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2015年6月のリリース予定

03『2015年度版 漫才 爆笑問題のツーショット
17『ラッスンゴレライブ』(8.6秒バズーカー)
24『ラバーガール solo live+「GIRL」
24『WHY JAPANESE PEOPLE!?』(厚切りジェイソン)
24『安心して下さい、はいてますよ』(とにかく明るい安村)

FC2がAmazonの商品を貼りにくい仕様になったので、今月からシンプルになりました。六月は梅雨のシーズンということで、お部屋でのんびりDVDでも楽しもうかしらんと思っている人に向いているラインナップになっているといえるのではないでしょうか。いや、知らんけどね。ちょっと思い付きで書きました。……どうでもいいけど、とにかく明るい安村の格好は、梅雨の湿気に不快感を覚える独り暮しの男が自宅でやってそうな気がしないでもない。本当にどうでもいいな。個人的には、またも細川徹に演出を手掛けてもらったラバーガールのライブが気になるところ。それと、余計なお世話だけど、厚切りジェイソンってネタあるのか?

追記。スコーンと忘れていた。イギリスの恐るべきコント集団、モンティ・パイソンによる復活ライブ『モンティ・パイソン 復活ライブ!~完全版~』が17日にリリースされます。恐らくは全編字幕だとは思いますが、笑いが好きなら見て損の無い作品ですよ。たぶん。
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所ジョージと「餌のない釣り針」



“ロックンロールをもっと面白くする本”というテーマを掲げている『SHAKE』は、ミュージシャンを中心に取り上げたムック本だ。巻頭特集の「甲本ヒロト 蓄音機とアナログ・レコードの現在地」をはじめとして、浅井健一×加藤ひさし、尾崎世界観、和田唱などのミュージシャンたちが、それぞれの趣味嗜好について語っている。

そんな顔ぶれの中に、何故か所ジョージがいる。

何故か、という表現は失礼にあたるのかもしれない。1977年にデビューして以来、所はシンガーソングライターとして(たまに休みながらも)活動し続けているからだ。とはいえ、世間の彼に対するイメージは今も昔もテレビタレントであって、先に挙げたようなゴリゴリのロックンローラーたちの中に紛れているのを見ると、どうしても違和感を覚えてしまう。無論、それがいけないというわけではない。むしろ、十年来のミュージシャンとしての所ファンとしては、とっても有り難い。どんどんやってほしい。

だが、どんどんやってもらうためには、もうちょっとミュージシャンとしての所ジョージが世間から注目を集めなくてはならない。世間から注目を集めるためには、そういった曲を書かなくてはならない。でも、所はそういった曲を書かない。「本当は歌謡界にも入りたいんですよ」と言っているにもかかわらず、売れる方向へとまったく寄せるつもりがない。何故か。寄せずに売れた方が面白いと思っているからだ。

「たいしたことないものなんだけど、すごく評価されないかな?」というところが面白いところでね。間違ってこっちに評価がこないかなっていう(笑)。「餌がついてないのに針だけで魚を釣りたい」みたいな感じ。「針だけでなんとかなんない? この針だけで疑似餌に思えない?」というのが面白いんです(笑)。


ミュージシャンとしてはまったく売れていない所がこういったことを口にすると、負け惜しみのように聞こえなくもない。だが、餌がついていなくても、針に対する姿勢が真剣だということは、近年の彼の行動を見れば明らかだ。レコード会社とやるのが面倒臭くなったという理由で自主レーベルを立ち上げ、700円(税抜)の超安価なフルアルバムをリリースし、「世田谷ベースで曲を作っているときが一番熱いから」とYouTubeで新曲を発表し続ける。


寄せない、媚びない、甘んじない姿勢は、世間が抱いているであろう所ジョージの「自然体」とはまったくかけ離れている。だが、この姿勢こそ、所が「自然体」であることの証明であるようにも見える。

そんな所が、6月にニューアルバム『JAM CRACKER MUSIC3』をリリースする予定だという。

自分への確認って言ったら大げさだけど、これをバーンと出しても、「いやいや、まだまだ在庫があるからね」っていうことを確認したかったんです。「頭のなかから(歌が)出てくるからね」っていうことですよね。もしも限界だったら、このCDにしがみつくけどね。でも「いやいや、こんなのは氷山の一角ですよ」という気持ちでいたいんですよ。


そして今日も、所は餌のない釣り針を世間に垂らし続ける。食われるか、食われないか、その反応を楽しみながら。

ジュニアのナイフが光った瞬間。

2015年5月23日放送の『IPPONグランプリ』での一幕を記録。

その時のお題は「彦摩呂が葬式で焼きあがったお骨を見て職業病が出てしまった一言とは?」。グルメレポーターとして確固たる地位を築いている彦摩呂と厳粛なお葬式の1シーンを絡めるというブラック要素の強いお題だ。ただ、既にギャップの笑いが期待されるシチュエーションであるからこそ、どう切り込むかが重要になってくる。

以下、主な回答。

博多大吉「やっぱり火力やねんな」(IPPON)

若林正恭「こんな身ぃ無いのコメントでけへんで…」(IPPON)

秋山竜次「親族のみの肉フェスや!!」(IPPON)

斎藤司「ホネッシーや~」(IPPON)


やはり全体的に、彦摩呂とお骨の関係性を切り取っている回答が多い。当然である。お題に「焼きあがったお骨を見て……」とあるのだから、そこを利用しない手はない。

そんな最中、千原ジュニアがなかなかにエグい回答を投げ込んでいた。

大喜利における千原ジュニアは、お題に対して直球を投げ込んでいるイメージが強い。故に、その回答はとにかく骨太だが、個人個人のクセの強さを求める視聴者には物足りなさを感じる人も少なくないだろう。だからこそ、この回答が見せるエグりの角度には、些か驚かされた。

その回答が、こちら。

千原ジュニア「生産者の声聞いてみましょか」(8P)


