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『志の輔らくご in PARCO 2006-2012』ブルーレイBOXを買ったぞ、という話。

少し以前の話になるが、立川志の輔のブルーレイBOXを買った。

志の輔らくご in PARCO 2006-2012[ブルーレイ BOX] (<ブルーレイディスク>)志の輔らくご in PARCO 2006-2012[ブルーレイ BOX] (<ブルーレイディスク>)
(2013/02/15)
立川志の輔

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志の輔師匠は毎年1月にパルコ劇場で一ヶ月間ぶっ通しの落語会を開催しているのだが、本作は、その過去の口演で披露された珠玉の名作を収録した作品だ。落語がブルーレイ化されるのは、実はこれが史上初めてのこと。そんな歴史的な作品を見逃すわけにはいかないと思い、なけなしの貯金をはたいて買ったわけだが、これがなかなか素晴らしい。本棚に置いてあるだけで、なにやら雰囲気が漂っている。タダモノではないよ、タダモノでは……とでも言いたげな、そんな雰囲気が。実際、タダモノではない。

10枚の本編ディスクに1枚の特典ディスク(ボックス仕様限定)の合計11枚、その燦然と輝く内容は以下の通り。

1.『ガラガラ』(11年1月28日)
2.『狂言長屋』(09年1月26日)
3.『身代わりポン太』(10年1月30日)、『タイムトラブル』(12年1月21日)
4.『踊るファックス』(10年1月30日)
5.『ディアファミリー』(06年1月13日)
6.『七福神』(07年1月13日)、『だくだく』(11年1月28日)
7.『メルシーひな祭り』(12年1月21日)
8.『新版・しじみ売り』(07年1月20日)
9.『忠臣ぐらっ』(06年1月13日)
10.『歓喜の歌』(08年1月19日)
特典『柳田格之進』(09年1月26日)


古典落語は『だくだく』『新版・しじみ売り』『柳田格之進』の三席のみで、残りはズラッと新作落語。なかなか挑発的である。確かに、志の輔師匠といえば、『笑点』のチビメガネ師匠こと春風亭昇太師匠と並ぶ“新作の名手”として知られている。が、古典落語の完成度も高く、今回のボックスには収録されていないが、『死神』『抜け雀』『新・八五郎出世』『帯久』などの演目が高く評価されている。それらを差し置いて、新作重視のラインナップにしたという試み……「現在を切り取る新作落語を見よっ!」ということなのか、それとも「古典落語は第二弾でヨロシク!」ということなのか。いずれにせよ、挑発的である。

個人的には、新作中心のラインナップ自体に不満はない。ただ、ディスク一枚に対して落語が一席(たまに二席)だけというのは、もうちょっとどうにかならなかったのだろうか、という気持ちはある。当初は、画質を守るためなのかもとも思ったが、小林賢太郎の100分を超える舞台が片面一層の高画質ブルーレイディスクで世に出回っていることを考慮すると、それが理由であるとは考えにくい。とはいえ、NHKで長年に渡って情報番組の司会を務めている志の輔師匠が、銭に困っているわけでもないだろう。……となると、そこはやはり、立川志の輔という落語家のブランド性を守るために、あえて高値になるような仕様にしていると考えるべきなんだろう。なんとイヤラシイ戦略だろうか。それでも人間か。ええい、あんたは鬼やっ、鬼畜生やっ! ……それでも買わされてしまっているあたり、判断としては実に正しかったといえるが。まんまと、してやられたり。

以下、収録時間順に並べてみた。

23分:『タイムトラブル』、『七福神』
27分:『だくだく』
32分:『踊るファックス』
33分:『身代わりポン太』
39分:『ディアファミリー』
44分:『ガラガラ』
45分:『新版・しじみ売り』
47分:『忠臣ぐらっ』
50分:『柳田格之進』
52分:『狂言長屋』
55分:『メルシーひな祭り』
60分:『歓喜の歌』


『タイムトラブル』『七福神』『だくだく』『身代わりポン太』はそれぞれ1枚に2席ずつ収録されているから問題無いけれど、『踊るファックス』はちょっと短過ぎるよな。せめて40分は超えてほしい。あくまでニュアンスの問題だけど。ただ、1時間を切ってしまう時間設定って、けっこう日常的で鑑賞する際には丁度良かったりする。本編の途中で止めて、残りは明日……というやり方だと、どうしても中途半端な気持ちを抱えてしまうから。実際、先日ふとした時間の合間に『忠臣ぐらっ』を鑑賞したのだが、短い時間でスパッと楽しむことが出来て、実に気持ち良かった。……批判したいのか称賛したいのか、我ながらよく分からなくなってきたな。

まあ、せっかくだから、もうちょっと批判しておこう。個人的に、演目の選択に多少の不満がある。というのも……『歓喜の歌』『ガラガラ』『メルシーひな祭り』の三席は、既にソフト化されていて一般に流通している演目なのである(※リンク先参照)。それなのに、どうしてまたソフト化したのか。無論、それぞれ、以前のソフト化とは違うバージョンを収録しているので、多少の変化が見られるという意味ではむしろ有難いのかもしれないが、この三席が入ることで別の三席が入れなかったこと、そんな佃祭的な状況を思うと、どうも素直に受け入れられない。中でも『歓喜の歌』は、これで三度目のソフト化だ。どんだけ歌うんだよ! ていうか私、全部持ってるんだよ! 映画も観たよ! せっかくの面白い落語を、どうしてあんなつまんn

(……閑話休題……)

