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苦悩する若者たち

先日の土曜日、ニコニコ生放送にて「泉谷しげる チャリティートーク&ライブ ~日本を救え!~」が放送された。中学生の時に『春夏秋冬』を初めて耳にしてから、泉谷しげるの曲を好んで聴いている身としては、見逃さないわけがない。無論、見逃すことなく、およそ一時間ほどの放送をじっと観続けた。番組には泉谷の他に、他所のライブで泉谷と意気投合したという中村中、阪神大震災の際に共にチャリティー活動を行った嘉門達夫も出演していた。泉谷によると、二人は「呼んでもないのに勝手に参加した」のだという。

番組中、この震災に関する様々な状況に対して、泉谷は激しい怒りをぶつけていた。被災者たちを悲劇的に切り取った報道、政治家たちの無責任に聞こえる言動、匿名で意見を発し続けている大衆たち。それらの様々な存在に対し、泉谷は激怒していた。しかし一方で、番組の内容が偏り過ぎないように、笑えるエピソードトークを展開。中村中を性同一性障害だと知らずに欲情していたという話は、中村の「介護のつもり」という返しと合わせて非常に面白かった。

これらの発言、また一連の行動から、泉谷しげるは攻撃的で情熱的なミュージシャンだという印象を持っている人も少なくないだろう。しかし、そもそも泉谷は、とても冷めた目線で世界を見つめているような曲を書くミュージシャンだった。都会に出てきた若者の孤独を歌った『眠れない夜』や、自分にしか出来ない生き方をしようとして失敗した若者の失望を歌った『春のからっ風』などは、何年も前の曲にも関わらず、聴くたびに切ない気持ちになる。これらの曲を泉谷は、まさに若者だった頃に書き上げたのだ。実に恐ろしい。

そんな泉谷が最近、『すべて時代のせいにして』という曲を発表した。

歌詞を見ると、なにやら説教臭い言葉の羅列に見える。

若いときはすべてが他人のせい こうなってしまったのも親のせい
ひきこもるのも社会のせい 誰を憎んで何を消し去る
いったい何と何が気に入らない 心とカラダが合わない
ホントの力は自分のせいさ 今はもうわかるハズ


しかし、この後の歌詞を見ると、少し印象が変わる。

ぶざまな大人をハナであざ笑い 若さにかまけてなぐりかかる
許せぬ気持ちはどこから来てるのさ ムリやり憎んで存在認めない
いったい何を自慢したいのか 心と体をひきさいて
ホントの力を見失ってる 今はもうわかるハズ


この曲は、かつて『眠れない夜』や『春のからっ風』で歌っていた様に、現在の若者の苦悩を歌っているのだ。それを肯定するでもなく、否定するでもなく、ただその状況を言葉にしているだけなのである。もしかしたら、彼は今でも若者の目を失っていないのかもしれない。その、若々しくも、冷たく鋭い目を持って。だからこそ、泉谷は偽善という名の元にチャリティー活動を続けているのかもしれない。この期に及んで多くの若者たちを騙さんとする卑劣な大人たちから、彼らを守るために。
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菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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