スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

女子会のお知らせ(27時間ノンストップ)

27時間テレビ総合司会に女芸人11名、さんま&マツコも参戦(お笑いナタリー)

『27時間テレビ』の総合司会に11人の女性芸人が選ばれたらしい。『27時間テレビ』といえば、その名の通り27時間ブッ通しで繰り広げられるバラエティ番組の大饗宴であり、その総合司会には人気・実力を兼ね備えた実力者が任せられるのが通例となっている。過去には、笑福亭鶴瓶、明石家さんま、島田紳助、ナインティナイン、中居正広、タモリなどが担当し、見事にその職務を果たしてきた。

そんな重大な役割を、11人に責任が分散されているとはいえ、まだまだ若手の女性芸人に任せるというのは、なかなかに攻めた決断だといえるだろう。但し、メインアシスタントとして「明石家さんま」、相談役として「マツコ・デラックス」という強力なフォローが入っているので、しったかめっちゃかな結果になることはないと思われる。ちなみに、番組のプロデューサーは亀高美智子。08年の『27時間テレビ』(総合司会・明石家さんま)でプロデューサーを務め、現在は『ホンマでっか!?TV』『アウト×デラックス』『10匹のコブタちゃん ~ヤセガマンしないTV~』のチーフプロデューサーを担当している人物だ。……イヤな予感しかしない!(いい意味で)

なお、司会に選ばれた11人の女性芸人は、「オアシズ」「森三中」「柳原可奈子」「椿鬼奴」「友近」「渡辺直美」「ハリセンボン」となっている。こうしてズラッと名前を並べてみると、決してベテランとまでは言えないけれどもきちんと実力を示している女性芸人たちが選ばれている印象を受ける。彼女たちが明石家さんまやマツコ・デラックスと絡んでいる姿を想像するだけで、なにやら楽しみだ。個人的には、ここ最近ちょっと変化が生じている印象のあるオアシズが、どんな風に取り上げられるのかが気になるところ。なんとなく以前と雰囲気が違ってきている気がするんだよね。あくまでもなんとなくだけど。あとは、千手観音かずこが見られると嬉しい。深夜枠あたりで、水谷千重子と共演してほしいな。
スポンサーサイト

『ラーメンズ第8回公演「椿」』(02年9月)

ラーメンズ The Box Set of Four Titles Rahmens [DVD]ラーメンズ The Box Set of Four Titles Rahmens [DVD]
(2002/09/19)
ラーメンズ

商品詳細を見る

ラーメンズ第8回公演 『椿』 [DVD]ラーメンズ第8回公演 『椿』 [DVD]
(2009/07/01)
ラーメンズ

商品詳細を見る

人生に躓いたとき、人は自らの原点を振り返るのだという。自分がどのように生きてきて現在の位置に到達したのかを確認し、また新たなる一歩を踏み締めるためなんだそうだ。なるほど。思えば、「歴史は繰り返される」と聞いたことがある。かつて自らが経験した出来事を復習することにより、これから先の人生にも対応できるようにするという考えは、正しく道理に適っている。ならば私も、改めて自らの原点を思い返し、その歴史を未来へと進むための糧としようではないか……と思ったわけではなく、ただなんとなく久しぶりに『ラーメンズ第8回公演「椿」』を観た。なお、冒頭の言葉は私の創作である。むひゃひゃひゃひゃ。

私にとってラーメンズは、とてつもなく重要な存在である。私がお笑いというジャンルに深く興味を抱くようになったのも、お笑いDVDを収集するという偏執的な趣味を始めるきっかけとなったのも、バナナマンやおぎやはぎに代表される関東の若手コント職人たちに注目するようになったのも、全てラーメンズが原因であるといっても過言ではない。それほどに彼らの笑いは当時の私にとって衝撃的で、かつ魅力的だった。

彼らに出会うまで、私にとってのコントは「志村けん」「ウッチャンナンチャン」等のイメージが強かった。個性的なキャラクターたちがバカバカしいやりとりを繰り広げるというような、シンプルで分かりやすい大衆向けの笑い。そんなコントに対するイメージを、ラーメンズは見事にブチ壊してくれた。笑いが生まれるとは思えないほどに洗練された舞台美術、静かにじっくりと展開される面白味を感じさせるストーリー、そして理解できなくても笑ってしまえるナンセンス。そのステージを観た瞬間、私の目からウロコがポロポロポロポロポロポロポロポロこぼれ落ちた。と、同時に、世の中にはこんなにも素晴らしい作品が、殆ど知られていないのか……と驚いた。今のように、レンタルビデオで容易にお笑いのDVDをレンタルできない時代の話である。当時、最新のお笑いはテツandトモであり、ダンディ坂野であり、はなわだった。彼らが若手芸人の代表として奮闘していた最中にラーメンズの舞台を観てしまったのだから、そりゃ衝撃も受けざるを得ないというものである。

『椿』は私が初めてDVDで鑑賞したラーメンズの公演作品である。それ以前に、ラーメンズの公式ベスト盤『Rahmens 0001 select』や『爆笑オンエアバトル ラーメンズ』を鑑賞していたので、いわゆる「ベストからファンになったヤツ」といえるだろう。『椿』が開催された2001年当時、彼らはコンビ結成6年目の若手だった。

今でこそ「完璧な舞台どーこー」言われているが、この頃のコントにはまだまだ粗が見える。例えば、過去の自分と未来の自分に繋がっている糸電話が混乱を生むSF系コント『時間電話』なんか、ちょっとあからさま過ぎてイヤラシイ。ただ、これ以前のライブに、より完成度の高いコントが幾つも観受けられるので、意図的に粗を強めている可能性も否定できない。当時、マスコミでは“アート系”と評されていた彼ら。その印象にあえて反抗したくなったのかもしれない。実際、本作にはバカバカしさを押し出したネタが多い。例えば『心理テスト』というコント。二人の男が心理テストを始めるのだが……。

小林「じゃあ、行くよ」
片桐「うん」
小林「今からオレが言う色に当てはまると思う人を、ちょっと思い浮かべてみて」
片桐「パッと思いついた人でいいのね?」
小林「そうそうそう。……赤!」
片桐「えーとねえ……稲垣先輩!」
小林「うぉー……じゃあね、白!」
片桐「マチコちゃん!」
小林「うわあ、やっぱりなあ。じゃあ、黒!」
片桐「ケースケ!」
小林「オッケー」
片桐「で、で、で、で?」
小林「これで何が分かるかっていうと、あなたの寿命が分かります」
片桐「マジで!?」
小林「マジで。あと60日」
片桐「根拠は?」
小林「医学!」
片桐「医学かぁ~」

(『心理テスト』より)


心理テストを印象付けるフリがしっかりとしているからこそ、最後の裏切りがたまらなく面白い。ここからの会話もとにかく不条理で、ことあるごとに繰り返される心理テストがどんどん破綻していく様はたまらなく爽快だ。興味深いのは、「だるまちゃんとてんぐちゃん」「ダイムラーベンツ社」「木目」など、言葉のセンスで笑いを取ろうとしているところ。こういう貪欲に笑いを取りに行っていたこともあったんだなあ……と、なにやらしみじみしてしまう。この他にも、片桐扮するインタビュアーがスターを相手に大暴走『インタビュー』、ごく普通のサラリーマンの心境を片桐が全力で表現する!『心の中の男』、ある男の部屋に二人の悪魔がやってきて……『悪魔が来たりてなんかいう』など、特異な設定で繰り広げられるバカなコントが多数収められている。

一方、いわゆるラーメンズの“アート性”を意識したコントもある。『高橋』だ。

小林「おう、高橋」
片桐「おう、高橋」
小林「あれ? 高橋は?」
片桐「うん、まだ来てない。もうすぐ来るんじゃないかな、高橋と一緒に」
小林「あ、じゃあ高橋と高橋はどうした?」
片桐「あ、あいつら来られないって」
小林「マジで? じゃあ、高橋と高橋抜きで高橋行くのかよ?」

(『高橋』より)


ご覧の通り、登場人物の大半が“高橋”な世界を舞台としたコントだ。小林扮する高橋と片桐扮する高橋の会話は一見するとなんとも奇妙だが、彼らの世界ではそれが正当化されているのである。むしろ、違う名字のヤツは、高橋姓から強い差別的感情を抱かれている。一見すると、ただただナンセンスで下らないコントに見えるが、その根底には我々が持っている差別意識に対する疑念が渦を巻いている。……こういう分かりやすいメッセージをさらっと盛り込んでいるところが、いわゆる知識層に人気を集めている理由なのだろう。こういうのが嫌いな人もいるんだろうけどね。

個人的に大好きなのは、『日本語学校アメリカン』というコント。アメリカ人に扮した二人が日本語の授業として歴史上の人物や出来事の名称を読み上げていくのだが、その意味をまるで理解しようとせずに、どんどんニュアンスだけでまったく違う意味の言葉として昇華していく……上手く説明できていない気がしないでもない。とりあえず観てもらうのが一番良いのだが……。

小林「ゴセイバイシキモク!」
片桐「ゴセイバイシキモク!」
小林「ゴセイバイシクル!」
片桐「ゴセイバイシクル!」
小林「五千円バイシクル!」
片桐「五千円バイシクル!」
小林「五千円倍にして返してくる!」
片桐「五千円倍にして返してくる!」

(『日本語学校アメリカン』より)


こういうことばっかりやっているコントだといえば分かってもらえるだろうか? 個人的には、小林演じるアメリカ人教師のビジュアルもたまらないんだよなあ。アメリカ人……なのか、なんなのか……?

