スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

今年聴いた落語十選2012

ようこそのお運びで、厚く御礼を申し上げます。

本日は大晦日ということで御座いまして、昨日まで大掃除をしていたという方も多いのではないでしょうか。中には、まだ大掃除の途中だという方もいらっしゃることと存じます。私はと申しますと、最初っから諦めているというような状況で御座いまして……とにかく部屋に物が溢れておりますので、ちょっとやそっとの片付けでは、とてもじゃないが新年に追いつかないという。おかげで家族からは白い目で見られている次第ですが、私の信念はそうは揺るぎません。断固として、大掃除をしてなるものか、大掃除をしたら負けだと思っていると、その態度を変えないようにしようと……まあ、そもそも変えようがないんですが。もし、私が部屋を片付けるとしたら、それは引越しをする時でしょうね。どうにもこうにも、情けない次第ですが……。

そんなこんなで年末ですが、実は落語には年末を描いたネタが数多く存在しております。例えば、昨年お亡くなりになられました、立川流家元の立川談志師匠が得意としていた『芝浜』は、終盤に魚屋の夫婦による年越し風景が描かれています。それから、富くじを当てた幇間(たいこもち)の悲喜こもごもを描いた『富久』には、富くじの当選会場の模様が描かれていますね。『宿屋の富』『御慶』もそうですか。個人的には『掛取万歳』が好きで好きで……。

さて、この年末を迎えるに当たりまして、今年の出来事を振り返ったりなどもしましたが、まあ……一言では語り尽くせないような、色んなことが御座いました。でも、そういった色々な出来事も、全て2012年という年に集約されてしまう。良いことも悪いことも、一年の出来事の一つとしてまとめられてしまう。そして、新しい年に対して、真っ直ぐに向かうことが出来る。新しい一年に向けて、今年の総決算を皆さんもお忘れなきよう……。というわけで、今年も「今年聴いた落語十選」をやりますので、最後までお付き合いください。

……何が「というわけで」なのかな?(マイセルフツッコミ)

続きを読む

スポンサーサイト

バイきんぐ『King』

バイきんぐ「King」 [DVD]バイきんぐ「King」 [DVD]
(2012/12/26)
バイきんぐ

商品詳細を見る

『キングオブコント2012』覇者、バイきんぐのベストネタを収録したライブDVD。60分という決して長くはない収録時間に、バイきんぐのベストネタ、芸人仲間たち(ハリウッドザコシショウ・錦鯉)による彼らのエピソードトーク、キングたる二人へのインタビューが凝縮されている。とはいえ、その内容に対して、物足りなさを感じることはない。むしろ。60分ですら長く感じられる。

収録されているネタは、『キングオブコント2012』決勝戦の舞台でも披露された『卒業生』『帰省』を含んだ全10本のコント。しかし、この2本が突出しているわけではなく、どのネタも非常に完成度が高い。どこを切っても濃厚で、後には強烈な印象を残る。若手芸人の登竜門番組『オンバト+』で披露されたネタが多く、個人的には見覚えのあるコントも幾つか。それでも、決して既視感を覚えないのは、特殊な状況を堅実に活かした西村のボケ、そのボケを時に超越するほどの天才的切り返しを見せる小峠のツッコミ、両者の地力の強さが故のことだろう。

ウェイターのメニューに関する質問が無間地獄の如く終わりを見せない『ファミレス』、強盗の襲来にまったく驚こうとしないコンビニ店員に隠された驚愕の真実とは?『コンビニ』、自室でギターをかき鳴らして自作の歌を熱唱するミュージシャン風の男の元に現れた隣人が思わぬ言葉を口にする『隣人』など、どのコントもパワフルかつエネルギッシュ。だが、中でも印象に残るのは『面接』というコント。西村扮するコンビニバイト志望者のナチュラルな破天荒ぶりに、少しずつ魅力を感じ始めていく店長の小峠、そして二人は……両者の関係が驚くべき形で引っ繰り返ってしまう展開は、まるでサスペンスドラマの様にスリリングだ。また、普段はツッコミ側に立っている小峠がボケ側に転ずるコント『ふんわり名人』も、見逃してはならない一本だろう。チンピラ風のキャラクターが被さっているとはいえ、小峠が普段のトーンでボケを演じている様はなかなか稀少である。

特典映像には、本作のテレビCMとその撮影風景を収録。オチの台詞を任されたことによるプレッシャーに潰されそうな小峠の姿は、これまた稀少だ。また、この特典映像では、実際のCMでは使われなかったオチを観ることも出来る。小峠が必死に悩んだ挙句に繰り出したにも関わらずボツとなったオチが、どのようなものだったのか。ニヤニヤしながら、確認していただきたい。


■本編(60分)
「本番前の楽屋」「卒業生」「バイきんぐの昔って?」「ファミレス」「面接」「コンビニ」「小峠ってこんな人」「隣人」「交通量調査」「セールスマン」「西村ってこんな人」「ふんわり名人」「処方せん」「バイきんぐのお2人が暇そうなので「King」として色々聞いてみた」「帰省」

■特典映像(4分)
「「King」テレビCM」「「King」テレビCMの裏側」

『立川談志 最後の大独演会』

最後の大独演会最後の大独演会
(2012/11/22)
立川 談志、太田 光 他

商品詳細を見る

2011年11月21日に亡くなった立川流家元・立川談志が、2010年6月15日に以前から交誼のあったビートたけし(と、たけしに誘われた太田光)を迎えて開催した座談会の模様を収録した一冊。100ページにも満たない薄さに対して1,200円(税別)という価格設定が些か高いように感じなくもないが、三人によるトークの模様を収めたCDが付録についてくることを思うと、むしろ妥当といったところか。

