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『三遊亭小遊三・爆笑落語集』

若い小遊三・爆笑落語集若い小遊三・爆笑落語集
(2010/06/23)
三遊亭小遊三

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三遊亭小遊三の落語が好きだ。

口にするのは簡単だけれど、その良さを説明するのは難しい。これが漫才やコントであれば、それらは基本的に各芸人ごとにネタが違っているからその内容も含めて批評することが出来るけれども、いわゆる古典落語は基本的な展開が決まっているために、各個人の良さを説明するとなると、非常に細かい話になってしまうからだ。でも、その細かい部分が、それぞれの個性として出ているわけだからややこしい。

で、三遊亭小遊三。小遊三師匠といえば、「笑点」ではドロボーキャラと勘違い伊達男キャラ、それからちょっと乱暴で汚いことなんかも平気で口にするようなポジションで大喜利を展開している。そして、そのキャラクターが、落語においても活用されているという印象。つまり、乱暴で口汚い……って、別に暴力的ってわけじゃない。簡単に言うと、江戸っ子口調がバツグンに上手い。いや、上手いっていうか、身体の芯まで江戸っ子が沁み込んでいるかのような……もはや成っていると言っても過言ではない。生まれは山梨らしいけど。ハキハキとした口調もまた、そんな江戸っ子職人気質に拍車をかけている。実際の江戸っ子なんて知らないけれど、きっとこういうものなんだろうなあ……と思わせること、確実だ。

そんな師匠の口調が最も活きる落語は何かと考えると……いや、考えなくても答えは出ている。2010年6月にリリースされた『若い小遊三・爆笑落語集』に収められている一本、『浮世床』だ。髪結床(床屋)に集まった若い連中が、ただただ無駄話を繰り広げているだけのネタで、落語を知らない人が聴いたら思わず面食らうかもしれない。なにせ、ストーリーらしいストーリーがまるでないのだから、しょうがない。しかも、小遊三師匠の場合、原本のオチとなっているくだりをカットしているので、本当に単なる無駄話を繰り広げているだけ。だが、こういう落語の方が難しい。ストーリー性がある落語なら、その粗筋を追うだけでも楽しめるけれど、『浮世床』はストーリーらしいストーリーがないので、本当に演者の腕がないと厳しいことになる。

小遊三師匠の『浮世床』は、乱暴な口調で盛り上がっている若者たちのガヤガヤしている様子が目に浮かんできて、実に楽しい、面白い。中でも個人的に好きなのが、仲間の一人が読んでいる本を朗読して聴かせるくだり。俺は立て板に水だから聞き逃すなと言っておきながら、実際に読ませてみると漢字も平仮名もへったくれもない。日本語かどうかも分からない単なる奇声が繰り出されてきて、思わず飛び出た言葉が「横板に餅」……ああ、くだらない。

ちなみに、これ以外のネタでは、どんどん深みにハマッていく泥棒の様がたまらなく可笑しい『置泥』、状況に振り回されている八五郎が活き活きとした『崇徳院』、真相が明らかになっていくにつれて笑いが大きくなっていく『金は廻る』が面白かった。BOXだけじゃなくて、一応一枚ずつでも売られているけれど、個人的にはBOXでの購入をオススメしたい。「笑点」の小遊三師匠をイメージして聴いたら、間違いなくツボにハマる……と、思いますよ。
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菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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