それにしても『椿』、久しぶりに観たけれど相変わらずの面白さだった。本当に10年以上前の公演かと疑ってしまうくらい、ネタとしての鮮度がまったく落ちていない。シティボーイズもそうだけど、ナンセンス系のコントはとにかく息が長い。時代を超越して面白い。だからこそ、彼らは常に過去の自分と戦わなくてはならない。戦って勝つことを是としなくてはならない。現在、ラーメンズが2009年4月~6月にかけて開催した第17回公演『Tower』以後、単独公演を行っていない。今、彼らは見えないところで戦っているのだろうか。


■本編(78分)
「時間電話」「心理テスト」「ドラマチックカウント」「インタビュー」「心の中の男」「高橋」「斜めの日」「日本語学校アメリカン」「悪魔が来たりてなんかいう」

『COWCOW CONTE LIVE 5』

COWCOW CONTE LIVE 5 [DVD]COWCOW CONTE LIVE 5 [DVD]
(2012/08/22)
COWCOW

商品詳細を見る

『あたりまえ体操』でブレイクしたお笑いコンビ・COWCOWが2012年5月に東京・大阪で開催した単独ライブの模様を収録。『あたりまえ体操』は勿論のこと、漫才・コント・ピンネタなど、様々なスタイルの笑いを楽しむことが出来る作品になっている。特典映像には、ライブの幕間で使用されたブリッジ映像と、過去の『あたりまえ体操』を寄せ集めた『あたりまえ体操大全集』などが収められている。これさえあれば、2012年のCOWCOWを余すことなく楽しめるといっても過言ではないだろう。

……ただ、個人的には物足りなかった。というのも、過去のライブに比べて明らかにショートネタが多かったからだ。『アイアインメイシン』『あたりまえ体操』などの鉄板ネタは仕方が無いにしても、超有名なキャラクターによく似ているキャラクターたちが次から次へと登場する『トルネードそっくりショー』(どうでもいいけど、あれは版権的にセーフなんだろうか?)や、日常で実際にやってしまいがちな言動を目撃した瞬間に「言うけどー!!!」と絶叫するお化けが主役のショートコント『お化けのユウケド』の様に、単独ライブならではのオリジナルネタまでショートにする必要は無かったんじゃないか。以前のライブは、ショートネタや漫才に加えて、きちんと設定を練り込んだコントも演じていたのに、どうして今回はショートネタに偏ってしまったんだろうか。作る時間が無かったのか、『あたりまえ体操』のヒットを受けてショートネタにシフトチェンジしたのかは分からないが、なんとも残念である。……念のために言っておくけれど、私はショートネタが嫌いなわけではない。ただ、ショートネタばっかりだと、どうも満足感が得られないのである。分かりやすく例えると、美味しいおかずだけじゃ腹が膨れないぞ、米かパンを持ってこい!ということだ。

続いて、ピンネタについて。例年、COWCOWの単独ライブでは山田のピンネタが披露することになっているんだけれど、今回はR-1で優勝した多田のピンネタも収録されている。勿論、R-1決勝で披露された例のアレだ。ギャグそのものはいうまでもなく面白いんだけれども、画があまりにも地味過ぎたのが気になった。せっかくのライブで素の多田がギャグをやるだけって……うーん。BOXでギャグのお題を引くというギャンブル的な要素も、単独ライブという全てが準備されている場ではあまり効果的ではないように思えた。それなら、過去の単独ライブでやっていた『研究室』(※山田が顕微鏡で多田扮する未知の生命体を観察し、その行動……もといギャグを記録するコント)をやれば良かったんじゃないか、と。とはいえ、優勝した直後のライブなので、観客の期待に応える意味で披露したという側面もあるんだろうけれど。一方、いつもならバツグンの安定感を見せている山田のピンネタも、今回はそれほど……。「ウィリアム・テル」をテーマにしたスケッチブックネタを『ウィリアム・テル序曲』に合わせて展開するというやり方には意欲を感じたけれど、肝心のネタそのものにあんまり驚きを感じられなかったなあ。ただ、これにもまた、これまでのピンネタがあまりにもハイクオリティ過ぎたため、観る側としてのハードルが極端に上がっていたことも否めない。この辺の判断が難しいところ。

ついでなので、『あたりまえ体操』の話もしておこう。知らない人がいるかもしれないので念のために説明しておくと、『あたりまえ体操』は子ども向け番組のお兄さん風に扮したCOWCOWの二人が音楽に合わせて“あたりまえ”なことを体操で表現するネタである。その内容は、例えば「右足を出して左足出すと……歩ける」「両足の膝を一緒に曲げると……座れる」などのようなもの。説明する必要のないことをあえて真面目に解説する無意味さと、それを体操で表現するという無意味さが合わさることによって生じる不条理さが、なんとも味わい深い笑いを生み出している。一方で、ネタのフォーマットが、いわゆる「あるあるネタ」のそれに似ている点も興味深い。ある意味、『あたりまえ体操』は、日常で起こり得る出来事を観客に想起させる「あるあるネタ」の究極系といえるのかもしれない。

ただ、この素晴らしき『あたりまえ体操』も、世に知られるようになるにつれ、少しずつネタの方向性を変えていく。先にも書いた様に、『あたりまえ体操』はあくまでも“あたりまえ”なことを表現することにより笑いへと昇華されるネタだ。しかし、大衆ウケを強く意識するようになったのか、『あたりまえ体操』は分かりやすい内容へと変わっていく。はっきりいってしまうと、“電車”“サラリーマン”“男と女”など、特定のシチュエーションに限定するようになったのである。それはそれで面白い。面白いのけれど……それはどうも、元来の面白さからかけ離れて、むしろ「あるあるネタ」に似ている。大衆ウケを意識すると、分かりやすくて面白いパターンに流れてしまうのは仕方が無いことといえるのかもしれないけれど、なんだかとっても勿体無い。

……振り返ってみると、どうも批判ばっかりの文章になってしまったけれども、本作は決してつまらない作品ではない。COWCOWだからこそ生み出すことの出来る、アットホームで老若男女に受け入れられる笑いは唯一無二で、どれもこれも安心して観ることが出来る(今回はちょっと死ぬネタが多かった気もするけれど)。クオリティは常に及第点を超えていて、安定感のある笑いをきちんと提供してくれている。だからこそ、今回の例年と比べて明らかな作り込みの甘さは気になって仕方が無かった。……そして、来たる7月24日、新作『COWCOW CONTE LIVE 6がリリースされるという。状況は果たして改善されているのか、それとも本作と同様にショートネタラッシュになっているのか。とりあえず、期待している。


■本編(89分)
「放課後」「アイアンメイシン」「トルネードそっくりショー」「お化けのユウケド」「フリップは天下の回り物」「漫才」「多田ピンネタ「50音BOX」」「輿志ピンネタ「ウィリアム・テル」」「多田ピンネタ「お題BOX」」「トルネードそっくりショー2」「みんなであたりまえ体操」「漫才2」「紙芝居」