内容は主に、これまで談志が高座や著書で語り続けてきた藝に対する理念と昭和の芸人たちに関する芸談の焼き直し。正直、過去の家元の著作を追っているならば、そこまで読む必要は無いように思う。ただ、逆に言えば、家元がこれまでに語ってきたおおよそのことが分かる、初心者向けに最適の一冊になっているともいえる。また、センスという点で通じ合っているビートたけしが相手をしているだけあって、話が滑らかに繰り広げられているのも良い。……いや、むしろ家元が、たけし(with太田)に芸人の生き様を改めて教えておこうという意識があったからこその、この滑らかさなのかもしれない。個人的には、初代林家三平の話にちょっと驚いた。

たけし「おいらは志ん生さんも聞いてきたし、円生も金馬も柳橋も聞いてきたんだけど、中でも師匠はやっぱり一番先鋭の感覚を持ってるよね。そして今や何だか妙な生き物になっちゃった」
太田「妙な生き物(笑)」
たけし「人間国宝というと「ふざけんな!」って怒るから、天然記念物だよね。いや、絶滅危惧種の方がいいか。「絶滅危惧種 立川談志」って感じだなあ」


絶滅から一年五ヶ月前のハナシ。

「U-1グランプリ CASE04 『宇宙船(スペースシップ)』」

U-1グランプリ CASE 04 『宇宙船』 [DVD]U-1グランプリ CASE 04 『宇宙船』 [DVD]
(2012/12/19)
マギー、池谷のぶえ 他

商品詳細を見る

菅家です。元ジョビジョバリーダーのマギーと、『33分探偵』『コドモ警察』『勇者ヨシヒコシリーズ』などの傑作ドラマを世に送り出し続けている福田雄一の両名によるワンシチュエーションコントユニット“U-1グランプリ”の最新作が、先日リリースされました。これまで【取調室】【厨房】【職員室】などのシチュエーションで数々のバカコントを繰り広げてきた彼らですが、今回の舞台は【宇宙船(スペースシップ)】。初めての非現実的なシチュエーションを舞台に、彼らがどういうナンセンスコントを繰り広げてくれるのか、非常に楽しみにしながら鑑賞したのですが……正直なところ、本作はこれまでの作品と比べるとちょっとパンチが弱いように感じました。

その原因は、宇宙船を舞台にしているにも関わらず、ド直球のSF的シチュエーションを取り入れたコントがほぼ皆無に等しかったからだと思われます。例えば、宇宙船の乗組員の大半がおばさんという安直なギャップを笑いにしていたり(『OBASUNの宇宙』)、ムチャブリの趣が強かったり(『無重力中継』)、典型的な自主規制コントでしかなかったり(『敏腕プロデューサー』)、単なる昼ドラのパロディだったり(『LOST IN SPACE』)……全体を通して、どこか宇宙船というシチュエーションに手を焼いている印象を受けました。結果、どれもこれもとにかく薄味で、過去の公演では箸休めとしての意味合いが強かったマギーと福田雄一による超絶バカコント(『アトム』)が、今回に関しては最も面白いという異例の事態に。はっきり言って、不甲斐無いクオリティだったと言わざるを得ません。

……とはいえ、私が本作に対して非常に辛辣な印象を受けたのは、同様に宇宙船を舞台とした海外のコメディドラマ『宇宙船レッドドワーフ号』に並々ならぬ思い入れがあるからなのかもしれません。限られた出演者が宇宙船という閉鎖された空間の中で繰り広げるSF的にバカバカしいやりとりを描いた『宇宙船レッドドワーフ号』は大変にクオリティの高いドラマで、それと同様の面白さを本作に対して無意識のうちに期待していた感は否定できないでしょう。しかし、それだけの期待を寄せるのも、近年における福田雄一の活躍ぶりを思えば、仕方がないことではないかという気もします。だから、ひょっとしたら、何の前知識も持たずに本作を鑑賞される方であれば、まったく不満を覚えることはないかもしれません。

ちなみに、シチュエーションと同様に出演者も毎回変わっているU-1グランプリですが、今回は、レギュラーであるマギーと福田雄一に加え、池谷のぶえ、高橋真唯、坂田聡、ジューシーズが参加しています。それぞれがそれぞれの持ち味を存分に発揮していますが、中でも、池谷のぶえの圧倒的な存在感と高橋真唯の圧倒的な可愛さは必見です。


■本編(106分)
「OBASUNの宇宙」「opening」「来襲!博多めんたい星人」「無重力中継」「敏腕プロデューサー」「『マッコリー大佐の大宇宙演説』」「宇宙体操第一」「ヒストリー」「アトム」「CA・八田メグ」「『LOST IN SPACE』」「宇宙体操第二」「ending」

■副音声
福田雄一とマギーによるコメンタリーを収録

『世界は言葉でできている Book Edition』

世界は言葉でできている Book Edition世界は言葉でできている Book Edition
(2012/10/24)
「世界は言葉でできている Book Edition」制作委員会

商品詳細を見る

先日、『世界は言葉でできている』の放送が終了した。深夜枠での半年の放送期間を経て、満を持してゴールデンタイムに進出するも、放送回数わずか五回での終了だった。それは放送側にとっても突然の出来事だったようで、新聞のラテ欄には番組の最終回を意味する【終】の文字も掲載されていなかった。ゴールデンへの進出が決定された時点で、深夜時代からの視聴者たちの間では「あの雰囲気は深夜だからこそ成立する、きっと長続きはしないだろう」と囁かれてはいたが、まさかたったの五回で終了してしまうなんて、誰が予想できただろう。その唐突な終了宣言に、多くの視聴者は苛立ち、呆れたという。私も、そんな視聴者の一人だった。

