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「R-1ぐらんぷり2012」をボヤく。

【注意】今回の記事は私的感情に任せて書いたものなので、人を不快にする可能性があります。
 
先日、「R-1ぐらんぷり2012」決勝戦が行われた。

既に結果を知っている人も少なくないだろう。ましてや、お笑い芸人についてああだこうだと下らない戯言を書き連ねている拙ブログを覗きに来るような奇特な方々であれば、「観ていて当然!観ていない人など人にあらず!」と藤原道長の様にのたまっているに違いない。かくいう私はというと、これまた当然の様に決勝戦の模様をリアルタイムで楽しんでいた次第である。

さて。こういうブログを運営している以上、やはり、くだんの大会で披露されたネタについて意見を述べるべきなのだろう、と思う。だが、残念なことに、少なくとも今の私はそういうことをしようという意欲的な態度に出ることが出来ない。はっきりいってしまうと、とてもじゃないが批評する気になれないのである。……などと書くと、いわゆるところの“自称お笑い評論家”なる人たち(私は彼らを“お笑い小姑”と呼ぶべきだと思うのだが)がいうような、あの芸人がつまらなかった、あの大会は八百長だった、などという便所の落書きにでも書けばいいようなことを考えているのではないかと勘違いされてしまうかもしれないが、そうではない。あの日、あの時、あの場所でネタを披露していた芸人の中につまらない芸人はいなかったと、私は断言する。それらのネタを「笑えなかった」という人のことは決して否定しないが、少なくとも私が見た限りでは、どの芸人たちも決して手を抜いてはいなかったし、それぞれ、思い思いのネタを精魂込めて演じていたように思う。

それでは、どうして私がくだんの大会について、何も書く気になれないのか。その理由は、単純に「お笑いの大会としてはつまらなかったから」である。M-1グランプリ2001以後、それなりにお笑い賞レースと呼ばれているものを観戦してきたと自負する私だが、ここまでつまらない大会は初めてだった。こちらとしても、その滅多に出来ない経験に苦笑いが止まらなかった。なにせ、芸人のネタで笑っているにもかかわらず、心根では釈然としないのである。こんな不思議な感覚、一度たりとも経験したことはない。出来れば、したくはなかった。……となると、今度は「どうして大会としてはつまらなかったのか」という疑問が湧いてくる。少なくとも、昨年のR-1ぐらんぷりは非常に面白かった。出場していた芸人たちが面白かったのはいうまでもないし、それ以上に大会として盛り上がっていた。当時の私は、来年もこういう大会になってくれればいいのになあ、とさえ思っていた記憶がある。それが、どうしてこのような結果になってしまったのだろうか。

私的見解を述べよう。

とにかく、ネタ時間が短縮されたことは大きい。これまで、R-1ぐらんぷりの決勝戦では、ネタを披露する時間が4分に制限されていた。M-1グランプリ決勝、キングオブコント決勝も同様の処置が取られている。手元に資料が無いので確認できないが、芸人がネタを演じる上で最低限必要な時間として、きちんと定められていた筈だ。しかし、今年のR-1ぐらんぷりは、その神聖なる4分という時間をこともあろうに1分も削ってしまったのである。それにより、一人一人のネタを掘り下げる時間的な余裕が失われてしまい、芸人たちの人生を賭けた賞レースにも関わらず、どこかショートネタブーム特有の軽率さが漂う大会となってしまった。では、どうしてそんな改悪が行われてしまったのか。察するに、決勝進出者を八人から十二人に増やしたためだろう。人数が増えたからって、内容が薄味になってしまっては何の意味もない。

では、どうして人数を増やしたのか。答えは単純で、決勝戦のシステムを大幅に変更したためである。昨年大会の決勝戦は、八人によるトーナメント制だった。ピン芸人が一対一で競い合い、どちらのネタが良かったかを審査員が判断するという、実にシンプルなシステムだ。ところが、今年の決勝戦は、十二人による三ブロックトーナメント制。十二人のピン芸人たちが三つのブロックに区分され、各ブロックの勝者三名が最終決戦で再び競い合うというシステムになった。このシステムに見覚えがある人もいるだろう。そう。昨年末に決勝戦が放送され、大いに話題となった「THE MANZAI 2011」とまったく同じシステムなのである。話題になってるからマネしてやろうという魂胆が見え見えだ。……その結果、ネタの時間は短縮され、大会としても面白味に欠けたものになってしまったのだが。まったく、ろくでもない。