■特典映像(27分)
「ブリッジ映像」「あたりまえ体操1」「あたりまえ体操2」「あたりまえ体操大全集」「お客様スライドショー」

『兵動・小籔のおしゃべり1本勝負 in高知』

『兵動・小籔のおしゃべり1本勝負 in高知』を観に行く。

香川県民にとって、高知県はちょっと遠いイメージがある。少なくとも私にとってはそうである。理由ははっきりとしている。香川から高知へと高速道路を使って行くときに、文字通り「山と山の間を縫っていく」からだ。要するに、その圧倒的な自然の風景を受けて、なんだかとてつもない旅をしたような気分にさせられてしまうのである。また、途中のトンネルが異常に長いことも、そのとてつもない旅をしちゃった感に拍車を駆けているように思う。大袈裟な表現になるが、どうもワープホールに入っているような気分になる長さなのである。実際にかかる時間は、ほんの1時間少々なのだが。

そんな近くて遠い隣県・高知に到着して早々、いきなりハプニングに見舞われた。とりあえず会場となる“高知市文化プラザかるぽーと”へと向かい、その近辺にある有料駐車場をゆっくりと探す(かるぽーとの地下駐車場は料金が高いからだ)予定だったのだが、ふとした油断から道に迷ってしまったのである。ちゃんと地図を持って移動していたのに、どうして迷子になってしまったのか。思うに、昨夜『オードリーのオールナイトニッポン』をニョヘヘと笑いながら聴いてしまったことにより寝不足となり、その影響で思考回路がぼんやりとしていたことが原因だろう。つまり、全ては天下御免の面倒臭い芸人・若林正恭が悪いのである。……いや、当然のことながら、本当に悪いのは私の頭の方なのだが。こういう細かい訂正を入れておかないと、私が本当に若林を悪人だと決めつけているように勘違いしてしまう人が現れるから厄介だ。若林はただ単に面倒臭い芸人なだけであって、悪人ではない。ただ面倒臭いけど。面倒臭いけど。

話を戻す。結局、私がかるぽーとを発見して、その近辺の有料駐車場に車を停めたのは、開演15分前というちょっと際どい時刻だった。これはちょっと不味い。早歩きで会場である大ホールの入り口まで移動すると、何故かそこには長蛇の列が。時刻は5分を過ぎて開演10分前なのに、どうしてこれだけの人間が入り口の前で並んでいるのか。疑問に思いながらも、全席指定だったのでゆるりと中に入る。ロビーに物販は無し。『兵動・小籔のおしゃべり1本勝負』は元々テレビのトークバラエティ番組で、過去にDVDも4枚ほどリリースされているのだが。商売っ気が無いのか、よしもとなのに。ホールに入ると、あの長蛇の列の理由が発覚。以前に来たときは気が付かなかったのだが、かるぽーとの大ホールには1階~3階まで観客席があるのだが、それに加えてバルコニー席が4か所も存在するのである。これだけ沢山のお客を詰め込むのなら、そりゃ開演15分前の時点でも入り切れないのも当然というわけだ。私の席は二階席の二列目だったが、配置の関係上、二階の一番前の席に座ることが出来た。

時間はちょっと押して、13時15分開演。14時45分閉演だったので、およそ1時間半の公演だったことになる。一般的な芸人の単独ライブや落語会に比べると、ちょっと短めか。ただ、具体的なテーマを用いずに、殆どエピソードトークだけで乗り切っていた(たまにスライドショー)ことを考えると、こんなものなのかもしれない。トークの内容は、テレビ番組や他のライブで披露される可能性も考えられるので、タイトルっぽい感じでおおまかに挙げていくと「小籔、ライブ直前に女子高生ヒッチハイカーと遭遇する」「兵動、同性愛者に意識される」「小籔、広い家への引っ越しを検討する」「兵動、自宅に帰れなくなる」といったところか。小籔のヒッチハイカー話は、ライブの直前に起こった出来事とあって熱の入ったトークを1時間ばかり展開していた。かなり特殊なエピソードではあったけれど、けっこう強引に笑いどころを作っていた感があったので、もしかするとここでしか聞けない話だったのかもしれない。いいものが聞けた。一方の兵動も相変わらずの卓越したトークで、安心して楽しむことが出来た。前にも書いたような気もするが、兵動の真髄はその表現力にあると思う。ちょっとした動きの表現がとにかく的確で面白かった!

ライブ終演後、商店街をぶらぶらしたり、ひろめ市場に立ち寄ったり、大盛り料理で一部では有名と聞いている大豊の「ひばり食堂」でカツ丼を食べて悶絶したりしてから、帰宅。世界観に浸る感じのコントライブや落語会とは違って、トークライブは素の状態を素の状態で楽しむ感じになるから、日常に戻るスピードが早い早い。次は香川で宜しくネ。

追記。ライブ終了後、小籔がライブで話していた女子高生ヒッチハイカーとTwitterでやりとりをしていた。もう二度と出会わないと思われていた二人がこうして再会できる。やっぱりTwitter、もといインターネットってバカには出来ないなあ、と改めて思った私であった。

至高の手作りコント

バナナマン×東京03『handmade works live』 [DVD]バナナマン×東京03『handmade works live』 [DVD]
(2013/08/07)
バナナマン、東京03 他

商品詳細を見る

今年3月に開催されたバナナマンと東京03によるコントユニット“handmade works”のライブの模様を収録したDVDがリリースされることが決定した。まあ、ライブ開催の情報が出た時点できっとDVD化されるんだろうとは思っていたけれど、こうして公式の情報が出るとやっぱりちょっと安心する。でも、21世紀のコントを代表するといっても過言じゃないバナナマンと東京03の二組によるライブ、ソフト化しない方がおかしいよね。ただ、今回はDVDだけじゃなくて、ブルーレイ版も出してほしかったなあというのが正直な気持ち。バナナマンにせよ、東京03にせよ、舞台の空気をとっても大切にしたコントを演じているから、その空気を映像に反映できるブルーレイで出してほしかったよ、今回は。発売元はラーメンズのブルーレイも発売しているポニーキャニオンだし。今からでも遅くないから、ブルーレイ版も発売しない? しません? ダメ? そこをなんとか……。

epoch conte square 宇田川フリーコースターズ [DVD]epoch conte square 宇田川フリーコースターズ [DVD]
(2004/10/21)
おぎやはぎ バナナマン

商品詳細を見る

バナナマン参加のユニットライブといえば、忘れちゃいけないこれもついでにご紹介。こちらは2003年3月に開催されたバナナマンとおぎやはぎによるコントユニット“宇田川フリーコースターズ”のライブを収録したDVD。バナナマンライブともおぎやはぎライブともちょっと違う、ユニットとしての個性がきちんと表れている作品になっている。やや下ネタに偏り過ぎているきらいはあれど、傑作と呼ぶに相応しい一品ではないかと思われる。私は『2人の会話』っていうコントが大好きで、一時期はそればっかり観ていたっけ。矢作に借金がある日村が、無理矢理に話をはぐらかして借金を誤魔化そうとするコント。無意味に話がデカくなっていくところが、またたまんないんだわ。しっかし、これがもう10年前の公演になると思うと、本当にゼロ年代は遠くになりにけり……。

アンガールズ『ナタリー』(04年8月)

笑ビ! アンガールズ ~ナタリー~ [DVD]笑ビ! アンガールズ ~ナタリー~ [DVD]
(2004/08/04)
アンガールズ

商品詳細を見る

最新のお笑いDVDについて言葉を並べる作業に疲れてしまったので、気を紛らわせるために昔のDVDを引っ張り出してみた。それらの大半は、私が学生だった時分に蒐集したもので、中には10年以上前に発表された作品もある。そういった作品には、そろそろ骨董品としての値打ちが見出されてもいいのではないかと思うが、市場価格を見た限りでは、まだまだ古典としての価値は得られていないようだ。まあ、価値が付こうと付くまいと、それらの作品が私にとって思い出深い品々であることには変わりがないのだが。傑作、佳作、凡作、駄作が並んでいる中から、今日はアンガールズ『ナタリー』を観ることにした。

『ナタリー』は、TDKコアのお笑い専用レーベル“笑ビ!”より、2004年8月にリリースされた。当時、アンガールズはまだまだ世間に認知されていないコンビで、「キモカワイイ」とも呼ばれていなかった。私が初めて彼らのネタを観た番組は2003年12月に放送された『爆笑オンエアバトル』で、オンエアされたネタは『空手』だった。田中扮する師範が山根に空手を教えるというシンプルなシチュエーションコントで、二人のやり取りが逐一面白くて大笑いしたことをはっきりと覚えている。あまりにも面白かったので、後日、同じ大学のサークルに所属する友人たちに、この放送回を録画したビデオを見せたのだが、彼らはアンガールズよりもパンクブーブーの漫才に大笑いしていた。パンクブーブーを否定するわけではないが、センスがないと思う。その後、二人はバラエティ番組『爆笑問題のバク天!』(2003年10月~2006年3月)でのネタ見せコーナーで人気を博し、注目を集めるように。そんな彼らが売れかけている状況下で、本作はリリースされた。