『世界は言葉でできている』は、虫食い状態の偉人たちの名言に、芸人・俳優・予備校教師など、言葉を扱う職業に就いている人たち(番組では“コトバスター”と呼ばれていた)が新しい言葉を加えることで、従来の名言よりも人の心を打つ言葉を作ろうとする、そういう番組だ。既存の名言に挑もうという前提が実に下世話ではあったが、コトバスターたちの人生経験や築いてきた技術力を反映した新しい名言の数々は、時にこちらに強い衝撃を与えてくれた。本書は、そんな『世界は言葉でできている』で誕生した、数々の名言を収めた一冊である。

先にも書いたように、私は突然の番組終了に憤りを覚える程度には番組のファンだったのだが、はっきり言って、この番組本にはがっかりした。これには、偉人たちの名言が掲載されている。それを元にした、コトバスターたちの名言も掲載されている。それらを楽しみたいだけならば、この本だけでも満足することが出来るだろう。ただ、それだけでは、『世界は言葉でできている』の面白さは表現しきれない。『世界は言葉でできている』が番組として成立している要因の一つに、コトバスターたちの名言を一般の男女100人が審査するというルールがある。しかし、本書にはその審査結果は一切掲載されておらず、ただ名言を並べ立てているだけ。これではどうも、味気ない。無論、番組の本質は、偉人とコトバスターの名言にある。しかし、それだけではなんだか……単なるキレイゴトに見えるのである。

『世界は言葉でできている』という番組がどれほど洗練されていようとも、それはあくまでもテレビ番組である。視聴者を相手にしている以上は、そこに一般大衆から注目されるための猥雑さが必要になってくる。その猥雑さを排除して、コトバスターたちの名言を支持・不支持関係なく平等に並列して掲載することは、どうも番組の本質に反しているように思えるのだ。数ある言葉の中から“名言”という大衆に支持された言葉をクローズアップしているくせに、そこは濁すのかい、と。……単に私が濁った眼をしているだけなのかもしれないが。うーん。

『オンバト+』十二月二十二日放送感想文(神奈川)

■ニッチェ521kb/1,943票】※会場審査1位・視聴者投票2位
七戦五勝、今期四勝目。コント『アンパンマンショー』。江上演じる子どものキャラクターが、とにかく強烈なインパクトを与える。アンパンマンのことを心の底から愛している純粋無垢な子どもとしての側面を見せる一方、アンパンマンの世界に対して独自の考えを持っている大人じみた感覚も兼ね備えている、そのギャップがたまらなく面白かった。また、終盤に「アンパンマンは実在しない」という子どもに食ってかかる展開をもってくる構成力の高さにも注目したい。こちらを上手く裏切るなあ。既に別の幾つかの番組でも観たネタだったが、大いに笑わせてもらった。「戸田恵子って誰だよーっ!」は、何度でも聞きたいボケ。

■アームストロング【513kb/2,206票】※視聴者投票1位
七戦全勝、今期三勝目。コント『ヤンキーと母親』。栗山演じるバリバリリーゼントなヤンキーが、なにをするにも安村演じる母親の手を借りなくてはならないというギャップを描いたコント。先のニッチェと同様、印象的なキャラクターのギャップを中心に描いているが、こちらはより大喜利色が強い内容になっている。一つ一つの独立したボケのクオリティがコントの進行状況に比例して少しずつ上がっていく様は、まさしく職人芸。ヤンキーのタイマン相手に母親が啖呵を切るくだりで山場を迎えるも、また最後は冒頭と同じ流れに戻る構成も好み。決して新しくはなかったが、なんともいえない味のしみた一本だった。

■ヒカリゴケ【445kb/1,088票】※視聴者投票3位
十一戦九勝、今期四勝目。漫才『十回クイズ』。実家では十回クイズで盛り上がっているという国沢が、片山に正しい十回クイズを教わる。誰でも出来るゲームをやろうとするも全く実行できない……というシチュエーションに、なんとなく“最後の漫才師”中田ダイマル・ラケットの『じゃんけん』を彷彿とする。狙い目は良い。が、笑いの取り方がちょっと真面目過ぎる。テーマがシンプルだということもあってか、その真面目さが悪い意味で目立っていた。「意識と生地が薄くなってる」に至っては、真面目を通り越して姑息さすら。「なんじゃお前!」というなげやりなツッコミで終わらせるのであれば、いっそ最後まで国沢の十回クイズが出来ない様子だけで駆け抜けてしまった方が良かったのでは。……飽きるかな。

■わらふぢなるお【505kb/993票】
三戦一勝、今期初オンエア。サンミュージック所属の“わらふぢ”とグレープカンパニー所属の“口笛なるお”の二人によるコンビ。なんだかややこしい。コント『ドーピング』。これから競技に参加しようとしている陸上選手の腕に、明らかにドーピングを仕込まれていて……。わらふぢ演じるバカな陸上選手に、口笛なるお演じるスターターがしっかりとツッコミを入れるオーソドックスなスタイルのコント。そのオーソドックスさが故に骨太ではあったが、先のニッチェ・アームストロングの様な独自性は感じられなかった。とはいえ、真っ向からオーソドックスなコントを演じられる手腕はあるともいえるわけで。2010年結成、まだまだこれからだ。

■新宿カウボーイ【425kb/952票】
初挑戦初オンエア。太田プロ所属のお笑いコンビ。他番組で目にしたこともあった気がするが、がっつりとネタを見たことが無いためか、ボケ担当のかねきよがはしゃいでいたこと以外はまったく思い出せない。当時はコントだった気がするが、今回は漫才『自転車』。自転車についての話をしようとする石沢の隣で、ギャグやダジャレを連発して妙な空気にしてしまうかねきよ、という組み合わせがなんだかたまらない。ネタの内容というより、ギャグやダジャレを連発するかねきよに対する好意が、そのままネタの評価に繋がっている様な印象を受けた。面白いというより楽しいという感じかな。往年のダンディ坂野を思い出す。あと、ウド鈴木も。ただ、この二人に比べると、かねきよはちょっと人柄に頼り過ぎ。それも藝、味といわれればそれまでだが……なんか惜しいんだよなあ。

