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2015年11月のリリース予定

04「東京03 FROLIC A HOLIC ラブストーリー「取り返しのつかない姿」
11「​野性爆弾 20周年記念単独ライブDVD ​『野性爆弾 初! ネタのみGIG​​』
18「オール阪神・巨人 40周年記念公演 ふたりのW成人式
25「番組バカリズム3

今年も残り二か月となりました。肌寒い季節になってきましたが、読者の皆さんは体調を崩すようなことなどありませんでしょうか。私はというと、例年通りに衣替えのタイミングを間違えて、まんまと体調不良を起こしております。なんとか死なない程度に不摂生していきたいものですが……と、ここまで書いて気が付いた。まったく同じことを先月も書いている……。まあ、いいや。さて、11月のリリースですが、人間関係をシャープに切り取った関東のコント師・東京03と、あらゆるシチュエーションをブチ壊しにする関西のコント師・野性爆弾という、正反対なユニット同士の激突。果たして勝つのはどちらか。
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『こそこそチャップリン』第4回(2015年10月24日)

■お侍ちゃん27
「侍RADIO」。江戸時代に放送されていた「お侍ちゃんの侍RADIO」特別公開放送の模様を描いた一人コント。ラジオあるあるに江戸時代的な要素を存分に盛り込んだネタになっており、大きな笑いにはなりにくいが、その凝ったディティールでじわりじわりとコント世界に引き込んでいく。「糸電話」「矢文」「幕府の上役」などのワードチョイスもさることながら、途中で交通情報を挟み込む構成が上手い。「通行手形はあらかじめ風呂敷から出して……」のリアリティには唸った。ただ、先日の『アルコ&ピースのオールナイトニッポン0』で披露していたバージョンの方が、面白かった気も……そちらは次回に期待。

■オテンキ22
「コント:ものまね」。素人ものまね大会に出場した斉藤くんが“マンデーGO”という誰だか分からない人物のものまねを披露していると、後ろからご本人が登場し……。実在しないモノを実在しているかのように描いているコント。割とセンスが問われる設定だが、オテンキはそんなことなどお構いなしに、半ば強引にコメディ感溢れる笑いへと昇華していく。オテンキのコントといえばのりの小ボケが印象的だが、今回はご本人を演じているGOの堂々たる佇まいがとても面白かった。ちゃんと、のりのものまねよりも動きにキレがあるのが良い。

【ふきだまりのコーナー】
サンシャイン池崎、ふとっちょ☆カウボーイをクローズアップ。

■オジンオズボーン29
「漫才:ツッコミ勝負」。1週勝ち抜き。高松よりもツッコミが上手いという篠宮が、「何もないところでもツッコミを入れられてこそ本当に上手いツッコミ」という持論の元、ツッコミ勝負を繰り広げる。篠宮がテキトーな芸風になる前からやっていたネタなので、幾つか違和感が生じている場面も見られたが、面白さは変わらず。お経を唱えている高松の動きで遊んでいる篠宮の姿が、なんとも懐かしかった。ただ、こういう場面で昔の鉄板ネタを持ってくる守りの姿勢に、ちょっとだけ不安も。ところで、高松が篠宮に頭を叩かれて髪を散らしたときに、「ハゲ、ハゲ……」って言ったの誰だ。

■しゃもじ28
「コント:バーテンダー」。大人向けのバーにやってきた男が、この後のコンパで話そうと思っているエピソードトークをバーテンダーに話していると、その内容をより面白くするアドバイスを受けて……。一見すると面白くない話を面白くするためにはどうすればいいかが分かりやすく解説された、批評性の高いコント。無論、コントなので、そこはしっかりと仕込まれているわけだが、それを忘れさせるほどに鮮やかな添削ぶりを見せていて、とても面白かった。後半では、構成だけに留まらず相手への話し方にまで指導が入って、しかもそれが的確で、ただただ感動してしまった。それでいて、注文したドライマティーニがなかなか出てこなかったことに、ちゃんとツッコミを入れる笑いの抜かりの無さ。マセキ芸能社の奥深さに改めて感心。

次回の出演者は、お侍ちゃん(1週勝ち抜き)、オジンオズボーン(2週勝ち抜き)、オテンキ(1週勝ち抜き)、しゃもじ(1週勝ち抜き)。四組全員が勝ち残りのため、次回はふきだまりブースからの出場は無し。この結果に、サンシャイン池崎、芝大輔(モグライダー)、ハリウッドザコシショウ、紺野ぶるま、平子祐希(アルコ&ピース)、カズレーザー(メイプル超合金)、岩井勇気(ハライチ)が不貞腐れる。また、まだイジられていない芸人として、最後の最後にピース綾部の事務所の大先輩・プー&ムー(芸歴23年)に触れる。

英国紳士の紳士による紳士のための『キングスマン』

『キングスマン』という映画を観た。


物語の主人公は、何処の国にも属さない独立した国際諜報機関“キングスマン”に属している英国紳士、ハリー・ハート。彼はかつて、自らのミスによって仲間を失ったことがあった。残された幼い息子に彼が手渡したのは一枚のメダル。メダルには電話番号が書かれていた。「何か困ったときは電話してくれ。合言葉は“ブローグではなくオックスフォード”」。

それから17年後……家族は荒れ果てていた。かつて男の妻だった女はろくでなしのクソ野郎と付き合うようになり、その息子のゲイリー・“エグジー”・アンウィンは22歳で働きもしない。ある日、ろくでなしのクソ野郎の手下の車を友人たちと一緒に盗んだエグジーは、警察を煽りながら町中で暴走行為を働いた末に事故を起こして逮捕、取調室で刑務所行きは確定だと宣告される。その時、エグジーはメダルのことを思い出す。試しに電話をかけてみると、いともあっさりと釈放されてしまう。直後、ハリーとエグジーは再会。エグジーに可能性を感じたハリーは“とある案件”を追った末に命を落としたキングスマンの欠員を埋めるメンバーとして彼を推薦、新人試験を受けさせる……。

