スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『R-1ぐらんぷり2013』に期待してもいいですか?

『R-1ぐらんぷり2013』決勝進出者が発表された。

アンドーひであき(プロスパー)
桂三度(東京よしもと)
雷ジャクソン高本(松竹芸能 大阪)
岸学(ケイダッシュステージ)
キンタロー。(松竹芸能 東京)
三遊亭こうもり(三遊亭こうもり事務局)
スギちゃん(サンミュージック)
田上よしえ(人力舎)
ヒューマン中村(大阪よしもと)
プラスマイナス岩橋(大阪よしもと)
三浦マイルド(大阪よしもと)
ヤナギブソン(大阪よしもと)


昨年大会では、結果に納得が出来ずに一方的な激怒をかまし、「俺の目が黒いうちは許しませんぞ!」とR-1ぐらんぷりとの離別宣言とも取れるような言葉を吐き捨てた私ではありましたが、それでもこのメンツにはちょっと興奮を抑えられなかった。なんという華の無いメンバーだろうか! 「友近」「野性爆弾 川島」「徳井義実」「千鳥 大悟」が残っていた昨年大会の決勝戦が、まるで嘘のようだ。同様に知名度の低い芸人ばかりが揃っていた『キングオブコント2012』から刺激を受けたのだろうか。だとすれば、良いことである。

過去、R-1ぐらんぷりの決勝戦に進出した経験があるのは、桂三度(「世界のナベアツ」名義)、岸学(どきどきキャンプ)、スギちゃん(2012年大会準優勝)、ヒューマン中村(三年連続決勝進出)、ヤナギブソンの五人。個人的には、ヒューマン中村の決勝進出が大変に喜ばしい。どうも、実力に反して会社での扱いがあまり良くないらしいので、ここでひとつ見せつけてもらいたい。スギちゃんは準々決勝で、往年のキャラクター“おっぱい先生”を演じたと聞いている。決勝でも登場するのか、なんとも気になる。桂三度、岸学の決勝進出には驚いた。特に桂三度は、落語家に転向した筈ではなかったのか。もとい、今の彼が演るピン芸とは、どのようなものなのか。決勝戦が楽しみだ。

この五人以外の七人は、決勝初進出。但し、そのうち三浦マイルドと田上よしえは、2009年・2010年にのみ適用された“サバイバルステージ(敗者復活戦)”に進出している。今回の決勝進出は、まさに念願成就といったところだろう。もとい、田上よしえに関しては、本当に評価されるのが遅過ぎた。お笑いブーム黎明期から、女性芸人として孤軍奮闘して来た田上。だいたひかるや青木さやか、友近などの後輩芸人に追い抜かれながらも、飄々と舞台で笑いを撮り続けてきた彼女は、もっと早期にその芸が認められるべきだった。『爆笑オンエアバトル』の女王は、果たしてR-1ぐらんぷりのステージでどのような評価を受けるのか。期待と不安が入り混じる。

ちなみに、アンドーひであきはモノマネ芸人、雷ジャクソン高本は無名枠、三遊亭こうもりは三遊亭好楽の弟子で元“末高斗夢”。

なんだかんだで、楽しみです。
スポンサーサイト

『モンスターエンジンDVD3』

モンスターエンジンDVD3  SOLO LIVE TOUR 2012モンスターエンジンDVD3 SOLO LIVE TOUR 2012
(2012/11/14)
モンスターエンジン

商品詳細を見る

『モンスターエンジンDVD3』を観た。

モンスターエンジンは、そもそも“にのうらご”というトリオとして2003年に結成された。トリオでありながら漫才を得意とし、関西系の賞レースでも少なからず評価されていたのだが、2007年にメンバーの一人が引退。以後、残された西森洋一と大林健二によるコンビ“モンスターエンジン”としての活動を開始する。

コンビになってからも漫才師として高く評価されていたが、二人が神に扮するショートコント『神々の遊び』で急速に注目を集める。その後も、奇妙な手を持つ運命を背負った少年の姿を描いた『ゴッドハンド洋一』、主人公がピンチになった時に現れる謎の怪人の登場シーンだけをセレクトしたコント『ミスターメタリックの登場シーン』など、個性豊かなキャラクターたちが活躍するネタが話題となった。本作には、2012年7月から8月にかけて開催された全国ツアーより、名古屋公演と東京公演の模様が収録されている。

先にも書いたように、モンスターエンジンの売りといえば、個性豊かなキャラクターを効果的に取り入れたコントだが、その要素は本作では比較的大人しめ。とある事情により太鼓を叩いている男の横で奇妙な生命体が踊り狂う『太鼓』や、山で遭難した大林の元に奇抜な髪型で奇抜な服装の男が現れる『遭難』、プロレスに対して並々ならぬ思い入れを持った覆面小学生のある日の自宅風景を描いた『プロレス』の様に、個性的なキャラクターが中心となったコントが無いわけではないのだが、既出のコントに比べると些かインパクトに欠ける。

思えば、『神々の遊び』にしても、『ゴッドハンド洋一』にしても、『ミスターメタリックの登場シーン』にしても、個性的なキャラクターに目を奪われがちだが、その軸となっているのはベタでオーソドックスな笑いだった。ベタに個性的なキャラクターが入るからこそ、あれほどのインパクトが生じるのである。安易にそれらのコントと同等の笑いを求めるのは、あまり良いことではないのかもしれない。それに、『太鼓』も『遭難』も『プロレス』も、決してつまらなかったわけではない。西森が演じるキャラクターたちの独特の生々しさは、いずれも妙な哀愁を含んでいて、しみじみと面白かった。決して突出してはいないが、とても味わい深い笑いだった。(なお、『プロレス』は『キングオブコント2012』準決勝戦でかけたものの、タイムオーバーになってしまったネタらしい。多分、小学生を演じる西森がハッスルし過ぎたのだろう)

その一方で、キャラクターの個性をアピールしていないコントもまた、なかなかに充実していたように思う。西森がプロ野球選手になった自らの姿を稚拙に想像する漫才を始めとして、ドッキリ番組の素材映像を編集しようとするも失敗を繰り返してしまう『編集』、自身が担当するタレントについての打ち合わせでマネージャーがスタッフにクレームを言いつける『つばき』と、それぞれ実に面白かった。『つばき』はテレビでもウケるんじゃないか。その中でも異彩を放っていたのが、本作の最後に収録されているコント『ヒットマン』だ。

『ヒットマン』は文字通り、暗殺をテーマにしたコントである。対立関係にある二つの暴力団がそれぞれに送り込んだ様々なヒットマンが、それぞれの“仕事”をする様子が描かれている。それ自体は、さほど面白いものではない。ただ、仕事が終わったときに、言葉では上手く言い表すことの出来ない演出が施されるのである。これについて具体的に説明すると鑑賞時の面白さが薄れてしまうので書かないが、ひとまずキャラクターの個性にこだわらなかった『ミスターメタリックの登場シーン』みたいなコントだと思っていただければ。これが非常に面白かったのだが、恐らくテレビで披露されることはない(構成上、ゲストが必要がある)ので、機会があれば本作を手に取って鑑賞していただきたい。いい意味で、とても下らないから。

最後に余談だが、実際の公演では、幕間にコント同士を繋げるVTRが流されていたらしい。どうやら、当初はこれも一緒に収録される予定だったようなのだが(※一部販売サイトで本作の収録時間が180分と表示されている点から推察)、どうしてカットしてしまったのか。それがあれば、もっとまとまりのある作品になっていたかもしれないのに……なんとも残念である。


■本編(74分)
「漫才」「コント『編集』」「コント『太鼓』」「コント『つばき』」「コント『カーナビ』」「コント『遭難』」「コント『プロレス』」「コント『ヒットマン』」

■特典映像(11分)
「コント『ヒットマン』」(東京公演)

