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「THE MANZAI 2012」感想文

■概要
“1980年代に漫才ブームを巻き起こしたバラエティ番組「THE MANZAI」を復活する”というテーマの元に開催された「THE MANZAI 2011」に続く、第二回大会。なお、決勝戦の模様が放送される日が総選挙とぶつかり合ったため、それに伴う特番によって放送日の延期・中止なども憂慮されたが、総選挙特番前に放送することで回避、予定通りに決勝戦が開催された。

■予選内容
2012年6月13日~7月19日まで、全国五地区(東京・札幌・大阪・名古屋・福岡)にて一回戦を行い、8月7日~24日まで大阪・東京にて二回戦を行う。二回戦の予選参加者から、10月6日~11月25日までに大阪・東京・京都にて行われる本戦サーキット(全5回)に出場できる50組の“認定漫才師”を選抜する。本戦サーキットは五人の審査員による100点満点方式で審査、その順位がポイントに反映される。認定漫才師はこの本戦サーキットに二度出場し、審査を受けなくてはならない。その結果、選ばれた上位11組が決勝戦に進出、12位以下の10組によるワイルドカード決定戦で、残る12番目の決勝進出者を決定する。

■開催期間
2012年6月13日(予選一回戦)~12月16日(決勝戦)

■司会
ナインティナイン
高島彩(フリーアナウンサー)
佐野瑞樹(フジテレビアナウンサー)

■審査員
西川きよし
秋元康
テリー伊藤
オール巨人(オール阪神・巨人)
ラサール石井(コント赤信号)
大竹まこと(シティボーイズ)
木村祐一
天野ひろゆき(キャイ~ン)
鈴木おさむ
+国民ワラテン【視聴者投票】

■歴代大会
「THE MANZAI 2011」批評

【グループA】
■テンダラー【94年結成/予選11位】
『仁義なき戦い』。テンダラーっていうと、未だに「すいますいません」の印象が強いんですよ僕は。『爆笑オンエアバトル』でやってた、忍者屋敷のコント。あれが凄く面白くて……だから、漫才師として評価されてる彼らを見ると、まだちょっと不思議な感じがします。でも、今のテンダラーは完全に漫才師のオーラが出てる。コントから漫才へ。この切り替えって、実は凄く難しいんですよ。漫才もコントもやってる芸人さんって、器用なんだけれど、どちらにもなりきれていないっていう雰囲気が漂ってたりするから。でも、今のテンダラーは完全に漫才師。凄いよなあ。それで、今回僕はちょっと彼らに期待していたんですよ。「すいますいません」みたいなネタをやってくれるんじゃないかなって。今のテンダラーって、完全に『必殺仕事人』のイメージが浸透しているじゃないですか。そのイメージを逆に利用してくれるんじゃないかなあ……って。だから、今回のネタが『必殺仕事人』と同じ系統のネタだって分かった時は、ちょっと残念でした。ただ、じゃあ面白くなかったのかっていうと、バツグンに面白かったですよ。最初のトップバッターのくだりから下ネタまでの流れで上手く客の緊張をほぐして、ちゃんと自分たちのネタが笑える空気に持っていった。……多分、一番手ということで、優勝を狙えるようなネタよりも目の前のお客さんが何も考えずに楽しめるネタをチョイスしたんじゃないかな、と思います。ただ、個人的には、やっぱりここがもうちょっと賞レースへ絡んでもらいたかったですね。来年はどうなるんだろう?

■ウーマンラッシュアワー【08年結成/予選6位】
『八つ当たり』。ウーマンラッシュアワーといえば、僕にとってはまだ島田紳助の猛プッシュなんですよね(笑) 勿論、彼らの代表作である『バイトリーダー』はすっごく面白いネタなんですけど、なんかビミョーにハマらないんです。記憶にズバッと収まらないっていうか。凄い才能のあるコンビとは思うので、いつかハマってくれるんじゃないかと期待はしているんですけど。……僕は何様なんでしょうかね(笑) で、今回のネタ。面白かったです。でも、それだけ。やっぱり記憶に残んない。村本さんのクズなところが……クズなところって凄い言い方だな……反映された漫才で、以前よりも身の丈にあったネタになっているとは思ったんですけど、これならまだ『バイトリーダー』の方が面白いかなあ……って、また辛辣なこと言ってますけど。そもそも、前半のネタが後半のフリになってるネタって、あんま好きじゃないんですよ。だって、それって、漫才の面白さっていうより台本の面白さじゃないですか。それはコントでいいじゃないって思うんですよ。……あくまで僕は、ですよ? もう一回言いますけど、面白かったです。面白かったですよ。でも、僕はこれじゃ、満足できません。もっと欲しい。もっと欲しいし、もっと出来るはず。来年、進化してるといいなあ。

