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『THE 米朝』

THE 米朝(DVD付)THE 米朝(DVD付)
(2007/12/26)
桂米朝

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桂米朝の代表ネタを収録した『THE米朝』を聴く。面白い。人間国宝を捕まえて“面白い”などというシンプルな感想を漏らすのもどうかと思うが、しかし面白い。以前に聴いた『THE枝雀』の時、桂枝雀師匠の濃い口な関西弁を受け付けられなかったこともあって、少々の不安を抱いてはいたのだが、実に上品かつ穏やかな語り口でスッと心の中へと沁み込んできた。

『THE米朝』に収録されている噺は、『地獄八景亡者戯』(平成2年4月収録)。ドラマ「ちりとてちん」において、非常に重要な役割を果たしていたので、知っている人も少なくないだろう。知らない人のために説明すると、サバを食べた男が冥土で伊勢屋の御隠居と再会し、共に地獄の道中を歩むというもの。極楽ではなく地獄が舞台というところが、実に落語っぽい。本編は68分と、長く話されることが多い落語としてもかなりの長丁場。しかし、これが飽きない。飽きないどころか、実に楽しい。語り口がいいというのもあるが、この落語は鳴り物がいい。そもそも、鳴り物を使用した落語を聴くこと自体、これが初めてだったのだが、これほど楽しいとは思わなかった。

人間が必ず経験することといえば、生と死である。誰もが生まれ、誰もが死ぬ。「生まれてきた子どもが泣きじゃくっているのは、母の身体から未知の世界へと押し出されて不安だから」という説を見たことがあるが、死に対しても、また誰もが不安を抱いている。地獄を舞台にした『地獄八景亡者戯』は、そういった死に対する不安を和らげている様に思う。……というようなことが、今作の歌詞カードの解説に少し書かれているが、まさしくそうだと思う。……なにやら、他人の意見に乗っかっているようで座りが悪いな。

なお、今作には特典として、米朝師匠の落語を収録したDVDが付いている。……どっちがメインでどっちが特典なのか、ちょっとばかり疑問に感じなくもないが、まあいいや。収録されているのは『百年目』(昭和57年4月収録)と『本能寺』(平成10年10月収録)。前者は主人と番頭の絶妙な関係性を描いた典型的な落語で、後者は歌舞伎の一幕を演じてみせる芝居噺。カタブツで通っている番頭がコッソリ芸者遊びをしているところを主人に見つかってしまい、どうしたものかと途方に暮れる『百年目』は大変に面白かったが、芝居の解説を含んだ『本能寺』は今一つ物足りなかった。これは相性の問題、或いは、僕の芝居に関する知識が足りないのが問題、なのだろう。

それにしても『地獄八景亡者戯』、実に面白かった。調べてみたところ、他に桂枝雀、桂文珍、桂吉朝らによる『地獄八景~』がCD化されているらしい。探してみよう。
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No title

このCD、音源は同じだけどCDタイトルが違うの(桂米朝全集)が図書館にあって借りました。
いや~、面白いとしか言いようがないですね。半端じゃなく長いけど飽きないです。
聞いてるとあっという間に時間が過ぎて行きますね。
図書館には他のCDもあったので、随時借りて聞いてます。
僕的には「壷算」「住吉かご」「阿弥陀池」「つる」などの「アホが頑張る系」の落語が好きです。後味がさわやか!

No title

いいですよね『地獄八景』。ニヤニヤしちゃいます。
ただ、これを聴いてから、米朝師匠聴いてないんですよね。
一度借りたんですけど、ちょっと重厚さが引っ掛かっちゃって…。
また聴いてみなくては。
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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