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『タカアンドトシ20年目の単独ライブ ~2020年東京五輪の正式種目に漫才を!~』

タカアンドトシ ライブ 2014 [DVD]タカアンドトシ ライブ 2014 [DVD]
(2015/02/18)
タカアンドトシ

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ふと、タカアンドトシが漫才師だということを、すっかり忘れていた自分に気が付いた。なるほど、思い返してみれば、ここ数年の彼らというと、ファミリーレストランの人気料理ランキングを的中させたり、言葉をもじって布団を吹っ飛ばしたり、自身がレギュラーを務めているバラエティ番組で活躍している姿ばかりが目に浮かぶ。かつて、タカが繰り出すベタベタなボケに対して、トシが何度も何度も繰り返して同じワードを使ったツッコミを入れる漫才スタイルで注目を集め始めたことを考えると、この現状はなんとも感慨深い。一度、一般的に定着されてしまったスタイルに包み込まれた後で、芸人としての魅力を表出させることがどれほど難しいか。

そんなタカアンドトシが結成20周年を迎える2014年に開催した単独ライブの模様を収録した本作は、彼らの漫才師としてのポテンシャルが如何無く発揮されている一枚だ。2006年の単独ライブ『タカアンドトシ新作単独ライブ タカトシ寄席 欧米ツアー2006』ではランキング形式で多種多様の漫才を演じ、2009年の単独ライブ『タカアンドトシ単独ライブ in 日本青年館 勝手に!M-1グランプリ』では個性豊かな漫才師に扮して様々な芸風に挑んでいた彼ら。今回は、【2020年東京五輪の正式種目に漫才を!】というスローガンを掲げ、その実現に向けて、漫才の無限の可能性に挑んでいる。

ライブのオープニングを飾るのは『開会式漫才』。なにやら仰々しいタイトルだが、その内容はシンプルなしゃべくり漫才だ。本作のテーマである東京五輪にちなみ、タカアンドトシの結成から現在に至るまでの20年間で開催されたオリンピックにまつわるエピソードを中心に展開している。しばらくぶりのタカアンドトシの漫才だったが、あまりにも面白かったので、ちょっと驚いてしまった。そういえば、彼らは『M-1グランプリ2004』ファイナリストにして『爆笑オンエアバトル』七代目・八代目チャンピオン。確固たる実力者なのだ。驚いたといえば、漫才での二人のしゃべりが、バラエティ番組でのそれとまったく同じだったことにも驚いた。どこまでも自然で、しかし漫才ならではのハイテンポなやりとりが繰り広げられる。その姿からは、もはやベテランの風格すら感じられた。

その後も、様々なスタイルの漫才が披露されていく。漫才中にどれだけボケを詰め込められるかを競う『何個ボケられるか?漫才』、タカがテーブルの上に置いてある小道具を使ってボケ続ける『小道具漫才』、某有名ミュージカルアニメ映画の曲を使ってボケまくる『演劇漫才』(著作権の関係で音声はカットされているが、それらしいメロディと字幕によって違和感無く楽しめた)など、その手法は多岐に渡る。中でも印象に残っているのは、タカアンドトシがツービートの漫才を完コピした『カバー漫才』。ちょっと触れる程度かと思いきや、標語ネタに老人ネタ、犬の糞ネタまで、かなりしっかりと演じている。タカとたけし、トシときよしのスタンスの違いが故に、漫才そのものはどこか歪で不安定な印象を与えられたが、この試みには深く感心した。以前、東京ダイナマイトも他の芸人のネタをカバーしていたが、こういう方法がもっと広く行われてもいいのでは。

そしてライブは終盤へと差し掛かる。最後に披露される漫才は『正統派漫才ファイナル』だ。一見、「正統派漫才」を小馬鹿にしているようなタイトルだが、決してふざけてはいない。前半はアベノミクスから企業合併の話へと展開し、様々な有名企業同士を次々に合併させてヘンテコな名前にしていく大喜利色の強い漫才。なんとなく往年のますだおかだを思い出させるテーマだが、より現代性の強い内容になっていて、今だからこそ出来る漫才としてきちんと成立していたように思う。後半は自身の子どもを自慢し合うという、非常にオーソドックスなスタイルのしゃべくり漫才だ。こういう漫才を正々堂々と演じられるところに、タカアンドトシという漫才師の強みと深さを感じさせられる。ここから更に、大団円的なオチを迎える。過去、漫才ライブにおける大団円オチに対して、私は否定的なスタンスを取っていたのだが(わざとらしさを感じてしまうからだ)、今回は自然な流れになっていて、非常に良かった。細かく書くとネタバレになってしまうので書かないが、それなりに納得の出来るオチになっていたと思う。