■ハマカーン【00年結成/予選5位】
『お互いへの不満』。ハマカーンに関しては……本当に期待してなくてですね。もう絶対ムリだろう、と。ハナから決めつけてましたね。というのは、やっぱり最近やってた「ゲスの極み」スタイルは、そうそう捨てられないだろうなって思ってましたから。だから、今大会ではきっと、「ゲスの極み」スタイルの延長線上にあるような漫才だろうから、そこまでハジけることはないだろうな……と。告白します。もうね、ハマカーンの漫才が始まる直前まで、僕はオジンオズボーンしか期待してませんでした。はっきり言うと、ナメてました。彼らのことを。でも、蓋を開けてみて……ビックリしましたね。「お前女子じゃねーだろー!」で、早々に首根っこ引っ掴まれました。あ、違うぞ、これなんか違うぞって。神田さんが完全に女子の立場になって、男子の代表たる浜谷さんとぶつかり合うって……。感動しました。ハマカーンって、そもそもはアンタッチャブルのフォロワーみたいな漫才やってたんですよ。オーソドックスな漫才コント。だから、むしろネタのセンスとか、そういうので戦ってきたコンビだったんです。それが「ゲスの極み」になって、でも、それからもやっぱりワードセンスを意識した漫才だったんですよね。それが、もう完全に二人の立場を逆にして、それぞれの立場からぶつかり合って、たまに浜谷さんが激昂して正気に戻ったりして……この漫才に、よく到達できたなあと。正直、まだまだ練り上げられるスタイルだと思います。まだ完璧じゃない。でも、この漫才をしている十年後二十年後の彼らが見えるんですよね。『爆笑オンエアバトル』で初めて観てから、もうすぐ十年になりますが、多分ハマカーンに初めて感動しました! 素晴らしかった!

追記:思い出話に花を咲かせ過ぎたので、もうちょっと藝について。この漫才が秀逸なのは、女子っぽいスタンスの神田さんと浜谷さんが抗争を繰り広げるだけで終わらせずに、途中から浜谷さんが激昂から正気に戻る場面を加えていってるところなんですよ。彼らは既に「下衆の極み」漫才が知られていたから、浜谷さんが激昂しやすいキャラクターだっていうことは周知のものになっていますよね。その意識を逆手に取って、絶妙なタイミングで激昂を自主的に止めさせちゃう……これはかなりインパクトがありました。この要素を加えることで、神田さんの女子っぽいところに浜谷さんが切り込もうとする漫才のフォーマットに、アクセントがつく。これが非常に効果的でしたね。あと、今更ですけど、二人の顔がいい! 神田さんのやたらと多い瞬きなんか、もうたまりませんでしたね。

■オジンオズボーン【99年結成/予選2位】
『アイドル戦国時代』。さっきのハマカーンでやたらと感動推ししちゃいましたけど、オジンオズボーンに関しては、もう決勝戦に上がってきただけで大感動なんですよね。なにせ、売れなかった。実力はあったんですよ、昔から。軽いながらも技術力が高くて、『爆笑オンエアバトル』に出ていた当時は、勝手に「松竹芸能のポスト・キングコング」と呼んでました(笑) でも、キングコングと違って、全然売れなかった。事務所は何やってんだって思いましたよ、ホント。TBSのコント番組レギュラーを勝ち取ったこともありましたけど、すぐ番組終わっちゃって。篠宮さんに関しては、『エンタの神様』でヘンテコなキャラクターやらされたりして。だから、もう感無量ですよ。彼らを知っている人間としては。……思い入れの強いコンビが続くなあ、どうも。しっかし、しばらく観ないうちに変わったなあ……昔はちゃんとした漫才コントやってたのに、どうしてこうなったんだ(笑) 高松さんの話を篠宮さんが延々と下らないギャグで邪魔していくスタイルで、ちょっとナイツに似てるかも。ただ、Twitterではオードリーに似てると言っている人もいた。そして、今になってみると、Hi-Hiみたいでもある。色んなタイプの漫才を研究した上で、アレに到達したのかもしれませんね。面白かったんだけど、まだちょっと洗練されてない感じがしました。もっと面白くなるような気がします。アレは。もしかしたら、二本目に準備していたのかも。いずれにせよ、来年が凄く楽しみになる漫才だったと思います。これからの一年で、多分色んなバラエティ番組で鍛えられると思うんで。今から、M-1グランプリ2004のアンタッチャブルみたいな活躍を予感しています。

