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『彦いちばなし ~林家彦いち落語集・創作編~「全身日曜日」「さいとう」』

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(2010/12/01)
林家彦いち

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「笑点」のラーメンキングでお馴染み林家木久扇師匠の弟子、林家彦いち師による創作落語CD第二弾。第二弾とはいえ、第一弾と同日発売である。その第一弾『彦いちばなし創作編「睨み合い・完全版」「友情」』が個人的に今一つの出来だったので、その期待をこちらに移してみたのだが……こちらがまた、第一弾よりも期待外れな内容だった。

まず、“身体に感謝しなくてはならない”という夫の屁理屈に影響を受けてしまう主婦の体験を描いた『全身日曜日』だが、これは詰めが甘い。この噺、「夫の屁理屈を聞く妻」「道中で自殺志願者に遭遇する妻」「息子の試合を観に来る妻」の三場面で構成されているのだが、その区切りの影響で全体のまとまりが悪くなっている。三つの短い噺をくっつけたような印象が残るのだ。噺に登場する“屁理屈な夫”と“自殺志願者”という強烈なキャラクターが、その登場シーンだけで切り捨てられていることも大きく関係しているように思う。最後、野球場の場面で、二人が登場するという展開でもあれば、もう少し印象が良くなったのではないかと。マクラで話されている三遊亭円丈との思い出話や、神無月に出雲大社を訪れた話が面白かっただけに、残念。2010年6月録音。

続く『さいとう』は、市議会議員に立候補しようとしている男の家の前に何故か正体不明の死体が落ちているという、ちょっとホラー色のある作品。男の死体を巡って、狂気と混乱が渦巻いていく展開が非常に面白かったのだが、それ故に微細な部分の粗雑さが目立ってしまった。例えば、この噺は“当たり障りのない人生を送ろうとしている男”の行動を中心に描いているのだが、その性格にリアリティがない。本当に当たり障りのない人生を送ろうとしているのだろうか、という疑問が残る。おかげで、だんだんと狂気に染まっていく様に説得力が無くなってしまった。噺の冒頭に登場した娘が、途中からまったく登場しなくなってしまったのも引っ掛かる。寝てしまったのだとしても、もうちょっと噺に絡めても良かったのではないだろうか。要するに、こちらも詰めが甘い。2009年12月録音。

第一弾の『友情』に今回の二本、いずれも詰めの甘さが印象的な作品だったのだが、どうしてこれらのネタがチョイスされたのか、不思議で仕方がない。僕は普段、彦いち師がどういうネタを演じているのか知らないので、これらのネタがひょっとしたら彼のベストチョイスなのかもしれないが、それにしても納得のいかない出来だった。個人的に相性が悪いとか、そういう問題ではないと思うのだが。他の人の感想を読みたい。

おまけとして収録されている“短か噺”は、林家木久扇一門のきく姫・ひろ木と飲んでいた最中に起こった事件を描く『救急車』と、大阪の天満天神繁昌亭の楽屋で女装した男に遭遇する『繁昌亭』を収録。彦いち師の創作落語家としての才能は分からないが、少なくとも実体験を面白おかしく語る才能はある。第一弾と同様、こちらも面白かった。
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菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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