落ち着きました。えーと……肝心の画質・音質は、流石はブルーレイだなと言ったところ。志の輔師匠の表情の変化が微細まではっきりと認識できるし、DVDではなかなか伝わりづらかった空気の音も感じられる。本来、落語という芸能は、落語家と観客が一緒になって作り上げていく空間そのものが作品となっているので、DVDよりも高画質・高音質で臨場感たっぷりなブルーレイの方が圧倒的に適しているのである。これをきっかけに、もっともっと色んな落語がブルーレイになっていけばいいのになあ……と思っていた矢先、『映画 立川談志 ディレクターズ・カット』のブルーレイ版がリリースされることが決定。映画とはいえ、落語もきちっと収録されているようなので、その出来栄えが今から楽しみである。
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2013年3月のリリース予定

06『GREATEST HITS』(レイザーラモンRG)
27『シティボーイズミックスPRESENTS 動かない蟻
27『チュートリアリズム4』(チュートリアル)
27『第14回 東京03単独公演「後手中の後手」

やたらとリリース量の少ない3月。年度末って、もっといっぱいリリースがあった印象があるんだけれども……こういうところでブームの終焉をしみじみと感じてしまうネ。個人的に気になる作品は上記の四作品。最新鋭のナンセンスコントを繰り広げる三人の初老“シティボーイズミックス”の新作は2011年の公演を収録したモノ。年に一度のペースでリリースされていたのが急に途切れると、変に焦るよね。M-1グランプリ2006チャンピオン“チュートリアル”は2010年3月以来の新作リリース。あの頃はまだ、福ちゃんは健康だったなあ。……いや、もう病気になった後だっけ?(記憶が曖昧) しかし、3月の注目作は、なんといっても“レイザーラモンRG”の新作! どういうことになってるんだか。

その他、6日に『NON STYLE 12 後編 ~2012年、結成12年を迎えるNON STYLEがやるべき12のこと~』、13日に『月例三三「一」ノ巻-柳家三三20周年DVD-』、20日に『THE NEWSPAPER LIVE 2012』、22日に『瀧川鯉昇 落語集 「千早ふる」「質屋庫」』『柳亭市馬 落語集 「雑排」「淀五郎」』などがリリースされる予定。柳家三三師匠は、柳家小三治師匠のお弟子さんで、今注目の若手落語家。3月から三ヶ月連続でDVDをリリースするとのこと。三枚組を三ヶ月連続……凄いな! それと同じくらい凄いのが、27日にリリース予定の『東京03 DVD-BOX』。過去にDVD化された公演を全て収めるというとてつもないボリュームにも関わらず、安い!

テレビ関係では、
所さんの世田谷ベース VIII
モヤモヤさまぁ~ず2 DVD-BOX(VOL.16、VOL.17)
モヤモヤさまぁ~ず2 DVD-BOX(VOL.18、VOL.19)
戦闘中 第2陣 ~battle for money~ 大江戸忍大戦
竹山のやりたい100のこと ~ザキヤマ&河本のイジリ旅~ イジリ4 マイクロは寝ろよ!の巻
竹山のやりたい100のこと ~ザキヤマ&河本のイジリ旅~ イジリ5 死んだらここに埋めれがいいが!の巻
ごぶごぶBOX6
東野・岡村の旅猿2 プライベートでごめんなさい… 山梨・甲州で海外ドラマ観まくりの旅 プレミアム完全版
ロケみつ ザ・ワールド 桜 稲垣早希のヨーロッパ横断ブログ旅27 オーストリア編 その(1)
ロケみつ ザ・ワールド 桜 稲垣早希のヨーロッパ横断ブログ旅28 オーストリア編 その(2)
アメトーーク! DVD 25
アメトーーク! DVD 26
アメトーーク! DVD 27
がリリースされる予定。こっちは年度末らしく、しっかり多いな!

その中でも注目は、『ダウンタウンの前説 vol.1』『ダウンタウンの前説 vol.2』。トークバラエティ番組『ダウンタウンDX』で収録前に行われているという、ダウンタウンによる前説をドドーンと収録しているとのこと。フリートークともコントとも違うダウンタウン……気になるよなあ。

『サンドウィッチマン ライブツアー2012』

サンドウィッチマン ライブツアー2012 [DVD]サンドウィッチマン ライブツアー2012 [DVD]
(2013/02/06)
サンドウィッチマン

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『サンドウィッチマン ライブツアー2012』を観る。

サンドウィッチマンは、1998年9月にお笑いトリオとして結成された。しかし、後にメンバーの浜田ツトムが脱退(浜田は現在“メインストリート”というコンビで活動中)、残された伊達みきおと富澤たけしのコンビとなる。ブラック色の強いネタを作り続けていたためか、なかなかテレビに取り上げてもらえなかったが、ライブの模様を目にしたスタッフに見出されて、2005年5月に『エンタの神様』に初登場。その後、『M-1グランプリ2007』で敗者復活戦からの決勝進出、優勝を果たし、一気に注目を集める。また、『キングオブコント2009』にも出場、決勝進出を果たして準優勝となる。現在は、出身地である宮城県を中心に活動している。本作には、2012年9月から10月にかけて開催された全国ツアーから、東京公演の模様が収録されている。