あえて偏向的な表現をするのであれば、「観た後にオーダーメイドのスーツを注文し、ハンバーガーを食べてビールを飲み干し、女を抱きたくなる映画」。穏当で紳士的、それでいてグロテスクで野性的。その根底にあるのは偉大なるスパイ映画シリーズ「007」に対する敬愛の念と対抗意識だろう。007という時代を超越した大河が存在しなければ、この映画は生まれなかったかもしれない。とりわけ終盤の展開には笑った。007のお家芸を見事に踏襲している。

登場人物はいずれも魅力的だ。主人公のハリーはピチッとまとめられた髪型に英国的スーツを着こなしべっこう縁の眼鏡をかけているという典型的な英国紳士だが、にも関わらず、実に涼しい表情で激しいアクションをしてみせる。教会のシーンを話題にする人が多いだろうが、個人的にはろくでなしのクソ野郎の手下たちをブチのめしたパブのシーンの方が印象に残っている。短いアクションの中で、ハリーの凄さを明確に表現していたからだろう。そんなハリーから様々なことを教えられるエグジーは、いかにも現代風の若者といったところ。その肉体のポテンシャルは超人的だが、精神はあくまでも経験値の少ない若者らしく、様々なシーンで感情を露にしてみせる。一見すると対称的な両者による“継承”の物語は、だからこそ美しい対比として物語を盛り上げてくれる。

エグジーの新人試験と同時進行で描かれている“とある案件”の重要人物、リッチモンド・ヴァレンタインもいいキャラクターだ。ラッパーを思わせる格好をして、言葉巧みに各国の重要人物たちを手玉に取る億万長者。これもまた、紳士たちの集まりであるキングスマンとの対比となっている。しかし、義足に刃物を仕込んだヴァレンタインの側近、ガゼルの美しさには敵わない。冷静と情熱を兼ね備えた見事な存在感だった。

人間が真っ二つにされたり、刃物でえげつなく切り刻まれたり、爽快感よりも痛みを優先したシャープな演出を嫌う人もいるだろうが、とても面白い映画だった。激しくて、クールで、それでいてユーモアもある。グロテスクな表現が故にゴールデンタイムで放送されることはないだろうが、素晴らしいエンターテインメント映画であった。

『こそこそチャップリン』第3回(2015年10月17日)

■オジンオズボーン24
「漫才:焼き鳥」。焼き鳥について話そうとする高松の隣で、テキトーな相槌を打って話を茶化す篠宮。コンビの関係性やネタのパターンが分かってしまっている今、彼らの漫才をちゃんと楽しむことが出来るのか少しだけ不安だったのだが、まったくの杞憂だった。まあ、しっかりと面白い。ちゃんとしたボケとクオリティの低い冗談のバランスが絶妙で、技術力を感じさせないところに中堅としてのポテンシャルをしみじみと。茄子に関する替え歌を連発するくだりからの居酒屋を経て「あー茄子休みー♪」は、その上手さに思わず唸った。次回も期待できそうだ。

■ジグザグジギー【16】
「コント:芝居の稽古」1週勝ち抜き。監督がチンピラ役の宮沢に捨て台詞の「覚えとけよーっ!」を演技指導する。冒頭、宮沢の演技の極端な出来てなさが起爆剤としては弱く、ちょっと掴み損ねた感。とはいえ、それからの展開はたまらなく面白かった。ひょこひょこと跳ねながら後方へと撤退する宮沢のコミカルぶり。そしてクールポコ。へのバカ展開。とても面白かったけれど、こういう自らの芸風が色濃く反映されていないタイプのネタは、もうちょっと後に取っておいても良かったような気もする。評価はちょっと低めに感じた。動きと言い方で見せる笑いが軽く見られたのだろうか。

【ふきだまりのコーナー】
しゃもじをクローズアップ。また、ハライチとしての出演をアピールし続けている、岩井の姿も。

■アキラ100%【19】
「丸腰刑事のトレーニング」1週勝ち抜き。股間にお盆を当てた状態でボクサー風のトレーニングを行う。前回のコントからストーリー性を消し、動きによるパフォーマンスで勝負に出た一本。ただ、動きのパターンが完全に使い回しの状態になってしまっていて、些か盛り上がりに欠けた。ひょっとしたら、前回の放送で全力を出し切ってしまったのかもしれない。結果は1チャップリン足らず。こういう風体の芸人が結果に動揺している姿はシンプルに面白い。

■ブルーリバー29
「漫才:出待ち」2週勝ち抜き。ライブ終わりで女性ファンに出待ちされている漫才コント。過去二回の挑戦で見せていたマニアックなデータのような小細工に頼らず、直球勝負の漫才コントで臨んだ一本。こういうのでいいんだよ、こういうので。単体では少し弱いボケを、ボケを過度に引っ張る(ツッコミを溜める)ことで笑いを増幅させていたのがポイント。淀みないツッコミでスパッと処理できるからこそ出来る技術である。前半に出た「養成所で教わっとらんよ」という言い回しも良かった。ほのかにお笑い養成所をバカにしているニュアンスが……。やや終盤の畳み掛けに物足りなさを覚えたが、十二分の出来であった。いやー、面白かった。3週勝ち抜きで年末特番への出演が決定。

次回の出演者は、お侍ちゃん、オジンオズボーン(1週勝ち抜き)、オテンキ、しゃもじ。ウッチャンはお侍ちゃんがお気に入り、らしい。

『ジャルジャルのえじゃら』(2015年10月14日)



