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『笑う全日空寄席2』

笑う全日空寄席2笑う全日空寄席2
(2010/02/03)
(趣味/教養)、三遊亭歌之介 他

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シリーズ第三弾について触れたので、残りにも触れておくことにする。

「笑う全日空寄席」第二弾に収められている落語は、他の同シリーズ作品に比べて少しばかり個性が強い感がある。というのも、本作でチョイスされている落語家は、いずれも滑稽噺・爆笑噺に定評のある笑いのスペシャリストたちばかりだからだ。自己流のスタイルで大きな笑いを生み出す彼らのネタは、それ故に初心者にはとっつきにくい。だが、その芸が上手くハマれば、とても大きな笑いを生み出すことも可能だ。イチかバチか……と表現するのは大袈裟だが、一度試してみる価値はある。

そんな第二弾のトップバッターを務めるのは、三遊亭歌之介。その名を知らない人は多いだろうが、TSUTAYAなどのレンタルショップには彼のCD『B型人間』『爆笑龍馬伝』がほぼ確実に配置される程の人気落語家だ。そんな彼が演じてみせるのは、自作による新作落語『寿の春』。学校を卒業して離れ離れになってしまう親友が好きな女子へ告白できるようにと奔走する男の姿を描いた、涙無しには語れない熱い友情の物語だ。しかし、実際に聴いてみると、あっけらかんとした口調と細かいクスグリのギャグでとてもオカシイ。大いに笑えて、しかしオチはちょっとしんみりできる一本だ。

続いて登場するのは、橘家圓蔵。立川談志、三遊亭圓楽、古今亭志ん朝と共に「落語四天王」と称された人物である。しかし、彼ら大名人たちの落語に比べて、圓蔵の落語は極めて軽快。……などと書くと実に楽しげだが、油断してると観客をどんどん放置していってしまうような危うさもある。最終的には、自分だけが楽しい空間になったりして……って、それじゃもはや同好会である。そんな圓蔵、本作では『火焔太鼓』を披露している。その内容は、商売ベタな道具屋の亭主が滅多に売れるモンじゃない太鼓を仕入れてきて女房に叱られるのだが、この太鼓が思わぬ波乱を招く……というモノ。テッテ的に軽快なリズムと、そこにさりげなく盛り込まれるナンセンスギャグの嵐。ハマらなければ置いていかれるが、ハマればとことんデカい。二つに一つ、如何か。

そしてトリを飾るのは、大名人との呼び声高い先代の五代目柳家小さん。小さんといえば、柳家小三治・立川談志という現代を代表する名人二人を育てた落語家育成の名手であり、史上初となる“落語家の人間国宝”となった人物だ。本作に収録されているのは、そんな小さんの十八番中の十八番と言われている『禁酒番屋』。とある一件から酒を禁止するようにとのお達しがなされた城に酒を届けろとの注文が入って試行錯誤する酒屋と、城内に持ち込ませんとする禁酒番屋の攻防を描いた一本だ。ゆっくりじっくりと聴かせる小さんの落語は、その確かな話術で確実に客の意識を引き込んだところで、きちんと大笑いへと落とし込む。名人芸を堪能あれ。

以上、敬称略。


・本編
三遊亭歌之介『寿の春』(1994年1月・門仲天井ホール)
橘家圓蔵『火焔太鼓』(1993年11月・東京全日空ホテル※当時)
五代目柳家小さん『禁酒番屋』(1995年12月・イイノホール)
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プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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