漫才もコントも器用にこなせる実力派のサンドウィッチマン。その確かな技術力は、単独ライブでもしっかりと活かされている。ジムの会員になりたいという伊達が、坂本一生みたいな格好をしたトレーナーに話を聞くのだが、その詳細を知るごとに不安を覚えていくコント『スポーツジム』を始めとして、押し入って縄で縛りあげた住人の思わぬ正体に泥棒大ピンチな『泥棒』、単独ライブではお馴染みの富澤扮するアウトローな男が学習塾に姿を現す『学習塾』など、いずれも安定感のある笑いに包まれている。勿論、漫才もしっかりと面白い。特に、ライブの最後に披露された、伊達が「コーフンしてきたな」とお馴染みの言葉を口にする漫才コント『漫才 ~寿司屋~』は、やや下ネタの度合いが強まっているものの、六分でスパッと終わらせていて、単独ライブで披露されているとは思えない切れ味の良さが素晴らしかった。

ところが、本編の鑑賞後、妙に物足りなさを覚えている自分に気がついた。どのネタも確かに面白かった筈なのだが、どうしてなんだろうか。しばらく考えているうちに、伊達がボケたいだけボケまくるスタイルのコント『いたわる男』の仕業だということに気が付いた。もはや単独ライブではお馴染みの伊達メインのコントだが、過去の公演では、その後には口直しとして、ちゃんとした(?)富澤メインのコントが演じられていたのである。しかし本作は、伊達メインのコントの後に口直しのコントが収められておらず、そのまま最後の漫才が入ってしまっている。しかも、この最後の漫才は、先にも書いた様に六分程度でスパッと終わるタイプのもの。つまり、伊達メインのコントの余韻が残ったまま、本編が終了してしまっているのである。それ故の物足りなさなのだ。なんとも惜しい。

それでも特典映像の出来次第では取り戻せていたかもしれないが、今回の特典映像は過去のそれに比べて、そこまで面白くはなかった。サンドウィッチマンがお互いに関する問題を答えていく『相方検定!』、伊達の天才的(?)なイラストをクローズアップした『サンドウィッチマンの絵心チェック』などは、企画としてはちょっとオーソドックス過ぎたし、サンドウィッチマンあるモノをパクったという某芸人を糾弾する『おい狩野!謝罪せよ!』は、彼らじゃなくても某イケメン芸人さえいれば成立する企画だった。もし、昨年のラーメン作り一昨年のフェイクドキュメンタリーの様なインパクトのある企画があれば……重ね重ね惜しいと言わざるを得ない。

とはいえ、ライブのバックステージだとか、伊達のさじ加減でどんどんネタが変わっていく『いたわる男』の各地方公演ごとの違いだとかを収録していて、かゆいところにはちゃんと手が届いている一作ではある。贅沢さえ言わなければ、ちゃんと楽しめるのではないかと。……でも、惜しいんだよなあ……(まだ言うか)


■本編(62分)
「スポーツジム」「漫才 ~救急車+家庭訪問~」「泥棒」「学習塾」「いたわる男」「漫才 ~寿司屋~」

■特典映像(76分)
「相方検定!」「おい狩野!謝罪せよ!」「サンドウィッチマンの絵心チェック」「ラジオ」「マネージャー撮影によるライブツアー舞台裏」「いたわる男 名場面集」

※日本語字幕アリ

『爆笑オンエアバトル』に挑んだ落語家たち

1999年4月の放送開始以後、数々の若手芸人たちを発掘し、世に送り出してきた“史上最もシビアなバラエティ番組”『爆笑オンエアバトル』。百人の一般審査員たちが若手芸人のネタを審査、十組中上位五組のネタが全国に放送されるというゲーム性を含んだシンプルなシステムが人気を集め、ゼロ年代のお笑いブームを席巻したバラエティ番組の大半が終了していった中において、この番組は今現在も『オンバト+』とタイトルを改めて放送され続けている。

この『オンバト+』において、2011年に初めて“落語”がオンエアされた。座布団の上に座って、着物を身にまとった人が、手ぬぐいや扇子を使いながら話をする……あの落語である。しかし、『オンバト+』の舞台で初めて落語を演じた芸人は、実は落語家ではなかった。その芸人の名は、メンソールライト。メンソールライトは太田プロに所属するピン芸人で、それまで番組では立ち飲み屋でだらだらと話をしているくたびれたサラリーマンという設定の元、漫談を披露していた。ところが、その日の彼は、どういうわけか『オンバト+』の舞台に高座を持ち込み、着物姿で新作落語を演じたのである(……まあ、ほんとのことをいうと、普段の彼が漫談でやっていることを落語スタイルにしただけだったのだが)。

放送後、番組ファンの間では、メンソールライトの話題で持ちきりだった。「『オンバト+』の舞台に落語がやってきた!」と誰もが口にした。それほどまでに、『オンバト+』の舞台の上の高座は衝撃的だったのである。だが、実はオンバトの舞台で落語が演じられたのは、これが初めてではない。『爆笑オンエアバトル』時代には、何人かの落語家が番組に挑戦しているからだ。今回の記事では、アウェイともいえる『爆笑オンエアバトル』のステージに挑んだ落語家たちをまとめてみよう。

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鳥居という名の悪夢、或いは。

2012年9月に開催された鳥居みゆき単独ライブ『狂宴封鎖的世界「方舟」』のDVD化が決定した。


とはいえ、一般に流通されるわけではなく、過去に鳥居の単独ライブをDVD化したことのあるコンテンツリーグのホームページでのみ取り扱われることになるらしい。その理由は、「過激すぎるから」だという。

テレビ番組では、その珍妙なキャラクターばかりが取り上げられている鳥居だが、その単独ライブはとにかく完成度が高い。不気味で陰鬱な舞台上で繰り広げられる小ネタの数々は、常に観客を爆笑と困惑の渦に巻き込んでいく。そんな鳥居の単独は、むしろ“過激”じゃないことが無かった。そのエグさは、死人が出るのは当たり前、不謹慎ギャグも飛び出せ去年グソといった具合。そんな鳥居の単独が、過激であるからと一般流通されないという。……一体、どれほどの内容なんだ!