■今回のオフエア
413kb:ツインクル
341kb:ひよしなかよし
325kb:ケチン・ダ・コチン
289kb:ななまがり
221kb:巨匠

無傷の連勝を重ねていたケチン・ダ・コチンが遂に初黒星。ギター演奏を重視したコントに観客がいよいよ飽き始めてきたのか……? とはいえ、まだまだチャンピオン大会を狙える位置にいるので、今期のうちにリベンジを……。彼らと同様、順調に勝ち上がっていたツインクルも、初めてのオフエア。キロバトルは安定しているので、またすぐさま復活することになろうとは思うが。

■次回
ウエストランド
クレオパトラ
THE GEESE
じゅんいちダビッドソン
【初】助走
トップリード
【初】はまこ・テラこ
吉田たち
ラバーガール
リンシャンカイホウ

次回は2013年最初の本放送。チャンピオン大会への出場を目指して、豪華なメンバーが集結している。クレオパトラ、ラバーガール、リンシャンカイホウは今期四勝目狙い。吉田たちは今期三勝目狙い。ウエストランド、THE GEESE、トップリードは今期二勝目狙い。ちなみに、助走は“マイるどミルド”と“ブーブートレイン”のユニットで、はまこ・テラこはWAHAHA本舗所属の夫婦漫才師。夫の浜田もり平は元“楽珍トリオ”で嫁は“セクシー寄席”メンバー……って、なんなんだ年初めからこのこってりとしたメンツは。

「THE MANZAI 2012」感想文

■概要
“1980年代に漫才ブームを巻き起こしたバラエティ番組「THE MANZAI」を復活する”というテーマの元に開催された「THE MANZAI 2011」に続く、第二回大会。なお、決勝戦の模様が放送される日が総選挙とぶつかり合ったため、それに伴う特番によって放送日の延期・中止なども憂慮されたが、総選挙特番前に放送することで回避、予定通りに決勝戦が開催された。

■予選内容
2012年6月13日~7月19日まで、全国五地区(東京・札幌・大阪・名古屋・福岡)にて一回戦を行い、8月7日~24日まで大阪・東京にて二回戦を行う。二回戦の予選参加者から、10月6日~11月25日までに大阪・東京・京都にて行われる本戦サーキット(全5回)に出場できる50組の“認定漫才師”を選抜する。本戦サーキットは五人の審査員による100点満点方式で審査、その順位がポイントに反映される。認定漫才師はこの本戦サーキットに二度出場し、審査を受けなくてはならない。その結果、選ばれた上位11組が決勝戦に進出、12位以下の10組によるワイルドカード決定戦で、残る12番目の決勝進出者を決定する。

■開催期間
2012年6月13日(予選一回戦)~12月16日(決勝戦)

■司会
ナインティナイン
高島彩(フリーアナウンサー)
佐野瑞樹(フジテレビアナウンサー)

■審査員
西川きよし
秋元康
テリー伊藤
オール巨人(オール阪神・巨人)
ラサール石井(コント赤信号)
大竹まこと(シティボーイズ)
木村祐一
天野ひろゆき(キャイ~ン)
鈴木おさむ
+国民ワラテン【視聴者投票】

■歴代大会
「THE MANZAI 2011」批評

続きを読む

井上涼の大胆かつ慎ましい世界


YouTubeで見つけた『YADOKARI』という動画が、頭から離れない。厳密に言うと、動画の中で流れている楽曲と歌詞が頭から離れない。どうしたもんか。明るくてポップなメロディラインに対し、ところどころひねりを加えた言葉選びで構築された歌詞のギャップがとにかくたまらない。それなのに、そこで主張していることは非常に共感できるから、また不思議な印象を与える。これはどうも、童話の異質さに近いように思う。桃太郎って、桃から誕生したり、持参するものがきびだんごだったり、仲間が動物だったり、なんかヘンテコなんだけれども、それらは全て勧善懲悪というベーシックな物語性に包括されているという……。

続きを読む

『20112012』(ヒャダイン)

20112012(初回限定盤)(DVD付)20112012(初回限定盤)(DVD付)
(2012/11/28)
ヒャダイン、ももいろクローバーZ 他

商品詳細を見る

前山田健一ことヒャダインのアルバムを買ったので、ちょこちょこ聴いている。アニメ『日常』のテーマソング『ヒャダインのカカカタ☆カタオモイ-C』(どうでもいいけど、このタイトルも地味に好き。『○○の△△』みたいなタイトルって、絶妙にダサいところが味だよなあ)に惹かれて、思い切って購入したのだが、なかなか良い買い物をしたと思う。少なくとも、現時点では後悔していない。

なんとなく専門家っぽい言い方をすると、90年代以降の小室っぽいサウンドで綴られているアニメソングの延長上にあるような、なんともいえない軽さの中に詰め込まれた言葉の凝縮っぷりがたまらない。バリエーションも豊富。ただただ急転直下にハイテンションで突っ走っている曲もあれば、青春ド真ん中の直球メッセージソングもあるし、もう「バカ」としか言いようがない曲もある。おかげで、まるで飽きる気配がない。……って、流石に褒めすぎか。正直、アニメ関係の楽曲が多いので、かつてアニメ大好き少年だった人間としては(まさしく90年代角川アニメ全盛期の世代なのであります)、かなり贔屓目に見ているところはある。でも、乱雑さの中に繊細さが見えるヒャダインの楽曲は、今よりもずっと評価されてもいいんじゃないかしらん、とも思う。

それにしても意外なのは、アーティストとしての側面を反映したであろうDISC-1と同じくらい、コミカルな楽曲で構成されたDISC-2も気に入っている現在の自分である。まさか『でんぢゃらすじーさん愛の歌』『にゃんぱいあ体操』を気に入るとは思わなかった。確かに、どちらかというと子ども向けアニメが好きな人間ではあるのだが……中高生時代には、日曜朝のアニメを観まくっていた甘い思い出……『夢のクレヨン王国』は名作だったなあ……って、だんだんアニメ好きだった過去をカミングアウトしているみたいになってきた。勿論、『ヒャダインとももクロのじょーじょーゆーじょー』『ヒャダインと野宮真貴のカカカタ☆カタオモイ-F』が至高だぞ……って、これもアニソンだ! うーん、逃げ場無し!

