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『ドキュメンタリーオブヒロシ ~空白の1500日~』(1,200字)

ドキュメンタリー オブ ヒロシ~空白の1500日~ [DVD]ドキュメンタリー オブ ヒロシ~空白の1500日~ [DVD]
(2011/11/23)
ヒロシ

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お笑いブームが一つの絶頂期を迎えようとしていた2004年、『ガラスの部屋』をBGMに物憂げな表情を浮かべながら、短い言葉で自らの悲哀を語る男が現れた。男はテレビに出演すると、すぐさま番組のレギュラーコーナーを獲得。自らの面白さを必死に主張する他の若手芸人とは違い、ただただ哀しみに暮れ続ける男の姿は、番組の作り手たちに新鮮に見えたのかもしれない。それは視聴者も同様だったようで、気が付けば男は人気者となっていた。その言葉を収めた書籍は30万部を突破し、パフォーマンスのBGMを収めたCDもリリース。まさに、時代の寵児だった。ところが、ブームの盛り上がりも一区切りついた頃、男の姿はテレビからほぼ完全に消えていた。まるで、そんな男など、初めから存在していなかったかのように……。本作は、そんな孤高のピン芸人、ヒロシがお笑いブーム絶頂期から現在に至るまでの姿を追ったドキュメンタリーである。

便宜上、本作ではカメラがヒロシを追い続けているかのように書いたが、実際は逆だ。黄色い声援を背中で受けながら、肩で風を切るブーム絶頂期のヒロシは、確かにカメラに追われていた。しかし、ブームが過ぎ去って、ヒロシに需要が感じられなくなった頃、立場は逆転。取材班はヒロシに微塵の興味も抱かなくなり、逆にヒロシはちょっとでもメディアに触れていたいがために取材班へ食い下がる。どうにかして実家を取材するまでこぎつけるも、諸般の事情により中止。それでも、ヒロシはまだまだ諦めようとせず、自らの生活を撮影した映像を送りつけたり、ライブに招いてウケている姿を撮影させようとしたり、サーフィンが出来ると嘯いてみたり。しかし、それらの行動も全て、裏目に出てしまう。やがてヒロシは、怪しい商売を始め、妙な宗教へと足を踏み入れ、自宅を捨てて河川敷に住居を構えるようになる。……そこには、かつて一世を風靡したピン芸人が、ゆっくりと止め処なく堕ちていく姿が映し出されている。それなのに、何故だろう。ヒロシはあの頃よりもずっと哀しく、そして面白い……。

ここからは真面目に感想を書こう。お察しの方もいるだろうが、本作はフェイクドキュメンタリーである。つまり、ここに収められているヒロシの姿は、全てウソだということだ。芸人を主役としたフェイクドキュメンタリーというと、本作と同じ年にリリースされた鳥居みゆきおかもとまりのDVDが思い出されるが、本作はそれらに比べて格段にクオリティが上がっている。ヒロシに対してあまりにも無礼なスタッフの言動には些か違和感を覚えたが、リアルとフィクションのバランスはそれなりに良い。個人的には、車で九州に向かおうとする場面が実に良かった。幕間にはヒロシのネタも収録されており、なかなか見応えのある一品だ。是非、この感じで、次はムーディ勝山のフェイクドキュメンタリーをお願いしたい。フェイクじゃなくても成立しそうだが。


・本編(87分)
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プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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