スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ラバーガールソロライブ『キャット』

ラバーガール ソロライブ「キャット」ラバーガール ソロライブ「キャット」
(2010/09/22)
ラバーガール

商品詳細を見る

今作は人力舎の若手コント師、ラバーガールによる五度目のソロライブを収録したものだ。“若手コント師”という呼び名がすっかり板についているが、実は彼ら、来年の2011年には結成十年目を迎える。とどのつまり、人力舎では彼ら以降のコント師が育っていないということなのだろう。このところ注目されつつあるエレファントジョンや鬼ヶ島は、芸歴でいうと彼らよりも先輩に当たるので、除外される。今でこそ「コントの人力舎」と呼ばれているが、いつの日か他事務所にこの名誉をかっぱらわれてしまう可能性も否めない。後輩芸人、精進したまえよ。

そんなこんなで、人力舎の人気若手コント師としてとりあえず奮闘せざるを得ないラバーガールだが、今作を見たかぎりでは、そのコント師としての実力は着実に上がっているようだ。まあ、これは前回のソロライブ「さよならインドの空に」の時にも感じたことなのだが。ここ数年、彼らは良い意味で肩の力が抜けたコントを演じられるようになってきたように思う。以前の彼らは些かマジメ過ぎた。今もちょっとマジメ過ぎるところがあるが……それ以前の彼らは、今よりもずっと肩に力が入っていた。

初期のラバーガールは、今のようにボケとツッコミがはっきりと明確なコントではなく、ボケとツッコミがきちんと分別されていないコントを演じていた。さっきまでボケ役だと思われた人物が、今度はツッコミ役になり、しかし再びボケ役になる……といった具合のコントだ。これがまあ、実に退屈だった。面白くなりそうな雰囲気はあったのだが、結局はグダグダでどうしようもない不定形なコントでしかなかったのである。しかしその後、彼らは飛永が進行役・大水が解説役を演じる「進行と解説」フォーマットという、自らの笑いを提示するために最も適した形を発掘する。この「進行と解説」フォーマットの発掘は、彼らのコントをこれまでよりもずっとクオリティの高いネタへと進化させた。

その後、ラバーガールは「進行と解説」フォーマットを使用し、様々なコントを生み出してきた。それらのコントによって、ラバーガールの評価を格段に向上させた。しかし、いつも同じパターンでは、どうしても飽きが生じてしまう。その時、彼らは気付いた。「進行と解説」フォーマットは、進行役の飛永が解説役の大水によるボケを受け入れつつも引き離すという、独特の距離感が持ち味となっているが、これと同じ状況になるのであれば、「進行と解説」フォーマットをシチュエーションコントに置き換えることが出来るということに。彼らの目論見は見事に的中する。ラバーガールは「進行と解説」フォーマットと同様のクオリティを、シチュエーションコントでも維持することができることを証明したのである。彼らのコントから力が抜けてきた原因は分からないが、そのうちの一つはコレだろうと勝手に推測している。確認が取れないので、結局は推測レベルに留まるのだが。

とにかく、今のラバーガールは程々に力が抜けた、しかしマジメなコントを作れるようになった。今作でも、彼らのいい塩梅のコントが華麗に披露されている。二人が某有名ミュージカルっぽいダンスを披露するオープニングコント『キャット』、大水が奇妙な客を演じて店員役の飛永を翻弄するコント『自分への誕生日プレゼントを買いに来たヤツ』、飛永演じる男が大水の経営する別れさせ屋に依頼を持ち込むロングコント『別れさせ屋』など、マジメにバカなコントが目白押し。中でも、キングオブコント2010決勝でも披露されたシチュエーションコント『猫カフェ』の出来は、やはり秀逸。効果音や小道具もバツグンの効果をもたらした、非常に出来のいいコントだった。ちなみに、個人的にはキングオブコント2010で披露されたバージョンの方が、出来が良かったように思う。ヒマがあれば、見比べてもらいたい。

これまでにリリースされたラバーガールのソロライブDVDの中でも、今作は最も素晴らしい作品だ。ただ、それはあくまでも現時点においての話でしかない。彼らはまだまだ面白くなることが出来る。いや、面白くならなくてはならない。キングオブコメディや東京03という先輩に負けず劣らない才能が、彼らの中にも眠っている。この考えに派何の根拠もない。単なる予感である。だが、彼らがそうなってくれることに、僕は多大に期待したい。どうにかこの期待に応えてもらいたいものだが……果たして。

最後に余談。実はラバーガールは、前回のソロライブ『さよならインドの空に』から、かつてのボケとツッコミがきちんと分かれていないコントをこっそりと復活させている。今作でいうところの『再会』がそれだ。相変わらず出来は良くないが、あの頃のコントと比べると、幾らか笑えるネタにはなっていた。ここに彼らの更なる進化のヒントが隠されている気がしないでもない……こともない。


・本編(66分)
「キャット」「オープニング」「自分への誕生日プレゼントを買いに来たヤツ」「猫カフェ」「汚いヤツ」「作家」「再会」「別れさせ屋」「エンディング」

・特典映像(18分)
「Yahoo!知恵袋に聞いてみた」「本当にあった怖い話」「飛永 利き酒に挑戦」

・副音声
ラバーガールによる全編のネタ解説
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

検索フォーム
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
月別アーカイブ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。