ジュニアのジャックナイフ、実は鞘に収められているだけ説。

全盛期は不変的に圧倒するのだ。

子どもの頃に耳にした音楽というのは不思議とずっと覚えてしまっているもので、例えば父親が車の中で聴いていた音楽CDだとか、子ども番組で流れていたテーマソングだとか、コマーシャルで流れていたどうでもいいような曲だとか、記憶しようとしているわけじゃないのに、これがどうも忘れられない。子どもと大人とでは時間の流れ方が違うというような話を聞いたことがあるが、それでも平等に同じ時間を通して流れてくる音楽は、大人にとってはフツーでも、子どもにとってはよりセンセーショナルに伝わるものなのかもしれない。結果、意識の向こうにある感覚へと、音楽に滑り込まれてしまうのだ。

私にとっての、そういった音楽の一つにザ・ベンチャーズがある。



今でもそうなのかどうか分からないが、私が子どもの頃はザ・ベンチャーズが年に一度のペースで来日公演を開催していて、そのコマーシャルが流れるたびに、例の「デケデケデケデケ」が聴こえてきたのである。大体、朝のニュース番組の合間に流れていたので、それが当時の日課だったことを考えると、ほぼ毎日の様に聴いていたことになる。しかも、そういった類のテレビのコマーシャルというのは、印象的な部分を切り取って放送するから……嫌でも覚えてしまう。とはいえ、当たり前のことだけど、ザ・ベンチャーズだって年がら年中日本に来ていたわけではない。あくまでもイメージだが、夏になると彼らはやってきたように記憶している。だから、彼らの来日公演のコマーシャルを目にするたびに、「あっ、夏が近付いてきたぞ」と無意識のうちに感じたものだ。あの時代の私にとって、夏といえばTUBEでもなくサザンでもなく、ザ・ベンチャーズだった。

しかし、記憶に残っているからといって、好感を抱いていたかというと、そうではなく。むしろ、嫌悪感というか、苦手意識の方が強かった。なにせ、その頃のザ・ベンチャーズというと、ハワイで料理屋をやっているような、アロハシャツを着た中年男たちがエレキギターを弾いていて。そういうオヤジのロックは、若さとバカさを空回りさせたがっていた少年期とは、今になって思い返してみても、食べ合わせが良くなかった。

ところが、最近になって、ふとしたきっかけで彼らが若かったころの映像を観てみると、これが非常にカッコイイのだ。とにかく音がシャープで揺るぎないし、画も凄くクール。楽器とアンプだけのシンプルなステージなのに、これほど気持ちを高揚させられるものかと、すっかり感動してしまった。映像として観ると、ドラムのスティックさばきがスゴい!



この音楽が最新鋭だった時代を経過していたら、アロハシャツのオヤジたちに対するイメージも大きく変わったのかもしれないな、と思った話。

スッキリしないぞ『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』

映画『百日紅』を観た。


『百日紅』は浮世絵師として知られる葛飾北斎とその娘・お栄の物語である。杉浦日向子による同名コミックが原作となっている。以前、この原作のちくま文庫版を、書店で立ち読みしたことがある。なんとなく興味の惹かれる題材ではあったのだが、画風のクセの強さに少なからず拒否反応を起こし、手を出さずにいた。そのことが今回の鑑賞に繋がっている。原作でのクセの強さも、アニメーションになっていれば、幾らかは控え目になっているだろうと考えたわけだ。また、監督が『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』を手掛けたことで知られる原恵一だったことも、私の気持ちを後押しした。

だが、フタを開けてみると、なんとも満足感の残りにくい映画であった。

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『アメトーーク』での中野聡子が実にアウトで良かった件。

先日の『アメトーーク』に出演していた中野聡子が素晴らしかった。



中野聡子は日本エレキテル連合のメンバーだ。ネタ書きを担当しており、彼女たちの代表作『未亡人朱美ちゃん3号』では、「いいじゃないのォ~」と言いながら朱美ちゃんを口説いている中年男性・細貝さんを演じている。

この日の『アメトーーク』のトークテーマは“マイナス思考芸人”。過去に“人見知り芸人”“女の子苦手芸人”など、芸人たちのあまり人に知られたくない側面をネタにしてきた同番組ならではのテーマである。……余談だが、これらのネガティブ要素の強い企画のことを、番組では【闇シリーズ!!】とまとめているらしいのだが、そんな風に大々的に盛り上げられると少し冷めるのでやめてほしい。どうでもいいことだけど。

普段、過剰な衣装とメイクでキャラクターを演じている中野だが、ここでは(当然のことながら)素顔で登場。ピンで『アメトーーク』に出演するのはこれが初めてだったらしく、相方の橋本小雪もこっそりと様子見に訪れていた。なお、中野以外のゲストは、若林正恭(オードリー)、吉田敬(ブラックマヨネーズ)、黒沢かずこ(森三中)、バカリズム、村本大輔(ウーマンラッシュアワー)。いずれも『アメトーーク』には何度も出演経験のある実力者たちだ。

一般の人にバカにされているのではないかと考えてしまう若林、歯医者で「歯よりも肌を先に治した方がいいのに」と思われているのではないかと考えてしまう吉田、冠番組がないのにタレントとしてテレビ局を訪れていることを笑われているのではないかと考えてしまう黒沢……それぞれ、視聴者に伝わりやすいレベルの“マイナス思考芸人”トークを展開していく流れで、中野も自身に関するトークを始める。

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『サンドウィッチマンライブツアー2013』+『サンドウィッチマンライブツアー2014』

サンドウィッチマンといえば、やはり『M-1グランプリ2007』における敗者復活からの優勝という快挙を成し遂げた漫才師としての印象が強い。常連組が早々に戦線を離脱し、ルーキーも明確に力不足を露呈していた当時のM-1は、何処からどう見てもマンネリ化の一途を辿っていた。そんな曇天模様の状況に希望の光を注いだのが、トータルテンボス・キングコングらリベンジ組だ。彼らの骨太で力強い漫才は、それまでの停滞ムードを一気に解消し、決勝の舞台に往年の盛り上がりを取り戻してくれた。一瞬、優勝者はこの二組のどちらかで間違いない、という空気になっていたように思う。そんな流れの中、サンドウィッチマンは華麗に決勝の舞台へと舞い降りて、より煌びやかな光で舞台を自らの手中に収めてしまった。「鳶に油揚げ」の例えの様に、彼らはまったく競争とは関係無いと思われたところから、鮮やかに優勝の二文字を勝ち取ってしまったのである。

