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『潜在異色 ~人気芸人が初めて見せるヒミツの出し物~ vol.1』

潜在異色 vol.1潜在異色 vol.1
(2010/05/28)
山里亮太(南海キャンディーズ)田中卓志(アンガールズ)

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・出演
山里亮太、若林正恭、田中卓志、鳥居みゆき、伊達みきお、春日俊彰、田村亮、山本博、板倉俊之、鈴木拓(特典映像のみ)、有野晋哉(特典映像のみ)

・内容
第一回放送(2010年1月16日)~第四回放送(2月6日)までの本編を収録

・収録時間(本編:約89分+特典映像:約86分)
 
・本編

『たりないふたり』(山里×若林)
“社交性がたりないふたり”山里と若林がひとまずお互いの距離を縮めるために、「苦手な人からの接触を避ける方法」「オーソドックスなツッコミが出来ない俺たちのツッコミ」といった共通点を掘り下げていき、最終的に二人で漫才を演じる。まず「苦手な人からの接触を避ける方法」のくだり、二人とも同じテーマで話している筈なのだが、少しだけ印象に差が生じている点が興味深い。山里はどんなに社交性の足りなさをアピールしても、ところどころできちんとボケようとするため、話にあまり説得力が感じられないのに対し、若林は笑いのことよりも自らの社交性の足りなさを強くアピールする傾向にあるため、山里よりもディープに社交性が足りないように感じられるのである。芸人としては山里の振る舞いが正しいのだが、説得力という点では圧倒的に若林の方が上だった。しかし、オーソドックスなツッコミを自己流のツッコミに置き換えるくだりでは、ツッコミ芸人随一の秀才である山里が実力をまざまざと見せつける。いいバランスだ。最後には、それまでの二人のやりとりを前フリにした漫才を披露。漫才師らしく、ソツなく落とした。

『おばすて山』(田中×鳥居)
鳥居演じる“おば”を捨てるために山へやってきた田中が、しかしおばのある姿を見て感動し、家に連れて帰ろうとするのだが……。鳥居みゆきが自ら手掛けたというだけのことのある、非常に鳥居エッセンスの強いコント。テレビでは放送できないような危険な匂いを醸し出しつつ、テレビコマーシャルネタや商品ネタ・版権ネタをきちんと盛り込んだ分かりやすさなど、実に鳥居らしい。そんな鳥居の狂気的な世界に自然に入り込んでいる田中も、さりげなく凄い。決して鳥居ワールドを傷つけることなく、最後まで演じきっていた。(以下、追記)なんと、このコントを手がけたのは、鳥居ではなく田中とのこと。鳥居の世界観を見事に再現している。コント作家としての田中の手腕が光ったネタだといえるだろう。

『ツッコミルーレット1』(山里×田中×山本×若林×伊達)
提示されるボケ画像に対して、五人のツッコミ芸人たちの中からルーレットで選ばれた芸人がツッコミを入れていくバラエティ企画。ただ捻りを加えたツッコミを繰り出す芸人が多い中、画像の中で繰り広げられているだろうコント世界を勝手に妄想していた伊達が、一人独自の色を見せる。

『春日の危険の対処法講座』(春日)
日常の中で遭遇するかもしれない、非現実的な危機的状況の対処法を、春日が観客に向けて講義する。あまりにも非現実的な危機的状況の内容と、そのとてつもない無茶苦茶な春日の対処法ぶりが肝となっているネタ……なのだが、印象に残っているのは春日という芸人の観客に対するとてつもなくマジメな姿勢のみという。やろうとしていることに対し、当人があまりストイックになりきれていない感。カッコイイ言い方をすると、優しいが故の脆さ。

・『エロ漫談』(伊達)
伊達がある想像力が膨らんでくる言葉について講義。更に伊達自らが手がけた何の変哲もない小説を、観客に読んでもらう。今回、収録されている『潜在異色』の中で、最も観客を利用しているネタがこれ。思春期の頃を思わせるような下ネタの使い方に、ただただ苦笑い。『潜在異色』メンバーの大半は自らの自己表現のために出演しているイメージがあるが、伊達の場合はやりたいことやってるだけの様な気がする。中にはこういう人がいるくらいの方が、空気的にはいい。

『ツッコミプロファイリング』(山里×田中×亮×山本)
四人のツッコミ芸人の中から選ばれた一人のツッコミを残された三人が分析し、「こういうボケを繰り出せばこんなツッコミが返ってくるだろう」と予想し、実践する企画。今回は山里、亮、山本が挑戦。皆に「(ツッコミは)こねくり回せばいいと思ってる」と言われてしまった山里が、そのツッコミ分析力を如何無く発揮。しかし山本に関しては、友人の田中が「この状況で?」と身内売りを展開。存在をきちんとアピールした。

『漫才』(田中×鳥居)
鳥居みゆきが初めて作った漫才を、田中と鳥居が披露する。勿論、純粋な漫才ではなく、二人の奇妙な人間が漫才の様だが決して漫才とは言えないような事を繰り広げているイメージの漫才だ。ネタのテーマは「クイズ」とオーソドックスなのに、まったくちゃんとした展開にならない! 『おばすて山』と同様、鳥居の世界に違和感無く入り込む田中の演技が秀逸。ところどころ関西弁になるところに、鳥居の漫才に対する偏見ぶりが見えて良い。やりとりがチグハグになってしまう場面で「アンジャッシュやないんやから」というツッコミが出たのには笑った。