タカアンドトシの漫才師としての魅力をギュッと凝縮している本作。バリエーションの豊富さは言うまでもないが、真面目と遊びの丁度真ん中を進んでいるようなバランスの良さも目を見張った。結成20周年に相応しい、とても完成度の高い作品といえるだろう。……ただ、一点だけ引っ掛かったところが。

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金曜の夜の笑える悪夢『怪奇恋愛作戦』

怪奇恋愛作戦 Blu-ray BOX怪奇恋愛作戦 Blu-ray BOX
(2015/04/15)
麻生久美子、坂井真紀 他

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「キャーッ!」。美女の叫びが町中に響き渡る金曜深夜。その時、事件は現場ではなく、テレビの中で起こっている。三人のアラフォー女性が数々の怪異に惑わされながらも友情で立ち向かっていく『怪奇恋愛作戦』は、笑いとブキミと哀しみが交差する連続ドラマだ。主人公である三人の女性を演じているのは、無頓着で素っ頓狂な役を演じれば天下一品の麻生久美子、清純派女優の皮を被ったミラクルコメディエンヌ坂井真紀、結婚して少し幸せ太りしたがタモリを魅了した色気は今も健在の緒川たまき。そんな、いずれ劣らぬ美しくも面白き三人の周りを、仲村トオル、犬山イヌコ、山西惇、池谷のぶえ、かもめんたる等の超個性的な面々が固めている。ああ、濃ゆい。

登場人物が濃ければ、ストーリーも濃い。人造人間を操って意中の相手と無理矢理に結婚しようと企む博士のみっともなさと、彼によって別の人間の姿に変えられてしまった怪人の哀しさが溢れ出た「21世紀のフランケンシュタイン」。若者たちから若さを吸い取る化け物との死闘をコメディタッチで描いた「妖怪 年食い」。坂井真紀演じる音楽教師と恋に落ちてしまった、非業の運命を背負う少年の切ないラブストーリー「闇夜の少年」。時に笑えて、時に驚いて、時に泣けて……混沌とした世界観からは想像も出来ないエンターテインメントの王道を行く展開に、もう目が離せない。シリーズ監督を務めている、ケラリーノ・サンドロヴィッチの手腕が如何無く発揮されているおかげだろう。有難いこっちゃ。現時点で第六回まで放送されている。今からでも、まだ遅くはないぞ。女王蜂が歌う『ヴィーナス』が流れるオープニングだけでも見るべきだ。あのグロテスクなのに最高にカッコイイ映像は一見の価値がある。


金曜の夜、笑えて泣けるブキミを貴方に。

芸人が単独名義のDVDをリリースするのは何年目が妥当なのか?

8.6秒バズーカーのDVDがリリースされるそうだ。

ラッスンゴレライ [DVD]ラッスンゴレライ [DVD]
(2015/03/18)
8.6秒バズーカー

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軽妙なリズムで「ラッスンゴレライ」という謎の言葉を口にし続けるネタで人気を集めている8.6秒バズーカーは、NSCでは36期生(2014年4月結成)にあたる。とある記事によると、デビューから一年足らずでDVDをリリースするのは異例のことで、単独名義でのリリースは数多の芸人を抱え込むよしもとクリエイティブ・エージェンシーでも史上最速なのだそうだ。確かに、お笑い芸人たちによるDVDを幾つも鑑賞してきた私も、デビュー一年目でDVDをリリースした芸人というのは聞いたことがない。リリース時期から察するに、年度末のなんやかやが絡んでいるのだろうが、前例のないことをやってのけたという意味で、とりあえずはめでたい話なのだろう(消費するのが速過ぎやしないかと心配するところはあるが)。

それはそうとして、気になったことがある。8.6秒バズーカーのデビュー一年足らずでのDVDリリースが異例だというのであれば、どの程度ならば妥当な時期であるといえるのだろうか。もとい、一般的に、お笑い芸人はデビュー何年目に単独名義のDVDをリリースできるものなのか。

早速、調べてみた。

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2015年3月のリリース予定

■レビュー予定
04『CONTS』(次長課長河本、フットボールアワー岩尾、NON STYLE井上)
18『ラッスンゴレライ』(8.6秒バズーカー)
25『チョコレートプラネット
31『バンビーノ #ダンソン
31『シソンヌライブ [trois]