現在、価格や収録時間などの詳細は、一切公表されていない。

『笑わせて笑わせて 桂枝雀』

笑わせて笑わせて桂枝雀笑わせて笑わせて桂枝雀
(2003/05)
上田 文世

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“上方落語の爆笑王”と呼ばれた、二代目桂枝雀の人生を綴ったレポート。

落語家には変わり者が多い。もとい、変わり者だからこそ、落語家になったのだというべきか。まあ、卵が先か鶏が先かというような話になってしまうので、そこは掘り下げない。とにかく、落語家には変わり者が多くて、だからこそ珍妙なエピソードに事欠かない。事欠かない、が……こういう時に具体例を挙げるなどという当意即妙の対応を取れるほど、私は器用ではない。まあ、そういったエピソードを集めた芸談本の類いは、それこそバカみたいに世に出回っている。テキトーなのを手にとって、読んでみるといい。何事も勉強だし、なにより私は義務教育じゃないんだから……っと、余談が過ぎた。

桂枝雀のエピソードは、それら既存の落語家たちのエピソードとは少々赴きが違う。これまで、落語家に関するエピソードといえば金とエロスとヒロポンにまみれていることが多かったのだが、枝雀のエピソードはいちいち“天才”じみている。やれ、中学校での成績はオール5だっただの、やれ、養成工の入学試験の成績は最高点(数学と英語は満点に近い)だっただの、やれ、学校の先生に死生観を説いていただの、とにかくとんでもない。それでいて、お笑いのセンスも天才的だった。高校二年生の時には、弟と一緒に視聴者参加ラジオ番組『漫才教室』にて漫才を披露し、あーっという間に人気者になった。また、これが縁となって、桂米朝の元に入門することが許されたというのだから、なんとも恐ろしい高校生である。

その天才ぶりを分かりやすく示したエピソードがある。以下、枝雀の実姉の証言より。

「駅前の本屋さんで、付けで本を買うてました。演芸関係でなくて、哲学書みたいな本だった。ある程度本がたまると、達(※枝雀の本名)はそれを束にして古本屋に持っていく。苦しい家計の中で母親に負担させて、売っても大したお金にはならんのにと非難したら、達がこう言うんです。「活字はもう全部、頭の中に拾うてしまったんやから、この本はもう白紙と一緒や」って。達らしい理屈やなあと思いました」


読み返すという発想が無い!

そんな枝雀だが、とにかく稽古の鬼だったという。

といっても、弟子に対して鬼だったのではなく、自分に対して鬼だった。米朝の弟子だった頃のエピソードとして、米朝夫人・きぬ子さんが言うには「掃除機を使いながらもネタを繰る。そうなるともう、周りが見えませんからね。ホースをガラス窓にぶつけてはガチャーン、花瓶を倒してはガチャーン」と、失敗りもしていた。「繰り始めたらオチまで行かないとやめないんです」とは、米朝事務所の小林氏の談。「店の前に立っても終わらない。着席しても終わらず、店の人がビールを持ってきてもまだやってる」。

四番弟子の桂雀々師匠によると、「師匠はネタを書いた六十枚のメモ用紙を棚に置いていて、それをサッと引き出して、おっ『軒付け』かとか言って、繰りながら家を出る。サゲの時がちょうど家の前で、そこでドアを開けて帰ってくる。そしてまたカードを引いて、今度は『不動坊』かと言って、また家を出る。多いときは、四、五回もそんなこと、やってました」とのこと。

活字を拾ったからと読んでしまった本をとっとと売ってしまう枝雀。にも関わらず、ことあるごとに落語の稽古を繰り返していた。その理由について、枝雀は妻や弟子にこう語っていたという。

「世間の人は一日八時間は働く。我々は一席語って、せいぜい三十分か、四十分。世間さんが働いてる分、我々はちゃんと稽古しとかんと、顔向けが出来ん」


本書には、これら枝雀の天才的エピソードの数々のみではなく、海外公演をするまでに至った“英語落語”の話、理想を追求するあまりに陥ってしまった“鬱”の話、そしてその悲劇的な最期に至るまでのプロセスが、丁寧な取材と調査を元に書かれている。また、妻と長男が語る父親としての枝雀、八人の弟子たちが語る師匠としての枝雀についての対談も収録されている。そこには、筆者の並々ならぬ枝雀への強い想いが溢れている。

最後に、枝雀と親交の深かった落語作家・小佐田定雄氏の言葉を引用する。

「物凄い人でした。理論の裏付けを持って、上方落語を語れる人でした。天才だったという人がいます。確かに天才でしょうが、稽古するのにだれない天才でした。稽古することで、あれだけの大きな成果を獲得していった。私はそう思います」

『オンバト+』二月十六日放送感想文

■ムートン493kb/1,507票】※会場審査1位・視聴者投票2位
八戦五勝、今期二勝目。コント『口出ししてくる男』。喫茶店で隣の席に座った男が、着てる服や体型、使っているパソコンなどに口を出してくるのだが……。「知っている様な素振りをする→確認する→そんなわけないじゃ~ん!」という流れのベタベタさが、たまらなく面白い。ある程度、流れが固まってきたところで、「無職じゃ~ん!」と聞いてもないことを勝手に喋り始める不意打ちも絶妙。ねっとりとしたキャラクターも相まって、非常に完成度の高いコントになっていたように思う。ただ、一回くらいは、裏切りがあっても良かったような。

