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不意打ちの爆笑噺『蔵前駕籠』で大笑い

古今亭志ん朝『蔵前駕籠』を聴く。

落語名人会(20)落語名人会(20)
(1995/09/21)
古今亭志ん朝

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『蔵前駕籠』の舞台は明治維新直後の江戸。この頃の江戸は治安が悪く、そこらに追剥ぎが出没していたという。中でも、頻繁に出没していたのが蔵前通り。吉原へと向かう客のふところを目当てに出来るからだ。そのため、吉原に来る客の数は減少し、花魁もかなりヒマになっていたという。と、そんな状況を分析し、「こういう時だからこそ、会いに行ってやればきっとモテるだろう」などとバカな考えを起こすヤツもいたようで。

ある能天気な男が、そういったような考えでもって駕籠宿へ行って、「吉原に行ってほしい」と注文する。しかし、時刻はもう暮れ六つ(午後五時~七時ごろ)。状況が状況、こんな時間に駕籠を出すと、追剥ぎに捕まってしまうからやめたほうがいい、と店の人間は注文を受けようとしない。それでも、どーしても吉原に行きたい男は、まったく食い下がらない。さんざっぱら自論を展開した挙句、「駕籠賃も倍払うし酒手(※酒代)もはずむ」といって、説得を続ける。すると、その話を陰で聞いていた店で一番血気盛んな若い衆がやってきて……。

殺伐とした空気が漂っていたであろう時代の演目にも関わらず、とてつもなくバカバカしい話である。まず、命を懸けてまで女郎屋に行こうとする男、これがバカバカしい。女郎屋をキャバクラに置き換えると、そのバカバカしさがよく理解できるのではないかと思う。向こうだって商売でやっているんだから……いや、それを知ったうえで行くというのが、また粋だったりするのかもしれないが……そこまで無理して行く必要はないのである。ところが、それでも行こうとするんだから、男というのはなんともバカな生き物だよなと肩を叩きたくもなる。駕籠宿の主人が男の姿を見て思わず漏らす一言にも納得、そして爆笑せざるを得ない。

もう一つバカバカしいのは、この男の熱意にほだされた二人の若い衆である。ここに書くと、初めて耳にする楽しみが無くなってしまうので書かないが、まあ……とにかく下らない反応をする。これがとにかく面白い。笑わずにいられない。そこへ更に、追い打ちをかける一言が重なることで、より大きな笑へと繋がっていく。……ただ、この笑いのくだり、決して斬新なことを言っているわけではない。むしろ、ベタに近い。ただ、そのベタがあまりにも不意打ち過ぎて、思わず笑ってしまう。……じゃあ、ここで書いちゃいけないんじゃないか、という気もするが。書かずにいられぬ面白さ。是非とも、この一席だけでも聴いてもらいたい。

ちなみに、本作にはもう一席『代脈』という落語が収録されている。医師免許を必要としなかった時代に、医師が出来の悪い弟子に自分の代わりに患者の脈を取ってくるように命じる……というネタ。『蔵前駕籠』ほどではないが、こちらもなかなかの爆笑ネタである。特に、弟子が患者の元へと到着してからの言動は、とにもかくにも下らない……。
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菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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