『ナイツ独演会 ~浅草百年物語~』

ナイツ独演会 ~浅草百年物語~ [DVD]ナイツ独演会 ~浅草百年物語~ [DVD]
(2013/01/23)
塙 宣之、土屋 伸之 他

商品詳細を見る

『ナイツ独演会 ~浅草百年物語~』を観た。

ナイツは大学の落語研究会で知り合った塙宣之と土屋伸之の二人によって、2001年に結成された漫才コンビである。塙が大学を卒業した年に、四年生だった土屋を誘う形で結成された。ただ、結成してすぐに塙が怪我を負ったため、結成から一年間はコンビとしての活動が出来なかったという(※結成年はコンビとしての活動を開始した年)。コンビとしての活動を開始してからも、なかなか芸風が定まらず、決して順調とはいえない紆余曲折の時代が続いた。しかし、塙がインターネットで調べた言葉を間違えて説明し続ける“ヤホー漫才”を開発し、注目を集めるようになる。日本一の漫才を決定する『M-1グランプリ』には三度の決勝進出を果たしているが、優勝経験はない。漫才協会および落語芸術協会に所属しており、最近では浅草を中心に活動している漫才師としてテレビに出演することが多い。『ナイツ独演会』は2010年9月6日に初めて国立演芸場で行われ、以後、年に一度のペースで同所において開催されている。本作には、2012年9月15日・16日に行われた公演から、15日の模様が収録されている。

ナイツといえば正統派の漫才師としてのイメージが強い。彼ら自身は“ヤホー漫才”という新鮮味のあるタイトルを掲げてはいるが、その内容は言い間違いを重視した、極めてシンプルな芸風であるためだ。……恐らく意図的にやっているのだろう。クレバーだ。また、常にきちんとしたスーツ姿で漫才を演じているところや、漫才協会という確固たる組織に所属しているところが、そのイメージをより強めている。

本作でもその正統派ぶりは顕著だ。独演会の一本目を飾った漫才『全テレビ局紹介』での、テレビ局に対して低い位置から媚びを売りつつ、人気の番組・話題の番組をことごとく言い間違えていく姿は、もはや正統派を超えて芸人の鑑と言っても過言ではない。それでいて、『笑点』のメンバーについてのちょっとマニアックなボケや、『ビッグダディ』に関するスカシボケを投入するなど、分かる人には分かる小ネタを仕込んでいるあたりがなんともニクい。また、三本目の漫才では、『ヤホー10連発』と称して、『爆笑レッドカーペット』で披露されていたような短めの“ヤホー漫才”を10本分連発するという大胆な試みがなされている。無論、どのネタもシンプルで面白い。時事ネタもふんだんに盛り込まれていて、彼らが寄席を中心に活動する恐れを知らない漫才師であることを再認識させてくれる。更に終盤では、近年の彼らの持ちネタである、漫才協会の先輩芸人たちをイジり倒す展開も。ヤホーに時事に漫才協会に……ナイツの特性を存分に詰め込んだ、ボリューム感溢れる内容になっている。が、本作最大の見どころは、二本目に披露された漫才『ロンドン五輪 エクストラバージョン』だろう。

『ロンドン五輪 エクストラバージョン』について解説する前に、ゲスト出演している三組の芸人について書いておこう。まず、本公演の前説を担当している中津川弦。彼の出演に期待している人も少なくないかもしれないが、時間があまりにも短いので、はっきり言ってその話芸を楽しむことは難しい。彼の存在が気になる人は、以前にリリースされた『ナイツ独演会』『浅草三銃士』を鑑賞した方がいいだろう。……それだけのためにナイツのDVDを観る人はいないか? 続いて、ナイツと同じ事務所に所属する女性お笑いコンビ、ニッチェ。彼女たちは、本作ではDVD未収録コント『東京のおばさん』を披露している。江上演じる子どもが東京への憧れをフルスロットルで表現しているネタで、何も考えずに楽しむことが出来る。最後に、やはりナイツと同じ落語芸術協会に所属している落語家、瀧川鯉斗。前々回には三遊亭小遊三、前回には春風亭昇太がゲスト出演していたが、どうして今回は二つ目の落語家が……? まあ、細かいことは気にしない。深みのある語り口がたまらないが、まだまだ詰めが甘い。今後の進化に期待を寄せたいところ。ちなみに、同じ日にゲスト出演していたケーシー高峰のネタは、一切収録されていない。……何か収録できないようなことを言ったんだろうな、多分。

話を戻す。『ロンドン五輪 エクストラバージョン』とは、どういうネタなのか。詳細を書くと面白くないので、一言で説明すると“塙がボケ放題漫才”。通常のナイツの漫才では絶対にやらないであろうボケが、次から次へと飛び出してくる。黒子が出てきたり、小道具が出てきたり、果てはツッコミを入れてくる土屋にキレ出す始末。昨今の漫才では確実に反則技と捉えられているだろう多種多様なボケを繰り出す塙と、それに慌てふためきながらツッコミを入れる土屋のやりとりが見られるのは、きっとこの作品だけ! 理事のはしゃぎっぷりに注目だ!

ただ、本当のことをいうと、本作の最大の見どころ(聴きどころ?)は「中津川弦」「ニッチェ」「ロンドン五輪 エクストラバージョン」のネタ解説じゃないかという気もしている。……まあ、ただ単に私が楽屋トーク好きだからなのかもしれないが。「中津川弦の奥さんはJCA1期生らしい」「ニッチェは現代のドリフターズ」など、聞いていて実に楽しかった。何気に、こういう解説力に秀でたコンビだと思うので、そういう方面での仕事も増えるといいのになあ、と思わなくもない。……“ヤホー”で調べてきたと思われちゃうから、無理かな?


■本編(79分)
「前説(中津川弦)」「ナイツ『全テレビ局紹介』」「ニッチェ『東京のおばさん』」「ナイツ『ロンドン五輪 エクストラバージョン』」「瀧川鯉斗『新聞記事』」「ナイツ『ヤホー10連発』」

■特典映像(7分)
「ナイツ『野球漫才』」(音声解説バージョン)

■音声特典:ナイツによるネタ解説
「前説(中津川弦)」「ニッチェ『東京のおばさん』」「ナイツ『ロンドン五輪 エクストラバージョン』」

しずる単独コントライブ『Conte Out』

しずる単独コントライブ Conte Out [DVD]しずる単独コントライブ Conte Out [DVD]
(2013/01/23)
しずる

商品詳細を見る

しずる単独コントライブ『Conte Out』を観た。

しずるは東京NSC9期生の村上純と池田一真によって、2003年に結成された。この一風変わったコンビ名は、表参道にある定食屋の店名に由来しているらしい。同期には、ハリセンボン、ジューシーズ、囲碁将棋などがいる。『爆笑レッドカーペット』に出演するために編み出した青春コント(二人の学生が下らないことでぶつかり合うも、最後に抱き締め合って仲直りする)で人気を博し、『爆笑レッドシアター』のレギュラーメンバーに選抜。番組が終了した現在もコントにこだわった活動を続けており、日本一のコント王を決める『キングオブコント』では三度の決勝進出を果たしている。本作には、2012年5月から10月にかけて開催された、単独ライブツアー『BREAK OUT』の最終公演(10月14日)の模様が収録されている。

先にも書いたように、しずるが世に知られるきっかけとなったネタは『青春コント』だが、バナナマンに憧れを抱いているという彼らのネタには、実はブラックでシニカルなコントが多い。前作『しずる POWER×POWER DVD』では、その傾向が顕著に表れていた。自分が気に入らない結果になったからと底意地の悪い言動を繰り返す友人、ただただ悪い方向へと転がっていく人生を“だるまさんが転んだ”のリズムで語られる中年男性、写真のコンクールで得た賞金を自然な流れで頂こうとする男たち……その緊張感が張り詰めたコントの数々は、観ている者の心臓をギュッと握り締める。『青春コント』のイメージのみで鑑賞しようものなら、肩透かしでは済まない衝撃を受けるに違いない。