だが、個人的には、サンドウィッチマンというと『エンタの神様』のイメージが強い。『爆笑オンエアバトル』を欠かさずチェックしていた私は、『エンタの神様』に出演している未知の芸人のことを低く評価する傾向にあった。それは別に、『オンバト』のことを絶対視して崇拝していたからではない。実際に、『オンバト』に出ていなかった芸人たちのネタが、いずれも面白くなかったからだ。彼らの多くは、大して練り上げられていない一言ネタを大量生産し、その薄っぺらなパフォーマンスで観客を盛り上げ、持ち時間を淡々と消費していた。なんとおぞましい光景か。とはいえ、芸人ばかりも責められない。そういうネタを番組が求めた結果、そういうネタをやる芸人ばかりが出演するようになっていたのだ。そんな『エンタの神様』にサンドウィッチマンが初めて出演したときも、私は大いに侮っていた。ところが、蓋を開けてみると、これが淀みなく面白い。私は大いに感心したが、それでも、これまでに『エンタの神様』が流してきたネタの数々によって私の心中に生じた吹き溜まりが、彼らの面白さを素直に認めさせようとはしなかった。罪作りな話である。

2015年現在、サンドウィッチマンは東北魂を胸に抱いた漫才師として、単独ライブで全国ツアーを展開するほどの人気を維持している。東日本大震災での被災を経験し、芸人として大きすぎる責任を肩に背負った彼らにとって、今や、全ての若手漫才師たちの垂涎の的だった“M-1優勝コンビ”という称号すらも小さい。はち切れんばかりのサービス精神で老若男女を分け隔てなく笑わせている彼らこそ、今最も“エンターテインメントの神様”に近いといえるのかもしれない。

(全然上手いこと言えてないぞ)

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『シソンヌライブ [trois]』

シソンヌライブ [trois] [DVD]シソンヌライブ [trois] [DVD]
(2015/03/31)
シソンヌ

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『シソンヌライブ[trois]』を観る。

シソンヌは長谷川忍とじろうによって2005年に結成された。二人が出会ったのはNSC(吉本総合芸能学院)東京校で、同期にはエド・はるみ、チョコレートプラネット、向井慧(パンサー)などがいる。特にチョコレートプラネットとは親しく、不定期にコントユニット“チョコンヌ”としても活動している。2014年に『キングオブコント2014』の決勝戦に進出。その洗練されたコントが高く評価され、七代目王者に君臨する。本作には、そんなシソンヌが2015年1月に赤坂RED/THEATERで開催した、【シソンヌライブ】の模様が収録されている。作・演出は大河原次郎(じろう)が担当。また、監修として、バナナマン・東京03などの実力派コント師の舞台に参加している、放送作家のオークラを迎えている。

今でもはっきりと覚えている。『キングオブコント2014』決勝戦の一番手、シソンヌが披露したコント『ラーメン屋』。「博打に負けた男が自分への戒めとして臭いラーメンを食べに行く」という泥臭い設定を、彼らは作品として完成された状態で演じていた。演技には微塵も無駄が無く、それでいて笑いどころは多い。当時、私は『爆笑オンエアバトル』『オンバト+』で活躍していたラバーガールのことを応援していたのだが、彼らの演技を観終わった直後に「ここが優勝だ」と確信を抱いた。それだけの説得力があるコントだった。続く二本目のコント『タクシー』も素晴らしかった。あえてツッコミという説明役を排除し、「男にふられた女の悲しみを全力でフォローするタクシー運転手」というシチュエーションそのものの可笑しみを最大限に引き出していた。ここまで完璧なステージをこなしていたにも関わらず、後に、『ラーメン屋』のオチと『タクシー』のオチが繋がっていると聞いたときには、心底驚いたものだ。これだけのコントを生み出しておきながら、まだ仕掛けを施す余裕があったのか、と。


そんな大会の熱気冷めやらぬ状態で迎えた本作のリリース。言わずもがな、とてつもなく高いハードルを設けた上での鑑賞だったが、見事、というよりも、案の定、期待を裏切らない作品に仕上がっていた。美しい映像と耳心地の良い音楽、そして誰に憚ることなくはっきり断言できる、至極のコントの数々……。とはいえ、そこに優勝直後の気張った印象は残らない。いや、そもそも自らの状況を大きく左右するかもしれない賞レースで仕掛けを施していた二人に、大会をきっかけに変化するという事態は起こり得ないのだろう。

本編を再生してみて、まず目を見張ったのは『息子の目覚まし時計』だ。若くして亡くなってしまった息子の部屋を、生前のまま保っている夫婦を描いたコントなのだが、とにかく「家族を亡くしてしまった人」の空気が再現されていることに驚かされた。特に、じろう演じる母親の、まだ現実を受け止めきれていないが故に、心がボンヤリと宙に浮かんでいるかのような、危うい精神性が恐ろしいほどにリアルだ。そのリアリティがあるからこそ、「生前の息子が設定して今も鳴り続けている目覚まし時計の騒音」というコントの核が存分に生きる。どうにかして目覚まし時計を止めようとする夫と、鳴り止まない目覚まし時計の音に息子の存在を感じている妻。あまりにも悲しすぎる。でも、だからこそ、笑わずにはいられない。“ブラックユーモア”の一言では片付けられない凄味があるコントだった。

これ以降のコントも魅力的だ。テレビそのものを製作している男とテレビ番組を制作している男の認識のズレが明確になっていく『せいさくしゃ』、学校の先生にビンタされることを恐れていた生徒が現在の教育現場の実情を知って極端に態度を改める『先生の本性』、某映画のシステムを便所に取り入れた『ナイト便所』などなど……それぞれまったく違った方向性から切り込んでいるが、しっかりとシソンヌの空気になっている。やがてライブも終盤に差し掛かり、『母と息子』が始まる。オープニングコント『空港』とのつながりを感じさせる『空港2』を除くと、これが本編最後のコントになる。

