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『柳亭市馬の懐メロ人生50年』

柳亭市馬の懐メロ人生50年 (落語ファン倶楽部新書)柳亭市馬の懐メロ人生50年 (落語ファン倶楽部新書)
(2011/12/20)
柳亭 市馬

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お笑いについてなにかしらか書くということを、もう何年も続けている。理由はない。ただ、なんとなく始めた戯言を止める機会に恵まれなかっただけである。とはいえ、もしも誰かに「やめなさいっ」と助言を受けたところで、もはや私は笑いについて書くということを止めはしないだろう。それは既に、私にとっての日常であるからだ。

しかし時に、芸人としての経験も無い私がお笑いについて書くという行為に、疑問を感じることもある。「笑い」を本気で創作している人間に、半可通の私が敵うわけがない。いや、比較するのも、おこがましい。だが、こうも思う。「笑い」を観る側としての姿勢を極められれば、演者に近い視点を獲得することが出来るのではないか、と。画して、私は芸人でもないくせに、面白くもないくせに、お笑いについてなにかしらか書き続けている。とどのつまり、ガタガタ文句を言いたいんなら手前も一緒に眼を極めてみやがれ馬鹿野郎、ということだ。偉そうだね、どうも。

『柳亭市馬の懐メロ人生50年』の著者、柳亭市馬は落語家である。落語家であるにも関わらず“懐メロ人生50年”とは、どういうことなのか。実は、市馬師匠は落語界きっての美声の持ち主として知られており、懐メロの造詣もとんでもなく深い。その実力は、生前の立川談志が「仲々いける」と褒めるほど。とはいえ、市馬師匠の本業は落語家だ。それなのに、落語家として落語について語るのではなく、まったくジャンル違いの懐メロについて書こうだなんて、なんとおこがましいことをするのだろうか……と、思う人もいるかもしれない。

でも、本書を読んでみれば、そんな邪念はブワーッと吹き飛んでしまうに違いない。とにかく文章から、懐メロに対する熱過ぎる感情がダダ漏れている。無論、その愛情の背景には、愛するが故に知り得ただろう圧倒的な情報が存在しているのだが、それも全て懐メロに対する愛を示すための材料に過ぎない。そこには愛、ただただ愛だけがあるのである。購読すれば、さほど懐メロに興味が無かろうとも、ちょっと聴いてみようかしらんという気持ちにさせられるに違いない。少なくとも、三波春夫を“「世界の国からこんにちは」「お客様は神様です」の人”として片付けることは、もう出来ない筈だ。

本書の存在は、門外漢にも熱い思いがあれば、これだけのモノが発表できるのだという好例……といって〆ようと思ったのだが、実は市馬師匠は社団法人日本歌手協会の会員、つまりプロの歌手としても活動していたりする。もはや門外漢を通し越して、自らが愛する世界そのものに入り込んでしまったのである。

この領域まで、行けるかな。
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プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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