その意味において、本作は随分と大人しくなったように思う。友達を止めようと切り出した友人があらゆる手段で相手を混乱に陥らせる『The Friends ~友達~』や、タバコを欲している男が友人を口車でまるめこもうと画策する『Smoking Man ~喫茶店~』には、まだ幾らかの名残が見られたが、それでも全体的にはナンセンスの色合いが強まっている(※余談だが、『Smoking Man ~喫茶店~』はバナナマンのコント『pumpkin』に対するオマージュだと思うのだが、どうだろう)。謎の男が青年を枠の世界へと取り込もうとする『We Have A Frame ~枠~』、「どちらが○○でしょうか?」というお題を先に提出することで観客にオチを見つけさせる新鮮味ある『Short Conte ~ショートコント~』、ちょっとしたことでも大袈裟に驚いてみせる先生を演じた池田のコメディアンとしての才能が暴発する『Teacher ~びっくり先生~』など、こちらへの負担の軽いバカバカしさに満ち溢れたコントは、どれもこれも実に面白かった。が、なんといっても、本作の見どころは『Super Natural ~能力者~』に尽きる。

『Super Natural ~能力者~』は、路上を歩いていた青年(村上)が横を通り過ぎようとした学生風の少年(池田)に「分かってるよ。君も能力者なんだろう?」と話しかけられる、衝撃的なシーンで幕を開けるコントだ。既に分かっている人もいると思うが、これは『キングオブコント2012』決勝の第一回戦でしずるが披露していたネタで、彼らはこのコントで913点と高得点を記録していた。本作には、このネタのオリジナルロングバージョンが収録されている。……といっても、ちょっとだけオチが違っているとか、ちょっとだけ展開が変わっているとか、その程度の違いではない。なんと、本作に収録されている『Super Natural ~能力者~』は、『キングオブコント2012』でのそれに10分近い設定・台詞・展開の補充がなされているのである。少年がどうして青年と手を組もうとしていたのか、その背景に至るまで明確に描かれており、まさしく完全版と呼ぶに相応しい一品となっている。このコントだけでも観る価値有りだ。

なお、特典映像には、村上が同期の芸人たちと居酒屋で、『キングオブコント』決勝での戦略や、再結成後の池田との関係(※しずるは一度コンビを解消している)などについて本音トークを展開している映像や、池田演じる江戸っ子が某有名曲を江戸っ子風にアレンジして熱唱する本編未収録コント『Tokyo Lights ~保~』などを収録。バイきんぐの存在を意識していたという話は、楽屋トーク好きにはけっこうたまらない……。


■本編(63分)
「The Friends ~友達~」「We Have A Frame ~枠~」「Stranger ~奇妙な人~」「Short Conte ~ショートコント~」「Smoking Man ~喫茶店~」「Teacher ~びっくり先生~」「Super Natural ~能力者~」

■特典映像(49分)
「気心知れた同期と飲んで泥酔の村上が本音トークで丸裸に!」
「Tokyo Lights ~保~」
「池田の裸でチャレンジ1」
「池田の裸でチャレンジ2」

2013年2月のリリース予定

06『サンドウィッチマン ライブツアー2012
20『カンニング竹山単独LIVE「放送禁止」2011
20『カンニング竹山単独LIVE「放送禁止」2012
27『東京ダイナマイト 単独ライブ COMEDIAN GOD
27『漫才 する彦やる蔵』(オジンオズボーン)
27『cafeと喫茶店』(うしろシティ&さらば青春の光)

なんとなくアウトローな顔つきの芸人が出揃っている2月のリリース予定。“サンドウィッチマン”のライブツアーは、およそ1年ぶりのリリース。芸に対する評価も人気もバツグンの安定感! そんなサンドウィッチマンの先輩筋にあたる東京ダイナマイトは、なんと2年7ヶ月ぶりのDVDリリース。しかも結成10周年記念ライブということで、弥が上にも期待してしまう。同日、松竹芸能の中でも勢いのある若手芸人“オジンオズボーン”によるベスト漫才DVDと、“うしろシティ”“さらば青春の光”による合同ライブの模様を収めたDVDもリリースされる予定。最近の松竹芸能の勢いは、ちょっと凄いことになっている。

この他、6日に天才的モノマネパフォーマー“コロッケ”によるライブDVD『コロッケ アコースティック ものまねライブ』および『コロッケ 爆笑ものまね楽語会~大笑い文七元結~』(モノマネで落語を披露!)、10日におよそ7年4ヶ月ぶり(!)となる“ケンドーコバヤシ”の茶番DVD『緊急特別番組 容疑者ケンドーコバヤシ逮捕 ~事件の真相に迫る・完全版~』、22日にアジのある古典落語に定評のある“瀧川鯉昇”による古典落語DVD『瀧川鯉昇 落語集「蕎麦処ベートーベン」「芝浜」』、および、2012年7月に東京イイノホールで行われた“桂文我”独演会の模様を収録した『桂文我独演会「地獄八景 亡者戯」「代書」』などがリリースされる予定。やっぱり落語率が上がっている気がする……って、何気に文我師匠の独演会、ネタのチョイスが凄い!

テレビ関係では、『リンカーンDVD』(二枚同時リリース)、『逃走中』、『東野・岡村の旅猿2 プライベートでごめんなさい…』、『日曜×芸人』(三枚同時リリース)、『今夜野宿になりまして』、『バナナ炎炎 炎のベストセレクション』などのDVDがリリースされる予定。まさか、『日曜×芸人』がDVD化される日が来るとはなあ……。

さらば青春の光の件。

事実上の契約解除…「さらば青春の光」が松竹芸能離脱へ(スポニチ)
「さらば青春の光」単独ライブ中止発表!事務所移籍へ(スポーツ報知)

朝からちょっと驚きのニュースが飛び込んできた。「イタトン!」のフレーズで話題になった『キングオブコント2012』準優勝コンビ“さらば青春の光”が、所属事務所である松竹芸能を離れるのだという。それだけならば、そこまで驚きはしない。問題なのは、それが事実上の契約解除であるらしい、ということだ。まあ、情報ソースがスポーツ新聞なので、そこまで信憑性の無い話ではあるのだが、それにしたって落ち着かない。予定されていた単独ライブが中止されたという話だし、それなら、うしろシティと共同でリリース予定の『cafeと喫茶店』はどうなんの? とも思うし、なにより、事務所移籍が本当なら何処に行く予定なのか、とも思うし……ああ、だんだんと困惑してきた。……と、とりあえず「さらば青春の光が事務所をさらば」という、どうでもいい言葉が思い浮かんだので、ここにそれだけ書き残しておこう!(後で後悔するパターンのヤツ)

……あ、ていうか、松竹芸能のホームページからプリンセス金魚と恋愛小説家のプロフィールが削除されていた件はなんだったんだ?

事務所離脱報道のさらば青春の光、トラブル否定「揉めた覚えもございません」(47news)

続報が出た。といっても、Twitterでの当人たちのツイートを元にした記事だけど。まあ、とりあえず一安心。しかし、こうなると分からないのは、25日に予定されていた単独ライブを中止した理由である。別の何かがあったのだろうが、その何かが「事務所の移籍」でないとなると、さてなんだろうか。余程の理由じゃなければ、これは説明がつかない。そうじゃなければ、単独を楽しみにしていたファンの気持ちへの裏切り行為とも思われかねない。一体……で、ふと思い出したのが、かつてバナナマンが体験したマネージャー失踪事件。あれに似たことが起きたのではないか……という邪推を重ねてみたところで、どうにもこうにも。ただ、事務所を辞めるとかいう話ではないようなので、ひとまず呑気に構えればいいのではないかと思う……でもライブ行く予定だった人のことを思うと、やっぱ落ち着かないよなあ……。

さらば青春の光、3月末をもって松竹芸能との専属契約解除(お笑いナタリー)

更に続報が出た。事務所を辞めるのは事実だけれど、移籍はしないという。フリーでやっていくのだという。でも、クビでもないし、トラブルも起きてないという……なんじゃそりゃ。どう考えても揉めてるじゃねーか! そうじゃなきゃ、単独ライブを直前で中止するなんてヤヤッコシイこと起きるわけがない! ……しかし、どうやら松竹芸能はこのまま話をぐずぐずに終わらせてしまうつもりのようなので、この話はここでおしまい! 「松竹のバカ! もう知らない!」(『となりのトトロ』風に)である。で、多分さらば青春の光は、半年後くらいに東京の芸能事務所に所属ってことになるんじゃないかなあ。……タイタンかASH&Dあたりに入ればいいと思うよ!

