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「キングオブコント2010」あたふた感想文

九月二十三日 日本一のコントを決める大会「キングオブコント2010」決勝戦の生中継を観る。理由はどうあれ、こういう舞台まで上がってきた芸人さんたちのネタなんだから面白くないわけはなく、皆一様に面白かった。出来ることなら、全員に優勝トロフィーをあげてもらいたいンだけれど、そういうわけにはいかないところが賞レースの辛いところ。皆さまもご存知の通り、優勝はあのコンビに決定したわけだ。……一応、まだ観ていない人のために濁してみたけど、このブログ読んでるような人は全員知ってるような気がするな。まあいいか。

それで今回も感想の様なものを書こうというわけだが、どうにも気持ちが冷静でいられない。経緯とか結果とかなどは関係無く、もう純粋に「コントの祭典を見た!」という事実だけでテンションが上がりきってしまっているからだ。去年はそれで仕方なく「キングオブコント2009観戦中のリアルタイム脳内」などという記事で茶を濁してしまった。それでも、そこそこ読者の方には読んでいただけたようで、なにやら申し訳ないネ。そんなこんなで、まあ落ち着きのない感想文になっているとは思うので、そこんところご了承いただきたい。押しつけがましいけれど。

では、早速。
 
TKO『葬式』(820点)
葬式を知らない男、初めての葬式に挑む。テレビでさんざん披露してきたネタを、ここで。一本目ということで、勝負を置きにきたのだろう。自信作を持ってきたところで、それほど点数は伸びなかっただろうし。既に知っているネタだったこともあってか、前フリ(木本がお焼香を始める前)が少し冗長に感じられた。それなら焼香中ないし焼香後をもうちょっと膨らませてもらいたかった気も。あと、お経の声はもっと大きく長いくらいが……。ただ、やはり何度も演じてきたネタだけのことはあり、安定して面白かった。「半年後にできる面白話や!」「一人ワンチャンスや!」はいいツッコミだったな。

ロッチ『催眠術師』(826点)
催眠術師の師匠と弟子が互いに催眠術を掛け合う。「催眠術を掛ける→催眠術に耐える→催眠術を二度掛ける→催眠術を自分で解く」と、二人のやりとりのフォーマットがどんどん上書きされていく様が美しい。中岡演じる師匠のポジションから察するに、彼らの代表作『釣りのおっさん』を進化させたネタ。ただ、『釣りのおっさん』に感じさせられた哀愁が、今回のネタからは殆ど感じ取ることが出来ず、そういう意味ではロッチらしくないネタだったといえるかも。終盤からボケを一気に盛り込んだTKOとはまったく違ったタイプのコントだったが、点差を開くことは出来ず。

ピース『ヤマンバ』(827点)
人の背中を見ると襲ってしまう習性のあるヤマンバが、就職を試みる。「背中を見せると襲ってしまう」という設定が最後の展開に大きく影響しているが、それ以外のボケが弱いためか、それしかない印象を受けた。設定も、ヘンテコなキャラクターが登場するヘンにハートフルなコントという、如何にも若手コント師がたまにやってる中途半端なコントとしか感じられず。後半、暴走する綾部の演技で強引に引っ張ったが、それが無ければ厳しかったのではないかと。

キングオブコメディ『誘拐』(908点)
誘拐犯が誘拐してきた子どもの身代金を要求する。ちょっとブラック要素の入ったボケのコントを演じると、彼らは本当に上手い。今回のネタも、そのブラックな要素を盛り込むタイミングが絶妙で、ひたすら面白かった。ここまでのコンビが基本的にシチュエーションの面白さで笑わせていたことに対して、彼らがボケとツッコミによるテンポのいい笑いを優先したコントで挑んできたことも、好印象の原因か。「融解」「皮肉なものだな」などの秀逸なボケも繰り出され、納得の結果に。個人的に「お大事に!」のところは、もうちょっとウケても良かった。