追記:こちらも藝について少し。オジンオズボーンの漫才における問題点は、篠宮さんの下らないギャグは観続けていないと楽しめないところじゃないかな、と。あれって、下らなさが蓄積・浸透していくことで大きな笑いに繋がっていってるんだと思うんですけど、そういうのって、テレビを通してだとけっこう厳しいんですよね。ながら見することが多いから。だから、片手間に見ていると、なんか下らないことをやってるなっていう印象だけで終わっちゃう。それをクリアしたのが、ナイツの『ヤホー漫才』なんじゃないかと。『ヤホー漫才』は導入も分かりやすいから、頭から入りやすいんですよね。ただ、それをオジンオズボーンがやると、完全に二番煎じになるし、追随するほど似ているわけでもないし。課題……ですよね。

◆結果
ワラテンの結果はオジンオズボーン。審査員は、西川がテンダラー、秋元・テリー・巨人がウーマンラッシュアワー、ラサール・大竹・木村・天野がハマカーン、鈴木がオジンオズボーンに投票。四票を獲得したハマカーンが最終決戦に進出する。

【グループB】
■トレンディエンジェル【04年結成/予選10位】
『ノーベル賞』。彼らには、とてつもなくハードルの低い漫才をするコンビというイメージがあります。先日の『爆笑オンエアバトル』でも、かなり面白い漫才をやってましたよね。もう、どんなネタでも、とにかくハゲネタを放り込んでくる安心感。『M-1グランプリ』の影響なのか、とにかくお笑い賞レースで評価されるようなセンス溢れる漫才を披露しようとする若手漫才師たちの中にあって、ここまで真っ直ぐに笑わせようとする漫才は逆に稀少ではないかと。ただ、今回のネタは、ちょっと息切れしていたような。『ノーベル賞』というテーマを掘り下げ切れずに、後半はギャグを連発してウケを取るも、テーマからは完全に逸脱した状態になっていました。これが自然に出来ていれば問題無かったんですが、半ば強引に……芸人人生を賭けた賞レースの決勝進出ということで、ちょっと気合が入り過ぎていたのかもしれません。でも、普段はもっとずっと面白い漫才をしているコンビなので、来年の活躍に期待したいですね。

■NON STYLE【予選9位/00年結成】
『旅立つ友との別れ』。ここもハマカーンと同様、ぶっちゃけナメてましたねえ。ええ。まあ、トレンディエンジェルからの流れで、ウケることはウケるだろうとは思っていましたけど。それでも、後に続く磁石……は分からないにしても、ここ三組が票の取り合いをして最終的に千鳥が持って行く結果に成るんじゃないかな、と思っていました。蓋を開ければ、見事に持ってってましたね。いつも通りのキレのある漫才コント……にしては、展開がまったく先に進まないなーっと思っていたら、まさかの「ボケ多いわ!」というメタツッコミ! 既存の漫才コントが一般に浸透しているからこそ成立する漫才ですよね。また、それらボケの多さにまったく違和感を覚えさせない、石田さんのボケのバリエーションとスピードの凄まじさ! それらのボケをばったばったとツッコんでいく、井上さんのツッコミの切れ味! えげつなかったです。えげつないほどの笑いの量でした。そりゃワラテン投票も最高得点を叩き出すわ。M-1チャンピオンの迫力を見事に見せつけてくれました。千鳥がいなかったら、間違いなく最終決戦行ってたでしょうね。下手すれば優勝してたかも。うーん、恐ろしい……。