あ、年末も近いので、こちらもどうぞ。

「オンバト+」十二月十五日放送感想文

■流れ星【437kb/1,781票】※視聴者投票2位
三戦全勝、今期三勝目。漫才『昔話の格闘ゲーム』。昔話に登場するキャラクターで格闘ゲームを作ってみたら面白いのではないか、というテーマは面白い。使用キャラも流れ星ならではの独特の味付けがされていて、面白い。ただ、ストーリーやシチュエーションではなく、あくまでもキャラクターを中心に展開するため、やや漫才としては散漫な印象を受ける。軸となる展開があれば、もうちょっと締まったのではないかと。……流れ星が素晴らしいグルーヴ感のコンビだってことをこっちは分かっているんだから、もうちょっと出来る……筈だよねえ……?

■アイデンティティ501kb/1,170票】※会場審査1位
十戦六勝、今期三勝目。漫才『オンバト+の司会者・審査員になりたい』。ビミョーに分かりにくいボケがある一方、観客が大笑いしてしまう爆発力を含んだボケもある、かなりムラの強さが目立った漫才。ただ、ネタのテーマを「オンバト+」に限定したことで、なんとなく優しい目で見てもらえたのではないかと推測する。……地方収録だしね。ちなみに、アイデンティティは今回で五回目のトップ通過、三度目のオーバー500を記録している。当たるとデカいコンビ。

■だいなお【465kb/2,250票】※視聴者投票1位
初挑戦初オンエア。コント『演技指導』。息子を演技指導している父親が、演技にリアリティを持たせるために、実際に経験した出来事を思い浮かべながら演技をしてみるように言うと……。演技を通じて、息子が父親をどういう風に見ているのかが分かる構図がたまらなく面白い。父親を演じる野村の表情も最高だ。些か救いようのないオチも、それまでのナンセンスな展開が悲哀を感じさせる余裕を与えない。「爆笑オンエアバトル」時代には漫才で挑戦し続け、まったく結果が残せなかった彼ら。ここにきて、コントに活路を見出したか。面白かった。

■エレファントジョン【461kb/1,521票】※視聴者投票3位
十二戦十勝、今期三勝目。漫才『運動神経が鈍い』。お馴染みのジャマ漫才。ちょっとトーンが落ち着いているのは、地方収録だからなんだろうか。最近、「またこのパターンか……」と、彼らの漫才は半ば流し見することが多かったのだが、ちゃんと観ると、以前に比べて上手くなったような気がする。芸風は変わらないんだけど、見せるための工夫が緻密になってきたというか。彼らが『THE MANZAI 2012』ワイルドカードに残れた理由が、なんとなく分かった気がする。ただ、それでもやっぱり、もう一押しほしい。森枝のキャラは完成されているので、加藤に何か要素が欲しい。なんとかならんか……って、なんだこの放送作家気取りは。

■オテンキ【429kb/1,432票】
七戦五勝、今期三勝目。コント『仮病』。仮病で学校を休んでいる息子の部屋に、小ボケな父親が話にやってくる。エレファントジョンとは違い、こちらは本当にいつもと同じ。シチュエーションは変えているのに、与える印象が常に同じ。それだけ、ノリの“小ボケ”キャラの存在感が強いということだろうか。ただ、キロバトルは静かに降下しているので、やはりなにかしらかの打開策は必要なんじゃないかとは思う。ただ、オチはえぐすぎて、思わず笑ってしまった。小ボケ父さん、意外とダークだよ!

■今回のオフエア
345kb:マザー
281kb:真夜中クラシック
281kb:ラジークイーン
269kb:ビーフケーキ
233kb:スパイク

全戦全勝を重ねてきた女性漫才師、スパイクが初のオフエア。既に今期三勝を記録していただけに、このオフエアは手痛い一敗といえるだろう。チャンピオン大会、まだまだ目指すのか? 新人演芸大賞で話題となったコンビ、ビーフケーキは全戦全敗の記録を伸ばした。そろそろオンバトでハネている彼らが見たい。あと、ラジークイーンの存在感よ……。

■次回
アームストロング
巨匠
ケチン・ダ・コチン
【初】新宿カウボーイ
ツインクル
【初】ななまがり
ニッチェ
ヒカリゴケ
【初】ひよしなかよし
わらふぢなるお

2012年最後の放送。ニッチェとヒカリゴケが今期四勝、アームストロングとケチン・ダ・コチンとツインクルが今期三勝を狙う。前回のオンエアではあまり結果が振るわなかったヒカリゴケは、ここで高得点を叩き出したいところ。注目は太田プロの新たなる刺客、新宿カウボーイ。果たして、かねきよはオンバト+の観客にハマるのか。

「THE MANZAI 2012」総評

どうした!? 『THE MANZAI 2012』!?

