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『マキタスポーツ単独ライブ オトネタ』

マキタスポーツ単独ライブ オトネタ [DVD]マキタスポーツ単独ライブ オトネタ [DVD]
(2012/05/23)
マキタスポーツ

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ピン芸人には、おおまかに見て二つのタイプが存在する。ボケ型、そしてツッコミ型だ。ボケ型とは、自身がボケを演じて、それを観客に処理させるタイプを示す。例えば、ダンディ坂野や鳥居みゆき、バカリズムなどは典型的なボケ型である。一方、ツッコミ型とは、なにかしらかの事物に対してツッコミを入れることにより、観客にそのものの可笑しさを認識させるタイプを示す。このタイプには漫談芸が多く、例えば、スマイリーキクチやユリオカ超特Q、長井秀和などが当てはまる。そして、マキタスポーツもまた、ツッコミ型のピン芸人といえるだろう。

マキタスポーツの芸風は、既存の音楽に対してツッコミを入れるものだ。……といっても、人生幸朗・生恵幸子よろしく、歌詞の内容を「責任者出てこい!」とボヤくわけではない。マキタは既存の有名曲を徹底的に咀嚼し、その特徴を栄養として消化、オリジナルの新曲として排出する。その新曲こそ、有名曲に対するツッコミとなるのだ。何故ならば、それらの新曲は、有名ミュージシャンの音楽が持つ特徴を大いに反映しているため、リスナーが漠然としか感じていない傾向を可視化するためである。いわば、人生幸朗・生恵幸子はある側面が持つ違和感にのみツッコミを入れていたのに対し、マキタスポーツはその表面だけではなく内面までもえぐっているのだ。本作『マキタスポーツ単独ライブ「オトネタ」』は、そんなマキタの濃密なツッコミ芸が堪能できる作品だ。

ビジュアル系ミュージシャン風の楽曲を創作した『お母さん』を始めとして、某有名女性ミュージシャンの世界を再構築した『オノマトペ』、まったく心に響かない歌詞とメロディの薄っぺらさが衝撃的な『オーシャンブルーの風のコバルトブルー』など、既存の音楽に対するツッコミの目白押し。一部で高い反響を呼んだという『十年目のプロポーズ』も収録されており、まさにマキタスポーツの世界が詰め込まれた一品といえるだろう。

ただ、純粋なお笑いとしては、些かの物足りなさも覚えた。マキタの既存楽曲に対するツッコミは実に的を射ているのだが、的を射ているが故に、笑うよりも先に感心してしまうためだ。マキタと類似した芸風の芸人に清水ミチコがいる。彼女もまた、既存楽曲を解体し、その傾向を可視化することで、笑いへと繋げている。ただ、清水はそこに遊びの要素を挿入することで、ネタに隙を作っている。マキタには、それが無い。放送作家として知られる高田文夫は、マキタのことを「上手過ぎて売れない」と評したというが、恐らくはそういうことなのだろう。だが現在、マキタは“音楽コラムニスト”として、少なからず注目を集め始めている。長く売れない時代を過ごしてきたマキタにとっては、有難さと同時に不本意な思いもあるだろう。マキタが“音楽コラムニスト”ではなく“芸人”として売れる日は、いつか訪れるのだろうか……?


・本編(67分)
「オープニング」「ヒット曲の法則 その1」「作詞作曲ものまね講座」「お母さん」「オノマトペ」「スパッツ」「若大将のハミングソング」「ヒット曲の法則 その2」「オトネタベストヒットショー」「フロバの純真」「みそ汁(独唱)」「オーシャンブルーの風のコバルトブルー」「ヒット曲の法則 その3」「ヒット曲の法則 その4」「十年目のプロポーズ」「歌うまい歌」「エンディング」

・特典映像(5分)
「十年目のプロポーズ(PV)」

※あわせてネタCD『オトネタ』もヨロシク。
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プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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https://twitter.com/Sugaya03

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