■テレビ関係
04『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! ~ブルーレイシリーズ(1)~ 浜田チーム 体育館で24時間鬼ごっこ!
04『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! ~ブルーレイシリーズ(2)~ 松本一人ぼっちの廃旅館 1泊2日の旅!
04『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! ~ブルーレイシリーズ(3)~ 松本チーム 絶対笑ってはいけない温泉旅館の旅!
04『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! ~ブルーレイシリーズ(4)~ 浜田・山崎・田中 絶対笑ってはいけない温泉宿 1泊2日の旅 in 湯河原
11『それゆけ中川電鉄 1
11『それゆけ中川電鉄 2
11『それゆけ中川電鉄 3
11『それゆけ中川電鉄 4
11『それゆけ中川電鉄 5
11『それゆけ中川電鉄 6
11『【Amazon.co.jp限定】それゆけ中川電鉄 6巻セット (特典「京急電鉄・引退車両のつり革(1本)」付)
18『竹山、芸人やめるってよ~ザキヤマ&河本のイジリクルート~ job.1(プロレスラー&ニューハーフ)
18『竹山、芸人やめるってよ~ザキヤマ&河本のイジリクルート~ job.2(お笑い講師&水族館飼育係)
18『竹山、芸人やめるってよ~ザキヤマ&河本のイジリクルート~ job.3(幼稚園の先生&僧侶)
18『にけつッ!!25
18『花王名人劇場「立川談志×桂枝雀」
18『所さんの世田谷ベースX
21『めちゃイケ 赤DVD第7巻 岡村オファーが来ましたシリーズ第12弾 松岡修造とエースをねらえ!
25『竹山ロックンロール 12
25『劇場スジナシ in 名古屋 第一夜 T.M.Revolution 西川貴教 完全保存版
25『劇場スジナシ in 名古屋 第二夜 百田夏菜子(ももいろクローバーZ) 完全保存版
25『劇場スジナシ in 名古屋 第三夜 要 潤 完全保存版
25『ブギウギ専務 vol.5 「ブギウギ 奥の細道」~最北の章~(本編2枚組)
27『アメトーーク! DVD 31
27『アメトーーク! ブルーーレイ 31
27『アメトーーク! DVD 32
27『アメトーーク! ブルーーレイ 32
27『アメトーーク! DVD 33
27『アメトーーク! ブルーーレイ 33
27『【早期購入特典あり】アメトーーク! DVD 31・32・33 3巻セット(オリジナル着せ替えジャケット3枚付)
27『【早期購入特典あり】アメトーーク! ブルーーレイ 31・32・33 3巻セット(オリジナル着せ替えジャケット3枚付)
31『ロケみつ ~ロケxロケxロケ~ 桜 稲垣早希のブログ旅 Blu-ray BOX 日本編完全版
31『【Amazon.co.jp限定】ロケみつ ~ロケxロケxロケ~ 桜 稲垣早希のブログ旅 Blu-ray BOX 日本編完全版 (オリジナル絵柄Lサイズ生写真3枚付)
31『ロケみつ~ロケ×ロケ×ロケ~桜 稲垣早希のブログ旅 Blu-ray BOX 日本編完全版【よしもと限定特典付き】

■その他のリリース
18『ウーマンラッシュアワー109 vol.1
18『高田純次 芸能生活だいたい35周年記念DVD 『純白』
25『蛭子能収の一人でできるもん

よしもと率が高い三月。毎回毎回、どうも予算のアレコレを片付けるために、無理やりにリリースしているんじゃないかという気がしてならないのだが、そのおかげで芸人さんのDVDもリリースされているのだと思うと、むしろ有難い話である。それにしても今年度は豪華である。キングオブコント2014チャンピオンのシソンヌ、惜しくも2位だったチョコレートプラネット、リズム系コントで人気沸騰のバンビーノと、コントの実力者たちがズラリと揃っている。そこへ、いつの間にかユニットを結成していた河本・岩尾・井上によるコントライブに、コンビ結成1年目で早くも大注目の8.6秒バズーカーの映像作品まで出てくるのだから、これはなんとも充実だ。……ていうか、本当によしもとしかいないな! テレビ方面でもよしもと関係が多いが、大注目は『花王名人劇場』での桂枝雀・立川談志の映像をソフト化した『花王名人劇場「立川談志×桂枝雀」』だろう。西の天才と東の奇才を一度に楽しめるんだから、多少の出費もやむなしだァ!