収録されているネタは、『空手』を含めたコントを五本とショートコントを二本。コントは収録用ライブでの模様が収められているが、ショートコントはスタジオでの撮影となっている。ショートコントはカメラアングル切り替え可能。『ショートコント1』は二人が手だけでショートコントを演じている映像に、『ショートコント2』はイラストに切り替えることができる。……なんだかよく分からない仕様だな。ちなみに、彼らの代表作『ファッションモデル』は未収録。

違反駐車を取り締まる警察官、先輩にバットの振り方を教わる高校球児、ゴロツキどもを待ち構えているテキサスの保安官と、『空手』と同様に特定のシチュエーションを演じているコントが主。いずれのコントも面白いが、やっぱり『空手』は突出して出来がいい。動きが多いし、流れがスムーズで分かりやすいし、ほどほどに想像をくすぐる演出にしているのもいい。個人的に一番好きなくだりをちょっと抜粋してみよう。真剣さが見えない山根に、田中が説教を始める場面より。

田中「お前、もっと真剣な目をしてみろ」
山根「オッス……!」
田中「もっと真剣に!」
山根「オッス……!」
田中「……あれ、お前黒目デカいなあ。黒目デカいとちょっと不利なんだよ、真剣な目をしても真剣に見えないから」
山根「え? でも犬は黒目デカいですけど真剣に見えますよ?」
田中「(ニヤニヤしながら)あ、ちょっと、犬の話されたらヤバいなって俺も言った瞬間思ったんだよ……(真面目な表情に戻り)戻って良し!」

(『空手』より)


「黒目デカい=真剣に見えない」という発想もさることながら、「黒目デカい=犬=真剣に見えるのでは?」という切り返しの上手さ。しかし、なにより笑えるのが、山根に反論された時の田中のリアクション! 自分が想定していた「追及されたくない部分」を見事に突かれたが故の照れ笑い、そして我に返るというスムーズな下らなさ! 黒目に着目するというセンスを感じさせる視点で始まっているのに、その先にあるのが照れ笑いというアンバランスさがなんともたまらない。そして、このアンバランスがあるからこそ、アンガールズが実は才気溢れる芸人だということが未だに世間にバレていないんだろうな。うむ。

個人的に大好きなのは、『カレー』というコント。カレーの食材を買いに行く田中に山根が同行するという、これといってストーリー性の無いネタなんだけれど、これがベラボーに面白い。いや、ただ面白いというわけではなくて、正しく表現するならばブッ飛んでいて面白い。先に書いたけれど、アンガールズのコントにはシチュエーションを重視したネタが多い。二人は二人のキャラクターのままで、シチュエーションだけが違っている……という。この『カレー』も同様のパターンではあるんだけれど、二人とも頭のネジがどっか緩んでいる。登場からして凄い。通常、アンガールズのコントは二人が整列して「あいあい」と挨拶してから始まるのだが、『カレー』は二人が何も繋いでいない犬の縄を引き摺りながら登場する。……説明だけだとピンと来ないかもしれないけれど、これが画で見ると結構に異質だ。そこからネタに入るわけだけれど、このコントの導入もけっこうなアレので、そこだけちょっと抜粋してみよう。

田中「おお、山根」
山根「おお、田中」
田中「なにやってんの?」
山根「え? なにもやってないよ?」
田中「あ、なんにもやってないんだ」
山根「うん」
田中「なんかやればいいのに」
山根「うん」
田中「うん」

(『カレー』より)


「これ本当にコントか?」と疑いたくなるような中身の無いやりとりである。文字情報だけで見ると、なんとなくほのぼのとしているように感じられるかもしれないが、実際はなかなかに不穏な空気が漂っている。この後は、「お前がマジメなところもコンタクト入れる時くらいしか見たことないよ!」「コンタクト外す時もマジメだよ! ちょっと先入観で話すのやめてもらえる?」などの様なアンガールズのコントらしいやりとりも見られるんだけれど、ところどころで飛び出す『アウト☆デラックス』的な言動のせいで、ずーっと不穏な空気が漂っている。でも、この不穏な空気の中で生み出される笑いが、なんかピリッとしていて面白いんだよなあ。「こくまろ」を奪った時の山根のしたり顔とか、たまんないんだよなあ。

特典映像には、『テキサスの保安官 広島死闘編』『にらめっこ』を収録。『テキサスの保安官 広島死闘編』は、本編に収録されているコント『テキサスの保安官』に二人が広島弁の吹き替えを入れて、そこへ更にヤクザに扮した二人の姿をVシネ風を追加するという、なんとも不思議な映像コント。真面目にヤクザの兄貴分を演じている田中がかなり面白いので、観た方がいいんじゃないかと思う。


■本編(43分)
「警察官」「くらしの相談」「高校球児」「くらしの相談」「テキサスの保安官」「くらしの相談」「カレー」「くらしの相談」「空手」「くらしの相談」「ショートコント1」「ショートコント2」

■特典映像
「テキサスの保安官 広島死闘編」「にらめっこ」

『コラアゲンはいごうまん 実録・体験ノンフィクション漫談 <弐>』

コラアゲンはいごうまん 実録・体験ノンフィクション漫談 <弐> [DVD]コラアゲンはいごうまん 実録・体験ノンフィクション漫談 <弐> [DVD]
(2012/12/21)
コラアゲンはいごうまん

商品詳細を見る

日常ではなかなかお目に掛かれない人々・物事に密着取材を敢行、その体験を“ノンフィクション漫談”として笑いに昇華し続けているピン芸人・コラアゲンはいごうまんによる数々のネタを収めたDVD第2弾。本編にはライブの模様を、特典映像にはネタ作りのための取材を追ったドキュメンタリーを収録。仕込みから完成に至るまでの全貌をまざまざと見せつけている。

前作では、見た目からして明らかにカタギじゃない風体の刺青師に恐る恐る取材してみたり、女王様による奴隷入試という世にも奇妙な試験に参加してみたりと、いわゆるアウトサイダーな人たちとのふれあいを中心とした話を展開していたコラアゲン。そんな前作に比べると、本作はちょっとポップに偏ってしまった感がある。……数百人の受刑者を相手に笑いを取ろうと苦心した刑務所慰問ライブでの話をポップといえるのかどうかは分からないが、少なくとも前作で感じたヒリヒリとした緊張感を覚えるようなことはなかった……が、そこで繰り広げられている話は相変わらず面白い。決して上手とはいえない喋りを“実体験”だからこその説得力でカバー、ぐいぐいと客を引きこんでいく様は、もはや名人芸の領域といっても過言ではないだろう。

そのネタの中でも印象に残っているのは、ワハハ本舗の社長・喰始の指令によってインドに2ヶ月間ほど滞在していた時の話。ガンジス河の流れる町・バラナシに滞在していたコラアゲンは、ある日、毎日の様に通っていたタバコ屋のご主人から日本語を教えてくれないかと頼まれる。特にやることもなく日々を過ごしていたコラアゲンは、これもネタになるかもしれないと依頼を快く引き受ける。そのうち、タバコ屋を手伝うようになっていき、二人の関係はちょっとずつ深まっていく。

そんな時に、コラアゲンの父親が亡くなったという報せが入る。母親に「なんであんたインドにおるん? 京都帰ってきてぇな……」といわれ、コラアゲンは苦悩する。喰始に連絡をすると、「ダメだ!」「あなたも売れてないとはいえ、芸人なんです! 芸人なら、何を犠牲にしても、まずは仕事を取りなさい!」などの厳しい言葉をぶつけられる。そのあんまりな対応に、コラアゲンは思わずタバコ屋のご主人に愚痴をこぼすのだが……。芸人という異形の職業に就いた男がインドという悠久の国で得た教え。その瞬間、タバコ屋のご主人は、コラアゲンにとってのインドの父となったのである。

ただ、個人的に一番好きな話は実はインドでのエピソードではなくて、オープニングで披露されたショートネタの一つ『個性的なホームレス』だったりする。岡山に住んでいるというそのホームレス、自分の荷物からなにから服の中に詰め込んでいるので、身体が異常にぷっくらと膨らんでいる。その服の色が黒であることから、人は彼のことを「爆弾さん」と呼んでいるという……面白過ぎるだろ、この人。インドから岡山まで、世界をまたにかけてネタを探し続けるコラアゲンはいごうまん。その行動範囲に限界は無い!


