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『ザ・シネマハスラー』

TAMAFLE BOOK 『ザ・シネマハスラー』TAMAFLE BOOK 『ザ・シネマハスラー』
(2010/02/27)
宇多丸

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食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋。秋にやることやれることは沢山あるが、僕にとってのそれは読書の秋であった。少なくとも、この体育の日を含んだ三連休中は。というのも、この三連休で僕は学生時代の友人の結婚を祝うがために、広島へと二泊三日の旅行に出向いていたからだ。高速バスでの道中、やれることといえば読書くらいなものである。だから、僕にとってのここ三日は、間違いなく「読書の秋」だったのだ。で、その三日間のうちに読み終わった本が、この本である。

本書は天下御免のHIPHOPグループライムスターのセンターマン、宇多丸氏がメインを務めるラジオ番組『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』内コーナー「ザ・シネマハスラー」でのコメントをテキスト化したものだ。「ザ・シネマハスラー」とは、スタッフが決めた六本(うち一本はリスナー枠)の上映中映画をサイの目にサイコロを転がし、決定した映画を宇多丸氏が鑑賞し、翌週の放送で評論トークを展開するというコーナーだ。まとめると、本書はライムスター宇多丸氏による映画評論本である。

“日本語のプロ”である宇多丸氏の評論は、とにかくかゆい所に手が届いている。あの作品がドイヒーな理由、あの作品がサイコーな理由、それぞれきちんと要点をまとめて語ってくれる。例を挙げてみよう。誰もが駄作と認めざるを得ない超駄作映画『少林少女』がどうしてドイヒーなのか、その理由を宇多丸氏は次の様にまとめている。

この映画、要するにどういうとこが問題かと言うと……違う違う、どういうとこが新しいかっていうと……要するにすべてのシーンやすべてのセリフが、記号的表現を並べておけば観客は分かってくれるだろうっていう、性根が腐りきった考え方で出来てるんですよ。それらしいセリフをそれらしいテンションで、それらしい音楽と一緒に出すと、観客はそれらしい場面として受け取ってくれるだろう……と勝手に思ってるわけですよ。腐りきったこの性根!新しいよ、こんなに腐ってるの新しいよ!


実際に観た人間としては、首肯が止まらないまとめだ。個人的には、別に「それっぽい」だけならそんなに問題じゃないと思うけど、あの映画は本当に「それっぽい」だったからなあ。このまとめは非常に正しい。一方、サイコーな作品についてはどう取り上げているのか……これは引用すると全文取り上げなくちゃならない感じになってしまうので、実際に読んでもらいたい。本当に、全身全霊を込めて称賛しているので。勿論、批判する時も全身全霊込めているんだろうけど。俯瞰での視点から微細な部分まで、キチッとまとめている。ここまで真面目に映画を観たことがなかったなー、そういえば。

僕はこれまでそんなに映画評論本を読んだことがないんだけれど、この本は本当に面白かった。知っている映画の評論はもちろん、知らない映画の評論もきちんと分かるように語っている配慮も素晴らしい。ちょっと前に出たエガちゃんの映画評論本が好きだった人とかは、絶対に読んだ方がいいと思う。面白い。軽妙洒脱でリズミカルでツボもきちんと抑えている一冊、オススメです!

(『靖国 YASUKUNI』『ミスト』『ミラクル7号』『カンフーパンダ』『おろち』『アイアンマン』『その男ヴァン・ダム』『愛のむきだし』は、そのうち観よう。特に『カンフーパンダ』はめちゃくちゃ面白そう……)
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菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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