『母と息子』は認知症を患っている母親と暮らしている息子のある日の日常風景を描いたコントだ。予測不能の行動を取りながらも自らのボケに対して自覚的な母親と、以前から冗談交じりの言動を繰り広げていた母親が本当にボケているのかどうか疑心暗鬼になっている息子のやりとりは、一見すると喜劇の様にコミカルだ。壁に「ぼけてる」と書いた習字を貼り、自らを「ハイマー」と名乗り、無くなったリモコンを「同じところに隠している」とのたまう母親は、とても明るくて、楽しくて、笑わずにはいられない。でも、だからこそ、あまりにも悲しすぎる。軽快に放り込まれる「そうか! 忘れるのはお母さんの方か!」という台詞の厳しさよ……。

このライブそのものに対する分析は、ポップカルチャーを取り上げているブログ「青春ゾンビ」さんの解説が秀逸なので、そちらをご参考ください。

特典映像には、過去のシソンヌライブで披露されたコントより厳選されたネタを一本ずつと、本作のメイキングが収録されている。厳選コントは『立てこもり』と『ラーメン屋』。『ラーメン屋』は『キングオブコント2014』決勝戦で披露されたネタの完全版だ。より細かいディティールが表現されているので、気になる人は是非。というか、これだけ高画質な映像が残されているのであれば、このライブそのものをソフト化してもいいのではないだろうか。もとい、観たい。ライブのメイキングは、芸人のそれとは思えないほどに真面目な内容だ。ライブ構成・衣装・DVDジャケットの打ち合わせ、構成を詰めるためにホテルに缶詰め、通し稽古などの様子を、笑いを殆ど省いた状態で映し出している。それぞれ非常に短いが、ライブが完成に至るまでの様子を丁寧に撮影していて、お笑いを志す人間にはたまらない映像といえるのではないだろうか。衣装香盤表……そんなものもあるのか……。

演じられているコントも素晴らしかったが、過去のシソンヌライブから厳選コントを収録したり、ライブに至るまでの行程を真面目に追ったドキュメンタリーを見せてくれたりと、しっかりと痒い所に手が届く作品に仕上がっていた本作。なんだか、彼らのコントに対して真摯に向き合っている姿勢を、制作側も真剣に受け止めているように感じさせられた。きっと作られるであろう次回作も、楽しみにしております。


■本編【97分】
「空港」「息子の目覚まし時計」「せいさくしゃ」「先生の本性」「じじいの杖」「ナイト便所」「リューヤの思い」「野祭」「母と息子」「空港2」

■特典映像【37分】
「シソンヌライブ[une]厳選コント」「シソンヌライブ[deux]厳選コント」「シソンヌライブ[trois]メイキング」

『人間交差点』を歩む紳士はあくまでもストレート



「ストレートなんて格好悪い」と若い頃は思っていた。否、はっきりと認識していたわけではないが、でも無意識のうちにそう感じていたのは確かだ。「がんばれ!」と言われれば「余計なお世話だ」、「負けるな!」と言われれば「勝ち負けじゃないし」、「一生懸命!」と言われれば「かくして世間に過労死が蔓延するのだね」と思っていた。

でも、これはなにも、私の青臭い感性ばかりに原因があったわけではない。世間に蔓延るストレートなメッセージから、現実味を感じられなかったからだ。「がんばれ!」「負けるな!」「一生懸命!」という言葉を出しておけば納得するだろうと一方的に思われているかのような、応援としての体裁だけを保っているかのようなメッセージに、むしろ誰が現実味を感じることが出来るのだろう。本当にメッセージを届けたいという気持ちがあるのならば、こちらの心に響くように伝えてほしい。そうでなければ、それは送り手の傲慢だ。

そんなことを考えてしまう私だが、RHYMESTERのメッセージには、ついつい素直に耳を傾けてしまう。「風はまた吹く 気付かないならかざしな人差し指を」と歌った『ONCE AGAIN』、「どっちでもないこのEverydayこそ素晴らしい弾ける人生」と歌った『POP LIFE』、「選ぶのはキミだ キミだ 決めるのはキミだ キミだ」と歌った『The Choice Is Yours』……どのメッセージも陳腐なほどにストレートだが、彼らが歌っているとサマになる。もうちょっとチープな言い方をしてしまうと、格好良い。とはいえ、それは私がRHYMESTERのことを依怙贔屓しているからそう聞こえる、というわけではない。彼らはそのストレートなメッセージに対して、非常に丁寧に説得力を持たせている。要するに、相手に伝えることをしっかりと意識しているのである。だから、聴いている側はハンパな言葉で逃げられない。まんまと胸を掴まれ、メッセージがグサッと突き刺さる。

新曲の『人間交差点』もまた、恐ろしいほどストレートな名曲だった。


人と人との出会いと別れを交差点に見立てるというストレートな比喩の元に、「エキストラなどこの世には一人もいないんだ」とストレートなメッセージで心に訴えかけてくるMummy-Dの言葉と、「点と点が線と線になって交わるけれどぶつかんない それは神の御業? いや、人の仕業」と丁寧に人心の障壁を薄めていく宇多丸の言葉が絡み合っていく様が実に美しい。人と人との出会いの中で、お互いに無闇に衝突せずに、その出会いによって生じる反応を楽しもう。実に正しく、大人で、誠実なメッセージではないか!

