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『赤塚不二夫名作選 おそ松くん』

おそ松くん (小学館文庫―赤塚不二夫名作選)おそ松くん (小学館文庫―赤塚不二夫名作選)
(2005/02)
赤塚 不二夫

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 近所の書店で売れ残っていたのを見つけて、購入。レジで店員にホコリを叩かれていたので、かなり前に仕入れられたものだと思われる。うーん……売れなかったんだろうなあ。ビッグネームの漫画というのは、どうしても時とともに古さを帯びてしまう。『鉄腕アトム』然り、『キテレツ大百科』然り、『サイボーグ009』然り。その古さが懐かしさに変わる頃に、また売れることもあるけれど。『おそ松くん』は、まだその域に入っていないということか。

 本書は「週間少年サンデー」で連載されていた『おそ松くん』の中から、名物キャラクターが初めて登場するクロニクル的な回や傑作と謳われる回を取り上げたベスト版だ(但し、巻末には「週間少年キング」に掲載された「チビ太の金庫破り」リバイバル版を収録)。連載第一回作品「あきすびっくり六つ子がでたよ」から回を追う流れになっており、ページが進むごとに時代の流れが確認できるようになっている。あくまで「週間少年サンデー」時代の作品のみが取り上げられているので、完璧な傑作選とは言い難いかもしれないが、『おそ松くん』の世界を堪能するには十二分な一冊と言えるだろう。

『レッツラゴン』読後のためか、作品の流れがやたらと上手く出来上がっている印象が強い。「エスパーニャンコをねらえ」「ハタ坊勇気をだす」など、作品の流れの美しさの目立つ作品が多い。この傾向が、後の洋画作品を改変した作品の誕生に繋がっているのかもしれない。本書の最後に収録されている三篇は、その洋画改変作だ。「イヤミはひとり風の中」「オメガのジョーを消せ」「チビ太の金庫破り」……この三作品は、今でも『おそ松くん』の傑作として語り草になっている。確かに、今になって読んでみても、元の作品の骨太さと赤塚のギャグスピリットが上手く混ざり合った傑作と言える。

 しかし、いくら人気キャラクターがメインを務めているとはいえ、それまでの『おそ松くん』読者は、この作品の変化に納得していたのだろうか。それまでの、過激さと朗らかさが同居しているような作風と、それら洋画改変作は明らかに傾向が違う。いくら作品としての完成度が高くても、当時の読者はそれを簡単に受け入れられたのだろうか。それだけのキャパシティを持っていたのだろうか(もちろん、段階を踏んで変化していったのだろうが)。

 幼い頃から、六つ子がドタバタと暴れまわる初期の『おそ松くん』に慣れていた僕は、その違いに違和感を覚えてしまった。チビ太は好きだし、イヤミも好きだけれど……やっぱり六つ子と一緒に日常でドタバタやってこその彼らじゃないか、とか思っちゃったりするんだよなあ。天邪鬼。
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菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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