『オンバト+』一月十九日放送感想文

■アームストロング【481kb/1,826票】※視聴者投票2位
八戦全勝、今期四勝目。コント『徒競走実況の練習』。午後からの綱引きにしか出ないから、運動会には昼過ぎから参加するくだりにニヤニヤ。こういう、ちょっとしたくすぐりが上手いんだよなあ。ただ、ケンカしたけど最後は仲直りっていうパターンは、そろそろ食傷気味。……今回は六組オンエアということで、大幅に細かいボケがカットされちゃったから、その要素が不必要に目立ってしまった……のかもしれない。こればっかりは、実際に行った人じゃないと分からんけんね。

■うしろシティ【509kb/2,422票】※会場審査1位/視聴者投票1位
九戦八勝、今期三勝目。コント『新入生』。入学式の当日に遅刻している新入生二人の登校を描いたコント。明の金子と暗の阿諏訪、性格がまったく違う二人のやりとりがとにかく面白い。極端に良い人って、こんなに面白くなっちゃうものなのか。だんだんと阿諏訪が金子に惹かれていく展開も、分かりやすいストーリーで受け入れやすい。が、このコントの最も素晴らしいのは、やはり終盤でのどんでん返しだろう。「そこで落とすのか!」と、笑うと同時に感心させられた。

■吉田たち【453kb/1,093票】
五戦四勝、今期四勝目。漫才『上京する仲間』。大阪収録で大阪の芸人が上京する仲間を見送るシチュエーションのネタって、なんだか挑戦的な気がしないでもない。やりとりではなく一つ一つのボケで笑わせるスタイルの漫才なので、笑いがぶつ切りになってしまっている。それを発想でカバーしていたのが前回のオンエアだったと思うんだけど、今回はちょっとキャラクターに頼り過ぎていた気がする。発車のベルを表す「プルルルル」にツッコミを入れるというメタ展開には、ちょっと笑ったけれど。こういうスタイルでいくのなら、もうちょっとボケのインパクトが欲しい。

■BLUE RIVER【417kb/1,166票】※視聴者投票3位
二戦全勝、今期二勝目。漫才『子どもの頃の話』。ワタナベ九州支部に所属する、福岡出身の漫才コンビ。「大人っぽい子ども」という、割とベタな設定だけで乗り切っていたにも関わらず、やけに面白かった。思うに、基本的なポテンシャルが高いコンビなんだろう。黒いスーツもキマってたし……って、それは別に漫才の実力とは関係無いけれど。途中までが面白かっただけに、終盤でおっぱいネタを挟み込んできて失速してしまったことが悔やまれる。おっぱいは挟み込むものではない。おっぱいは挟み込まれるものです。……何を言ってるんだ、私は。なにはともあれ、面白かったので次回も期待。

■こぶし【409kb/1,084票】
四戦二勝、今期二勝目。コント『リアクション』。サンミュージック所属のお笑いコンビ。仕掛けられたドッキリを一旦は無視して、後からリアクションがやってくるという設定は悪くない。ただ、「夜の12時が来たら、その日一日のリアクションが一気に全部出てくる病気」は、流石にちょっと強引過ぎる。ステゴサウルスみたいな、ただ単純に反応が遅い人っていう設定で良かったんじゃないか? 「アントニオ猪木やーっ!!!」と叫ぶ場面は面白かったけれど、そこがピークだったのは残念。もっと、この設定を活かせるドッキリがあったと思うんだけどなあ。

■フリータイム【409kb/700票】
三戦全勝、今期二勝目。漫才『犯人の家に押し掛ける』。広島吉本の漫才コンビ、まさかまさかの無傷の三連勝。失礼じゃないか、なんてツッコミは受け入れないぞ。なにせ広島吉本の芸人がこういうところで評価されることなんて、そうそうあることじゃないんだから。まして、若手芸人の登竜門で、こんなに評価されるなんてことは……(以下略) 漫才は決して上手くはないし、ネタもさほど面白くはないんだけれど、なんだか妙に笑えるのは何故だろう。不意に飛び出してくる粗雑なボケが逆に面白い、ということなんだろうか。とはいえ、「きさくなコロンボ」は地味に好きだった。あと、これは余談だけれど、「供述中!」ってツッコミで終わる漫才って、何気にリスキーだよね。

■今回のオフエア
389kb:ウエストランド
261kb:ハリウッドザコシショウ
257kb:くじら
237kb:ベティ

初出場三組が揃ってオフエア。トップバッターだったとはいえ、マニアックモノマネ芸のくじらよりも、もはや単なる悪フザケにしか見えない芸のハリウッドザコシショウの方がキロバトルを稼いでいるのが、なんだかちょっと面白い。ちなみに、ジャッジペーパーには“思ったよりもまじめなネタで、もっと暴れてほしかった”と書いてあったそうな。マジメにやったのか……。ウエストランドは大阪を意識した漫才を演じていたらしい。かつてチャンピオン大会で史上初のオーバー1000を記録した事務所の先輩、長井秀和を見習ったのか?

■次回
勝又(1)
ケチン・ダ・コチン(2)
すっぽん大学
【初】チャンジオンジム
トミドコロ(1)
トレンディエンジェル(3)
【初】浜口浜村
ヒューマン中村(3)
風藤松原(2)
【初】守谷日和

大阪府堺市での収録。前回と同様、チャンピオン大会を目前に控えているためなのか、関西出身の芸人があまり多くない印象を受ける。それとも、こんなもんだったかな。オンエアされればほぼ確実にチャンピオン大会に行くであろうヒューマン中村が、満を持して四勝目に挑戦。ここで勝ち上がれば、事務所にもっとプッシュしてもらえるのだろうか。ダブル若ハゲ漫才師、トレンディエンジェルも四勝目に挑戦。その圧倒的な華は、大阪でも通用するのか? 初出場組、チャンピオンジムはジェイピィールーム(※タイムマシーン3号、上々軍団、ニレンジャーの所属事務所)、浜口浜村はマセキ芸能社、守谷日和は大阪吉本所属。

古坂大魔王単独ライブベストセレクション『メンドクサイ男』

古坂大魔王 単独ライブ ベストセレクション 【メンドクサイ男】 [DVD]古坂大魔王 単独ライブ ベストセレクション 【メンドクサイ男】 [DVD]
(2012/08/22)
古坂大魔王

商品詳細を見る

古坂大魔王単独ライブベストセレクション『メンドクサイ男』を観た。

古坂大魔王はそもそも、1992年に結成されたお笑いユニット“底ぬけAIR-LINE”のメンバーだった。結成当初はトリオとして活動していたが、1997年にメンバーの一人が脱退し、コンビとなる。ちょっとしたショートコントが既存の音楽と不思議な融合を見せる『あてぶりショー』や、「あー、ども!」のブリッジが印象的なスピード感溢れるショートコントで人気を博したが、2003年に芸人としての活動を休止し、替わりに音楽ユニット“ノーボトム!”としての活動を開始する。天下のエイベックスからアルバムをリリースしたり、AAAやmihimaru GTに楽曲を提供したりするなど、ミュージシャンとして順調に活動していたが、どうしても笑いを捨てることは出来なかったのか、2008年に芸人としての活動を再開、現在に至る。本作は、そんな古坂大魔王が2010年3月より年に一度のペースで開催している単独ライブから、いわゆるベストネタだけを収録した初めての単独作品だ。……どうでもいいけど、“古坂大魔王”っていうネーミングセンスが良いよね。魔神ぐり子みたいな。