■ウエストランド【465kb/1,175票】
八戦六勝、今期三勝目。漫才『ファーストフードの店員』。導入でいきなり河本がネタを間違えるミスをかましてしまうが、井口が機転を利かせて上手く取り返す。元来、河本のボケをきっかけで井口のツッコミが過剰に炸裂するスタイルの漫才だからこそ、成し得た業だといえるだろう。まあ、『牛丼屋』だろうと、『ファーストフード』だろうと、やっていることはそこまで変わらないし……というのは禁句なんだろうか。肝心のネタは、相変わらず勢いがある。フリに乗っかるカタチで「YouTubeの歌ってみた動画」「遊び誘った女子」「だるまさんが転んだ」へと言及する様子が、下らなくって面白い。言い回しも絶妙。とはいえ、自己言及に偏り過ぎている点は否めないので、そこをどうするか。

■TAIGA【469kb/2,128票】※視聴者投票1位
四戦二勝、今期初オンエア。コント『二時間ドラマで一番最初に殺されちゃう人セレクション』。とどのつまりは“死亡フラグ”をコント形式で演じるというネタなので、どうしても昨年九月にゴールドラッシュが披露していたコントを思い出さざるを得ない。とはいえ、死亡フラグが立つたびに暗転、そして断末魔という流れのベタさがたまらなく面白かった。また、二時間ドラマっぽい演技が上手いんだよなあ……オチもちょっと捻っていて、最後まで楽しめた。見せ方次第では、使い古されたネタでも十分に活きるという好例。

■吉田たち【429kb/930票】
六戦五勝、今期五勝目。漫才『吉田たちの終わり』。両親の離婚に伴い、名字が変わることになったので、吉田たちももう終わり……というわけで、コンビの思い出を振り返っていく。コンビ結成当初の話から、コンビで初めて作ったネタの話までは順調に進行していたが、「吉田姓になるために会場にいる吉田さんたちに婿養子を頼む」くだりで一気に失速。変に生々しかったことが原因だろうか。また、両親が離婚する……という話がマジかネタかをはっきりさせなかったのも大きかったか。個人的には「果汁と果肉のコント」が面白かった。

■ヒデヨシ【465kb/1,401票】※視聴者投票3位
七戦五勝、今期三勝目。コント『はじめてのおつかい』。子どもに初めてのお使いを頼む父親、ところがその数が尋常じゃない。一見すると、ジャルジャル以降に大量発生しているシュールコントの様だが、要所に分かりやすいボケを散りばめているので、内容はむしろ分かりやすい。ただ、父親がボケる度に緊張感が薄れるため、盛り上がりには欠ける。オチが投げっぱなしなのも良くない。「やーめーてー!」で終わらせるくらいなら、父親が素に戻って「じゃ、これメモだから」「最初からそれを渡してよ!」みたいにした方がスマートじゃないか? しかし、この親子設定のコントもすっかり板についてきた。ここらでひとつ、大きな当たりを見せてもらいたいが……。

■今回のオフエア
333kb:アイデンティティ
305kb:クレオパトラ
297kb:シオマリアッチ
273kb:東京アヴァンギャルド
221kb:ケチン・ダ・コチン

チャンピオン大会出場のために今期四勝目を狙っていた、アイデンティティ、クレオパトラ、ケチン・ダ・コチンが揃ってオフエアというまさかの展開に。クレオパトラはこれで自身初の連敗を記録。早々にオンエア戦線に復帰したいところ。アイデンティティは今期最後の収録に参戦予定。リベンジを誓う。

■次回
ウエストランド(3)
THE GEESE(3)
コマンダンテ
コンパス(1)
ジグザグジギー(3)
【初】デニス
ヒカリゴケ(4)
響(3)
風藤松原(3)
リンシャンカイホウ(3)

今期の通常回も残すところあと二回。……ってなわけで、チャンピオン大会出場を狙う今期三勝組が六組と、なんだかゴチャゴチャした感じに。ウエストランドに至っては二回連続の出場と、なんだか駆け込み乗車的な様相を呈しております。そんな激戦区に、何故かそこそこ知名度のある東京吉本所属のお笑いコンビ、デニスが初出場。かき回しそうな予感。

『オンバト+』二月九日放送感想文

■ポラロイドマガジン521kb2,360票】※会場審査1位・視聴者投票1位
初出場初オンエア。コント『学級会』。文化祭へ出店する飲食店で出すメニューを決める学級会に参加する生徒、一人一人の名前と個性が都道府県。発想自体は割と安直だが、上手く工夫している。東京と周辺の県が絡み合うくだりも良かったが、他所のクラスの生徒(=外国)が登場するタイミングが素晴らしい。ちょっと風刺っぽくまとめるオチも、上手くハマッていた。あのオチで投票を決めたっていう人も少なくないんじゃないか。次も楽しみ。

■スパローズ【389kb/1,138票】
六戦一勝、今期初オンエア。漫才『18年間』。売れない芸人を続けてきて18年間、その重みを語り上げる。喋りは立ってるし、笑いのポイントも明確に突いているのに、どうしてこういう漫才を演り続けているのかが分からない。他にアイデンティティが無いのかもしれないが、なんとも勿体無い話だ。確かに、一つ一つのくだりは面白かったのだが、芸人として売れていないことを前提としているため、どうしても楽屋話的な印象を受ける。それを凌駕する、キャプテン渡辺の様な鋭い観察眼も見受けられない。もっと新しいフォーマットを探した方が良い。……いや、探しているのか。多分。