ジャルジャル『くしゃみとゲップとあくび』(829点)
特徴的なくしゃみとゲップとあくびをする二人による飲み会を描く。日常では当たり前になっているくしゃみ・ゲップ・あくびも、冷静になって考えてみればヘンテコがおかしい……というメッセージが含まれているのかどうかは分からないが、そんなことを再認識してしまった。前大会では見られなかった、いかにもジャルジャルらしいコントという印象。個人的にはあまりハマらなかったが、「こういうジャルジャルが見たかった!」と断言できるネタだった。でも、もう少し時間が欲しかったかな。終盤、あの騒がしい音だけのやりとりの時間が欲しかった。

エレキコミック『お年玉おじさん』(727点)
親戚のおじさんにお年玉をねだり続ける子ども。厳しい。とにかく厳しい。最初の時点で既にアウェイの空気が漂っていて、最後までその空気を引っ繰り返すことは出来なかった。確かに、エレキコミックのコントにはそういうタイプのネタが多い。最初の段階できちんと掴めていないと、最後までずっとその空気を引きずってしまうタイプのネタが。それにしても、厳しいリアクションだった。ちょこちょこウケていたし、決して大外れするようなネタではなかったと思うのだが。こういうことがあるから賞レースは分からない。

ラバーガール『猫カフェ』(864点)
猫カフェを舞台としたシチュエーションコント。初っ端の軽い下ネタで一気に客を引き込み、その後も安定感のあるボケを連発。逃げる店員で大爆笑を起こし、ラジコン猫の登場で見事にとどめを刺した。これまでも高水準のシチュエーションコントを世に送り出し続けてきた彼らだが、今回のネタはその中でも頭一つ抜きん出たクオリティだったのではないだろうか。独特のシチュエーション、大水のファンタジーな言動、飛永のキレのあるツッコミ、全てが活きていた。まあ、エレキコミックの後ということも、少なからず影響したのだろうが。

しずる『シナリオ』(898点)
金庫破りの最中、裏切り行為に働く仲間の行動は実はシナリオ通りで……。池田があらゆる言動とともに口にする「シナリオ」という言葉が、とにかく笑えて仕方ない。やがて「シナリオ」はゲシュタルト崩壊を起こし、本来の意味としてではない感じに使われ始める……が、きちんと本来の意味として使われている。そのギャップがたまらなくおかしい。前大会で見せつけたものよりも、確実にグレードアップしたものを見せつけることが出来ていた。こういう、さりげなくセンスを光らせるタイプのネタ、個人的にかなり好き。

以下、二本目の感想。ここから荒れたんだよなあ……。
 
エレキコミック『哀愁たこ焼き』(720点)
客の来ないたこ焼き屋に取材が来るのだが、それはたこ焼きの味についての取材ではなくて……。やついの「こりゃもうダメかなーっ!」という最下位であることを意識した発言が大きくウケたが、肝心のネタはイマイチ。本来なら時間をかけて面白い空気にしていかなくてはならないところを、短い時間で披露するために強引にカットしてしまったことで、笑いを完全に殺すことに。結果的に芸人としてそこそこおいしい状況にはなったが、そのことを想定せずに、このネタを真面目に選んだことを考えると、ちょっと厳しいような。猛省の必要があるかもしれない。ただ、開き直って顔芸に徹したやついは、そこそこ面白かった。

TKO『モロゾフ後藤』(916点)
モロゾフ後藤のディナーショーを観る。木下演じるモロゾフ後藤のキャラクターの完成度がとにかく高い。ハット・アロハ・口ヒゲというビジュアルもさることながら、スタッフにやたらと厳しい性格、中途半端な洋楽カバーに至るまで、もうどうしようもない。一方の木本も、椅子ごと倒れる全力のベタツッコミや、無理やり引っ張り出された時の困惑の表情まで、これまでの芸人人生で培ってきたものを全てぶつけてきた。古典的でベタなイメージの強いTKOの持ち味を存分に活かした快作だったといえるだろう。ただ、ちょっと点数は高いか。エレキのネタの後だったから、というのも影響したのかもしれない。

