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眠らない夜に泉谷しげる

昭和の歌よ、ありがとう昭和の歌よ、ありがとう
(2013/08/07)
泉谷しげる

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今年の紅白歌合戦に泉谷しげるが初めて出場するとのこと。

そんな話を初めて聞いたときは、正直ちょっとビックリした(主に「“初”なの!?」という意味で)。けれど、冷静になって考えてみると、イズミヤは今年『昭和の歌よ、ありがとう』というアルバムをリリースしていて、しかもこれが日本レコード大賞の優秀アルバム賞を受賞している。だから、恐らく今回の紅白出場は、このアルバムに収録している楽曲が披露されるんだろうなあ……と思っていたんだけれど、後になって『春夏秋冬』を歌うことが発表されて、ちょっとズッコケそうになった。結局そこなのね。


『春夏秋冬』は1972年に発表された泉谷しげるの代表曲だ。テレビ番組でイズミヤが歌を披露するというときには、必ずと言っていいほどにこの曲が歌われている。過去にはSION、福山雅治、松崎ナオなどのすんばらしいアーティストたちがこの曲をカバー、現在も70年代フォークを代表する楽曲の一つとして強い人気を誇る一曲だ。私自身、とある音楽番組で福山雅治が『春夏秋冬』を歌っている様子を耳にして、泉谷しげるというミュージシャンに興味を抱くようになったクチである。だから、それなりに思い入れの強い曲でもある。でも、「泉谷しげるが紅白歌合戦という国民的な舞台で、今更『春夏秋冬』を歌う必要があるのか?」という考えも、少し。先にも書いたけれど、イズミヤがテレビで歌う楽曲といえば『春夏秋冬』だと断言してもいいくらい、この曲はメディア媒体で披露される機会が多い。そういう曲を、わざわざこういう場で……と、そんなことを考えてしまうのは、私がゾクブツだからなんだろうか。

とはいえ、この名曲が紅白歌合戦で歌われることで、若い人たちには温故知新の意味で、老いた人たちには懐古の意味で、しっかりと伝わるところには伝わっていくんだったら、それはそれで素晴らしいことじゃないかなーってなことも思ってみたり。……って、わたしゃ関係者か。

突然炎のように!突然炎のように!
(2014/01/08)
泉谷しげる

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ちなみに、年明け早々、イズミヤが2012年から自主レーベルで販売していたオリジナルアルバム『突然炎のように!』が、一般流通されるご様子。なんでも、自主レーベル盤をそのまま発売するわけではなく、幾つか楽曲を追加するらしく、そのうちの一曲が『春夏秋冬』の2014年バージョンが収められている予定……って、なんだか狙ったようなタイミング! もしかして、これを売るためにイズミヤがNHKと談合して……?(ナイナイ)
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2013年12月のリリース予定

■レビュー予定
18『かもめんたる単独ライブ「メマトイとユスリカ」
18『アンタッチャブル山崎のゆる~い関係
25『1回やらせて!』(オテンキ)
25『バカリズムライブ「COLOR」
25『佐久間一行SHOW2013 GOLD10~ゴールデン~]
25『<限定盤>佐久間一行SHOW2013 GOLD10~ゴールデン~
25『チーモンチョーチュウ シチサンLIVE BEST Vol.1
25『【Amazon.co.jp限定】チーモンチョーチュウ シチサンLIVE BEST Vol.1 (アザージャケット付)(完全数量限定)
25『磁石 単独ライブ 「Lucky7」
25『第15回東京03単独公演「露骨中の露骨」

■テレビ関係
04『大阪ほんわかテレビ NON STYLE 突撃! ほんわか調査団 (1)
07『めちゃイケ 赤DVD 第3巻 モーニング娘。の修学旅行 岡村女子高等学校。
07『めちゃイケ 赤DVD 第4巻 モーニング娘。の期末テスト・体育祭 岡村女子高等学校。2
07『めちゃイケ 赤DVD 第3巻・第4巻 モーニング娘。 岡村女子高等学校。 2巻セット
18『おねマスDVD 5年熟成マスカッツ最強幕の内弁当~おいしいところ全部入り~
18『ココリコA級伝説
18『ココリコ黄金伝説
18『【Amazon.co.jp限定】 ココリコ黄金伝説 / ココリコA級伝説 2巻セット(黄金スリーブ付)
18『キングオブコント2013
18『【Amazon.co.jp限定】パワー☆プリン THE Premium ~未公開 マボロシ DISC~(「直筆サイン入り台本カバー」抽選プレゼント券付き)
18『パワー☆プリン THE Premium ~未公開 マボロシ DISC~(台本カバー抽選応募はがき無し)
18『マッコイ 小木の(エン)道中 もっでっぞ山形
18『ごぶごぶBOX8
18『ごぶごぶ 浜田雅功セレクション8
18『ごぶごぶ 東野幸治セレクション8
20『ゲームセンターCX DVD-BOX10
25『ロケみつ ザ・ワールド 桜 稲垣早希のヨーロッパ横断ブログ旅36 ドイツ編その(3)&オランダ編その(1)
25『東野・岡村の旅猿 プライベートでごめんなさい… 奥多摩で初キャンプの旅 プレミアム完全版
25『内村さまぁ~ず vol.47
25『内村さまぁ~ず vol.48
25『内村さまぁ~ず vol.49
27『玉瀧光 VOL.3 お願いっ、延長!!
27『おねマスDVD 理由あって流せなかった5年間のマル秘未公開集
27『おねマスDVD 伝説の名場面集
27『おねマスDVD 小奥傑作選スペシャル
27『有吉AKB共和国