ただ、そのメッセージを実践できるかというと、うーん……なかなか……。

大阪文化体験記(2015年5月5日)

午前九時前起床。

午前九時半、ホテルを出て、近くの【コメダ珈琲店】に飛び込む。ウインナーコーヒーと、トーストとゆでたまごがついてくるというモーニングセットを注文する。なんでも、コメダ珈琲店の発祥の地は名古屋で、モーニングには多少のこだわりがあるらしい。事実、なかなか美味い。焼き立てのトーストが実に香ばしかった。三十分ほど寛いだところで「そういえば今日は在日ファンクのニューシングルの発売日ではなかったか?(厳密には発売日前日)」と思い出し、ボストンバッグをコインロッカーに預けて、十時から開店しているなんばのTSUTAYAへと足を運ぶ。ところが、いざ到着してみると、レンタル商品しか置いていない。なんという無駄骨。しかし、TSUTAYAと同じビルの中に入っているBOOK OFF(1階と2階がBOOK OFFで、3階がTSUTAYAだった)を覗いていると、以前から気になっていたHALCALIのアルバム『ハルカリノオカワリ』を発見。しばらく考えた後に購入する。

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店を出ると、午前十一時を回っていたので、タワーレコードへと移動する。在日ファンクのニューシングル『ぜいたく』はこちらでしっかり入手。ついでに落語のCDでも見てみようかしらんと棚を探して回るが、見つからず。撤去されているのか、それとも隅に追いやられているのか。まあ、見つからないものはしょうがない。その足で、なんばパークス内にある【&音】を訪れる。「落語のCDを購入するならここ!」というネットの評判を聞いていたのだが、まさか和風雑貨のお店だとは思わなかった。手ぬぐいや風呂敷が売られている店の一角で売られている落語CDというのは、よくよく考えてみると間違っていないのだろうが、妙に違和感を覚える。一部のCDは30%オフで売られていた。うーん、これは有難い。どのCDを買おうかな……と、棚を覗き込んでみると、以前から探していた『キング落語名人寄席 春風亭小柳枝』を発見する。「おーっ! おーっ!」と心の中で叫びながら、粛々と購入。先代の桂文治師匠や、先日亡くなった桂小金治師匠のCDも売られていたので、次の来阪の際にはそちらに手を出そうと思う。いやー、いい店だ……。

気が付けば正午。せっかくだから大阪名物を食べようと思い、なんばの商店街にある【自由軒】に向かう。お昼時とあって、それなりの行列が出来ていたが、時間には余裕があったので並ぶことにした。待っている間、隣のトルコアイス屋にいるトルコ人のお兄さんの接客を眺める。「ちょと待てちょと待ておにーさーん! このアイス食べないとモテないよー!」と言いながらアイスをこねくり回している姿に、ここが商人の街であることを無性に感じた。二十分近く待ったところで店に入る。狭い店内にこれでもかと椅子が並べられていたが、その殆どが埋まっていることに少し驚いた。注文したのは、ルーとライスがかき混ぜられた状態に生卵が割られた状態で出される名物カレー。店が推薦している食べ方の通りに、生卵とソースをかき混ぜて食べた。見た目はポップでキャッチーだが、味付けはピリ辛。たまに生卵のまろやかな風味が絡んで、なんともいえない味わいを生み出していた。

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食後、以前に大阪を訪れた際に食べた【みつ星製麺所】のつけ麺がどうしても食べたくなってしまい、思い切って向かうことに。なんばから御堂筋線で梅田駅、大阪駅からJRで福島駅へ。午後一時過ぎに到着し、店に入ったのは四十五分ごろ。けっこう待たされたが、それだけの味である。美味い。とにかく美味い。

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食後、梅田駅まで戻って、街中を散策。かっぱ横丁の古書街をウロウロしたり、楽器店を覗いたりしているうちに、午後三時を回ったので、御堂筋線でなんば駅まで戻る。コインロッカーに預けた荷物を回収し、【OCAT(大阪シティエアターミナル)】へ。中にあるジュンク堂書店で漫画本を買って、キオスクでお土産を購入。なんだか、日常へと帰るための準備をしているような感じだ。午後四時五十分ごろ、帰りのバスに乗り込んだ。老人が多い。皆で観光旅行に来ていたのだろうか。それとも、それぞれまったく無関係な人たちなのだろうか。もしも後者なら、なんともアクティブではないか。

午後十時、帰宅。お疲れ様でした。

大阪文化体験記(2015年5月4日)

午前八時起床。就寝時刻が遅かった割には、なかなか早く起きられた。アルコールのせいか、寝汗が酷かったので、朝風呂を浴びる。備え付けのT字カミソリで髭を剃り、歯を磨く。私がカプセルホテル【アムザ】を積極的に利用している理由の一つに、消耗品の豊富さが挙げられる。タオル、ボディタオル、シャンプー、リンス、ボディソープ……自動販売機でコーヒー牛乳が売られているのも嬉しいところだ。飲食店も備わっているのだが、私は利用したことがない。一度、試してみたいものだが。

午前十時、ホテルを出る。近くの【金龍ラーメン】に立ち寄り、ラーメンを食べる。早朝の涼しくて静かな時間に食べるラーメンというのは、実に風流だ……と、以前に来たときには感じたのだが、この日はゴールデンウィークの真っ只中ということもあって、街中には沢山の人たちが賑わっていて、静けさなど微塵も感じなかった。まったく、風流もへったくれもないではないか、と少し憤る。食後、近くのネットカフェに入り、昨日のレポートでブログを更新する。更新が終わったら、すぐに店を出るつもりだったのだが、気が付けば三時間パックをほぼ使い切ってしまっていた。ああ、根っからのネット中毒。

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午後一時半、Twitterでフォロワーさんに教えてもらった【三豊麺】で昼食を取る。食券を購入し、店に入ると、U字型になったカウンター席が目に入った。テーブル席は無かったように思う。アジア系の女性店員(恐らくは中国系だろう)に促され、空いている席に座る。隣の席に座っているカップルが、いわゆるホストとキャバ嬢の雰囲気を醸し出していて、ほのかに不安な気持ちを抱いたのだが、ホスト風の彼が「つけ麺のスープ割りをください」と店員に頼むも声が届いておらず、代わりにキャバ嬢風の彼女が伝えている姿を見て、なんだか和んだ。肝心のつけ麺は、ドロドロとした濃厚スープに太麺が絡んで、実に美味かった。あまりのドロドロさに、麺を食べ終える前にスープが無くなってしまって些か困ったのだが、どうやらアレはお代わりが出来るらしい。……知らなかった。

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午後二時、御堂筋線で動物園前駅へと移動する。まずは北上。ちょっと窮屈な商店街のアーケードを歩く。否、ちょっとどころではなく、窮屈だ。四人並べば肩を壁にこすりつけるのではないかというほどに狭い。そんな窮屈なアーケードの中を、これでもかと人が詰め込まれている。恐らく、半分は現地人で、もう半分は観光客だろう。その道をずんずん行くと、先に見えてくるのが【通天閣】だ。地元の人間でもなければ、東京の人間でもない私にとって、通天閣は大阪の東京タワーというイメージがあったのだが、実物を見ると、本当に東京タワーのそれに近い存在感があって、なんだかとても馴染んだ。展望台に上がろうと中に飛び込んだが、長い行列が出来ていたので断念した。