2015年10月7日から12月23日にかけて12週連続でリリースされる、ジャルジャル自選コント集の第二弾。

声がやたらと細い家庭教師が、声がやたらと太い生徒とともに大学合格を目指す『声細い家庭教師と声太い生徒』。カットを終えたばかりの客が何故か美容師の腹を執拗に殴り始め……『腹』。屋外で営業活動をしている着物を着た男性を見かけたのだが、その正体が演歌歌手なのか落語家なのか分からない『手持ち無沙汰で夢掴む』。ルームシェアの相手が留守なのをいいことに、こっそりと尻にペットボトルを入れ始めた男の顛末とは!『尻にペットボトル入れる奴』。若手お笑いコンビ“タッチワゴン”が明日のテレビオーディションに向けてネタを異常に練習し続けている様子を描いた『練習の鬼』。オペラの主役の座を奪われた男が、本番当日、主役を演じる男をホテルの一室に呼び出して、首にスタンガンを当てる……!『オペラ歌手』。以上、全六本のコントが収録されている。

まったく逆の性質を持ったキャラクター同士が会話を重ねていく『声細い家庭教師と声太い生徒』は、古典落語『長短(気の長い男と気の短い男のやりとりを描いた演目)』を彷彿とさせる。ネタそのものも面白かったが、声の細さ・声の太さを演じるジャルジャルの程々の誇張を見てもらいたい。『腹』は不条理極まりないコント。その暴力性が故に観客も少し引いていたが、延々と腹だけを様々なバリエーションで殴られ続ける姿には笑わざるを得なかった。『手持ち無沙汰で夢掴む』は、どちらも着物を着ているからという理由で作られたとしか思えない強引さがバカバカしいコント。よくよく聞いてみると、とてつもなく気持ちの悪い話をしている落語パートがまたバカバカしい。『尻にペットボトル入れる奴』はオチありきのコント。衝撃的な結末に戦慄を走らせてもらいたい。『練習の鬼』はまったく同じ内容のショートコントが何度も何度も繰り返されるコント。ただ、ここで注目すべきは、そのクドさではなく練習に付き合わされる相方の変化だ。じわりじわりと苛立ちが募る様子がとてもリアルで、たまらない。『オペラ歌手』は個人的に本作で一番好きなコント。『古畑任三郎』を彷彿とさせる大人のミステリーな雰囲気が、急転直下の勢いでコメディになってしまう爽快感がサイコーだった。「いちちちちちちー」の語感の良さ!

これらのコントに加え、『練習の鬼』に登場するお笑いコンビ、タッチワゴンに密着したドキュメンタリー『売れたいんや! ~あるお笑い芸人の挑戦~』を特典映像として収録。コントで描かれている状況の前後が映像化されているので、その世界観をよりリアルに感じることが出来る。……結末の生々しさよ……。そして今回も、別のコントに登場したキャラクターたちがさらっと登場。前作『ジャルジャルのうじゃら』に登場したキャラクターの姿もあったようだが……彼がまさかキーマンなのだろうか。気になるなあ。10月21日リリースの第三弾『ジャルジャルのおじゃら』にも出ていたら……何かあるのかもしれないなあ。


■本編【30分】
「声細い家庭教師と声太い生徒」「腹」「手持ち無沙汰で夢掴む」「尻にペットボトル入れる奴」「練習の鬼」「オペラ歌手」

■特典映像【10分】
「売れたいんや! ~あるお笑い芸人の挑戦~」

『キングオブコント2015』感想文(全感想終了)

■放送日
2015年10月11日(日)

■司会
浜田雅功(ダウンタウン)

■進行
吉田明世(TBSアナウンサー)
国山ハセン(TBSアナウンサー)

■審査員
松本人志(ダウンタウン)
三村マサカズ(さまぁ~ず)
大竹一樹(さまぁ~ず)
設楽統(バナナマン)
日村勇紀(バナナマン)

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『こそこそチャップリン』第2回(2015年10月10日)

■ジグザグジギー29
「コント:臨時教師」。臨時教師の池田が席順に出欠を取っていくコント。ジグザグジギーといえば、かつては同じパターンのボケを何度も何度も何度も何度も繰り返していくしつこさの笑いを売りにしていたが、どうやら最近は出欠ネタのコンビになってしまっているらしい。以前に目にした出欠ネタは席順が不思議な法則を生み出していることが発覚する手法を取っていたが、今回はシンプルに名字の読み違いをテーマにしたコントを披露。しっかりと練られた構成とバカバカしさ重視の強引な難読ぶりがたまらなかった。

■アキラ100%21
「丸腰刑事」。股間をお盆で隠している刑事の活躍を描いた一人コント。宴会芸の定番である「股間を隠しながら踊る」パフォーマンスを一人コントに用いているだけのコント。それだけなのに笑ってしまうのは、その極端なバカバカしさのためだろうか。とはいえ、ちゃんと作り込まれている。股間を隠しているお盆を車のハンドルに見立てたり、『踊る大捜査線』のテーマに合わせてお盆から一瞬だけ両手を放したり。こういう飽きさせない小ネタがあるからこそ、飽きることなくちゃんと最後まで笑っていられる。……それにしても、下らないことを思いついたもんだなあ……(笑)

■ブルーリバー25
「漫才:部活辞める」1週勝ち抜き。野球部を辞めようとしている部員を説得する。前回と同様、ベーシックな漫才コントで勝負。部員の名前を間違えたり、辞める理由を遮って自分の気持ちを語ってしまったり、かなりベタなボケが居並ぶ。とはいえ、そこから更に新しいボケが引き出されているので、さほど物足りなさは感じない。「プロ野球選手だったらエースナンバー」にはちょっと笑った。前回にも見られたデータを披露するくだりも、その後の展開にしっかりと貢献していて好印象。前回よりも良いモノをきちんと持ってくるあたり、テクニシャンだよな。