■その他
05『ワザオギ落語会 vol.9
11『落語研究会 柳家小三治大全 下
18『桃月庵白酒 落語集 不動坊/二番煎じ

気が付けば、今年も残り一ヶ月となってしまった。おかしい。新年を迎えたのって、先週くらいじゃなかったっけ? 自分がどれほどぼんやり生きているのか、改めて考えさせられてしまう。まあ、どうでもいいんだけど。そんな今年最後の一ヶ月は、ご覧のラインナップとなっている。ご覧の通り、なかなかに大変なことになっている。一般庶民の大事な大事なボーナスを狙って、これでもかとDVDがリリースされるのがこの時期の常とはいえ、それにしても。とりあえず、何故かザキヤマ名義になっている人力舎のライブDVDと、佐久間一行・東京03それぞれの全国ツアーライブが楽しみ。オテンキのDVDは未だに詳細がはっきりしていないけれど、本当にリリースされるのかな。ちょっと不安だ。テレビ関係も魅力的な作品が幾つか。旅猿、内さま、GCCXなんかは休日にまったり観たいよねー。クリスマス、サンタさんにお願いするなら今のうち!

『グランジ BEST NETA LIVE』

グランジ BEST NETA LIVE [DVD]グランジ BEST NETA LIVE [DVD]
(2013/11/13)
グランジ

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『グランジ BEST NETA LIVE』を観た。

グランジはよしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属する三人組だ。メンバーは、ガラ声のツッコミ担当・佐藤大、三人の中では一番イケメンなボケ担当・遠山大輔、長身で不穏な気配を漂わせている最年少のボケ担当・五明拓弥。当初、彼らは佐藤と遠山のコンビとして活動していたが(当時からユニット名は“グランジ”だったらしい)、2005年に五明が加入、現在のトリオになったのだそうな。確か、ネプチューン、インスタントジョンソン、東京03もコンビからトリオになった筈。彼らもいつかそんな人気者になっていくのかしらん。

この作品は、グランジが2013年8月24日にルミネtheよしもとで開催した、ベストライブの模様を収録したDVDだ。聞いたところによると、本作が1万枚売れないと、彼らはよしもとを解雇されるのだという。なんだかとっても理不尽な話だけれど、電波少年をリアルタイムで熱心に見ていた者としては、そんな状況をついついニヤニヤしながら見てしまっている。売上1万枚を達成したアカツキには、きっとその過程を撮影したドキュメンタリーDVDをリリースしてくれるだろうから、今から楽しみだ。……まったくカメラに収めていないなんてことないよね? だとしたら、とってももったいないぞ。

そんなことを思ったりなんかしちゃったりしながら、本編をポチッと再生。

いきなり映し出されたのは、ステージの真ん中に配置された巨大な日めくりカレンダー。日付は“平成25年8月24日”。このライブが開催された当日だ。しばし、それを見させられていると、舞台袖からメンバーの一人である遠山さんが静かに姿を表す。そして、その巨大日めくりカレンダーに手をかけ、一気に引き裂く。すると、そこにはでかでかと書かれた“本日はご来場いただきありがとうございます”の一言、そして途端に鳴り出す激しいロックミュージック! その後も日めくりカレンダーは次々に引き裂かれ、その度に新しい言葉を提示していく。とっても刺激的なオープニングアクトだ。それが終わると、今度はライブでも上映されただろうオープニング映像が流れ始める。三人の警官に追われているグランジの三人。路地裏を駆け抜け、波止場まで辿り着くも、そこで……。その洗練された美しい映像は、まるで映画のワンシーンの様だった。……あれ? これ本当にお笑いライブのDVD? なんだかカッコイイにも程があるぞ。思わずパッケージを確認してみたりして。でも、この最高にクールな演出で飾られたオープニングが終わると、ちゃんとネタが始まったので一安心。

本編で披露されているネタは全部で12本。そのうち1本が漫才で、残りの11本は全てコントだ。『我慢できない症候群』『THE MONSTER』『漫才(※じゃんけん)』は「オンバト+」で観たことがあったけれど、無視せずにしっかりと楽しめた。以前と同じボケでも、佐藤さんのミリョク的なツッコミが、また違った印象を与えてくれたからだろうか。これまで、佐藤さんといえば二人のボケにただただ振り回されているイメージがあったけれど、実は凄い人なのかもしれない。むむむ。初見のコントも面白いネタがてんこ盛り。二人のお坊さんが独特の盛り上げ方で合コンを引っかき回す『僧コン』、三人のヤクザがとある遊びで大いに盛り上がっている様を描いた『初代五明組』、観客に危害が及ぶ可能性を考慮して特殊な設備が用意された『THEヤクザ』など、どれも分かりやすいけれどアウトローな香りがぷんぷんしていてたまらない。……彼らがこういう粗削りで男臭い笑いをやっていることは、もうちょっとアピールされるべきなのかもしれない。東京ダイナマイト、サンドウィッチマンの笑いが好きな人は、一度試してみては。個人的なお気に入りは、ラーメン屋のオヤジとチンピラの客が意地を張り合って巻き起こる惨劇を描いた『GANKO』。どっからどう見ても惨劇なのに、独特のテンションと映像を駆使した演出で大笑いしてしまった。ここでも、現場に居合わせてしまった常連客を演じている佐藤さんがとにかく映えまくっている。やっぱりタダモノではない!

