『DJケオリ』の様にニュアンスの面白さを引っ張るだけのコントがある。先生に言われた“留年”の意味をさっぱり理解できない生徒を描いた『留年』の様なバカもあれば、相手を威嚇するという密かな楽しみを嗜む人たちが集まる『東京威嚇倶楽部』の様なナンセンスもある。先にも書いたが、本編では19本ものコントが披露されているのだが、どれひとつとして似ているものはない。その姿、まさにコントの安打製造機。

ところが、これらの一見するとバラバラにしか見えないコント群が、最後の最後に思いもよらない展開へと繋がっていく。この演出には、些か驚かされた。まさに“スーパーイリュージョン”といっても過言ではない、そのラストを確認するだけでも、本作を鑑賞する価値はあると思う。唯一、惜しむらくは、前半で繰り広げられたとある一連のコント。シンプルながらも下らない構成に思わずニヤついたのだが、それ以後、その要素がまったく絡むことなく進行していったのには、少々肩透かし。とはいえ、純粋に面白いコントDVDであることに変わりはない。19発の拳、しかと受けてみよ。


・本編(96分)
「ボウリング場のスタッフにやたらとつっこむうっとうしい客」「恥ずかしいよ…叔父さん!」「もみもみばばあ2011夏」「くそ!負けた!」「ダム建設反対」「披露宴準備中」「うわ!やっちった!」「披露宴」「留年」「ダム建設反対2」「せんごくコント」「予想屋タクシー」「どういうこと!?」「東京威嚇倶楽部」「DJケオリ」「お待たせしました!ダム建設反対3」「じぐそうパズル」「迎え」「漫画喫茶」

・特典映像(73分)
「打ち上げトーク」

『COWCOW CONTE LIVE4』(850字)

COWCOW CONTE LIVE 4 [DVD]COWCOW CONTE LIVE 4 [DVD]
(2011/08/17)
COWCOW

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COWCOWのコントライブを収録したシリーズ第四弾。2008年から年に一度のペースで発売され続けている同シリーズだが、そのクオリティは常に安定し、ファンの期待を決して裏切らない。ポップでユニークな世界観において、堅実に構築されている笑いのメカニズム。だからこそ、COWCOWのネタは確実に的中する。“劇場番長”というキャッチコピーは伊達じゃない。近年、その実力が世間にも認められ始めたのか、本作に収録されているネタには見覚えのあるものも多い。

例えば、女子アナウンサー・カシパンが早口言葉を五段階の難易度別にしてレクチャーする山田興志のピン芸『カシパンの早口言葉』は、R-1ぐらんぷり決勝戦で拝見した。また、当たり前のことを紹介するだけの体操を演じる『あたりまえ体操』は、「あらびき団」で披露されているのを見たことがある。かなり反響があった様で、MCの二人が高く評価していたことが強く記憶に残っている。また、迷信が生まれるまでの行程をロックで歌い上げる『アイアンメイシン』は、本作発売後に放送を開始した「バカソウル」の定番ソングだ。ネタで堅実に笑いを獲り続けてきた彼らは、テレビにおいてもはやり堅実に人気を集めているようである。そういえば、本作を鑑賞中、子どもの笑い声が何度も響き渡っているのを確認した。この子どもたちがやがて大人になり、COWCOWを求めるようになれば……それはいずれ、彼らの財産になるだろう。

個人的には『鍋奉行』が印象に残っている。その内容は、山田扮するほんこんが、新婚ホヤホヤの多田を自宅に招いて鍋奉行ぶりを発揮する、というもの。ネタが始まった当初は、山田によるモノマネを中心に、ほんこんがいかにも口にしそうな言い回しを用いて展開していくだけのコントだと思っていたのだが、それらの言い回しがまったく違う意味へとスライドされ、最終的には実におぞましいオチを迎えてしまうのである。勿論、笑える。笑えるのだが、実に恐ろしいオチであった。老若男女に受け入れられる芸風の持ち主、COWCOWの闇を見た気がした。嘘だけど。


・本編(89分)
「アイアンメイシン」「僕らの時代」「接待しりとり」「ゼロの使者」「映画館」「漫才」「カシパンの早口言葉」「鍋奉行」「先輩」「研究室」「あたりまえ体操」「漫才2」

・特典映像(74分)
「ブリッジ映像」「前回大好評だった「ネタ宅配」の2011年版を収録!」
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

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