■THE GEESE【389kb/1,241票】※視聴者投票3位
十戦全勝、今期三勝目。コント『屁』。だらだらと雑談を繰り広げている友人たちの風景。そこにふっと流れる、美しいメロディの正体は……。売れない悲哀を漫才にぶつけたスパローズの後とは思えない、爆発的下らなさ! これも発想は安直なんだけど、それを実行したということに意味がある。終盤の展開は意外と考え込んだのでは。オチの一言の、じわーっとくる面白味がたまらない。

■Gたかし【361kb/1,384票】※視聴者投票2位
七戦五勝、今期三勝目。『ものまね紙芝居』。内容ははっきり言っていつも通り。猪木、ボビー、藤岡弘、と、お馴染みの登場人物による童話パロディで、モノマネよりもイラストが面白いのもいつも通り。まあ、七人の小人に扮した藤岡弘、探検隊のくだりには、ちょっと笑ったが。それにしても、今回は短かった。六組オンエアということで、カットが入ったのだろうか? ……それはそうとして、どうしてGたかしって視聴者投票での支持率が高いんだろうなあ。文句があるわけではないけれど、なんだか不思議。で、現在、視聴者投票からチャンピオン大会に出場できそうな雰囲気がちょこちょこ。果たして。

■オキシジェン【445kb/878票】
四戦全勝、今期三勝目。漫才『アイドルの握手会』。女性アイドルは大変だ、握手会で何千人とも握手しないといけないし、たまにヘンな人も来るだろうし……という流れから、握手会コントへ。内容・構成、ともに“お手本”と言ってもいいくらいにオーソドックスだが、落ち着いたトーンのボケとメリハリのついたやりとりに思わず笑ってしまう。かつてプロレス技を使ったコントを演じていたコンビとは思えない、物凄い達者ぶりだ。まだまだ「ならでは」のネタが作られていないように思うが、これからの成長に期待したい。いや、ホントに。

■メンソールライト【361kb/963票】
九戦七勝、今期四勝目。漫談『子どもが出来たよ』。最近子どもが生まれたメンソールライトが、それに関するエピソードを語る。くたびれたサラリーマンが立ち飲み屋でだらだらと話をするスタイルの漫談を披露し続けてきたメンソールライトが、遂に王道の漫談スタイルで登場。シュッとしたスーツで現れ、マイクスタンドの前でおどけてみせるという、太田光リスペクトな動きを見せた。ただ、肝心のネタが惜しい。オチまで殆ど笑いの無い話はまだいいけれど、全体がまとまっていないのはいけない。赤ちゃんが出来た話の流れに、彼女が出来なかったのはETの呪いだったって話、必要だった? 逆に言えば、全体に統一感が出るようになれば、一気に面白くなるような気がする。ふてぶてしいキャラクターに見合った実力派漫談家になったらいいなあ。

■今回のオフエア
329kb:キクモトスズキ
321kb:アナログタロウ
285kb:笑撃戦隊
257kb:スパイク

初のオンエアを獲得したスパローズに対し、アナログタロウは今回もオフエア。安定感はあるんだけどな。ナベプロの漫才師、笑撃戦隊もなかなか勝てない。腕はあるコンビなのだが、何がいけないのか。スパイクは初の連敗。絶好調のニッチェになんとか追い付きたいところ。

■次回
アイデンティティ(3)
ウエストランド(2)
クレオパトラ(3)
ケチン・ダ・コチン(3)
シオマリアッチ(0)
TAIGA(0)
【初】東京アヴァンギャルド
ヒデヨシ(2)
ムートン(2)
吉田たち(4)

今回もチャンピオン大会出場を目論む芸人が多数登場。好記録を連発しているケチン・ダ・コチンは、十分にチャンピオン大会出場圏内。今度はどんなメロディを奏でるつもりなのか。当たれば大きいアイデンティティは、既に3月の出場が決まっているが……どうなんだ? この二組より少し合計キロバトルが低いクレオパトラ、ここらで好記録を狙いたい。既に四勝している吉田たちは、合計キロバトルを上げるために今期五度目のオンエアを狙う。初出場の東京アヴァンギャルドは、トゥインクル・コーポレーション所属の男女コンビ。台風の目となるか。

『R-1ぐらんぷり2013』ぐったり批評

端的に言うと面白かった。それ以上の感想は以下の通り。

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『R-1ぐらんぷり2012』がっつり批評

10thアニバーサリー R-1ぐらんぷり2012 [DVD]10thアニバーサリー R-1ぐらんぷり2012 [DVD]
(2012/09/19)
V.A.