■磁石【予選4位/00年結成】
『人にぶつかった時の練習』。磁石は……ずっと評価され続けてるんですよね。とにかく面白いコンビです。僕が初めて磁石の漫才を観たのは2002年ごろだったんですけど、それからずーっと面白い漫才師なんですよね。磁石って。でも、それから評価があんまり変わってないんですよね。ずっと“面白い漫才師”のまま。センスはあるし、実力もあるし……でも、なんか突き抜けないというか。今でも彼らの漫才というと、思い出すのは『床屋』っていうネタなんです。『爆笑オンエアバトル』でやってた、ちょっと捻った漫才コントで……それからずっと、色んなネタをやっているところを観てますけど、あの衝撃を超えてないですねえ。今回のネタも、インパクトという意味ではそんなにですよ。そんなに。でも、熱量の高さが凄かったですね、今回は。力強いというか、骨太というか。今までの磁石の漫才ではあんまり感じなかった熱さ、まあ事前に流れたVTRの影響もあるのかもしれませんけど、彼らにしてはかなり熱い漫才でしたね。ボケの密度も高くて、それに対するツッコミも常に適切で。あの激しいやり取りの流れで「チンチラ」のボケをそのまま受け入れちゃうところなんか、何気に凄いですよ。名選手同士の柔道の試合を観てるような……。ただ、やっぱり佐々木さんが「ブスは待つ!」って断言しちゃうくだりね。あれが良かった。磁石ってセンスの良さばかりが前に出過ぎて、そういう人間としての側面をあんまり見せなかったコンビなので、ああいう心からの言葉というか(笑) あれを世間に出せたのは、けっこう大きかったんじゃないかと思います。今年はまた予選敗退でしたけど、来年ハネるんじゃないですかね。もしかしたら。

■千鳥【予選1位/00年結成】
『タクシー』。千鳥というと、やっぱり昨年の『THE MANZAI 2011』……ではなくて、『M-1グランプリ』で最下位になり続けていた時代の印象が強いですね。要するに、去年の活躍が自分の中で処理できていないということなんですが(笑) だから、今年の本戦サーキットで予選1位だったって聞いたときも、意外でしかなかったですね。考えてもみれば、同じく決勝戦に進出していたナイツは出場を辞退していますし、Hi-Hiはやっぱり一度発見されてしまったこともあってか予選敗退していたんで、ここが優勝候補になるのは必然的……なんですけど、千鳥って優勝候補とかそういうコピーがまったく似合わないですよね。多分、芸風が一筋縄じゃないからだと思うんですが。それにしても、今回の漫才は面白かったですね。とにかくワードセンスが凄いのなんの。「後部座席に山芋」「運転手のヨダレダコ」「着きました、ブルーベリー畑です」は、なかなか出ませんよ。また、そのワードを使うところが上手い! 運転手の超下品で超下世話なトークの後に、ちょっとオシャレな雰囲気も漂っている「ブルーベリー畑」を持ってくる、この上手さ! ありとあらゆるセンスを売りにした漫才を死滅させそうな、実に恐ろしいセンスのカタマリな漫才でした。「ここでロードスターの底力見せんな!」のタイミング……あー、くっだらねーっ!

◆結果
ワラテンの結果はNON STYLE。審査員は、秋元・巨人・大竹がNON STYLEに、西川・テリー・石井・木村・天野・鈴木が千鳥に投票。六票を獲得した千鳥が最終決戦に進出する。……見事に結果が二分したなあ。まさに“死のブロック”!

【グループC】
■スーパーマラドーナ【予選8位/08年再結成】
『これまでとこれから』。スーパーマラドーナはですねえ……僕はあんまり評価してないんですよ。『爆笑オンエアバトル』にも、彼ら何回か出ていて、漫才も観たことはあるんですけど……なんかこう、爆発力に欠けるんですよね。安心して楽しめるんだけど、それ以上のモノは望めないというか……。ただ、今回のネタは、ちょっと感動しちゃいましたね。こういう場に、お笑いコンビの歴史をテーマにした漫才を持ってくるっていう、そのスタンスがステキだなあって。「イタズラ電話がかかってくる」っていうくだりも、生々しくて良かったですねえ。内容も、彼ららしさを散りばめていて、ちゃんとスーパーマラドーナっていうコンビをアピールしていて。漫才としてはかなりオーソドックスで、とても優勝できるようなインパクトのあるネタではありませんでしたけど、良かったと思います。身の丈にあった戦い方をしていたのではないかと。