先にも書いたように、底ぬけAIR-LINEは音楽的要素の強いネタを多く演じるコンビだった。『あてぶりショー』以外にも、テクノのリズムに合わせてヘンテコな体操を行う『テクノ体操』(『爆笑オンエアバトル』では、立川談志に称賛されていた)や、片方が漫談を語ってもう片方がそれに効果音を加える『効果音漫談』など、なんとも個性的なネタを持っていたと聞いている。……と、こういった前提を知っていれば、本作を鑑賞する際、自然に音楽ネタを期待してしまうのも無理のない話だといえるのではないだろうか。ところが、本作には音楽ネタが殆ど収録されていない。そのことに気付いた時は正直言って戸惑ったが、考えてみると当然の結果なのかもしれない。既存の音楽をソフトに収録するとなると、どうしても版権の問題は避けられない。そのデンジャーゾーンに足を踏み入れるくらいなら、最初から避けるのが動物的本能というものだ。残念無念の肩透かし。……だからといって、本作が満足の出来ない内容だったのかというと、これがなかなかバカにできなかった。いや、やっていることは、間違いなくバカだったのだが。

古坂大魔王のネタは凄くない。もうちょっと具体的にいうと、凄さが感じられない。こちらが「なんじゃ、こりゃ?」と思わせるようなことを、平気な顔でやってみせる。例えば、電器屋で売られているビデオカメラを使ってで古坂が遊ぶ『コサカメラ』というネタでは、直輸入の韓国海苔のハングル文字で書かれた製品名を「読めない!」とおちょくったり、持っている紙パックのカフェ・ラテの字のカとテの部分を隠して卑猥な言葉を作ったりと、そんじょそこらの小学生みたいなことをやっている。この他にも、世界各国の代表たちが母乳の飛距離で競い合う競技を描いた『母乳飛ばし選手権』だとか、怖い話の脚色した内容を即座に訂正する『怖そうな話』だとか、青森訛りのマジシャンがマジックと称して身体を張り続ける『ダベッド・カッペーフィールド』だとか……本能のままに行動する小学生か、思春期真っ只中のドバカな中学生が、学校の休み時間に悪フザケでやっていそうなことばっかりやっている。……そんな、ある種の人たちには軽蔑されていそうな古坂大魔王だが、それらのパフォーマンスはいずれもとてつもなく面白いのだからたまらない。いや、むしろ、それほどまでにバカバカしさを追求しているからこそ、とてつもなく面白いのだろう(個人的には、サブカルに傾倒する前のエレキコミックを彷彿とする)。凄さを感じさせない、凄くないところが、むしろ凄い。ある意味、最強だ。

最後に、個人的に気に入っているネタの話を。その名も『信じてくんねぇ』。「周りにミラクルがすげぇ起きんの!」という古坂大魔王が、誰に話しても信じてもらえない数々の実体験を話すのだが、観客にもまったく信じてもらえないという、ちょっと変わった形式の漫談だ。これがまた、ありそうといえばありそうなんだけれども、あったからといってだからなんなんだっていうレベルの話ばっかりで、これもやっぱり下らない。なにせ、いきなり導入の時点で「夢ん中で、どどん波がスゲェ出てたの!」なんてなことを言ったりしてる。出すな出すな!


■本編(特典含137分)
「母乳飛ばし選手権1」「じゃねいかな」「母乳飛ばし選手権2」「信じてくんねぇ」「コサカメラ」「母乳飛ばし選手権3」「怖そうな話」「ブルドーザー西尾」「どうしても言いたいこと」「チョップマン」「140文字の言霊」「カミカミタクシー」「ピコ太郎」「ダベッド・カッペーフィールド」

■特典映像
「CM撮影」「選挙プランナー」「古坂大魔王の総括」

『オンバト+』一月十二日放送感想文

■トレンディエンジェル【525kb/2,530票】※会場審査1位・視聴者投票1位
四戦三勝、今期三勝目。漫才『モテ男になりたい』。ハゲた頭で客を油断させておいて、次から次へと繰り出される下らないボケの数々が相変わらず素晴らしい。批評するために見始めても、気が付くとゲラゲラ笑ってしまっている。理屈で見たくないタイプの漫才なんだよなあ。やっていることはいつもと同じだったけれど、内容が以前にも増してバカバカしくなっていた感。「岩海苔こびりつき系男子」には笑ったなあ……。

■ジグザグジギー【437kb/1,716票】※視聴者投票3位
八戦五勝、今期三勝目。コント『ダイイングメッセージ』。刺された先輩刑事が、残された後輩に向けて最後の力を振り絞ったダイイングメッセージを……。瀕死の重傷を負っていながら、長々とダイイングメッセージを書き続ける先輩の姿を描いたコント。書く場所が無くなってしまった先輩が別の場所へと移動し始めた時の、「新たな余白を求めに!」というツッコミには笑った。ただ、これまでにジグザグジギーが披露して来たコントと比べると、ちょっと粗い造りになっていたような。こういうネタも嫌いではないが、もっと直球が欲しい。あと、個人的にミノムシのくだりで興醒めしてしまったのだが、これは私だけなんだろうか。あそこはちょっと壊し過ぎたと思うんだよねえ……。

■ラブレターズ【425kb/1,011票】
八戦四勝、今期二勝目。コント『常連』。店員の対応や出された料理にクレームを言い続ける客だったが、支払いの段階になると、彼が実は常連客であることが分かり……。店に文句を言い続ける客が実は店のことが大好き、というツンデレなギャップで最後まで乗り切っているコント。先のジグザグジギーが得意とするスタイルだ。ネタの発想自体は悪くないのだが、笑いの取りこぼしが幾つか。二人の演技にメリハリがないために、聞き逃されてしまったのではないかと思われる。勿体無い。脚本もやや練り込みが甘い。誕生月の場合は併用可能っていうのは、もうちょっと後半に持ってきた方が良いと思うんだよなあ。ところで、溜口演じるクレーマーな客は、彼らが尊敬しているというバナナマン日村をイメージしているような気がしたが、どうだろう。

■ジャングルボーボー【409kb/1,088票】
初挑戦初オンエア。コント『ひきこもり』。半年間学校に行っていない生徒の元へ、給食のおばちゃんが説得にやって来る。半年間も学校に行っていない割に、やたらがっちりとした体型のひきこもりに思わず苦笑い。……別にダメじゃないんだけどね。おばちゃんキャラの完成度は低いが、勢いで笑いを取りに行く姿勢は好印象。寄せ書きを給食のお盆に書いちゃってるくだりは笑った。が、古臭さは否めない。……いや、それも味なのか?

■あばれる君【465kb/2,065票】※視聴者投票2位
四戦三勝、今期三勝目。コント『カンチョー』。校庭の分割統治問題で、6年生がカンチョー総攻撃を仕掛けてくることを知った3年生たちは、彼らをカンチョーで迎えることに……って、なんだろうなこの設定は(笑) バカバカしい内容に対して、やたら細かいディティールが、その下らなさをより引き立てている。「マイクのスイッチ入ってたの!?」「ズボンの下に資料集を隠している!」のタイミングがサイコーだよなあ。『地上の星』がちょっとあざとかったけれど、清く正しくバカバカしいコントだった。

■今回のオフエア
397kb:Gたかし
393kb:マシンガンズ
365kb:だいなお
361kb:アインシュタイン
313kb:勝又

今期三勝目を狙ったGたかしとマシンガンズが仲良くオフエア。キロバトルは安定しているが、その分、他の出場者のレベルに左右されやすいのかもしれない。今期はオーバー500を叩き出しているアインシュタインは、その後なかなか勝ちの流れに乗れない様子。顔が受け入れられないのか……と、勝手に決め付けてみたり。

■次回(カッコ内は今期の勝ち数)
アームストロング(3)
ウエストランド(2)
うしろシティ(2)
【初】くじら
こぶし(1)
【初】ハリウッドザコシショウ
フリータイム(1)
BLUE RIVER(1)
【初】ベティ
吉田たち(3)

次回は堺での収録。関西系の芸人が集まるかと思いきや、通常回とさして変わらない印象のメンツが揃う。チャンピオン大会が近いからなんだろうか。そんななか、何故かくじらとハリウッドザコシショウが初出場。どうしてこの二人が一緒なのか。もとい、どうしてこの二人が堺に来ちゃったのか。……深くは考えない。ベティは、元「コンツ」の永尾宗大によるコンビ。