これらの本編に加えて、ライブ終了後に彼らがDVDを1万枚売らなければ事務所を解雇されるという旨が客前で告げられる「緊急発表記者会見の模様」を収めた特典映像と、本編のVTRやコントについて「グランジが自ら振り返る副音声」を収録。かゆいところにしっかりと手が届いた、とっても充実している内容にもかかわらず、お値段はなんと1,905円(税抜)! あまりの安さに涙が出そうになるけれど、この低すぎる価格設定こそ、今回の企画が本気であることの証明になっている気がする。とはいえ、もしよしもとを解雇になったとしても、これだけのネタが出来るのであれば、何処に行ったとしても通用する様な気もするけれど。まあ、そこは足掻いてもらった方が面白いので、とことん足掻いてもらいたい。目指せ、よしもと残留! ……って、なんか昔、どっかでこんなこと言ってたコンビがいたっけな。誰だっけ。思い出せないや。うーん、閉店ガラガラ!

まあ、企画のことを抜きにしても、一度チェックしてみるだけの価値はある一枚ですよ。


■本編(88分)
「オープニング」「我慢できない症候群」「THE MONSTER」「僧コン」「初代五明組」「漫才」「secret base」「爆弾」「「昔のことですから…」」「THEヤクザ」「弟子にしてください」「GANKO」「隣のおばさん」

■特典
「緊急発表記者会見の模様」(12分)
「グランジが自ら振り返る副音声」

『オンバト+』11月16日放送感想文

■エレファントジョン【453kb/3,128票】
16戦13勝、今期2勝目。漫才『特技がない・ピアノ教室』。これといって特技がないことが悩みだという加藤。ただ、子どもの頃にピアノを習っていて……という話をしようとするのだが、隣で相槌を打つ森枝が進行の邪魔をするので、まるで進まない。加藤の話が完全に前後篇に分かれていて、一貫性という意味では少し弱かったためなのか、森枝の相槌がいつも以上に食い込んでいる印象を受けた。個人的にエレファントジョンの漫才は、森枝が加藤の話を相槌でうっすらジャマする程度が面白いと思うので、今回はちょっと過剰に感じられた。おかげで、終盤の「キキ役」「静香にしろ」のくだりも、なんだか妙に白けてしまって……。バランスの難しさを改めて実感。「ピアノだけにそなたも?」

■うしろシティ509kb6,038票
13戦12勝、今期3勝目。コント『寿司屋』。寿司を握りながら、不良になってしまった子どもたちのことを悲観する大将。長々と愚痴をこぼすのだが、その間、ずっと寿司は握られっぱなし。すっかり温かくなってしまったそれを不安がりながらも食べてみると……美味い! 美味しい寿司を手に入れるために、大将の家庭のウェットな部分を利用しようという利己的な客の構図が、たまらなく面白かった。バナナマンからの影響は残っているんだけれど、二人ならではの味もきちんと出していたというか。良い意味でデリカシーが無いよね。「宝箱だ! これは宝箱だ!」

■じゅんいちダビッドソン【441kb/3,011票】
4戦1勝、今期初オンエア。漫談『無回転なぞかけ』。サッカー日本代表の本田圭佑が「オンバト+」のステージにやってきた。本田の特技は、ボールが全く回転しない“無回転シュート”。今回はその特技にあやかって、“無回転なぞかけ”を披露したいのだという。「本田圭佑に扮してネタを披露する」という状況が既に面白いが、ネタの内容もなかなか面白かった。本来、一見すると無関係なモノ同士を、ある言葉でもって上手く繋げることによって笑いが生まれる「なぞかけ」という手法において、あえて捻りを加えない(これを「無回転なぞかけ」と表現するセンスもいい)で、とてつもなく浅いネタにしてしまう下らなさ。ちゃんとしたネタが出来るアピールも、セオリー通りで良かった。そのスタイルも含めて、第2のダンディ坂野になりうる逸材として奮闘してもらいたいところ。いやー、ミスマッチグルメから長かったなあ……。「その心……ってゆーのは!」

■あどばるーん【441kb/2,234票】
5戦3勝、今期初オンエア。漫才『青森県のランク』。青森県出身で、南部訛りの漫才をする二人。「この喋り方でいけばいいんだ!」という小野に対して、新山は「そうは言うけどさ、青森県のランクって分かるか?」と尋ねる。すると、どうやら分かっていないようだったので、小野が青森県、新山が他の都道府県に扮して、その格差を明確にする。U字工事や赤プルの様に、地方出身者が他の都道府県に対してコンプレックスを剥き出しにするネタは過去にも存在しているが、こうしてはっきりと都道府県を擬人化して、はっきりと格差を描いているネタは、しゃべくり漫才が主流の昨今ではちょっと珍しい。設定もさることながら、ツッコミにも関わらず、やたら青森を過度に信頼している小野が面白かった。良さが出てたなあ。それはそうとして、新山の語り口がアルコ&ピースの平子っぽくなっていた気がするのは、私だけだろうか。芸能界の楽屋裏を思わせる設定も、お笑い業界をヒネた目線で笑いに昇華する彼らのスタイルを思わせて……影響を受けたのかもしれない。「野崎商店!!!」

■風藤松原【457kb/2,508票】
17戦15勝、今期3勝目。漫才『高校教師』。高校教師に憧れているという風藤。もし教師になってもちゃんと生徒に指導できるのかを確認するため、コントでその手腕を試すことに。「高校教師がダメな生徒を指導する」というオーソドックスな設定にも関わらず、ボケの質量が過剰過ぎて、そのオーソドックスさが意味を成していないというとんでもない漫才だった。松原のダウナーで吹っ飛んだボケと、さりげなく緻密な風藤のツッコミが常に鋭い。その凄さに、思わず(こんなにもセンスをギンギンに研ぎ澄ましたコンビだったっけ?)と考え込んでしまった。この番組でもそうだけど、年末のアレでの活躍にも期待。「分倍河原でホストになります」