■アルコ&ピース【予選7位/06年結成】
『忍者になって巻物を取りに行きたい』。決勝戦の前は、スーパーマラドーナが華麗にスルーされて、ここがちょっと空気を乱して、でも最終的に笑い飯が空気を支配してしまう……という展開を予想していたんで、まさかこういうことになるとは。まあ、ネタ自体は、そこまで意外性のあるものじゃないんですよ。こういう、漫才コントを始めようとしたら、相方がそれを真に受けちゃうっていう……それこそ、銀シャリがまったく同じ設定の漫才をやってますし、もっとえぐったのをジャルジャルがM-1でやってますから。ただ、熱量というか、演技力がモノを言わせましたね。ネタとしてやっているとは思えない迫力があって、それが勢いに拍車をかけた。事前VTRが芸人として追い込まれている彼らの現状を描いたものだったこと(平子の必死さに説得力が増した)、先にNON STYLEがメタなコンセプトの漫才を披露していたこと(メタ漫才への態勢が整っていた)なども、大きかったんじゃないですかな、と。勿論、「忍者になって巻物を取りに行きたい」っていう言い回しの面白さね。ラストのバカにしてる感も最高。ただ、やっぱりアウトローですな、こういう漫才は。

■笑い飯【予選3位/00年結成】
『桃太郎の歌』。本戦サーキットではかなりの活躍を見せていたと聞いていたので、かなり期待していたんですけど……先のアルコ&ピースの熱気にまんまと飲まれてしまった結果になりましたね。そもそも、世界観を浸透させていくタイプのコンビなので、場の空気をああもかき乱されては仕方がない気もします。でも、後で個別に確認したら分かると思いますけど、これとんでもないネタですよ。初っ端からエンジン全開のボケで、その後どんどん壊滅的になっていく様はもはや前衛芸術といっても過言ではないかもしれません。しかも、何が恐ろしいって、そんな凄いことをやっていると気付かせない。笑い飯って、よく千鳥と一緒くたにされているイメージがあるんですけど、今回の大会で、千鳥よりもずっとキチ○イなコンビだということがよーく分かりましたね。ただ、今回に関しては、もっと白熱のやり取りで見せるタイプの漫才の方が良かったのかもしれません。なにせ、アルコ&ピースの熱量が凄過ぎた。……ある意味、さっきのNON STYLE・千鳥とは対照的な結果になったといえるのかな(メタ漫才vsセンス漫才、という意味で)

※ここでワイルドカード(敗者復活戦の勝者)が発表。敗者復活戦に参加したのは「チーモンチョーチュウ」「エルシャラカーニ」「囲碁将棋」「エレファントジョン」「ウエストランド」「スパローズ」「Hi-Hi」「中川家」「ロザン」の九組。その中からエルシャラカーニが選出され、【グループC】の最後の一枠に飛び込んだ。……昨年大会でも、このタイミングでのワイルドカード発表に疑問を抱いたのだが、今回もやはり違和感を覚えた。遅過ぎるんだよなあ……なんだか。

■エルシャラカーニ【予選13位/94年結成】
『怪談の話』。エルシャラカーニの漫才、これもまた苦手なんだよなあ(笑) 面白いっていう人がいっぱいいるけど、個人的にはちょっとゴチャゴチャし過ぎている印象があって。「これ……ハマったら面白いのかなあ?」って、ずっと思ってた。つまり、ずっとハマんなかった。玉本さんの話の拙さを売りにしているのは分かったけれど、理解した上でも、あまりに拙過ぎて分からなかった。でも、今回の彼らの漫才は、理解出来たなあ。ちゃんと面白かった。冒頭は相変わらずくっちゃくちゃだったけど、怪談話が始まったあたりからの混沌ぶりはなかなか……人数にどうして車二台を含めるのか……(笑) 人数がゴチャゴチャし始めるあたりからの脱線ぶりなんか、たまらないものがありました。多分、これまでに見たエルシャラカーニの漫才の中では、一番分かったネタでした……けど、やっぱりアルコ&ピースからの流れの後だと、ちょっと普通に見えてしまうんですよね。ネタとしてはちゃんとしたカタチになってきたのに、それが今回に限ってはマイナスになってしまうという不可思議な現象が起きてました。いやー……なんなんでしょうかね、これは。とりあえずエルシャラカーニは悪くなかった。悪いのは……多分、アルコ&ピースです(笑)

◆結果
ワラテンの結果は笑い飯。審査員は、なんと満票一致でアルコ&ピースが最終決戦に進出する。オーソドックスのスーパーマラドーナ、キ○ガイの笑い飯、混沌のエルシャラカーニを、典型的な漫才コントを全て過去にしてしまったアルコ&ピースが勝利! ある意味、歴史的な瞬間だったといえるのかもしれません。