『わびれもの』(小坂俊史)

わびれもの (バンブー・コミックス MOMO SELECTION)わびれもの (バンブー・コミックス MOMO SELECTION)
(2010/05/27)
小坂 俊史

商品詳細を見る

1974年5月生まれで40歳を目前に控えているにもかかわらず、竹書房の策略によって“4コマ王子”などという恥ずかしいキャッチコピーをつけられている漫画家、小坂俊史のエッセイコミック。てっきり4コマ形式の作品なんだろうと思っていたのだが、蓋を開けてみると(もとい頁を開いてみると)ごくフツーのエッセイコミックでちょっと驚いた。もとい、ガッカリした。というのも、本書を購入しようと思い立った理由が、氏の傑作4コマ漫画『中央モノローグ線』に感銘を受けたからで、きっと本作もあの独特の寂しさと面白さを漂わせた4コマ漫画になっているのだろうと期待していたからだ。しかしまあ、いざ読み始めてみると、ちゃんと『中央モノローグ線』のトーンが反映された内容になっていたので安心した。

(余談だが、某巨大掲示板の某スレッドで4コマ漫画について話題になった際に、小坂氏の発言と『中央モノローグ線』を茶化すような切り取り方をしたコピペブログが大量発生していたが、ろくに作品を読みもしないでこき下ろすような真似をして、そのくせ、そういった作品でアフィリエイトを稼ごうなどという不届きなブログはとっとと潰れちまえばいいと思う)

『わびれもの』は、小坂俊史が実際に訪れた“わび+さびれ”な場所・体験した“わび+さびれ”な出来事について紹介している作品だ。一応、単行本の説明文によると、本作は旅エッセイのジャンルに含まれるらしいのだが、小坂が客観的視点で現地の状況を分析・解説する様は、むしろルポルタージュに近い印象を受ける。とはいえ、それぞれの場所に対する個人的な思い入れの強さが作品を通して伝わって来るので、やはりエッセイということにした方が良いのかもしれない。本作の連載以前から、そもそも寂れたモノに強く惹かれていたという小坂は、一般人であれば見逃してしまいそうな微細な要素をきちんと捉えていて、しかし、それでいて、決してそこに深入りしようとしない。実に絶妙な距離感を保っている。この感覚、何かに似ているなあ……と思っていたら、作中で小坂が『孤独のグルメ』について語っている場面があって、合点がいった。そうだそうだ、この感じはゴローちゃんに似てるんだ(ドラマ版じゃなくて漫画版の)。

本書で小坂が訪れている場所は、まさしく多種多様。北は北海道の宗谷岬、南は九州の西大山駅まで、えっちらおっちら移動している(沖縄にはまだ行ったことがないらしい)。もそっと具体的に名前を挙げていくと、「相模湖 にぎわいの広場(平日)」「足尾銅山」「ブルートレイン」「ロッテ二軍球場」「キリストの墓」「中野ブロードウェイ(4階)」などなど……。途中からは、わびれものを見に行くというよりも、ただ単純にネタを探してさまよっているだけの様ではあったが、それでもなかなか面白かった。個人的には、ロッテ二軍球場の裏側を見てしまったくだりに、ちょっと胸をつかれるような思いがした。お笑い芸人の世界にも、きっと同じ様なことがあると思うから……。

『エレ片 コントの人6』

エレ片コントライブ ~コントの人6~ [DVD]エレ片コントライブ ~コントの人6~ [DVD]
(2013/01/09)
片桐仁、エレキコミック 他

商品詳細を見る

エレ片『コントの人6』を観る。

エレ片とは、関東を代表するバカコント職人“エレキコミック”のやついいちろう・今立進と、これまた関東を代表するナンセンスコント職人“ラーメンズ”のメンバーである片桐仁の三名で構成された、お笑い混合ユニットだ。同じ事務所に所属している彼らは、それ以前から付き合いを持っていたのだが、2005年5月に福岡西鉄ホールにおいてエレ片名義でのライブを行って以降、明確にユニットとしての活動を開始する。2006年には冠番組『エレ片のコント太郎』(TBSラジオ)の放送を開始、2007年からはコントライブ『コントの人』を年に一度のペースで開催するなど、その活動範囲はもはや単なる混合ユニットの粋を超越している。『コントの人6』は、2012年3月に東京・大阪・名古屋で行われており、本作には東京前進座での公演が収録されている。

エレキコミックのバカバカしい世界観に片桐が参入する形式のコントを多く演じているエレ片は、その活動範囲と同様、コントのクオリティもまた単なる混合ユニットとは一線を画している。単なるバカのようでいて実はクレバーに笑いを取りに行くやつい、独特の存在感を発揮しつつも天然素材のヘタレっぷりを隠しきれない片桐、そんな二人の言動にうっかりツッコミとしての本分を忘れがちな今立、とにかく三人のバランスが絶妙で、どんなコントでも常に新鮮な印象を与えていた。とはいえ、ここ数年の『コントの人』は、些かマンネリ感が漂っていた。過去のコントで見たことのあるキャラクターが何度も再利用されていたり、似たような展開のノリが見られたり、はっきりいってコントユニットとして成長が頭打ちになっているようにすら思えた。そんな近年の彼らに対するイメージを、本作はモノの見事に覆してくれた。どのコントも一つ一つがきちんと独立しているし、なによりクオリティが高い。

例えば、オープニングムービーの後に披露されているコント『お魚』。漁師町にやってきた今立が、ふと立ち寄った魚料理の店で新鮮なマグロ丼を注文するのだが、店員のやついと片桐の挙動がどうもおかしい……というシチュエーションコントである。『ヤッツンバーガー』『ヤッツン新聞』などに代表されるエレキコミックのシチュエーションコントのスタイルをそのまま踏襲したネタで、バカバカしくも勢いのある一作だ。ちょっとマニアックな小ネタが使われている点も、ニクい。この他にも、仲良し女子大生のグループがふとしたきっかけで距離を置き始める『卒業旅行の女たち』、やつい・片桐演じる二人のバカ生徒に作文を書かせようとする今立先生の奮闘ぶりを描いた『文集』、オバケを飼うために与えられた数々の試練に立ち向かう今立がコミカルな『トップブリーダー』など、どれもこれも面白い。

その中でも、とりわけ印象に残るのが『自己防衛SHOW』というコント。失敗しても傷つかないように保険をかける様子を対戦形式のSHOWとして描いたネタで、ここでは王者・片桐と挑戦者・やついの戦いが繰り広げられている。ただひたすらネガティブに自己防衛する王者・片桐と自己防衛の中に攻撃性を秘めている挑戦者・やついの違いがなんとも面白く、それぞれの芸風(性格?)の違いが上手く反映されている。が、ここで見るべきは、今立の傍若無人な司会ぶりだ。『シルシルミシル』などの番組でイラスト化されている“ワルな上田晋也”をそのまま実体化したようなビジュアルの今立が、オープニングでラッパを吹いたり、シンキングタイムで踊り狂ったり、とにもかくにもやりたい放題。コントの構成上、ツッコミという立場から解放された今立の一大パフォーマンスは、本作の中で最もバカだったといっても過言ではない……かもしれない。


■本編(82分)
「視点」「オープニング」「お魚」「卒業旅行の女たち」「文集」「自己防衛SHOW」「トップブリーダー」「前略」「栄麗片村の春」「エンディング」

■特典映像(9分)
「こぶし1」「こぶし2」

■副音声:エレ片3人によるコメンタリー

『新潮落語倶楽部7 桂歌丸』

新潮落語倶楽部 その7 桂歌丸 「おすわどん」「つる」「お化け長屋」新潮落語倶楽部 その7 桂歌丸 「おすわどん」「つる」「お化け長屋」
(2012/10/17)
桂歌丸

商品詳細を見る

■『おすわどん』(06年9月5日/17分33秒)

