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『春風亭昇太1「権助魚」「御神酒徳利」』

春風亭昇太1「権助魚」「御神酒徳利」-「朝日名人会」ライヴシリーズ29春風亭昇太1「権助魚」「御神酒徳利」-「朝日名人会」ライヴシリーズ29
(2005/05/18)
春風亭昇太

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「笑点」では唯一のメガネ一点、五十を過ぎて未だ独身の春風亭昇太による単独落語CD第一弾。創作落語家として知られている昇太師だが、今作に収録されている落語二本はいずれも古典。ただ、それらの噺は、どちらも昇太師が愛して止まないネタで、創作落語を作る上で大いに参考にさせてもらったとのこと。いわば、春風亭昇太という落語家を語る上で欠かすことの出来ない、最重要な二本であると言えるのかもしれない。

『権助魚』(2004年12月録音)
最近、お金の使い方がおかしい旦那に女の影を見た本妻が、使用人の権助に「旦那様の後をつけて、女の居場所を探ってきなさい。駄賃として一円あげるから」と言いつける。そこへ旦那が帰ってくる。再び小用で出掛けようとする旦那に、権助は本妻の言いつけ通りにくっついていく。ところが、旦那は権助が本妻に何かを言いつけられたことを察し、二円を与えて懐柔する。そして、妾に会っている間のアリバイ工作として、権助に網取り魚を買って帰るようにと言いつけるのだが……。

落語で言うところの“権助”とは、田舎者を差すのだという。そして、この噺に登場する権助も、また田舎者である。田舎の口調で話すし、行動も何処となく間が抜けている。だが、お金に関しては貪欲。このあたりもまた、田舎者っぽい。昇太が演じる権助は、本能のままに生きているようなタイプだ。いつもニヤニヤしていて、挫折というものなど経験したことのない印象を与えられる。旦那に本心を見破られても、「見てたかネ~!?」と、なにやら楽しげな反応をする。底が抜けているとでもいうような。昇太はこの噺における、本妻が権助の嘘を見破るシーンがたまらなく好きだということだが、個人的にはストーリーよりも権助のキャラクターが頭に残った。愛すべきキャラクターとは、こういうことなんだろうな。

『御神酒徳利』(2004年5月録音)
とある大店に野菜を売りにやってきた八百屋。中に入ろうとするが、女中にいらないから帰ってくれと邪険にされる。そのあまりな態度に腹を立てた八百屋はどうにか仕返ししてやろうと思い、そこに代々受け継がれてきている御神酒徳利を隠して困らせることに。案の定、さっきまで御神酒徳利を洗っていた女中はそれが無くなっていることに困惑し、旦那はそのことで叱りつける。そこへ八百屋がこっそりと現れて「私が易で見つけましょう」と提案し、そろばん占いで御神酒徳利が水ガメの中にあることを見事に的中させる。自分で隠したのだから、当然のこと。しかし、勿論そのことを知らない旦那は八百屋のその能力に感激し、東海道三島にいる百姓の弟が無くした預かり物の観音様の場所を探してほしいと申し出る。果たして、八百屋の運命や如何に。

『御神酒徳利』には二つのバージョンが存在するのだという。一つは、大店の番頭さんが御神酒徳利を水ガメに沈めたことを忘れていたというもの。もう一つが、この昇太の『御神酒徳利』。前者は三遊亭の型で、後者は柳家の型なのだそう。一門ごとにそういう細かな違いがあるなんて知らなかったなあ。先に、立川志の輔師匠による非常に達者な『御神酒徳利』を聴いた後で聴いたためか、あまり印象に残っていない。同じ噺って、どうしても比較するというか、最初の印象が強く残ってしまうものだから(まあ、志の輔師の『御神酒徳利』は三遊亭の型なんだけれど)。『権助魚』の様に、個性的なキャラクターが存在しないのもちょっと弱く感じられる原因か。十二分に面白いんだけどね。うん。
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菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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