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柳原可奈子初単独ライヴ『見せたがり女』

柳原可奈子 初単独ライブ「見せたがり女」 [DVD]柳原可奈子 初単独ライブ「見せたがり女」 [DVD]
(2011/09/21)
柳原可奈子

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次世代を担う女性ピン芸人、柳原可奈子が自身にとって初めての単独ライブ「見せたがり女」を2011年7月に行った。彼女の名前が世に知られるきっかけとなったバラエティ番組、「爆笑レッドカーペット」の初回放送から約四年半、ようやくの初単独ライブである。彼女と同様に、「爆笑レッドカーペット」への出演をきっかけに人気芸人となった狩野英孝の初単独ライブが2008年8月、ロッチの初単独ライブが2009年10月に行われたことを考えると、その遅さがよく分かる。しかし、考えてもみれば、柳原が所属している芸能事務所は、かつて一世を風靡した山田邦子を世に送り出した太田プロ。隠しきれない華を持った彼女の売り出し方に、些か慎重だったのかもしれない。

本作は、単独ライブから約二ヶ月後にリリースされた、やはり彼女にとって初めてのライブDVDである。……ライブまでにかかった時間が長いのに、ライブがソフト化されるまでの時間がやたらと短い。お笑いブームが終わったとはいえ、まだまだ需要があるということだろうか。収録されているコントは、柳原本人を診察しているスピリチュアルカウンセラーに扮したオープニングコント『見えすぎた女』を含む、全八本。いずれも、個性溢れる女性たちのリアルな姿を切り取った、彼女の芸風を如何なく発揮したコントばかりだ。それらの中には、相手が自分のことを知っていることを前提に会話を進めようとする『知らない?女』や、ありとあらゆる出来事をブログ最優先で考えている新米ママを描いた『ブログ女』のように、彼女が出演していたコントバラエティ番組「爆笑レッドシアター」で目にした記憶のあるネタも幾つか見受けられる(幕間映像には、「逃走中」に参加しているスタイリストの北条マキも登場)。どうやら、これまでのベスト的な意味合いも兼ねているようだ。売れてからライブが行われるまでの四年半をギュッと詰め込んだ、といったところか。

一方の新ネタはというと、これもなかなかに出来が良い。中でも印象に残ったネタが、柳原がアニメ声優に扮して、自身が出演するアニメ「まじょまじょカレン」のDVD発売記念イベントに出演するというコント。そのシチュエーション故に、彼女が語る話題の大半はアニメ本編の内容や声優としての活動に関するものになるのだが、それによって生み出される内輪の空気がなんともいえずこそばゆい。この“こそばゆさ”が、実にたまらない(「せつなさでご飯三杯いける」というセリフ回しの絶妙さよ……)。実際のアニメDVD発売記念イベントも、こういう空気になっているのだろうか。基本、このコントは、柳原が空想のアニメについて楽しく語っているだけの、実に微笑ましい内容になっている。ただ、このネタのタイトルが『声だけはイイ女』というところに、物凄い悪意を感じるのは僕だけだろうか。

出来のいい新作コントにベストコント。実に充実したラインナップだが、不思議と鑑賞後の満足感は弱い。その原因は、恐らく内容の薄さにある。柳原が演じているキャラクターたちは、確かにリアルで面白い。「現実にいそうだな」と思わせられる。ただ、そこから、何か進展するということがない。本作に登場するキャラクターたちの多くは、ごく当たり前の日常を切り取られ、そして暗転と共に消えてしまう。そんな日常の数々を、きちんと笑えるコントとして昇華しているだけでも十二分に凄いのだが、ここで踏み止まってもらいたくない。更なる高みを目指すべく、彼女には奮闘してもらいたい。

ただ、その一方で、この薄さこそが柳原可奈子という芸人の魅力に繋がっているのではあるまいか、という疑念もある。本作の幕間映像として収録されている『Yana Tube』(※YouTubeのパロディ。検索ワードに沿った柳原の動画が流れる)では、彼女が様々な女性たちの瞬間を演じている姿が見られる。ほんの僅かな時間しか使われていないにも関わらず、そこに映し出されている女性たちの姿はリアルで面白い。対象を深くえぐることなく、表面的な姿をそこに描写する。それこそが、柳原可奈子の本分なのかもしれない。今はまだ分からないが……彼女の次のステップが気になるところだ。

……それにしても、『居酒屋ですべる女』は何度見ても面白い。酔った勢いで得意げに口にしたツマラナイ一言を発した女性が、場が白けてしまったことを察知するまでのタイムラグが絶妙だ。これだけでご飯三杯いけるね。


・本編(78分)
「見えすぎた女」「オープニング」「ご想像におまかせします女」「Yana Tube1」「休ませて~女」「DJ RICO」「知らない?女」「Yana Tube2」「今は会いたくない女」「やらせて!TRY ギャル カオリ編」「声だけはイイ女」「逃走中」「ブログ女」「Yana Tube3」「テレビ業界の女」「エンディング」

・特典映像(15分)
「やらせて!TRY 女子大生マミ編(未公開)」「「見せたがり女」の舞台裏」
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私もつい先日見ました。声優のネタ面白いですよね。
同じネタなのにTVで見る時の方が満足感があるなと不思議に感じていた謎がとけた気がします(笑)
というか、これだけ絶対的な悪意のあるネタをしているのに嫌味に見えないってすごいですよね。
単純に羨ましい可愛さです(笑)

No title

そうそう、物凄くテレビ向きですよ柳原。
華があるし、ネタも面白いし、なのに職人気質じゃない。
瞬間の表面的な笑いが上手くて、悪い印象を与えない。
関根勤タイプなのかもしれません、もしかしたら。
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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