【あらすじ】周囲が羨むほどに仲の良い夫婦、お染と徳三郎。ところが、妻のお染がふとした病にかかってしまい、亭主の徳三郎を置いて先立ってしまう。その後しばらく、お染のことを思って後添え(新しい妻)を貰おうとはしなかった徳三郎だが、親類の勧めで新しい女房“おすわ”を迎え入れる。すると、毎夜毎夜、表の方からおすわのことを呼ぶ声が……。

怪談噺の趣が強い一席。そこは『牡丹灯籠』『真景累ヶ淵』などの怪談モノを得意とする歌丸師匠、こういう噺は手慣れたもの。ただ、ここに収録されている口演は、やや手慣れ過ぎちゃっているきらいあり。寄席という時間が細かく区切られている場所での収録ということもあってか、全体的に説明で省略してしまっているところが多く、また、通常よりも語り口がところどころ急ぎ気味。そのため、落語を聴いているというよりも、ただただ粗筋を聴かされているというような印象を受ける。個人的に好きな演目なので、この扱いはちょっと残念。

■『つる』(07年1月5日/18分58秒)

【あらすじ】毎度お馴染みの八五郎、ご隠居のところへ質問にやってくる。鶴が日本の名鳥だと聞いたんだけれども、鶴は本当に日本の名鳥なのか教えておくれ。その理由を伺っていくうちに、八五郎の中に新しい疑問が次々に浮かんできた。どうして鶴は、鶴と呼ぶようになったのか。聞いてみると、ご隠居はその名の由来を話し始め……。

教わったことを付け焼刃で覚えて失敗する、オウム返しの一席。噺のマクラに先代圓楽の話が出てくるあたり、時代の流れを感じる。ご隠居がそのまま現実に現れたかのような風体の歌丸師匠、こういうご隠居メインの噺はやっぱり得意。ただ、この日の口演はくすぐりが多すぎて、ネタそのものの良さがぼやけてしまっている。日付を見ると、正月間もない頃の収録。普段、落語を聴かない人でも、興味本位で寄席を訪れるというような時分だ。そういったお客に合わせて、笑いどころを多めにした……のかもしれない。

以上の二席は『NHK新落語名人選 桂歌丸』にも収録されている。こちらの方が出来が宜しいので、純粋に落語を楽しみみたいという人にはこちらをオススメ。

■『お化け長屋』(07年5月8日/25分32秒)

【あらすじ】とある長屋にて。空いている部屋を物置代わりに使っている住人たちに、たいそうご立腹の大家。新しい借り手を入れようと目論んでいる。そのことを知った長屋の古狸・杢兵衛は、部屋を借りに来る連中を追い返すために、ありもしない怪談噺をでっちあげる。ひとまず作戦は成功するが、続いてやってきた借り手が実に威勢の良い男で……。

これまた怪談噺の趣が強い一席。原典では、長屋の住人がお化けに扮装するくだりもあるらしいのだが、今現在は怪談噺で借り手を驚かせるくだりで止められることが多い。ここに収録されているのも、途中までのバージョン。これまた、ところどころが省略気味な口演だが、でたらめな怪談を語り上げるシーンは流石の迫力。また、ここの凄味があるから、後半のでたらめな怪談に茶々を入れられるくだりがとても面白くなる。全体の構成がよく出来ているネタなので、それを意識しながら聴くのもまた一興。オススメです。

『オンバト+』一月五日放送感想文

■THE GEESE521kb2,219票】※会場審査1位・視聴者投票1位
九戦全勝、今期二勝目。コント『ウソ発見器』。単独ライブ『Poetry Vacation』で披露されていた。コントのシチュエーションとしてはありきたりな取調室を舞台に、これまたありきたりなウソ発見器というアイテムを使っているにも関わらず、妙に新鮮な印象を与えられる。恐らく、ウソ発見器という道具そのものをテーマにせずに、あくまでも取調室でのやりとりに水を差すアクセントとしての役割に徹底していたからではないかと思われる。鑑識の驚くべき事実、意味のないチンピラのウソなど、笑ったくだりは少なくないが、今回はあえて終盤のシリアスな展開をベタに逃げなかった点を評価したい。ちなみに、彼らが529kbを叩き出したネタは『大人の階段』。

■ラバーガール【473kb/1,861票】※視聴者投票2位
十二戦全勝、今期四勝目。コント『怪談番組の打ち合わせ』。大水が話すヘンテコな怪談が中心となったコント。なんとなく漫才にも応用が出来そうな気がするんだけど、もしかしたらTHE MANZAIにかけようとしていたネタなんだろうか。大水の何を考えているのかよく分からない風体がそのまま反映されたような怪談が、いちいち面白い。ドッペルゲンガーに言い負かされる大水……想像するだけでニヤリとしてしまう。オチの捻くれた感じも好き。

■吉田たち【505kb/1,735票】※視聴者投票3位
四戦三勝、今期三勝目。漫才『友達とおかずの交換』。漫才のフォーマットそのものを試行錯誤している漫才師が多い昨今において、彼らははっきりとセンスで勝負しようとしているところがある。そういうところがストイックで好きだ。“日の丸弁当”をまったく別の言葉に置き換えてカッコつけようとするくだりには、本当に大きな声をあげて笑ってしまった。ただ、ここで大笑いしてしまったためか、その後の展開にはさほどハマれなかった。でも、良かった。次回の出場も楽しみ。

■助走【501kb/1,606票】
初挑戦初オンエア。助走は、プライム所属のお笑いコンビ“マイるどミルド”と“ブーブートレイン”によるユニット。どちらも番組では厳しい結果しか残していなかったので、今回のオーバー500には心底驚かされた。コント『級長選挙』。先生が読み上げる投票用紙の名前に三人の級長候補が踊らされる様は、フラミンゴの『フリ先生』を彷彿とする。三人が同じ行動をすることによる見た目の面白さを重視したネタだが、モノマネのくだりへのつなぎである“生徒が予想外の場所にいる”ボケがまったくウケていなかったので、今回はまぐれ当たりなんじゃないかと疑っている自分がいる。ただ、このオンエアをきっかけに急成長を遂げる可能性もあるので……まだまだ分からない。とりあえず次を待つ。

■ウエストランド【437kb/1,059票】
六戦五勝、今期二勝目。漫才『定食屋』。今回は、これまでに彼らが披露していた比較的オーソドックスな漫才ではなく、河本のちょっとしたボケに対して井口がどんどん脱線するツッコミを繰り広げていく、なんとも不可解な漫才を披露。ボケをきっかけにツッコミが笑いを取るというスタイルという意味では、バイきんぐのコントによく似ている。ただ、バイきんぐの様に切れ味で勝負するのではなく、むしろぐだぐだにとっちらかっていく様を見せた漫才で、物凄く面白かった。最終的には、事務所の社長からの扱いまでネタに取り入れる始末。なんでも武器に出来るものは投げつけてしまえと言わんがばかりだ。次にどんな漫才を持ってくるのか、とっても期待している。すっかりハマってしまった。

■今回のオフエア
369kb:リンシャンカイホウ
337kb:クレオパトラ
253kb:トップリード
229kb:じゅんいちダビッドソン
153kb:はまこ・テラこ

順調に高キロバトルで連勝を続けていたリンシャンカイホウが、初挑戦以来のオフエア。また、無傷の連勝中だったクレオパトラが、初のオフエアに。個性的なメンツが居並ぶ中では、些か地味に見られてしまったのかもしれない。しかし、なにより今回は、初代チャンピオン・トップリードのオフエアに驚かずにはいられない。前回は地方収録のオフエアだったのでまだ言い訳も出来るが、今回は東京収録でのオフエア。しかも、『オンバト+』での自己最低記録を更新! キングオブコントで負った傷が未だに癒えていないのか。どうにかして、調子を整えたいところ……。