せっかくなので、この三ブロックトーナメント制についても、ひとつ文句をいいたい。……いや、厳密にいうと、この三ブロックトーナメント制自体には、別に文句はないのである。ただ、その審査に問題がある。「THE MANZAI 2011」決勝を見ていた人なら知っていると思うが、あれは審査員が支持するユニットに対して一票を与えるという、実にシンプルな審査方式を取っていた。ところが、今回のR-1ぐらんぷりでは、差別化を図ろうとしたのかどうか知らないが、審査員に三票を与えて、それをブロックの四名のピン芸人たちに振り分けるという審査方式を取っていたのである。まあ、これがスッキリしないというか、釈然としないというか。一言でいうと、意味が分からない。昨年の様に一対一の勝負だったらばまだしも、四人に三票を振り分けることに何の意味があるのか。審査員の苦悩は軽減されたかもしれないが、こちらとしてはなんとも盛り上がりにくかった。

そんなこんながあって、無難なところが勝ち上がって、無難なところが優勝してしまうという、なんとも無難な賞レースになってしまったという……別にCOWCOW多田さんは嫌いじゃないし、徳井さんもスギちゃんも嫌いじゃないんだけれど、なんか無難な結果に落ち着いてしまった感は否めない。唐突だが、私が賞レースで求めているもの、それは革命である。事務所や実力の関係で、なかなか世の中に注目されていない芸人が活躍する姿が観たいのだ。無論、それが叶わなかったからといって、否定的になりはしない。そこまで私は彼らに対して入れ込んでいないためである。しかし、今回の大会はあまりにも盛り上がらず、無難で、当たり障りのない結果になってしまった。まあ、だからといって、「「全員つまらない」R-1優勝、該当者なしに」などというネタ記事を書くような気にはならないが。つまらないことを皮肉ったネタ記事がつまらないって、どういうことだ? 曲がりなりにもユーモアやエスプリを取り扱っているサイトなら、ある種同じフィールドといえる“お笑い”の人間に皮肉なジョークを送るということの覚悟の見えるネタを出してもらいたかったのだが。結局、否定派のガス抜きにしかなりゃしない。……って、話がズレてきた。

とにかく、来年もこういうようなことになるのであれば、もはやR-1ぐらんぷりを開催する意味はないのではないかと思う次第である。もし、来年もそういう事態になってしまったとしたら……いっそのこと、私も湯原温泉行こうかしら……というのは、冗談だけども。ただ、手持ちのカードを新しい見せかたで表現し続けてきたCOWCOWが、一発ギャグというド直球のスタイルで優勝したという事実について、作り手はもう少し真剣に考えるべきなんじゃないか?

追記。

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非公開コメント

No title

確かに!ネタ時間が3分に縮まってしまったのは本当に気になりました……
ネタの幅が狭くなってしまうのではと。
4分だからこそやれるネタは多いと思うのですが。

あとは、今まで全部吉本勢が優勝してる事
〝吉本芸人〟が審査員をしてる事とかがなんとも…

No title

初めてのコメント失礼します。
菅家さんの笑いを鋭く洞察し、軽妙洒脱な語り口でつづった批評をいつも楽しく拝見いたしております。
僕も一人のお笑い好きとして今回のR-1運営に対して思うところあり、コメントさせて頂いた次第です。

今大会の運営は芸を軽視しているかのような酷いものでした。
菅家さんも述べられているように時間短縮、審査方法の迷走。
さらに謎の番宣、客の意識、ボケをつぶすカメラワークなど・・・・・・。
賞レースのM-1からエンターテイメント性を高め番組として成功したTheMANZAIのふんどしを使って、土俵でブレイクダンスを踊っていたかのようでした。
出ている芸人さん達は短くなった時間の中で手数を増やすフォーマットを考えたり、盛り上がりのピークを少し下げてでも時間内にドラマを作り上げたり、と試行錯誤して奮闘していた分虚しさもひとしおでした。