白河の清きに魚も住みかねて

とあるミュージシャンがライブで話したトークが宜しくないってことで、炎上状態になっているという。来るところまで来たか、と思わざるを得ない。テレビに対してクレーム、深夜ラジオに対してクレーム、そして遂にはライブでの発言に対してクレームと。話の内容の是非に関してはとりあえず置いといて、この状況ははっきり言って芳しくない。テレビやラジオによる炎上は、まだ理解できる。電波を通して、誰もが触れることの出来る状況下にあるメディアには、その影響力の強さを背負う責任があるからだ。「大いなる力には大いなる責任が伴う」と言っていたのは『スパイダーマン』だったか。しかし、ライブという場は、極めて密室性の高いものだ。そこにはパフォーマーと観客の信頼関係が築かれている。だからこそ、発言はより軽率で、時に反社会的な内容になってしまうこともある。だが、それらが全て、その瞬間にのみ体感できる一瞬の煌めきと化してしまう……ライブとは本来、そういうものなのだ。ところが、此度それが世間に流出してしまった。もはや、地方ライブでの軽率な発言すら、ネットに蔓延る有象無象どもの格好の餌食となってしまう時代になってしまったのだ。そのうち、寄席で落語家が話したマクラですら、炎上の題材にされてしまうかもしれない。……いや、寄席の客層を考えると、ネットで炎上したところで屁とも思わないだろうが。

ちなみに現在、そのミュージシャンの公式アカウントには、純然たる野次馬たちによる罵詈雑言が多数寄せられている。アメリカが世界の警察なら、彼らはきっとインターネットの警察なのだろう。本件の裏事情をツイートした当事者の身内は反響の大きさに慌てたのか逃亡し、ライブMCの詳細をツイートしたファンは途方に暮れている。盛り上がっているのは(私を含めた)他人ばかりで、なんとも気色の悪い光景である。なんとなく、高橋優の曲を思い出す。
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「人間でなく二次元が元気なこの国の居心地はどう?」

『エレ片コントライブ ~コントの人9~』(岡山)

『エレ片コントライブ ~コントの人9~』岡山公演を観に行ってきた。

今回の会場となったのは、イオンモール岡山内にある“おかやま未来ホール”。千葉県には“よしもと幕張イオンモール劇場”という舞台があると聞いたことがあるが、地方にこういう劇場を備えたイオンモールが出来たことに、なにやら感慨深いものを覚えなくもない(地元じゃないから頻繁には来られないけれどね!)。おかやま未来ホールはイオンモールの六階にあった。時間の調節を全く考えずに家を出たため、うっかり開演の二時間前に到着してしまったのだが、同じ階にCDショップ、楽器店、書店、映画館、無印良品などがあったので、その辺りでガンガン時間を食いつぶした。三線とウクレレを合体させた楽器に少しだけ惹かれた。

その最中、何の気なしにスマホでTwitterを眺めていると、恐るべき情報が目に飛び込んできた。なんと、ライブ終演後に、片桐仁が自著『おしり2(テレビブロス誌上で連載しているコラムの単行本第2弾。タイトルは「おしえて何故ならしりたがりだから」の略)』のサイン会を催すというのである。普段、あまりミーハーなイベントには参加しないようにしている私だが、曲がりなりにもラーメンズの片桐仁がサイン会を開催するとあらば、そのビッグウェーブに乗らない手はない。とはいえ、あくまでも自分のスタンスは「貰えるというのなら貰うけれど、別に貰えないのならばそれでもいいです」という気持ちをキープ。期待し過ぎて後悔することほど悲しいものはないのだ。


午後5時半開場。はやる気持ちを抑えながら会場前に向かうと、全席指定にも関わらず、謎の行列が出来ていた。後に並んでみると、単なる行列だった。なんだそりゃ。ロビーには、物販コーナーへと向かう行列が出来ていたので、この後にも並ぶ。並び放題。『おしり2』と何故かデスメタル調のデザインが施されたタオルを購入する……が、手渡されたのはタオルと謎の数字が書かれた紙切れが一枚。なんじゃこりゃ。なんでも、事前にサインを書いておいた『おしり2』が売り切れてしまったらしく、今、裏で慌てて追加で書いているのだそうな。自分の人気の高さを侮りおったな、ギリジン……。ホールに入ると、全600席という客席数を感じさせない広々とした良い雰囲気。席と席の間もゆったりしていて、ステージに向かって左端の席だったにも関わらず、まったく窮屈に感じられなかった。岡山市民文化ホールもちょっとは見習わないといかんぞォ。

午後6時開演。恐らく、今回の公演もソフト化されるので、シンプルな感想を。前回の公演では人間のネガティブな部分を引き出したコントを多く演じていたエレ片だけど、今回はちょっとバカなノリを取り戻しにきた印象を受けた。「前回、ちょっとマジメにやり過ぎたけど、今回はちゃんとバカやるよ!」と言っているかのよう。前作が好きだった人間としてはちょっと物足りなさも感じつつ、しかし揺るぎないバカバカしさに笑いは止まらず、大いに楽しんだ。個人的には『離婚』がかなりツボ。結婚2年目のやついが言っているという視点を含めて、かなり笑わせてもらった。幕間映像も最高。CMパロディはDVD化されないんだろうなあ……それでいえばSEKAI NO OWARIのパロディコントも……うーん、なんとか出来ないものか!