『ツッコミルーレット2』(山里×田中×山本×若林×伊達)
山里がツッコミであんまりウケなかったので顔で誤魔化す、という残念な姿を見せつける。こういう珍しい山里が見られるのも、『潜在異色』ならでは。

『負け犬書道』(山本)
地味で目立たない山本が日頃の鬱憤を書にしたためる。要するに“一言ネタ”なのだが、それを書道で表現するというフォーマットがなかなかいい。書に写すという重々しさと、その内容の切なさがいい塩梅のギャップを生み出していた。クオリティのバランスに些か難ありか。個人的に好きなのは「あれ?こっちの味方だったよね」。……うーん、負けている。

『ラーメン屋』(山里×亮×伊達)
ユニットコント。とあるラーメン屋にやってきた亮。早速ラーメンを注文しようとするが、伊達演じる店主の傲慢な態度に腹が立ち、やがて口論となってしまう。怒りのあまり亮は店を飛び出そうとするが、先客の山里演じるラーメンオタクの姿を見て……。まず、それぞれが完全にハマり役となっている点が凄い。亮演じる行きずりの客も、伊達演じるラーメン屋の店主も、山里演じるラーメンオタクも、バッチシ見事にハマっている。台本もいい。序盤できちんとコントの下地部分を構成し、二人のやりとりにラーメンオタクが加わる場面で空気を切り替え、そこから怒涛のボケまくりコントへと変化する。この流れが素晴らしい。ボケとツッコミの入れ替わり作業や、日常から狂気への切り替わり作業も、まったく自然。実に完成されている。聞いたところによると、このコントは田村亮が手掛けたという。これほどの才能が隠されていたとは。

『道路標識物語』(板倉)
道路標識を使った紙芝居を展開する。タイトルや概要だけだと、ホリプロコムに所属するヒデヨシという芸人がかつて見せていた“交通標識を見て泣きだす教官のコント”を彷彿とさせられる。しかし、ヒデヨシの標識ネタには人情ドラマのストーリーが生じていたが、板倉のそれはファンタジー色が強く、まったく違った色合いのネタとして完成されている。マンガ好きな板倉ならではの、標識の絵を本来意図されていない方向へと認識し、そこから物語を構築していく創造力豊かな面白さ。後半、黄色の標識を多用していたのも、いい効果だった。

『たりないふたり』(山里×若林)
“恋愛がたりないふたり”山里と若林が、各々の妄想ラブストーリーを展開する。今回、山里は蓮舫とのラブストーリーを、若林は菅野美穂とのラブストーリーを妄想。山里は妄想の相手が既にネタと化しているが、シチュエーションも「新人政治家の山里が蓮舫と恋に落ちる」と、かなりネタの風味が強い。やはり山里は、どうしてもウケる方向性で物事を考えてしまうらしい。……芸人なんだから、当たり前なんだけれども。まさかの総理ご登場には、爆笑させられた(退陣しちゃったけど)。若林の妄想の相手は普通だが、シチュエーションが「人見知りが過ぎて誰とも話せなくなってしまった若林がいる四国の療養所に、「あの人は今」的な企画で菅野美穂がやってくる」と、かなり狂っている。笑いを狙った狂気ではなく、きちんと(?)生々しい狂気。計算狂気の山里と天然狂気の若林。改めて、いいバランスのユニットだ。


・特典映像

『たりないふたり』完全版(山里×若林)
『負け犬書道』完全版(山本)
『春日の危険の対処法講座』完全版(春日)

・一人コント『幸せになる壺売ります』(鈴木)
かつての友人に幸せになれる壺を売りつけようとする鈴木。だが、口べたな鈴木は、なかなか上手く売りつけられない。胡散臭い商売をテーマにしたコントのオーソドックスな展開をただそのままなぞっただけのような、毒にも薬にもならないコント。ただ、ところどころに鈴木ならではの天然と哀愁漂うエッセンスが。

『ニート芸』(有野)
パソコンのワード機能を使って、観客から募った三つのお題を入れた会話形式の“一人しりとり”を行う。よゐこのコントに通じる、ちょっとぐだっとした内容の会話にニヤニヤ。たまに濱口の陰がチラつくんだよな。しかし、後半の更に酷さを増したぐずぐずっぷりは、流石にちょっと厳しいものを感じた。……まあ、だから特典扱いなんだろうけど。手法はかなり珍しいので、掘り下げてみると面白い鉱脈を発見できるかもしれない。できないかもしれないけど。

「潜在ウラトーク」
第一章:田中のダメ出し道場
第二章:鈴木の潜在異色
第三章:田中VS若林 衝撃の真相 そして山里の口も衝撃…


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No title

「おばすて山」は、田中作と聞いておりますが(ソースは「お笑いTVLIFE vol.8」の対談)。

No title

「え!マジで!?」とリアルに田中さんの口調で言ってしまいました(笑)
確認してみましたが、どうやら「鳥居さん作」というのは僕の完全な思い込みだったようです。
謹んで訂正させていただきます。陳謝陳謝。
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

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