■今回のオフエア
417kb:グランジ
373kb:ラブレターズ
361kb:シリフリ
229kb:レモンティー
205kb:ブランケット

無傷の5連勝中だったグランジ、無傷の2連勝中だったブランケットとレモンティー、前回初出場初オンエアを果たしたシリフリと、負け無しだったユニットが総崩れという大変な結果に。自身のライブDVDを1万枚売らないと事務所を解雇されてしまうというグランジの、ここでのオフエアはちょっと厳しい。せっかくのコントをアピールできるチャンスが……。

■次回
アイデンティティ(1)
阿佐ヶ谷姉妹(2)
S×L(2)
こぶし(1)
スマイル(2)
チキチキジョニー(2)
トミドコロ
ニッチェ(2)
ボーイフレンド(1)
夜ふかしの会(2)

女性コンビが3組出場するという、ちょっと珍しい回。阿佐ヶ谷姉妹やチキチキジョニーはともかくとして、ニッチェの出場は個人的にちょっと意外だ。既にそこそこテレビ露出のある彼女たちにも、チャンピオンの称号は魅力的ということなんだろうか。番組ファンとしては素直に嬉しいね。この他、前回オーバー500を叩き出して勢いづいているS×Lとスマイル、当たれば大きいアイデンティティと、けっこうなメンツが揃っていて、なかなか厳しい戦いになりそうな予感。だからこそ、チャンピオン大会とは(恐らく)全く関係無いトミドコロが、どういうことになるのかが気になるところ。空気を読まずにブッ壊せ!

『オンバト+』11月9日放送感想文

■スーパーマラドーナ501kb/3,549票】※投票2位
7戦5勝、今期3勝目。漫才『スポーツ』。見た目によらず運動音痴だという武智に、相方の田中がスポーツを趣味にしたらどうかと持ちかけ、幾つかの競技を提案する。“スポーツ”というおおまかなテーマで括った細かいコントで構成されていて、漫才というよりもショートコントに近い印象を受けた。それでも、ネタにまとまりを感じられたのは、構成がしっかりと練られていたからだろうか。漫才そのものよりも、一発一発のギャグに焦点を絞ったネタだったように思う。なかなか良いパンチラインが見られた。「超気持ちいい?」

■ツィンテル【473kb/1,941票】
10戦6勝、今期3勝目。コント『この人、男?女?どっち?』。本庁から来るというキャリア組を迎えにやってきた勢登の前に現れたのは、男か女かよく分からない倉沢という人物。会話の内容から、どうにか性別を判断しようとするのだが……。コントの設定としてはかなりオーソドックスなテーマを、かなり丁寧に描いている。男か女かはっきりしない人物を演じている倉沢の演技も絶妙で、その中性的な雰囲気をリアルに再現していた。ただ、刑事という設定が、あんまり活かされていなかったような。あえて無視した可能性も否定できないけれど、せっかくだからそこは絡めてほしかった。「チューブトップ型の防弾チョッキだ!」

■3フランシスコ【389kb/1,792票】
初出場初オンエア。漫才『手術』。3フランシスコはお笑いトリオ。メンバーの林田は漫才師として漫才コントがやりたいのだが、他の二人がまったく期待通りに動いてくれない。林田のツッコミというか場回しに多少の違和感はあったものの、残る二人のプロレス的な雰囲気がとてもリアルで面白い! プロレスに詳しくないけど、それでも引き込まれた。「お前の墓にクソぶっかけてやるよ!」もたまらなかったけど、「おい、ワナだぞ気を付けろ!」が地味に良かったな。林田がもっと漫才師としてのテクニックを身につければ、そのギャップで更に面白くなっていくのでは。要注目。「ソバット低い!」

■ケチン・ダ・コチン【449kb/3,646票】※投票1位
11戦8勝、今期2勝目。コント『いい湯だな』。温泉に浸かっている二人。その心地良さに、思わず片方が「いい湯だな~♪」と歌い始めると、もう片方がそれにコーラスを重ね、まるでセッションの様に……。ケチン・ダ・コチンが一つ上のステップに上がったと感じさせる、素晴らしいコントだった。以前の彼らは、『野球拳』『指切りげんまん』などの耳に馴染みのあるメロディに大袈裟なアレンジを加える、ギャップを売りにしたコントを演じていたが、今回はアレンジ面を大幅に強調。お馴染みのけいたまんによる澄んだボーカルとアコギサウンドに、これまでツッコミだった吉田のボイスパーカッションとラップが加わって、より壮大に、よりバカバカしい世界を繰り広げていた。途中で有名曲のパロディを盛り込んでいたのも、これからの進展を予感させる。いい方向性を見出せたんじゃないか?「いい湯だ、Ha~Ha!」

■ラバーガール【417kb/2,750票】※投票3位
14戦全勝、今期2勝目。コント『ワンダフルレース』。緑山動物園にやってきた飛永は、そこで係員の大水に「ワンダフルレース」なる催しが行われることを教えられる。果たして、そのレースの正体は。一見すると、これまでにラバーガールが演じてきたシチュエーションコントの流れを汲んだネタに見えるが、今回は「ワンダフルレース」という独自のアトラクションに焦点を絞っているため、これまでよりも彼らの濃厚な世界観を楽しめる作品になっている。大水の素っ頓狂なキャラクター、飛永の常識的な立ち位置から冷静に繰り出すツッコミも変わらず魅力的だが、今回はなんといってもワンダフルレースの矮小さに尽きる。コント後半、二人が箱の中のアリの様子を感情的に見ている姿は、広々とした生の舞台で見るときっとたまらないものがあったことだろう。その意味では、今回のネタは空間を上手く使った演劇的なコントだったといえるのかもしれない。「思ったよりアレですね。気持ち悪いですね」