午後8時終演。エンディングトークで「今回、岡山は初めてということで、終演後に他の会場ではやっていない握手会がある」という話をしていたので、嬉々として並ぶ。よく並ぶねホント。そこで『おしり2』も配っていたので、先ほどの紙切れを渡して、やっつんから受け取る。そこで舞い上がった私、「先日はTwitterでリツイートして頂き、有難うございました!」と一言。「あっ、イラストの方!?」と人違いをされたので「いえ、レビューを書いた……」と言うと「あーっ、岡山……じゃなくて香川でしたっけ?」と言われる。おおっ、覚えられている!


結果、やっつんと喋り過ぎて、後の二人はスピーディーに対応することに。それでも、だっつんには「ツッコミ面白かったです!」(個人的に今立のツッコミは評価が低すぎる気がしてならない)、片桐には「次も是非、来てください!」と言うことは出来た。……いやいや、しかし月並みなことしか言えなかったなあ。うーん、次こそは。次があるのか。次もよろしくお願いしますよ。私、リトルトゥースだからラジオはちょっと聴けないけど(時間被りの悲劇!)、次もあったら絶対に行くから!


『エレ片コントライブ ~コントの人7~』+『エレ片コントライブ ~コントの人8~』

エレキコミックと片桐仁(ラーメンズ)によるスペシャルユニット“エレ片”。彼らのコントを初めて観たのは、2005年にリリースされた『流出!エレ片ライブ』だった。当時の私は、エレキコミックのこともラーメンズのことも知っていたが、二組が仲良しであるとは知らなかったので、このDVDを目にしたときは非常にコーフンした記憶がある。しかし、蓋を開けてみると、その内容は非常にヌルかった。それぞれのコンビの持ちネタを焼き直しただけのユニットコント、「片桐仁が初めて相方小林賢太郎にキレて言った一言は?」に代表される内輪色の強いお題による大喜利、ライブ映像を無視して片桐が収録に遅刻したことを言及する和気藹々とした副音声……。あまりのヌルさにAmazonレビューでは納得の酷評を受けていたが、それでも、三人が楽しそうに盛り上がっている姿はとても微笑ましくて、鑑賞中は気持ちが和やかになったものだ。

それから三年後の2008年、エレ片のコントライブを収録した『エレ片コントライブ~コントの人~』がリリースされた。『エレ片コントライブ~コントの人~』の記憶が根強く残っていた私は、本作の内容にあまり期待していなかった。むしろ三人のヌルいやりとりを楽しめればそれでいいと、かなりハードルを低めに設定して、鑑賞に臨んだ。しかし、蓋を開けてみると、そのクオリティの高さに驚いた。収録されているコントはオール新ネタ、それぞれまったく違った魅力に満ち溢れ、三人も全力で演じていた。個人的には『リアル湯けむり殺人事件』というコントが大好きだった。温泉旅行にやって来た三人が殺人事件の現場に遭遇し、自分たちの中に犯人がいるのではないかと妄想を膨らませるという内容で、サスペンス調なのにとことんバカバカしくて、三人の魅力を存分に引き出していたように感じた。あの時のヌルいエレ片はそこにはいなかった。そこにいたのは、確固たる“エレ片”というトリオだった。

2015年現在、エレ片は『エレ片のコント太郎』というラジオの冠番組を抱えるほどに、強い人気を集めるユニットとなっていた。先の『エレ片コントライブ~コントの人~』も年に一度の恒例となり、今年で9回目が開催されることとなった。片桐に至っては、本丸である筈のラーメンズとしての活動がすっかり控え目になってしまい(最後の本公演が2009年だと!)、お笑い芸人としての活動の主軸がエレ片になっている感もある。そのため、私は時々「いっそのこと、このユニットで『キングオブコント』に出てみるのはどうだろう?」と考えるのだが……。

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『柳家喬太郎 独演会』(2月10日・岡山)

一年ぶりに、柳家喬太郎師匠の独演会へと足を運ぶ。会場は前回と同様、岡山市民文化ホール。いつものことだが、岡山駅からけっこう離れた場所にあるので、到着に苦労する。市電を利用すればいいだけの話なのだが、歩いていけなくもない距離なので、ついつい徒歩で向かってしまう(途中、一風堂と紀伊國屋書店があるのも、徒歩移動を採用してしまう要因だろう)。普段の運動不足を解消できるという意味では良いのだが、それで疲れてしまって、本番でぐっすり……というのがいつもの悪いパターンなのである。それを分かっているのに、どうして同じことを何度も繰り返してしまうのか。我ながら学習しない。(先に言っておくけど、今回は寝なかった。目薬と栄養ドリンクのおかげか……どういう姿勢で落語に臨んでいるんだ私は)

