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『鬱ごはん 第1巻』(施川ユウキ)

鬱ごはん(1) (ヤングチャンピオン烈コミックス)鬱ごはん(1) (ヤングチャンピオン烈コミックス)
(2013/04/19)
施川ユウキ

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死ねないという絶望の淵、それでも行かねばならぬという心情など持ち合せずに、ただただだらだら生きていくだけのまるで絶望に向かうカウントダウン刻んでいるように過ぎていく日常。死なないために生きるために食べなくてはならない生命の運命、間抜けなことに腹が減る、されどその習慣からは逃げ出せぬ。

就職浪人の主人公が先の見えない人生を過ごすために陰鬱な食生活を描いた本作は、“平凡な日常”からもドロップアウトしてしまった悲劇というほどでもない悲劇に涙するための涙もなく、ただただ無慈悲に消費されていく食事を描いている。とはいえ、飽食の時代と呼ばれる昨今における多くの食事がそうであるように、主人公もまたそこに娯楽性を見出そうとするが、もがけばもがくほど飲み込んでいく底なし沼の様に、すればするほど惨めになっていく様はもはや滑稽を通り越して痛々しい。他人にもがいている様を見られないように誤魔化そうとして、更に更に痛々しくなっていくのがまた痛々しい。でも、それが妙に笑える。恐らく、このどうしようもない主人公の行動に、何処か共感してしまうところがあるからだろう。完璧な人間なんていない。ふとした思いつきで図に乗って失敗してしまったという経験は、誰もが持っている筈だ。例えば、大晦日に年越しそば用のカップめんを買ったときに、ふと目に留まったフランクフルトを見て、

(ポトフ風年越しそば……アリかもな)


などと思ってしまうことは……無いか?

中でも強烈なエピソードが第10話『外道』。賞味期限がとっくに切れてしまった缶詰めやジュースの数々をどうやって処分すればいいのか考えあぐねた主人公が、よりにもよって水洗トイレに流すことにしてしまう。洋式トイレの底にべっとりと沈み込んだコーンスープを見た主人公が一言「吐瀉物にしか見えない」などとモノローグで語る場面には、ある種のホラー映画の様な薄気味悪さが伺える。しかし、食べられる料理があれば捨てられる料理があるというのは世の常、これもまた一つの現実といえるのだ。

昨今、『孤独のグルメ』『めしばな刑事 タチバナ』『たべるダケ』など、数々の娯楽食事漫画をドラマ化しているテレビ東京は、次にこの作品を実写化して、このブームを奈落の底に落っことしてしまえばいいのではないかと思う。そして最終回では、第1話の最後のこの台詞を叩きつけてくれればいいんじゃないか。

「いつか死ぬその日まで飯を食べ続けなくてはいけないと思うと少しウンザリした」


第2巻が楽しみである。
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非公開コメント

仮に実写化されるとして、鬱野くんは誰がやるとしっくりきますかねえ。
妖精はなんとなーくコヤブさんに声を当ててもらいたいです。

・・・やったところで苦情しか来なさそうだw

就職浪人ですから、ちょっと若い人ですよね。やるとしたら。
誰がいいだろう。とりあえず、何故か星野源が頭に浮かんできましたがw
森山未來あたりかな。
苦情…もそうですけど、まず企業が協力してくれなさそうですw
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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