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近くのドン・キホーテに飛び込んで、少しばかりトイレを拝借していたところ、先程の方とは別のTwitterのフォロワーさんから【千成屋コーヒー】を薦められたので、向かう。おばちゃんが三人でやっている喫茶店で、店内はやや狭い。クリームコーヒーなるものが上手そうだったので、注文する。クリームソーダのコーヒー版で、なかなか美味しかった。クリームからちょっとバターの香りがして、いい感じ。……後に、この店がミックスジュース発祥の地だということを知り、注文を間違えたなあと後悔することになろうとは、この時はまったく思ってもいなかったのであった。

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一息ついたところで、今度は南下する。動物園前駅から北は観光地として栄えているが、南は完全にダウンタウンの様相を呈している。人気はまばら。時折、妙な雰囲気を醸し出している人たちが、横を通り過ぎていく。立ち並んでいるお店の多くはスナックや居酒屋の類で、まだ明るいというのに絶賛営業中だ。この怪しげな商店街を抜けると、また妙な空気が漂う空間に飛び出す。小さな建物が幾つも並んでいて、それぞれの表には看板が掲げられている。店先には白い光を全身に浴びた若い女性と、「おにーさん、上がってかない?」と声をかけてくる中年女性。そう、大阪最深部と名高い【飛田新地】である。飛田新地とは、いわゆる遊郭の街で(以下略)ここもゴールデンウィークの最中とあってか、やたらと人で賑わっていた。情緒もへったくれもない。三十分ほどぶらぶらしたところで(以下略)

午後五時、御堂筋線で心斎橋へ。楽器店を中心にぶらぶらする。

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途中、大阪ではそれなりに人気があるという【金久右衛門】に立ち寄り、一杯いただく。透明なスープの真ん中に黒色の濃いスープが沈んでいる画のインパクトは強かったが、味はいまいち。たまに貝の味がしたけれど、個性というほど印象的ではなかった。

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食後、なんとなく物足りなさを覚えたので、日本橋にある【大阪大勝軒】へと移動。ボリュームの多さにばかり目がいくが、味も決して裏切らない感じで、非常に安心できる。とはいえ、流石に食べ過ぎだが。店への道中、中古CDショップに立ち寄り、桂文珍師匠のCDを購入する。演目は『はてなの茶碗』『星野屋』。既にレンタルで聴いたことのあるアルバムだったが、ちゃんと手元に欲しかった作品なので、ここで入手できて良かった。

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午後八時、ホテルに戻る。とっとと風呂に入り、そのまま就寝。疲れた。

……っていうか、食ってばっかだな!

大阪文化体験記(2015年5月3日)

午前四時起床。昨夜、早めに寝ようと午後八時には布団に潜り込んでいたにも関わらず、そのまま眠れずに午前一時過ぎまで起きていたため、身体がやたらとだるい。出来ることならもう一眠りといきたいところだったが、そうはいかない。午前六時発の高速バスに乗らなくてはならないのだ。まだまだ眠りたがっている身体を強引に目覚めさせ、準備を済ませる。少し胃腸の調子が良くない。朝の寒さにやられたしまったか。

午前五時出発。高速バスの発着所まで、自宅から車で三十分ほど。途中、コンビニで軽食を取ろうと考えていたので、余裕を見て、このくらいでいいだろうと考えた。ところが、信号待ちの間に、なんとなく手元のバスチケットを確認すると、午前六時半発と表記されている。まさかの勘違いである。ただでさえ余裕を見ているのに、そこへ更に三十分の隙間が出来てしまった。……だからといって、特に何か困るというわけではないのだが。早朝のドライブは他に車が少ないので、なかなか気持ちがいい。BGMは先日CDを購入したばかりのライムスター『人間交差点』。「急げ急げ急げ!」と煽る宇多丸のリリックに気持ちが盛り上がる。途中、セブンイレブンに立ち寄り、おにぎり三個と水を購入する。すぐさま食べ終え、胃腸薬とともに水を一気に飲み干す。

高速バスの発着所に到着すると、たくさんの人がいて驚いた。なにせ、普段はガラガラの待合室の椅子が、ほぼ全て埋まっているのである。午前六時に発着するバスは大阪行きのみ。いくらゴールデンウィークとはいえ、これだけの人が早朝から大阪に出かけるのかと驚いた……のだが、後で彼らは高速バスで旅行に出かける人たちではなく、ちょっとした日帰りツアーに参加している人たちだということが分かって、なんだか納得した。結局、大阪行きのバスに乗ったのは、十人そこそこだった。

午前六時半、バスが出発する。大阪までおよそ四時間。スマホで録音した『アルコ&ピースのオールナイトニッポン0』を聴きながら仮眠を取ろうとするも、振動で揺れまくったことと、時折Twitterの画面を眺めてしまっていたことが重なって、悪酔い。もしかしたらリバースするかもしれない。しかし、座席の網には袋が入っておらず、手元に適度なビニール袋もない。これでは、もし万が一にでもリバースするようなことがあったら、目の前にぶちまけてしまうではないか。どうにかこらえる。途中、サービスエリアでアイドルがコマーシャルに出演している某炭酸飲料を購入。爽やかな飲み物が欲しかったから買ったのだが、とてつもなく不味くてビックリした。カロリー控えめでも、不味かったら意味がないような気がする。

午前十時、大阪駅に到着。駅のコインロッカーにボストンバッグを預けようと思うも、どこもかしこも使用中。ゴールデンウィークのせいか。スケジュール上、こんなところでもじもじしているわけにはいかず、預けずに移動することに。梅田駅から御堂筋線で千里中央駅へ。チケットを購入する際、千里中央駅までの金額が表示されずに少し戸惑った。駅員に確認したところ、千里中央駅までの金額は、北大阪急行電鉄と表記されたボタンを押さないと表示されないとのこと。うーむ、これが都会の洗礼というヤツだろうか、と思いながらポチッと購入する。千里中央駅に着くと、今度は大阪モノレールに乗り換え。万博記念公園駅を目指す。……どうでもいいけど、たった二駅分で250円って少し高い気がする。