■本編(139分)
「開演」「厳選ショートネタ・自薦ベスト3」「優勝」「予告編」「インド」「刑務所」「閉演」

■特典映像(約48分)
「脳性マヒブラザーズに会いに行ってきました」「全国穴掘り大会」「鹿せんべい飛ばし大会」「本人による前説」「アンコール」

2013年6月のリリース予定

■レビュー予定
05『澤田隆治 presents 最強の昭和爆笑漫才傑作選

■テレビ関連
04『おどおどオードリー 若林VS熱狂的春日ファン編
04『おどおどオードリー 解禁!オードリーのネタ歴史編
05『ピラメキーノDVD みんなのうたゴールデンベスト (はんにゃ&フルポンからの生電話! 他、応募抽選はがき付初回プレス盤)
07『笑いの神に愛された男たち
21『壇蜜女学園 業界用語の基礎知識 Vol.3~歯科医・相撲・フィットネスの業界用語~
26『TV・局中法度! 7
26『東野・岡村の旅猿 プライベートでごめんなさい… 地獄谷温泉で野猿を撮ろう! の旅&是非見て欲しい奈良の旅 プレミアム完全版
29『人志松本のすべらない話 2012 歳末大感謝祭 完全版!
29『東京03角田&ゆってぃのぶらり作曲の旅DVD 北陸編1

■その他のリリース予定
05『桂三枝の笑宇宙<08>
 ※7月には既出作品をまとめたBOX版『桂三枝の笑宇宙 DVD-BOX』がリリースされる模様
19『一之輔落語集 「雛鍔/明烏」
21『熱海五郎一座 落語日本花吹雪~出囃子は殺しのブルース~
21『百栄の落語 「リアクションの家元」「キッス研究会」
26『ロザンのトーク2

なんとなくリリースが控えめな6月。年度末とボーナスシーズンの真ん中という谷の時期だから、仕方ないといえば仕方ない。今のうちに溜まっているDVDをどんどん観ていこう……って、そういう状況なのは私だけか。何も無いのも寂しいので、とりあえず澤田隆治(西の超大物プロデューサー)が手がけているDVDをレビューする予定にはしているけれど、やらないかもしれない。溜まっているDVDレビューをじゃんじゃん片付けていかないと……。注目作は、上島竜兵・出川哲朗・狩野英孝という近年を代表するリアクション芸人が揃ったバラエティ番組DVD『笑いの神に愛された男たち』。内容についてはまったく確認していないけれど、大きく当たるか大きく外れるかのどっちかだろう。うーん、なんとも危険だ。

『世界鳥居紀(奇)行 IN サイパン』

世界鳥居紀(奇)行 IN サイパン [DVD]世界鳥居紀(奇)行 IN サイパン [DVD]
(2012/08/22)
鳥居みゆき

商品詳細を見る

鳥居みゆきの海外ロケーション企画DVD第二弾。前作ではエキゾチックなタイの魅力を全力でアピール(?)していた鳥居みゆきが、今回は自身初の写真集を撮影するためにサイパンへと飛ぶ。彼女を撮影するのは、これまで数百冊の写真集を世に送り出してきたというカメラマン・山岸伸。数多くの女性をカメラに収めてきた山岸氏の手にかかれば、流石の鳥居も大人しく……する訳もなく、最終的に写真集は出版されないことに。……本作は、その波乱に満ちた撮影風景の全てを収めたドキュメンタリーだ。

まさかまさかの第二弾である。あれほど面白くなかった前作でも、それなりに評判は良かったということなんだろうか。しかし、稀代の女性芸人・鳥居みゆきを題材に扱っているにも関わらず、十把一絡げの放送作家が雁首揃えて考えたような戯言を映像化したとしか思えない作品の評判が、果たして本当に良かったのか。甚だ疑問である。

と、いきなり前作のことをこき下ろしてみたが、本作はそれに比べて幾らかマシになっている。少なくとも、ホテルの部屋を勝手に改造したり、見知らぬ車に勝手に乗り込んだりするような、前作に見られたあからさまな演出は控えめだ。フェイクドキュメンタリー作品として、それなりに見られるものになっているといってもいいだろう。正直、鳥居のマネージャーが山岸に詰め寄られるシーンではけっこう笑わせてもらったし、海辺での撮影におけるアクシデントを受けて大混乱に陥る鳥居の姿などは、あまりテレビでは見られない質のリアクションだったのではないかと思う。それらに満足できなくても、今の鳥居が水着姿で驚天動地の顔芸を見せているという稀少性だけで、どうにか納得もできるだろう。エンドロールでは、ちゃんとしたグラビアとして撮影された写真も公開されているし。

ただ、終盤の展開だけは、どうも良くない。一応、本編のオチに関わることなので詳しくは書かないが、そのオチに至るまでの展開があまりにも急すぎるのである。オチそのものに関しては、そこまで問題は無い。ただ、あんなに強引な展開にしておいて、このオチにしてしまうのかという不満は残る。もとい、それまでに使える要素は幾つもあった筈なのに、どうしてそれらを使わなかったのかという疑問が残る。例えば、必要無さそうな物が詰め込まれている鳥居の旅行カバンとか、鳥居が宿泊しているホテルの部屋に置いてある自画撮り用ビデオカメラとか、先にも書いた山岸に詰め寄られる鳥居のマネージャーとか、オチに利用できる要素は幾つもあるのである。これらを利用せずに、どうしてもあのオチにしなくてはならなかった理由が存在するのか。どうも、よく分からない。

第三弾が出るのかどうか、現段階では分からない。出なくてもいいとは思うが、第一弾よりも着実に軌道修正されているので、もしかしたら次あたりで傑作が出来るのでは……という気持ちもある。不安そこそこ、期待そこそこ。出したければ出せばいいし、出したくなければ出さなくてもいい。そのくらいの感じで、待ってみてもいい気がしないでもない(キレが悪いね、どうも)。


■本編(74分)

『オンバト+』五月十八日感想文

■BLUE RIVER517kb/3,503票】※視聴者投票2位
三戦全勝。漫才『ご近所付き合い』。おすそわけ、調味料を借りる、ペットを預ける……などのシチュエーションを細々と。今の時代に『ご近所付き合い』をテーマにした漫才をやろうという了見が、なんとも古臭くて宜しい。後半は『隣人トラブル』に絞ったやり取り。これといって見どころは無かったが、確かな手腕で繰り広げられるやりとりは観ていて安心感があった。問題は、その先なんだよなあ。

■西村ヒロチョ【417kb/3,623票】※視聴者投票1位
初挑戦初オンエア。漫談『歴史』。軽妙なBGMに合わせて、ヒロチョが考えるロマンティックな歴史上の人物を披露する。一見すると奇抜だが、やっていることは比較的オーソドックス。歴史上の人物をロマンティックに描くギャップの笑いをベースに、完成された形式、無駄に機敏な動き、展開を分かりやすく演出するBGMで面白い空気を浸透させている。先のBLUE RIVERとはまったく違う方向性だが、同様に手堅い。ただ、やっていることはトミドコロをポップにしただけのようでもあり、また、キャラクターは阿部サダヲの焼き直しのようでもある。しばし様子見。

■レモンティー【525kb/2,730票】※視聴者投票3位
初挑戦初オンエア。漫才『アシカショー』。子どもとアシカショーを観に行って来たという阿部、アシカショーのお兄さんをやりたいというが……。一見すると、アシカショーを進めようとしないアシカ役の山田がボケに見えるが、一方で、ボケに対してあまりにも過剰にツッコミを入れる阿部が一周してボケに見えるという不可思議な漫才。面白い・面白くないを超越して、なんだか意味が分からないけど結果的に面白いというような。ある意味、正当にプー&ムーの路線を受け継いでいるコンビといえるのかも。「アシカが揚げ足」は、あまりにも意味がなくて良かったなあ。まあ、単なるダジャレなんだけど。