■モグライダー【12】
「漫才:こだわりカレー」。初見のコンビ。天然が炸裂しているボケ担当・ともしげがこだわりカレーのレシピを披露する。ともしげのボケはなかなか面白い。くちゃくちゃでまとまりがないようでいて、ちゃんと引っ掛かるボケを投げ込んでいる。「火を沸騰させますね」という言い回しの絶妙さ。ただ、ツッコミの芝が、ともしげを上手くコントロール出来ていない。ともしげのくちゃくちゃな喋りに乗せられて、一緒にくちゃくちゃになったツッコミを入れてしまっている。そこに新しさを見出そうとしているのかもしれないが、現時点では分かり辛さの方が勝ってしまっている。今後の進化に期待したいところ。

次回の出演者は、ジグザグジギー(1週勝ち抜き)、アキラ100%(1週勝ち抜き)、ブルーリバー(2週勝ち抜き)、オジンオズボーン(抽選)。

『こそこそチャップリン』第1回(2015年10月3日)

■ゴンゾー【17】
「タンバリン芸」。レベッカの代表曲『フレンズ』のメロディに載せて、タンバリンパフォーマンスを展開する。『爆笑レッドカーペット』に出演していた頃と変わらず、無言でタンバリンを鳴らし続けているだけなのに、しっかりと笑いを取る技術力の高さは相変わらず。いや、当時よりも、幾分かは上手くなっていたか。無言を貫く姿勢にも好感が抱ける……が、先日どっかのバラエティで喋っちゃったらしい。だ、大丈夫なのか。

■永野【07】
「ゴッホとピカソに捧げる曲・呼吸の歌・天狗100人と喧嘩する人」。これまで永野が演じてきたネタをギュギュッと凝縮したベスト盤のような構成。久しぶりに独特なシチュエーションのショートコントが観られたのは嬉しかった。ただ、何も知らない人には、全体が散漫に見えてしまったのではないかと。それにしても、彼が登場したときの観客の盛り上がりには、ちょっと驚いた。コマーシャルに出演して、そこそこ人気が出てきているという話は耳にしていたが、ここまでウェルカムな状況になっていたとは。注目を集めている今なら、かつてのハイセンスなショートコントスタイルに戻ってみるのも手なのではないか……と思ってしまうのは、きっとお笑いファンの偏った見方なのだろう。

■ブルーリバー【20】※1週勝ち抜き
「漫才:同窓会」。相変わらず漫才師としては安定している印象。ただ、その安定感が故に、突き抜けるきっかけを見出せていないような。今回のネタでは、かつての同級生と再会したときの会話に、桑田真澄(PL学園)に固執したボケを盛り込み意図的に視聴層を絞ることで、それを個性にしようとしていたように感じられたが、既出のデータをなぞっているだけのようにも見えた。やや情感的な表現になってしまうが、ボケが漫才の血肉になっていないとでもいうのだろうか。結成8年目を迎え、色んなことに迷う時期だろう。なんとか切り抜けてほしい。

■ゆんぼだんぷ【18】
「風流な音色(鏡の様な水面に雨の滴が一滴落ちる音・1947年アメリカの上空に突如飛来したUFOが飛行する音)」。自らの肉体を駆使して、様々な擬音を生み出すコンビ。『みなおか』の企画で注目を集め、色々な番組でこのスタイルのパフォーマンスを披露している。それ自体は悪いことではないが、UFOのくだりで早くもネタ切れが起きているのではないかと少し心配になった。風流な音を幾つか披露した後でのスカシとしてなら笑えるが、二本しかないネタのうちの一つとしては明らかにチョイスミス。せめて三本、そのオチとして披露した方が良かった。

次回の出演者は、アキラ100%(おのののか推薦)、ジグザグジギー、ブルーリーバー(1週勝ち抜き)、モグライダー。

『ジャルジャルのうじゃら』(2015年10月7日)



2015年10月7日から12月23日にかけて12週連続でリリースされる、ジャルジャル自選コント集の第一弾。

営業部に配属された新入社員の凡尻は、そこで出会った自分と同様に珍しい名字の大尻という男に誘われ、お互いの個性的な名前を武器にした大胆な営業活動に打って出ることになる『大尻・凡尻』。高校を卒業したら大学へ進学せずに東京でミュージシャンになろうと考えている友人が、「これさえあればミュージシャンとして売れる」と確信したオリジナルソングを聴かせてくれようとするのだが、恥ずかしがってなかなか始めてくれない『ハズい』。大阪タワーという漫才師が「学生時代によくやっていたかくれんぼ」をやってみようと言い始め、いわゆる漫才コントを始めようとするのだが……『リアル漫才コント』。審判にレッドカードを出されたサッカー選手がひたすらにダダをこね続ける!『ダダこねサッカー選手』。人の家の壁で立小便をしている男に注意をしたところ、そいつの言動が明らかに度を超えていて……『頭おかしい奴』。喋り方も様子もオカしいクラスメートの南を描写した『南』。以上、全六本のコントが収録されている。

