スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『怪奇版画男』(唐沢なをき)

怪奇版画男 (小学館文庫)怪奇版画男 (小学館文庫)
(2011/11/15)
唐沢 なをき

商品詳細を見る

唐沢なをきによる版画漫画。全編、版画である。タイトルも、登場するキャラクターも、背景も、フキダシも台詞も、そのほぼ全てが版画で描かれている。……バカじゃないかと思う。それまでにも、唐沢の漫画には実験的な作品が少なくなかった。例えば、彼の代表作である『カスミ伝』などは、漫画実験の宝庫といっても過言ではない。思えば、この『カスミ伝』も当初は純然たるギャグパロ漫画だったのだが、そのうち話の途中で作者がファンレターを読み出したり、漫画のストーリーが上下で別々に展開したり、背景を全てスクリーントーンで埋め尽くしたり、すごろくになったりシールを貼ったり空から日本を見てみたりと、どんどんやりたい放題の様相を呈するようになっていった。恐らく、そういったことをつらつらとやっていくうちに、版画なんぞに手を出すハメになってしまったのだろう。なんという自爆芸。

そんな実験性の高い作品『怪奇版画男』。正直なところをいうと、僕は“版画で描かれている”という出オチオンリーの作品として読み始めたのだが、これがなかなか読みごたえがある。考えてもみれば、版画で描かれているというだけで、その内容は毎度お馴染みの唐沢作品と大して変わらない。無論、全体的に版画寄りな内容(どうでもいいけど“版画寄り”ってどんな日本語だ)にはなっているが。版画ならではの粗さと黒さが独特の雰囲気を醸し出していて、眺めているだけでも楽しい一冊になっている。あまりの面白さに続刊を期待したいところだが、作者のTwitterでのコメントによると「もう十年若ければなあ」とのこと。あとぼり(“あとがき”ではない)にも「スタッフの方々と5日も6日もろくに寝ないで彫ってました」「ほとんど正気のさたじゃなかった」「思い出すのも恐ろしい」とある。余程、気力と体力が有り余っていなければ、不可能な所業なのだろう。そこで唐沢先生に提案なのだが、この版画手法を若手のギャグ漫画家に一子相伝システムで譲っていくのはどうだろうか。例えば、久○田とか市○とか金○あたりに。で、彼らもこんなことをやらされたくやしさから、より後輩のギャグ漫画家に版画手法を押し付けていくという……(って、体育会系部活動の悪い慣習みたいになってるやん!)
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

検索フォーム
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
月別アーカイブ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。