午後六時、ホールに到着。開場直後だったので、表には長蛇の列が出来ていた。全席指定なのに行列が出来ている図というのは、なにやら不条理である。殆どの人が中に入っていく様子を見届けたところで、自分も中へ。本、CD、DVDと様々なソフトをリリースしている師匠だが、通路に物販コーナーは無い。寂しい。新作のCDを売っていたら、購入するつもりだったのだが……。今回は有難いことに最前列の席を獲得できたので、悠々と着席。足を伸ばせばステージ上に届きそうな距離で、「なるほど。これが砂被りならぬツバ被りの席というヤツか……」と感心する。着席後、携帯電話の電源を切るように呼びかける声が耳に入ったので、すぐさま対応する。以前はそこまで過敏に呼びかけていなかったように記憶しているのだが……何処かの落語家からクレームでも入ったのだろうか。

午後六時半、開演。

前座は前回と同様、柳家喬太郎自身が務める。「どうも、立川談春です」と、先日岡山にきていたという談春師匠のことに触れ(時間が合えば私も行きたかったなあ)、前座噺『子ほめ』へ。文字通り「ほめ言葉」を題材とした演目で、喬太郎師匠の十八番である。とはいえ、もう何度も耳にした演目なので、そこまでの興味は……と思っていた矢先、まさかのネタを間違えるハプニング! それ自体をギャグ化することで、なんとか場を持ち直していたが……珍しい姿が見られた。オチも従来の形式とは違っていて、師匠の落語を探究する姿勢を垣間見られたような気がした。

柳家喬太郎 名演集1 寿限無/子ほめ/松竹梅柳家喬太郎 名演集1 寿限無/子ほめ/松竹梅
(2008/05/21)
柳家喬太郎

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続いて高座に上がったのは、これまた前回と同様、モノホンの前座こと柳家喬之進さん。喬太郎師匠の弟弟子だ。今は落語協会の二つ目だが、もうすぐ真打になるとのこと。めでたい。名前も「柳家小傳次」に改めるという。演目は『棒鱈』。酔っ払った棟梁と田舎侍が激突するまでの過程を描いた落語で、この田舎侍の様子が大きな笑いどころとなっている。喬之進さんはどちらも上手く演じていたのだが、その上手さを突き抜ける瞬間が無かった印象。とはいえ、マグロのしょうゆ漬けのくだりは笑った。酔っ払いと田舎侍がマグロのしょうゆ漬けのことを何度も何度も口にするくだりから、喬之進さんのツボをなんとなく掴めたような気も……いやいや、そう簡単なものではないか。続いて、再度喬太郎師匠の登場。ナンセンス色の強い新作落語『夫婦に乾杯』で、会場をワッと賑わした。この演目はCDで聴いたことがあったのだが、当時はそのナンセンスな展開に対してほのかな不快感を覚えたのに対し、今回は純粋に笑わせてもらった。何が違うのか……。

SWAのCD 2007 -明日の朝焼け-SWAのCD 2007 -明日の朝焼け-
(2010/09/22)
SWA(林家彦いち 三遊亭白鳥 春風亭昇太 柳家喬太郎)

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ここで十五分の中入り。手で両足をさする。どうしてなのかは分からないが、この最前列の席がやたらと寒いのだ。あまりにも寒かったので、口演の最中に何度も足を動かしてしまった。もしかしたら私だけが寒がっているのではないかとも思ったが、両隣に座っている人たちも寒そうにしていた。この会場は席の密度が高く、過去に訪れた際にはむしろ暑苦しいと感じることが多かったのだが……どうも極端で良くない。

仲入り明け、最後はじっくり『錦木検校』。大名である父親から疎んじられ、息子であるにも関わらず下屋敷に下げられている角三郎と、腕も喋りも立つ按摩・錦木の絆を描いた人情噺である。既にCDで聴いたことのある演目だったが、ところどころで記憶にない演出が施されていて、新鮮に楽しんだ(単純にネタの微細を忘れてしまっただけのような気もする!) とはいえ、二人の絆の深さを描いているにしては、どうも交流の描写が少なく、説得力に欠けるような気もした。実際、この『錦木検校』という演目は、もっと長いネタらしいので、しょうがないのかもしれない……けれど、改善の余地があるといえるのではないか。

