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『B.Q.』(カネコアツシ)

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B.Q. SIDE B THE FLY BOOK (ビームコミックス文庫)B.Q. SIDE B THE FLY BOOK (ビームコミックス文庫)
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 その奇抜な作風ゆえに、なんとなく毛嫌いしていたカネコアツシの作品を初めて読んだ。うーん。どうやら食わず嫌いだったようで、なかなか面白かった。いや、正直な話、今コミックビームで連載されている『SOIL』がかなり独創的というか、病的というか、ついていけないタイプの世界観の作品だったので、この短編集『B.Q.』も、そういう類いの作品だと思っていたんだな。ところが、これが非常にオーソドックスな短編ばっかりで、ちょっとビックリしたのだけれども。

『B.Q.』は、コミックビームの1996年1月号~1997年5月号までに連載されていた短編シリーズだ。実際の連載では十七本の短編が雑誌に掲載されていたらしいが、本書には本編のプロローグとして『CAPTAIN“NIPPON”』(「ファミコミ」1994年冬の号掲載)が収録されている。これは単行本にも収録されていたんだろうか。それとも、文庫化に伴って、新しく収録されたのだろうか。……そういう気の利いたことはしないかな、うん。たぶん、単行本に収録されていたんだろう。

 作品の内容は、既に先に書いてしまったけれども、かなりオーソドックスだ。いや、そりゃ作品の中に登場するキャラクターたちは、そのイラストの持ち味と同様に、狂気の沙汰ではないのだけれど。でも、じっくりと自己の世界を見せる前フリと、その前フリを一気に引っ繰り返す展開は、まさに短編といったところ。ただ、たまに引っ繰り返らなかったりするんだけど。それも、カネコ氏の画力で上手く納得させられてしまう(誤魔化されてしまう)。『BANG!』なんか、途中から完全にオチが分かっているのに面白かったもんなあ。とはいえ、やはり初期の作品(「A THE MOUSE BOOL」収録作品)は、短編としてはまだまだ出来の甘さを感じる。

 これが後期の作品(「B THE FLY BOOL」収録作品)になると、短編作品を描く技術の向上が見られる。特に「スナッピー」(本作で唯一の三部作)以降の四作品のクオリティは、かなり高い。中でも「月に吠える」は、最後の最後までオチが曖昧だったのが良かった(作者的には終盤五ページでオチをつけたつもりだったのだろうけど、どうも僕はあの男がウソをついているのではないか、と深読みしてしまったんだなあ)。

 いわゆる漫画の短編作品集としては、及第点。面白かった。多少、グロ表現があったりもしたけれど、そういうのが許容できる人なら……そこそこ楽しめるかも。うん。
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菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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