■タナからイケダ【461kb/2,258票】
二戦全勝。漫才『女子マネージャーとの恋愛』。野球部の後輩女子マネージャーとの恋愛をコントで。ボケに対して笑いながらツッコミを入れていく田邊のクセのある顔がとにかく気になった。最初は劇団ひとりに似ているなーっと思ったが、だんだんと元Bコースのハブに見えてきて、今度は笑い飯・哲夫に見えてきて、最終的にはジャルジャル福徳にも見えてきた。とにかく、胡散臭くてクセのある顔をしている。そのクセのある顔でニッコニコしながらツッコミを入れていくのだから、なにやらたまらない。漫才そのものは全編通して面白かったが、「するってぇと……もしや!?」が妙に印象的。

■マシンガンズ【485kb/2,009票】
七戦四勝。漫才『オンバトを楽しみにしているOLの気持ち』。いつものようにキレ漫才を始めようとする滝沢を制止する西堀、もうキレるのはたくさんだ! 観覧客に向かって「楽しいことなんか普段無いよ!」と言い切ってしまう西堀に、思わず苦笑。どんな決め付けだよ。そこから西堀が生々しい一人暮らしのOLを演じるのだが、その内容があまりにもエグ過ぎて、いっそ笑わずにいられない。そういう人もいるかもしれないけれど、そういう人ばかりじゃないよ! 「変わればいいじゃない!」って、どしたんだよ! 西堀自身も病気みたいになってっぞ! 滝沢のツッコミがあんまり笑いに昇華されていなかったけれど、これまでとはまったく違う側面を見せたという意味でも価値ある一勝だったのではないかと。このパターンでもう一回観たいなあ。

■今回のオフエア
373kb:オキシジェン
361kb:こぶし
353kb:雷ジャクソン
329kb:トミドコロ
165kb:リージェントグラフ

無傷の連勝中だったオキシジェンが初のオフエア。トップバッターでの結果なので、それ相応のネタだったのだろう。個人的に推しているコンビなので、早めの復活を期待。トミドコロは勝っては負け勝っては負けが続いている。『爆笑オンエアバトル』時代の坂コロジンクスを思い出すネ。ちょっと不思議なコントで連勝していたこぶし、ここでつまづく。

■次回
阿佐ヶ谷姉妹
ウメ
勝又
チキチキジョニー
ツィンテル
ニューヨーク
【初】ブランケット
フリータイム
吉田たち
ランチランチ

次回も長崎収録……の割には、なにやらアクの強いメンツが揃っている。オンエア経験は無いがビジュアルのインパクトが強烈な阿佐ヶ谷姉妹、じわりじわりと浸透させる不可思議な世界観のコントが魅力のウメ、兄弟だけど息が合わないコントがたまらない勝又、『THE MANZAI』唯一の女性ファイナリスト・チキチキジョニー、バカな設定を巧みな演技でこなすツィンテル……多い! 注目は、『爆笑オンエアバトル』チャンピオン大会出場者にも関わらず、まったく勝てないランチランチ。好きなんだよ、頼むよ。

『水谷千重子 演歌ひとすじ40周年記念リサイタルツアー』

友近プレゼンツ 水谷千重子 演歌ひとすじ40周年記念リサイタルツアー [DVD]友近プレゼンツ 水谷千重子 演歌ひとすじ40周年記念リサイタルツアー [DVD]
(2012/09/19)
水谷千重子

商品詳細を見る

演歌ひとすじ40周年、歌の道を歩み続けている演歌歌手・水谷千重子による、6都市縦断リサイタルツアーの模様を収録。歌は勿論のこと、旧知の関係にある演歌歌手とのトーク&デュエット、あの名作朝ドラとはまったく関係無い千重子一座特別公演『ゲノゲの女房』、大物演歌歌手たちとの豪華共演、そして名人芸『越後前舞踊』に至るまで、水谷千重子の藝の真髄を堪能できる一枚となっている。ちなみに、本編は六条たかやと近藤春菜(ハリセンボン)をゲストに招いた名古屋公演の模様が中心となっており、各都市ごとの様子はダイジェストとして収録されている。

私は実際に水谷千重子のリサイタルを鑑賞しているのだが(6月10日・松山公演)、ライブで観るのとDVDで観るのとでは、あまりにも大きく印象が違っていることに気付かされた。ライブで鑑賞しているときは、架空の存在である水谷千重子のリサイタルを鑑賞している客として、まるで自分自身もコントに参加している様な感覚に見舞われた。無論、自分自身は観客としてリサイタルを鑑賞しているのだが、このリサイタルを完成させるために、自らも積極的に楽しんでいかなくてはならないという気持ちにさせられたのである。そこには、演者と観客が一緒になってライブという名の悪ふざけを成立させようという一体感と、着実に盛り上がっていくことに対する得も言われぬ高揚感があった。しかし、DVDで鑑賞してみると、その感覚がまったく生まれてこない。当たり前の話ではなあるが、ライブでは肌で感じられていた空気がDVDだと伝わらないからだ。そこには明らかに、演者と鑑賞者の間に距離が生じている。その違いが、本作では致命傷となっている。

近年、お笑い芸人のDVDは作品化が進んでいるように感じている。ライブで観れば当然面白いけれど、DVDで観てもそんなに印象が変わることなく楽しめる。パッケージ化されて、テレビ越しに観たところで、さして大きな問題はない。しかし、本作は違う。この全編を通して繰り広げられている悪ふざけは、観客として参加しているからこそ楽しめるもので、映像として観るとどうしても物足りない。各都市ごとのドキュメントを本編に半ば強引に詰め込んでいること、ライブで披露されていた幾つかの楽曲が権利の関係でカットされていることも、本作に対する印象に大きく影響しているように思う。

ライブパフォーマンスそのものは“完璧”と言ってもいい程の素晴らしい内容だっただけに、このDVDのクオリティは少々残念。ただ、水谷千重子という架空の演歌歌手による虚像のリサイタルという、ちょっと不可思議な空間を垣間見られるという意味では、本作はやはり稀少といえるのかもしれない。とはいえ、もう少しでも“水谷千重子”の世界観に寄せた編集を施していれば、まだ納得のいく作品に仕上がっていたんじゃないかしらん。うーん、勿体無い。


■本編(148分)
「水谷千重子ショー」「2人のビッグショー/全6都市を収録」「千重子一座特別公演「ゲノゲの女房」」「越後前舞踊」

■特典映像(15分)
「大物演歌歌手とのスペシャルトークショー」

『落語こてんパン』(柳家喬太郎)

落語こてんパン (ちくま文庫)落語こてんパン (ちくま文庫)
(2013/04/10)
柳家 喬太郎

商品詳細を見る

当代きっての人気落語家、柳家喬太郎が五十席の古典落語にまつわるエピソードをつづったエッセイ本。ネタの粗筋や見どころ・聴きどころについても書かれていて、落語愛好家は勿論のこと、初心者にも優しい内容になっている……んだけどさー、本当のところをいうと古典落語を知るのには音源をあたるのが一番だと思うんですヨ、私は。昭和の名人と呼ばれた歴々の口演を収めたCDやDVDも数多くリリースされてるし、なにより人気・実力を兼ね備えた現役の落語家だって沢山いるんだから。先に文章で内容を理解するよりも、レンタルショップかどっかで人気落語家の音源・映像を借りた方がいいんじゃないかなあ、とか思っちゃったりなんかしちゃったりして。

あとさ、先に「落語愛好家は勿論のこと」って書いちゃったけれど、本当は落語愛好家の人向けでもないんだよね。というのも、(回にもよるけど)文章の半分くらいは落語のあらすじだから、既に落語を識っている人には魅力半減なのよさ。で、解説にしても、そこそこ落語をかじっている人だったら割と聞き覚えのある話が多くて、そういう意味ではやっぱり初心者向け。でも、やっぱり初心者にはまず落語そのものに触れてもらいたいから……そうなると、誰向けの本なんだって話になっちゃう。多分、ベストの使い方としては、この本で興味を持った落語の音源なり映像なりをあたってもらう、いってみればガイド本として読むべきなんだろう。ただ、ガイド本としても、ちょっと内容が偏りすぎ。ほぼ毎回、この落語を得意としているオススメの落語家の名前を紹介しているんだけれど、柳家関係者が多すぎる! 幇間じゃあるまいし、自分の師匠の名前をどんだけ出すんだよ!(まあ、さん喬師匠はテクニシャンな落語家なので、仕方ないといえば仕方ないんだけれど) こういうのを目の当たりにすると、落語評論家といわれている人たちもあれでしっかりしているんだなーっ、とか思ってしまう。