『大尻・凡尻』は2012年7月に松山で鑑賞したライブ『ジャルっ10じゃねぇよ!』で披露されていたコントだ。大尻と凡尻がリズミカルに動き回る様子がたまらなく可笑しくて、当時からお気に入りの一本だった。だから、このネタが12週連続リリースの幕開けとして選ばれたことは、個人的にちょっと嬉しい。『ハズい』はジャルジャルコントの特徴の一つであるしつこさが取り入れられている。同じ展開を飽きさせることなく見せ続ける職人技が光る。『リアル漫才コント』は漫才師にケンカを売っているパターンのコント。一見すると、単なるナンセンスコントのようだが、福徳が後藤の言動を注意するくだりに皮肉めいたものを感じさせられた。……気のせいかな。『ダダこねサッカー選手』も『ハズい』と同様にしつこさを取り入れたコントだが、やりとりのきっかけがやや不条理なため、『ハズい』とは少し違った味わいを見せている。投げやりなオチも良い。『頭おかしい奴』は純粋に頭おかしい奴の対処法を描いたコント。ただ、終盤の展開を思うと、『徒然草』にある【狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり】を彼らなりに表現してみせようとしていたのかもしれない。頭おかしい奴を演じる福徳、それを乗り越えていく後藤、それぞれの高い演技力も素晴らしい。『南』は地上波のコント番組に出演していた頃のウッチャンを彷彿と。あからさまなコントメイクととてつもなくクセの強いキャラクターが、サイコーに面白い。一部で「ジャルジャルはウッチャンナンチャンに似ている」という仮説がささやかれているが、このコントを演じている後藤の振り切れぶりを思うと、納得せざるを得ない。完全に憑依している。

これらのコントに加え、とあるコントに登場したキャラクターに密着したドキュメンタリーを特典映像として収録。基本的な流れはライブ映像のそれと同じなのだが、映像になっている分、キャラクターに説得力が増しているように感じられた。別のコントに登場したキャラクターたちがさらっと登場する遊び心も丁度良い。12週連続リリースという連続企画モノだからといって、決して手は抜かないという姿勢が感じられた。10月14日リリースの第二弾『ジャルジャルのえじゃら』にも期待が持てる。楽しみだなあ。


■本編【32分】
「大尻・凡尻」「ハズい」「リアル漫才コント」「ダダこねサッカー選手」「頭おかしい奴」「南」

■特典映像【10分】
「上京物語~ミュージシャンを目指して~」

『笑ってコラえて!』が見せる大人の余裕と技術

夕食時、とりあえずテレビの電源を入れたものの、これといって見たい番組を決めていなかったので適当にザッピングしていると、『所さんの笑ってコラえて!』スペシャルが放送されていたので、これを視聴する。企画は「日本列島 ダーツの旅」。スペシャルだからなのか、今回は所さん自身がダーツの旅に赴き、現地の人たちと話をしたり、現地の施設を見学したりしていた。とはいえ、そこはやっぱりマイペースで知られる所さんなので、単なる地方ロケでは終わらない。地元の人たちの接待に対してこっそり毒を吐いたり、地元のお祭りをレポートする仕事をサボッて居酒屋に逃げ込んだりと、タレントとしてのポテンシャル(?)を如何無く発揮した楽しいロケを展開していた。

ダーツの旅を見ている間に夕飯を終えてしまったが、久しぶりの『笑コラ』が面白かったので、そのまま視聴を続行。続く企画は「スゴ~イ地味な人なくしては、スゴ~イ派手な事なしの旅」。ド派手な業界を陰で支えている人たちを特集するコーナーだ。今回のテーマは“映画の予告編制作”。映画の予告編を専門に制作している会社へと赴き、その特殊な業種ならではのエピソードを色々と伺っていた。来春公開予定の映画『ちはやふる』の特報が作られる行程も追っていて、とても惹かれた。プロデューサーの注文にしっかりと答えつつ、自分のセンスもちゃんと出して、作品の魅力を引き出していく……ブログという媒体でちょぼちょぼレビューを書いている身としては、なにやら(一方的に)通じるモノが。うーん、頑張らないといけない。

この後も、日テレ新人アナに密着する「1年たったらこうなりましたの旅」、妖怪に扮した千原ジュニア(結婚発表前)が幼稚園児たちに結婚について相談する「パワーアップ!幼稚園の旅」、“輸送技術界のノーベル賞”ことエルマー・A・スペリー賞を受賞した日本人・山口琢磨氏を取材した「ノーベル賞じゃないけどノーベル賞くらいスゴイ賞を取った日本人の旅」、マイケル富岡と武田修宏の二人が横浜の町を終電から始発まで飲みまくる「朝までハシゴの旅」など、面白いコーナーばかりが続いた。特に「1年たったらこうなりましたの旅」は、普段は見られない“高校生クイズの問題読みに苦心するアナウンサー”の姿が映し出されていて、非常に興味深かった。アナウンサーはただ原稿を読むだけの仕事ではないのだ。あと、妙に感心したのが、「パワーアップ!幼稚園の旅」でジュニア扮する妖怪に子どもが自分の好きな人の名前を皆には内緒で告白したシーン。この名前に対して、番組が音声処理を施していたのである。これには驚いた。子どもの言うことだから……と雑に処理しない真摯な態度を感じた(これまでがどうだったのかは知らない)。

クセのある演出、底意地の悪い視点、そういったものを取っ払ったうえで楽しませてくれる『笑ってコラえて!』は、いわば大人の余裕と技術を感じさせるバラエティ番組なんだなあ、と改めて感心させられた。もちろん、『水曜日のダウンタウン』や『ゴッドタン』も大好きだけど、恐らく所ジョージの引退とともに終了するだろうこの番組の大切さもまた、同時に噛み締めていかなくてはならないと思った次第である。自分が中年といえる年齢になったとき、こういった番組はまだ残っているのだろうか。その頃には、もう私はテレビバラエティのメインターゲット層から外されてしまっているのかもしれないなあ……。

『うしろシティ第6回単独ライブ「すごいじゃん」』(2015年9月16日)