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そろそろマジメに批評してやろうじゃねえか、と、意味無く上から目線。

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『マチェーテ』

マチェーテ [Blu-ray]マチェーテ [Blu-ray]
(2011/08/24)
ダニー・トレホ、ジェシカ・アルバ 他

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ダニー・トレホ主演、2010年公開のアメリカ映画。

いきなり話を脱線するけれど、ダニー・トレホって名前がなんだか素敵だ。ダニーの部分はどうでもいい。問題はトレホだ。なんだ、トレホって。思わず口にしたくなる、なんとも魅力的な響きじゃないか。この名前を口にしたいがために、この映画の感想をアッチコッチで口にしたい。「『マチェーテ』っていう映画が面白くってさ。マチェーテっていうのは主人公の名前で、演じてるのはダニー・トレホっていう俳優さんなんだけど……」とか言いたい。ベッドで眠っている恋人に、ささやくようにそっと耳元で「トレホ」って言いたい。いや、最後のは流石に冗談だけど、でも良い名前だと思う。トレホ。ちなみに、トレホは本作で“みうらじゅん賞”という珍妙な賞を受賞、選考したみうらに「オレもこの先、ジジィになってもトレホでいくよ。トレホで」と言わしめているけれど、多分みうら氏もトレホって言いたかっただけなんじゃないかと思う。いや、知らないけど。

『マチェーテ』の舞台はアメリカのテキサス。かつてメキシコで連邦捜査官をしていたマチェーテは、その正義感が故に麻薬王トーレスと衝突、妻と娘を殺されてしまう。それから3年後、マチェーテはテキサスで不法移民の日雇い労働者をしていたのだが、ある時、ブースという男からメキシコからの移民を弾圧している政治家、マクラフリン上院議員の暗殺を依頼される。多額の報酬金と命の保証を理由に依頼を受けたマチェーテは、マクラフリンの暗殺に乗り出すのだが、そこで逆に狙撃を受けてしまう。突如、追われる身となってしまったマチェーテ。やがて彼は、この一件の背景に、トーレスが関わっていることを知る。

とどのつまりは復讐劇なんだけれども、その他の要素がゴチャゴチャに絡まっているので、途中からは死んだ妻と娘のことなんざすっかり忘れてしまう。まあ、しゃーない。なにせ、まるでハイテンポな漫才を観ているかの様にスパッスパッと後腐れなく展開するストーリーが、ただひたすらに軽快でたまらない。悪役はブッ殺すわ、美女と一緒に寝まくるは、もうイケイケトレホが満載。内臓をえぐり出しちゃうシーンも、ちょっとしたアクセントということで受け入れてしまう。「おいおいトレホ、その内臓どうしちゃうってのさ? あ、ちょんちょん」と思わず広川太一郎口調になった観客の期待に応える、マチェーテの最適な内臓利用法も必見だ。ただ、この映画のグロ要素は前半に固まっていて、後半は割と真っ当なアクション映画に仕上がっている。コミカルなシーンも多い。鑑賞中、何度も「チョイとお待ちよトレホさん!」とツッコミを入れたくなること、間違いなしだ。

エログロなシーンも少なくないけれど、基本的にはトレホがむーっな表情でバッチコーイしまくっているのが魅力の映画。セガールやデ・ニーロもマンキンの表情で登場、素晴らしい活躍を見せている。惜しむらくは、マチェーテが兄として慕っている男を演じているチーチ・マリンが、その存在感の割にあんまり活躍していなかった点。もっとかっくいいところが観たかったよ、兄さん!

誕生日の話

28歳になった。

28歳。未知の年齢だ。まあ、どんな年齢であろうとも、未知であることには違いないが。しかし、漠然と重ねてきた日々がこうして一つの通過点へと繋がり、また新たなる通過点へと向かって行くことについて、大人というのはどうも鈍感で、それをはっきりと実感しないと、それが 未知であるということを忘れてしまうのだ。

自分の年齢や誕生日を忘れてしまっている人をたまに見かける。幼い頃は、どうして自分の年齢や誕生日を忘れることが出来るのだろうと不思議に思っていたものだが、いざ自分が大人になってみると、忘れてしまう人の気持ちが実によく理解できる。結論から言うと、大人になると年を重ねるという現象に対する興味が薄れてしまうのだ。自分は漠然とした“大人”であって、今後、そこから大きく変わることはない。“青年”“中年”“老年”という曖昧なカテゴリーには多少の反応を示すが、細かい年齢の重なりにはさほど興味を抱かない。彼らが年齢を深く噛み締めるのは、2桁目が変わる時だ。29歳、39歳、49歳、59歳……ここから上になると、もう何にも興味を持てなくなる。誕生日になっても、ケーキを買ってろうそくを立てるということはしない。ろうそくを立てるのは仏壇だけで、やることといえば緑茶をすすりながらおはぎを食らうばかりである。無論、決めつけに過ぎないが。

それにしても、よもや28歳になるまで、親のすねをかじり続けているとは思わなかった。幼い頃に思い描いた私の将来像といえば、20歳後半には既に結婚をしていて、子どもも一人くらいいて、英才教育にロバート・ジョンソンでも聴かせている……というようなものだったが、今の私といえば、実家でのんべんだらりとクダを巻き続け、演芸・落語の類いに親しみ、自室は関連書籍や音源で占領されているというような状況である。もし、幼い頃の私が今の私を見たら、どう思うだろう。失望はしないだろうが、「ちょっとは部屋を片付けろよ」とは思うかもしれない。そうなると、私は「お前だって母親に部屋を片付けてもらってるくせに」と返すだろう。……昔からちっとも変わっていない。まあ、28歳になってはみたものの、相変わらずだよーっと、忌野清志郎の曲ばりに思っている次第である。九月じゃなくて二月だけど。

以上、28歳の私でした。

あ、せっかく28歳になったので、何か変化をつけてみようと思って、試しにブログのタイトルを変えてみた。正直、これまでの『藝人狂時代』は、なんだか格好つけ過ぎているきがしていたので、どうだろうとも思っていたので。とはいえ、これを正式名称にするかどうかは分からない。また変わるかもしれないので、その時もひとつよしなに。