なーんて、ケチョンケチョンに書いてしまったけれど、柳家喬太郎というイチ落語家がネタに対してどのように向き合っているのかが分かるという意味では、ファン必見の一冊になっていると思う。で、自称・喬太郎師匠のファンとしては、けっこう楽しく読んだのよね、実際。あーっ、そうだそうだっ、そういう楽しみ方がベストなんじゃないか。まず、レンタルショップで喬太郎師匠のCDかDVDを入手して、聴くなり観るなりして、そこそこファンになってみたところで本書を読んで、これらのネタを実際の師匠がどういう風に演じているのか思いを馳せてみる。で、たまらなくなってきたら、実際に寄席なりホールなりに出向いてみて、ナマの口演を体感する……うーん。なかなか悪くないんじゃないか。ただ、それをするには、喬太郎師匠のソフトってあまりにも少な過ぎるんだよネ。なァーんとかなんねェーもんかなァー。

とりあえず師匠、次は新作落語について語る本でどうっスか。

小林賢太郎演劇作品『ロールシャッハ』

小林賢太郎演劇作品「ロールシャッハ」 [Blu-ray]小林賢太郎演劇作品「ロールシャッハ」 [Blu-ray]
(2013/05/15)
小林賢太郎、久ヶ沢徹 他

商品詳細を見る

その国は、国土を広げるために島から島へと開拓を続け、ついには「世界の果て」と言われる大きな壁にぶつかった。壁の向こうを目指すため、見た目も性格も全く異なる4人の男が招集される。訓練をかさねるうちに彼らは、この作戦に裏があることに気がつく…。上質な笑いと、劇場空間ならではのあっと驚く仕掛けが散りばめられた、エンターテインメント演劇作品です。


小林賢太郎が“正義”について描いた演劇作品。具体的な内容について書いてしまうとネタバレになってしまうので書けないが、簡単に説明すると「それ『ガンダム』で見たよ」なメッセージが込められている。良くも悪くもテンプレ的な正義論で、観ている側を「いや、まあ、確かに、そうなんだけど……」と何か釈然としない気持ちにさせる。また、このメッセージが終盤で唐突に存在感をアピールしてくるため、それまでのエンターテインメントな世界観に対してちょっとだけバランスが悪い。「ちょっとくらいならいいじゃない」と思われるかもしれないが、この「ちょっと」の影響で、メッセージのテンプレ感がより際立ってしまっているのだから始末が悪い。前作の『トライアンフ』よりは大きく改善されているとはいえ、小林にはまだまだ強いメッセージが込められた演劇をこなすのは厳しそうだ。

しかし、メッセージ部分を除けば、純粋にエンターテインメント演劇としてクオリティは高かった。キャラクターの個性はそれぞれ際立っていたし(久ヶ沢徹のおバカ筋肉キャラは相変わらず面白い!)、それぞれが抱えているコンプレックスもとてもリアリティがあって親近感が持てた。中でも、辻本耕志演じる串田が抱えていたコンプレックスなどは、ネット上で無責任な批評を重ねている人間であれば突き刺さるところがあったのではないだろうか……私には刺さってませんからね、ええ。演出も面白い。小林賢太郎演じる天森が愛して止まないアメコミ風の世界を舞台上で再現していたのには驚いたし、楽しかった。ある意味、この舞台の主役ともいえる、壁を突破するための大砲も、舞台の画を引き締める良い存在感を放っていた。……だからこそ、彼らが正義と対峙する場面は、もうちょっと丁寧に描いてほしかったんだよなあ。言葉の上ではとても慎重に表現していた様に思うけれど、もっと感覚的に、正義について考えさせられる流れが欲しかった。

ただ、そう思う一方で、小林はこれを意図的にやったのではないかという疑念も。というのも、本作はあまりにも全年齢層を意識していたからだ。シンプルなストーリー、個性豊かなキャラクター、遊び心に満ちた演出、ストレートなメッセージとの対峙、そして大盛り上がりのエンディング……。それはまさしく、子どもから老人まで楽しむことが出来るエンターテインメントショー。ただ、分かりやすくするためであったとしても、作品自体のクオリティを落とすのは宜しくない。だからこそ、更なる成長に期待したい。


■本編(123分)
■出演
久ヶ沢徹 竹井亮介 辻井耕志(フラミンゴ) 小林賢太郎

『オンバト+』五月十一日放送感想文

プリマ旦那501kb/4,228票】※視聴者投票2位
五戦三勝。漫才『風呂』。缶ビールのCMはどれも美味しそうに飲んでいない、自分の方が美味しそうに飲めるという野村が、美味しそうなビールのCMを披露してみせる。まずは風呂に入る前から……。なかなかビールのCM部分が始まらない、というボケをオチまで引っ張った構成がニクい。おかげで観客はネタに集中せざるを得ない。それで最初に放り込まれたボケが「なんで晩御飯作らんとか言うん……?」だったのも良かったなあ。母親とモメた時にありがちな状況を、ビールのCMを演じているという前提がとてつもなくバカバカしく見せてくれる。その後は流れるように、ナイツの『ヤホー漫才』を彷彿とさせる、一方的なボケに細々とツッコミを入れていくスタイルの漫才コント。余談だけど、このタイプの漫才がじわじわと増えてきている気がする。気のせいだろうか。

ケチン・ダ・コチン【485kb/4,074票】※視聴者投票3位
九戦七勝。コント『どっちにしようかな』。ファミレスでメニューを悩んでいる田舎者風の少年、店員から「どっちにしようかな」で料理を決めればいいのではとの助言を受け……。どうでもいいことをポップなメロディで歌い上げるお馴染みのスタイルに、ギター漫談っぽいボケを加えてきた感。面白いといえば面白いのだけれど、前回のオンエアネタがかなりアグレッシブなコント(『絶望のレクイエム』)だったので、また元に戻っちゃったなあという印象の方が強い。パンとご飯を決めかねる、トンカツにどっちが合うかで決めかねる、悪くはないんだけど……。歌に誤魔化されがちだけど、ネタの内容がベタ過ぎ。そのベタさを武器に、もうちょっと攻めてほしい。

スーパーマラドーナ【481kb/4,944票】※視聴者投票1位
五戦三勝。およそ1年半ぶりのオンエア。漫才『怖い話』。前半ではどちらがより怖い話のタイトルが言えるかを勝負し、後半では二人が一文ずつ出しあって一つの怖い話を創作する。こういう構成の漫才は内容が散漫になりがちだが、怖い話という総合的なテーマがあることに加えて、どちらも怖い話特有の口調を用いているので、ネタに統一感があった。また、どちらかに役割が偏らず、二人が交互に言葉を繋げていくというスタイルも良い。さりげなくやっているけれど、実はとても個性的な漫才なんじゃないか。ただ、ネタの設定は面白いんだけれど、内容がちょっとベタになりすぎている様な。パンチのあるボケが欲しい。「『ごきげんよう』を見て少し寝てしまった」に笑ったけど。確かに、確かに2時ごろだけど。

チョップリン【477kb/2,766票】
初出場初オンエア。西のナンセンスコント職人、4年3ヶ月ぶりの挑戦。コント『オンエアバトルのオーディション』。オンエアバトルのオーディションにやってきた芸人が、相方が亡くなったばかりのピンキーズというお笑いコンビで……。『芸人交換日記』が話題になっている御時勢に、またとんでもないネタを持ってきたな! でも、ネタの設定に反して、以前よりも笑いが骨太になったような。設定が典型的なブラックユーモアだからかな。そんなベタな雰囲気の中、さりげなく放り込まれるセンスがたまらない。なんで竹内まりやなんだ(笑) 「恐らく戒名だよね!?」「鮮度バツグンだよコレ!」「享年43歳でしたーっ!!!」には笑った。割とポップなネタが続いていた中で、こういうパンチの利いたネタが飛び込んでくれると、個人的には凄く嬉しい。しっかし、視聴者投票は最下位か……。

コンパス【461kb/3,934票】
五戦三勝。コント『不良』。カッコイイ不良に憧れている少年が、不良のイロハを教わろうとする。開始早々、ボソリと言った「そいつは厳しいんじゃないかな」の言い方がツボに入る。なんだろうな、あのちょっとイキった感じの口調は。面白かったな。その後も、当たり外れはあったものの、なかなか出来の良いボケが続く。バナナ片手に気取り出してからの展開は凄かったなあ。「またな」「バナナ」とか、あんなに下らないのにどうしてこんなに面白いんだろう。全体的に西本のコント師としてのポテンシャルの高さが印象に残ったが、彼が元人力舎所属と考えると合点がいく。そこで磨いた腕なんだろうな。漫才も悪くはないけど、コントの方がこなれている感じがして良かった。今後も見られると嬉しいなあ。