■今回のオフエア
361kb:コーヒールンバ
353kb:コンパス
341kb:アルコ&ピース
341kb:ライス
297kb:ゴールドラッシュ

『キングオブコント2013』ファイナリスト、アルコ&ピースが一年ぶりのオフエア。元々、評価が安定しないコンビだが、それでもオフエアと聞くとちょっとビックリしてしまう。リベンジ狙いのライス、無念の連敗。初オンエアのコントが面白かっただけに、ここで終わってほしくない。1年以上のスパンを空けての出場だったゴールドラッシュは自身初の最下位。

■次回
あどばるーん
うしろシティ(2)
エレファントジョン(1)
グランジ(2)
じゅんいちダビッドソン
シリフリ(1)
風藤松原(2)
ブランケット(2)
ラブレターズ(1)
レモンティー(2)

次回は東京収録。今期2勝目をかけた芸人たちによる熱い戦いが予想される……って、毎回言ってるなコレ。そういう時期だからしょうがないんだけれど、どうも言い回しがパターン化していて、面白味が無いね。注目は、およそ1年2ヶ月ぶりの出場となるあどばるーん。訛りを駆使した漫才、そろそろ東京で受け入れられたいところ。

『枝雀らくごの舞台裏』(小佐田定雄)

枝雀らくごの舞台裏 (ちくま新書)枝雀らくごの舞台裏 (ちくま新書)
(2013/09/04)
小佐田 定雄

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私が初めて聴いた二代目桂枝雀の落語は、レンタルショップで気まぐれに借りた『THE 枝雀』に収録されている口演だった。演題は『宿替え』『宿屋仇』。どちらも明るく呑気な噺で、師匠の良さが存分に発揮されているネタなのだが、当時の私は上方落語を聴くことに慣れておらず、その喋りの癖の強さがどうも受け入れられなかった。その後に、枝雀の師匠にあたる三代目桂米朝の丁寧な口演を受けて、上方落語のニュアンスを理解した後に聴いてみて、ちゃんとその良さを認識することが出来たのだが。結局、何かを理解するためには、ただ上等な作品に触れるだけではなく、それを正しく受け入れられる心持ちであることも重要なのだと、この時はしみじみと思ったものだ。

電話の内容は台本を読んだということ。ぜひ演じさせてほしい。ついては一度会って話がしたい……というまさに夢のようなものだった。まだ会社勤めをしていたころだから、次の土曜か日曜に枝雀さんが出演していた道頓堀の角座で会うことになった。そこで、枝雀さんから、「こんな台本、待ってましたんや」と天にも昇るような望外なお褒めの言葉をいただいた上に、「次回の『枝雀の会』でやらせてもらいます」と約束していただけた。その日の帰り道、きっとただでさえしまりのない私の顔は、ほどけきっていたにちがいない。

(本文227頁「幽霊の辻」より)


本書は、二代目桂枝雀の座付作家・小佐田定雄が、師匠の持ちネタをきっかけに様々な思い出噺を展開している一冊である。小佐田氏はサラリーマンだった頃に『幽霊の辻』という新作落語の原稿を師匠に送り付け、その才能を見出されるという異例の形で落語業界に飛び込んだ人物だ。師匠の没後も、数々の新作落語を書き上げ、上方落語の世界で多大に貢献している。いわば小佐田氏は、師匠の「新作落語を作りたい」という心持ちに、上等な作品でもって答えたのである。そのアメリカンドリームを思わせる人生模様は、ある意味、落語好きにとって、最も理想的な生き方をされているといえるのかもしれない。

そんな小佐田氏の文章は、二代目桂枝雀に対する深い尊敬と愛情で満ち溢れている。本当に話の細かい所までしっかりと記憶しているし、なにより、彼の語る師匠はとてつもなく魅力的だ。落語に対する並々ならない感性の鋭さを見せかと思えば、私生活で垣間見せる人柄もたまらない。例えば、弟弟子である桂ざこばについての話は、ちょっとうるっときてしまった。

 ざこばさんは朝丸、枝雀さんもまだ小米と名乗っていた時代というから、おそらく六〇年代のことだと思う。ある雨の日、二人が肩を並べて歩いていると、道ばたに生まれたての仔犬が捨てられていた。いったんは通り過ぎたものの、立ち止まった朝丸は、
「兄ちゃん、ぼく、さっきの仔犬になにかしてやりたいねん」と言い出したのだそうだ。小米は、
「あのな、いま、この仔犬になんぞやったところで、いつまでも面倒をみてやれるわけやないねん。中途半端な情をかけてやるよりは、このままほっといたほうがええんやないか」と諭したが、
「兄ちゃんの言うてることもわかるけど、ぼくはいま、なにかをしてやりたいねん!」
 そう言い残すと朝丸は近所の売店で牛乳を買い、きびすを返して仔犬の捨てられていたところへ走って行った。雨の中、遠ざかって行く朝丸の後ろ姿を見送りながら、小米はおなかの底から「えらいやっちゃなあ」と思ったのだそうだ。
「わたしら妙に賢いというか醒めたとこがおますやろ。ついつい自分の都合のええ理屈で判断してしまいますねんけど、朝丸にはそういうところが一切おまへん。自分の心に正直な男ですねん。ほんまにえらい男です」
 そう語った枝雀さんの声は泣いていた。

(本文94~95頁「鴻池の犬」より)