……って、別に何がどうしたってわけじゃないけれども、いやー驚いた。もうネタバレかましても大丈夫だと思うけど、まさかハマカーンが優勝するとは。失礼ながら、去年と大して変わらないんだろーなーって思ってたよ。それがまた、あんなにスタイルを変えて、まったく違うしゃべくり漫才を生み出しちゃった。「爆笑オンエアバトル」ではオーソドックスな漫才コントをしていた二人が、まさかこんな結果を残すコンビになるなんてねえ……2ちゃんねるで「つまんない」とか叩かれてた時代が懐かしいよ。

でも、今回嬉しかったのは、優勝したハマカーン以外のコンビも面白かったこと。千鳥も面白かったなあ。どれも似たようなフォーマットなのに、まったく違った印象を与えてくれる。また、それぞれの漫才の世界観が凄いんだよな。アルコ&ピースも奮闘した。そもそも決勝に上がってきたって聞いただけでも驚いたのに、まさかの最終決戦進出だぜ? しかも、反則スレスレのとんでもない漫才! その熱量の高さに、優勝候補の笑い飯が完全に食われてたもんな。まあ、笑い飯は、そもそも優勝する気がそんなに無かったのかもしれないけど。ただ、今回の結果を受けて、来年は本気出してきそうだなあ、とかも思ったり。楽しみだねえ。

笑い飯以外で予選落ちした面々では、磁石NON STYLEが印象に残っている。磁石はこれまでやってきたこととさほど変わらないスタイルの漫才だったのに、熱量が半端じゃなかったな。完全に火が点いていた。真っ赤な炎と真っ青な炎の化学反応コンビになっていた。去年と同じ結果ではあるけれども、来年はちょっと仕事が増えるんじゃないかな。一方のNON STYLEも凄かった。これまでのスタイルを引き継ぎつつ、まったく漫才コントを進行させないという漫才のセオリーを逆手に取った漫才は、逆に新しかった! あれはボケもツッコミもポテンシャルが高くないと出来ない漫才。どうせNON STYLEはいつものあの感じだろう……と、ナメていたことを反省せざるを得ない。ていうかナメ過ぎだ。

個人的には、前評判がやたら高かったオジンオズボーンが、そんなにハマらなかったのがちょっと残念だったかな。ただ、確実に彼らは掴んでいるから、次は更に凄いものを見せてくれるんじゃないかと思う。そもそも、オジンオズボーンは実力派だからね。実力派といえば、前座扱いで終わっちゃったテンダラーは残念だったなあ。ただ、こういう言い方はアレかもしれないけど、最高の前座だったよ。会場の空気は温まったし、なにより漫才の楽しさが伝わって来る漫才だった。楽しさでいえば、トレンディエンジェルも良かったなあ。直後のNON STYLEに食われちゃったけど、正直、最終決戦に行けるんじゃないかって、ちょっと期待しちゃった。徹底的に明るくって、徹底的に楽しい漫才。50代になった彼らがどういう漫才をやるのか、今から楽しみだ。

ウーマンラッシュアワースーパーマラドーナは、面白かったんだけれどあんまり印象に残っていない。なにせ、片やハマカーンの前、片やアルコ&ピースの前だったんだから、しょうがないといえばしょうがない。ただ、ウーマンラッシュアワーは漫才コントから一歩先のスタイルを見つけた感はあったし、スーパーマラドーナもこれまでの芸人人生を全てぶつけてきた感じがして、たまらなかった。まだまだこれからだ。あと、エルシャラカーニがワイルドカードを勝ち上がってきたのもビックリしたな。ここも正直、ちょっとナメてたコンビ。でも、昨年の漫才を更に面白く広げていった、進化した漫才を披露していたと思う。

ってなわけで、全員が全員きちんと面白かった『THE MANZAI 2012』。ただ、唯一残念だったのは、決勝戦の規模が縮小しちゃったこと。2011年は決勝戦に16組(最終決戦4組)だったのに、2012年の今年は決勝戦に12組(最終決戦3組)へ。年末のお笑いバカ騒ぎが、こんなにちっちゃくなっちゃうのは勿体無い。来年、初詣の際には、皆で「2013年は、どうか16組で決勝戦に戻ってますように!」とお願いしようじゃないの。

最後に。芸人と観客は二人三脚。なんでもかんでも「つまんない!」と言ってるような客の前では、芸人はちゃんと育たない。見て、笑って、ちゃんと評価してあげてくれ。NHKの某番組でも言っているように、「新しい笑いを作るのは、挑戦者の皆さんと客席の皆さん。そして、テレビの前のあなたたちです!」なのだから。……最後に他局のネタ持って来ちゃったよ!

三遊亭圓歌『中沢家の人々』は落語版『オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ』だ!

最近、ビートルズの楽曲を積極的に聴いている。

若い頃なんかは「大して面白くないだろう」と、まるで真心ブラザーズの歌詞にあるように“ビートルズを聴かないことで何か新しいことを探そうとした”ものだけれど、やっぱり良いモノは良いワケで、ふとした拍子に聴いてみたところ、これがあまりに良い。気が付けば、レンタルショップでオリジナルアルバムを二、三枚ばかり借りて……一度に全部聴いてしまうのは勿体無いから、ちょっとずつ、ちょっとずつ……なんとなしに聴いている。でも、それだけじゃ足りないからか、気付けばネット上でプロモーションビデオを探してみたり。まあ、にわか中毒を起こしている次第だ。

しかし、初めてビートルズのことを知った当時は、『Yestuerday』『Let it Be』、はたまた、これはジョン・レノンの曲だけれど『Imagine』くらいしか知らなかったから、あまり良い言い方ではないけれど、彼らはなんだかキレイゴトばかりを歌っているイメージがあった。だが、いざちゃんと腰を据えて取り掛かってみると、思ったよりも激しい楽曲が多くてなかなか驚かされた。例えば、当時のビートルズの状況を書いたという『Come Together』なんか、その歌詞のハードさに感心せざるを得ない。ビートルズにはこれほどの攻撃性も含まれていたのか、と本当に驚いた。考えてもみれば、そもそもがロックバンドなんだから当然これくらいの攻撃性は持っているべきなんだろうが、なにせ国民的バンドとしてのイメージが自分の中で強かった。ビートルズは聴けるロックバンドとしてまだまだ現役なんだなあ、などとにわかが偉そうに思ったのであった。

