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『浅草芸人』(中山涙)

浅草芸人 ~エノケン、ロッパ、欽ちゃん、たけし、浅草演芸150年史~ (マイナビ新書)浅草芸人 ~エノケン、ロッパ、欽ちゃん、たけし、浅草演芸150年史~ (マイナビ新書)
(2011/12/23)
中山 涙

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中山涙による浅草演芸150年史。江戸時代から現代にかけて、浅草の演芸がどのような動きを見せていたのかを一冊にまとめている。演芸史について書かれた本はこれまでにも何冊か出版されているが、浅草という場所に限定している歴史書は珍しいのではないだろうか。肝心の内容はというと、様々な歴史的事実をこれでもかと詰め込んでいるために、些か読みにくい。“浅草演芸史”という大河を描こうとしたのだろうが、その流れはあまりにも広く、また複雑過ぎた。

浅草演芸史の中心人物である“榎本健一(エノケン)”“古川ロッパ”が登場してからは、それも幾らか解消されるのだが、それでもまだまだ読みにくい。人名、企業名、事件などの話が膨大で、こちらの処理が追い付かないからだ。いっそ、各章ごとに年表でも作っておいてくれたら、この読みにくさも幾らか解消されたかもしれない。……が、どのみち、複雑であることに変わりはないだろう。だが、そんな膨大な史料を強引にでも包括しようとした、著者の意欲的な態度は認められるべきである。それに、全体的に見れば複雑ではあるが、文章は淡々としていてむしろ読みやすい。もう少し時間があれば、より快適に読むことの出来る一冊に仕上がっていただろう。実に惜しい。また、複雑かつ膨大であるということは、手探りに読み進めていけば、どこかしらで興味深い記述に巡り合える可能性がある、ということでもある。そして本書は、そういった巡り合わせが数多い。個人的に引っ掛かったのは、「吉本興業」のくだり。吉本興業が東京に進出したエピソードも週刊誌的に面白かったが、大阪吉本のコテコテ感と東京吉本のキラキラ感の違いがどうして生じたのか、漠然と理解できたのは大きな収穫であった(勿論、大阪と東京の土地柄の違いも大きいのだろうけど)。

あとがきにて、著者は次の様に語っている。「昔の文化を過剰に懐かしがるのも間違っているし、無意味なものだと切り捨てるのも間違っている。温故知新と「昔はよかった」は絶対に違う。歴史を学ぼう。過去の芸人さんが生み出した笑いを知ろう」と。本書は、その橋渡しに相応しい一冊といえるだろう。とりあえず僕は、エノケンの映画が観たくなった。
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菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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