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夏休み駄作特選『少林少女』

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(2008/11/05)
柴咲コウ仲村トオル

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かなりの駄作として知られている映画『少林少女』を観る。これまでその辛辣な評判は目にしていたが、その内容についてきちんと批判しているテキストを見たことがなかったので、これはきちんと自分の目で確認したいと思ったためである。そして、実際に自分の目で観たところ、これがなかなかの駄作だった。正直、本広監督は同郷ということもあり、自分の中ではそこそこ親しみを感じていた人物だったのだが、これは流石に評価できなかった。とにかく酷かった。

とりあえずストーリーを説明しよう。柴咲コウ演じる主人公、桜沢凛が中国の少林拳武術学校での修業を終え、故郷である日本へと帰ってくる場面から、物語は始まる。凛はまっすぐ故郷へと舞い戻り、かつて自身が所属していた道場へ向うのだが、そこにあったのは無人の廃墟だった。かつて道場に所属していた人間たちに話を聞くと、何年も前に突然潰れてしまったのだという。そんな中、凛は中華料理店で働いているかつての師匠、岩井(江口洋介)に出会う。岩井は道場が潰れてしまった理由を語らないが、とりあえずここに寝泊まりしろという。そして気付けば、凛は中華料理店のウェイトレスをしているミンミンが所属する大学の女子ラクロス部に入部することに。

この粗筋だけを読んでみると、そこそこにオーソドックスな導入に見えるが、実際の映像だとこれらの部分はかなり雑に扱われている。もっときちんと積み立てなくてはならない下地の部分なのだが、ここをササッと片付けたいのだという意図すら感じさせられるほど、雑なのだ。ただ短めにまとめるのではなく、まとめるべき部分をまとめずに、まとめなくてもいいところをまとめてしまっているような。エンターテイメント性の強い映画において下地作りこそ最も重要なプロセスなのだが、今作はそこがまず出来ていなかった。おかげで、その後しばらくは違和感の残るシーンが続く。やたらと友好的なミンミンも、凛やミンミンに対してやたらと悪態をつく女学生たちも、凛の努力によって一体になっていくラクロス部も、なんだか頭に入ってこない。

それらの退屈なシーンが終了すると、今作における悪役の学長・大場雄一郎が登場。この人物、映画の導入部分でそこそこ印象的な登場をしているのだが、そこで大学について悪く書いたライターを暗殺している風に匂わせるシーンがある。それほどの悪だ。この大場なる人物、実は凛と深い関わりがあり、詳しくは書けないが凛の秘められた力に強い興味を持っているのである。いわば、力に狂わされた男とでもいうのだろうか。後半は、大場がミンミンを誘拐し、凛が彼女を救出に向かうという、これまたかなり定番の展開を迎える。

この定番の展開が、なかなか面白かった。エグゼクティブプロデューサーにチャウ・シンチーを迎えているためなのか、カンフーシーンはとにかくアクションが楽しく、ダイナミックだったのだ。単なる色物にしか見えなかった某芸人とのカンフーシーンも素晴らしく、この時点でこれまでのマイナス点はほぼ帳消しとなった(見る人が見れば納得いかない出来なのかもしれないが、トーシロの自分がこれでも十分に楽しめた)。そしていよいよ、諸悪の根源である大場との一騎打ちの局面を迎える!

(以下、ネタバレ注意)
 
……これが、酷かった。大場とのカンフーシーン自体は悪くなかったのだが、そのオチが酷かった。まあ、あのオチを選んだ理由は、分からなくもない。ただ単に悪を打つのではなく、その悪を許してやるのだという考え方は決して間違っていない。ただ、先にも書いた様に、大場って人を殺してるっぽいんだよね。いや、というか、ラクロス部の面々が建て直した道場とか、中井の中華料理店とか、燃やしちゃってるんだよね。そんなヤツを何のペナルティも与えずに許してしまう展開って、どうなんだ。勧善懲悪が必ずしも正しいわけではないし、そもそも凛を怒らせることで秘められた力を引き出そうとしていたんだから、ここで凛が大場をブッ倒したら意味無いじゃないっていうのも分かるんだけど、やっぱりこれはない。

その後の展開も酷い。大場との対決シーンの直後、場面は突然ラクロス部の試合会場へと移動。そこには、凛の事情をまったく知らないラクロス部の面々と、さっきまで大場の攻撃でボロボロになりながら凛を見送っていた筈の中井の姿が。あれ?さっきまでボッコボコになってた人が、どうして普通にラクロス部の面々と一緒にいられるの?そこへ、おそらく大場が手配しただろうヘリコプターに乗って会場入りする凛と、何故か走ってきた様子のミンミンが登場。無事に試合は開始するのであった……って、なんだこりゃ!

序盤の不安定さに躓き、中盤の盛り上がりにテンションが上がるも、最終的にジリ貧。『少林少女』は、そんな感じの映画だった。ただ、個人的には、映画本編の内容よりも、映画のキャッチコピーに納得のいかないものを感じたのだが、どうだろうか。「彼女に日本は狭すぎる」って、冒頭で日本帰ってきてんじゃねーか!紛らわしいキャッチコピーつけてんじゃねーよ!
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プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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