そんなビートルズの名曲に、『オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ』というのがある。



CMなどで使われることも多いこの曲。そういえば歌詞の意味をまったく知らないなあと気がついたので、そそくさと日本語訳詞を掲載している有難いサイトを拝見すると、どうやらこれはある夫婦のことを歌っているらしい。デズモンドという商売人がモリーという歌手に惚れて告白、二人が夫婦になって家庭を築いていく。そんな二人の口癖が、「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ。先は長い。何があろうと人生は続いていく」。作詞・作曲はレノン・マッカートニー。実質、ポール・マッカートニーが作った曲ということでいいらしい。なんと明るく、ほのぼのとした曲だろう。

この歌詞を読んでいて、ふと三遊亭圓歌師匠の『中沢家の人々』を思い出した。

続きを読む

「オンバト+」十二月八日放送感想文

■トップリード【497kb/1,966票】※視聴者投票3位
七戦五勝、今期初オンエア。コント『就寝前確認作業』。番組のエンディングで加藤茶が言っていることをモチーフとしたようなコント。ところどころに笑いのロジックを盛り込んではいるものの、基本的には新妻が全力で行う確認作業行程の様子が笑いを生み出している。要は演技で見せるタイプのコントなのだが、その意味では、新妻の演技は些かコント色が強すぎる印象を与える。過剰なテンションを演じるスキルを上げれば、もっと面白くなりそう。ガス→水道のくだりが、シンプルながら下らなくって笑えた。

■響513kb/2,078票】※会場審査1位・視聴者投票2位
八戦七勝、今期三勝目。漫才『サンタクロース』。サンタクロースの存在を今でも信じている長友が、現代のサンタクロースを演じる漫才コント。サンタクロースというファンタジーな存在が、iPad・Twitterを駆使しているというツカミが絶妙。しかも、その後は普通にサンタクロースコントをやるという潔さ。現代の要素は何処に行ったよ、おい。しかし、そんなことはどうでもいい。ふくよかな体型の長友が演じるサンタクロースには妙なリアリティがあって、その上でムチャクチャな言動を繰り返すので、ひたすら面白い。急な「今だよっ!」に腹を抱えて笑った。だるまさんのくだりは、漫才コントじゃなくてコントとして見たかった気がする。オチの投げっぱなし感はちょっと残念。

■うしろシティ【481kb/2,203票】※視聴者投票1位
八戦七勝、今期二勝目。コント『パーティの計画』。クリスマスパーティの計画を立てている阿諏訪を手伝おうとする金子だったが、彼のイベントに対する概念はちょっとだけ常識を外れており……。かつて、彼らが披露していたコント『転校生』を彷彿とする。金子の中にある異文化的要素が少しずつ流出していく構成も類似。とどのつまりは焼き直しなんだろうが、『転校生』でいうところの“もぎぼっこり”に値する“耳の穴鎮魂祭”というワードが強烈過ぎて、まるで違うコントに観える。いや、もはや、まるで違うコントと言ってしまってもいいかもしれない。面白かった……だけに、オチの切れ味の甘さが惜しい。

■GAG少年楽団【381kb/916票】
十戦八勝、今期初オンエア。漫才『二つのシチュエーションを同時にツッコむ』。今までコントを演じ続けてきたGAG少年楽団が、今回はまさかの漫才でオンエア。しかし、キロバトルの低さが物語っているように、クオリティはイマイチ。坂本が「言わんよ」でツカミに大失敗した時点で、ちょっと嫌な予感はしていたが。二人のボケが一人のツッコミを全く違うシチュエーションコントを演じさせるように追い込むというフォーマットは悪くないが、それを演るメリットが見当たらなかった。しいていえば、ボケに説得されたツッコミの宮戸が口走る「俺は難波の狼や!」などのセリフが面白かったかな。最後のやりとりで、まったく違うシチュエーションが噛み合うくだりに光明が見えた気がしたが、果たして? 今後の進化に期待しよう。

■春夏笑冬【333kb/1,953票】
初出場初オンエア。ワタナベ所属のお笑いトリオで、2010年に結成されたとのこと。コント『女子サッカー』。加藤演じる、こってりとしたキャラクター“ずんぐりけいこ”を見ていると、どうもツインカムを思い出す。懐かしいなあ、ツインカム。こういうキャラクターを演じていたかどうかは覚えてないけど。コントとしての切れの甘さを、サッカープレイの凄さで補った印象。ケチン・ダ・コチンでいうところのギタープレイ、みたいな。ただ、ギャップの面白さも薄く、ただ凄いだけで終わってしまっているところが、なんとも残念。ただ、ずんぐりけいこの太股は凄かった……。

■今回のオフエア
329kb:横澤夏子
309kb:アボカドランドリー
293kb:すっぽん大学
281kb:オレンジサンセット
205kb:ツィンテル

前回、オーバー500を記録したツィンテルが、今度は十組中最下位という厳しい結果に。安定性に欠けるのか。初オンエアの時にはトリオ漫才を披露していたアボカドランドリーは、これで連敗。早々に立て直したいところ。「爆生レッドカーペット」でショートコントを披露していたすっぽん大学、衣装がオンエアされただけで勝利している気がしないでもない。

■次回
アイデンティティ
エレファントジョン
オテンキ
スパイク
【初】だいなお
流れ星
ビーフケーキ
【初】マザー
【初】真夜中クラシック
【初】ラジークイーン

オンエア経験組が五組・オンエア未経験組が五組と、きっちり半分に分かれている回。しかも、オンエア経験組のほぼ全員が、「オンバト+」の常連と言っても過言ではないメンバーとなっている。未勝利組に光は差すのか。個人的には、新人演芸大賞で面白いコントを披露していたコンビ、ビーフケーキに注目したい。

