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『春風亭一之輔 真打昇進記念』

春風亭一之輔 真打昇進記念春風亭一之輔 真打昇進記念
(2012/10/17)
春風亭一之輔

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2012年3月に真打となった落語家、春風亭一之輔の記念盤。

春風亭一之輔は2001年5月に五代目春風亭柳朝の総領弟子・春風亭一朝に入門、同年7月に“朝佐久”の名で前座となる。2004年11月には二つ目に昇進、名前を“一之輔”に改める。NHK新人演芸大賞落語部門大賞、文化庁芸術祭大衆芸能部門新人賞を受賞するなどの目覚ましい活躍ぶりから、実力のある二つ目として注目を集める。今回の真打昇進は、まさしく満を持してといったところだろう。

■「千秋楽口上」(2012年5月20日・国立演芸場)
鈴本演芸場、新宿末廣亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場、国立演芸場を股にかけて行われた50日間の真打披露興行の千秋楽での口上を収録。口上を述べているのは、春風亭勢朝(一門代表)、柳亭市馬(落語協会・副会長)、林家木久扇(落語協会・相談役)、春風亭一朝(師匠)の四名。単なる口上と侮るなかれ、それぞれの個性が滲み出ていて、実に面白い。中でも、こういう状況でも確実に笑いを獲ってやろうという、林家“ラーメン”木久扇師匠の芸人スピリット溢れる口上は必聴。

■『五人廻し』(2011年4月29日・築地本願寺ブディストホール)
花魁に待たされている五人の個性豊かな客らを、店の若い衆の視点で描いた廓噺。いわゆる大ネタとして知られており、実際、聴いた後の充実感はたまらないものがある。待たされている客の視点から若い衆の視点へと変わる瞬間などは、まるで映画のカットを観ているかのようだ。一之輔の『五人廻し』は、待たされている客をかなりバカバカしく強調して演じている。それはなんだか赤塚不二夫の『天才バカボン』に登場する、どっからどう見てもアタマがイカれている人たちを彷彿とする。ギャグ漫画的、とでもいうのだろうか。しかし、それでいて、基本からは決して外れない。噺の世界を絶妙なバランス感で保っている……が故に、そのバランスが崩れたときもまたたまらない。官吏のくだりなどは、大声で笑わせてもらった。サゲは“盲の小せん(初代柳家小せん)”が手掛けたもので、あまり他では聞いたことがない形式になっている。従来のものも好きだが、これはこれで味があってイイ。

■『あくび指南』(2011年8月3日・国立演芸場)
“あくび指南”の先生にあくびを教わりに行くマヌケと、それの付き添いを頼まれるマヌケの噺。“落語の中の落語”と称されることもあるネタ。……そうかなあ。そこまでのものかなあ。一之輔の『あくび指南』は、導入とサゲを従来とは違う形式にするという、なんとも意欲的なアレンジが加えられている。ただ、導入部分に関しては、一之輔オリジナルではないという。彼の著書によると、柳家喜多八から習ったらしい。この形式は初めて聴いたが、なるほど的を射ている。気が短い江戸っ子があくびを習いに行くなんて、このくらいの理由があった方がガッテンガッテンできるというものだ。ただ、サゲは宜しくない。これまた当人が著書で触れているように、オリジナルのオチありきのアレンジというのは良くない。とはいえ、あえてサゲを変えた理由も、分からなくもない。課題だなあ……。

■『百川』(2011年11月29日・国立演芸場)
老舗の懐石料理屋に方向へとやってきた田舎者の百兵衛の訛りに、イキのいい魚河岸の連中が翻弄される噺。先の『五人廻し』『あくび指南』に比べてアレンジの色合いが弱く、かなり原本に近い内容になっている。それなのに、これがべらぼうに面白い。まず、百兵衛のタダナラヌ田舎者っぷりがキョーレツだし、その百兵衛の発する耳慣れない訛りに慌てふためく面々のリアクションもたまらない。一之輔自身も解説で「おはなしとしてとてもよく出来た噺」と書いているが、本当に。まるでアンジャッシュのコントを見ているかのような、とてつもない“すれ違い”ぶりを展開している。やや分かりにくい名称もマクラで解説してくれているので、初心者でも安心して楽しめるだろう。ただ、行程がここまで面白いと、従来のサゲではなんだかつまらない。もっと現代的なサゲが必要なのではないかと思うのだが……師匠、どうですか?
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まとめ【『春風亭一之輔 真打】

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菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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