追記。新しい名前をつけてみたものの、まったくしっくりこなかったので、戻しました。まあ、28歳になっても、こんな感じです。はい。

『オンバト+』二月二日放送感想文

トレンディエンジェル【453kb/1,908票】※視聴者投票2位
五戦四勝、今期四勝目。漫才『モデルになりたい』。前半は既出のギャグの多さに少々戸惑い、中盤はさほど盛り上がらずにこのままで大丈夫なんだろうかと不安を覚えたが、後半の「きゃりーぱみゅぱみゅ」のくだりでグッと掴まされた。総じて、安定して笑うことは出来たが、その一方で不満も少し。幾らなんでも、ちょっとギャグの使い回しが過ぎるので、そこはもうちょっと控えめにしていただきたい……。

ケチン・ダ・コチン469kb/1,657票】※会場審査1位・視聴者投票3位
七戦六勝、今期三勝目。コント『絶望のレクイエム』。ファンタジーじみた特殊なシチュエーションにときめきそうになるが、その内容はとてつもなくベタなボケを散りばめた無難なコント。シチュエーションを活かすために、あえてベタなボケにしていたのかもしれないが、それにしたってベタ過ぎ。もう少しファンタジーな設定を活かした展開があれば、もっと良くなっていたんじゃないかと思う。最初の「この歌聴いたら死んじゃうよ~♪」は、けっこう笑ったが。

ヒューマン中村【433kb/2,095票】※視聴者投票1位
四戦全勝、今期四勝目。フリップ漫談『ことwar the辞典』『名言・名台詞shoot』。従来の日本語の言葉に英語を滑り込ませる、ニュアンスの度合いが強いネタ。違う言葉をくっつけることによって生じる新しい意味、バカバカしい状況などを上手く笑いにつなげていたが、途中から、言葉に対するフォローがやたらと早くなって、観客を置いてけぼりにしていた感が少し。弾数で笑いを取ろうという作戦だったのかもしれないが、一つ一つの言葉のクオリティの高さを考えると、もっとゆっくりやってもウケたのではないかと思う。その意味では、非常に惜しかった。

トミドコロ【397kb/773票】
七戦四勝、今期二勝目。コント『愛し愛されリメンバー』……なんだよ、このタイトルは。コントの内容はどんどんムチャクチャになってきているが、それに対比して、演技が変に落ち着いてきている印象を受けた。以前はもっと、エネルギッシュに、弾けるように、パッションを剥き出しにしていたと思うのだが。そのテンションでやれば、このコントはもっと面白くなっていたんじゃないか……という気がしないでもない。あと、幾ら最後に独白で終わるからって、幾らなんでも投げっぱなしじゃないのか?(笑いながら)

風藤松原【409kb/1,627票】
十二戦十一勝、今期三勝目。漫才。漫才……なのかな。あんまり安易に漫才であること自体を否定する様な物言いは控えたいのだけれど、それにしてもちょっと考えてしまう。フリやお題に答えるって、それもはや大喜利じゃないのか? 内容がどんなに素晴らしくても、こんな雑なフォーマットでは観客も受け入れにくいだろう。とはいえ、一つ一つの返しが物凄いのも事実。「世田谷育ちのグルジア人♪」って、なんだよ! ボケもツッコミも面白いのに、全体像が掴めないから記憶に残りにくいなんて、なんと勿体無い……。

守谷日和【397kb/833票】
初挑戦初オンエア。よしもとクリエイティブ・エージェンシー大阪所属のピン芸人。藤崎マーケット、かまいたち、天竺鼠、2700八十島と同期にあたる。コント『保父さん』。全体から漂う独特の薄気味悪さは、引退してしまった名刀長塚を彷彿とさせる。五歳の子供と保父さんがバトルを繰り広げるという展開は一見すると斬新だが、その広がり方はむしろオーソドックス。最終的に、序盤のやりとりを再び持ち出す構成も無難で、もはや安心感すら漂っている。ただ、その無難さを、薄気味悪い雰囲気で上手くカバーしている。次、どういうネタを持ってくるのか、ちょっと気になる。

■今回のオフエア
349kb:チャンピオンジム
341kb:すっぽん大学
161kb:勝又
117kb:浜口浜村

今期二勝目を狙った勝又は、ここでまさかの自己最低キロバトルを更新。どうやら地方収録に弱いようで、これまでに参加した四回の地方収録のうち三回はオフエアという結果になっている。但し、残る一回で、自己最高を記録しているので……はっきりとは言い切れないのかも。すっぽん大学は今回も三国志ショートコント。コンセプトは悪くないと思う。いつかの髭男爵を思い出さないこともないけれど。

■次回
アナログタロウ
オキシジェン(2)
【初】キクモトスズキ
THE GEESE(2)
Gたかし(2)
笑撃戦隊(1)
スパイク(3)
スパローズ
【初】ポラロイドマガジン
メンソールライト(3)

今期二勝組もじわりじわりとチャンピオン大会出場を狙っていることが伝わって来る回。まさかTHE GEESEが今年に入ってからスパートをかけてくるとは。今期の収録も残り僅かだが、果たして間に合うのか。漫才にシフトチェンジしてからは連勝が続いているオキシジェン、ここらで一つ大きな当たりを見せたいところ。一方、一部界隈には知られているアナログタロウ・スパローズは連敗中。そろそろオンエアされたいところ。初出場のキクモトスズキは元“のろし”の鈴木ひろしが結成した男女コンビで、ポラロイドマガジンはよしもと所属のお笑いトリオ。
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

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