ざこば師匠の行動も素敵だが、それを優しく受け止める枝雀師匠の関係がなんとも美しい。

先にも書いたことだが、本書で綴られている枝雀の姿はとてつもなく魅力的だ。……だからこそ、本書を読み進んでいけばいくほど、彼が非業の死を遂げたことを残念に思ってしまう。これだけの才能があって、これだけの感性があって、これだけの人たちに親しまれて、どうして自らの手で人生を終わらせてしまったのか……。没後10年以上が過ぎている今でも、その喪失感は深く胸に響いてくる。そういう意味では、非常に罪作りな本ともいえるのかもしれない。どんなに求めても、今、師匠は何処にもいないのだ。

あれからずいぶん長い時が流れたが、枝雀さんの「おもいで」は永遠に私の手元にある。

(本文240頁「おもいでや」より)


そんな思い出を幾つか残していかなくてはならないな、と思わなくもない。

文章を書くということ。

「ちゃんとした文章を書かなくてはいけないよ」と、心の声が自分自身にプレッシャーをかけている。ちゃんとした文章だって? そんなものなんかありはしないよ。あの村上春樹だって、デビュー作で書いているじゃないか。「完璧な文章などといったものは存在しない」って。完璧な文章なんて存在しない、だから、ちゃんとした文章というのも存在しないのではないか。そう問いかけると、心の声が今度は「それは詭弁だよ」と語りかけてくる。

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『オンバト+』11月2日放送感想文

■キサラギ【465kb/1,905票】
初出場初オンエア。コント『ラーメン屋』。とあるラーメン屋にやってきたのは、ラーメン屋風の客。店員は彼にも普段通りの接客をしようとするのだが、その高いテンションに飲まれそうになって仕方ない。“ラーメン屋ならではの妙に高いテンション”をコントに取り入れようという発想がまず新しい。また、両者をぶつけることで、店員の方が大人しくなってしまう(冷静になってしまう)展開も、ラーメン屋に対する批判的なメッセージを含んでいるように見え、含みのある面白さが感じられた。幾つか粗に見えるところもあったけれど、キャラクターのテンションで上手く乗り切っていた。次のオンエアにも期待したい。「イイネ!イイネ!ダシがイイネ!」

■ザンゼンジ521kb2,762票】※投票1位
3戦2勝、今期2勝目。コント『声変わり』。居残りで英語のプリントをやらされている三福は、まだ声変わりをしていないことを友達にバカにされていた。ところが、プリントの問題を解いている心の声が、実際の声よりも先に声変わりし始めて……。“声変わり”をテーマにしたネタは過去にも見たことがあるが、そこに“心の声”を掛け合わせる発想がとにかく素晴らしい! その設定を印象付けてから、心の声に大きな変化が生じる流れもスリリングで面白かった。オチも切れ味があって、その不可解な世界を見事にスパッと終わらせていた。前回、彼らが披露していたコントにはあまりハマれなかった私だが、今回はしてやられた。凄かった。「シーディーをシーデーっていう!」

■囲碁将棋【465kb/2,682票】※投票2位
5戦3勝、今期2勝目。漫才『心理テスト/寝るときに数えるモノ』。最近、心理テストにハマっているという文田。早速、相方の根建に出してみる。それと、もう一つ文田がハマっているのは「睡眠」。しかし、最近は羊を数えても眠れなくなってきたので、羊に代わるモノを数えたらどうかと考えたのだそうだ。そこで、最近眠れない根建に、それらを試してみる。動物を用いた心理テストの内容に、まず一笑。“心理テスト”をテーマにした漫才も少なくないが、こういう切り込み方もあるのかと感心した。後半は「羊が一匹……」をフォーマットにしたボケで畳み掛ける、大喜利色の強い展開に。面白くないわけではないけれど、これまでの独創的なコントを観た後の流れだと、ちょっとパンチに欠ける感。ただ、牽制球っていう言葉のビミョーなチョイスには少し笑った。「位牌数えて寝ろよお前」。

■チョップリン【445kb/2,645票】※投票3位
3戦2勝、今期2勝目。コント『クイックマッサージ』。眠れない夜。旅館のクイックマッサージを頼んだ西野の元にやってきたのは、職業病で延々と揉み続けてしまう奇妙なマッサージ師。西野は不信感を抱きつつも、彼に治療してもらおうとするのだが……。ヘンテコなキャラクターを提示しておきながら、その設定をそこまでしっかりとは活かさないという絶妙な投げやり加減がたまらない。これぞ玄人好みの芸か。いや、ヘンテコであるからこそ、そこから発せられる不可解な行動に納得がいくのかもしれない。……そう考えると、実はとってもオーソドックスなコントなのか? まあ、とにかく面白かった。あの、いいかげんなオチがたまらんかったね。「ひらだいらへいぺいと申します」

■勝又【437kb/2,116票】
13戦7勝、今期初オンエア。コント『対局』。対局を始める二人。当初は将棋の様に進行していたが、少しずつ破綻していき……。ごく日常的な風景が少しずつ混沌へと陥っていく様子を描いた、典型的なナンセンス系コント。あくまでも静かに、しかし緩急をつけて狂っていく様がなんとも楽しかった。また、勝又の二人が持っている、あのヘラヘラしている感じがイイ味になっているんだよなあ。「後手、王追撃」。

■今回のオフエア
409kb:じゅんいちダビッドソン
397kb:ジャッカス
369kb:ロシアンモンキー
305kb:ダブルブッキング
301kb:響

オープニングを飾ったじゅんいちダビッドソン、しかし無念のオフエア。とはいえ、そのイロモノっぽい芸風にしては、なかなかの高キロバトルといえるのかも。……次回、もしかするとオンエアなるか? 前回、オーバー500を叩き出したロシアンモンキー、ここでまさかのオフエア。一刻も早いリベンジを。