ファイナルラウンドは抽選の結果、一番手にハマカーン、二番手に千鳥、三番手にアルコ&ピースという出演順。まさかのアルコ&ピースが大トリを飾ることになって、ちょっとだけテンションが上がる。どんなムチャクチャな漫才をやろうとも、面白いオチになるだろうと……。

【ファイナルラウンド】
■ハマカーン【グループA通過】
『興味を惹く話題』。興味を惹く話題を提供しろと浜谷さんに言われるも、どうしても女性的な話題ばかりを提出してしまう神田さん。聞いたところによると、彼らは本番前にネタの順番を入れ替えたのだという。言われてみると、確かに。こちらのネタの方が、浜谷さんがお馴染みのフレーズを口にするくだりなどを入れていて、近年のハマカーンの漫才を知っている人には分かりやすい。ただ、あくまでも一つの漫才として面白い一本目の方がインパクトはあるし、完成度も高い。それから二本目を見ると、そこにお馴染みのフレーズが加わることで、より充実した印象を与えられる。意図的な作戦ではなかったらしいが、実に正しい選択だったといえるだろう。ただ、それを抜きにしても、この漫才は素晴らしかった。何が素晴らしいって、「セボン」からの「ハーブティー」のくだりが秀逸だ。これ以前の「クリケット」「訪問販売」「リップクリーム」などのくだりも実に良かったが、「お前が尿として全部出ちゃう」という神田さんの毒舌が発端となったやりとりが最高に面白かった!

■千鳥【グループB通過】
『大人電話相談室』。大悟が開設した“大人電話相談室”に、ノブが「すね毛が濃い」という悩みを相談、解決してもらおうとするが……。ボケのセンスと下衆なキャラクターで観客を魅了した一本目に対し、二本目は大悟の狂気じみたキャラクターに手も足も出ないまま飲み込まれていくノブの転落ぶりを描く。とにかく、ノブが止まらない。どこまでも大悟(もとい、大悟演じる“菊華シモン”)のムチャな提案に乗っかっていく。それでも、やがて状況は限界ギリギリのラインに到達し、そして……「わしゃ、すね毛が濃いいんじゃい!!!」と、ツッコミという名のエクスタシーに達する。このツッコミに、この漫才の全てが集約されているといっても過言ではない。とはいえ、そこに至るまでのプロセスが整っていなければ、このエクスタシーには辿り着けない。そのことを踏まえた上で、改めて確認してみると……「ストッキング履いちゃお?」に始まり、「スカート履いちゃお?」「エステに飛び込んじゃえ」「呑みに行くよ!」「しゃがんで泣いちゃえ泣いちゃえ!」……ぶっ飛んでいるようでいて、実はオネエになるためのプロセスを堅実に歩んでいるのである。……歩んでいるのか? しかし、そのプロセスには妙な説得力があり、だからこそノブのツッコミが最高に面白い。そして、全てを締めくくる「お前アホかい!」「うん!」のやりとり。この圧倒的なバカバカしさ! 千鳥らしさを存分に見せつけた。

■アルコ&ピース【グループC通過】
『パイロット』。パイロットになりたいという酒井さんは、相方の平子さんに副操縦士になるように願い出るのだが……。一本目と同様、平子が酒井の漫才コントのフリを真に受けてしまうスタイルの漫才。但し、一本目の『忍者になって巻物を取りに行く』に比べてシチュエーションに幾らかのリアリティがあるためか、中盤からの展開が大きく違っている。先程は酒井さんを止めた平子さんが、今回はその背中を押す立場になるのである。そこから更に状況はバカバカしくなっていく。パイロットになる決意表明をさせられるも断固拒否する酒井さん、アルコ&ピースを飛行機に例えて表現する平子さん、アルコ&ピースのパイロットとして挨拶をする酒井さん……その姿は、どっからどう見てもダサい! しかし、その意図的なダサさは、むしろそういった安直なお涙頂戴に対するアンチテーゼとしての意味合いも含んでいる。そのバカバカしさを堪能しつつも漫才としては些か物足りなさを覚えたが、そこに含まれているメッセージについては、もう何度も何度も噛み締めたくなる……そんな漫才だった。

◆結果
ワラテン結果は千鳥。審査員は、秋元がアルコ&ピースに、残り全員がハマカーンに投票した。よって、ハマカーンが「THE MANZAI 2012」優勝者に決定!