■今回のオフエア
385kb:ラブレターズ
289kb:インポッシブル
277kb:エレファントジョン
233kb:キック
189kb:サミットクラブ

エレファントジョンがおよそ一年ぶりにオフエア。ここ数回はキロバトルも安定していたが、大阪という土地に馴染めなかったか。ラブレターズは勝ったり負けたりが続いている。地方収録では全敗の模様。インポッシブルは09年11月以来の出場だったが、オンエア成らず。前回、オーバー500を記録したキックは伸びず。……なんか見た目がずんのやすみたいになってる……。

■次回
オキシジェン
【初】雷ジャクソン
こぶし
タナからイケダ
トミドコロ
【初】西村ヒロチョ
BLUE RIVER
マシンガンズ
【初】リージェントグラフ
【初】レモンティー

次回は長崎収録。初出場が4組、それ以外もオンエア回数4回以下というフレッシュ満点な回になりそうな予感。漫才師としてじわりじわりと認知されつつあるオキシジェン、ハイテンションな一人コントが妙な後味を残すトミドコロ、ワタナベ九州支部の星・BLUE RIVERなど、気になる名前も少なくないが、中でも注目はマシンガンズ。何度かオンエアも記憶しているものの、安定せず、なかなか番組に馴染み切れない彼らは現在2連敗中。リベンジ果たせるか。

『清水ミチコのお楽しみ会2013 ~清水ミチコ物語~』(高松)

清水ミチコ物語清水ミチコ物語
(2012/03/28)
清水ミチコ

商品詳細を見る

『清水ミチコのお楽しみ会2013 ~清水ミチコ物語~』が高松で開催されるというので、観に行くことにした。2011年にリリースされたライブDVD『Live!清水ミチコのお楽しみ会 ”バッタもん”』にいたく感動し、ずっと彼女のステージを生で体感したいと思っていたので、まさに渡りに船である。チケットは発売開始直後にローソンチケットで入手。場所は高松のフェリー港からほど近いアルファあなぶきホールの小ホールで、席は1階全21列中の5列目、しかもほぼセンターという最高の場所だった。チケット代は手数料を除いて5,000円。正直、最初に値段を確認したときはちょっと高値に感じた。

そしてライブ当日。愛車をスッ転がして、ブックオフで昔のライムスターのCDを850円で買ったり、県立図書館で落語のCDを借りたり、タワーレコードを冷やかしたり、大盛りラーメンのお店『ドカ壱』で遅めの昼食を取ったりと、あっちこっちにウロウロチョロチョロと時間を潰しているうちに、気が付くと時刻は開場間際の17時前。少し慌てながら、アルファあなぶきホール近くの有料駐車場に移動、車を停め、歩いて会場に向かう。ここで余談だが、アルファあなぶきホールのすぐ側に玉藻町駐車場という大きな有料駐車場があるのだけれど、ちょっと脇道に入ったところにもっと安い有料駐車場があるので、そっちを利用した方がだいぶお得である(同様のことは高松駅の地下駐車場にもいえる)。少し歩く必要があるが、料金は大きく違ってくるのでご検討を。

小ホールの入口までやってくると、物凄い行列が出来ている。恐らく、開場前から近辺で待ち構えていた人たちが、一気に集中したためだろう。ほっと胸をなで下ろす……そもそも全席指定なので、何も慌てる心配はないのだが。ロビーに入ると、真正面に清水ミチコ扮する宝塚(?)俳優“轟寿々帆”の等身大パネルが飾ってあって、驚くと同時に吹き出す。轟寿々帆は最新作『私という他人』に登場する架空の人物で、そこでのアグレッシブな演技から、清水が彼女に強い思い入れを抱いていることを感じてはいたのだが、まさかパネルになってお目見えするとは。物販では、清水のCD、DVD、書籍などに加えて、コットンバッグ(大橋裕之デザイン)にクリアファイル(轟寿々帆・謎の韓流アイドルユニット“ブラックホール”の二種類)を販売。コットンバッグとクリアファイルをセットで購入したら安くするということなので(1,800円のところを1,500円に)、セットで購入する。なお、『私という他人』を購入したら、轟寿々帆の生写真が付いていたらしい。どんだけ推してんだ。

開演5分前、席に座る。すぐさまケータイの電源を切って、じっと開演を待っていたのだが、何か小さなトラブルでも起きているのか、なかなか始まらない。隣のおじいちゃんがケータイをイジっていたのでそっと横目で見ると、既に開演の予定時刻は過ぎている(※覗き見しようとしたのではなく、ケータイの電源が入っていることが気になってチラッと見ただけです)。心配する気持ちもそこそこに、しかし、そろそろ、いいかげんに待ちかねた……というところで開演のブザーが鳴る。途端に、ステージ上の巨大モニターに、こちらが想像もしていなかった衝撃的な映像が! まさかの展開に大笑いして、それまで待たされたことなどすっかり許してしまった。

続いてモニターに映し出されたのは、清水ミチコのモノマネ史。渋谷ジァンジァンでデビューし、『冗談画報』、雑誌での顔マネ写真連載など、清水ミチコという芸人が如何にして形成されてきたのかを簡単に解説。勿論、逐一笑わせてくれる。桃井かおりのモノマネはデビュー前からやっていたというのには、些か驚いた。年季が入っているんだなあ。VTRが終わると、待ちに待った清水本人がご登場。いきなりの新ネタ『田中真紀子のトーキング・ブルース』で、会場を一気に盛り上げる。そういえば、有吉弘行の台頭以前は、あだ名といえば田中真紀子だったっけ。歴代のドイヒーなあだ名、そして、これから作られるであろうあだ名をブルースに載せてお届けする。ナンセンスの中に悪意を織り交ぜた、素晴らしい一幕だった。これが終わると、続いてリクエストコーナーへ。“平野レミ”“叶恭子”と月並みなリクエストが観客から挙げられたが、三人目の女性のリクエストが“『My Black Eyes』”。その巧みな歌唱力(笑)で、見事に歌い上げていた(曲の詳細は同タイトルでググって調べてみよう!)。

以降、ネタバレにならない程度に取り上げると、『一人紅白歌合戦』『絵本朗読(Gたかし大ピンチなネタ)』『ミュージシャンの作曲講座』などを披露していた。どれもこれも最高に面白かったが、中盤でベスト盤『清水ミチコ物語』に収録されている『ひとつだけ』で、会場をしっとりとした空気で包み込む場面も。あんなん泣くに決まってるやないか……! ところどころで挟み込まれるVTRも素晴らしい出来栄え。中でも、某女優との対談映像は腹を抱えて笑った。どうやら清水は、演者としてだけではなく人から言葉を引き出す能力にも長けているようだ……もしかして天才か? DVD化に期待したい。ラストは『モノマネメドレー』、昭和版と平成版で一気に攻め込む! ここで観客のテンションが最高潮に達し、もう手拍子が鳴り止まないっ状態に。そうして迎えたアンコールで、清水が披露したのは……まさかまさかの肩透かし! どうして、これだけ盛り上げておいて、それをやらかしてしまうのか! ……いや、こういうセンスこそ、清水ミチコのセンスの極致だということは、既出のCD・DVDで既に学習済みである。とはいえ、なかなかに壮絶なパフォーマンスであった。その衝撃的なパフォーマンスが終わってからも拍手は鳴り止まなかったが、終演のアナウンスとともにライブは終了。観客からは「えーっ!!!」という不満の声もあがったが、その時、時刻を確認すると、もう19時半を回っていた。2時間超の長丁場、清水のスタミナも切れてしまったのだろう。それくらい、パワフルかつテクニシャンなライブだった。

清水はこれから7月まで全国を回る予定らしい。お笑い好きで、スケジュールや交通や予算の問題がないというのであれば、絶対に観に行くべきだ。こんなにも下らなくて、技と悪意があって、面白いライブってそうそう見られるものじゃない。皆で清水ミチコと一緒に、ライブという閉鎖的空間で自らの悪い感情を発散しよう! そうすればきっと、寂聴もあなたに微笑んでくれる筈……!
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

検索フォーム
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
月別アーカイブ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。