松竹芸能所属のお笑いコンビ、うしろシティが2015年6月から7月にかけて東京・大阪・名古屋・福岡の四都市で開催した単独ライブより、6月28日・東京公演の模様を収録。回を増すごとに開催地の範囲を拡大させ、着実にライブ芸人としての道を歩んでいる彼ら。その表現力もしっかりと鍛え上げられているようで、今年開催された『キングオブコント2015』ファイナリスト十組の中にも選出された。もしかしたら、ライブタイトルの「すごいじゃん」というのは、そんな自らの進化を客観的に捉えて付けられたのかもしれない。ちなみに、うしろシティはこれまでコンテンツリーグからDVDを発売していたが、本作の発売元はTBSラジオ&コミュニケーションズに替わっている。彼らがレギュラー出演しているTBSラジオの番組『デブッタンテ』からの繋がりなのだろうか。

以前にも書いたが、うしろシティのコントは丁度良い。オーソドックスではないがマニアックでもなく、難しすぎることはないが簡単すぎることもなく、アバンギャルドではないがコンサバティブでもない、観る者のコント欲に適度に応えてくれる塩梅が実に丁度良い。設定も普遍的で共感を覚えやすく、良い意味でテレビ的な笑いを作ることの出来るコンビだと思うのだが……多少の揺り戻しが起きているとはいえ、まだまだネタ番組が少ない昨今のテレビバラエティから浮き上がってくるのは、なかなか難しそうだ。『キングオブコント2015』で頑張って結果を残してもらいたい。

そんな彼らの丁度良い塩梅のコントが、本作でも多く演じられている。高校時代の友人が開催した個展を訪れてみると、まったく理解できない不思議な絵ばかりが展示されていて、それなのに感想をしつこく求められてしまう『個展』、古道具屋で時間を止めることが出来るという不思議な時計を見つけ、試しに使ってみたのだが、店主の老人が時計の力で止まっているのか素で止まっているのかが分からない『アンティークショップ』、注文した日替わり定食を食べようとするたびに大事な電話がかかってきて、なかなかお昼ご飯にありつけない刑事の苦悶を描いた『日替わり定食』、奥で誕生日会が催されているという家にやってきた宅配ピザだったが、あるやりとりをきっかけにプツリと賑わっていた声が途絶え……『宅配ピザ』などなど、シンプルなのに捻りが利いていて、どのネタも非常に面白い。

とりわけ印象に残っているのは『ファーストフードにて』と『悪魔』。

『ファーストフードにて』は、別々の高校に進学して会う機会がなくなってしまった金子とファーストフードで再会すると、中学を卒業してから2ヶ月しか経っていないのにモヒカン刈りになっていたというコント。ただ金子がモヒカン刈りになっているというだけなのに、どうしてこんなに面白いのか。金子が童顔だからというのもあるのだろうが、それにしても違和感が物凄い。その違和感をしばらく泳がせておくから、またたまらない。ツッコミを入れず、ごくごく当たり前にお互いの現状について会話を重ねていく日常のリアリティが、金子のモヒカンの存在感を更に色濃くしていく。そして、唐突に繰り出される指摘の一発! このタイミングが実に上手い。丁寧に並べられたドミノを一気に倒してしまうような爽快感のある瞬間だ。無論、ここで終わるわけではない。ここから更に、どうして金子がモヒカン刈りになったのか、その理由までしっかりと語られるのだが……詳細は本編で確認してもらいたい。

一方の『悪魔』は、儀式によって呼び出された悪魔が寿命を代償になんでも願いを叶えてやろうと語りかけてくるコントで……聞いたところによると、『キングオブコント2015』準決勝でこのネタが披露されたらしいので、これ以上の詳細は書かないことにする。果たして『キングオブコント2015』決勝で、このネタはどんな風に編集されているのだろうか……。

ちなみに、特典映像には、ライブの幕間映像を収録。マネージャーの提案をきっかけに、ちょっとシュールに身体を張っている二人の姿が映し出されている。面白いといえば面白いのだが、正直なところ、コントは熟練されて面白くなってきているのに、こういう幕間映像では変なとがり方をしているなあ……とも。まあ、それもまた味か。


■本編【73分】
「授業中」「個展」「私の席」「アンティークショップ」「職員室」「タイムスリップ」「日替わり定食」「宅配ピザ」「ファーストフードにて」「悪魔」「出会い」

■特典映像【12分】
「エピソードトーク1」「エピソードトーク2」「エピソードトーク3」

■音声特典
うしろシティの副音声解説

2015年10月のリリース予定

07「ジャルジャルのうじゃら≪販売店舗限定商品≫
14「ジャルジャルのえじゃら≪販売店舗限定商品≫
14「兵動・小籔のおしゃべり一本勝負ライブ
14「ダブルブッキング単独ライブ「温野菜」
21「ジャルジャルのおじゃら≪販売店舗限定商品≫
21「RGツーリングクラブ
28「ジャルジャルのかじゃら≪販売店舗限定商品≫
28「シティボーイズ ファイナル Part.1「燃えるゴミ」

肌寒い季節となってまいりました。衣替えのタイミングを間違えて、体調を悪くなされている方も少なくないのではないかと思います。何卒、お気を付けください。そんなことを言っている私はというと、まんまと体調を崩しております。仕事ダルーい、早く帰りたーい、横になりたーい……と思いながら過ごしている日々です。……仕事がイヤなだけなような気もします。そんな10月のラインナップは、なかなかの異色作揃いとなっております。とりわけダブルブッキングの単独ライブはかなりの珍品。なにせ、彼らがDVDをリリースするのは、およそ10年ぶりのことになるので……この機会をどうぞお見逃しなく。

追記。ジャルジャルが怒涛の12週連続リリースというアホ企画を開始するのをすっかり忘れておりました。10月7日から毎週、年末までリリースし続けるようですよ。本当にアホじゃなかろうか。

「RGが120分あるあるを歌い続け、岡山出身の浅越ゴエがひたすら解説する会」(2015年10月3日・岡山)