柳家喬太郎 名演集2 金明竹/錦木検校柳家喬太郎 名演集2 金明竹/錦木検校
(2008/05/21)
柳家喬太郎

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午後八時四十分、終演。お疲れ様でした。

高身長芸人ざっくり表

先日、Twitterで「シソンヌが意外とデカい」とツイートしているフォロワーさんがいた。

気になって調べてみると、長谷川さんは185㎝、じろうさんは179㎝あるという。なるほど、デカい。思えば、彼らがテレビに出演している時、その多くはコンビでコントをやっている状態だ。比較対象となる人物が他に存在しないのだから、視聴者である私たちは、彼らの身長を強く意識することはない。いや、通常のバラエティ番組であっても、ひな壇に座っていることが多いのだから、どちらにしても身長を意識しづらいことに変わりはないだろう。

で、気まぐれに、身長の高い芸人さんを調べてみた。180㎝以上を対象にざっくりと。

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「桂文珍独演会」(2月8日・三豊)

昨夜、誕生日祝いの焼き肉を食べ過ぎてしまったからなのか、どうも体調が宜しくない。試しに体温を計ってみると、37度と出た。微熱だ。ここは大事を取って、家で寝ていた方が良い……のだろうが、この日は親戚から諸般の事情によって行けなくなったというので有難く頂いた「桂文珍独演会」の予定が入っていたので、無理を押して出かける。会場は三豊市文化会館マリンウェーブ。自宅から車で30分もかからない、超近場だ。せっかく、タダで貰ったチケットなので、今日は心行くまで楽しもう……と思っていたのだが、やはり体調不良がたたってか、公演の半分以上は寝てしまっていた。ああ勿体無い。およそ3年ぶりの文珍師匠、それなりに楽しみにしていたのだが……。というわけで、覚えていることだけ。

前座の桂楽珍は『夏の医者』。本来は山を舞台とした演目だが、楽珍さんは海を舞台に展開していた。中国のサンゴ密漁と絡めた、なんとも興味深い口演だったのだが……早々に寝る。勿体無い。実に勿体無い。続く文珍師匠でも寝てしまったが、演目はお馴染みの新作落語『憧れの養老院』だったので後悔は無し。何処でも演っているネタなので、恐らくはテッパンなのだろう。続いては女道楽(三味線漫談)の内海英華。三味線の演奏をメインとしたパフォーマンスなので、ここは寝てしまうだろう……と思っていたのだが、こちらはむしろ完全に聴き込んでしまう。都々逸は色っぽいなあ……。続いて再び文珍師匠、今度は古典落語の『花見酒』。やっぱり眠る。後半の展開だけ分かっても、何がなんだかさっぱり分からないな。中入りを挟んで、最後は『お血脈』。個人的には文治師匠のイメージが強い演目だ。ここでは必死になって眠らないように努めたが、そこに集中し過ぎたせいで、内容をまったく覚えていない。

開演14時、閉演16時半。何しに行ったのかが分からない時間だった。まあ、こういう日もある。

「R-1ぐらんぷり2015」ファイナリスト決定。

【Aブロック】
ゆりやんレトリィバァ(よしもと)
あばれる君(ワタナベ)
とにかく明るい安村(よしもと)
復活ステージ3位

【Bブロック】
厚切りジェイソン(ワタナベ)
エハラマサヒロ(よしもと)
アジアン馬場園(よしもと)
復活ステージ2位

【Cブロック】
NON STYLE石田(よしもと)
やまもとまさみ(佐藤企画)
じゅんいちダビッドソン(アミーパーク)
復活ステージ1位


手堅い。実に手堅い。昨年大会優勝者のやまもとまさみ、ファイナリスト経験のあるエハラマサヒロにじゅんいちダビッドソン、コンビとしての実績があるアジアン馬場園とNON STYLE石田、既にピン芸人としてそれなりに注目を集めているあばれる君ととにかく明るい安村、M-1でいうところの“麒麟枠”にゆりやんレトリィバァと厚切りジェイソン……。ファイナリストが発表された直後は「なんだこのクソみたいに無難なメンツは!」と文句を垂れてしまったが、冷静になってみると、なかなかどうして悪くない。決勝戦でどんなネタが披露されるのか、ちょっと期待したくもなる……が、一つだけ、看過できないことがある。どうして敗者復活戦枠を予選三ブロックに対して三つも設けてしまったのか。多過ぎる。流石に多すぎる。敗者復活戦からの優勝者に期待しているとしか思えない。こういう節操の無さが、『キングオブコント』『THE MANZAI』に一歩劣っている感を強める……って、蓋を開ける前からグチグチ言っても仕方がないのだが(←先日Twitterでグチグチ言ってたらフォロワーさんから怒られた人) とにかく、敗者復活戦を誰が制するのかも含めて、当日を楽しみにしたいと……え? 決勝戦があるのって2月10日なの? ……皆さん、楽しんでください!(←柳家喬太郎独演会と丸被り)