■次回
アルコ&ピース(2)
ケチン・ダ・コチン(1)
【初】コーヒールンバ
ゴールドラッシュ
コンパス(1)
【初】3フランシスコ
スーパーマラドーナ(2)
ツィンテル(2)
ライス(1)
ラバーガール(1)

次回も長野県佐久市収録。今期3勝目を狙うコンビが3組、今期2勝目を狙うコンビが4組という、激選を予感させる顔ぶれになっている。……豪華だよなあ。無傷の連勝を重ねているラバーガールの活躍ぶりも気になるところだが、個人的には一年ぶりの挑戦となるゴールドラッシュに注目したい。オタクネタに固執し続けている彼らは、今どんな笑いを生み出しているのだろう。初出場のコーヒールンバは松竹芸能所属のコンビで、3フランシスコはニュースタッフプロダクション所属のトリオ。

『エレキコミック第22回発表会「と、或る人が云っていた。」』

エレキコミック第22回発表会『と、或る人が云っていた。』 [DVD]エレキコミック第22回発表会『と、或る人が云っていた。』 [DVD]
(2013/10/16)
エレキコミック

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バカコントのパイオニア、エレキコミックが2013年4月に東京(10日~14日)・名古屋(26日)・大阪(27日)の三か所を巡った単独ライブ「第22回発表会「と、或る人が云っていた。」」より、下北沢・本多劇場で行われた東京公演の模様を収録。

徹底的にバカバカしさを追求したコントに定評があるエレキコミック。個人的には、『爆笑オンエアバトル』で披露していたコントのイメージが強く、やついが経営するハチャメチャなハンバーガーショップに客の今立が翻弄される『やっつんバーガー』、銭湯にやってきた客のやついが暴れまくる『銭湯』、大学の新入生歓迎コンパで盛り上がれない今立を場馴れしたやついが引っ張り出す『新歓コンパ』(大傑作!)などは、今でも印象に残っている。だが、ある時期から、彼らは純粋なバカコントを控えるようになってしまった。より具体的にいうと、人間のコンプレックスに重点を置くようになり、コントの後味に苦みが残るようになったのである。彼ら自身が年を重ねたことで、「いつまでもバカなコントをやっていて大丈夫なのか?」という迷いが生じたのかもしれない。

しかし、本作において、エレキコミックは往年のバカバカしさを見事に取り戻している。……実をいうと、前作「第21回発表会『有様』」(2012年7月開催)の段階で、その傾向を予感させてはいたのだが、本作ではそれがはっきりと形になって表れていた。例えば、結婚相手を探しに結婚相談所へとやって来た今立が様々なブスばかりを薦められる『結婚相談所』、負けが決まった試合で思い出作りにバッターへと立たされたのは全身をケガしていて一人でバットも振れない選手だった!『ケガ山君』、今立が自身の結婚を発表する会見で記者たちから卑猥でろくでもない質問ばかりを投げかけられる『囲み』など、どのコントもシンプルにバカバカしく、清々しい程に何も残していない。本作の鑑賞後、思わず感動した私は「これだよ、これ!」と喜びの声をあげていた。きっとご近所には変人と思われたことだろう。

その中でも、特にバカバカしい方向へ振り切れていたコントが『携帯ショップやっつん』だ。外出中にケータイの調子が悪くなった今立が、修理のために飛び込んだ携帯ショップでとんでもない目にあってしまう……という、彼らお得意のシチュエーションコントである。「個人情報保護法、何するものぞ!」と高らかに宣言したり、今立のケータイを「パンクと同じ要領で故障箇所を見つける」という理由で水没させたり、「スティーブ・ジョブズは青森で生きている」と都市伝説を語り始めたりと、何処を切ってもドイヒーな笑いで満ち溢れている。聞いたところによると、彼らは「キングオブコント2013」準決勝において、この『携帯ショップやっつん』を披露したという。賞レースであることを逆手に取ったアドリブ全開のコントになっていたらしいのだが……公式DVDで観られるだろうか?

個人的にオススメするのは『親子』というコント。中学一年生になった息子の進(今立)に、父親(やつい)が「どうしても伝えておかなくてはならない事実」として、「お前には何も才能もない!」と宣告する……という内容になっている。先に書いた、エレキコミックが新機軸として挑戦していた、“人間のコンプレックスに重点を置いた”ネタの流れを汲んだコントである。「才能のない人間が生きるための方法」がオブラートに一切包まれることなく提示されていて、そのストレートさが笑える一方、そこに才能のない自らを重ねてしまって、ちょっとだけ複雑な気持ちにもさせられる。それは、いわば「シンプルなバカバカしさ」と「心をえぐる批評性」が共存しているようで、これまでのエレキコミックのコントをよりディープにしたような面白さが感じられた。この隙間を上手く掘り進めていけば、エレキコミックは新たなる境地に辿り着けるのかもしれない。

特典映像には、ライブの幕間で流された『ワニのうんこ』を収録。文字通り、ワニのうんこをあることに用いた映像が収められている。ヒントは、板垣恵介のデビュー作『メイキャッパー』に掲載されている、ある美容法である。……ワニのうんこを相手に奮闘する二人の姿がなんともしょうもない、バカの極致ともいうべき映像となっている。いやー、完全にエレキコミックが帰ってきたなあ。めでたいめでたい。


■本編(約67分)
「オープニング」「と、或る人が云っていた。」「結婚相談所」「ケガ山君」「親子」「囲み」「携帯ショップやっつん」「ジャパニーズドリーム」「エンディング」

■特典映像(約7分)
「ワニのうんこ」

五街道雲助『雲助、悪名一代 芸人流、成り下がりの粋』

雲助、悪名一代 芸人流、成り下がりの粋 (落語ファン倶楽部新書008)雲助、悪名一代 芸人流、成り下がりの粋 (落語ファン倶楽部新書008)
(2013/09/25)
五街道 雲助

