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「落語 昭和の名人 決定版 古今亭志ん朝・壱」

CDつきマガジン 隔週刊 落語 昭和の名人 決定版 全26巻(1) 古今亭志ん朝(壱)CDつきマガジン 隔週刊 落語 昭和の名人 決定版 全26巻(1) 古今亭志ん朝(壱)
(2009/01/06)
不明

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先日、Twitterで驚くべき話を耳にした……もとい、目にした。なんでも、2009年1月から2010年1月にかけて出版されていたCD付マガジンシリーズ“落語 昭和の名人 決定版”の在庫が、なんと2012年現在も残っているのだという。「四~五年前の本がもう手に入らない!」などといわれている時代に、本当にそのようなことがあるのだろうか。すぐさま出版社の公式サイトを覗いてみると……事実であった。それも、幾つかの不人気な巻だけが残っているのではなく、全巻の在庫が残っている。発売当時は各書店に出回っている印象のあった同シリーズだが、そのイメージとは裏腹に、さほど売れていなかったということだろうか。

さて。世間的にはどうでもいいことかもしれないが、“落語 昭和の名人 決定版”出版当時はまだ落語に興味が無かったが故に、同シリーズを無視していた私にとって、これは朗報である。はっきりいって“落語 昭和の名人 決定版”は、その値段が極めて安い。現在、昭和の名人の音源を収録した落語CDの中で最も安いのはビクター落語シリーズであると考えられるが、それでも1,575円はする。しかし、このシリーズの値段は、解説ブックレットもついて(むしろこちらが主役なのか?)、なんと1,190円。ほんの400円程度の違いだが、「三枚買ったら、もう一枚ついてくる!」くらいの値段であると考えれば……かなり安く感じられるのではないだろうか。これに手をつけない手はないのである。

……と、ここまで書いてみたものの。賢明な読者の中には覚えておられる人もいるだろう、私がこのシリーズに対して批判的であったことを。今現在、落語は大衆芸能としての魅力を、大衆に向かって訴えかけている段階にある。「落語なんて古臭い」「落語は難しい」「落語はお年寄りが聴くもの」という固定概念を払拭するために、奮闘している。その流れに対して、この“落語 昭和の名人”シリーズは、「落語は昭和の芸能である」という間違った概念を世間に印象付けてしまうのではないかと、当時の私は考えていたのである。そして、その考えは今もさほど変わっていない。変わっていない……が、それはそれ、これはこれ、である。落語全体のことを考えると考慮されるべき点は見受けられるかもしれないが、私個人としては遠慮無く楽しませてもらおうと、そういう……なんだか、店に来て風俗嬢に説教するオヤジみたいになってきたな。まあいいや。とにかく在庫があるのだから、集めるのである。このまま捨てられるのは勿体無い。

その記念すべき第一弾は、古今亭志ん朝である。五代目古今亭志ん生の次男、十代目金原亭馬生の弟として知られている志ん朝師匠の落語は、とにかく素晴らしいの一言。癖が無く、口当たりがいいため、さほど落語に詳しくなくてもするりと喉を通ってくれる嬉しさ。なのに、味に深みがあり、ほんの少し咀嚼しただけで、落語本来のなんともいえない旨味が舌の中へ溶け込んでくる。初心者から通まで唸る名人芸とは、まさしく志ん朝師匠の様な落語家のことを指すのだろう……って、なんだか褒めすぎな気がしてきたが。しかし、実際にそれだけの深みがあるのだから、仕方がない。

本作に収録されているのは、『夢金』『品川心中』。『夢金』は、貪欲な船頭の熊蔵が請け負った客に人殺しの加担を頼まれる話で、いわゆる古典落語に対する概念を払拭させるに十分なサスペンス(?)だ。そのストーリー展開もさることながら、情景描写の美しさにも耳を傾けてもらいたい。一方の『品川心中』は、品川のある店で一番の売れっ子だった遊女のお染が、寄る年波には勝てず景気が悪くなって周りからバカにされるようになり、これといって見どころのない本屋の金蔵を誘って心中しようと試みる……という話。男女の悲恋として描かれがちな“心中”をテーマにしているにもかかわらず、この話は徹底的にドライだ。金蔵を「見どころがないから」と心中の相手に選んだお染もさることながら、この金蔵も、死ぬということに対してリアリティを持てないためか、どこかスッとぼけている。死を描いているにも関わらず、決して湿っぽくならない。だからこそ、『品川心中』は時代を超えて名作として語り継がれているのだろう。『夢金』と『品川心中』、どちらも冬を舞台とした落語だ。これからの時期に聴くにはそぐわないかもしれないが、あえて夏に聴くことで、冬の情景を思い描くのも悪くないのではないだろうか。


・収録音源
『夢金』(昭和52年12月3日・三百人劇場/33分52秒)
『品川心中』(昭和54年11月12日・毎日ホール/31分8秒)
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菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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