ロッチ『万引き』(781点)
店長が捕まえた万引き犯が盗んだのは、店長自身が丹精込めて作った弁当だった。万引き犯に腹が立っているけれど、自分がプロデュースした商品の意図を全力で受け止めてくれたことに喜びが止まらなくなっている店長の複雑な感情が面白いコントなのだが、その感情の動きが丁寧に描かれていなかった感。ただただ喜んでいるだけに見えた。そこは苛立ちもきちんと演じないと、万引きという犯罪の要素をフォローできない。苛立ちと喜びがせめぎ合った結果、喜びが暴走するようにならないとバランスが……。高得点を叩き出したTKOの後だったこともあってか、かなり厳しい点数に。

ピース『ハンサム男爵』(942点)
ハンサム男爵とバケモンがGパンを買いに。「男爵とバケモン(主人と従者)」の関係を「親と息子(保護者と被保護者)」の関係に置き換えているだけなのだが、不思議とハートフルで面白く見えた。二人の特徴的なビジュアルもさることながら、ここでも一本目と同様に綾部の演技力が大きく影響しているようだ。とはいえ、ボケらしいボケが“バケモンのために頭に角を生やす男爵”だけなのは凄い。全体に漂う雰囲気の面白さが爆発した怪作だった。

ジャルジャル『おばはん』(898点)
バス停でバスを待つ中年女性に「おばはん」と言いながら絡み続けるヤンキー。彼らの代表作『しつこいひったくり』を彷彿とさせる、ただただしつこいコント。一本目のネタよりもジャルジャルらしさが爆発しており、個人的には大爆笑した。二本目で一本目のネタの勢いを失速させてしまったコンビも少なくなかった状況で、このネタをきっちり演じ切った彼らのポテンシャルはやはり凄まじい。優勝は出来なかったし、順位も決して誉められたものではなかったが、昨年のリベンジは果たせたのではないかと思う。良かった。

ラバーガール『魔物の館ミステリーツアー』(830点)
遊園地のアトラクション「魔物の館ミステリーツアー」に一人で参加することに。一本目の『猫カフェ』と同様、飛永が入った店の状況に巻き込まれてしまうタイプのコントだが、「遊園地のアトラクションに大人が一人で入ってしまった」という設定の笑いが「意味不明な遊園地のアトラクションに入ってしまった」という要素を打ち消してしまい、ただただ意味不明な状況に踊らされる『猫カフェ』ほどの印象は残らず。それでも、コントとしてはやはり高水準。

しずる『パンティ』(772点)
映画のセリフに「パンティ」を入れるかどうかで、役者と監督がぶつかり合う。一本目の『シナリオ』と同様、特定の言葉を印象付けるタイプのコント。ただ、不条理に繰り出されるから笑いになる「シナリオ」とは違い、ねづっちばりに上手いことを言うような感じに使われている「パンティ」は単なる下ネタにしか見えなかった。はっきり言ってしまうと、一本目のネタの劣化コピー。とはいえ、この低得点には些か驚いた。800切るって!

キングオブコメディ『教習所』(928点)
自動車の運転教習所にやってきた生徒が変な人で……。一本目のネタとは違い、ブラック要素がそれほど見られないシチュエーションで勝負。以前にも観たことがあるネタで、その時もそこそこ面白いと感じたが、今回はその時よりも緊張が伝わってきて、本来の面白さを上手く引き出せていなかった感。ただ、終盤の路上へ出るくだりで、一気に観客の心を惹きつけた。特に、縦列駐車のくだりは凄かった!あの流れでアレは卑怯!笑うよ、そりゃあ。

