スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『とりから往復書簡1』(とり・みき/唐沢なをき)

とりから往復書簡 (1) (リュウコミックス) (リュウコミックス)とりから往復書簡 (1) (リュウコミックス) (リュウコミックス)
(2008/08/20)
とり みき唐沢 なをき

商品詳細を見る

 エッセイ漫画は良い。誰がなんと言おうと、良いのである。そこには、漫画家の私生活を覗き見できる楽しさがある。が、それよりも、特にストーリーが無いというのが良い。実に良い。ドラマチックなことがあるわけでもなく、飛びぬけて驚くべき事件が起こるわけでもなく、基本的には平々坦々な日常が過ぎて行くだけ……という、緩やかさが良いのだ。うん。

『とりから往復書簡』も、そういった非ドラマチックなエッセイ漫画の一つだ。ただ、本作には他のエッセイ漫画とは一線を画す要素が含まれている。筆者が、二人いるのである。一人は、『遠くへいきたい』などのギャグ漫画作品で有名な、とり・みき。もう一人は、『カスミ伝』などのギャグ漫画作品で有名な、唐沢なをき。二人のギャグ漫画家が、互いの気になるトコロを漫画で質疑、漫画で応答した作品。それが、本作なのである。

 本作の様に往復書簡スタイルで連載される漫画は珍しい。少なくとも僕は、他にこういう形式で描かれている漫画を見たことがない。見たことがないだけで、実在するかもしれないけれど。でも、帯にも史上初とかなんとか書いてあるし。たぶん、史上初なんだろう。実際に原稿も往復書簡形式に取っているらしく、先の質疑部分を描く方がネームを仕上げないと、後の回答部分を描く方のネームがキリキリマイ(キシモトマイではない)になるらしい。大変だ。

 そんな独創的(というか、面倒臭いから誰もやらなかっただけか?)な形式の本作だが、作品の内容もまた、ギャグ漫画界の名人と呼ばれる二人によるエッセイ漫画なので、いわゆる典型的なエッセイ漫画よりもギャグ的表現がやたらと濃厚で独創的(オタク的?)だ。とり・みきの仕事場には原田知世が大量にいたり、唐沢なをきの仕事場では女性アシスタントがドレスを着て「おほほ」と笑いながらトーンを貼っていたり。随所に妄想的要素が組み込まれている。うひゃあ。

 とはいえ、基本はあくまでもエッセイ漫画なので、ネタの内容は実生活をモチーフにしたものが殆ど。特に後半は「サイン」「文房具」「記憶力」など、漫画家ならではの話が続いていた印象がある(「記憶力」は違うか)。漫画家仲間で日本なんたらデザイン会議とかいうのに行った話みたいに、イレギュラーな回なんかもあったりして……総評を単刀直入に書くと、かなり面白かった! 早く次が出ないかなあ(単行本一冊に一年三ヶ月分収録されている模様)。

 それにしても、この往復書簡スタイル。なかなか面白い。他の漫画家同士でやってみても、ひょっとしたら面白いのではないだろうか。例えば、しりあがり寿と吉田戦車とか、黒田硫黄と榎本俊二とか、桜玉吉といましろたかしとか……最後のは凄いことになりそうだ。どっかの雑誌がやってくんないかなあ。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

検索フォーム
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
月別アーカイブ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。