「RGが120分あるあるを歌い続け、岡山出身の浅越ゴエがひたすら解説する会」に参加してきた。

会場は2014年12月に開店したばかりのイオンモール岡山内になる“おかやま未来ホール”である。邦楽・洋楽の名曲に載せてあるあるネタを披露すると宣言しておきながら、歌うことに夢中になるあまりになかなかあるあるネタを聞かせてくれないという珍奇な芸風で売れっ子となったRG。とはいえ、全609席に対してどれほどの客を呼べるのかという不安を(勝手に)抱いていたのだが、いざ会場に突入してみると、かなりの客席が埋まっていたので(これまた勝手に)安心した。私の席は前から三列目。座ってみると、ステージがとても近くて驚いた。

開演までの時間、会場内にはプロレスの入場曲が延々と流されていた。途中、「アーシュラー!」という謎の掛け声が入った楽曲が流れ始めたので、「なんだこの曲は」と思わずTwitterで疑問を投げかけると、親切に「それは今年4月に亡くなった阿修羅・原の入場曲ですよ」と教えてもらった。


開演時刻の18時を過ぎると、まずは観客用入口の方向から浅越ゴエが登場。これから行われるライブについて「どういうライブなのか本当に分かって来ているのか?」と観客を煽りながら場を温めていく。それなりに盛り上がったところで、『ワールドプロレスリング』のテーマとともにレイザーラモンRGが舞台へ登場。舞台上の上手側と下手側に机が一台ずつ置かれていたので、てっきり片方にRGが、もう片方に浅越が着くものだと思っていたのだが、浅越はそのまま観客用入り口付近で鎮座。舞台に上がるのはRGだけで、浅越は観客の視点からその状況を解説するというわけだ。

早速、観客からリクエストを募るRG。このライブは観客からお題を頂戴し、それに対してRGがあるあるネタを披露するというシステムを取っているのである。最初のお題は「インスタグラム」。お題を受け取ったRGは舞台下手の机に向かい、設置されているカラオケ機材を操って、自ら楽曲を選出。舞台中央へ移動して、パフォーマンスの準備にかかる。選んだ曲は、確か布袋寅泰の『スリル』だったように記憶している。「♪インスタグラムはスーリールー!」と強引な替え歌を熱唱するRGに対し、「そんなことありませんよ」と冷静にツッコミを入れる浅越がまた面白い。インスタグラムあるあるは「猫の写真載せがち」。曲が終わると、今度は舞台上手の机へ向かい、机上に置かれた大量の色紙から一枚取って、そこにあるあるネタをしたため、リクエストした人へとプレゼントする……と、ここまでが一つの行程となっている。以降、基本的な流れは同じなので、印象に残った場面を箇条書き。

・二人目のお題が「FMW(大仁田厚が設立したプロレス団体)」だったことに対して、RG「早いよ!」
・観覧に来ていた地元アナに「浅越ゴエ」というお題を出され「イベントの時、関係者呼びがち」
・4歳の子どもから出たお題が「前髪」
・「ラバーダック」というお題に対していいあるあるが出てこず、ゆずの『栄光の架橋』をほぼフルで熱唱、歌詞のない後奏ギリギリでなんとか「黄色い」をひねり出す
・マイケル・ジャクソン『Black Or White』を熱唱した直後、会場内を駆けまわる子どもが表れ、浅越が「もうここは子どもの遊び場となったのでしょうか」とイジるとRG「ここはネバーランドだから」
・お題「掟ポルシェが口から出す緑の液体」に対してRGが軽めに注意。「お昼のライブに来ちゃダメ」。「こういうお題をあしらう曲がある」として布袋寅泰『バンビーナ』
・お題「大好き」。感情のあるあるに大苦戦
・お題「吉本興業」で撮影許可が。『We Are The World』を歌いながら、浅越とともに観客席をねり歩くパフォーマンス。「We are the 吉本チルドレン」と熱唱するも、肝心のあるあるは割とエグめの内容
・浅越「ホームではその時々の話題の人に扮した格好をすることが多いのですが、今日は原点に帰って和装に……初めての岡山が不安だったのでしょうか」
・最後は山崎まさよし『One more time,One more chance』に載せて「今日のお客さんあるある」「フィナーレあるある」「ツバクローあるある」を披露。


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沢山のあるあるネタを披露して、120分の公演時間を見事に完走。私も頑張って手を挙げていたのだが、残念ながら当てられなかった(私の隣の席に座っていらっしゃった方は当てられていた。羨ましかったなあ。お題は「天龍源一郎」だった)。客席の埋まり具合と盛況具合から、恐らく次回の開催もあるだろう。その時こそ、なんとかして当てられて、「東京03」あるあるをリクエストしたいと思った。いや、浅越がRGの地元である愛媛県での開催を示唆していたので、そちらが先か……いずれにしても、その日が来るのが楽しみである。

『新世紀講談大全 神田松之丞』(2015年4月18日)



1909年に“大日本雄辯會”として設立された講談社は、その名の通り講談の速記本で人気を博した出版社だ。だが、講談社の本を愛読している人たちの中に、この事実を認識している者がどれほど居るだろうか。社名に“講談”の二文字がはっきりと記されているにも関わらず、講談と講談社の関連性について考えたことのある者がどれだけ存在しているのだろうか。……別に無頓着を責めようというわけではない。その事実を気付かせないほどに、講談は私たちの日常からかけ離れた演芸になっているということを言いたいのである。落語には日曜の夕方を代表するテレビ番組『笑点』があるが、講談には同趣向のテレビ番組が存在しないことが大きいように思う。演り手も非常に少ない。寄席演芸情報誌の『東京かわら版』が年に一度発行している「東西寄席演芸家名鑑」に掲載されている落語家の数と講談師の数を比較すると、その差は明白だ。……ここでわざわざ数えるような手間暇をかけるつもりはないので、その実態は直に確認してもらいたい。