午前十一時、万博記念公園に到着する。駅構内のコインロッカーに空きがあるのを見つけ、利用する。駅を降りて、万博記念公園へと向かう道の途中、早々にヤツの姿を目にする。一面に広がる木々の中から、ひょっこり顔を出しているヤツ。【太陽の塔】だ。今回の旅は、そもそも太陽の塔を目の当たりにしたいという気持ちから始まった。ありとあらゆる歴史的建造物の追随を許さない、なんともアヴァンギャルドで圧倒的な存在感を、どうしても生で見たかったのである。万博記念公園まで、とてつもない人の波をかき分ける。この日、万博記念公園ではフリーマーケットが開催されていて、それの伴うイベントやらなんやらを見に、大勢の人たちが押し寄せていたのである。でも、そんな人たちのことなど、関係ない。私には太陽の塔しか見えていなかった。250円の入園料を支払い、ゲートをくぐる。

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太陽の塔は、公園に入ってすぐのところにいた。あまりにも、巨大ではないか。こんなに巨大で、ヘンテコで、美しいモノを、私は見たことがなかった。しばらく魅了された後に、【EXPO'70パビリオン】へと移動。大阪万博の資料が展示されていて、当時の雰囲気を映像やアイテムなどで感じることのできる施設だ。本来なら、じっくりゆっくりと見たいところだったが、人と会う約束があったので、ちょっと急ぎ足。まあいい、どうせ来年も来る(太陽の塔の中身が公開されるらしいからな!) この後に行く予定だった梅田ロフトとのスタンプラリーが開催されていたので、参加する。ショップでタオルと扇子を購入する。万博記念公園オリジナルプリクラにも少し興味を惹かれたが、流石に一人で撮るものではないだろう。帰り際、改めて太陽の塔を眺める。やはり、美しい。

先ほどとは逆の手順で梅田駅に戻る。流石に荷物が鬱陶しくなってきたので、コインロッカー探しに奔走する。結局、東梅田駅のコインロッカーに預けることになった。そこから待ち合わせ場所であるかっぱ横丁へ移動。ところが、当人が何処にもいない。スマホでDMを確認すると、待ち合わせの後に行く予定だったラーメン屋の方で待っているとのこと。そこで、私もラーメン屋へと移動しようとしたのだが、肝心の店の場所が分からない。三十分ばかりウロウロした挙句、階数を間違えていたという根本的なズレが発覚。私が行こうと言い出したのに、なんともあんまりな話である。

午後二時、Twitterで知り合ったイシダドウロ氏と合流し、【煮干しらーめん大五郎】を食す。

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ギャラリークラフトの食レポ漫画を読んで、気になった店だったのだが、味との相性はそこそこ。とはいえ、煮干しの風味が強くて、そこにきちんと個性を見出している点は評価されるべきだろう(偉そうに) 食後、梅田ロフトに向かい、【みんなで太陽の塔展】へ。様々なアーティストたちによる太陽の塔をモチーフにした作品たちが展示されていて、なかなか楽しかった。展示会場内は自由に撮影してもよかったので、あっちこっちの作品をカメラに収めたのだが、ここに写真を表示するのはなにやら勿体無い気がするので、代わりに会場入り口にあった岡本太郎氏の蝋人形の写真をどうぞ。

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鑑賞後は、ロフト内をウロウロ。私は特に何も買わなかったのだが、ここ最近になって人気が再燃している『ぼのぼの』のコーナーに、何故かイシダ氏のテンションが大いに上がっていて、ストラップを買っていた。そんなに好きですか、『ぼのぼの』が。いや、私も好きだけど。ここでイシダ氏が私のスタンプラリーのことを思い出し、展示会場の受付の女性に「何処で引き換えてくれるのか」と話をしてくれる。結局、その場で景品を頂けた。太陽の塔のペーパークラフトとブックカバー。……微妙だ。店を出て、しばらく喫茶店でゆっくりしているところで、これまたTwitterで知り合った藩主氏と合流する。偶然、近くにいたのだという。桂小枝師匠を思わせる高音ボイスがなんとも味わい深い。時刻は午後四時を回ろうとしていたところ。そろそろ待ち合わせ場所のなんばに向かおうということになり、御堂筋線の電車に乗り込む。そう、この日の夜は、Twitterで知り合った人たちと、オフ会をやろうという話になっていたのである。

なんばに到着後、しばらく街中を散策、『ドキュメント72時間』でも取り上げられていた【味園ビル】にも立ち寄り、まだ開店していないお店の外観を見て回る。なすなかにしや小森園ひろし、春風亭吉好さんなどのイベントのチラシを見つけてニヤニヤ。この直後、ゴハさんと合流。素人の大喜利界隈に詳しいゴハさんは、大喜利会場にも使われることがある味園ビルにちょっと詳しかった。見た目は味のある青年風なのに、中身は意外とディープらしい。

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私のリクエストにより、オフ会の会場は近くの鳥貴族になった(焼き鳥のコストパフォーマンスが良いとネットで見たことがあったのだ)。開店時刻が午後三時とある。そんな時間帯から呑んでいる人がいることにビックリする。店の前で三十分ほど待たされ、午後六時ごろに入店。この時、クジャクの心臓さんと合流。夙川アトムに似ていた。なにやら色々な話で盛り上がったような気がするけれど、何を話したのかはまったく思い出せず。けっこうな牛飲馬食ぶりを展開したつもりだった(私が最後のオーダーで注文しすぎたためである!)が、お代は一人3,500円で済んだ。ああ、安い。

二次会は味園ビルの白鯨というお店で。ワンドリンク500円。鳥貴族の全品280円の後だと、妙に高く感じてしまったので、チビチビと呑む。ここでも色々な話をしたはずなのだが、やっぱり殆ど覚えていない。かろうじて覚えているのは、「M-1グランプリ2009の三位って誰だっけ?」「エレキコミックの面白さが分からない」「乞食根性」。ろくな話をしていない気がするのは何故だろう……。