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立川談志が“江戸の風が吹いている”と評した実力派、五街道雲助の人生を振り返った一代記。雲助師匠は私も大好きな落語家で、朝日名人会シリーズからリリースされている音源の『お直し』(夫の博打によって身を持ち崩した夫婦が最下級の女郎屋を始める噺)を始めて聴いたときは、その壮絶な物語も然ることながら、男と女のどうしようもないおかしみを浮き彫りにした内容に、強い感銘を受けたものである。そんな雲助師匠の人生を振り返っているというのだから、読まないわけにはいかない。というわけで発売直後、近所の書店で速やかに購入して読み始めたのだが、序盤の文章にまず面食らった。

 ピラミッドの頂点を目指して、上へ上へとだんだん狭くなる道を登ってゆくのが世間での「成功」、「成り上がり」です。
 芸人の世界ではどうか。落語は、お殿様から貧乏人、生意気な子どもや絶世の美女から人殺しまで、ありとあらゆる人間を舞台上で演じてみせる商売です。
 ピラミッドの三角の、いちばん広い底まで深くもぐらなければ、そこからでなければ、全部を見ることができない。それで、わたしは「成り下がり」と呼ぶのです。

(本文12頁より)


芸人という職業が一般の人よりも下に見られる立場にある理由を、こうして明確に言葉にしていること、江戸時代に使われていた蔑称“河原者”という言葉を未だに振りかざしている人間が存在する現在、ここまではっきりと、その必然性を説いてくれていること、それに私は思わず感動してしまった。もっと野暮ったい言い方をすると、シビれてしまった。低いところにいるからこそ、一般の世界がよく見える。これは落語家に限らず、全ての芸人にいえることではないだろうか。

本書には、そんな雲助の「成り下がり」な人生が赤裸々に綴られている。そば屋を切り盛りしている両親の元に生まれ、大して構われることなく一人で空想・妄想を繰り広げていた少年時代。教師に「無理だ」と断言されて一念発起、明治大学に入学。落語研究部に入って寄席狂いの毎日。おかげで単位が足りずに、しかし実家を継ぐ気にはなれず、どうしたもんかと考えていた時期に実家が離婚の危機、そのどさくさで落語家になることを許してもらう。五代目柳家小さんに弟子入りしようとするも断られ、次の候補であった十代目金原亭馬生に弟子入り。馬生という落語家を肌で感じる前座修行、飲み屋「かいば屋」で出会った第二の師匠との出会いと別れを経験した二つ目時代、そして真打へ。どこを切っても芸人・五街道雲助を考える上で切り離せない話ばかりで、そのあまりに濃密な内容に、買ったその日に読み終えてしまった。

現在、雲助一門には三人の弟子がいるのだが、いずれも違う亭号を名乗っている。一番弟子は「桃月庵白酒」、二番弟子は「隅田川馬石」、三番弟子は「蜃気楼龍玉」。いつだったか、「古い変わった名前を掘り起こしている」と聞いていて、なかなか面白いことをしているんだなあと感心したものだが、本書にはその真意(のようなもの)も語られていた。

 全員が真打となった記念に、伊勢丹新宿店の写真館で一門写真を撮影してもらいました。
 黒紋付に羽織袴の正装で、四人が彼方を見据えています。
 同じ方向ではなく、みんな少しずつ違うところを。
 これからは、「五街道」一門ではなく、「五街道」×「桃月庵」×「隅田川」×「蜃気楼」の四門として、己の道を行こう、という決意の写真です。
 江戸・日本橋を起点に五つの街道が全国へのびてゆくように。

(本書192頁より)


普段、私は「芸人とはこうあるべき」という言い回しを、決して好ましく感じていない。そういった言い方をする人間が、往々にして自身にとって理想の芸人像をそのまま言葉にしているだけであるように思え、そんな軽薄なことはしたくないと思っているからだ。だが、この本は紛れもなく、“芸人”による最高の一冊であったと断言する。もし、自分がまだ学生だった頃に読んでいたら、間違いなく影響を受けていたことだろう。……これもタイミングか。

1年。


子どもの頃は1年がとても長いことのように感じられたものだが、いわゆる成人を過ぎて、社会人として日々の労働に勤しむ人間になってからというもの、本当に1年があっという間に過ぎていく。この1年間、自分が何をしてきたか、何を言ってきたか、何をされてきたかを振り返ってみると、それら一つ一つは確かに濃厚であったように当時は思えた筈なのだが、過ぎてしまうと全ては過去の出来事、いわゆる思い出として処理されてしまうから不思議だ。結局、1年の大半は平凡な毎日で構成されていて、そこに非日常的な時間をはめ込んだとしても、最後には圧倒的な日常に飲み込まれてしまうのである。ならば、それならば、これから先の人生をまともに歩んでいくことに、果たして何の意味があるのだろうか。このまま生きていたとしても、結局は平凡な日常とともに忘れてしまうというのに。

だが、人は思い出す。忘れてしまったことを、唐突に思い出す。消えてしまったと思っていた記憶が、ふとした瞬間に呼び覚まされる。そして、そんなこともあったっけ、なんてことを思って笑ったりもする。忘れてしまった思い出を完全に失ってしまうことはない。それらが厚みを帯びていくことで、人間はより人間としての風格を見せるようになる。そこで何が得られるか、何を感じ取れるかは分からないが、何かが生じる可能性はゼロではない。そのために忘れちまえ、そのために思い出せ。そのために、この日常で生きるのだ。

あれから1年、これから1年、まだまだ先は長い模様……。
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

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