追記。

敗者復活のチャンスがあるのは以下の面々。

【東京予選】
R藤本(よしもと)
AMEMIYA(SMA)
アルコ&ピース平子(太田)
おぐ(SMA)
カートヤング(よしもと)
COWCOW善し(よしもと)
小島よしお(サンミュージック)
スギちゃん(サンミュージック)
田上よしえ(人力舎)
手賀沼ジュン(サンミュージック)
トップリード新妻悠太(太田)
永井佑一郎(よしもと)
中川パラダイス(よしもと)
ニッチェ近藤(マセキ)
マツモトクラブ(SMA)
三又又三(オフィス北野)
やしろ優(ワタナベ)
頼知輝(SMA)
横澤夏子(よしもと)
ルシファー吉岡(マセキ)
レイザーラモンRG(よしもと)

【大阪予選】
梅村賢太郎(ラフ次元)(よしもと)
おいでやす小田(よしもと)
かみじょうたけし(松竹芸能)
雷ジャクソン高本(松竹芸能)
ガリガリガリクソン(よしもと)
木崎太郎(祇園)(よしもと)
キンタロー。(松竹芸能)
GOOD BOY(よしもと)
小森園ひろし(よしもと)
桜 稲垣早希(よしもと)
粗品(霜降り明星)(よしもと)
代走みつくに(松竹芸能)
ナオユキ(松竹芸能)
中山功太(よしもと)
ヒューマン中村(よしもと)
藤崎マーケット田崎(よしもと)
藤崎マーケットトキ(よしもと)
守谷日和(よしもと)
ヤナギブソン(よしもと)


太字は昨年のファイナリスト。……馬と魚とか、中山女子短期大学とか、バイク川崎バイクとか、その辺の人たちは三回戦で敗退した模様。いずれも安定感があるイメージが強いんだけれどなあ……。予選では小森園ひろしの評判が良かったみたいなので、彼の勝ち上がりにとりあえず期待しております。

『ナイツ独演会 主は今来て今帰る。』+『二人対談』

私が初めてナイツの漫才を目にしたのは、2003年10月に放送された『爆笑オンエアバトル』だった。当時、彼らが演じていたネタは、戦争中の出来事を語るおばあちゃんが銃撃戦をリアルに再現するという漫才で、それを見ながら大笑いしたことを覚えている(この時のネタは、ナイツの漫才師としての変遷を辿る『21世紀大ナイツ展』に収録されている)。これだけ面白い漫才師なら、きっとオンエアの常連になるだろうと思っていたのだが、結果として、ナイツは番組にハマらなかった。この頃の彼らはまだ芸風を模索している段階だったので、その定まらないスタンスに観客が気付いていたのかもしれない……と結論付けそうになっていたのだが、一度だけ“ヤホー漫才”で挑戦したにも関わらずオフエアになってしまっているので、単純に番組の雰囲気と合わなかったのだろう。

ナイツが注目を集めるきっかけとなったのが、塙がインターネットのヤホー(Yahoo!ではない)で調べてきた間違った情報を話し続け、その内容に土屋が細かくツッコミを入れ続けるスタイルの漫才“ヤホー漫才”であることは間違いない。だが、それだけでは、現在に至るまで人気を維持することは出来なかっただろう。ナイツの魅力は、なんといっても“浅草の漫才師”という点にある。内海桂子、青空球児・好児、昭和のいる・こいるなどのベテラン漫才師が在籍する「社団法人 漫才協会」に所属し、演芸場を中心に活動しているナイツは、いわゆる養成所やインディーズライブでしのぎを削ってきた若手芸人たちとは違う空気を漂わせていた。なんというか、ナイツは大人だったのである。若手らしからぬ落ち着きで、老若男女が理解できるテーマの漫才を、日々の舞台で磨き上げてきた話術で繰り広げていく。多くの若手芸人がテレビを目指して精進していたのに対し、彼らには演芸場というバックボーンがあったことも、その風格に貢献していたように思う。そして、それは今も変わらない。

2015年現在、多くのテレビバラエティに出演しているナイツは、それでも演芸場を暮しの軸にしている漫才師としての立ち位置から、問答無用の毒舌をまき散らしている。放送コードの枠を大胆に超えそうで超えない彼らのスタンスを考えると、まだしばらく需要は続きそうである。いっそ、浅草の偉大なる先輩の背中を追ってみるのも……へへっ。

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プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
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https://twitter.com/Sugaya03

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