■次回
アインシュタイン
あばれる君
勝又
Gたかし
ジグザグジギー
【初】ジャングルボーボー
だいなお
トレンディエンジェル
マシンガンズ
ラブレターズ

チャンピオン大会が近いので、次回もハイレベルな戦いが予想されるメンツが目白押し。あばれる君、Gたかし、ジグザグジギー、トレンディエンジェル、マシンガンズは今期三勝目狙い。アインシュタイン、勝又、だいなお、ラブレターズは今期二勝目狙い。……今から二勝目を目指しても、間に合うんだろうか。初挑戦のジャングルボーボーは、弾丸ジャッキーやヴィンテージ、こまつなどが属するニュースタッフエージェンシーのお笑いコンビ。

読めない!コミックビーム

読もう!コミックビーム (Beam comix)読もう!コミックビーム (Beam comix)
(2004/02/12)
桜 玉吉

商品詳細を見る

漫画雑誌『月刊コミックビーム』が手に入らない。

別にプレミアがついているとか、そういうことではない。近所の書店で売られていないのである。以前は、自宅からちょっと離れたところにある、ごく当たり前の書店でのみ売られていたのだが、このところあんまり見かけなくなってしまった。元々、そんなに数を仕入れていたわけではなさそうなので(基本的に一冊、多くて二冊しか置かれていなかったように記憶している)、他の新しい読者が先に購入するようになったのかもしれない。と、冷静に考えている場合ではない。毎月購入している雑誌を手に入れるルートが不安定というのは、読者にしてみれば、あまり芳しい状況とはいえない。書店で取り置きしてもらったり、ネットで注文したり、他にも様々な購入方法があるにはあるのだが、出来ることなら、最初から店が仕入れているモノをそのまま手に入れたいと考える私である。この考え方は、養殖よりも天然を重宝するようなもので、実に当然の思考であるといっていいだろう。

結果として、自宅から車で三十分くらいのところにあるエロ本屋にて発見したのだが、これだけのためにエロ本屋に入るというのは、なんだか腑に落ちない。エロ本ではなく『月刊コミックビーム』だけを購入するためにエロ本屋を訪れているのだという状況でも、仮にそれを第三者が見ていれば、エロ本を買いに行っているのだと勘違いされてしまう危険性がある。とはいえ、私ももうアラサーと呼ばれる年齢なので、その性欲が他者に明け透けになってしまうことに恐怖を感じることはないのだが、それでも、なにやら損をしたような気持ちになってしまう。やはり、そこには、恥と外聞を意識した僅かながらの感情があるのだろう。漫画雑誌の一読者でしかない私が、どうしてこんな精神的負担を追わなくてはならないのか。考えてみるに、これは『月刊コミックビーム』という雑誌が売れていない現状が宜しくない。売れないから、書店が仕入れない。書店が仕入れないから、欲しい人が買えない。欲しい人が買えないから、また売れない。堂々巡りの悪循環だ。

しかし、現在の『月刊コミックビーム』は、けっこう面白いことになっているように思う。それはなにも、実写映画化された『テルマエ・ロマエ』(ヤマザキマリ)や、アニメ化された『放浪息子』(志村貴子)などの話題作が連載されているから、というわけではない。非常に感覚的な物言いで申し訳ないが、なんとも一筋縄ではいかない、あえて言葉にするならば“B級作品”が増えているのである。そもそも雑誌自体がB級なのだから、当然といえば当然なのだが。例えば、マッドサイエンティストに肉体改造され殺人兵器となって襲いかかって来るクラスメートたちを、主人公がチェーンソーを駆使してばったばったと切り裂く『血まみれスケバン・チェーンソー』(三家本礼)、平平凡凡な日常を過ごしていた主人公が不可解な言動を取る女性と巡り合い、非日常的な生活へと誘われていくという、ラノベ的な設定であるにも関わらずまったくラノベ的ではない『いってミヨーン やってミヨーン』(羽生生純)、幼い我が子を失った経験のあるスナックのママの元に、借金取りに追われている旧友が五歳になる息子を預けていく『ママゴト』(松田洋子)などなど。某ジャンプや某マガジンや某ビッグコミックでは決して連載されないだろう、アングラ色の強いくすぶった大人向けな作品が実に多い。ちなみに、最近の私のお気に入りは、『目玉焼きの黄身いつつぶす?』(おおひなたごう)である。目玉焼きを始めとして、カレーライス、トンカツ、ライスなど、ごく当たり前な料理を食べるときの人それぞれの食べ方のこだわりについて描いた作品で、往年の(もとい現役の)泉昌之作品を彷彿とさせる。単行本になった際には、間違いなく定価で購入するだろう。そして、『食の軍師』(泉昌之)の隣に並べるのである。ああ、早く単行本にならないかな。

月刊コミックビーム 2013年 1月号 [雑誌]月刊コミックビーム 2013年 1月号 [雑誌]
(2012/12/12)
不明

商品詳細を見る

そんな『月刊コミックビーム』の2013年1月号に、“日韓友好祈念”として『B砲隊』という漫画が掲載されている。韓国の軍隊生活について描いた作品で、作者の李章源も元大韓民国陸軍士官だ。韓国が徴兵制を実施していることを知っている人は少なくないと思うが、その実態を知る人はどれだけいるのだろうか。少なくとも私は、その方面に関して、まったくの無知であった。そんな、知っているようで知られていない韓国の軍隊について、本作では実にケレン味を強めて描かれている。同作は三ヶ月の集中連載なので、今からでも十分に間に合う。興味のある人は、是非とも読んでいただきたい。そして、辛辣の表情でもって、叫んでもらいたい。「仮病だ!!」と。ちなみに同号には、かろうじて復活を遂げたと思われる桜玉吉による読み切り作品『深夜便』も掲載されている。相変わらずの淡々とした作風がたまらない。

以上、読めないコミックビームが読めるようになるための、宣伝コラムでした。

『ハーレーの唄』(所ジョージ)

ハーレーの唄ハーレーの唄
(2012/08/08)
所ジョージ

商品詳細を見る

所ジョージの最新アルバム『ハーレーの唄』を聴く。

『スパゲティーを食べましょう』『買ったものを持ちましょう』のような美しき日常バラード、『素敵な人達』『こっちが聞いてんだ』のようなイライラ社会批判ソング、『ガソリンを入れて出かけるんだ』『ハーレーの唄』のような車大好き専門用語まみれロックなどなど、所サンがこれまで歌ってきたことを年相応の視点で歌い上げている。数々の素晴らしきボーカリストたちの声色を駆使するという遊び心に溢れていた前作に比べると些か地味ではあるが、プロミュージシャンたちによる生々しいバンドサウンドを響かせていたり、misono・葺本光秀(ノブ&フッキー)・AIKA(Hyper Little Toy's)などのゲスト歌手をジョーダン抜きに招いていたり、ミュージシャンとしてはかなり充実してきたような印象を与えられた。

そんな中でも、所サンのおふざけ精神はちゃんと健在。特にキョーレツなのが、『本当のトイレの神様』『涙の輸送船』の二曲。前者は言うまでもなく、某トイレの神様の歌をパロった曲なのだが、とにかく内容が酷い。原曲に対するリスペクトも思い入れもへったくれもない、ただただ酷い楽曲に仕上がっている。

便所には それはそれは 意地悪な 神様がいるんだなもす
なかなかふきとれない時など 神様がも一回ウンコをつけている
振り向いちゃダメヨ 振り向いちゃ

(『本当のトイレの神様』より)


後者は、輸送船で運ばれている三ヶ月遅れのバナナが真っ黒ケになっていく様子を、歌謡曲の調子で歌っている曲だ。それだけならば今までと大して変わらないのだが(どんな“今まで”だよ!)、今回の曲では、そこへ更に某番組の決め台詞が加えられていて、それがとてつもないバカバカしさを生み出しているのである。この決め台詞が、とにかく凄い。具体的に書いてしまうと、初めて聴いたときの衝撃が薄れてしまうだろうから書かないが、この曲のナレーションに谷本貞美が参加していることだけは付け加えておく。

ある意味、全盛期の所サンが戻ってきたかのようなアルバム。良いデスヨ。
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

検索フォーム
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
月別アーカイブ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。