午前零時前、解散。名残惜しい。

この日、ホテルの予約が満室になっていたので、泊まる場所が決まっていなかった私。とりあえず、入浴だけでも済ませようと思い、いつも利用しているカプセルホテルの【アムザ】を尋ねたところ、なんと部屋に空きが出ていることが発覚。神は私を見捨てなかった! 粛々と宿代を支払い、大浴場で汗を流し、午前一時ごろ就寝。お疲れ様でした。

夢助の歌が聴こえた。

本日、5月2日は忌野清志郎の命日である。


そんなツイートをTwitterで見かけ、「へー、そうなんだ」と思った瞬間、この曲の歌詞が頭に浮かんできた。「Oh 何度でも夢を見せてやる」。ファンといえるほど彼の音楽を聴いていたわけではないけれど、何故だか無性にこみあげてくるものがある。そんな自分でも、亡くなってから6年が経った今でも、未だに夢を見せてもらっている気がする。気のせいかもしれない、けれども。

『エレキコミック 第23回発表会「Right Right Right Right」』



トゥインクル・コーポレーション所属のお笑いコンビ、エレキコミックが2014年5月21日から6月1日にかけて、東京・大阪・名古屋で開催した単独発表会より、東京公演(銀座・博品館劇場)の模様を収録。

私がエレキコミックのコントを初めて目にしたのは、2002年3月に放送された『爆笑オンエアバトル』第四回チャンピオン大会でのことだった。彼らが演じていたのは『お母さんに逢いたい』というバラエティ番組のコント。やついいちろうが司会を務めている番組に今立進が母親を探してもらうのだが、まったく見つからない……もとい、見つけようとしてくれない……という、なんともバカバカしいネタだった。なかなか面白かったように記憶しているのだが、結果は10組中9位という散々なもの。その後、エレキは二度のチャンピオン大会進出を経験しているが、いずれも厳しい評価を下されている。独特の緊張感が漂っているチャンピオン大会のステージにおいて、エレキコミックのコントはあまりにも軽過ぎたのかもしれない。だが、どこまでもバカバカしく軽快なコントこそ、彼らの本質だ。それは今でも変わらない。

例えば、本作のオープニングで演じられているコント『ダイオウイカ』。今立が“ダイオウイカ丼”を売りにしている定食屋に入ると、身体がダイオウイカの足に巻きつけられている店主のやついが登場する。この時点で既にバカバカしい。やついはご飯を盛った丼を今立に渡し、自分がダイオウイカの気をそらしているうちに足に食らいつくように提案する。ところが、今立が足に噛みつくたびにやついの身体を締め付けてしまうので、なかなか上手く食べられない。そこで、やついが取った決断とは……。シンプルかつ下らない設定でも、しっかりと笑い飛ばすことの出来るレベルのコントに昇華してしまう。エレキコミックらしさが光ったコントだ。

この後も、彼らならではのバカバカしいコントが続く。ドラマや映画でよく目にするワンシーンと似通った状況に遭遇したタクシードライバーが、更にドラマチックな展開を要求する『ドラマチックタクシー』。「ブスだから」という理由で野球部の応援を控えるように言われたチアガールが、著作権を侵害しない楽曲を駆使して、強硬の姿勢を見せる『チア』(ちなみに、『キングオブコント2014』準決勝において、エレキコミックはこのネタを披露したらしい。著作権を侵害していないのに公式DVDには未収録というところに、某著作権協会によるよからぬ陰謀を感じなくもない。)。今立が訪れた“恐怖居酒屋”は、幽霊や化け物の類が出るわけではない、とんでもない不潔さを売りにしていた!『恐怖居酒屋』。どのコントも、清々しいほどに何も残さない。何も残らない。

とりわけ、学校帰りのやついが腹痛に耐え切れず、草葉の陰に隠れてこっそり大便を放出していると、友人の今立が近寄ってくるという恐怖体験を描いたコント『帰り道』は傑作だ。以前から、エレキは「やっつんだっつん」という二人の学生をメインにしたコントを得意としていて、そのいずれもが非常に素晴らしい出来映え(やついほど、バカでハイテンションな学生が似合う芸人は他にいないのではないだろうか)なのだが、この『帰り道』はそこから更に一歩踏み出している印象を受けた。どうにも辛抱できなくて、とうとう草葉の陰での放出を余儀なくされてしまった理不尽な感じ、誰かに見つかってしまうのではないかという恐怖感、見つかってしまったときの絶望感、その全てがこの『帰り道』ではニュアンスとして再現されている。また、この危機的状況を脱する展開が、突き抜けていてサイコーに下らない。

これらバカバカしいコントがある一方で、エレ片で主に演じられている「やついのダークサイド」が垣間見られるコントもあるから、たまらない。まったく自分に対してリスペクトの気持ちを見せようとしない後輩に対して先輩ラッパーがやきもきする『説教』と、神社にやってきた少年が鳥居によじ登っている中年の男と遭遇する『おじさんと少年』がそれだ。特に『おじさんと少年』は、音楽業界に精通しているやついならではの目線が反映されていて、非常に面白かった。とりあえず、このコントを観た人は、これからハマショーを冷静に見ることが出来ないのではないだろうか。マネーとか歌っている場合じゃないよ、ホント。

特典映像は、入社以来エレキコミックを担当してきた事務所のマネージャー・上田航氏の小心を受けて、彼がこっそり開設していたTwitterアカウントでのツイートを片手に二人がお祝いのインタビューをする『上田航係長インタビュー(完全版)』を収録。なんとなくの思い付きでツイートしたとしか思えない言葉の数々をエレキコミックの二人に丁寧に引っ張り出されている様が非常に面白いが、同時に凄く心臓がドキドキするのは何故だろう……。


■本編【59分】
「ダイオウイカ」「オープニング」「帰り道」「ドラマチックタクシー」「チア」「説教」「恐怖居酒屋」「おじさんと少年」「エンディング」「エピローグ」

■特典映像【17分】
「上田航係長インタビュー(完全版)」
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

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