そんな講談の世界に着目したシリーズ“新世紀講談大全”の第一弾である本作には、現在最も注目を集めている若手講談師・神田松之丞に迫ったドキュメンタリーが収録されている。松之丞がどうして今の時代に講談の世界へと身を投じようと決心したのか、彼の芸はどのように評価されているのか、これから講談の担い手として確固たる目標を抱いているのか、松之丞自身(或いは松之丞の師匠である神田松鯉)の声によって語られている。もちろん、高座もちゃんと収録されている。演じられているのは『違袖の音吉』『天保水滸伝 鹿島の棒祭り』『グレーゾーン』の三席。『音吉』『棒祭り』はいわゆる古典で、『グレーゾーン』は松之丞が自ら手掛けた新作だ。この堅苦しい演題から、時代錯誤の古臭い物語が展開するのではないかと想像した人も少なくないだろう。だが、それは間違った認識だ。確かに物語の舞台は古典的ではあるが、その内容は現代人であっても楽しめる普遍的なものである。

『違袖の音吉』は浪華三侠客の一人と称される“違袖の音吉”の幼少期を描いた演目だ。上方講談の連続物『浪花侠客傳』からの一席で、12歳の音吉が橋のド真ん中で衝突した大親分・源太源兵衛に噛みつく様子を演じている……と書くと、なんとも面倒臭そうな話に見えるかもしれないが、要するに世間から恐れられている親分に向こう見ずな子どもが啖呵を切る話である。この12歳の音吉の減らず口が非常に面白い。相手がどれだけの大物であろうが、脇差を抜こうが、真正面から勝負に持ち込まれようが、とにかく喋ることを止めようとしない。でも、理路整然としているわけではなく、しっかり慌てふためいているところが、また可笑しい。特に笑らせられたのは、大親分に脇差を抜かれて、対抗すべく自身の持ち物の中から窮地を脱するための道具を探す場面だ。大幅に脚色が施されているのだろう、それまでの流れから明らかに突出したバカバカしさだった。

続く『天保水滸伝 鹿島の棒祭り』は実在した侠客・笹川繁蔵と飯岡助五郎の争いを講談化した長編連続講談『天保水滸伝』からの抜き読みで、千葉道場の俊英だったが酒乱が故に破門となった剣客・平手造酒が笹川の用心棒となり、敵方である飯岡の用心棒と一戦を交えるまでの行程が語られている。用心棒同士が接近する様子がなんとも緊張感漂っていて、一般的に講談に持たれているイメージに近い演目だったが、これまた笑えた。しっかりと作り上げられた緊張感があるので、それが緩和される瞬間、何とも言えない面白味になるのである。飯岡の用心棒を切ろうと剣を構えた平手の目の前に謎の人物が飛び出してくる、あの絶妙な間が実にたまらない。確かな手腕に裏打ちされた冒頭の宣言も含め、非常に満足感の残る口演であった。

しかし、本作で最も多くの人たちに観てもらいたい演目は、三席目の『グレーゾーン』である。物語は二人の平凡な中学生・吉田と柿元のやりとりで幕を開ける。彼らは昼休みになると、いつも大好きなプロレスの話で盛り上がっていた。とはいえ、プロレスの話をするのは吉田ばかりで、柿元はそれを聞いて驚くだけの聞き役に徹していた。そんな二人のプロレス談義に水を差そうとする連中もいたが、彼らは……もとい吉田は理屈で言い負かした。吉田はプロレスを信じていた。そんなある日、一冊の暴露本が世に出回ることとなる。プロレスの舞台裏を明かしてしまったミスター高橋の『流血の魔術 最強の演技』である。この本の登場によって、吉田は学校から居場所を失ってしまう。そして彼は、口先だけで生きていける世界へ飛び込むことを決意する……。白とも黒とも分からない曖昧な領域、グレーゾーン。それを外から見ている私たちの勝手な願望と詮索、その中で生きている人たちの葛藤と苦悩、両方の角度から切り取った見事な一席だ。プロレス、大相撲、落語を絡めた少しマニアックな情報も、この物語に厚みを加えている。これは演者の努力ではなく制作側の話になるが、分かりにくい小ネタに解説テロップがついているのも有難い。テレビのようにスタッフの自尊心が垣間見えるような派手なテロップではなく、空気を崩さない程度の違和感無い演出に留めている配慮が素晴らしい。極論、本作はこの演目を記録するためだけに存在していると言っても、過言ではない。それほどに魅了された。熱量に飲み込まれた。後半、やや内輪ネタに偏っているが……それでも十二分だ。

講談は古い。そんなイメージがあるのは百も承知だ。でも、一つ思い切って、その敷居を越えてきてもらいたい。一歩、一歩踏み出すだけでいい。その一歩を踏み出す勇気があったなら、最初に本作を足掛かりにしてもらいたい。神田松之丞、1983年6月4日生まれの現代人が、現代の言葉でもって普遍的な笑いを含んだ物語を繰り広げている。これを観れば、きっと講談の世界の自由さに興味を抱くはずだ。いや、抱かなくてもいい。

本作は文字通り、必見である。


■本編【110分】
「神田松之丞インタビュー」「違袖の音吉(2014年5月10日・末廣深夜寄席)」「神田松之丞インタビュー」「師匠 神田松鯉インタビュー」「天保水滸伝 鹿島の棒祭り(2015年2月14日・末廣深夜寄席)」「神田松之丞インタビュー」「グレーゾーン(2014年12月26日・神田連雀亭)」「神田松之丞インタビュー」
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

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https://twitter.com/Sugaya03

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