■総評
キングオブコメディの優勝は妥当。それだけの実力を見せつけていたし、笑いも起きていた。ただ、その対抗馬となるべきしずるがキングのネタ見せ前に陥落しちゃったことで、大会として大きく盛り下がってしまった点が残念だった。あの流れだと、やっぱり昨年の「東京03VSサンドウィッチマン」の構図みたいに「キングオブコメディVSしずる」になるものだと思うもんね。その結果、対抗馬として上昇してきたのがピースだったわけだけど、これは盛り上がらないよなあ。だって、861点あれば逆転できたんだよ? 二本目の審査が荒れまくっていたとはいえ、微妙だ。まあ、何にしても優勝を勝ち取れたことはめでたい。キングオブコントとなったキングオブコメディの更なる活躍に期待したい。とりあえず、オールスター感謝祭に出演だ! ……おっと、不安が。
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キングオブコント2010 感想

1stStage TKO 820点 個人的評価 80点 葬式ネタ。去年の東京03と同じで古いネタ持ってきたな…。 やはり本人たちも何度もやってるネタなので無難に笑えますね。 無難に面白いけど無難すぎて肩すかし。個人的評価も基準点の80点という事で。 ロッチ 826点 個?...

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No title

テレビをつけた瞬間がキンコメの「教習所」だったという男です。
「教習所」はオンバトでもやってましたが、さすがにクオリティは上がってますね。

何度見ても「詰問があります。」「問い詰めないでください。」のやりとりは面白すぎます。
(笑いのタイミングとダブってウケは薄かったですが。)

去年のリアルタイム感想も好きですが、やはりちゃっかりと説明口調で書いてもらえると「あぁ、同感です」と思えてなんだか嬉しいです。

「エレキのネタの後だからというのも影響したかもしれない」の天丼に笑ってしまいました(笑)

個人的に一番爆笑したのは冒頭の松本の東京03に対する「挨拶もちゃんとできるようになったしねえ」かもしれません(笑)

No title

> 佐々木さん
ちょっとwちゃんと観ましょうよそこはww
「教習所」、ネタの内容はちょこちょこ変わってましたね。
パフィ引っ張るところとか、終盤の見つめ合いとか。
緊張も物凄かったですがwww
僕もそのやりとり好きです。

> 大石さん
あ、本当だwww天丼になってるwww
松ちゃんも若手をきちんとイジってくれて、嬉しかったですねえ。
最近の優しいスタンスの松ちゃん、けっこう好きです。
…昔をあんまり知らないんですけどww

こんにちはー
エレキコミックはKOC残った後のトークライブでやつい氏がテレビ向きのネタを冗談抜きで作れないって悩みを告白されてたので、多分今回のドン滑りでマジで悩んでると思いますよw
テレビでやってるネタ面白くないですよね、テレビで見た人は嫌いになるって普通に自分らでぶっちゃけていて、安心したような不安なような気持ちになりました。
リンカーンとかにも今後出るあたりからテレビ進出していきたいのかなともよぎる。少し前からテレビちょこちょこ出てますしね。


菅家氏がツィッターで呟かれてましたが、エレキコミック第20回発表会は特別な物にするらしいんで多分ベストライブするのは多分当たってると思いますよ。

ただ以前ベストライブを行った際は確か第10回発表会の前後に特別公演として行われたので、そういう形で。

No title

ここ数年のエレキは妙に迷走していた印象があったんですけど、この前の単独『中2のアプリ』で勢いを取り戻しつつあったんですよね。そのタイミングであの結果だったので、本当にどうなることやらとヒヤヒヤしています。いいきっかけとなればいいのですが、また迷走への道を辿るようであれば…。

エレキのベストライブ、殆ど期待のみでつぶやいたんですが、可能性アリですか。楽しみです。ついでにDVD化とかしてくれるといいのに。いいのに団。

初めまして

初めまして。すがりと申します。
以前からこちらのブログを読ませていただいてたのですが、
今回初めてトラックバックさせていただきました。
これからも読ませていただきます。よろしくお願いします。

No title

初めまして、トラックバックいただきました。
今後とも宜しくお願いします。
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

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