今回のR-1を運営はどう思っているのでしょうか。失敗だと反省しているのでしょうか。それとも芸人さんたちが取った笑いに胡坐をかいて「成功じゃー成功じゃー。」とふんぞり返っているのでしょうか。
R-1ぐらんぷり2013は見終えた後、満足のため息が吐けることを切に願います。

ダラダラと長文失礼いたしました。

革命…。

頻繁にルール変更するのは、どうしても!吉本じゃない芸人優勝させない為かと疑ってしまうし…。もし、来年吉本じゃない芸人優勝もしくは、ファイナルステージ進出しなかったら オーバーですが…今より!お笑いが冷え込むんじゃないかと思って仕方がありません!。来年こそは、風穴をあける!吉本じゃない芸人現れて欲しいです!!。

No title

僕は去年よりは楽しめましたけどね
僕的にはグチャグチャだったので今までのR-1が
キャラが濃すぎるので、ド直球が優勝したのは嬉しいことであります。
不満としては下ネタが多過ぎることですかね。

なんとなくネタ時間が短いとは思ってましたが、3分とは気づかなかった愚か者です。
昨年がトータル14ネタ、今年16ネタであまりネタ時間短縮する理由はないと思いますが…
まあ、自分は愚か者なんでなにも考えず大いに笑わして頂きましたが

16ネタでなく15でした。
ますます短縮する理由がない…

No title

>慧輝さん
ネタの大会なのに、ネタ時間を縮めるのはやっぱり…ですよね。
吉本審査員については、まあ割と妥当な審査をされているのではないかと。
でもまあ、不満を感じるという気持ちは、理解できます。

>名取さん
あんまり褒められると照れますねえ。
どうでしょうねえ、R-1陣営の考えはなかなか読めませんね。
ただ、毎年システムを変更するブレブレっぷりは、なんとも…。

>宇宙デコポンさん
流石に意図して優勝させないということはないと思いますよ。
M-1やKOCに非よしもとの優勝者がいるんですし、R-1だけが固持する理由もないですし。
場をツカむ能力値という点では、よしもとは本当に強いですからね。
ただ、個人的には、非よしもとの優勝者も見たいですが。

>最近どう?さん
もちろん、そういう方もいて当然だと思いますよ。
ただ、COWCOWのド直球っていうのは、あんまり良い意味では…。
なんか、これまでの山田さんは何だったのかしらって思っちゃいます。
(無論、山田さん=多田さんではないですが)
下ネタに関しては、何もいうことはありません(笑)

>のめすぽさん
なにも考えずに大笑いするのが、正しい姿勢だと思いますよ。
変に知っていると、こんな風に変に腹を立てることになりますから(笑)
しかし確かに、そう考えると短縮する理由は薄いですねえ。
なんで短縮したんだろう?

No title

初めまして

菅家さんの日記は参考になることばかりでお笑いを見る者として非常に助けとなっています。
R-1グランプリはこれまでまともに見たことがなかったんで(夕方にやっていた時期もあり結構忘れてたから)今回はじっくりと見ることにしました。
ネタ時間が前回より短いとのことで・・・何かあっさり終わるなーと思ったのは気のせいじゃなかったのか

こう時間が短いとネタ前のVTRの時点でいたたまれない気持ちになってくるんですよ。
それぞれの芸人さんが一生懸命やってるのに短めだから本調子が出ないんじゃないかと・・・
お笑い見る上でそんな気持ち抱くのもどうかと思うんですけどねw

No title

初めまして。
ネタ前のVTRはなかなか良かったですね。いい感じに盛り上がれて。
だからこそ、ネタでもその重厚感を味わいたかったのですが…。
あと、その気持ちを抱けるようになれば、もうすぐあなたも芸人オタの仲間入りです(笑)
素敵やん、という言葉を贈らせていただきますです。
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

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