『柳亭市馬の懐メロ人生50年』

柳亭市馬の懐メロ人生50年 (落語ファン倶楽部新書)柳亭市馬の懐メロ人生50年 (落語ファン倶楽部新書)
(2011/12/20)
柳亭 市馬

商品詳細を見る

お笑いについてなにかしらか書くということを、もう何年も続けている。理由はない。ただ、なんとなく始めた戯言を止める機会に恵まれなかっただけである。とはいえ、もしも誰かに「やめなさいっ」と助言を受けたところで、もはや私は笑いについて書くということを止めはしないだろう。それは既に、私にとっての日常であるからだ。

しかし時に、芸人としての経験も無い私がお笑いについて書くという行為に、疑問を感じることもある。「笑い」を本気で創作している人間に、半可通の私が敵うわけがない。いや、比較するのも、おこがましい。だが、こうも思う。「笑い」を観る側としての姿勢を極められれば、演者に近い視点を獲得することが出来るのではないか、と。画して、私は芸人でもないくせに、面白くもないくせに、お笑いについてなにかしらか書き続けている。とどのつまり、ガタガタ文句を言いたいんなら手前も一緒に眼を極めてみやがれ馬鹿野郎、ということだ。偉そうだね、どうも。

『柳亭市馬の懐メロ人生50年』の著者、柳亭市馬は落語家である。落語家であるにも関わらず“懐メロ人生50年”とは、どういうことなのか。実は、市馬師匠は落語界きっての美声の持ち主として知られており、懐メロの造詣もとんでもなく深い。その実力は、生前の立川談志が「仲々いける」と褒めるほど。とはいえ、市馬師匠の本業は落語家だ。それなのに、落語家として落語について語るのではなく、まったくジャンル違いの懐メロについて書こうだなんて、なんとおこがましいことをするのだろうか……と、思う人もいるかもしれない。

でも、本書を読んでみれば、そんな邪念はブワーッと吹き飛んでしまうに違いない。とにかく文章から、懐メロに対する熱過ぎる感情がダダ漏れている。無論、その愛情の背景には、愛するが故に知り得ただろう圧倒的な情報が存在しているのだが、それも全て懐メロに対する愛を示すための材料に過ぎない。そこには愛、ただただ愛だけがあるのである。購読すれば、さほど懐メロに興味が無かろうとも、ちょっと聴いてみようかしらんという気持ちにさせられるに違いない。少なくとも、三波春夫を“「世界の国からこんにちは」「お客様は神様です」の人”として片付けることは、もう出来ない筈だ。

本書の存在は、門外漢にも熱い思いがあれば、これだけのモノが発表できるのだという好例……といって〆ようと思ったのだが、実は市馬師匠は社団法人日本歌手協会の会員、つまりプロの歌手としても活動していたりする。もはや門外漢を通し越して、自らが愛する世界そのものに入り込んでしまったのである。

この領域まで、行けるかな。

落語の視点で読む『ドラえもん』 ~二階ぞめき~

『ドラえもん』に【温泉旅行】というエピソードがある。

ドラえもん (6) (てんとう虫コミックス)ドラえもん (6) (てんとう虫コミックス)
(1974/12/25)
藤子・F・不二雄

商品詳細を見る

夕暮れの海岸でのんびりしているドラえもんとのび太。のび太は波の音を聴きながら体育座りをしてぼんやりとしている。一方のドラえもんは、砂浜で仰向けに寝転んでマンガを読んでいる。そこには、ゆったりと穏やかな時間が流れている。……が、考えてみると、どうもおかしい。どうして海岸でマンガを読んでいるのか?

のび太「海岸はもういいよ。場所をかえて」
ドラえもん「よしきた。どこがいい?」
のび太「どこでもいいけど、めずらしいとこ」


実は、この夕暮れの海岸は、ドラえもんのひみつ道具“室内旅行機”によって作り出された景色だったのである。この機械があれば、部屋の中にいながら、色々な風景を楽しむことが出来る。続けて、ドラえもんが部屋の中に映し出したのは、アフリカのジャングル。木の上でヒョウが吠えていて、なんとも雰囲気が出ている。

と、そこに、のび太のパパが飛び込んでくる。何も知らずに部屋に入ってきたパパ、そこにヒョウがいたものだから、もうビックリ。声にならない声を上げながら、慌てて部屋を飛び出す。と、そこでのび太のママと遭遇。冷や汗を流しながら、ママにのび太の部屋の異変を伝える。しかし、部屋に入っても、そこにはごく当たり前ののび太の部屋しかなかった(ママが入って来る前に機械を止めたのである)。

ママ「ごまかさないで!」
パパ「わかってますよ! お正月くらい家族そろって温泉旅行でもというんだろ。まあききなさい。お正月なんて乗り物もホテルも満員で、つかれにいくようなものだから…」
ママ「たまには、つかれてみたいわ」


実は、パパがのび太の部屋に飛び込んできたのは、ママの話から逃げ出すためだったのである。何処かに旅行に行きたいというママと、行きたいのはやまやまだけど……となだめようとするパパ。形勢は不利なご様子。困っているパパを見かねた二人は、室内旅行機を使って、自宅を旅館にしてしまうことを思いつく。早速、あっちこっちの部屋に室内旅行機を配置して、二人を呼び出す。すっかり様子が変わった我が家を見て、驚く二人。

パパ「へえ、これが映画! まるで本ものじゃないか」
ドラえもん「あぶないっ」
 (何かに衝突するパパ)
パパ「こんなとこに、みえないかべがある」
ドラえもん「広くみえるけど、ほんとはせまいもとの家だよ


そしてドラえもんとのび太は、客間から大浴場へとパパとママを案内し、家族仲良く温泉旅館の風景を堪能する。

続きを読む

プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

検索フォーム
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
月別アーカイブ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。