■総評

来年も、宜しくお願いしまーす。
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感想の書き方、変えたんですね
正直言えば前の評論家口調の方が好きだったんですが…
また更新期待してます

表現が適切かどうかわかりませんが
久しぶりにNONSTYLEの本気を見た気がして ゾワッとしました

No title

>ワライロさん
どうも調子が上がらなくてですねえ。
ぶっちゃけると「それ、もう他の人がやってるしなー」とw
おかげで(?)大した記事にはならないと思いますが、どうぞよしなに。

>エミタスさん
この時のNON STYLEは本当に凄かったですね。
このコンビこそ“漫才の天才児”といえるのではないかと。
…“児”がポイントですw

続き楽しみにしてます。

No title

有難う御座います!
どうぞ、最後までお付き合いください。

アルコ&ピースは前からファンなので、あのネタも見た事があるのですが、平子さんの気迫が違い過ぎてすごいと思いました。まぁ2本目は想像通りですが(笑)個人的には磁石に本当に感動して、今年も何回かライブで見ていたのですが、前と違い熱いなぁと思ったら、そういう事情があったのかと思うとスゴーイ感動しました。来年は売れてほしいです

No title

むしろ二本目こそが、正しい姿の様なところはありましたね。
いやー、あの勢いのままファイナルラウンド行ってもらいたかったですが。
…おのれ、テリーめ。
磁石はホント、売れてほしいですねえ。
先日、単独ライブ『レインボー』観たんですけど、凄い面白かったです。
ありゃ、ポストさまぁ~ずなんかしらん…。

確かにそうですね。アルコ&ピースの2本目の感じ、私は好きなんですが、デリーさんにハードルあげられちゃった感がありますね(苦笑)私は二人のコントの方がむしろ好きなので、今は太田プロはコントはトップリード、アルコ&ピースは漫才になってますが、是非来年はキングオブコントも決勝いってほしいです。ライブでの時々見せる酒井さんを馬鹿にした感じの平子さんの狂気が出ればすごい面白いと思うのですが。
磁石がポストさまーず。いいですね。基本的にすごくお笑いに真面目なお二人なので、ながーく続けて、じわぁーと売れて欲しいです

No title

ハマカーンはすごかったですね
たったの1年でボケツッコミを逆転させて間に合うとは
神田さんをボケにした漫才ってテレビじゃ今回が初めてですよね?

一番僕の個人的ワラテンが高かったのは磁石でした
1個1個のボケツッコミのやりとりはとても面白いのに全体で見て比べると勝てないのは今年で終わってほしいですね

アルコ&ピースの決勝での漫才はオンバト+で353でこけてるんですよね
空気を味方につけないと後半ただただ笑いどころがないネタに映ってしまいそうだからしかたないかな?と思っちゃいました それをさしおいてもテリーめ

No title

>冷やかしさん
コントのアルコ&ピースは、もうちょっと成長してほしいなーっという気持ちで見ています。面白いんだけど、ちょっと二人がヒネクレモノだということが前提になっている感があるので。でも、いずれキングオブコント決勝で見たいコンビですねえ。『内村プロデュース』みたいな、ベテランが若手を引っ張るタイプの番組があれば、磁石はハネそうな気がするんですけどね。どっかできっかけを掴んでほしい…。あ、ちなみに、無記名でコメントを書きこむと“冷やかし”と表示される設定にしてみました。悪意は無いです。

>どらさん
ハマカーンのボケツッコミが入れ替わった漫才をテレビで観たのは、少なくとも僕は初めてでした。だから、いつものアレが始まると思ってた人、少なくないんじゃないですかね。それにつけてもテリーめ。

ご丁寧に冷やかしの理由を説明してくださりありがとうございます。コメントを返して頂き嬉しいです。いつも、楽しく読ませて頂いているので、またコメントする時は冷やかしになっちゃいますが、よろしくお願いいたします。
アルコ&ピースについて、二人がひねくれている前提というより、平子さんがひねくれているキャラとして見てましたが、確かにひねくれるなら、もっとひねくれてもいいかもしれませんし、何か突き抜きてくれるといいですね。内Pは大好きな番組でした。磁石面白そう。以外に二人とも一発ギャグとか、大喜利いけるので、いいかもです。内P復活しないかなぁ
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

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